JP2018034950A - 振動式部品搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合振動式の部品搬送装置において、基台の部品搬送方向を軸とした回転運動および部品搬送方向と直交する水平方向の変位を抑える。【解決手段】基台3を床部材Fに接続する防振部材9として、強靭な部品であるスタビライザ12と、表裏面を部品搬送方向(X軸方向)に向けた姿勢でスタビライザ12と床部材Fとを連結する第1の防振連結板13と、表裏面をX軸方向に向けた姿勢でスタビライザ12と基台3とを連結する第2の防振連結板14とからなり、部品搬送方向と平行な鉛直面(XZ平面)内では大きなコンプライアンスを有し、かつX軸まわりの回転運動および部品搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)への運動変位に対しては大きな剛性を有するものを採用することにより、基台3のXZ平面内での動きは抵抗が少なく、X軸まわりの回転運動とY軸方向の変位は抑えられるようにしたのである。【選択図】図3

Description

本発明は、加振機構の駆動により部品搬送部材を振動させて部品を搬送する振動式部品搬送装置に関する。
振動式部品搬送装置には、直線状の部品搬送路が形成された部品搬送部材に対し、部品搬送に最適な振動を付与することを目的として、部品搬送部材が取り付けられる上部振動体と床上に設置される基台との間に中間振動体を配し、水平方向に向けた鉛直振動用板ばねで上部振動体と中間振動体とを連結し、鉛直方向に向けた水平振動用板ばねで中間振動体と基台とを連結して、部品搬送部材の水平方向の振動と鉛直方向の振動をそれぞれ調整できる構成とした複合振動式のものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開昭55−84707号公報 特開平11−180525号公報
図6は上記のような複合振動式の部品搬送装置の一例をモデル的に示す(振動の発生源となる加振機構は図示省略)。この部品搬送装置は、振動系として、大別3つの部品、すなわちトラフ(部品搬送部材)Aと上部振動体Bとが一体になった部品、中間振動体Cおよび基台Dを備えている。そして、上部振動体Bと中間振動体Cとが鉛直振動用板ばねKbで、中間振動体Cと基台Dとが水平振動用板ばねKcでそれぞれ連結され、基台Dは防振ばね(防振部材)Kdで床に接続されている。ここで、以下の説明のために、部品搬送方向をX軸方向、部品搬送方向と直交する水平方向をY軸方向、部品搬送方向と直交する鉛直方向をZ軸方向と定義する。
この振動系は、振動工学でいう2自由度の振動系とみなすことができる。すなわち、図7に示すように、水平な台上で摩擦のないころ上に二つの物体m1、m2を置き、そのうちの一方の物体m1を弾性体K1で固定体に結合し、両物体m1、m2を弾性体K2で結合したモデルと同じである。図7のモデルにおいて、図中のD1ないしD2の変位を与えたときの自由振動については、ニュートンの第2法則と弾性体によるばね応力との釣り合い力によって運動方程式を作ることができ、動的な状態を説明できる。ここで、物体m1と固定体を結合する弾性体K1のばね定数が無視できるほど小さい場合は、弾性体K2のみを考えればよい。また、固定体と結合される物体m1の質量が非常に大きい場合は、物体m1がほとんど動かないので、1軸上を一つの物体m2が変位する1自由度の振動系とみなせる。
これをふまえて図6をみると、基台Dを床と接続する防振ばねKdは、通常、その上の振動系に対して十分に軟らかく設定されているので、そのばね作用をほとんど無視することができる。したがって、図6の振動系では、前記の3つの部品とこれらをつなぐ鉛直振動用板ばねKbおよび水平振動用板ばねKcのみを考察すればよい。
