JP2022042909A - ドリル及び被穿孔品の製造方法 - Google Patents

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Shinya Matsuo
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Abstract

【課題】穿孔機の主軸の剛性が十分にある場合はもちろん、手持ち式の工具回転装置で穿孔を行う場合や穿孔機の主軸の剛性が低い場合であっても、複合材や金属等の材料で構成される被削材を高精度に穿孔できるようにすることである。【解決手段】実施形態に係るドリルは、先端角が先端側から後端側に向かって連続的又は断続的に減少する一方、逃げ角が先端側から後端側に向かって連続的又は断続的に減少するように先端側に形成される第1の切れ刃であって被削材に下孔を穿孔するための第1の切れ刃と、第1の切れ刃から後端側に離れた位置に形成されることによって下孔の仕上げ加工を行うための第2の切れ刃であって最大径位置において逃げ角を有する第2の切れ刃と、第1の切れ刃と第2の切れ刃との間に形成され、第1の切れ刃で加工された下孔に挿入されることによって第2の切れ刃の振れを低減させる振れ止め部とを有するものである。【選択図】 図10

Description

本発明の実施形態は、ドリル及び被穿孔品の製造方法に関する。
従来、金属のみならずガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)等の複合材と呼ばれる繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)を対象として高品質な穿孔を行えるようにしたドリルとして、切れ刃の先端角及び逃げ角が切れ刃の最大径位置に向かって連続的に変化し、かつ切れ刃の最大径位置において逃げ角を有するドリルが知られている(例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。このドリルは従来の複合材の穿孔用のドリルと比較して飛躍的に高品質な孔を加工でき、かつ耐摩耗性の向上により工具寿命が飛躍的に伸びたことからRドリル(登録商標)との俗称で著名となっている。
また、先端角が連続的に減少する切れ刃の半径方向への投影形状は放物線や円弧等の曲線形状となるため、製造の容易化を図る観点から先端角を断続的に減少させた多角ドリルも提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2008-36759号公報 特開2012-135873号公報 特開2010-214478号公報 特開2015-221467号公報
上述したRドリル(登録商標)をボール盤、フライス盤或いはマシニングセンタ等の主軸の剛性が高い工作機械に取付けて穿孔を行うと、高品質な孔を加工することができ、かつドリルの消耗による交換頻度を飛躍的に低減することができる。
しかしながら、ハンドツール等の手持ち式の工具回転装置や簡易なボール盤等の主軸の剛性又は精度が低い穿孔装置にRドリル(登録商標)を取付けて穿孔を行うと、孔の品質が低下する場合がある。具体例として、手持ち式の工具回転装置でRドリル(登録商標)を保持して穿孔試験を行った結果、切れ刃の数が3枚以上になると、穿孔中にRドリル(登録商標)の振動が大きくなり、孔の横断面の形状が円形とならずに多角形になってしまう場合があることが確認された。このような品質低下は、被削材の材質が複合材であるか金属であるかに関わらず確認された。
そこで、本発明は、穿孔機の主軸の剛性が十分にある場合はもちろん、手持ち式の工具回転装置で穿孔を行う場合や穿孔機の主軸の剛性乃至精度が低い場合であっても、複合材や金属等の材料で構成される被削材を高精度に穿孔できるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係るドリルは、先端において0°よりも大きく180°未満である先端角が先端側から後端側に向かって連続的又は断続的に減少する一方、逃げ角が前記先端側から前記後端側に向かって連続的又は断続的に減少するように前記先端側に形成される第1の切れ刃であって被削材に下孔を穿孔するための第1の切れ刃と、前記第1の切れ刃から前記後端側に離れた位置に形成されることによって前記下孔の仕上げ加工を行うための第2の切れ刃であって最大径位置において逃げ角を有する第2の切れ刃と、前記第1の切れ刃と前記第2の切れ刃との間に形成され、前記第1の切れ刃で加工された前記下孔に挿入されることによって前記第2の切れ刃の振れを低減させる振れ止め部とを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る被穿孔品の製造方法は、上述したドリルで被削材を穿孔することによって被穿孔品を製造するものである。
本発明の第1の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた正面図。 図1に示すドリルの拡大左側側面図。 図1に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図。 図1に示すドリルの位置A-Aにおける拡大横断面図。 図1に示す切れ刃部における形状を説明するための工具軸に平行な投影面への切れ刃部の拡大投影図。 図1に示す先端切れ刃の先端角と逃げ角の一例を示す部分正面図。 図1に示すホールド部の一部の範囲のみにマージンを形成した例を示す投影図。 手持ち式の工具回転装置にドリルを取付けてワークを穿孔する方法の一例を説明する図。 本発明の第2の実施形態に係るドリルの部分正面図。 本発明の第3の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた部分正面図。 図10に示すドリルの先端部分における拡大左側側面図。 図10に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図。 図10に示すドリルの位置B-Bにおける拡大横断面図。 図10に示すドリルの先端部分における拡大投影図。 本発明の第4の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた部分正面図。 図15に示すドリルの先端部分における拡大左側側面図。 図15に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図。 図15に示すドリルの位置C-Cにおける拡大横断面図。 本発明の第5の実施形態に係るドリルに形成されるリーマ刃の拡大部分投影図。 リーマ刃の先端角を減少させずに0°のみとした例を示す拡大部分投影図。 本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第1の形状例を示す投影図。 本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第2の形状例を示す投影図。 本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第3の形状例を示す投影図。 本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第4の形状例を示す投影図。
本発明の実施形態に係るドリル及び被穿孔品の製造方法について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(ドリルの構造及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた正面図、図2は図1に示すドリルの拡大左側側面図、図3は図1に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図、図4は図1に示すドリルの位置A-Aにおける拡大横断面図である。尚、図1において工具軸AXより下方はドリルの切れ刃のすくい面を図面に平行となるように展開した場合における切れ刃の外形の輪郭を表す図となっており、ドリルに形成される複数の切れ刃が工具軸AXを中心に対称、すなわちドリルに形成される複数の切れ刃の形状が同じであることから内部の詳細な輪郭の図示が省略されている。
ドリル1は、ワーク(被削材)がFRP及び金属のいずれであっても高品質な穿孔を行えるようにした穿孔工具である。すなわち、ドリル1は、アルミニウムやチタン等の金属はもちろん、CFRPやGFRP等のFRP或いはFRPと金属の重ね合わせ材であっても、高精度に穿孔できる形状を有している。
