以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の管制システムCSの全体構成例を概念的に示す図である。
本実施形態の管制システムCSは、複数の車両Cに対し安全運転支援機能の管制を行い必要に応じて交通整理を行うものである。図1に示すように、管制システムCSは、車載装置100をそれぞれ搭載した複数の車両C(移動体に相当)に対し安全運転支援機能の管制を行う管制サーバ200を有している。
各車両Cには安全運転支援機能および無線通信機能を備えた車載装置100がそれぞれ搭載されている。これらの車載装置100は、管制サーバ200と無線通信を介して接続されており、管制サーバ200との間で情報の送受信が可能となっている。なお、車載装置100と管制サーバ200とは直接的に接続されてもよいし、適宜の場所(交差点、事故の多い場所、あるいは車両が比較的近接する場所等)に設置されたビーコンとの通信を介して間接的に接続されてもよい。
また図1に示す例では、管制サーバ200にネットワークNWを介して複数の車両位置センサ300(位置検出手段に相当)が接続されている。車両位置センサ300は、例えば路側やビーコン設置位置近傍等に設置された赤外線センサやカメラ等であり、その検出結果を管制サーバ200に送信する。管制サーバ200は、車両位置センサ300により各車両Cとの無線通信とは異なる経路で独自に各車両Cの位置情報を取得できる。なお、車両位置センサ300は設置されなくてもよい。
図2は、各車両Cに搭載された車載装置100の機能構成例を示す機能ブロック図である。
車載装置100(移動体搭載装置に相当)は、図示しないCPU等を含む制御部101、アンテナ102および無線送受信部103を有している。管制サーバ200から送信された情報はアンテナ102で受信され、無線送受信部103で処理されて制御部101へ供給される。一方、車載装置100から送信される情報は、制御部101から無線送受信部103に供給されて処理され、アンテナ102より管制サーバ200へ送信される。上記無線送受信部103が、移動体搭載装置が備える送信手段および受信手段に相当する。
また車載装置100は、GPSアンテナ104およびGPS受信部105を有している。GPSアンテナ104は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信信号をGPS受信部105へ供給する。GPS受信部105は、供給された複数の受信信号を利用して車載装置100の現在位置を求め、位置情報として制御部101へ供給する。
さらに車載装置100は、メモリ106、操作部107、カメラ108、表示部109および運転制御部110をそれぞれ有している。メモリ106は、種々の処理において一時的にデータを記憶するために使用される。また操作部107は、ボタンやタッチパネル等で構成され、ユーザが各種操作を行うのに使用される。
カメラ108は、道路状況や周囲の車両Cとの距離および位置関係、周囲の車両Cの挙動等を検出し、検出結果を制御部101へ供給する。なお、カメラ108は赤外線センサやレーダー等でもよい。制御部101は、カメラ108の検出結果に基づき、他の車両Cとの接触や衝突が生じると判断される場合には、表示部109により運転者に対してその旨を通知するか、回避するように指示を行う。あるいは、運転制御部110を介してハンドルやアクセル、ブレーキ等を操作し、自動的に回避するように車両Cを制御する。このときに生成される通知情報(運転者に危険の状況を通知する情報)、指示情報(運転者の取るべき挙動を指示する情報)および制御情報(車両Cを制御する情報)が、安全運転支援に関する運転支援情報に相当し、これを生成する制御部101が安全運転支援手段に相当する。以下では、衝突等判断時に制御部101によって生成される上記通知情報、指示情報および制御情報を、運転支援情報と総称する。
なお、道路状況等の情報を、カメラ106を用いるのではなく、ビーコン等の路側機との通信によって取得してもよいし、他の車両Cとの車車間通信により取得してもよい。
制御部101は、衝突等判断時に運転支援情報を生成すると、当該運転支援情報と、車両識別情報および位置情報を管制サーバ200へ送信する。図3に、このときに車両Cから管制サーバ200へ送信される情報の一例を示す。車両識別情報は、例えば自車両の登録ナンバー等の情報であり、メモリ106等の適宜の記憶手段に予め記憶されている。この車両識別情報は、管制サーバ200において通信先および返信先を特定するのに用いられる。
位置情報は、GPS受信部105により生成された緯度、経度等による自車両の位置情報である。この位置情報は、管制サーバ200において事故に絡みそうな車両群(自車を含む2車あるいは3車以上)を特定するのに用いられる他、後述する運転支援情報の正誤判定の際に特定した車両群の位置関係を把握するのに用いられる。なお、位置情報は現在(例えば情報送信時)の情報のみでもよいし、その前の走行履歴情報を含んでもよい。
なお、上記の情報の他にも、次のような情報を併せて管制サーバ200へ送信してもよい。例えば、自車両とは異なる一又は複数の相手車両の位置情報や車両識別情報等、各車両Cでの衝突等判断の基となる情報の一部あるいは全部を送信してもよい。この情報は、管制サーバ200において事故に絡みそうな車両群(自車以外の1車あるいは2車以上)を特定するための、あるいは特定を追認(確実性の向上)するための情報として用いることができる他、管制サーバ200において後述する運転支援情報の信頼性の判定を行う際にも用いることができる。また、現時点(例えば衝突等判断時又は情報送信時)の自車両の進行方位や速度、ウインカーおよびブレーキ等の操作に基づく挙動情報や、現時点(例えば衝突等判断時、位置情報生成時又は情報送信時)の時刻情報を送信してもよい。上記挙動情報は、具体的には例えば左折する又は右折する、減速又は加速する、左車線又は右車線に移動するといった情報である。これらの情報は、管制サーバ200において行われる後述の運転支援情報の正誤判定の参考情報として用いることができる。