ここで、一般に、板ばねは、厚さ方向へは一定のばね定数をもって変形するが、厚さ方向と直交する平面方向には大きな剛性を有しほとんど変形しない。したがって、図6の部品搬送装置においては、水平振動用板ばねKcおよび鉛直振動用板ばねKbがそれぞれの厚さ方向に弾性体として作用するので、中間振動体Cと基台Dとは水平振動用板ばねKcの厚さ方向の相対的な動きは可能であるが、その厚さ方向と直交する平面方向には一体となって運動し、上部振動体Bと中間振動体Cとは鉛直振動用板ばねKbの厚さ方向の相対的な動きは可能であるが、その厚さ方向と直交する平面方向には一体となって運動する。
例えば、この部品搬送装置において、図示省略した水平振動用加振機構のみを作動させると、トラフAおよび上部振動体Bと中間振動体Cとが一体になって振動するため、これらの3つの部品(以下、合わせて「上方部材ABC」と称する。)と基台Dと水平振動用板ばねKcとによる水平振動系の固有周波数(円振動数)ωは(1)式のようになる。
Figure 2018034950
ここで、k:水平振動用板ばねKcのばね定数、
abc:トラフA、上部振動体Bおよび中間振動体Cの質量の総和、
:基台Dの質量
である。
したがって、水平振動用加振機構の駆動周波数を(1)式の固有周波数ωに近づけると、水平振動用板ばねKcの変形が大きくなって、上方部材ABCの部品搬送方向の振動の振幅が大きくなる。このとき、図8(a)に示すように、上方部材ABCの重心Gabcおよび基台Dの重心Gと搬送装置全体の重心Gabcdとの距離をr1、r2とすると、重心Gabcと重心Gにはそれぞれ振動力F1、F2が作用するため、重心GabcdのまわりにF1×r1およびF2×r2のモーメントが発生する。これにより、搬送装置全体は、重心Gabcdを中心としたY軸まわりの回転運動(以下、「ピッチング運動」と称する。)を行う。このときの重心Gabc、Gの振動変位(振幅)X1、X2は、図8(b)に示すように、全体の重心Gabcdと重心Gabc、Gを結んだ直線eで大きさが表される。したがって、その振幅X1、X2は二つの質量の比に反比例することがわかる。
次に、中間振動体Cと上部振動体BおよびトラフAをつなぐ鉛直振動用板ばねKbによる鉛直振動系について述べる。実際の運転時は、この鉛直振動系による鉛直振動と前記水平振動系による水平振動との合成により、必要な角度と波形をもった振動(たとえば楕円振動)を作り出している。鉛直振動用板ばねKbは、水平振動用板ばねKcと結合方向が90°異なるので、当然ながら鉛直方向にのみ変位する。ここでは鉛直振動用加振機構は動作させていないので、鉛直方向の強制的な加振力はない。このため、機械的な外力がない限り上部振動体BとトラフAの鉛直振動はなく、前述の水平方向への変位のみになるはずである。しかしながら、前記の水平振動系は上方部材ABCと基台Dの重心位置の違いによるピッチング運動を伴っているので、トラフAと上部振動体Bはこれらの重心Gabの回りに回転振動を励起される。この回転振動の固有周波数(円振動数)ωは(2)式のようになる。
Figure 2018034950
ここで、k:鉛直振動用板ばねKbのばね定数(1ラジアンあたりのモーメント)、
ab:トラフAと上部振動体Bの慣性モーメントの和、
cd:中間振動体Cと基台Dの慣性モーメントの和
である。
この固有周波数ωに近づくことで、トラフAと上部振動体Bは中間振動体Cに対して大きな回転振動を発生する。この起振力は前記水平振動系のピッチング運動に起因する機械的なものである。図9に示すように、トラフAと上部振動体Bの最大回転時の水平振動系に対する回転角度βが、水平振動系の床面に対する回転角度αと等しければ(回転方向は鉛直振動系と反対)、トラフAは床面に対しては見かけ上ピッチング運動が消え、水平振動のみが観測される。
ところで、上述のようにトラフAの見かけ上のピッチング運動を消して、安定した部品搬送を実現するには、基台DがX軸方向の水平振動とピッチング運動の合成された運動をスムーズに行えるようにしておく必要があるため、従来の部品搬送装置では、前述のように基台Dを床と接続する防振ばねKdを十分に軟らかく設定している。
