JP5919833B2 - 電子時計 - Google Patents
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このようなカレンダー輪列において、日車および日回し車は、文字板に開口された日窓から視認しやすいように、カレンダー輪列において、最も文字板に近づけて配置している。
ここで、日車は、例えば、1日から31日までの目盛が設けられ、24時間で1目盛分駆動する。日回し車は、24時間で1回転し、日回し車の1回転につき日車を1目盛分駆動させる。
上記日付表示機能を有する時計では、日回し車の位置を検出することで、時針が0時(12時)を指示していることを検出した際に、午前0時に対応したものであるか、午後0時に対応したものであるかを検出することが可能となる。
このような課題は、日車以外の曜車等の各種のカレンダー機構を設ける場合にも発生する。
このように、本発明の電子時計では、従来の電子時計のように駆動車の文字板側(表側)に第一検出部を設ける必要がなく、駆動車よりも裏蓋側に位置する検出車と対向する位置に第一検出部を設けている。このため、検出車の文字板側には、検出車から駆動車やカレンダー車の高さ位置までの空間が設けられ、この空間に前記第一検出部を配置することができる。従って、第一検出部の上面の高さ位置を、駆動車やカレンダー車の高さ位置と同じ、あるいは、裏蓋側に配置でき、カレンダー機構の厚さ寸法の増大を防止できる。また、検出車に備えられた被検出部は、第一検出部によって24時間毎に検出されるので、本発明の電子時計では、時針の示す時刻が、午前または午後のいずれに対応したものであるか検出可能である。
従って、本発明の電子時計によれば、カレンダー機構を有する構成においても、時計厚さ寸法の増大を抑制することができる。
また、本発明の電子時計では、検出車が、カレンダー車を駆動する伝達輪列に設けられているので、専用の検出車を設ける必要がない。すなわち、伝達輪列に設けられる車を、検出車としても兼用できるので、伝達輪列とは別に専用の検出車を設ける場合に比べて、部品点数を少なくでき、カレンダー機構を小型化できる。
また、本発明の電子時計では、検出車の表側(文字板側)に第一発光部および第一受光部の一方を配置し、検出車の裏蓋側に他方を配置することになる。この場合でも、検出車の表側(文字板側)に配置された第一発光部および第一受光部の一方は、電子時計の厚さ方向において駆動車と同じ高さ、もしくは駆動車よりも内側に配置される。ゆえに、本発明の電子時計によれば、透過型の光センサーを採用した構成でも、時計厚さ寸法の増大を抑制することができる。
また、時針、分針および秒針の位置を、これらを駆動させる筒車、二番車および秒車を利用して検出させる構成としたので、別途、専用の検出車を設ける必要がない。よって、別に専用の検出車を設ける場合に比べて、部品点数を少なくでき、カレンダー機構を小型化できる。
電子時計1は、図1に示すように、時針11、分針12、秒針13、文字板14を備える。さらに、電子時計1は、文字板14に形成された日窓15からカレンダー情報としての日付を表示するカレンダー車としての日車21を備える。
この電子時計1は、図2に示す時計本体10と、時計本体10を収容する外装ケース16(図1参照)とで概略構成され、利用者が腕に装着して使用する腕時計タイプとされている。また、電子時計1は、時刻情報が重畳された外部信号としての標準電波を受信し、受信した時刻情報に基づいて時針11、分針12、秒針13で指示される表示時刻を修正する針位置検出機能付きの電波修正時計である。
時計本体10は、図2に示すように、ムーブメント2と、文字板受けリング部材3と、を備える。電子時計1は、図示しない太陽電池を備え、この太陽電池で発電された電力を二次電池に充電して用いるものである。この太陽電池の表側には、透光性の文字板14が配置される。
ムーブメント2は、これらの他、第一モーター(図示略)や第二モーター(図示略)等が組み込まれた一般的な構成を採用しているため、説明を簡略にする。また、裏蓋も一般的な構成であるため、説明を省略する。
日車21には、日付を表す数字(図1では、「1」のみが表示されている。)が印刷されており、当該数字を文字板14の日窓15から露出させることで日付が表示される。
日車21の内周面には駆動歯211が形成されている。駆動歯211には、地板20に設けられた日ジャンパー29が係合している。日ジャンパー29は、弾性部材で構成され、日車21が1ピッチ分回転された際に、その回転後の位置を日ジャンパー29の弾性力によって規制する。