ドリル1は、ドリル1の工具軸AX方向における先端側のボディ2と、ドリル1の工具軸AX方向における後端側のシャンク3で構成される。ボディ2及びシャンク3は、超硬合金、工具鋼或いはダイヤモンド焼結体(PCD:Polycrystalline diamond)等の典型的な素材を用いて製作することができる。工具鋼でボディ2及びシャンク3を構成する場合には、高速度工具鋼(ハイス:high-speed steel)を用いることが実用的である。また、ボディ2及びシャンク3の材質に関わらず、耐摩耗性、耐熱衝撃性又は耐溶着性等を向上させるためにダイヤモンドコーティングやDLC(Diamond Like Carbon)コーティング等の所望のコーティングを施しても良い。
シャンク3は、手持ち式の工具回転駆動装置や工作機械等のホルダでドリル1を保持するための部分である。図1に示す例では、シャンク3が、ホルダとの着脱を容易にした特殊な形状を有するシャンクとなっているが、ストレートシャンクやテーパシャンク等の所望の形状を有するシャンクとすることができる。シャンク3の形状がストレートシャンクやテーパシャンク等のように単純である場合には、ボディ2及びシャンク3を一体の材料で構成し、ドリル1をソリッドドリルとしても良い。逆に、シャンク3の形状が複雑である場合には、ドリル1を、図1に例示されるようにボディ2をシャンク3に差し込んで接合した付刃ドリルとしても良い。
ボディ2の先端には、ワークの穿孔を行うための切れ刃部4が形成される。切れ刃部4は、第1の切れ刃である先端切れ刃5、第2の切れ刃であるリーマ刃6及びホールド部7を有する。先端切れ刃5は、工具軸AX方向における切れ刃部4の先端側に形成される。他方、リーマ刃6は、工具軸AX方向における切れ刃部4の後端側に形成される。また、リーマ刃6は、先端切れ刃5から後端側に離れた位置に形成される。そして、先端切れ刃5とリーマ刃6との間にホールド部7が形成される。
先端切れ刃5は、すくい面5Aと逃げ面5Bを有し、すくい面5Aと逃げ面5Bとの交線として形成される稜線が先端切れ刃5の先端となる。同様に、リーマ刃6もすくい面6Aと逃げ面6Bを有し、すくい面6Aと逃げ面6Bとの交線として形成される稜線がリーマ刃6の先端となる。尚、逃げ面は二番面とも呼ばれ、逃げ面と加工面とのなす角度である逃げ角は二番角とも呼ばれる。
図1乃至図4に示す例では、切れ刃部4に3枚の先端切れ刃5及びリーマ刃6が設けられているが、先端切れ刃5及びリーマ刃6の数は任意である。すなわち、図1乃至図4に例示されるドリル1は、3つの溝8の間に形成される3つのランド9にそれぞれ先端切れ刃5及びリーマ刃6を平面逃がし面9Aに隣接して設けた3枚刃のドリルであるが、2枚刃、4枚刃或いは5枚刃のドリルとしても良い。先端切れ刃5及びリーマ刃6は、ランド9に設けられるため、先端切れ刃5の数は、リーマ刃6の数と同じになる。すなわち、先端切れ刃5及びリーマ刃6の数はランド9の数と等しくなる。
また、図1乃至図4に例示されるドリル1は、溝8がねじれていない直刃ドリルであるが、溝8がねじれているツイスト(ねじれ)ドリルとしても良い。溝8をV溝として、直刃ドリルにすると、ドリル1の剛性を大きくすることができる。逆に、溝8をねじれ溝にすると、切削抵抗を小さくすることができる。
図5は図1に示す切れ刃部4における形状を説明するための工具軸AXに平行な投影面への切れ刃部4の拡大投影図であり、図6は図1に示す先端切れ刃5の先端角αと逃げ角γ1の一例を示す部分正面図である。
図5は、工具軸AXを中心に切れ刃部4を回転させた場合における切れ刃部4の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる形状の一例を示している。すなわち、図5は、工具軸AXを中心に回転させた切れ刃部4を工具軸AXに垂直な方向に投影して得られる形状の一例を示している。
先端切れ刃5の先端角αは、先端において0°よりも大きく180°未満となっている。すなわち、工具軸AX方向及びドリル1の先端における先端切れ刃5の先端角αは、0°<α<180°の関係を有する。換言すれば、ドリル1は、先端角が180°のフラットドリルやろうそく型ドリル(ろうそく研ぎドリル)ではない。
典型的なドリルの先端角は、118°又は120°であり、ドリル1の先端における工具中心位置の先端角αもワークの材質や工具径D等の切削条件に応じて適切な角度に決定することができる。ワークが金属及びFRPであれば、先端切れ刃5の先端における工具中心位置の先端角αを90°<α<150°に設定することが切削抵抗等の切削条件を好適化する観点から好ましい。
また、先端切れ刃5は、先端角αが工具軸AX方向及びドリル1の先端側から後端側に向かって連続的に減少する形状を有する。従って、先端切れ刃5の先端における先端角αは、先端角αの最大値となる。また、先端切れ刃5の直径は、先端側から後端側に向かって連続的に増加する。一方、先端切れ刃5の逃げ角γ1も工具軸AX方向及びドリル1の先端側から後端側に向かって連続的に減少するように形成される。従って、先端切れ刃5の逃げ角γ1も先端において最大値となる。
図6は、先端切れ刃5の位置P1、位置P2及び位置P3における先端角αと逃げ角γ1の一例を示している。図6に示す例では、先端切れ刃5の先端角αが先端側と後端側との間において60°、30°及び20°となるように連続的に徐々に減少している一方、先端切れ刃5の逃げ角γ1は先端側と後端側との間において37°、33°及び31°となるように連続的に徐々に減少している。
先端切れ刃5の先端における逃げ角γ1は、先端における先端角αとの間においてγ1>(180-α)/2の関係が成立するように決定することが切削条件を好適化する観点から好ましい条件である。従って、先端切れ刃5の先端における先端角αを120°にする場合であれば、先端切れ刃5の先端における逃げ角γ1を、例えば、45°程度に決定することができる。
先端切れ刃5の先端角αを連続的に減少させると、欠損が発生し易い角が先端切れ刃5の稜線に生じないため欠損が生じるリスクを低減できるという効果が得られる。その結果、ドリル1の工具寿命を長くすることができる。加えて、先端切れ刃5の先端角αを徐々に減少させると、FRPを穿孔する場合にデラミネーション(層間剥離)の発生を低減できるという効果が得られる。これは、ドリル1の先端側における相対的に大きな先端角αを有する先端切れ刃5によるFRPの穿孔によってデラミネーションが一時的に発生しても、後方に続く相対的に小さな先端角αを有する先端切れ刃5による穿孔では切削抵抗が小さくなり、デラミネーションが除去されるためである。
また、工具軸AXに平行な投影面上における先端切れ刃5の稜線の形状が放物線に近づく程、工具軸AX方向の単位長さ当たりの稜線が切削するワークの体積が均一となる。このため、先端切れ刃5全体に亘って切削抵抗を均一にできるという効果が得られる。先端切れ刃5全体に亘る切削抵抗を均一にできれば、FRPの穿孔時におけるデラミネーションやバリの発生のみならず、先端切れ刃5の摩耗を低減することが可能となる。
一方、工具軸AXに平行な投影面上における先端切れ刃5の稜線の形状を楕円に近づけると、工具軸AX方向の単位長さ当たりの稜線が切削するワークの体積を先端切れ刃5の後方程一定の割合で減少させることができる。このため、回転半径が異なることから切削速度が相対的に速い先端切れ刃5の後方における摩耗が、切削速度が相対的に遅い先端切れ刃5の前方における摩耗よりも先に進行してしまう事態を回避し、先端切れ刃5全体に亘る摩耗の進行の度合いを均一にできるという効果が得られる。先端切れ刃5全体に亘る摩耗の進行の度合いを均一にできれば、先端切れ刃5の寿命を向上させることができる。
従って、重視する効果に応じて投影面上における先端切れ刃5の稜線の形状を放物線又は楕円に近づけることができる。もちろん、投影面上において一部が楕円に近い形状となり、別の一部が放物線に近い形状となるように先端切れ刃5の稜線の形状を決定することもできる。
但し、工具軸AXに平行な投影面上における先端切れ刃5の稜線の形状を放物線又は楕円とすると、先端切れ刃5の先端における先端角αが180°となってしまうため、先端切れ刃5の先端における先端角αがワークの穿孔に好ましい角度で形成されるように、先端切れ刃5の稜線の形状を決定することが必要である。
そこで、例えば、図5及び図6等に例示されるように先端切れ刃5の稜線の先端付近のみ、具体例として図5に示す位置PT0よりも先端側が投影面上において直線となるように先端切れ刃5の稜線の形状を決定することができる。そして、先端切れ刃5の先端における直線的な稜線に続く位置PT0よりも後方における稜線の形状が投影面上において放物線又は楕円等の2次曲線となるように先端切れ刃5の稜線の形状を決定することができる。
