JP5851802B2 - 炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル - Google Patents

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Description

本発明は、切刃に耐摩耗被覆が施された炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルに関する。
炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを用いて炭素繊維強化樹脂複合材に孔を加工する場合、デラミネーション(層間剥離)、繊維のほつれ、バリの発生等が問題となる。
従来、このような問題が生じにくいドリルとして特許文献1,2にも記載されるダブルアングルドリルが用いられていた。
特許文献1に記載のダブルアングルドリルにあっては、耐摩耗性を向上させるために先端部にダイヤモンド被覆が施されている。
実開平6−075612号公報 特開2008−036759号公報
ここで、従来の典型的なドリルに耐摩耗被覆を施した場合につき説明する。
図10に示すドリルは、従来の典型的な一例のドリルである。図10に示すドリルにあっては、先端部101とシャンク部102の間の部分に2条の溝103が形成されている。図10においては溝103として螺旋溝を例示する。先端部101に2対の切刃107,107が形成されている。切刃107の片側にすくい面106が、反対側に逃げ面110が形成されている。
先端部101はクロスシンニングされており、シンニング111に溝103が連続する。シンニング111及び溝103により窪んだ部分にすくい面106が形成されている。すくい面106と逃げ面110とが鋭角を成して切刃107の先端で合わさる。切刃107は、工具先端Oから切刃最大径位置RXまで一定の先端角で形成されている。
切刃最大径位置RXから軸AX方向後方にはマージン105が形成されている。すなわち、切刃最大径位置RXにおいて切刃107の先端稜線116A(図10(c)参照)とマージン105とが接続する。切刃107の先端稜線116Aとマージン105とは、滑らかに連続せず、切刃最大径位置RXにおいて相対角を成している。マージン105は、被加工穴の内面に当りドリルを支持する部分であり、被加工穴の内面に平行となるように形成されており、その一方で、切刃107は、工具先端Oから一定の先端角で形成されているから、切刃最大径位置RXおける両者の角度は一致せず、不連続になる。
図11(a1)(a2)(a3)(a4)の断面模式図に示すように、このドリルに切刃107からマージン105の形成部分に亘って耐摩耗被覆112が施されているとする。
未だ切削に使用されていない初期の状態において切刃107は、図10(b)(c)において実線で示す先端稜線116Aを有しており、摩耗が生じておらず、切刃形状と耐摩耗被覆112の状態は、図11(a1)(a2)(a3)(a4)に示すとおりである。
このドリルを切削に使用すると、図11(b1)(b2)(b3)(b4)に示すように被削材Wとの摩擦による摩耗によって耐摩耗被覆112が削られる。ある一定の摩耗後の切刃107にあっては、図11(b1)(b2)に示すようにその母材が露出し、露出した母材の摩耗が始まり、さらに摩耗は進行する。半径が大きいほど被削材Wに対する速度が大きく切削負荷が高いため、図11(b1)に示す比較的先端側のA−A断面より、図11(b2)に示す比較的後端側のA1−A1断面において、摩耗が大きく進行する。
図11(b3)(b4)に示すマージン形成部にあっても半径は大きいが、マージン105では切削を行わず、かつ、マージン105の幅の分だけ被削材Wとの接触面積が大きく単位面積当たりの摩擦負荷が小さくなるため、切刃107ほど摩耗は進行しない。
以上の結果、ある一定の摩耗後の切刃107にあっては、図10(b)(c)に二点鎖線で示すように、マージン105との境である切刃最大径位置RX付近で抉られて変曲した切刃先端稜線116Bに変化してしまう。図10(c)において、Hoは切刃最大径位置RXを通り工具中心軸AXに平行な補助線を示し、Haは切刃最大径位置RXにおける初期の切刃先端稜線116Aの延長補助直線を示し、Hbは切刃最大径位置RXにおける一定の摩耗後の切刃先端稜線116Bの延長補助直線を示す。この延長補助直線Hbでわかるように、切刃最大径位置RXにおいて切刃先端角が180度に近づいてしまう。180度の先端角の切刃では、外周部のマージンが薄くなることによって穴径および穴の内面の面精度に悪影響を与える。したがって、切刃最大径位置RXにおける切刃先端角が180度に近づいたある段階で、切削性能が著しく低下して炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルとしての使用寿命を迎えてしまうという問題がある。