図4は、管制サーバ200の機能構成例を示す機能ブロック図である。
管制サーバ200(移動体管制装置に相当)は、各構成要素が図示しないCPU等を含む制御部210により制御されて動作する。また、各車両Cにそれぞれ搭載された車載装置100から送信された情報はアンテナ201で受信され、無線送受信部202で処理されて制御部210へ供給される。一方、管制サーバ200から送信される情報は、制御部210から無線送受信部202に供給されて処理され、アンテナ201より車載装置100へ送信される。上記無線送受信部202が、移動体管制装置が備える送信手段および受信手段に相当する。
また制御部210には、メモリ203および大容量記憶部204がそれぞれ接続されており、さらに上述した車両位置センサ300がネットワークNWを介して接続されている。メモリ203は、種々の処理において一時的にデータを記憶するために使用される。また大容量記憶部204は、例えばハードディスクや大容量メモリ等で構成されるものであり、管制サーバ200の有する種々の機能を実行するためのプログラムや各種データ等が予め記憶されている。
図5は、管制サーバ200の制御部210の機能構成例を示す機能ブロック図である。
制御部210は、取得部211と、特定部212と、推定部213と、第1判定部214と、修正部215とを有している。取得部211は、無線送受信部202により一又は複数の車両Cの運転支援情報、車両識別情報および位置情報が受信された場合に、この一又は複数の車両Cに含まれる一の車両C(第1の移動体に相当。以下適宜「第1車両C」と呼称する。)について、この第1車両Cの運転支援情報(第1の運転支援情報に相当。以下適宜「第1運転支援情報」と呼称する。)、車両識別情報(以下適宜「第1車両識別情報」と呼称する。)および位置情報(第1の位置情報に相当。以下適宜「第1位置情報」と呼称する。)を当該受信情報から取得し、一の車両Cを特定する。なお、取得部211は第1位置情報を車両位置センサ300から取得してもよいし、または車両位置センサ300からの取得位置情報は第1位置情報を追認するあるいは位置情報補正を行うことに用いてもよい。第1位置情報を車両位置センサ300から取得する方法としては、たとえば車両位置センサ300が(センサによる位置取得と同時に)車両識別情報など第1車両Cの運転支援情報と照合するための情報を取得できることが考えられる。
特定部212は、取得部211で取得した第1位置情報に基づき、第1車両Cに近接する周辺の一又は複数の車両C(第2の移動体に相当。以下適宜「第2車両C」と呼称する。)を特定する。
特定部212による第2車両Cの特定方法としては、例えば次のような方法が考えられる。すなわち、たまたま同じくらいのタイミングで運転支援情報を送信してきた複数の車両Cの中から、それぞれの運転支援情報に含まれるそれぞれの位置情報を比較して互いにごく近くに位置する車両Cを2ないし3以上ピックアップして、それらのうちの一つを(たとえば先に受信したほうを)第1車両Cとし、他を第2車両Cとしてもよい。この場合、送信された情報の中から互いにごく近くに位置する車両Cが見つかって初めて第1車両C及び第2車両Cが特定できることになる。また、とりあえず送信されてきた運転支援情報のどれか一つを対象とし、それと他の情報を比較し近くの車両Cの有無を判定してもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる相手車両Cの位置情報から、同じタイミングで受信した他の車両Cからの運転支援情報の中にその位置情報に該当する位置情報が含まれるものを見つけて第2車両Cとしてもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる相手車両Cを特定する情報から、同じタイミングで受信した他の車両Cからの運転支援情報の中からその情報が含まれるものを見つけて第2車両Cとしてもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる相手車両Cを第2車両Cとし、その第1車両Cからの運転支援情報に含まれる相手車両C(つまり第2車両C)を特定する情報から相手車両Cに対して位置情報を含む運転支援情報の送信を要求し、運転支援情報が返信されればそれを第2車両Cの運転支援情報としてもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる相手車両Cを特定する情報から相手車両Cに対して位置情報を含む運転支援情報の送信を要求し、運転支援情報の返信があったことをもってその車両を第2車両Cとしてもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる第1車両Cの位置に近い車両Cを車両位置センサ300で探し、近い車両Cがあれば同じタイミングで受信した運転支援情報の中から、車両位置センサ300で取得した位置情報と類似した自車位置情報を含む運転支援情報をピックアップすることでそれを送信した車両Cを特定し、第2車両Cとしてもよい。
また例えば、ある運転支援情報を送信してきた車両を第1車両Cとし、その運転支援情報に含まれる第1車両Cの位置に近い車両Cを車両位置センサ300で探し、また車両位置センサ300が位置以外の車両識別のための情報(IDやナンバープレート情報、外観的特徴など)をも周辺車両Cの位置と合わせて取得し、第1車両Cと位置が近い車両Cがあれば同じタイミングで受信した運転支援情報の中から運転支援情報に含まれる自車の車両識別のための情報と車両位置センサ300で取得した近い車両Cの車両識別のための情報とを照合し、該当車両Cの運転支援情報とそれを送信した車両Cを特定し第2車両Cとしてもよい。