或いは、投影面上において工具軸AXの投影直線に対して対称軸を同じ距離だけ逆方向にオフセットさせた線対称な2本の放物線又は長軸を同じ距離だけ逆方向にオフセットさせた2本の楕円の交点が先端切れ刃5の先端の投影点となり、工具軸AXの投影直線に近い側の対称な2本の放物線又は楕円の一部が先端切れ刃5の稜線の投影線となるように先端切れ刃5の稜線の形状を決定するようにしても良い。
また、投影面上において輪郭が楕円や放物線となる先端切れ刃5の製作は複雑になるため、楕円や放物線を基準線RLとして円弧の連結によって楕円又は放物線を模擬するようにしても良い。例えば、図5に示す例であれば、投影面上において位置PT0と位置PT1との間を同じ半径を有する単一の円弧で繋ぎ、位置PT1と位置PT2との間をより大きな半径を有する別の単一の円弧で繋ぎ、位置PT2と位置PT3との間を更に大きな半径を有する別の単一の円弧で繋ぐようにしても良い。すなわち、先端切れ刃5の稜線の投影線が直線と円弧を連結した滑らかな角の無い曲線となるように先端切れ刃5の稜線の形状を決定すれば、製造コストを低減しつつ稜線の投影線を楕円又は放物線に近づけるメリットを得ることができる。
このように先端切れ刃5の先端角αを徐々に減少させる他、上述したように先端切れ刃5の逃げ角γ1を徐々に減少させると、先端切れ刃5の耐摩耗性を向上できるという効果が得られる。これは、先端切れ刃5の逃げ角γ1を連続的に滑らかに減少させると、摩耗し易い角が先端切れ刃5の逃げ面5Bに生じないためである。
先端切れ刃5のすくい角についてはワークの材質に応じて決定することができる。先端切れ刃5のすくい角を0°、すなわち先端切れ刃5のすくい面5Aをワークの切削面に対して垂直にすると、FRPを穿孔する際にデラミネーションを発生し難くする効果が得られる。これは、先端切れ刃5にすくい角を設けなければFRPが細かく削れ、FRPに含まれる繊維のほころびを低減できるためである。従って、FRPに加工する孔の品質を良好にすることを重視する場合には、先端切れ刃5のすくい角をゼロにすることができる。
逆に、先端切れ刃5のすくい角を設けると、金属を穿孔する際の穿孔条件を好適化することができる。従って、金属に加工する孔の品質を良好にすることを重視する場合には、先端切れ刃5にすくい角を設けるようにしても良い。尚、図示された例では、先端切れ刃5のすくい角が0°となっている。すなわち、先端切れ刃5にすくい角が設けられていない。
一方、リーマ刃6も、先端角β及び逃げ角γ2が工具軸AX方向及びドリル1の先端側から後端側に向かって0°となるまで連続的に減少する形状とすることができる。従って、リーマ刃6の直径も、先端側から後端側に向かって連続的に増加する。そして、リーマ刃6の最大径位置では先端角βが0°となる。すなわち、リーマ刃6は、先端角βが0°となった最大径位置において逃げ角γ2を有する。
リーマ刃6の後端側における最大径は、先端切れ刃5の最大径よりも大きい。従って、リーマ刃6の最大径がドリル1の工具径Dとなる。また、ホールド部7の最大径は、先端切れ刃5の最大径以下となるように形成される。従って、工具径Dよりも最大径が小さい先端切れ刃5でワークを加工すると、ワークには加工目的とする仕上げ孔よりも直径が小さい下孔が加工される。このため、先端切れ刃5は、ワークに下孔を穿孔する役割を担う。
先端切れ刃5に後続するホールド部7の最大径は先端切れ刃5の最大径以下であるため、ワークを穿孔しながらドリル1を工具軸AX方向に送り出すと、ホールド部7は、先端切れ刃5で加工された下孔に挿入されることになる。そうすると、ホールド部7の最大径を有する外面が下孔の内面と接触し、ホールド部7は下孔によってガイドされる。
その結果、穿孔中においてホールド部7及びホールド部7に後続するリーマ刃6の振れを低減することができる。つまり、ホールド部7は、ワークの穿孔中において先端切れ刃5で加工された下孔に挿入されることによってリーマ刃6の振れを低減する振れ止め部として機能する。
ホールド部7にリーマ刃6の振れ止め部としての機能を発揮させつつ、ワークとホールド部7との摩擦による過度の温度上昇を回避する観点からは、ホールド部7に切れ刃を設けずに、ホールド部7を適切な幅のマージン7Aで構成することが実用的である。ホールド部7を切れ刃の無いマージン7Aで構成する場合には、先端切れ刃5とリーマ刃6とを繋ぐようにマージン7Aを形成することができる。
ホールド部7を構成するマージン7Aの幅は、下孔の直径に相当する先端切れ刃5の最大径に応じて適切な幅に決定することができる。具体例として、先端切れ刃5の最大径が3mmから10mm程度であれば、マージン7Aの幅は、0.1mmから1.5mmの範囲、例えば0.3mm程度に決定することができる。
ワークを穿孔しながら更にドリル1を工具軸AX方向に送り出すと、先端切れ刃5から後端側に離れた位置に形成されているリーマ刃6により、下孔のリーマ加工が行われることになる。すなわち、ワークに加工された下孔の内径をリーマ刃6の最大径に相当する工具径Dまで広げる孔の仕上げ加工を行うことができる。これにより、ワークに工具径Dに対応する直径を有する孔を加工することができる。
尚、「リーマ刃」は、狭義には工具の側面に形成されている孔の仕上げ加工用の特定の形状を有する切れ刃を意味する場合があるが、ここでは、「リーマ刃」を広義の意味で使用し、切れ刃の形状に関わらず、孔の仕上げ加工を行うための切れ刃を「リーマ刃」と表記する。従って、「リーマ加工」も広義の意味で使用し、孔の仕上げ加工を行うための切れ刃の形状に関わらず、孔の仕上げ加工を「リーマ加工」と表記する。
図5に例示されるように、工具軸AXに平行な投影面上におけるリーマ刃6の稜線と先端切れ刃5の稜線が共通の楕円又は放物線等の2次曲線からなる基準線RL上となるようにリーマ刃6の稜線を決定すれば、リーマ刃6の稜線と先端切れ刃5の稜線が繋がったドリル1の半製品を製作した後に切削加工又は研磨加工によってホールド部7を設ける製法によってドリル1を製作することが可能となる。
この場合、2次曲線からなる基準線RLに沿う切れ刃を有するドリル1の半製品にホールド部7を設けるのみでは、リーマ刃6の先端側に段差が生じる。すなわち、ドリル1の工具径がリーマ刃6の先端においてステップ状に増加する。しかしながら、試験の結果、リーマ刃6の先端側に段差が存在すると、FRPのリーマ加工を良好な条件で行うことは可能であるが、金属のリーマ加工を良好な条件で行うことが困難となることが判明した。
そこで、FRPのみならず金属についても良好な品質の孔を加工できるようにする場合には、図示されるように、リーマ刃6の先端に最大かつ一定の先端角βを有する切れ刃を設け、一定の先端角βを有する切れ刃の後方に先端角β及び逃げ角γ2が連続的に減少する切れ刃を繋げることが適切である。試験の結果、FRPのみならず金属についても良好な品質の孔を加工できるようにする場合には、リーマ刃6の先端側における最大の先端角βを80°以上100°以下とすることが好ましいことが確認された。
尚、FRPのリーマ加工には、80°以上100°以下の先端角βが必ずしも必要ではないため、ドリル1をFRPの穿孔用とする場合には、リーマ刃6の先端側に一定の先端角βを有する切れ刃を設けずに段差を形成しても良い。その場合には、リーマ刃6の先端側における最大の先端角βは、連続的に減少する先端角βの最大値となる。
但し、リーマ刃6の先端側に一定の先端角βを有する切れ刃を設けるか否かを問わず、上述したようにリーマ刃6の後端側における先端角βは0°とされる。放物線には対称軸に平行な接線が存在しないため、リーマ刃6の後端側における先端角βを0°とするためには、リーマ刃6全体の稜線の投影線又は少なくともリーマ刃6の後端側における一部の稜線の投影線が、楕円の短軸と交わる部分となるように、リーマ刃6の稜線の形状を決定することが好都合である。
このため、工具軸AXに平行な投影面上における先端切れ刃5の先端を除く部分の稜線とリーマ刃6の稜線が、共通の楕円からなる基準線RLを模擬した複数の円弧上となるように先端切れ刃5の稜線とリーマ刃6の稜線の各形状を決定すれば、先端切れ刃5の稜線とリーマ刃6の稜線が繋がったドリル1の半製品を製作した後に切削加工又は研磨加工によってホールド部7を設ける製法を採用することによって、リーマ刃6の後端側における先端角βが0°となっているドリル1の製作労力及び製造コストを低減することが可能となる。
リーマ刃6の先端角βが0°となる最大径位置に逃げ角γ2を設けると、先端切れ刃5で加工した下孔の内面に最大径位置のリーマ刃6が平行に当たるため、バリを発生させることなくリーマ仕上げを行うことができる。その結果、ワークに良好な品質で本孔を加工することができる。