日車21を駆動させる駆動力は、上述の第一モーターから駆動輪列22を介して伝達される。本実施形態では、駆動輪列22は、図2〜図4に示すように、駆動車としての日回し車23および日回し中間車24と、検出車25と、第二中間車26と、第一中間車27と、筒車28とで構成される。本実施形態では、当該第一モーターからの駆動力が、まず、筒車28に伝達され、この筒車28から順に第一中間車27、第二中間車26、検出車25、日回し中間車24、日回し車23を経て日車21まで伝達される。
筒車28には、上述の第一モーターからの駆動力が伝達される。また、筒車28には、時針11が固定され、筒車28が回転することで、時針11も回転する。つまり、当該第一モーターは、時針11を駆動させるとともに、駆動輪列22を介して日車21を駆動させる。
ここで、当該第一モーターを駆動させると、この駆動力は、筒車28、第一中間車27、第二中間車26、検出車25、日回し中間車24の順に伝達される。そして、本実施形態では、検出車25は、48時間毎に1回転し、日回し中間車24は、24時間毎に1回転する。また、筒車28および時針11は、12時間毎に1回転する。
図4に示されているように、筒車28の第二貫通孔282よりも内側には、12個の第三貫通孔283が形成されている。第三貫通孔283も、筒車28の厚さ方向で貫通する。これらの第三貫通孔283は、筒車28を平面視してその中心に対して等角度(30度)毎に形成されている。
図5に示されているように、二番車71には、二番車71の回転位置を検出するための第四貫通孔711が形成され、第四貫通孔711は、二番車71の厚さ方向で貫通している。同じく、図5に示されているように、秒車72には、秒車72の回転位置を検出するための第五貫通孔721が形成され、第五貫通孔721は、秒車72の厚さ方向で貫通している。第三貫通孔283、第四貫通孔711、および第五貫通孔721が、センサー基板4と回路基板5とに設けられた第三検出部6Cによって検出される。
検出車25には、検出車25の回転位置を第一検出部6Aに検出させるための被検出部251が設けられている。この被検出部251が第一検出部6Aに検出されるときの検出車25の回転位置が、本発明の基準位置とされる。検出車25には、図4に示すように、被検出部251が2つ設けられており、この被検出部251は、検出車25の厚さ方向で貫通する貫通孔である。2つの被検出部251は、図4に示すように、検出車25の回転軸252の位置を挟んで配置されている。そして、基準位置に設けられた被検出部251は、センサー基板4と回路基板5とに設けられた第一検出部6Aによって検出される。
なお、検出車25、第一中間車27および第二中間車26で、本発明の伝達輪列が構成される。
日回し車23は、日車21の駆動歯211と噛合し、日車21に駆動力を伝達する。日回し車23は、図3,6に示されているように、本実施形態では、電子時計1の厚さ方向において日車21と同じ高さに配置されている。
本実施形態では、図2〜4に示すように、日回し車23と日回し中間車24とでゼネバ機構が構成されている。
回路基板5は、日車21の裏蓋側に配置されている。回路基板5は、検出部6A,6B,6Cを構成する受光部としての受光素子61B,62B,63Bを保持する。図3に示すように、回路基板5の文字板側の面に受光素子61B,62B,63Bが設けられている。本実施形態では、一対の発光素子と受光素子とで、一つの検出部が構成される。つまり、本実施形態では、時計本体10は、第一発光素子61A(第一発光部)と第一受光素子61B(第一受光部)とを備える第一検出部6A、第二発光素子62A(第二発光部)と第二受光素子62B(第二受光部)とを備える第二検出部6B、並びに第三発光素子63A(第三発光部)と第三受光素子63B(第三受光部)とを備える第三検出部6Cという、計3つの検出部を有する。
センサー基板4および回路基板5が、時計本体10に組み込まれると、第一検出部6Aは、検出車25に対向する位置に配置される。すなわち、第一検出部6Aと検出車25とが、これらの間に日回し中間車24や第一中間車26等の他の歯車を介在させずに、向き合っている。このとき、第一発光素子61Aは、検出車25の文字板14側(表側)に配置され、第一受光素子61Bは、検出車25の裏蓋側に配置される。そして、第一発光素子61Aと第一受光素子61Bとは、検出車25を挟んで互いに対向して配置される。ここで、上述のとおり電子時計1の厚さ方向において、検出車25の文字板14側には、検出車25から日回し中間車24や日車21の高さ位置までの空間が設けられている。そしてセンサー基板4を時計本体10に組み込むと、図7および図8に示されているように、第一発光素子61Aが、この空間に配置される。
