JP5853504B2 - 文字板組立体および時計 - Google Patents
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Description
本発明の文字板組立体は、時計のケース内に収納される文字板組立体であって、
光透過性を有する第1の文字板と、
前記第1の文字板の裏面側に配置された第2の文字板と、
前記第1の文字板の表側に配置され、該第1の文字板の縁部に沿ったリング状をなすリング部材と、
前記第1の文字板と前記第2の文字板との間に配置され、該第1の文字板の縁部に沿ったリング状をなす少なくとも1つのスペーサーとを備え、
前記第1の文字板と前記第2の文字板と前記スペーサーとで囲まれた空間内を、時針および分針と異なる位置で少なくとも1本の小針が回動し、
前記スペーサーの表面側には、前記スペーサーの周方向に沿って、互いに異なる位置に第1の段差部と第2の段差部とが設けられており、
前記第1の段差部に前記第1の文字板が配され、前記第2の段差部に前記リング部材が配されており、
前記第1の段差部は、前記第1の文字板の厚さ分だけ下がっていることを特徴とする。
これにより、簡単な構成で、小針の位置に応じて当該小針が回動する空間を確実に形成することができる。
これにより、文字板組立体を比較的薄いものとすることができる。
本発明の文字板組立体では、前記第1の文字板は、前記時針、前記分針が指し示して機能を果たすものであり、
前記第2の文字板は、前記小針が指し示して機能を果たすものであることが好ましい。
これにより、時針、分針がそれぞれ指す位置によって時刻を確認することができる。また、第2の文字板が例えば曜日を表示する機能を有する場合、小針が指し示す位置によって曜日を確認することができる。
前記第2の文字板は、前記2本の小針のうちの一方の小針が指し示す第1の表示部と、
他方の小針が指し示す第2の表示部とを有することが好ましい。
これにより、例えば、第1の表示部および第2の表示部のうちの一方を24時間表示のものとして使用することができ、他方を曜日表示のものとして使用することができる。
これにより、第1の開口部を介して第1の表示部および一方の小針を視認することができ、第2の開口部を介して第2の表示部および他方の小針を視認することができる。
前記第2の文字板は、光透過性を有することが好ましい。
これにより、第1の文字板を透過した光は、第2の文字板をさらに透過することができ、よって、太陽電池で受光される。
前記第1の文字板、前記第2の文字板、前記スペーサーおよび前記リング部材のうちの少なくとも1つは、隣り合う前記領域同士の境界部と平面視で重なるマスク部を有することが好ましい。
これにより、境界部を隠すことができ、よって、時計の審美性が向上する。
これにより、第1の文字板、第2の文字板、スペーサー、ムーブメントのこれら部材同士が確実に固定され、時計の使用中にズレてしまうのを確実に防止することができる。
本発明の文字板組立体では、前記第1の文字板は、板状をなす第1本体部と、前記第1本体部の縁部に外方に向かって設けられ第1突片を有し、前記リング部材の裏面側には、突部が設けられており、前記第1の段差部に前記第1突片が配され、前記第2の段差部に前記突部が配されることが好ましい。
本発明の文字板組立体では、前記第1突片は、第1欠損部を有し、前記第1の段差部には、前記第1欠損部に挿入可能なピンが設けられていることが好ましい。
本発明の文字板組立体では、前記小針を回転可能に支持し、前記第2の文字板の裏面側に配置されたムーブメントと、を備え、前記リング部材と前記第1文字板とは、それぞれ、前記スペーサーに取り付けられており、前記スペーサーと前記第2文字板とは、それぞれ、前記ムーブメントに取り付けられていることが好ましい。
本発明の時計は、本発明の文字板組立体と、
時針および分針を回転可能に支持し、前記時針および前記分針と異なる位置で少なくとも1本の小針を回転可能に支持するムーブメントと、
前記文字板組立体と前記ムーブメントとが収納されるケースとを備えることを特徴とする。
これにより、簡単な構成で、小針の位置に応じて当該小針が回動する空間を確実に形成することができる。