また例えば、一応は上記の方法によって第1車両Cと第2車両Cを特定するが、第1車両Cの運転支援情報に含まれる、自車両とは異なる一又は複数の相手車両の位置情報や車両識別情報等、各車両Cでの衝突等判断の基となる情報の一部あるいは全部と、第2車両Cの運転支援情報に含まれる情報を照合することによって追認した上で第2車両Cを特定してもよい。
なお、第2車両Cの特定の際、第1車両Cからの送信情報に前述した時刻情報が含まれる場合には、例えば時刻が離れた位置情報は位置が近接していても特定対象としない等、第1位置情報に加えて時刻情報を考慮して特定を行ってもよい。なお、この際に用いる時刻情報を、車両Cから送信される時刻情報でなく、管制サーバ200が独自に取得した時刻情報としてもよい。
取得部211(取得手段に相当)は、特定部212で特定した第2車両Cの運転支援情報(第2の運転支援情報に相当。以下適宜「第2運転支援情報」と呼称する。)、車両識別情報(以下適宜「第2車両識別情報」と呼称する。)および位置情報(第2の位置情報に相当。以下適宜「第2位置情報」と呼称する。)を取得する。なお、取得部211は、これらの情報の全てが第2車両Cから送信され管制サーバ200で受信されている場合には当該受信情報から取得するが、第2車両Cから情報が送信されていない場合には、例えば次のような方法で情報を取得することができる。すなわち、第1車両Cからの送信情報に前述した衝突等判断の基となる情報として第2車両Cの第2車両識別情報が含まれる場合には、当該第2車両識別情報に基づいて第2車両Cに要求信号を送信し、これに対する第2車両Cからの返信信号を受信して第2運転支援情報および第2位置情報を取得する。なお、第2位置情報については、第1車両Cからの送信情報に含まれる場合にはそれを用いてもよく、また車両位置センサ300から取得してもよい。
推定部213は、第1車両Cが予定する挙動に関する予定挙動情報(第1予定挙動情報に相当。以下適宜「第1予定挙動情報」と呼称する。)および第2車両Cが予定する挙動に関する予定挙動情報(第2予定挙動情報に相当。以下適宜「第2予定挙動情報」と呼称する。)を、第1車両Cおよび第2車両Cからの送信情報に前述した挙動情報が含まれる場合には当該送信情報からそれぞれ取得する。例えば、運転支援情報に「減速せよ」という指示情報が含まれる場合や「減速」という制御情報が含まれる場合がこれに該当する。一方、送信情報に挙動情報が含まれない場合には、推定部213は第1および第2運転支援情報の内容から可能性のある予定挙動を推定する。例えば、運転支援情報に「右側の車両に接近している」という通知情報が含まれる場合には、「左方向に移動する」内容を予定挙動として推定する。なお、通知情報が単に「危険です」とだけ告知する内容である場合のように、運転支援情報の内容から予定挙動を推定できない場合には、たとえば第1車両Cからの送信情報に第2車両Cとの位置関係に関する情報が含まれている場合には第1車両Cが第2車両Cとの位置関係から常識的な行動を取るとして第1車両Cの予定挙動を推定してもよいし、「挙動せず」(すなわち衝突等判断時の前と同じ走行状態を継続)と推定してもよい。
第1判定部214(第1の判定手段に相当)は、取得部211により取得された第1位置情報および第2位置情報と、推定部213により取得又は推定された第1予定挙動情報および第2予定挙動情報に基づき、第1運転支援情報および第2運転支援情報の正誤を判定する。すなわち、第1車両Cおよび第2車両Cが第1位置情報および第2位置情報に基づく位置から第1予定挙動情報および第2予定挙動情報に基づく挙動をそれぞれ行った場合に、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できる場合には、第1運転支援情報および第2運転支援情報は正しいと判定し、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できない場合には、第1運転支援情報および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りであると判定する。
なお、上記接触の回避の可否は、例えば第1車両Cと第2車両Cとの車間距離を所定量確保できるか否かにより判断することができる。この所定量は、車両同士が接触や衝突を生じない範囲で最小の車間距離となるように設定されており、車種に応じて複数の値が大容量記憶部204に予め記憶されている。第1判定部214は、第1車両Cと第2車両Cの車両識別情報に基づきそれぞれの車種を特定し、対応する値を大容量記憶部204から読み出して所定量を決定すればよい。
具体的には、例えば第1予定挙動情報および第2予定挙動情報の内容が、左側の第1車両Cが左方向に移動すると共に右側の第2車両Cが右方向に移動する場合、左側の第1車両Cが挙動せず右側の第2車両Cが右方向に移動する場合、前側の第1車両Cが加速し後側の第2車両Cが減速する場合、前側の第1車両Cが挙動せず後側の第2車両Cが減速する場合等に該当すれば、第1車両Cと第2車両Cとの車間距離(第1車両Cと第2車両Cとが対向して走行する場合には互いの走行方向に略直角な方向の車間距離。以下同様)が大きくなるので、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できるとみなし、第1および第2運転支援情報は正しいと判定する。一方、左側の第1車両Cが右方向に移動すると共に右側の第2車両Cが左方向に移動する場合、左側の第1車両Cが挙動せず右側の第2車両Cが左方向に移動する場合、前側の第1車両Cが減速し後側の第2車両Cが加速する場合、前側の第1車両Cが挙動せず後側の第2車両Cが加速する場合等に該当すれば、第1車両Cと第2車両Cとの車間距離が小さくなるので、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できないとみなし、第1および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りと判定する。