本実施形態では、検出車25は、48時間毎に1回転し、2つの被検出部251が検出車25の回転軸252の位置を挟んで配置されている。そのため、検出車25の基準位置が、24時間毎に1回、第一発光素子61Aおよび第一受光素子61Bの位置まで回転することになる。つまり、第一検出部6Aは、24時間毎に被検出部251を検出する。よって、基準位置を午前0時に設定しておけば、時針11が「0時」に位置した際に、第一発光素子61Aおよび第一受光素子61Bによる基準位置の検出により、それが午前0時に対応したものであるか、午後0時に対応したものであるかを判別できる。午前0時であれば、第一検出光は第一受光素子61Bに検出され、午後0時であれば、第一検出光は被検出部251の貫通孔を通過できず第一受光素子61Bに検出されないからである。
センサー基板4が、時計本体10に組み込まれると、第二発光素子62Aおよび第三発光素子63Aは、それぞれ筒車28の文字板14側(表側)に配置される。また、回路基板5が、時計本体10に組み込まれると、第二受光素子62Bおよび第三受光素子63Bは、それぞれ秒車72の裏蓋側に配置される。
そして、第二発光素子62Aと第二受光素子62Bとが、筒車28,二番車71,秒車72を挟んで互いに対向して配置され、第三発光素子63Aと第三受光素子63Bとが、筒車28,二番車71,秒車72を挟んで互いに対向して配置される。ここで、上述のとおり電子時計1の厚さ方向において、センサー基板4と筒車28との間に、筒車28から日回し中間車24や日車21の高さ位置までの空間が設けられている。そしてセンサー基板4を時計本体10に組み込むと、第二発光素子62Aおよび第三発光素子63Aが、この空間に配置される。
第二発光素子62Aと第二受光素子62Bとを備える第二検出部6は、第二貫通孔282を検出する。上述のとおり、第二貫通孔282が設けられている位置は、二番車71および秒車72の外周よりも外側である。そのため、第二検出光は、第二貫通孔282を通過すれば、二番車71および秒車72に遮られずに、第二受光素子62Bによって受光される。
筒車28は、12時間毎に1回転するので、第二貫通孔282は、第二検出部6Bに対向する位置に12時間毎に移動してくる。本実施形態では、時針11が、午前0時および午後0時を指示する位置において、第二貫通孔282が検出されるように設定されている。
12個の第三貫通孔283が形成されている筒車28は、上述のとおり12時間毎に1回転するので、第三貫通孔283は、第三検出部6Cに対向する位置に1時間毎に移動してくる。1個の第四貫通孔711が形成されている二番車71は、1時間ごとに1回転するので、第四貫通孔711は、第三検出部6Cに対向する位置に1時間毎に移動してくる。1個の第五貫通孔721が形成されている秒車72は、1分毎に1回転するので、第五貫通孔721は、第三検出部6Cに対向する位置に1分毎に移動してくる。そして、本実施形態では、第三貫通孔283、第四貫通孔711、および第五貫通孔721は、時針11が0時、1時、2時などの正時に移動し、分針12および秒針13が0時の位置に移動したときに、重なり合うように形成されている。そのため、1時間に1回、これら貫通孔283,711,721が重なり合い、この時刻において、第三発光素子63Aから出射された第三検出光は、これら貫通孔283,711,721を通過し、第三受光素子63Bによって受光される。そして、第三発光素子63Aからの第三検出光が受光される筒車28、二番車71および秒車72の回転位置が第二の基準位置とされる。
まず、第二検出部6Bにて時針11の位置検出が実施される。第二検出部6Bでは、12時間に1回、第二検出光を出射し、時針11が、0時の位置に移動していれば、第二貫通孔282を第二検出光が通過する。
しかし、時針11の位置がずれていると、第二検出光は、第二受光素子62Bによって受光されない。この場合、第二検出光が通過する位置となるまで、第一モーターを駆動させて、時針11の位置を早送りし、第二出射光が受光される位置になるまで修正する。
また、分針12および秒針13のうちいずれかがずれていると、第三貫通孔283、第四貫通孔711、および第五貫通孔721が重なり合わず、第三出射光は、第三受光素子63Bによって受光されない。なお、時針11については上述のとおり先に位置修正がなされているので、第三発光素子63Aから出射した第三検出光は、第三貫通孔283を通過する。このような場合、第三検出光が第三貫通孔283、第四貫通孔711、および第五貫通孔721を通過する位置となるまで、第二モーターを駆動させることで二番車71および秒車72を回転させ、分針12および秒針13の位置を修正する。