しかしながら、軟らかい防振ばねKdを用いた部品搬送装置では、基台DがX軸まわりに回転運動したりY軸方向に変位したりすることにより、トラフAの上流側端の部品供給口と前工程の装置の部品排出口との位置関係、およびトラフAの下流側端の部品排出口と次工程の装置の部品供給口との位置関係が許容範囲内に収まらなくなって、前工程や次工程との間で部品の受け渡しがスムーズに行われず、部品詰まりが生じるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、複合振動式の部品搬送装置において、防振部材で床に接続されている基台のX軸まわりの回転運動およびY軸方向の変位を抑えることである。
上記の課題を解決するため、本発明は、直線状の部品搬送路が形成された部品搬送部材と、前記部品搬送部材が取り付けられる上部振動体と、床上に設置される基台と、前記基台の部品搬送方向の両端部を床部材に接続する防振部材と、前記上部振動体と基台との間に設けられる中間振動体と、前記中間振動体と基台とを連結する第1の弾性部材と、前記上部振動体と中間振動体とを連結する第2の弾性部材とを備え、前記第1の弾性部材と第2の弾性部材のうちの一方を水平振動用弾性部材、他方を鉛直振動用弾性部材とし、前記水平振動用弾性部材と第1の加振機構とで部品搬送部材に水平方向の振動を付与し、前記鉛直振動用弾性部材と第2の加振機構とで部品搬送部材に鉛直方向の振動を付与するようにした振動式部品搬送装置において、前記防振部材は、前記基台と床部材との間に配されるスタビライザと、表裏面を部品搬送方向に向けた姿勢で前記スタビライザと床部材とを連結する第1の防振連結板と、表裏面を部品搬送方向に向けた姿勢で前記スタビライザと基台とを連結する第2の防振連結板とからなるものである構成を採用した。
すなわち、基台を床部材に接続する防振部材を、基台と床部材との間に配されるスタビライザと、それぞれ表裏面を部品搬送方向に向けた姿勢でスタビライザを基台および床部材と連結する第1、第2の防振連結板とで構成することにより、その防振部材が部品搬送方向と平行な鉛直面(X軸とZ軸を含むXZ平面)内では大きなコンプライアンスを有し、かつ部品搬送方向を軸とした(X軸まわりの)回転運動および搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)への運動変位に対しては大きな剛性を有するものとなるようにしたのである。
ここで、前記基台に、部品搬送方向と平行な鉛直面(XZ平面)内で旋回可能な錘が取り付けられている構成とすれば、その錘の旋回位置を調整するだけで、容易に部品搬送部材の見かけ上のピッチング運動を抑えて部品搬送の安定化を図ることができる。以下、この錘の作用を前述の図6に基づいて説明する。
まず、この種の部品搬送装置では、搬送対象の部品に合わせてトラフAを様々な長さ、材質、形態のものとする必要があるので、一定の形状と質量を持った通常の機械装置と異なり、前記(2)式の固有周波数を保つことができない。これに対し、前記(1)式および(2)式からわかるように、質量(慣性モーメント)とばね定数のいずれか一方または両方を変えれば、望ましい固有周波数を得ることができる。しかしながら、板ばねのばね定数の変更は、通常その板ばねの枚数を変えることによって行うので、連続的な調整が困難である。また、前述の仕組みから水平振動と鉛直振動の運転周波数は機械的に同じ(実際には、二つの加振機構によって駆動されるが、その場合も周波数は同じ)であるので、効率的な運転を行うためには固有周波数であるωとωはできるだけ近い値に設定する必要がある。そこで、(1)式のωと(2)式のωを等しくおくと(3)式となり、これを変形すると(4)式となる。
Figure 2018034950
Figure 2018034950
上記(4)式から、水平振動用板ばねKcおよび鉛直振動用板ばねKbのばね定数k、kを調整できなくても、各部材の質量と慣性モーメントを(4)式の関係が確保されるように調整すれば効率的な運転を行えることがわかる。