尚、リーマ刃6の最大径位置における逃げ角γ2は、リーマ刃6の欠けや摩耗防止の観点から15°未満とすることが好ましい。このため、例えば、リーマ刃6の先端側に一定の先端角βを有する切れ刃の最大の逃げ角を11°から12°程度とし、リーマ刃6の最大径位置における最小の逃げ角γ2を10°程度とすることができる。一方、リーマ刃6のすくい角は、先端切れ刃5と同様に0°とするか適切な角度で設けることができる。
リーマ刃6の更に後端側には、図1、図3及び図4に例示されるように、リーマ刃6と連続するようにマージン10を設けることができる。これにより、リーマ刃6で仕上げ加工された後の孔でドリル1のボディ2をガイドし、ドリル1の振れを低減することができる。マージン10の幅は、工具径Dに応じて適切な幅に決定することができる。具体例として、工具径Dが3mmから10mm程度であれば、マージン10の幅は、0.1mmから1.5mmの範囲、例えば0.3mm程度に決定することができる。
ホールド部7にマージン7Aを形成する一方、切れ刃部4の後方にもマージン10を設ければ、リーマ刃6よりも後方のマージン10を仕上げ加工後の本孔でガイドする一方、ホールド部7のマージン7Aを下孔でガイドすることができる。すなわち、リーマ刃6を挟む工具軸AX方向における2箇所の位置で、リーマ刃6の振れを抑制することができる。その結果、リーマ刃6の部分におけるドリル1の芯ずれを防止し、良好な品質で仕上げ孔を加工することができる。
ホールド部7に形成されるマージン7Aの直径は一定にしても良いし、マージン7Aにバックテーパを設けても良い。ホールド部7にバックテーパを設けずに、直径を一定とすると、ホールド部7のマージン7A全体が下孔の内面に接触するため、ホールド部7における振れの低減効果を最大にすることができる。
但し、ホールド部7のマージン7A全体が下孔の内面に接触すると、マージン7Aとワークとの摩擦熱によってワークの温度が上昇する可能性が高くなる。このため、ワークの材質がアルミニウム等の融点が低い材料である場合には、ワークが溶着する恐れがある。そこで、アルミニウム等の融点が低い材料からなるワークの穿孔を行う場合には、ホールド部7のマージン7Aにバックテーパを設けてワークの溶着を防止することができる。
逆に、チタンやFRP等の熱伝導率が低い難削材の穿孔を行う場合には、切削抵抗が大きくなり、かつ溶着し難いことからホールド部7のマージン7Aにバックテーパを設けないか、小さいバックテーパを設けて、ホールド部7における振れの低減効果を向上させるようにしても良い。
試験の結果、ホールド部7にバックテーパを設ける場合には、ワークの溶着防止と、ホールド部7の振れ防止を両立するために、0.02/100以上0.06/100以下のバックテーパを設けることが適切であることが判明した。同様な理由から、切れ刃部4の後方に設けられるマージン10についても、バックテーパを設けないか、バックテーパを設ける場合には、0.02/100以上0.06/100以下のバックテーパを設けることが適切である。
ホールド部7の最大径を小さくし過ぎると、先端切れ刃5の最大径も小さくなり、先端切れ刃5とホールド部7の剛性が低下する上、リーマ刃6による仕上げ加工の切込み量が過剰となる恐れがある。このため、高品質な孔を加工できるようにするためには、先端切れ刃5とホールド部7の剛性を確保しつつ、リーマ刃6による仕上げ加工の切込み量を適切な量とすることが重要である。試験の結果、ホールド部7の最大径を、リーマ刃6の最大径に相当する工具径Dの0.5倍以上0.9倍以下とすることが好ましいことが判明した。
ホールド部7の工具軸AX方向における長さLhは、先端切れ刃5の工具軸AX方向における長さL1、ホールド部7の工具軸AX方向における長さLh及びリーマ刃6の工具軸AX方向における最小径位置から初めて最大径となる位置までの長さL2の合計として表される刃長Lと、リーマ刃6に適切な長さL2に基づいて決定することができる。
具体的には、先端切れ刃5の工具軸AX方向における長さL1、ホールド部7の工具軸AX方向における長さLh及びリーマ刃6の工具軸AX方向における最小径位置から初めて最大径となる位置までの長さL2の合計として表される刃長Lが、工具径Dに相当するリーマ刃6の最大径の1倍以上2倍以下(1D≦L≦2D)とすることが、先端切れ刃5の先端角αを適切な角度に決定しつつ好適な2次曲線に沿って先端切れ刃5及びリーマ刃6の稜線の形状を決定するための条件となる。これは、工具径Dと比較して刃長Lが短すぎると、幾何学的に先端角αを大きくするか、先端切れ刃5及びリーマ刃6の投影線を円弧や短軸が工具軸AXに平行な楕円等に近づけることが必要になってしまうためである。
従って、ドリル1全体の刃長Lが工具径Dに依存して決定されることになる。このため、工具径Dに依存してホールド部7の最大径を決定すれば、先端切れ刃5の回転半径が放物線や楕円等の2次曲線からなる基準線RLを基準として決定されることから、先端切れ刃5の長さL1が必然的に定まる。そうすると、ドリル1全体の刃長Lから先端切れ刃5の長さL1を差し引いた長さが、ホールド部7の長さLhとリーマ刃6の長さL2の合計となる。このため、リーマ刃6として適切な長さL2を差し引いた長さをホールド部7の長さLhに決定することができる。
具体例として、リーマ刃6の長さL2を工具径Dの0.1倍(L2=0.1D)に設定し、先端切れ刃5の長さL1とホールド部7の長さLhの合計を工具径Dの1.5倍(L1+Lh=1.5D)に設定することができる。
但し、ホールド部7における振れ止めの機能を発揮させるために必要なマージン7Aの長さは、ホールド部7の長さLhよりも短くなる場合もある。また、マージン7Aと先端切れ刃5で加工された下孔との接触面積が大き過ぎると、過度に温度が上昇する恐れもある。
そこで、ホールド部7全体に亘ってバックテーパを設けずに部分的にバックテーパを設けたり、直径が一定である範囲を部分的に設けるようにしても良い。経験的には、ホールド部7の工具軸AX方向における長さLhの少なくとも1/5以上の長さ(≧Lh/5)を有する範囲における直径又はバックテーパを一定にすれば、リーマ刃6の振れ止め効果を十分に得ることができると考えられる。すなわち、ホールド部7の先端切れ刃5側における少なくとも1/5以上の長さを有する範囲に一定の最大径又は一定のバックテーパを有するマージン7Aを設ければ、リーマ刃6の振れ止め効果を得ることができると考えられる。
図7は、図1に示すホールド部7の一部の範囲Rのみにマージン7Aを形成した例を示す投影図である。
図7に示す投影図のようにホールド部7の長さLhの20%以上100%以下の長さを有する範囲Rにマージン7Aを形成することが好ましい条件となる。換言すれば、ホールド部7の一部の範囲Rのみにマージン7Aを形成し、他の範囲については回転半径を減少させても良い。このため、研磨によってマージン7Aを形成する場合であれば、一定の範囲Rのみ高精度に研磨してマージン7Aを形成し、他の部分についてはラフな研磨加工で逃げを形成するようにしても良い。
(被穿孔品の製造方法)
図8は手持ち式の工具回転装置20にドリル1を取付けてワークWを穿孔する方法の一例を説明する図である。
図8に示すように手持ち式の工具回転装置20で保持したドリル1でワークWを穿孔することによって製品又は半製品として被穿孔品を製造することができる。手持ち式の工具回転装置20でワークWを穿孔する場合には、工具回転装置20にブッシングチップ21を有するノーズピース22を取付ける一方、ワークWに穿孔板23を配置することによってワークWに対するドリル1の位置決めを行うことができる。
すなわち、穿孔板23にブッシングチップ21を固定することによってドリル1の位置及び向きの位置決めを行うことができる。そして、例えば、FRPや金属等の単一の素材からなるワークWはもちろん、FRPと金属の重ね合わせ材等の複数の素材からなるワークWの穿孔を、ドリル1を使用して行うことができる。
尚、図8に示す例では、工具回転装置20がドリル1の自動送り機能を備えているが、ドリル1の回転機能のみを備えた単純な工具回転装置20でワークWの穿孔を行うこともできる。もちろん、ボール盤やマシニングセンタ等の工作機械や手持ち式でない穿孔機にドリル1を取付けて被穿孔品を製造することもできる。
(効果)
以上のドリル1は先端角α及び逃げ角γ1が連続的に減少する先端切れ刃5と、先端角β及び逃げ角γ2が連続的に減少し、かつ先端角βが0°となる最大径位置において逃げ角γ2を有するリーマ刃6との間にリーマ刃6の振れ止めを行うためのマージン7A等で構成されるホールド部7を設けたものである。また、被穿孔品の製造方法は、上述したドリル1を使用して被穿孔品を製造するようにしたものである。