この問題は、切刃の先端角を変化させたダブルアングルドリルを適用しても解消しない。また、切刃先端稜線とマージンとを滑らかに連続させても、切刃とマージン形成部とで摩耗量が異なることは変わらず、依然として解消しない。
本発明者らの研究により、切刃の逃げ角を小さくすることによって、上述したマージン形成部と同様に、被削材Wとの接触面積が大きくなり単位面積当たりの摩擦負荷が小さくなるため、摩耗の進行を小さく抑えられることが確認された。したがって、切刃とマージン形成部とで摩耗量を近づけることができる。しかしながら、次のような問題が生じる。図12に示すように、切刃207の逃げ面210の逃げ角を小さくすると(10度程度)、図12(a)→(b) →(c) →(d)の順で摩耗が進行する。摩耗の進行に伴い逃げ面210上の耐摩耗被覆212の被削材Wとの接触面S1の面積が大きくなる。その一方で、すくい面206上の耐摩耗被覆212の被削材Wとの接触面の面積は、耐摩耗被覆212の層厚方向の断面積と常にほぼ等しい。そのため、すくい面206上の耐摩耗被覆212及び切刃先端215の露出した母材の摩耗が相変わらず進行する一方で、逃げ面210上の耐摩耗被覆212の摩耗進行が遅くなるから、切刃先端215のRが大きくなり、切削性能が低下して炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルとしての使用寿命を迎えてしまうという問題が生じる。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、耐摩耗性に優れるとともに、切刃先端の摩耗に伴う切削性能の低下が抑えられ、より多くの加工数に亘り切削性能が持続する炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、
切刃が、その切刃先端を工具先端から軸方向後方に辿って初めて最大径となる切刃最大径位置よりさらに軸方向後方に及んで形成されており、
前記切刃のすくい面から逃げ面に跨って前記切刃の母材より耐摩耗性の高い材料の被覆が施され、
前記切刃の逃げ角が20度以上40度以下にされ、
被削材の切削中に、前記すくい面上の前記被覆の切刃先端の縁部が前記被削材との摩擦により摩耗し、その摩耗の半径方向内方への進行に従って、前記逃げ面上の前記被覆の切刃先端の縁部が前記被削材との摩擦により削られてその下の前記母材が露出し、さらにこの露出した母材が前記被削材との摩擦により摩耗することにより前記逃げ面が半径方向内方に後退することで、被削材との摩擦によって、前記切刃先端が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、前記逃げ面が半径方向内方に後退することで前記切刃が研がれて前記切刃が鋭利に保持されるとともに、
被削材との摩擦による前記切刃の摩耗によって、前記切刃最大径位置が軸方向後方に後退することを特徴とする炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルである。
請求項記載の発明は、被削材との摩擦によって、前記切刃先端が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、前記切刃最大径位置が軸方向後方に後退することで前記切刃最大径位置の軸方向の前後に亘る前記切刃の先端稜線が変曲せず緩やかで凸な曲線に保持されることを特徴とする請求項に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルである。
請求項3記載の発明は、前記切刃は、その先端角が前記切刃最大径位置における先端角0度から軸方向前方に向かって連続した変化により増加しつつ、工具先端又は工具先端に至る途中まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルである。
請求項記載の発明は、超硬合金を母材として前記切刃が形成され、
前記被覆がダイヤモンド被覆であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルである。
請求項記載の発明は、高速度工具鋼を母材として前記切刃が形成され、