したがって、基台DにXZ平面内で旋回可能な錘を取り付けておけば、トラフAの長さ等の仕様が使用条件に応じて変わった場合でも、錘の旋回位置を調整して、基台D全体の質量を一定にしたまま慣性モーメントを変化させることにより、(4)式の関係が確保されるようにして効率的な運転を行うことができる。なお、錘の旋回位置の調整によって慣性モーメントを変化させるのは、フィギュアスケートの選手が広げた両手を体幹側に寄せることで自転を早くする(慣性モーメントを小さくして保存されているエネルギーを自転に上乗せする)のと同じ理屈である。
また、前記錘を、部品搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)に移動可能な水平方向可動部を有しているものとすれば、部品搬送部材が装置の幅方向の中心を通るXZ平面に対して対称に設計されていない場合に、水平方向可動部のY軸方向位置を調整して、Z軸まわりの回転運動(ヨーイング運動)やそれによる部品搬送路上の部品の蛇行を抑えることができる。
さらに、前記基台は、前記上部振動体および中間振動体に部品搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)の両側で対向する一対の重心調整部を有しており、前記基台の重心位置が前記部品搬送部材と上部振動体と中間振動体を合わせた振動系の重心位置の近傍に設定されている構成とすることが望ましい。
すなわち、上記の構成では、図6に対応する図10(基台Dの正面側の重心調整部となる側板Daのみを二点鎖線で図示)に示すように、基台Dの重心G’の位置が図6の場合の重心Gの位置よりも高くなり、図8(a)に対応する図8(c)に示すように、重心Gabcd’のまわりのモーメントのアーム長さr1’、r2’が図8(a)の場合のアーム長さr1、r2よりも短くなることにより、そのモーメントも図8(a)の場合よりも小さくなる。その結果、各モーメントが発生させるピッチング運動が小さくなり、図9で説明した水平振動系の回転角度αが小さくなるので、トラフAの見かけ上のピッチング運動を消そうとするときに、トラフAの水平振動系に対するピッチング運動の回転角度βも小さくて済むことになる。したがって、鉛直振動用板ばねKbに生じる変形が小さくなり、複合振動式の部品搬送装置に必要な鉛直振動をより安定して実現できるようになる。
また、前述の水平振動系の固有周波数ωとトラフAおよび上部振動体Bの重心Gabのまわりの回転振動の固有周波数ωとの一致を図るうえでも、ピッチング運動の絶対量が小さいほうがその影響が少なくて済むので好都合である。
また、装置全体の寸法を大きくすることなく、基台Dの質量を大きくすると、図8(b)で説明した基台D側の振幅X1が小さくなってトラフA側の振幅X2が大きくなるが、振幅X2を一定とすれば、その振幅X1、X2の合計量は小さくなるので、水平振動用板ばねKcの負担を小さくできるとともに、部品搬送能力の向上を図ることができる。
本発明の振動式部品搬送装置は、上述したように、基台を床部材に接続する防振部材として、部品搬送方向と平行な鉛直面(XZ平面)内では大きなコンプライアンスを有し、かつ部品搬送方向を軸とした(X軸まわりの)回転運動および部品搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)への運動変位に対しては大きな剛性を有するものを採用して、基台のXZ平面内での動きは抵抗が少なく、X軸まわりの回転運動とY軸方向の変位は抑えられるようにしたものであるから、部品搬送部材と前工程や次工程の装置との間でスムーズに部品の受け渡しを行うことができる。