このため、ドリル1及び被穿孔品の製造方法によれば、先端切れ刃5による穿孔によって形成される下孔を利用してホールド部7でガイドしながらリーマ刃6で下孔のリーマ仕上げ加工を行うことができる。すなわち、ホールド部7でリーマ刃6の振動を抑制することができる。このため、横断面が円形で高品質な孔を加工することができる。
特に、切れ刃の先端角及び逃げ角が切れ刃の最大径位置に向かって連続的に変化し、かつ切れ刃の最大径位置において逃げ角を有する従来のRドリル(登録商標)において刃数が3枚刃以上である場合には、穿孔装置の主軸の剛性や精度が低いと孔が多角形になってしまうという問題があった。この従来の問題は、Rドリル(登録商標)を保持する穿孔装置の主軸の剛性又は精度が低いと、Rドリル(登録商標)の工具軸の同軸度を維持できず、Rドリル(登録商標)が振れるためであると考えられる。具体的には、Rドリル(登録商標)の側面の切れ刃が振れながら孔の内面に接触することによって、孔が多角形になってしまうと考えられる。
これに対して、Rドリル(登録商標)を改良した上述のドリル1を用いれば、先端切れ刃5による穿孔によって形成される下孔の横断面の形状が先端切れ刃5の振れによって多角形になったとしても、ホールド部7で振れが抑制されたリーマ刃6で下孔の仕上げ加工を行うことによって横断面の形状が円形の本孔を加工することができる。このため、先端切れ刃5の数を3枚以上にしても、良好な品質で孔を加工することができる。
すなわち、従来の3枚刃以上のRドリル(登録商標)では孔の横断面の形状が多角形になってしまう穿孔条件であっても、上述のドリル1を用いれば、横断面の形状が円形の孔を加工することができる。具体例として図8に例示されるように手持ち式の工具回転装置20で保持した3枚刃以上のドリル1でワークWを穿孔する場合であっても、横断面の形状が円形の孔を加工することができる。つまり、3枚刃以上のドリル1を用いた手穿孔が可能となる。
ドリル1の先端切れ刃5及びリーマ刃6の刃数を増加させると、先端切れ刃5及びリーマ刃6の1刃当たりの切削量が減少する。このため、ドリル1の先端切れ刃5及びリーマ刃6の刃数を3枚以上にすると、従来の2枚刃のRドリル(登録商標)に比べて工具寿命、すなわち品質を維持しながら穿孔することが可能な孔の数を増加させることができる。
また、先端切れ刃5及びリーマ刃6の数が2枚である場合においても、従来の2枚刃のRドリル(登録商標)に比べて工具径D方向における振動を抑制できるため、孔の品質を向上することができる。特に、ドリル1の振動が工具軸AX方向に規制されて生じる結果、金属の切粉が細かく寸断されるため、金属の切粉詰まりを防止できるという効果も得られる。つまり、ドリル1の工具径D方向への振動エネルギを、ホールド部7においてスラスト方向への振動エネルギに変換し、金属の切粉詰まり防止のために役立てることができる。
(第2の実施形態)
図9は本発明の第2の実施形態に係るドリルの部分正面図である。尚、図9において工具軸AXより下方はドリルの切れ刃のすくい面を図面に平行となるように展開した場合における切れ刃の外形の輪郭を表す図となっており、ドリルに形成される複数の切れ刃が工具軸AXを中心に対称、すなわちドリルに形成される複数の切れ刃の形状が同じであることから内部の詳細な輪郭の図示が省略されている。
図9に示された第2の実施形態におけるドリル1Aでは、リーマ刃6の後端側に直径が最大径のまま一定となっている部分6Cを延伸させた点が第1の実施形態におけるドリル1と相違する。第2の実施形態におけるドリル1Aの他の構成及び作用については第1の実施形態におけるドリル1と実質的に異ならないため部分正面図のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態において説明したようにホールド部7のマージン7Aによってリーマ刃6の振れが抑止される。このため、リーマ刃6の後方におけるマージン10を省略し、代わりに一定の最大径を有する部分6Cを形成することができる。或いは、一定の最大径を有する部分6Cを形成し、更に後方にマージン10を形成しても良い。いずれにせよ、先端角βが0°で逃げ角γ2を有する部分6Cを長くすることができる。
そうすると、リーマ刃6が摩耗して回転半径が減少しても、最大径位置がリーマ刃6の後方に移動するのみであるため、新たな最大径位置におけるリーマ刃6で孔の仕上げ加工を行うことが可能となる。その結果、ドリル1Aの工具寿命を長くすることができる。また、一定の最大径を有する部分6Cを長くすることによって深孔加工も可能となる。特に、工具径Dの2.6倍以上の厚さを有するワークに深孔を加工する場合において、深孔の品質を向上する効果が得られる。
(第3の実施形態)
図10は本発明の第3の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた部分正面図、図11は図10に示すドリルの先端部分における拡大左側側面図、図12は図10に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図、図13は図10に示すドリルの位置B-Bにおける拡大横断面図、図14は図10に示すドリルの先端部分における拡大投影図である。
図10乃至図14に示された第3の実施形態におけるドリル1Bでは、リーマ刃6の先端側に段差が生じないようにリーマ刃6の先端角を連続的に変化させた点が第1の実施形態におけるドリル1及び第2の実施形態におけるドリル1Aと相違する。第3の実施形態におけるドリル1Bの他の構成及び作用については第1の実施形態におけるドリル1及び第2の実施形態におけるドリル1Aと実質的に異ならないため、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
図10乃至図14に示すように、工具軸AX方向に向かってリーマ刃6の先端角βが断続的に変化する部分が生じないように、リーマ刃6の先端角βを工具軸AX方向及びドリル1の先端側から後端側に向かって0°となるまで滑らかに連続的に減少させることができる。そして、第1の実施形態と同様に図14に例示されるようにリーマ刃6の先端角βが0°となったリーマ刃6の最大径位置において0°ではない逃げ角γ2を形成することができる。この場合、リーマ刃6の逃げ角γ2についても、先端角βと同様に、断続的に変化する部分が生じないように、工具軸AX方向及びドリル1の先端側から後端側に向かって滑らかに連続的に減少させることが現実的である。
先端角βが減少して0°となったリーマ刃6の最大径位置の後端側には、第2の実施形態で説明したように直径が最大径のまま一定となっている部分6Cを延伸させても良い。リーマ刃6自体の後端側には、直径が最大径のまま一定となっている部分6Cを延伸させるか否かを問わず、第1の実施形態で説明したようにマージン10を延伸させることができる。
先端切れ刃5とリーマ刃6の刃数は図11及び図13に例示されるように3枚とする場合に限らず任意である。但し、第1の実施形態でも説明したように、先端切れ刃5及びリーマ刃6の刃数を増加させると先端切れ刃5及びリーマ刃6の1枚当たりの切削量が減少するため、ドリル1Bの工具寿命及び穿孔可能な孔の数を増加できるという効果が得られる。また、第1の実施形態と同様に、ドリル1Bを、溝8がねじれていない直刃ドリルに限らず、溝8がねじれているツイストとしても良い。
図10及び図14に示すようにリーマ刃6の稜線のどの位置においても2つの先端角βが生じないように、リーマ刃6の先端角βを滑らかに減少させると、先端切れ刃5の先端角αを滑らかに連続的に減少させた場合に得られる効果と同様の効果をリーマ刃6による下孔のリーマ加工において得ることができる。
具体的には、リーマ刃6の先端角βを連続的に減少させると、欠損が発生し易い角がリーマ刃6の稜線に生じないため欠損が生じるリスクを低減できるという効果が得られる。その結果、ドリル1Bの工具寿命を長くすることができる。加えて、リーマ刃6の先端角βを徐々に減少させると、FRPを穿孔する場合にデラミネーションの発生を低減できるという効果が得られる。これは、ドリル1の先端側における相対的に大きな先端角βを有するリーマ刃6によるFRPのリーマ加工によってデラミネーションが一時的に発生しても、後方に続く相対的に小さな先端角βを有するリーマ刃6によるリーマ加工では切削抵抗が小さくなり、デラミネーションが除去されるためである。
また、工具軸AXに平行な投影面上におけるリーマ刃6の稜線の形状を単一の放物線に近ける程、工具軸AX方向の単位長さ当たりの稜線が切削するワークの体積が均一となる。このため、リーマ刃6全体に亘って切削抵抗を均一にできるという効果が得られる。リーマ刃6全体に亘る切削抵抗を均一にできれば、FRPのリーマ加工時におけるデラミネーションやバリの発生のみならず、リーマ刃6の摩耗を低減することが可能となる。