前記被覆は、ビッカース硬度(HV)が2500以上であることを特徴とする請求項から請求項のうちいずれか一に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルである。
本発明によれば、切刃のすくい面から逃げ面に跨って切刃の母材より耐摩耗性の高い材料の被覆が施されているので、耐摩耗性に優れ、鋭利な切刃で効率よく被削材を切削することができ、被削材の切削により切刃先端の摩耗が進行しても、逃げ面が半径方向内方に後退することで切刃が研がれて鋭利に保持され、さらには切刃最大径位置が軸方向後方に後退することで切刃最大径位置の軸方向の前後に亘る切刃の先端稜線が変曲せず緩やかで凸な曲線に保持されて切削に続けて使用することができる。
したがって、本発明によれば、耐摩耗性に優れるとともに、切刃先端の摩耗に伴う切削性能の低下が抑えられ、より多くの加工数に亘り切削性能が持続するという効果がある。
本発明の第1実施形態に係るドリルの全体側面図である。 本発明の第1実施形態に係り、図(a)はドリルの先端部側面図、図(b)は図(a)に示した矢印α方向から見た矢視図、図(c)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図である。 本発明の第1実施形態に係り、図(a)はドリルの先端部側面図、図(b)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図、図(c1)は切刃のA−A断面模式図、図(c2)は切刃のB−B断面模式図、図(c3)は切刃のB1−B1断面模式図、図(c4)は切刃のC−C断面模式図である。なお、未だ被削材の切削に使用していない初期の状態を示す。 本発明の第1実施形態に係り、図(a)は図1に示したドリルの先端部の拡大図、図(b)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図、図(c1)は切刃のA−A断面模式図、図(c2)は切刃のB−B断面模式図、図(c3)は切刃のB1−B1断面模式図、図(c4)は切刃のC−C断面模式図である。但し、被削材の切削により摩耗が進行した中期の状態を示す。 本発明の第1実施形態に係り、図(a)は図1に示したドリルの先端部の拡大図、図(b)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図、図(c1)は切刃のA−A断面模式図、図(c2)は切刃のB−B断面模式図、図(c3)は切刃のB1−B1断面模式図、図(c4)は切刃のC−C断面模式図である。但し、被削材の切削によりさらに摩耗が進行した終期の状態を示す。 摩耗が進行した切刃の断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係り、図(a)はドリルの先端部側面図、図(b)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図、図(c1)は切刃のA−A断面模式図、図(c2)は切刃のB−B断面模式図、図(c3)は切刃のB1−B1断面模式図、図(c4)は切刃のC−C断面模式図である。なお、未だ被削材の切削に使用していない初期の状態を示す。 本発明の第2実施形態に係り、図(a)は図1に示したドリルの先端部の拡大図、図(b)は図(a)に示した矢印β方向から見た矢視図、図(c1)は切刃のA−A断面模式図、図(c2)は切刃のB−B断面模式図、図(c3)は切刃のB1−B1断面模式図、図(c4)は切刃のC−C断面模式図である。但し、被削材の切削により摩耗が進行した終期の状態を示す。 図8に示したD2部の詳細図である。 従来の一例に係り、図(a)はドリルの全体側面図、図(b)は先端部側面図、図(c)は図(b)に示したD1部の詳細図である。 図(a1)は切刃の図10(b)に示したA−A断面模式図、図(a2)は切刃の図9(b)に示したA1−A1断面模式図、図(a3)は切刃の図10(b)に示したB−B断面模式図、図(a4)は切刃の図10(b)に示したC−C断面模式図であり、未だ被削材の切削に使用していない初期の状態を示す。図(b1)は切刃の図10(b)に示したA−A断面模式図、図(b2)は切刃の図10(b)に示したA1−A1断面模式図、図(b3)は切刃の図10(b)に示したB−B断面模式図、図(b4)は切刃の図10(b)に示したC−C断面模式図であり、被削材の切削により摩耗が進行した終期の状態を示す。 耐摩耗被覆が施された逃げ角が比較的小さい切刃の摩耗の進行の様子を示す断面模式図である。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態につき図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のドリルは、先端部1とシャンク部2とを有する。先端部1とシャンク部2の間の部分に2条のストレート溝3が形成されている。