なお、第1車両Cおよび第2車両Cが第1および第2位置情報に基づく位置から第1および第2予定挙動情報に基づく挙動をそれぞれ行った場合に、第1車両Cと第2車両Cとの車間距離がほぼ一定に保たれる場合には、第1および第2運転支援情報は正しいと判定してもよいし誤りと判定してもよい。具体的には、第1車両Cと第2車両Cが共に右方向あるいは左方向に移動する場合や、前後に位置する第1車両Cと第2車両Cが共に加速あるいは減速する場合がこれに該当する。この場合、車間距離や走行速度の大小に応じてどちらの判定とするか決定してもよい。
また上記では、第1位置情報および第2位置情報に基づく位置を基準に判定を行ったが、さらに各車両Cから取得した挙動情報や時刻情報等を考慮して判定時点での位置を推定し、その位置情報を基準に判定を行ってもよい。これにより、各車両Cの位置情報の精度が向上し、判定の信頼性を高めることができる。さらに「挙動せず」と推定した場合には、各車両Cから取得した位置情報に含まれる走行履歴情報を考慮して第1車両Cと第2車両Cとの車間距離の挙動を判定してもよい。
以上のようにして行われた第1判定部214による判定結果は、それが正しいという判定である場合には、対応する車両Cに送信される。一方、誤りという判定である場合には、当該判定結果と共に、あるいは判定結果の代わりに、後述するように修正部215により修正された運転支援情報が送信される。
修正部215は、第1判定部214により第1および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りであると判定された場合に、誤りであると判定された運転支援情報を第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できるように修正する。
具体的には、例えば第1予定挙動情報および第2予定挙動情報の内容が、前述した左側の第1車両Cが挙動せず右側の第2車両Cが「左方向」に移動する内容である場合、第1判定部214により例えば第1運転支援情報は正しく第2運転支援情報は誤りであると判定される。したがって、修正部215は、車間距離を大きくして車両同士の接触を回避できるように、第2車両Cが「右方向」に移動するように第2予定挙動情報を修正し、その上で当該修正後の予定挙動となるように第2運転支援情報を修正する。上記の例では、第2車両Cの第2予定挙動情報を「左方向に移動」から「右方向に移動」に修正するわけであるから、元の第2運転支援情報に含まれる「左に移動せよ」という指示情報あるいは「左に曲がる」という制御情報を、「右に移動せよ」という指示情報あるいは「右に曲がる」という制御情報に修正することになる。
このようにして修正部215により修正された第2運転支援情報は、第2車両Cに送信される。一方、この例では第1運転支援情報は正しいと判定されるため、その判定結果のみが第1車両Cに送信される。
また例えば、第1予定挙動情報および第2予定挙動情報の内容が、前述した第1車両Cが「右方向」に移動すると共に右側の第2車両Cが「左方向」に移動する内容である場合、第1判定部214により例えば第1運転支援情報および第2運転支援情報の両方が誤りであると判定される。したがって、修正部215は、車間距離を大きくして車両同士の接触を回避できるように、例えば左側の第1車両Cが「左方向」に移動するように、且つ、右側の第2車両Cが「右方向」に移動するように、第1予定挙動情報および第2予定挙動情報を修正した上で、当該修正後の予定挙動となるように、第1運転支援情報および第2運転支援情報を修正する。すなわちこの例では、元の第1運転支援情報に含まれる「右に移動せよ」という指示情報あるいは「右に曲がる」という制御情報を、「左に移動せよ」という指示情報あるいは「左に曲がる」という制御情報に修正する。第2車両Cの第2運転支援情報についても同様である。
このようにして修正部215により修正された第1運転支援情報および第2運転支援情報は、第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信される。
なお、前述した例のように、一方の車両Cのみの運転支援情報を修正する場合には、どちらの車両の判定結果がより具体的な判定結果であるかによって、修正する車両を選択してもよい。またその場合、具体性に乏しい判定結果にレベルを上げて修正してもよい。具体的には、例えば第1車両Cの運転支援情報が「右に曲がれ」という具体的な指示情報を含むものであり、第2車両Cの運転支援情報が単に「危険」という通知情報のみを含むものである場合、第2車両Cの通知情報を「左に曲がれ」というより具体的な指示情報にレベルを上げて運転支援情報を修正する。
また、上述した修正部215による運転支援情報の修正は、修正後の運転支援情報を対応する車両Cの安全運転支援機能がそのまま使用できるフォーマットで修正するものとしてもよいし、何が問題であるかをコメントする内容とし、運転支援情報の修正自体は対応する車両Cの安全運転支援機能に任せるようにしてもよい。あるいは、一方の車両Cのみの運転支援情報を修正する場合には、修正をしない車両側の運転支援情報を修正をする車両側に伝えるようにしてもよい。
また、上記では誤りと判定した運転支援情報を修正部215により修正するようにしたが、修正をせずに誤りであるという判定結果のみ車両Cに送信してもよい。
図6は、管制サーバ200の制御部210により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。なお、ここでは典型的な処理手順を一例として説明するが、制御部210の制御内容をこれに限定するものではない。
まずステップS110では、制御部210は、アンテナ201および無線送受信部202を介して一又は複数の車両Cより運転支援情報等(運転支援情報、車両識別情報および位置情報を含む)を受信したか否かを判定する。運転支援情報等を受信するまで本判定を繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS120に移る。