実施形態の部品搬送装置の一部断面正面図(基台の正面側の側板を除く) 図1の一部断面右側面図 図1の一方の防振部材付近を拡大して示す正面図 図3の防振部材のスタビライザの外観斜視図 図1の一方の錘付近を拡大して示す一部断面正面図 一般的な複合振動式の部品搬送装置の簡易モデルの正面図 一般的な2振動系モデルの説明図 a、bは、それぞれ図6の部品搬送装置におけるピッチング運動の発生機構および振幅比率の説明図、cはaの重心位置を変更した場合を示す説明図 図6の部品搬送装置のピッチング運動を説明する正面図 図6の基台の重心位置を変更した例を示す正面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この振動式部品搬送装置は、図1および図2に示すように、直線状の部品搬送路1aが形成されたトラフ(部品搬送部材)1を上部振動体2の上面に取り付け、上部振動体2と床上に設置される基台3との間に中間振動体4を設け、中間振動体4と基台3とを第1の弾性部材としての板ばね5で連結し、上部振動体2と中間振動体4とを第2の弾性部材としての板ばね6で連結し、中間振動体4と基台3の間に水平方向(部品搬送方向、X軸方向)の振動を発生させる第1の加振機構7を設け、上部振動体2と基台3の間に鉛直方向(Z軸方向)の振動を発生させる第2の加振機構8を設けたものである。
前記トラフ1は、上流側端(X軸方向の一端)の部品供給口が図示省略した前工程の装置の部品排出口と、下流側端(X軸方向の他端)の部品排出口が次工程の装置の部品供給口と、それぞれ所定の隙間をもって対向し、前工程および次工程との間で部品の受け渡しを行うようになっている。
前記第1の板ばね5は、表裏面をX軸方向に向けられ、Z軸方向に延びる姿勢で一端部を基台3に他端部を中間振動体4にそれぞれ固定されて、水平振動用板ばね(水平振動用弾性部材)となっている。
一方、前記第2の板ばね6は、表裏面をZ軸方向に向けられ、X軸方向に延びる姿勢で一端部を上部振動体2に他端部を中間振動体4にそれぞれ固定されて、鉛直振動用板ばね(鉛直振動用弾性部材)となっている。
前記第1の加振機構7および第2の加振機構8は、交流電磁石とこれに所定の間隔をおいて対向する可動鉄心とで構成されているが、これに限らず、同様の加振力を発生させることができるアクチュエータであればよい。
前記基台3は、X軸方向の両端部が防振部材9で床部材Fに接続されるとともに、X軸方向の中央部と両端部が、それぞれ床面上の床部材Fに固定された第1および第2の防振ゴム10、11で支持されている。
前記防振部材9は、図3に示すように、基台3と床部材Fとの間に配されるスタビライザ12と、表裏面をX軸方向に向けた姿勢でスタビライザ12と床部材Fとを連結する第1の防振連結板13と、表裏面をX軸方向に向けた姿勢でスタビライザ12と基台3とを連結する一対の第2の防振連結板14とからなる。
この防振部材9のスタビライザ12は、鋳鋼等で形成された変形しにくい強靭な部品であり、図4にも示すように、X軸方向と直交する水平方向(Y軸方向)に延びる状態で配される本体部12aの両端に、X軸方向に延びる長腕部12bと、その長腕部12bの付け根部分から上方に延びる短腕部12cが設けられている。そして、第1、第2の防振連結板13、14によって、各短腕部12cが基台3下面の凹部3aに接触することなく挿入された状態で保持されている。
第1の防振連結板13は、Y軸方向が長い略矩形状のもので、その四隅から突出する取付部13aでスタビライザ12の短腕部12cおよび床部材Fにボルト止めされている。また、その短辺の縁部にはX軸方向に折り曲げられた補強部13bが形成されている。一方、第2の防振連結板14は、Z軸方向が長い矩形のもので、その上下端部で基台3およびスタビライザ12の長腕部12bの先端にボルト止めされている。これらの各防振連結板13、14は、ばね鋼等で形成されており、板ばねとしての役割を果たす。
そして、第1、第2の防振連結板13、14が厚さ方向(X軸方向)へは一定のばね定数で変形するが、厚さ方向と直交する平面(YZ平面)方向には変形しにくいこと、および強靭な部品であるスタビライザ12が捩じり力に抗してほとんど変形しないことから、防振部材9は、全体として、部品搬送方向と平行な鉛直面(XZ平面)内では大きなコンプライアンスを有し、部品搬送方向を軸とした(X軸まわりの)回転運動やY軸方向への運動変位に対しては大きな剛性を有するものとなっている。