図2に示すように先端部1には、一対の切刃が中心軸AXについて対称に設けられている。切刃は、先端から一次切刃7、二次切刃8により構成されている。一次切刃7は、二次切刃8の形成部位から突出した部分の前端に形成されており、二次切刃8と軸方向に分離されている。一次切刃7の最大径と、二次切刃8の最小径とが一致する。切刃7は、工具先端Oから一定の先端角で形成されている。二次切刃8が形成する先端稜線は、後方ほど先端角が減少するように滑らかな曲線で形成され、切刃最大径位置で先端角がゼロとなる。
すなわち、図3(a)に示すように、二次切刃8は、その先端角が切刃最大径位置RXに
おける先端角0度から軸AX方向前方に向かって連続した変化により増加しつつ、工具先端Oに至る途中まで連続して形成されている。そのまま工具先端Oまで形成して、直線状の切刃7を排して、R形状の切刃8のみとして実施しても良い。
切刃にはそれぞれすくい面6及び逃げ面9,10,13が形成されている。
先端部1はクロスシンニングされており、シンニング11,11にストレート溝3,3が連続する。シンニング11,11及びストレート溝3,3により窪んだ部分にすくい面6が形成されている。
すくい面6と切刃二番逃げ面9とが鋭角を成して一次切刃7の先端で合わさる。また、すくい面6と切刃二番逃げ面10とが鋭角を成して二次切刃8の先端で合わさる。切刃二番逃げ面10の切削方向後方に連続して切刃三番逃げ面13が形成されている。切刃三番逃げ面13と切刃二番逃げ面10とでつくる内角が180度より小さい角度を成す。
ストレート溝3,3の間の部分においては、ストレート溝3,3に沿った両縁にマージン5,5が形成されている。両縁のマージン5,5の間には、平面カット逃がし面4が形成されている。切削方向前縁のマージン5は、切刃二番逃げ面10の軸AX方向後方に連続して形成されている。切刃三番逃げ面13の軸AX方向後方には平面カット逃がし面4及び切削方向後縁のマージン5が連続して形成されている。4つのマージン5,5,5,5は、被加工穴の内面に当りドリルを支持する。
図3(a)(b)に示すように、二次切刃8は、切刃最大径位置RXによりさらに軸AX方向後方に及んで形成されている。二次切刃8のうち初期の切刃最大径位置RXより軸AX方向後方に形成された切刃を後方予備刃14(初期の切刃最大径位置RXを含まず)と呼ぶこととする。
後方予備刃14は先端角ゼロで形成されている。図3(c1) (c2) (c3) に示すように後
方予備刃14を含む二次切刃8は、逃げ角が設けられている。切刃7,8の逃げ角は、逃げ面の適度な摩耗性と切刃の必要な強度を得るために、15度以上に45度以下とされる。より好ましくは、20度以上40度以下である。
図3(c1) (c2)に示すように、切刃最大径位置RX及びこれより前方位置において二次
切刃8は、すくい面6と、切刃二番逃げ面10とが切刃先端15で合わさった鋭利な形状に形成される。後方予備刃14も同様に、すくい面6と、切刃二番逃げ面10とが切刃先端15で合わさった鋭利な形状に形成してもよい。しかし、切刃二番逃げ面10の形成誤差によって切刃先端15の軸AXからの半径が異なってしまうおそれがある。この形成誤差による切刃半径への影響を吸収するために、図3(c3)に示すように、すくい面6に対してわずかなマージン17を設けて切刃二番逃げ面10を形成することとしてもよい。この誤差吸収用のマージン17は、上述のドリル支持用のマージン5と同様に、軸AXを中心とした半径方向に垂直な面で形成されるが、マージン17の幅は、0.1mm以下とされる。マージン5は、例えば1.0mmとされる。
切刃の母材は超硬合金である。図3(c1) (c2) (c3) (c4)に示すように、一次切刃7、
二次切刃8(後方予備刃14が含まれる)及びマージン5までに及んで、耐摩耗被覆12が施されている。一次切刃7、二次切刃8に対しては、耐摩耗被覆12は、すくい面6から逃げ面9,10に跨って施されている。マージン5に対しては、耐摩耗被覆12は、すくい面6からマージン5、逃がし面4に跨って施されている。耐摩耗被覆12は、耐摩耗性を向上させる目的のものであるから、切刃の母材より耐摩耗性の高い材料であることが求められ、例えば、超硬合金の母材に対し耐摩耗被覆12としてダイヤモンド被覆が施される。