電子時計1によれば、検出車25が日回し中間車24よりも裏蓋側に配置され、検出車25の文字板14側(表側)には、検出車25から日回し中間車24や日車21の高さ位置までの空間が設けられ、この空間に第一発光素子61Aを配置することができる。従って、第一発光素子61Aの上面の高さ位置を、日回し中間車24や日車21の高さ位置と同じ、あるいは、裏蓋側に配置でき、カレンダー機構の厚さ寸法の増大を防止できる。
ゆえに、電子時計1によれば、カレンダー機構を有する構成においても、時計厚さ寸法の増大を抑制することができる。
ゆえに、電子時計1によれば、時針11、分針12および秒針13の位置の検出を筒車28,二番車71,秒車72を利用して実施する構成としても、時計厚さ寸法の増大を抑制することができる。さらに、時針11、分針12および秒針13の位置を検出するための専用の検出車を設ける必要がない。よって、別に専用の検出車を設ける場合に比べて、部品点数を少なくでき、カレンダー機構を小型化できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
そして前記実施形態では、センサー基板4側に第一発光素子61Aを配置し、回路基板5側に第一受光素子61Bを配置したが、これと逆にセンサー基板4側に第一受光素子61Bを配置し、回路基板5側に第一発光素子61Aを配置してもよい。他の発光素子62A,63Aおよび受光素子62B,63Bで構成される検出部においても同様である。
Claims (2)
- カレンダー表示機能を有する電子時計であって、
時針と、分針と、秒針と、
カレンダー情報を表示するカレンダー車と、
前記カレンダー車を駆動する駆動車と、
時針を回転させる筒車と、
前記分針を回転させる二番車と、
前記秒針を回転させる秒車と、
前記時針および前記カレンダー車を駆動する第一モーターと、
前記分針、前記二番車、前記秒針および前記秒車を駆動する第二モーターと、
前記筒車から前記駆動車まで駆動力を伝達し、かつ、検出車を有する伝達輪列と、
前記検出車が基準位置に回転したことを検出する第一検出部と、
前記時針の位置を検出する第二検出部と、
前記秒針および前記分針の位置を検出する第三検出部と、を備え、
前記筒車は、前記電子時計の厚さ方向において前記駆動車よりも裏蓋側に配置され、
前記二番車および前記秒車は、前記電子時計の厚さ方向において前記筒車よりも裏蓋側に配置され、
前記検出車は、前記第一検出部で24時間毎に検出される被検出部を備えるとともに、前記電子時計の厚さ方向において前記駆動車よりも裏蓋側に配置され、
前記筒車は、前記筒車の厚さ方向で貫通し、前記第二検出部で検出される第二貫通孔を備えるとともに、前記筒車の厚さ方向で貫通する12個の第三貫通孔が形成され、
前記二番車には、前記二番車の厚さ方向で貫通する一つの第四貫通孔が形成され、
前記秒車には、前記秒車の厚さ方向で貫通する一つの第五貫通孔が形成され、
前記第二検出部は、第二検出光を出射する第二発光部と、前記第二貫通孔を通過した前記第二検出光を受光する第二受光部と、を備え、
前記第三検出部は、第三検出光を出射する第三発光部と、前記第二貫通孔、前記第三貫通孔および前記第四貫通孔を通過した前記第三検出光を受光する第三受光部と、を備え、
前記第一検出部は、前記被検出部を検出することで、前記検出車が前記基準位置にあると判断し、
前記第二検出部は、前記筒車が回転して前記第二検出部に対向する位置に移動してきた前記第二貫通孔を通過した前記第二検出光を前記第二受光部が受光することで前記時針の位置を検出し、
前記第三検出部は、前記筒車、前記二番車および前記秒車が回転して、前記第三貫通孔、前記第四貫通孔および前記第五貫通孔の位置が前記電子時計の厚さ方向において揃った際に、これら貫通孔を通過した前記第三検出光を前記第三受光部が受光することで前記秒針および前記分針の位置を検出する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記被検出部は、前記検出車の厚さ方向で貫通する貫通孔であり、
前記第一検出部は、前記貫通孔に向けて第一検出光を発する発光部と、前記貫通孔を通過した前記第一検出光を受光する受光部とで構成される
ことを特徴とする電子時計。
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