JP2000052118A - 刃先処理した被覆ツイストドリル - Google Patents

刃先処理した被覆ツイストドリル

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JP2000052118A
JP2000052118A JP22257398A JP22257398A JP2000052118A JP 2000052118 A JP2000052118 A JP 2000052118A JP 22257398 A JP22257398 A JP 22257398A JP 22257398 A JP22257398 A JP 22257398A JP 2000052118 A JP2000052118 A JP 2000052118A
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JP
Japan
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cutting edge
twist drill
coated
film
hard
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JP22257398A
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English (en)
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Nobuhiko Shima
順彦 島
Kazuyuki Kubota
和幸 久保田
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Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明では、被覆ツイストドリルの刃先の安
定性、特に切削初期におけるチッピング、欠け等のトラ
ブルを減少させた被覆ツイストドリルを提供することを
目的とする。 【構成】 回転軸を中心とする円筒面上または円錐面上
に螺旋状の切り刃を有する被覆ツイストドリルにおい
て、すくい面と逃げ面の交差する切れ刃部分及び/又は
その近傍の皮膜に凹状部を、より具体的には、略V字
状、及びその凸部を円弧状の形状とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、ツイストドリル等の
切れ刃の刃先処理に関する。
【0002】
【従来の技術】超硬合金やTiCN基サーメットからな
るツイストドリルは、用途に応じてねじれ角30度前後
のものが実用に用いられ、これら脆性材料では、工具先
端の切れ刃形状は極めて重要であり、様々な提案がなさ
れている。例えば、ブラシ等で刃先を曲面状に処理して
いる。(例として、特公平4−40122号公報) 更に、被覆後の膜厚等はフラットな面で測定しており、
切れ刃そのものが同様なプロファイルとなっているかは
あまり論じられていない。例えば、特開昭59−219
122号公報にはスローアウェイチップの例ではある
が、切れ刃部が成膜により厚くなり(第3図)、そのま
ま使用できないため、研削により除去した例が有る。
(第5図等)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように被覆後研削等で除去することは、より厚い膜を製
作し、それを研削により除去する等コスト高となる等の
問題がある。また、ツイストドリルではねじれた切れ刃
であるため被覆後の研削では研削後の状態を一定に保つ
ことが困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明にお
いては、その刃先処理を蒸着時、またPVD処理にて行
い、切れ刃部分の形状を被覆処理にて行うものである。
従って、本願発明では、回転軸を中心とする円筒面上ま
たは円錐面上に螺旋状の切り刃を有する被覆ツイストド
リルにおいて、すくい面と逃げ面の交差する切れ刃部分
及び/又はその近傍の皮膜を凹状に、より具体的には、
略V字状に、更にその凸部を円弧状の形状としたもので
ある。また、膜としては周期率表第4a族遷移金属また
はAlの炭化物、窒化物、酸化物、硬質窒化硼素、硬質
炭素さらにこれらの固容体または混合体からなる群のう
ちから選ばれた1種または2種以上の硬質性膜及び/又
は硫化物等の潤滑性膜を1層または2層以上の多層で
0. 2〜20μの厚みで被覆したものである。
【0005】
【作用】本発明者らの研究によれば、物理蒸着法、特に
カソードを用いたアークイオンプレーティング法では、
そのエネルギーが高いため、二次スパッタ現象もより大
きなものとなり、この二次スパッタ現象を利用すること
により刃先処理を行うものである。この二次スパッタ現
象は、通常の蒸着時でも部分的に生じており、コーティ
ングパラメーターを調整することにより、例えばサブス
トレートに掛ける電圧を大きなマイナス電圧とすること
等により調整することもできるし、成膜後に同様に処理
しても良い。
【0006】通常のコーティングパラメーターでは成膜
後の断面では図1の略記するように平面と同じか、やや
厚くなる傾向がある。この原因としては、切れ刃稜線が
シャープに尖っているためバイアス電圧が平面部より高
くなり、イオン化された蒸着物質が集まる傾向にあるた
めと考えられる。しかし、バイアス電圧を高くすると蒸
着と同時に一部二次スパッタを生じ、蒸着された膜の一
部がはじき出される様になる。その場合には、切れ刃稜
線に集中的に生じ、すくい面や逃げ面のような平面部で
はほとんど生じない。従って、被覆されたツイストドリ
ルを軸直角断面で観察すると、本来図1に示したように
成る膜厚が、図2に示す如く、尖った部分のみ除去さ
れ、凹状部が観察される。
【0007】また、従来技術に記載した如く、刃先を曲
面状に刃先処理したものに被覆すると、同様に図3に示
すように、略V字の角度がより大きくなり、二次スパッ
タが膜の先端部からV字状に生じた後、膜の尖った部分
でも生じ円弧状に形成されていることが解る。曲面状に
刃先処理は0.003〜0.05mm程度行われ、切刃
に微細なバリ、欠け、研削痕、低硬度部などの有害な状
態を除去し、切刃を強化しており、特に鋼切削での寿命
増効果が大である。次に、異なる膜質を多層に組み合わ
せた場合には、上の層のみが二次スパッタされ、下の層
にはほとんど影響がない等の特異な現象が見られた。そ
れを略図にて図4に示す。以下、実施例に基づき本発明
を詳細に説明する。
【0008】