次に、以上の本実施形態のドリルを切削に使用した際の作用につき説明する。被削材Wは炭素繊維強化樹脂複合材である。
本ドリルを被削材Wの切削に使用すると、図3に示す未だ被削材の切削に使用していない初期の状態に対し、図4、さらには図5に示すように、耐摩耗被覆12及び、耐摩耗被覆12から露出した母材の摩耗が進行する。
図3(c1)→図4(c1)→図5(c1)及び図3(c2)→図4(c2)→図5(c2)のように、被削材Wの切削中に、すくい面6上の耐摩耗被覆12の切刃先端15の縁部が被削材Wとの摩擦により摩耗する。その摩耗の半径方向内方への進行に従って、逃げ面10上の耐摩耗被覆12の切刃先端15の縁部が被削材Wとの摩擦により削られてその下の母材が露出する。さらにこの露出した母材が被削材Wとの摩擦により摩耗することにより切刃先端15に隣接する逃げ面が半径方向内方に後退する。このように、被削材Wとの摩擦によって、切刃先端15が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、逃げ面が半径方向内方に後退することで切刃が研がれて切刃が鋭利に保持される。
このような作用、すなわち、切刃を鋭利に保持するための逃げ面の適度な摩耗性を得るために、上述したように、逃げ角は15度以上、好ましくは20度以上にする。
図6に、逃げ角θと、逃げ面10上の耐摩耗被覆12の被削材Wとの接触幅xと、耐摩耗被覆12の厚さtを示す。そして、逃げ角θが5度、10度・・・45度、50度を変化するとき、接触幅xは表1に示すように変化する。
Figure 0005851802
逃げ角θが小さいほど、接触幅xは大きくなり、従って、被削材Wとの接触面積が大きくなり単位面積当たりの摩擦負荷が小さくなるため、摩耗の進行を小さく抑えられる。したがって、逃げ面10上の耐摩耗被覆12は、表1にも記載するように、逃げ角θが小さいほど擦り減りにくく、逃げ角θが大きいほど擦り減りやすい。
このことから、逃げ面の摩耗性を上げるには、逃げ角θを大きくすればよい。
なお、逃げ面10上の耐摩耗被覆12には、被削材Wとの摩擦により母材から引き剥がされる方向の力が作用する一方、すくい面6上の耐摩耗被覆12には、被削材Wとの摩擦により母材に押し付けられる方向の力が作用する。この点においては、すくい面6上の耐摩耗被覆12よりも逃げ面10上の耐摩耗被覆12のほうが擦り減りやすい傾向にある。この傾向と、逃げ角θを大きくすることによる逃げ面10の摩耗性向上とがバランスし、すくい面6上の耐摩耗被覆12の摩耗進行と逃げ面10上の耐摩耗被覆12との摩耗進行が釣り合うことになる。
その一方で、逃げ角θを大きくすれば、切刃が細くなり強度が低下して欠けやすくなる。切刃は、表1にも記載するように、逃げ角θが小さいほど欠けにくく、逃げ角θが大きいほど欠けやすい。
表1において項目E、F,Gは、切削耐久試験結果の相対評価である。
項目Eは「デラミネーションの発生度」で、◎、○、△、×の順で発生が多くなる。逃げ面が被加工面に近づくほどデラミネーションが発生しやすい。
項目Fは「寿命」で、◎、○、△の順で寿命が短くなる。項目Gは「切刃の破損の発生度」である。逃げ角θが大きすぎると、切刃が早期に摩耗しすぎたり、切刃に欠けが発生したりして寿命は短くなる。
以上のことから、逃げ面の適度な摩耗性と切刃の必要な強度を得るために、また耐摩耗被覆12と逃げ面10上の耐摩耗被覆12における摩耗進行の不釣合を抑えるため、さらには炭素繊維強化樹脂複合材に対してはデラミネーションの発生を抑えるために、切刃7,8の逃げ角は、15度以上に45度以下、より好ましくは、20度以上40度以下とする。
また、図3(a)(b)→図4(a)(b) →図5(a)(b) のように、被削材Wの切削中に、被削材Wとの摩擦による切刃8の摩耗によって、切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退する。
図3(a)(b)に示す初期の状態にあっては、切刃最大径位置RXはB−B断面に位置する。摩耗が進行して図4(a)(b)に示す状態にあっては、切刃最大径位置RXはB−B断面より後方に移動している。後方予備刃14が既に被削材の穴径拡大のための切削に使用され始めている。
さらに摩耗が進行して図5(a)(b)に示す状態にあっては、切刃最大径位置RXはB1−B1断面より後方に移動している。後方予備刃14が被削材の穴径拡大のための切削に半分以上の長さに亘って使用されている。