本発明によれば、簡単な構成で、小針の位置に応じて当該小針が回動する空間を確実に形成することができる文字板組立体、および、かかる文字板組立体を備える時計を提供することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の文字板組立体を備える本発明の時計を腕時計に適用した場合の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す腕時計の断面図、図3は、図1中の文字板組立体を表側から見た分解斜視図、図4は、図1中の文字板組立体を裏側から見た分解斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図4中(図5についても同様)の上側を「上」、「上方」または「表」、下側を「下」、「下方」または「裏」と言う。
また、胴2の外周部23には、その中心軸を介して両側に、バンド20が連結される連結部としてのラグ24が設けられている。バンド20は、時計1を腕に装着する際に用いられるものである。
カバーガラス5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、無機ガラス等が挙げられる。この無機ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、ハードレックス(強化無機ガラス)、クリアレックス(無反射処理)、スピネルガラス、サファイアガラス等が挙げられる。無機ガラスは、材料強度(強度)が高いため、例えば加圧や衝撃による変形、割れを少なくすることができ、傷が付きにくく、鏡面性も良くすることができる。これにより、カバーガラス5自体の強度を高く、視認性を良くすることができる。また、無機ガラスは、接着剤による接着を容易に行うことができ、よって、高接着強度が得られる接着剤の種類や接着方法の選択の幅が広い。
胴2、裏蓋3、指針10の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼や、チタンまたはチタン合金等のような各種金属材料(合金を含む)、各種樹脂材料(プラスチック材料)等が挙げられる。中でも、美的外観、強度などに優れることから、通常、金属材料が好適に用いられる。胴2、裏蓋3、針10は、互いに、同一の材料で構成されたものであってもよいし、異なる材料で構成されたものであってもよい。
前述したように、ムーブメント9および太陽電池70とともに、文字板組立体60が内部空間50(胴2)内に収納されている。図2〜図4に示すように、文字板組立体60は、リング部材(ダイヤルリング)4と、第1の文字板6と、スペーサー7と、第2の文字板8とを有し、これらの部材が表側からこの順に重ねて組み立てられた組立状態となるものである。
また、本体部61の表側の面612には、時針101、分針102、秒針103が指し示して時刻を表示する機能を有する板片状の表示部(目盛り)64が複数配置されている。これらの表示部64は、本体部61の周方向に沿って間欠的に配置されており、時刻の「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」、「9」、「11」、「12」に相当する。そして、時針101、分針102および秒針103がそれぞれ表示部64を指す位置によって、時刻を確認することができる。
各表示部64の構成材料としては、特に限定されず、例えば、胴2と同様の構成材料を用いることができる。
第2の開口部66は、平面視でほぼ半円形をなし、第2の文字板8の第2の表示部84に臨んでいる。この第2の開口部66を介して、第2の表示部84と、ムーブメント9の軸93に支持された曜日針105とを視認することができる。
突片62a〜62dは、本体部61の外周部の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、突片62a〜62dは、それぞれ、本体部61の外周部の周方向に沿った長尺な板片状をなす。そして、突片62a〜62dには、それぞれ、その長手方向の途中に欠損部621が形成されている。各欠損部621は、それぞれ、後述するスペーサー7のピン721が挿入され、当該ピン721とともに、規制手段15の一部となる部分である。
また、第1の表示部83の表側の面832には、その周方向に沿ったリング状をなすリブ833が突出形成されている。このリブ833上には、「1」〜「24」の数字(図示せず)がそれぞれ付されている。これらの数字のいずれかを24時間針104(一方の小針)が指し示すことにより、時間を確認することができる。
また、第2の表示部84の表側の面842には、円弧状をなすリブ843が突出形成されている。このリブ843上には、「Mon(月)」、「Tue(火)」、「Wed(水)」、「Thu(木)」、「Fri(金)」、「Sat(土)」、「Sun(日)」の文字(図示せず)がそれぞれ付されている。これらの文字のいずれかを曜日針105(他方の小針)が指し示すことにより、曜日を確認することができる。