一方、工具軸AXに平行な投影面上におけるリーマ刃6の稜線の形状を単一の楕円に近づけると、工具軸AX方向の単位長さ当たりの稜線が切削するワークの体積をリーマ刃6の後方程一定の割合で減少させることができる。このため、回転半径が異なることから切削速度が相対的に速いリーマ刃6の後方における摩耗が、切削速度が相対的に遅いリーマ刃6の前方における摩耗よりも先に進行してしまう事態を回避し、リーマ刃6全体に亘る摩耗の進行の度合いを均一にできるという効果が得られる。リーマ刃6全体に亘る摩耗の進行の度合いを均一にできれば、リーマ刃6の寿命を向上させることができる。
従って、重視する効果に応じて投影面上におけるリーマ刃6の稜線の形状を放物線又は楕円に近づけることができる。もちろん、投影面上において一部が楕円に近い形状となり、別の一部が放物線に近い形状となるようにリーマ刃6の稜線の形状を決定することもできる。また、投影面上において輪郭の少なくとも一部が楕円や放物線となるリーマ刃6の製作は複雑になるため、線分や円弧を角が生じないように滑らかに連結することによって楕円又は放物線を模擬するようにしても良い。
リーマ刃6の先端角βを角が生じないように連続的に減少させ、かつ工具軸AXに平行な投影面上におけるリーマ刃6の形状を、上述したように楕円又は放物線を線分や円弧で模擬した形状に決定すると、図14に例示されるように、先端切れ刃5及びリーマ刃6の各稜線は、それぞれ異なる基準線RL1、RL2を模擬した稜線となる。
具体的には、工具軸AXを中心に先端切れ刃5を回転させた場合における先端切れ刃5の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる投影線5Cの形状が、工具軸AXを投影面に投影して得られる直線を中心に線対称であり、かつ複数の第1の円弧又は線分を連結した形状となる。具体例として、例えば、図14に示すように、第1の複数の円弧と線分を連結した投影線5C上における少なくとも6点の位置PT10、PT11、PT12が、第1の2次曲線からなる第1の基準線RL1上となるように、第1の複数の円弧と線分を決定することができる。
また、第1の基準線RL1として用いられる第1の2次曲線は、第1の実施形態でも説明したように、工具軸AXを投影面に投影して得られる直線を中心に線対称な単一の放物線、2本の放物線、単一の楕円及び2本の楕円のいずれかに決定することができる。図14は、第1の基準線RL1を単一の楕円とした例を示している。
一方、工具軸AXを中心にリーマ刃6を回転させた場合におけるリーマ刃6の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる投影線6Dの形状が、投影面に工具軸AXを投影して得られる直線を中心に線対称であり、かつ複数の第2の円弧又は線分を連結した形状となる。具体例として、例えば、図14に示すように、複数の第2の円弧と線分を連結した2本の投影線6D上における少なくとも6点の位置PT20、PT21、PT22が、第2の2次曲線からなる第2の基準線RL2上となるように、第2の複数の円弧と線分を決定することができる。
また。第2の基準線RL2として用いられる第2の2次曲線は、工具軸AXを投影して得られる直線を中心に線対称な単一の放物線、2本の放物線、単一の楕円及び2本の楕円のいずれかからなり、かつ第1の基準線RL1として用いられる第1の2次曲線と異なる第2の2次曲線に決定することができる。図14は、第2の基準線RL2を単一の楕円とした例を示している。
もちろん、投影面上において単一又は2つの2次曲線を模擬せずに、先端切れ刃5及びリーマ刃6の少なくとも一方の少なくとも一部の形状を、基準となる単一又は2つの楕円又は放物線からなる2次曲線自体としても良い。すなわち、先端切れ刃5及びリーマ刃6の少なくとも一部の形状を、基準線RL1、RL2と重ねても良い。
但し、単一の楕円又は放物線を第1の基準線RL1として先端切れ刃5の投影線5Cの形状を決定する場合には、先端における最大の先端角αが180°とならないようにする必要があるため、先端角αが最大となる先端付近では、先端切れ刃5の投影線5Cを単一の楕円又は放物線とオーバーラップさせることはできない。そこで、製造の容易化の観点から、先端角αが最大となる先端付近における先端切れ刃5の投影線5Cの形状を、工具軸AXを中心に線対称となるように連結した2本の線分とすることが実用的である。尚、図14に例示されるように円弧を連結して第1の基準線RL1を模擬する場合や、工具軸AXを中心に線対称な2本の2次曲線を第1の基準線RL1とする場合においても、製造の容易化の観点から、先端角αが最大となる先端付近における先端切れ刃5の投影線5Cの形状を、工具軸AXを中心に線対称となるように連結した2本の線分とすることが実用的である。
これに対して、リーマ刃6の場合には、先端切れ刃5と異なり、先端角βが最大となる位置においてリーマ刃6同士が離れている。このため、第2の基準線RL2が単一の2次曲線であるか工具軸AXを中心に線対称な2本の2次曲線であるかを問わず、先端角βが最大となる投影線6Dの部分を含めて先端角βが減少する投影線6Dの部分の形状を円弧で模擬したり、或いは、第2の基準線RL2をオーバーラップさせることができる。但し、図14に例示されるように、先端角βが0°のまま一定となっている部分6Cを形成する場合には、先端角βが0°の部分6Cにおける投影線6Dの形状は線分となる。
リーマ刃6の直径が最小となる位置から初めて最大となる位置までの、リーマ刃6の先端角βが変化する長さL2の部分、すなわち、リーマ刃6の先端角βが最大となる位置から初めて0°となる位置までのリーマ刃6の部分における投影線6Dについては、線分で模擬しない方が、単一又は2本の第2の2次曲線からなる第2の基準線RL2との一致度が高くなる。このため、図14に例示されるように、第2の基準線RL2を模擬する場合には、線分を用いずに、円弧のみを連結して模擬することが好ましい。
従って、リーマ刃6の先端角βが変化する長さL2の部分を工具軸AXを中心に回転させた場合におけるリーマ刃6の当該部分の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる投影線6Dの形状については、円弧も2次曲線である円の一部に該当することから、第2の2次曲線を模擬した複数の円弧とするか、或いは、第2の2次曲線自体の一部とするかに関わらず、単一又は複数の2次曲線の一部とすることが穿孔品質と工具寿命の向上を図る観点から好適な条件となる。
また、リーマ刃6の先端角βが断続的に変化することを許容する第1の実施形態では、図5に例示されるように、リーマ刃6の投影線の基準線RLとなる2次曲線を、先端切れ刃5の投影線の基準線RLとなる2次曲線と共通にすることが可能であるのに対して、リーマ刃6の先端角βが断続的に変化することを許容しない第3の実施形態では、図14に例示されるように、先端切れ刃5を工具軸AXを中心に回転させた場合における先端切れ刃5の通過領域を投影面に投影して得られる投影線5Cと、一部がリーマ刃6の投影線6Dとなる単一又は複数の2次曲線、すなわち単一又は2本の第2の基準線RLを模擬するための複数の円或いは単一又は2本の第2の基準線RL自体との間に、単一又は複数の2次曲線を長さ方向に無限に伸ばしたとしても共有点は無い。
ところで、各リーマ刃6は、先端角βが最大となる先端側においてホールド部7のマージン7Aの後端側と隣接する。このため、各リーマ刃6の先端を加工する際に、マージン7Aの後端側が干渉して製造が困難となったり、各リーマ刃6の先端付近における公差を粗くせざるを得なくなったりする恐れがある。そこで、図示されるように、リーマ刃6と、ホールド部7との間に逃げ30を設け、リーマ刃6の最小径をホールド部7の最大径以下とすることができる。
これにより、先端角βが滑らかに減少するリーマ刃6の製造が容易となる。また、先端切れ刃5で加工され、かつホールド部7で保持された下孔の縁に、先端角βが滑らかに減少するリーマ刃6の部分を確実に接触させることができる。
以上の第3の実施形態は、FRPの穿孔品質を維持しつつ工具寿命を向上する観点からリーマ刃6の形状を一層理想的な形状としたものである。このため、第3の実施形態によれば、特にFRPを穿孔対象とする場合において、先端切れ刃5及びリーマ刃6の刃数を増加させても穿孔品質を維持することが可能となり、ドリル1Bの工具寿命を向上することができる。
(第4の実施形態)
図15は本発明の第4の実施形態に係るドリルの部分的に矢視方向を変えた部分正面図、図16は図15に示すドリルの先端部分における拡大左側側面図、図17は図15に示すドリルの先端部分における拡大部分上面図、図18は図15に示すドリルの位置C-Cにおける拡大横断面図である。