なお、基台3を支持する第1、第2の防振ゴム10、11は、各方向への変形の自由度が大きく、基台3の動作に支障のない範囲で適度に振動を減衰させるものである。
また、図1および図2に示したように、前記基台3には上部振動体2および中間振動体4にY軸方向の両側で対向する一対の側板(重心調整部)3bが設けられ、その一対の側板3bのX軸方向の両端部に錘15が取り付けられており、側板3bおよび錘15を含む基台3の重心位置がトラフ1と上部振動体2と中間振動体4を合わせた振動系の重心位置の近傍に設定されている。
前記錘15は、図5にも示すように、Y軸方向に延びる本体部15aと、本体部15aのY軸方向の両端に形成された一対の腕部15bと、両腕部15bを貫通してその両腕部15bに固着された旋回軸15cと、本体部15aに両腕部15bと反対の側で取り付けられた水平方向可動部15dとからなる。そして、旋回軸15cの両端部にはローレット加工が施されており、その旋回軸15cの両端部を鞍形の押え金具16で基台3の側板3bの端面に形成された半円状の凹部3cに押し付けた状態で、押え金具16を側板3bにボルト17a、17bで取り付けることにより、錘15がXZ平面内で旋回可能(任意の旋回位置で固定可能)となっている。
また、錘15の水平方向可動部15dは、中央部にY軸方向に延びるすり割り15eが形成されており、そのすり割り15eに連続してY軸方向に延びる断面凸形の溝15fがほぼ同じ形状の本体部15aの突部15gと嵌合している。そして、すり割り15eと直交するようにねじ込んだボルト18の締め付けにより、すり割り15eおよび溝15fの幅が狭くなる方向に弾性変形して、本体部15aの突部15gを挟み付けている。すなわち、この水平方向可動部15dは、ボルト18を緩めることによりY軸方向に移動可能であり、任意のY軸方向位置で固定可能となっている。
一方、前記上部振動体2には、X軸方向の両端部の下面側に補助錘19が取り付けられている。補助錘19は、図2に示したように、X軸方向に延びる断面凸形の溝19aがほぼ同じ形状の上部振動体2の突部2aと嵌合しており、下面側からねじ込んだボルト20の締め付けにより上部振動体2の突部2aに固定されている。すなわち、この補助錘19は、ボルト20を緩めることによりX軸方向に移動可能となっている。
この振動式部品搬送装置は、上記の構成であり、第1の加振機構7の加振力と水平振動用板ばね5の復元力により中間振動体4に水平方向の振動が発生し、この振動が鉛直振動用板ばね6を介して上部振動体2およびトラフ1に伝わる。また、第2の加振機構8の加振力と鉛直振動用板ばね6の復元力により、上部振動体2およびトラフ1に鉛直方向の振動が発生する。そして、この水平方向の振動と鉛直方向の振動により、トラフ1に供給された部品が部品搬送路1a上を搬送される。
ここで、基台3のX軸方向の両端部を床部材Fに接続する防振部材9が、XZ平面内では大きなコンプライアンスを有し、かつX軸まわりの回転運動やY軸方向への運動変位に対しては大きな剛性を有しているので、基台3はXZ平面内でほとんど抵抗なく変位することができる一方、X軸まわりの回転運動とY軸方向の変位は抑えられる。したがって、トラフ1の部品供給口と前工程の装置の部品排出口との位置関係、およびトラフ1の部品排出口と次工程の装置の部品供給口との位置関係が許容範囲内に収まり、トラフ1が前工程や次工程の装置との間でスムーズに部品の受け渡しを行うことができる。