図3(a)に示す初期の状態における切刃先端先端稜線16Aを、同図において実線によ
り、図4(a)及び図5(a)において二点鎖線で示す。図4(a)における切刃先端先端稜線は
16B、図5(a) における切刃先端先端稜線は16Cである。
被削材Wとの摩擦によって、切刃先端が稜線16A→16B→16Cと、摩耗し半径方向内方に変位しつつも、切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃8の先端稜線が緩やかで凸な曲線に保持される。切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃8の先端稜線は、その曲率が初期の状態から増大せずに緩やかで凸な曲線に保持される。
以上説明した本実施形態のドリルによれば、切刃7,8のすくい面6から逃げ面9,10に跨って切刃の母材より耐摩耗性の高い材料の被覆12が施されているので、耐摩耗性に優れ、鋭利な切刃で効率よく被削材を切削することができ、被削材の切削により切刃先端の摩耗が進行しても、逃げ面が半径方向内方に後退することで切刃7,8が研がれて鋭利に保持され、さらには切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃の先端稜線が緩やかで凸な曲線に保持されて切削に続けて使用することができる。
したがって、耐摩耗性に優れるとともに、切刃先端の摩耗に伴う切削性能の低下が抑えられ、より多くの加工数に亘り切削性能が持続する。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき図7から図9説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の後方予備刃14の有効性を示すための比較実施形態である。したがって、図7に示すように本実施形態のドリルは、二次切刃8が後方予備刃14を有さない点で異なっている。すなわち、本ドリルの二次切刃8は切刃最大径位置RXによりさらに軸AX方向後方に及んで形成されておらず、二次切刃8の後方終端は切刃最大径位置RXであり、切刃最大径位置RXから後方はマージン5が形成されている。その他の形状は、上記第1実施形態と同様である。
このような後方予備刃14を有さない本ドリルを切削に使用すると、図7に示す初期の状態から図8に示す状態に摩耗する。初期の切刃先端稜線16Aは、摩耗により図8(a)
に示す切刃先端稜線16Dに変化する。切刃最大径位置RX付近における切刃先端稜線16の形状は図9に示されるとおりとなる。図9において、Hoは切刃最大径位置RXを通り工具中心軸AXに平行な補助線を示す。補助線Hoは切刃最大径位置RXにおける初期の切刃先端稜線16Aの延長直線にも相当する。また図9において、Hcは切刃最大径位置RXにおける一定の摩耗後の切刃先端稜線16Dの延長補助直線を示す。
図8(c2)(c3) (c4)に示すマージン形成部にあっては、マージン5では切削を行わず、
かつ、マージン5の幅の分だけ被削材Wとの接触面積が大きく単位面積当たりの摩擦負荷が小さくなるため、切刃8ほど摩耗は進行しない。その結果、ある一定の摩耗後の切刃8にあっては、図8(a)及び図9で示すように、マージン5との境である切刃最大径位置R
X付近で抉られて変曲した切刃先端稜線16Dに変化してしまう。
この延長補助直線Hcでわかるように、切刃最大径位置RXにおいて切刃先端角が180度に近づいてしまう。180度の先端角の切刃では切削することはできない。したがって、切刃最大径位置RXにおける切刃先端角が180度に近づいたある段階で、切削性能が著しく低下して炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルとしての使用寿命を迎えてしまう。
図8、図9に示す本実施形態のドリルの使用寿命までの加工数は、図5に示した上記第1実施形態のドリルの使用寿命までの加工数には至っていないものである。すなわち、後方予備刃14を有さない本実施形態のドリルにあっては、後方予備刃14を有する上記第1実施形態のドリルより早期に使用寿命を迎えてしまう。
また、本実施形態のドリルにあっては、使用寿命までの加工数が少ないために、図8(c1)に示すように切刃8に施された耐摩耗被覆12の摩耗は、図4(c1)や図5(c1)に示す上記第1実施形態のものほどは進行しない。したがって、切刃を鋭利に保持するための逃げ面の適度な摩耗性を得るために、逃げ角を15度以上、好ましくは20度以上にすることは、上記第1実施形態ほど有効に働くことなく使用寿命を迎える。