ステップS120では、制御部210は、判定対象となる車両Cを特定する。すなわち、取得部211により、上記ステップS110で運転支援情報等を受信した一又は複数の車両Cに含まれる一の車両Cについて、この車両Cの第1運転支援情報等(第1運転支援情報、第1車両識別情報および第1位置情報を含む)を当該受信情報から取得し、第1車両Cを特定する。そして、特定部212により、取得した第1位置情報等に基づき、前述した特定方法により第2車両Cを特定する。
次のステップS130では、制御部210は、取得部211により、上記ステップS120で特定した第2車両Cの第2運転支援情報等(第2運転支援情報、第2車両識別情報および第2位置情報を含む)を取得する。
次のステップS140では、制御部210は、推定部213により、第1車両Cが予定する挙動に関する第1予定挙動情報および第2車両Cが予定する挙動に関する第2予定挙動情報を、第1車両Cおよび第2車両Cからの送信情報に基づきそれぞれ取得あるいは推定する。
次のステップS150では、制御部210は、第1判定部214により、上記ステップS130において取得部211により取得された第1位置情報および第2位置情報と、上記ステップS140において推定部213により取得又は推定された第1予定挙動情報および第2予定挙動情報に基づき、第1運転支援情報および第2運転支援情報の正誤を判定する。具体的な判定方法は前述した通りである。
次のステップS160では、制御部210は、上記ステップS150において第1および第2運転支援情報の両方が正しいと判定されたか否かを判定する。第1および第2運転支援情報の両方が正しいと判定された場合には、判定が満たされて後述するステップS180に移る。一方、第1および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りと判定された場合には、判定が満たされず次のステップS170に移る。
ステップS170では、制御部210は、修正部215により、上記ステップS160において誤りであると判定された運転支援情報を第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できるように修正する。具体的な修正方法は前述した通りである。
次のステップS180では、制御部210は、判定結果又は修正後の第1および第2運転支援情報を無線送受信部202およびアンテナ201を介して第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信する。すなわち、上記ステップS160において第1および第2運転支援情報の両方が正しいと判定された場合には、当該判定結果のみを第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信する。一方、上記ステップS160において第1および第2運転支援情報の両方が誤りと判定された場合には、上記ステップS170において修正された第1および第2運転支援情報を第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信する。また、上記ステップS160において第1および第2運転支援情報の一方が誤りと判定された場合には、正しいと判定された車両Cには判定結果のみを、誤りと判定された車両Cには修正された運転支援情報を送信する。以上により、制御部210は本フローを終了する。
図7は、車載装置100の制御部101により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。なお、ここでは典型的な処理手順を一例として説明するが、制御部101の制御内容をこれに限定するものではない。
まず、ステップS210では、制御部101は、カメラ108等による検出結果に基づき他の車両Cとの接触や衝突が生じると判断し、運転支援情報を生成したか否かを判定する。運転支援情報を生成するまで本判定を繰り返し、生成した場合には判定が満たされて次のステップS220に移る。
ステップS220では、制御部101は、上記ステップS210において生成した運転支援情報を、無線送受信部103およびアンテナ102を介して管制サーバ200に送信する。
次のステップS230では、制御部101は、上記ステップS220で送信した運転支援情報の正誤に関する判定結果又は修正された運転支援情報を管制サーバ200より受信したか否かを判定する。判定結果等を受信するまで本判定を繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS240に移る。
ステップS240では、制御部101は、上記ステップS230で受信した判定結果が正であるか否かを判定する。正しい旨の判定結果を受信した場合には、判定が満たされて次のステップS250に移る。
ステップS250では、制御部101は、上記ステップS210で生成した運転支援情報に基づき、表示部109により運転者に対して通知又は指示を行うか、運転制御部110によりハンドルやアクセル、ブレーキ等を操作して自動的に衝突等を回避するように車両Cを制御することにより、安全運転支援を実行する。
一方、上記ステップS240において、受信した判定結果が正でない場合(すなわち修正された運転支援情報を受信した場合)には、判定が満たされず次のステップS260に移る。
ステップS260では、制御部101は、管制サーバ200より受信した修正後の運転支援情報に基づき、表示部109により運転者に対して通知又は指示を行うか、運転制御部110により自動的に衝突等を回避するように車両Cを制御することにより、安全運転支援を実行する。この場合、修正前の運転支援情報については破棄し、それによる安全運転支援は実行しない。以上により、制御部101は本フローを終了する。
なお、上記ステップS250及びステップS260において安全運転支援を実行する制御部101が実行手段に相当する。