第3の表示部85は、平面視で枠状をなす板状体で構成されている。この第3の表示部85は、第1の文字板6の第3の開口部67の裏面側に臨むように配置される。そして、第1の文字板6の第3の開口部67、第2の文字板8の第3の表示部85を順に介して、その奥側にある、ムーブメント9で表示される「日にち」を視認することができる。
図3に示すように、スペーサー7の表側の面71には、第1の段差部(段差部)72a、72b、72c、72dと、第2の段差部73a、73bとが形成されている。第1の段差部72a〜72dは、スペーサー7の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、第2の段差部73a、73bは、第1の段差部72a〜72dと異なる位置に、スペーサー7の中心軸を介して、互いに反対側に配置されている。
また、第2の段差部73a、73bには、それぞれ、ピン731が突出形成されている。各ピン731は、それぞれ、リング部材4の突部43a、43bの凹部(ガイド孔)431に嵌まり込み、各凹部431とともに規制手段15の一部として機能する。
また、突部75a、75bには、それぞれ、その一部を窪ませた(凹没させた)凹部751が形成されている。そして、各凹部751には、それぞれ、ムーブメント9のピン94が嵌まり込む。これにより、スペーサー7とムーブメント9との位置関係が規制される。このように、突部75a、75bの凹部751は、それぞれ、規制手段15の一部として機能している。
図3、図4に示すように、第1の文字板6の表側には、リング部材4が配置されている。このリング部材4は、第1の文字板6の本体部61の外周部611に沿ったリング状をなす部材である。
また、図4に示すように、リング部材4の裏側の面42には、突部43a、43bが突出形成されている。突部43aと突部43bとは、リング部材4の中心軸を介して、互いに反対側に配置されている。
前述したように、第1の文字板6とスペーサー7との位置関係が規制されており、スペーサー7とムーブメント9との位置関係も規制されている。さらに、リング部材4とスペーサー7との位置関係も規制されている。このように、スペーサー7を介して、第1の文字板6、リング部材4、ムーブメント9の位置関係が一括して規制されることとなる。
従って、時計1では、規制手段15により、リング部材4、第1の文字板6、スペーサー7、第2の文字板8、ムーブメント9のこれら部材同士は、確実に固定された状態となる。これにより、当該部材が時計1の使用中にズレてしまうのが確実に防止される。
また、形成された空間601は、24時間針104および曜日針105の位置に応じた大きさとなっている。すなわち、24時間針104と曜日針105とが同じ高さに位置していれば、図示の構成(本実施形態)のように1つのスペーサー7が配された文字板組立体60とすればよい。図示の構成と異なり、24時間針104と曜日針105とのうちの一方が他方よりも高い位置にある場合には、複数のスペーサー7が重ねて配された文字板組立体60とすればよい。これにより、空間601の大きさを広げることができる。
図5は、本発明の文字板組立体を備える本発明の時計を腕時計に適用した場合の第2実施形態を示す分解斜視図である。なお、図5中の文字板組立体では、第1の文字板、第2の文字板、スペーサーが省略されている。
以下、この図を参照して本発明の文字板組立体および時計の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図5に示すように、リング部材4Aは、外側リング44と、外側リング44の内側に同心的に配置された内側リング45と、外側リング44と内側リング45とを連結する棒状をなす4本の連結部46とを有している。これらの連結部46は、放射状に配置されている。
そして、時計1では、各連結部46は、それぞれ、境界部703に対向する、すなわち、平面視で境界部703と重なることができ、よって、境界部703を隠すことができる。このように、連結部46は、境界部703を隠すマスク部としても機能する。このマスク部により、時計1は、見栄え(美的外観)がよくなる、すなわち、審美性が向上する。