なお、本発明の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを有効に使用できる被削材としては、上掲の材料に限られない。図12に示した切刃の摩耗現象が生じる被削材に対しては、本発明の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを有効に適用することができ、それにより本発明の効果が得られる。具体的には、繊維強化樹脂複合材、コンクリートなどに対しては本発明の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを有効に適用することができる。粘度の高い金属材料に対しては、切刃が使用不能になる過程が図12に示すような摩耗現象によるものではないので、そのような材料には上述の本発明による切刃維持原理が有効に働かない。金属でも鋳物など粘度の低い材料に対しては、本発明の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリルを有効に適用することができる。
なお、超硬合金にダイヤモンド被覆を施すために、超硬合金のコバルト含有率が6%(重量濃度、以下同じ)以下であることが必要であることが従来知られている。コバルト含有率が増大することにより、ダイヤモンド被覆が剥離するからである。
本発明の切刃維持原理は、逃げ面の母材を切削時の摩耗により減らすことにあるから、母材は低硬度であることが好ましい。したがって、ダイヤモンド被覆を適用する場合、超硬合金のコバルト含有率を従来の上限の6%いっぱいとすることが好ましい。
本発明の切刃維持原理を大いに活かすために、将来的には、「コバルト含有率が6%を超える超硬合金を母材として切刃が形成され、前記切刃にダイヤモンド被覆が施された切削工具」を構成することは有効である。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態につき説明する。
上述した本発明の切刃維持原理を活かすためには、高速度工具鋼を母材として切刃が形成されたドリルも有効である。本実施形態のドリルは、上記第1実施形態のドリルにおいて、母材を高速度工具鋼とし、耐摩耗被覆12として以下に挙げるものを適用したものである。
例えば、母材の高速度工具鋼としてSKH51やHAP72を適用する。SKH51のビッカース硬度(HV)は700、HAP72のビッカース硬度(HV)は940である。
切刃のすくい面から逃げ面に跨って施される耐摩耗被覆12としては、物理蒸着法(Physical Vapor Deposition;PVD)又は化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)により母材上に形成された皮膜を適用できる。そのうち上掲のSKH51上にも成膜できるものとしては、TiAlN膜(例えば、エリコンバルザース社製BALINIT−SQ(BALINITは登録商標)、HV=3300)、TiCN膜(例えば、エリコンバルザース社製BALINIT−B(BALINITは登録商標)、HV=3000)などを挙げることができる。
これらの皮膜のように、ビッカース硬度(HV)が2500以上であれば、母材の高速度工具鋼の硬度に対して十分高く、耐摩耗性を向上できるとともに、摩耗進行により上述した本発明の切刃維持原理を良好に実現することができる。
切刃形状は上記第1実施形態と同じであり、上記第1実施形態で説明した耐摩耗被覆12及び母材の摩耗進行による刃先形状の変遷が同様に生じ、より多くの加工数に亘り切削性能が持続する効果が同様に得られる。
すなわち、図3(c1)→図4(c1)→図5(c1)及び図3(c2)→図4(c2)→図5(c2)のように、被削材Wの切削中に、すくい面6上の耐摩耗被覆12の切刃先端15の縁部が被削材Wとの摩擦により摩耗する。その摩耗の半径方向内方への進行に従って、逃げ面10上の耐摩耗被覆12の切刃先端15の縁部が被削材Wとの摩擦により削られてその下の母材が露出する。さらにこの露出した母材が被削材Wとの摩擦により摩耗することにより切刃先端15に隣接する逃げ面が半径方向内方に後退する。このように、被削材Wとの摩擦によって、切刃先端15が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、逃げ面が半径方向内方に後退することで切刃が研がれて切刃が鋭利に保持される。
この効果を良好に奏するために、逃げ角は、上記第1実施形態と同様に15度以上が好ましい。