なお、以上では各車両Cにおいて運転支援情報を生成すると、運転者に安全運転支援をする前に管制サーバ200に送信し、管制サーバ200より正誤判定結果を受信してから安全運転支援を実行するようにしたが、これに限られない。例えば運転支援情報を生成後、管制サーバ200への送信と並行して当該生成した運転支援情報に基づく安全運転支援を実行してもよい。この場合、修正された運転支援情報を受信した場合には、支援内容を撤回あるいは変更する旨の告知を運転者に行い、実行中の安全運転支援を中断あるいは修正して改めて安全運転支援を実行すればよい。また、正の判定結果を受信した場合には、実行中の安全運転支援の中断や修正を行わずにそのまま継続すればよい。さらに、管制サーバ200への送信後判定結果等を受信するまでのタイムリミットを設けてもよい。この場合、タイムリミットを過ぎても管制サーバ200から判定結果等の返信がない場合には、生成した元の運転支援情報に基づいて安全運転支援を実行してもよい。
また、以上では運転支援情報を誤りと判定した場合に当該運転支援情報を修正するようにしたが、前述したように運転支援情報を修正せずに誤りであるという判定結果のみ車両Cに送信してもよい。この場合、当該判定結果を受信した制御部101は、例えば(上記ステップS260において)衝突等の可能性があるが状況不明である旨を通知して、運転者の自力による回避を促してもよい。また、生成した運転支援情報を破棄し、新たな運転支援情報を生成して再度管制サーバ200に送信し判定を求めてもよい。
以上説明したように、上記管制サーバ200は、安全運転支援に関する運転支援情報を生成する制御部101(安全運転支援手段に相当)をそれぞれ搭載した複数の車両C(移動体に相当)と無線通信を介して接続された管制サーバ200(移動体管制装置に相当)であって、車両Cより送信された運転支援情報を受信する無線送受信部202(受信手段に相当)と、無線送受信部202により一又は複数の車両Cの運転支援情報が受信された場合に、一又は複数の車両Cに含まれる第1車両C(第1の移動体に相当)の第1運転支援情報(第1の運転支援情報に相当)および第1位置情報(第1の位置情報に相当)ならびに第1車両Cとは異なる一又は複数の第2車両C(第2の移動体に相当)の第2運転支援情報(第2の運転支援情報に相当)および第2位置情報(第2の位置情報に相当)を取得する取得部211(取得手段に相当)と、取得部211により取得された第1および第2位置情報に基づき、第1および第2運転支援情報の正誤を判定する第1判定部214(第1の判定手段に相当)と、第1判定部214による判定結果を第1車両Cおよび第2車両Cの少なくとも一方へ送信する無線送受信部202(送信手段に相当)と、を備える。
また上記車載装置100は、安全運転支援に関する運転支援情報を生成する制御部101(安全運転支援手段に相当)を備えた車両C(移動体に相当)に搭載された車載装置100(移動体搭載装置に相当)であって、制御部101により生成された運転支援情報を送信する無線送受信部103(送信手段に相当)と、無線送受信部103により送信された運転支援情報の正誤に関する判定結果を受信する無線送受信部103(受信手段に相当)と、運転支援情報および無線送受信部103により受信された判定結果に基づき安全運転支援を実行する制御部101(実行手段に相当)と、を備える。
これらのようにすると、第1車両Cで生成された第1運転支援情報と第2車両Cで生成された第2運転支援情報が、これらに従って第1車両Cおよび第2車両Cがそれぞれ運転されると互いに衝突してしまう内容である場合、第1判定部214で第1運転支援情報および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りであると判定することができる。そして、その判定結果を第1車両Cおよび第2車両Cの少なくとも一方に送信することで、誤りであるという判定結果を受信した車両Cが誤った運転支援情報に従わないようにすることができる。その結果、第1車両Cと第2車両Cの接触や衝突を回避することができる。このようにして、管制サーバ200により各車両Cの安全運転支援機能を管制することで、各車両Cで行われる安全運転支援機能を他の車両Cと連携させることができる。したがって、車両Cの事故の危険性を低減し、安全性を高めることができる。
また、上記管制サーバ200においては、第1車両Cおよび第2車両Cがそれぞれ予定する挙動に関する予定挙動情報を第1および第2運転支援情報より取得又は推定する推定部213(推定手段に相当)をさらに備え、第1判定部214は、取得部211により取得された第1および第2位置情報ならびに推定部213により取得又は推定された第1および第2予定挙動情報に基づき、第1および第2運転支援情報の正誤を判定する。
位置情報と予定挙動情報の両方を用いて運転支援情報の正誤を判定することは、第1車両Cで生成された第1運転支援情報と第2車両Cで生成された第2運転支援情報が、これらに従って第1車両Cおよび第2車両Cがそれぞれ運転されると互いに衝突してしまう内容であるかを具体的に判定することになるので、正誤判定の信頼性を向上することができる。また推定された予定挙動情報をも判定に用いることが出来るようにすることで、車両側の運転支援情報を生成する機能が簡易なものあるいは不十分な場合にも、正誤判定の信頼性を向上することができる。
また、上記管制サーバ200においては、第1判定部214は、第1車両Cおよび第2車両Cが第1および第2位置情報に基づく位置から第1および第2予定挙動情報に基づく挙動をそれぞれ行った場合に、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できる場合には第1および第2運転支援情報が正しいと判定し、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できない場合には第1および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りであると判定する。