【実施例】市販の平均粒径0.5ミクロン程度のWC粉
末及び同1ミクロンのCo粉末を用いアトライターでア
ルコール中6時間混合し、超微粒子超硬合金を用いて、
ねじれ角30度の超硬合金製ツイストドリルを製作し
た。次に、このツイストドリルをカソード式のアークイ
オンブレーティングにて装着し、まずヒータでサブスト
レートの温度を500度に加熱し、保持した状態で、サ
ブストレートに−100Vのバイアス電圧を印加し、装
置内に高純度窒素ガスを3×10−2Torrまで導入
し、アーク放電を開始し、サブストレート表面にTiA
lN膜を形成した。被覆したツイストドリルの軸直角断
面をSEMにて観察した。その結果、前述の図2の様に
凹状に二次スパッタにより、本来尖った部分となるべき
稜線が、凹状に凹んだものとなっていた。
【0009】このツイストドリルのねじれた刃先の観察
を図1に示す。この図1の様な切り刃では、切削時に特
に機械的衝撃の加わるドリルの先端ではチッピングを生
じたり、甚だしい場合には欠けたりする場合がある。次
に、これら本発明例と全くの無処理品をそれぞれ5本被
覆し、切削試験を行った。切削試験は使用初期の切り刃
の安定性を見るため、高速、高送りの条件を選択し、各
々5本試験してその結果により判断した。切削諸元は、
被削財SCM440(焼鈍材)を用いて、切削速度60
m/min、送り速度500mm/minで、穴深さ2
4mm(ドリル径の3倍)の穴加工を水溶性切削油を用
いて行った。
【0011】その結果、本発明例では、5本中先端刃と
外周刃の交叉する領域で偶発的に生じた欠損はがなく、
また無処理品では5本中5本にチッピングが観察され
た。切削初期の切れ刃は、薄い膜では剥離等の損傷が生
じにくい傾向にあるが、本願のように凹状部とした場合
にも、膜そのものは厚さは薄いため、更に、すくい面と
逃げ面の膜が続いていないため剥離等を生じないものと
考えられる。更に本発明例のツイストドリルを用いて試
験を継続した結果、500穴加工後では両者とも摩耗量
の増加に伴い、皮膜が摩耗により基体自体が切り屑と接
触するようになったが、外周との交叉部も正常な摩耗を
示し、更に加工を継続し、3000穴まで加工し、ツイ
ストドリルの先端部を観察すると、ドリルのシンニング
刃、直線刃付近はまだ正常な摩耗であるが、ドリル先端
部と外周の交叉部は塑性変形はしておらず、継続可能な
寿命であった。このことは、すくい面、逃げ面部は通常
の膜厚であり、凹状部を設けても耐摩耗性にはほとんど
影響しないことが解った。
【0011】次に、ブラシによる刃先処理を行い、切れ
刃を凸円弧状に丸めたツイストドリルを製作して、同様
なパラメーターで被覆した。また被覆の後半部分ではバ
イアス電圧を大きく設定した。その結果、図3で述べた
ように、更に二次スパッタにより尖った部分が減少し
た。次に、これも前記同様な切削緒言で試験した。その
結果、本発明例(円弧状刃先)では、5本中、先端刃と
外周刃の交叉する領域で偶発的に生じた欠損はがなく良
好な摩耗状態を示した。
【0012】更に、本発明例として、多層被覆において
試験した。基体表面にTiN膜を蒸着後、TiAlN膜
を蒸着した。TiN層はカソード式のアークイオンブレ
ーティングにて装着し、まずヒータでサブストレートの
温度を450度に加熱し、保持した状態で、サブストレ
ートに−70Vのバイアス電圧を印加し、装置内に高純
度窒素ガスを3×10−2Torrまで導入し、Tiタ
ーゲットにアーク放電を開始し、サブストレート表面に
TiN膜を形成した。次いで、ターゲットをTiとAl
の両者を用いて被覆した。TiAlN膜を成膜するパラ
メーターではTiN膜は二次スパッタされず、図4に示
した如く、TiN層は二次スパッタされずに、TiAl
N膜のみが二次スパッタ膜により凹状になっている。
【0013】
【発明の効果】本発明による成膜を施したツイストドリ
ルは、切り刃となる稜線が凹状になっているため、切削
初期における安定性が良く、剥離、チッピング、欠け等
のトラブルを減少させることが分かった。更に、また直
線状の切れ刃を有する切削工具に限らず、一般の工具に
おいてもその効果は同様であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ツイストドリルの軸直角断面の刃先状
態を模式的に示す。
【図2】図2は、本発明例の切れ刃を模式的にを示す。
【図3】図3は、本発明例の他の実施例の切れ刃を模式
的に示す。
【図4】図4は、本発明例の層膜で行った場合の例を模
式的に示す。
【符号の説明】
1 サブストレート 2 すくい面 3 逃げ面 4 切れ刃稜線 5 膜 6 凹状部 7 凸部 8 下層 9 上層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を中心とする円筒面上または円錐
    面上に螺旋状の切り刃を有する被覆ツイストドリルにお
    いて、すくい面と逃げ面の交差する切れ刃部分及び/又
    はその近傍の皮膜に凹状部を設けたことを特徴とする刃
    先処理した被覆ツイストドリル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の刃先処理した被覆ツイス
    トドリルにおいて、前記凹状部が略V字状であること特
    徴とする刃先処理した被覆ツイストドリル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の刃先処理した被覆ツイス
    トドリルにおいて、前記略V字状の凸部を円弧状にした
    ことを特徴とする刃先処理した被覆ツイストドリル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の刃先処理した被覆
    ツイストドリルにおいて、前記被覆層が周期率表第4a
    族遷移金属またはAlの炭化物、窒化物、酸化物、硬質
    窒化硼素、硬質炭素さらにこれらの固容体または混合体
    からなる群のうちから選ばれた1種または2種以上の硬
    質性膜及び/又は硫化物等の潤滑性膜を1層または2層
    以上の多層で0. 2〜20μの厚みで被覆した事を特徴
    とする刃先処理したツイストドリル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120251253A1 (en) * 2011-03-30 2012-10-04 Makotoloy Co., Ltd. Cutting tool
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