以上、本発明の文字板組立体および時計を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、文字板組立体および時計を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、第2の文字板では、第1の表示部と第2の表示部とは、前記各実施形態では第2の文字板の厚さ方向の位置が互いに同じとなっているが、これに限定されず、例えば、第2の文字板の厚さ方向の位置が互いに異なっていてもよい。
Claims (12)
- 時計のケース内に収納される文字板組立体であって、
光透過性を有する第1の文字板と、
前記第1の文字板の裏面側に配置された第2の文字板と、
前記第1の文字板の表側に配置され、該第1の文字板の縁部に沿ったリング状をなすリング部材と、
前記第1の文字板と前記第2の文字板との間に配置され、該第1の文字板の縁部に沿ったリング状をなす少なくとも1つのスペーサーとを備え、
前記第1の文字板と前記第2の文字板と前記スペーサーとで囲まれた空間内を、時針および分針と異なる位置で少なくとも1本の小針が回動し、
前記スペーサーの表面側には、前記スペーサーの周方向に沿って、互いに異なる位置に第1の段差部と第2の段差部とが設けられており、
前記第1の段差部に前記第1の文字板が配され、前記第2の段差部に前記リング部材が配されており、
前記第1の段差部は、前記第1の文字板の厚さ分だけ下がっていることを特徴とする文字板組立体。 - 前記スペーサーは、厚さが異なる段差部を有し、該段差部上に前記第1の文字板が配される請求項1に記載の文字板組立体。
- 前記第1の文字板は、前記時針、前記分針が指し示して機能を果たすものであり、
前記第2の文字板は、前記小針が指し示して機能を果たすものである請求項1または2に記載の文字板組立体。 - 当該文字板組立体は、2本の前記小針をそれぞれ回転可能に支持するムーブメントとともに前記ケース内に収納されるものであり、
前記第2の文字板は、前記2本の小針のうちの一方の小針が指し示す第1の表示部と、
他方の小針が指し示す第2の表示部とを有する請求項3に記載の文字板組立体。 - 前記第1の文字板には、前記第1の表示部が臨む部分に当該部分を貫通する第1の開口部が形成され、前記第2の表示部が臨む部分に当該部分を貫通する第2の開口部が形成されている請求項3または4に記載の文字板組立体。
- 前記ケース内では、前記第2の文字板の裏面側に太陽電池が配置されており、
前記第2の文字板は、光透過性を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の文字板組立体。 - 前記ケース内では、前記第2の文字板の裏面側に、光を受光する受光面を有する太陽電池が配置され、前記受光面が複数の領域に分割されており、
前記第1の文字板、前記第2の文字板、前記スペーサーおよび前記リング部材のうちの少なくとも1つは、隣り合う前記領域同士の境界部と平面視で重なるマスク部を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の文字板組立体。 - 前記第1の文字板と前記第2の文字板と前記スペーサーと前記ムーブメントとの互いの位置関係を規制する規制手段を備える請求項1ないし7のいずれかに記載の文字板組立体。
- 前記第1の文字板は、板状をなす第1本体部と、前記第1本体部の縁部に外方に向かって設けられた第1突片を有し、
前記リング部材の裏面側には、突部が設けられており、
前記第1の段差部に前記第1突片が配され、
前記第2の段差部に前記突部が配される請求項1ないし8のいずれかに記載の文字板組立体。 - 前記第1突片は、第1欠損部を有し、
前記第1の段差部には、前記第1欠損部に挿入可能なピンが設けられている請求項9に記載の文字板組立体。 - 前記小針を回転可能に支持し、前記第2の文字板の裏面側に配置されたムーブメントと、を備え、
前記リング部材と前記第1文字板とは、それぞれ、前記スペーサーに取り付けられており、
前記スペーサーと前記第2文字板とは、それぞれ、前記ムーブメントに取り付けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の文字板組立体。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載の文字板組立体と、
時針および分針を回転可能に支持し、前記時針および前記分針と異なる位置で少なくとも1本の小針を回転可能に支持するムーブメントと、
前記文字板組立体と前記ムーブメントとが収納されるケースとを備えることを特徴とする時計。
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