このようにすると、第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できるか否かの判断に基づいて運転支援情報の正誤を判定するので、正誤判定の信頼性をさらに向上することができる。
また、上記管制サーバ200においては、第1判定部214により第1および第2運転支援情報の少なくとも一方が誤りであると判定された場合に、誤りであると判定された運転支援情報を第1車両Cと第2車両Cとの接触を回避できるように修正する修正部215(修正手段に相当)をさらに備える。
このようにすると、仮に各車両Cにおいて生成された第1および第2運転支援情報が、これらに従って第1車両Cおよび第2車両Cがそれぞれ運転されると互いに衝突してしまう内容である場合でも、修正部215でいずれか一方の車両Cの運転支援情報を修正することで、当該一方の車両Cを衝突する方向とは反対の方向に回避させることができる。したがって、第1車両Cと第2車両Cとの衝突をより安全に回避することが可能となり、車両Cの安全性をさらに高めることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
(1)位置情報の信頼性を判定する場合
上記実施形態では、第1車両Cおよび第2車両Cから送信される第1および第2位置情報が正しいことを前提として運転支援情報の正誤判定を行ったが、各車両Cで取得された位置情報には誤差や誤りが含まれる場合がある。この場合、各車両Cで取得された位置情報に基づいて正誤判定を行うと、判定を誤るおそれがある。そこで本変形例は、運転支援情報の正誤判定を行う前に車両Cで取得された位置情報の信頼性を判定し、信頼性が高い場合にのみ運転支援情報の正誤判定を行うようにするものである。
図8は、本変形例における管制サーバ200の制御部210の機能構成例を示す機能ブロック図であり、前述の図5に対応する図である。図5と同等の部分には同符号を付し、説明を省略する。
本変形例の制御部210は、取得部211により取得された第1および第2位置情報の信頼性を判定する第2判定部216(第2の判定手段に相当)を有している。第1判定部214は、第2判定部216により第1および第2位置情報の両方の信頼性が高いと判定された場合にのみ、第1および第2の運転支援情報の正誤を判定する。
第2判定部216による判定手法は次の通りである。例えば、第1車両Cからの送信情報に衝突判断の基となる情報として相手車両である第2車両Cの第2位置情報が、第2車両Cからの送信情報に衝突判断の基となる情報として相手車両である第1車両Cの第1位置情報が含まれている場合、取得部211は、第1車両Cより送信された第1運転支援情報および第1および第2位置情報を取得すると共に、第2車両Cより送信された第2運転支援情報および第1および第2位置情報を取得する。そして、第2判定部216は、第1車両Cおよび第2車両Cよりそれぞれ取得された第1位置情報同士および前記第2位置情報同士を比較し、両者が略一致する場合には、第1および第2の位置情報の信頼性が高いと判定する。一方、両者が相違する場合には、第1および第2の位置情報の信頼性が低いと判定する。
第2判定部216により第1および第2位置情報の信頼性が低いと判定された場合、第1判定部214による運転支援情報の正誤判定は行わず、位置情報の信頼性が低いという判定結果のみを第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信する。なお、各車両Cから取得した運転支援情報がその車両Cにおいて取得された位置情報に基づいて生成されたものである場合、運転支援情報自体の信頼性が低いと言えるため、運転支援情報の信頼性が低いという判定結果を各車両Cに送信してもよい。
なお、各車両Cからの送信情報に相手車両Cの位置情報が含まれない場合には、車両位置センサ300により管制サーバ200が独自に取得した各車両Cの位置情報を利用してもよい。この場合、取得部211は、第1車両Cより送信された第1運転支援情報および第1位置情報ならびに第2車両Cより送信された第2運転支援情報および第2位置情報を取得すると共に、車両位置センサ300により検出された第1および第2位置情報を取得する。そして、第2判定部216は、第1車両Cおよび第2車両Cならびに車両位置センサ300よりそれぞれ取得された第1位置情報同士又は第2位置情報同士を比較し、両者が略一致する場合には第1および第2位置情報の信頼性が高いと判定し、両者が相違する場合には第1および第2位置情報の信頼性が低いと判定する。
この場合、車両位置センサ300による位置情報が正確であることを前提としてもよいし、誤差や誤りを含むことを前提としてもよいが、正確を前提とする場合、両者が相違する場合には各車両Cからの位置情報でなく車両位置センサ300による位置情報を用いて第1判定部214による運転支援情報の正誤判定を行うようにしてもよい。
なお、上記では第2判定部216が位置情報同士を比較する場合を一例として説明したが、位置情報に限定されず、各車両Cからそれぞれの車両での判断の基となる情報の一部又は全部を取得し比較して、全ての項目が相違なければ運転支援情報の信頼性が高いと判定し、1つの項目でも相違がある場合(あるいは重要項目に相違がある場合)には運転支援情報の信頼性が低いと判定してもよい。また、相違する項目について、管制サーバ200側で車両位置センサ300やその他のセンサ等を用いて取得できる情報がある場合、当該サーバ側で取得した情報に置き換えて運転支援情報を生成してもよいし、当該置き換えて生成した運転支援情報の正誤判定を行うようにしてもよい。
車載装置100の制御部101は、第2判定部216による信頼性低の判定結果を受信した場合、生成した運転支援情報による安全運転支援を中止する。この場合、衝突等の可能性があるが状況不明である旨を通知して、運転者の自力による回避を促してもよいし、元の運転支援情報を破棄し、新たな運転支援情報を生成して再度管制サーバ200に送信し判定を求めてもよい。あるいは、生成した運転支援情報による安全運転支援は実行するが信頼性が低いことを運転者に通知し、それに従うか否かについては運転者の判断に任せてもよい。