なお、超硬合金に比して高速度工具鋼は靭性が高いため、母材を超硬合金とした場合に比較して、母材を高速度工具鋼とした本実施形態にあっては、逃げ角を大きくして切刃の剛性が弱くなっても、欠け等の破損を起こさない必要な強度を確保しやすい。したがって、逃げ角を20度以上、さらには30度以上、40度以上とすることも容易である。
また、被削材Wとの摩擦によって、切刃先端が稜線16A→16B→16Cと、摩耗し半径方向内方に変位しつつも、切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃8の先端稜線が緩やかで凸な曲線に保持される。切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃8の先端稜線は、その曲率が初期の状態から増大せずに緩やかで凸な曲線に保持される。
本実施形態のドリルによれば、切刃7,8のすくい面6から逃げ面9,10に跨って切刃の母材より耐摩耗性の高い材料の被覆12が施されているので、耐摩耗性に優れ、鋭利な切刃で効率よく被削材を切削することができ、被削材の切削により切刃先端の摩耗が進行しても、逃げ面が半径方向内方に後退することで切刃7,8が研がれて鋭利に保持され、さらには切刃最大径位置RXが軸AX方向後方に後退することで切刃最大径位置RXの軸AX方向の前後に亘る切刃の先端稜線が緩やかで凸な曲線に保持されて切削に続けて使用することができる。
したがって、耐摩耗性に優れるとともに、切刃先端の摩耗に伴う切削性能の低下が抑えられ、より多くの加工数に亘り切削性能が持続する。
1 先端部
2 シャンク部
3 ストレート溝
4 平面カット逃がし面
5 マージン
6 すくい面
7 一次切刃
8 二次切刃
9 切刃二番逃げ面
10 切刃二番逃げ面
11 シンニング
12 耐摩耗被覆
13 切刃三番逃げ面
14 後方予備刃
15 切刃先端
16A〜D 切刃先端稜線
W 被削材
RX 切刃最大径位置

Claims (5)

  1. 切刃が、その切刃先端を工具先端から軸方向後方に辿って初めて最大径となる切刃最大径位置よりさらに軸方向後方に及んで形成されており、
    前記切刃のすくい面から逃げ面に跨って前記切刃の母材より耐摩耗性の高い材料の被覆が施され、
    前記切刃の逃げ角が20度以上40度以下にされ、
    被削材の切削中に、前記すくい面上の前記被覆の切刃先端の縁部が前記被削材との摩擦により摩耗し、その摩耗の半径方向内方への進行に従って、前記逃げ面上の前記被覆の切刃先端の縁部が前記被削材との摩擦により削られてその下の前記母材が露出し、さらにこの露出した母材が前記被削材との摩擦により摩耗することにより前記逃げ面が半径方向内方に後退することで、被削材との摩擦によって、前記切刃先端が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、前記逃げ面が半径方向内方に後退することで前記切刃が研がれて前記切刃が鋭利に保持されるとともに、
    被削材との摩擦による前記切刃の摩耗によって、前記切刃最大径位置が軸方向後方に後退することを特徴とする炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
  2. 被削材との摩擦によって、前記切刃先端が摩耗し半径方向内方に変位しつつも、前記切刃最大径位置が軸方向後方に後退することで前記切刃最大径位置の軸方向の前後に亘る前記切刃の先端稜線が変曲せず緩やかで凸な曲線に保持されることを特徴とする請求項に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
  3. 前記切刃は、その先端角が前記切刃最大径位置における先端角0度から軸方向前方に向かって連続した変化により増加しつつ、工具先端又は工具先端に至る途中まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
  4. 超硬合金を母材として前記切刃が形成され、
    前記被覆がダイヤモンド被覆であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
  5. 高速度工具鋼を母材として前記切刃が形成され、
    前記被覆は、ビッカース硬度(HV)が2500以上であることを特徴とする請求項から請求項のうちいずれか一に記載の炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
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