図15に示された第4の実施形態におけるドリル1Cでは、先端切れ刃5の刃数とリーマ刃6の刃数が異なる点が第3の実施形態におけるドリル1Bと相違する。第4の実施形態におけるドリル1Cの他の構成及び作用については第3の実施形態におけるドリル1Bと実質的に異ならないため、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
先端切れ刃5及びリーマ刃6の刃数を増加させると、1刃当たりの切削量が減少するため工具寿命の向上に繋がる反面、溝8の数が増えるため切れ刃部4の心厚が減少する。切れ刃部4の心厚が減少すると切れ刃部4の剛性が低下し、穿孔品質の劣化に繋がる。そこで、回転半径が相対的に小さく摩耗や欠損による消耗の程度が相対的に小さい先端切れ刃5の刃数を、回転半径が相対的に大きく消耗の程度が相対的に大きいリーマ刃6の刃数よりも少なくすることができる。
そうすると、消耗の程度が相対的に小さい反面、切削抵抗が相対的に大きい先端切れ刃5については、刃数を制限するにとによって心厚及び剛性を確保する一方、消耗の程度が相対的に大きいリーマ刃6については、刃数を増加させることによって消耗の進行を遅らせることができる。その結果、ドリル1C全体の工具寿命を増加させることができる。
切削試験の結果、先端切れ刃5については、心厚及び剛性を確保する観点から刃数を2枚又は3枚とすることが望ましいことが判明した。一方、リーマ刃6については、消耗の進行を遅らせる観点から刃数を3枚以上とすることが好ましい。このため、製造の容易化を考慮して先端切れ刃5とリーマ刃6の刃数を互いに同一にする場合には、第1乃至第3の実施形態で例示したように先端切れ刃5及びリーマ刃6を3枚刃とすることが好適となり、リーマ刃6の刃数を先端切れ刃5の刃数よりも多くする場合には、先端切れ刃5を2枚刃とする一方、リーマ刃6を4枚以上とすることが好適となる。
図18に示す例では、製造の容易化を考慮してリーマ刃6が4枚刃となっているが、リーマ刃6を5枚以上として対消耗性の向上を図るようにしても良い。ホールド部7のマージン7Aの数については、マージン7Aが先端切れ刃5で加工された下孔に挿入されることから、先端切れ刃5の数と同一とし、先端切れ刃5の後端側からマージン7Aを延伸させることが現実的である。
このように、先端切れ刃5の刃数と、リーマ刃6の刃数は、互いに独立して決定することができる。従って、第1及び第2の実施形態において、リーマ刃6の刃数を先端切れ刃5の刃数より多くしても良い。但し、第1及び第2の実施形態において、先端切れ刃5の刃数と、リーマ刃6の刃数を同一にすれば、第1の実施形態において説明したように、リーマ刃6の稜線と先端切れ刃5の稜線が繋がったドリル1、1Aの半製品を製作した後に切削加工又は研磨加工によってホールド部7を設ける簡易な製法によってドリル1、1Aを製作することが可能となる。従って、ドリル1、1Aの製法及びリーマ刃6の形状に応じて、先端切れ刃5の刃数と、リーマ刃6の刃数を同一にするのか、或いは異なる数にするのかを決定することができる。
尚、先端切れ刃5及びリーマ刃6は工具軸AXを中心に回転するため、リーマ刃6の刃数が先端切れ刃5の刃数と同一であるか否かに関わらず、工具軸AXに平行な投影面上における切れ刃部4の輪郭の投影図は同様となる。
以上の第4の実施形態は、先端切れ刃5の刃数を制限して先端切れ刃5の剛性を確保する一方、リーマ刃6の刃数を増加させてドリル1C全体の工具寿命の増加を図るようにしたものである。
このため第4の実施形態によれば、FRP及び金属のいずれを穿孔対象とする場合であっても穿孔品質を維持しつつ、工具寿命を向上させることができる。すなわち、1本のドリル1Cで高品質な孔を多数穿孔することが可能となる。
実際に2枚の先端切れ刃5と、4枚のリーマ刃6を有するドリル1Cを製作して厚さが10mmのCFRPを穿孔する切削試験を行ったところ、従来の2枚刃のRドリルと比較して2倍程度の数の孔を加工でき、しかも、穿孔速度が約1.2倍に向上することが確認された。
(第5の実施形態)
図19は本発明の第5の実施形態に係るドリルに形成されるリーマ刃の拡大部分投影図である。
図19に示された第5の実施形態におけるドリル1Dでは、リーマ刃6の稜線の投影線を曲線とせずに直線にした点が第1乃至第4の実施形態におけるドリル1、1A、1B、1Cと相違する。第5の実施形態におけるドリル1Dの他の構成及び作用については第1乃至第4の実施形態におけるドリル1、1A、1B、1Cと実質的に異ならないためリーマ刃6の拡大部分投影図のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
図19に例示されるように工具軸AXに平行な投影面上におけるリーマ刃6の稜線の形状が、複数の線分を連結した形状となるようにリーマ刃6の稜線の形状を決定することもできる。換言すれば、リーマ刃6の形状を、先端角βが先端側から後端側に向かって0°となるまで断続的に減少し、かつ先端角βが0°となった最大径位置において逃げ角γ2を有する形状にすることができる。
そうすると、第1乃至第4の実施形態のようにリーマ刃6の先端角βを連続的に減少させる場合に比べてリーマ刃6の形状を単純化できるため、ドリル1Dの製作労力及び製作コストを低減することができる。
図20はリーマ刃6の先端角βを減少させずに0°のみとした例を示す拡大部分投影図である。
FRPが主な穿孔対象である場合には、リーマ刃6の先端角βを断続的に減少させずに、0°に限定しても良い。すなわち、先端角βが0°となるリーマ刃6の最大径位置に逃げ角γ2を設ければ、その他の形状は省略又は変更しても良い。これにより、リーマ刃6の形状を一層単純化し、ドリル1Dの製作労力及び製作コストを低減することができる。
尚、第5の実施形態においてリーマ刃6の後方にマージン10を形成しても良いし、第2の実施形態のように直径が最大径のまま一定となっている部分6Cを設けても良い。また、リーマ刃6の逃げ角γ2についても先端角βの変化に合わせて断続的に減少させるか一定とすることによってリーマ刃6の形状を単純化することができる。もちろん、第4の実施形態のようにリーマ刃6の刃数を、先端切れ刃5の刃数よりも多くしても良い。
(第6の実施形態)
図21は本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第1の形状例を示す投影図、図22は本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第2の形状例を示す投影図、図23は本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第3の形状例を示す投影図、図24は本発明の第6の実施形態に係るドリルに形成される先端切れ刃の第4の形状例を示す投影図である。
図21乃至図24に示された第6の実施形態におけるドリル1Eでは、先端切れ刃5及びリーマ刃6の稜線の投影線を曲線とせずに連結した線分にした点が他の実施形態におけるドリル1、1A、1B、1C、1Dと相違する。第6の実施形態におけるドリル1Eの他の構成及び作用については他の実施形態におけるドリル1、1A、1B、1C、1Dと実質的に異ならないため切れ刃部4の投影図のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
第5の実施形態ではリーマ刃6の稜線の投影図を線分とする例について説明したが、先端切れ刃5の稜線の投影図についても連結した線分とすることができる。すなわち、先端切れ刃5及びリーマ刃6の各稜線の投影線が、放物線や楕円等の2次曲線を模擬した折れ線となるように、先端切れ刃5及びリーマ刃6の各稜線の形状を決定することができる。この場合、ドリル1Eは、複数の先端角αを有する先端切れ刃5と、0°のみ又は複数の先端角βを有するリーマ刃6を有する多角ドリルに分類することもできる。
具体例として、図21に例示されるように工具軸AXに平行な投影面上において、工具軸AXの投影線を中心として線対称な単一の放物線を基準線RLとし、各両端の位置が単一の放物線上となっている6本以上の複数の線分を連結した、工具軸AXの投影線を中心に線対称な折れ線が先端切れ刃5の稜線の投影線となるように先端切れ刃5の形状を決定することができる。この場合、先端切れ刃5は、少なくとも3つ以上の先端角α1、α2、α3を有する3段以上の多段切れ刃となる。尚、基準線RLを放物線から楕円に置き換えても良い。