また、基台3にはXZ平面内で旋回可能な錘15が取り付けられているので、トラフ1の長さ等の仕様が変わった場合でも、錘15の旋回位置を調整して基台3の慣性モーメントを変化させることにより、容易にトラフ1の見かけ上のピッチング運動を抑えて部品搬送の安定化を図ることができる。なお、この基台3の錘15の調整によるピッチング運動の抑制が十分でない場合は、上部振動体2に取り付けた補助錘19のX軸方向位置を調整してピッチング運動を抑えることもできる。ただし、補助錘19はトラフ1を重くして搬送能力を小さくするので、基台3の錘15でピッチング運動を抑えられる場合は、補助錘19を取り付けない方が望ましい。
そして、基台3の錘15はY軸方向に移動可能な水平方向可動部15dを有しているので、トラフ1が装置の幅方向の中心を通るXZ平面に対して対称に設計されていない場合、水平方向可動部15dのY軸方向位置を調整して、Z軸まわりの回転運動(ヨーイング運動)やそれによる部品搬送路1a上の部品の蛇行を抑えることができる。
さらに、基台3には、上部振動体2および中間振動体4にY軸方向の両側で対向し、前記錘15が取り付けられる一対の側板3bが設けられ、側板3bおよび錘15を含む基台3の重心位置がトラフ1と上部振動体2と中間振動体4を合わせた振動系の重心位置の近傍に設定されているので、基台に側板や錘がないものに比べて、図8で説明したようにピッチング運動および鉛直振動用板ばね6に生じる変形が小さく、安定した鉛直振動が得られる。
上述した実施形態では、中間振動体と基台とを連結する第1の板ばねを水平振動用板ばねとし、上部振動体と中間振動体とを連結する第2の板ばねを鉛直振動用板ばねとしたが、これとは逆に、第1の板ばねが鉛直振動用板ばね、第2の板ばねが水平振動用板ばねとなるように構成してもよい。
1 トラフ(部品搬送部材)
1a 部品搬送路
2 上部振動体
3 基台
3b 側板(重心調整部)
4 中間振動体
5 第1の板ばね(水平振動用板ばね)
6 第2の板ばね(鉛直振動用板ばね)
7 第1の加振機構
8 第2の加振機構
9 防振部材
12 スタビライザ
13 第1の防振連結板
14 第2の防振連結板
15 錘
15d 水平方向可動部
19 補助錘
F 床部材

Claims (4)

  1. 直線状の部品搬送路が形成された部品搬送部材と、前記部品搬送部材が取り付けられる上部振動体と、床上に設置される基台と、前記基台の部品搬送方向の両端部を床部材に接続する防振部材と、前記上部振動体と基台との間に設けられる中間振動体と、前記中間振動体と基台とを連結する第1の弾性部材と、前記上部振動体と中間振動体とを連結する第2の弾性部材とを備え、前記第1の弾性部材と第2の弾性部材のうちの一方を水平振動用弾性部材、他方を鉛直振動用弾性部材とし、前記水平振動用弾性部材と第1の加振機構とで部品搬送部材に水平方向の振動を付与し、前記鉛直振動用弾性部材と第2の加振機構とで部品搬送部材に鉛直方向の振動を付与するようにした振動式部品搬送装置において、
    前記防振部材は、前記基台と床部材との間に配されるスタビライザと、表裏面を部品搬送方向に向けた姿勢で前記スタビライザと床部材とを連結する第1の防振連結板と、表裏面を部品搬送方向に向けた姿勢で前記スタビライザと基台とを連結する第2の防振連結板とからなるものであることを特徴とする振動式部品搬送装置。
  2. 前記基台に、部品搬送方向と平行な鉛直面内で旋回可能な錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動式部品搬送装置。
  3. 前記錘は、部品搬送方向と直交する水平方向に移動可能な水平方向可動部を有していることを特徴とする請求項2に記載の振動式部品搬送装置。
  4. 前記基台は、前記上部振動体および中間振動体に部品搬送方向と直交する水平方向の両側で対向する一対の重心調整部を有しており、前記基台の重心位置が前記部品搬送部材と上部振動体と中間振動体を合わせた振動系の重心位置の近傍に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の振動式部品搬送装置。
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