図9は、本変形例の管制サーバ200の制御部210により実行される処理の手順例を示すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。図6と同等の部分には同符号を付し、説明を省略する。
ステップS110〜ステップS130は、図6と同様であるので説明を省略する。
次のステップS135では、制御部210は、第2判定部216により、取得部211で取得した第1および第2位置情報の信頼性を判定する。具体的な判定手法は前述した通りである。第1および第2位置情報の両方の信頼性が高いと判定した場合には、判定が満たされてステップS140に移る。一方、第1および第2位置情報の一方又は両方の信頼性が低いと判定した場合には、判定が満たされずに次のステップS137に移る。
ステップS137では、制御部210は、位置情報(又は運転支援情報)の信頼性が低いという判定結果を無線送受信部202およびアンテナ201を介して対応する車両Cに送信する。すなわち、上記ステップS135において第1および第2位置情報の両方が信頼性が低いと判定された場合には、当該判定結果を第1車両Cおよび第2車両Cにそれぞれ送信する。一方、第1および第2位置情報の一方が信頼性が低いと判定された場合には、信頼性が低いと判定された車両Cにはその旨の判定結果を、信頼性が高いと判定された車両Cにはその旨の判定結果をそれぞれ送信する。この場合、信頼性高の判定結果を受信した車載装置100の制御部101は、運転支援情報の正誤は分からないが、少なくとも位置情報の信頼性が高いことは把握した上で、生成した運転支援情報に基づき安全運転支援を実行できる。
なお、ステップS140〜ステップS180は図6と同様であるので説明を省略する。
以上説明したように、上記管制サーバ200においては、取得部211により取得された第1および第2位置情報の信頼性を判定する第2判定部216(第2の判定手段に相当)をさらに備え、第1判定部214は、第2判定部216により信頼性が高いと判定された場合に、第1および第2運転支援情報の正誤を判定する。
このようにすると、車両Cで取得された位置情報に誤差や誤りが含まれる場合に、当該位置情報に基づいて運転支援情報の正誤判定が行われることを防止できるので、正誤判定の信頼性を向上することができる。また、判定した結果、第1および第2位置情報の少なくとも一方の信頼性が低い場合には、当該判定結果を車両Cに送信することで、車両側では信頼性の低い運転支援情報には従わない等の措置を取ることが可能となり、車両Cの安全性を確保することができる。
また、上記管制サーバ200においては、取得部211は、第1車両Cより送信され無線送受信部202で受信された第1運転支援情報および第1および第2位置情報ならびに第2車両Cより送信され無線送受信部202で受信された第2運転支援情報および第1および第2位置情報を取得し、第2判定部216は、第1車両Cおよび第2車両Cよりそれぞれ取得された第1位置情報同士又は第2位置情報同士を比較し、両者が略一致する場合には第1および第2位置情報の信頼性が高いと判定し、両者が相違する場合には第1および第2位置情報の信頼性が低いと判定する。
このようにすると、第1車両Cおよび第2車両Cから取得した位置情報同士を互いに比較するのみで位置情報の信頼性を判定できるので、各車両Cの位置を検出する位置検出手段を別途設ける必要がなく、システム構成の簡素化やコスト低減を図ることができる。
また、上記管制サーバ200においては、取得部211は、第1車両Cより送信され無線送受信部202で受信された第1運転支援情報および第1位置情報ならびに第2車両Cより送信され無線送受信部202で受信された第2運転支援情報および第2位置情報を取得すると共に、車両位置センサ300(位置検出手段に相当)により検出された第1および第2位置情報を取得し、第2判定部216は、第1車両Cおよび第2車両Cならびに車両位置センサ300よりそれぞれ取得された第1位置情報同士又は第2位置情報同士を比較し、両者が略一致する場合には第1および第2位置情報の信頼性が高いと判定し、両者が相違する場合には第1および第2位置情報の信頼性が低いと判定する。
一般に、路側等に設置した車両位置センサ300で検出した車両Cの位置情報は、各車両Cで取得された位置情報よりも誤差や誤りが少なく信頼性が高い。したがって、第1車両Cおよび第2車両Cならびに車両位置センサ300より取得された位置情報同士をそれぞれ比較して位置情報の信頼性を判定することで、信頼性の判定精度を高めることができる。
(2)その他
管制サーバ200による情報取得を補助するために、運転支援情報を生成しなくとも位置情報や車両識別情報を定期的に管制サーバ200に送信する車両Cを設けてもよい。
また以上では、運転支援情報の正誤判定結果が正しい場合にも判定結果を送信するようにしたが、この場合には判定結果を送信せず、判定結果が誤りである車両Cに対してのみ判定結果あるいは修正された運転支援情報を送信してもよい。
また以上では、各車両Cで生成された運転支援情報を各車両Cから管制サーバ200にそれぞれ送信するようにしたが、一旦特定の車両Cが周囲の車両Cの運転支援情報を収集した上で、その特定の車両Cから情報をまとめて管制サーバ200に送信してもよい。
また以上では車両C同士の交通整理に適用した場合を一例として説明したが、これに限定されるものではなく、自転車や歩行者(が有する端末)同士、あるいは車両Cと自転車や歩行者との交通整理に適用してもよいし、障害物や建築物に端末を設けておき、車両Cとこれらとの衝突等の回避に適用してもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。