或いは、図22に例示されるように工具軸AXに平行な投影面上において、工具軸AXの投影線を中心として線対称な単一の放物線を基準線RLとし、それぞれ単一の放物線に接する8本以上の複数の線分を連結した、工具軸AXの投影線を中心に線対称な折れ線が先端切れ刃5の稜線の投影線となるように先端切れ刃5の形状を決定することができる。この場合、先端切れ刃5は、少なくとも4つ以上の先端角α1、α2、α3、α4を有する4段以上の多段切れ刃となる。尚、基準線RLを放物線から楕円に置き換えても良い。
別の例として、図23に例示されるように工具軸AXに平行な投影面上において、工具軸AXの投影線を中心として線対称な2本の楕円を基準線RLとし、各両端の位置が工具軸AXの投影線に近い側の2本の楕円上となっている6本以上の複数の線分を連結した、工具軸AXの投影線を中心に線対称な折れ線が先端切れ刃5の稜線の投影線となるように先端切れ刃5の形状を決定することができる。この場合、先端切れ刃5は、少なくとも3つ以上の先端角α1、α2、α3を有する3段以上の多段切れ刃となり、図23に示す例では、4つの先端角α1、α2、α3、α4が形成されている。尚、基準線RLを2本の楕円から2本の放物線に置き換えても良い。
更に別の例として、図24に例示されるように工具軸AXに平行な投影面上において、先端切れ刃5の稜線の投影線となる折れ線を構成する複数の線分の一部を放物線や楕円等の基準線RLに接する線分とし、他の一部を両端が基準線RL上にある線分としても良い。図24に示す例では、先端切れ刃5の最大の先端角α1を形成する稜線の投影線が工具軸AXの投影線を中心として線対称な単一の放物線又は楕円からなる基準線RLに接する2本の線対称な線分となっており、その他の先端角α2、α3、α4を形成する稜線の投影線が、各両端が基準線RL上にある線対称な線分となっている。
尚、工具軸AXに平行な投影面上において先端切れ刃5の稜線の投影線を構成する線分の一部を円弧等の曲線に置き換えても良い。例えば、線分と線分との間を円弧で連結すれば、先端切れ刃5の形状を角の無い滑らかな形状にすることができる。その場合、先端切れ刃5に欠けが生じるリスクを低減し、工具寿命を長くすることができる。或いは、図5及び図6を参照して第1の実施形態で説明したように、先端における最大の先端角αを形成する先端切れ刃5の稜線の投影線のみが線分となり、他の稜線の部分の投影線が異なる半径を有する円弧を滑らかに連結した曲線となるように、先端切れ刃5の稜線の形状を決定しても良い。
先端切れ刃5の先端角αを断続的に減少させる場合には、逃げ角γ1についても先端角αの減少に合わせて断続的に減少させることが先端切れ刃5の形状の単純化に繋がる。従って、先端切れ刃5の先端角α及び逃げ角γ1の双方を先端側から後端側に向かって連続的又は断続的に減少させることができる。そして、工具軸AXを中心に先端切れ刃5を回転させた場合における先端切れ刃5の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる形状を、工具軸AXを投影面に投影して得られる直線を中心に線対称であり、かつ複数の円弧等の曲線又は線分を連結した形状とすることによって、先端切れ刃5の形状を単純化することができる。
具体例として、投影面上において先端切れ刃5の稜線の投影線を構成する複数の曲線又は線分上における少なくとも7点の位置が、工具軸AXを投影面に投影して得られる直線を中心に線対称な単一の放物線、2本の放物線、単一の楕円及び2本の楕円のいずれかからなる2次曲線上となるように先端切れ刃5の形状を決定することができる。これにより、第1の実施形態において説明したように、先端切れ刃5への切削抵抗や先端切れ刃5の摩耗の進行度合いを先端切れ刃5の長さLh方向にできるだけ均一にする効果を得ることができる。
尚、リーマ刃6についても先端角βを連続的又は断続的に減少させる場合には、第3の実施形態において図14等を参照して説明したように、投影面上において複数の線分又は円弧等の曲線を連結した形状とすることができる。すなわち、リーマ刃6を工具軸AXを中心に回転させた場合におけるリーマ刃6の通過領域を工具軸AXに平行な投影面に投影して得られる形状が、投影面に工具軸AXを投影して得られる直線を中心に線対称であり、複数の円弧等の曲線又は線分を連結した形状となるようにリーマ刃6の形状を決定することができる。
第1の実施形態において図5等を参照して説明したように、リーマ刃6の形状についても、投影面上において先端切れ刃5の形状を定めるための2次曲線と同一の2次曲線を基準線として投影線の形状を決定すれば、先端切れ刃5とリーマ刃6の稜線が繋がった半製品にホールド部7を形成する製造方法を採用できるというメリットが得られる。或いは、第3の実施形態において図14等を参照して説明したように、リーマ刃6の投影線の形状を、先端切れ刃5の投影線の形状を決定するための2次曲線と異なる2次曲線に基づいて決定し、リーマ刃6の先端角βの変化量を低減させても良い。
以上のような第6の実施形態によれば、先端切れ刃5及びリーマ刃6の各稜線の形状を一層単純化し、製造労力及び製造コストを一層低減することができる。
尚、リーマ刃6の稜線の形状については第3の実施形態において説明したように先端角βが連続的に滑らかに減少する曲線形状とし、先端切れ刃5の先端角αのみを図21乃至図24に例示されるように断続的に減少させて単純化させても良い。その場合、回転半径が小さいことから消耗の進行が相対的に遅い先端切れ刃5については形状の単純化により製造コストを低減させる一方、回転半径が大きいことから消耗の進行が相対的に速いリーマ刃6については形状を好適化することによって消耗の進行を効果的に遅らせることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1、1A、1B、1C、1D、1E ドリル
2 ボディ
3 シャンク
4 切れ刃部
5 先端切れ刃(第1の切れ刃)
5A すくい面
5B 逃げ面
5C 投影線
6 リーマ刃(第2の切れ刃)
6A すくい面
6B 逃げ面
6C 部分
6D 投影線
7 ホールド部(振れ止め部)
7A マージン
8 溝
9 ランド
9A 平面逃がし面
10 マージン
20 工具回転装置
21 ブッシングチップ
22 ノーズピース
23 穿孔板
30 逃げ
AX 工具軸
D 工具径
L ドリルの刃長
L1 先端切れ刃の長さ
L2 リーマ刃の長さ
Lh ホールド部の長さ
R マージンの範囲
RL、RL1、RL2 基準線
W ワーク
α、α1、α2、α3、α4 先端切れ刃の先端角
β リーマ刃の先端角
γ1 先端切れ刃の逃げ角
γ2 リーマ刃の逃げ角

Claims (5)

  1. 先端において0°よりも大きく180°未満である先端角が先端側から後端側に向かって連続的又は断続的に減少する一方、逃げ角が前記先端側から前記後端側に向かって連続的又は断続的に減少するように前記先端側に形成される第1の切れ刃であって被削材に下孔を穿孔するための第1の切れ刃と、
    前記第1の切れ刃から前記後端側に離れた位置に形成されることによって前記下孔の仕上げ加工を行うための第2の切れ刃であって最大径位置において逃げ角を有する第2の切れ刃と、
    前記第1の切れ刃と前記第2の切れ刃との間に形成され、前記第1の切れ刃で加工された前記下孔に挿入されることによって前記第2の切れ刃の振れを低減させる振れ止め部と、
    を有するドリル。
  2. 前記第2の切れ刃は、先端角が前記先端側から前記後端側に向かって0°となるまで各位置において2つの先端角が生じないように滑らかに連続的に減少し、先端角が0°となった前記最大径位置において逃げ角を有する請求項1記載のドリル。
  3. 前記第2の切れ刃の前記先端角が最大となる位置から初めて0°となる位置までの前記第2の切れ刃の部分を工具軸を中心に回転させた場合における前記第2の切れ刃の前記部分の通過領域を前記工具軸に平行な投影面に投影して得られる投影線の形状が単一又は複数の2次曲線の一部となっており、かつ前記第1の切れ刃を前記工具軸を中心に回転させた場合における前記第1の切れ刃の通過領域を前記投影面に投影して得られる投影線と前記2次曲線との間に共有点が無い請求項1又は2記載のドリル。
  4. 前記第2の切れ刃と、前記振れ止め部との間に逃げを設け、前記第2の切れ刃の最小径を前記振れ止め部の最大径以下とした請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドリル。
  5. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のドリルで被削材を穿孔することによって被穿孔品を製造する被穿孔品の製造方法。
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