JP5851400B2 - 大腸腫瘍の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マーカー遺伝子を用いた大腸腫瘍、特に進行腺腫や早期癌の検出方法に関する。より具体的には、糞便に含まれているマーカー遺伝子由来RNAの量を指標として、当該糞便が採取された被験者の大腸腫瘍への罹患の有無を検出する方法に関する。
本願は、2010年6月16日に日本国に出願された特願2010−137460号に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
大腸癌による死亡者が、増加している。大腸癌による死亡者は、全ての癌による死亡者のうち男性においては第4番目、女性においては第1番目に多い癌である(2005年度癌死統計)。また、2020年の癌罹患者推計では、男性は第二位、女性は第一位になると推計されている。そこで、二次的な予防を含めた総合的な大腸癌対策が強く求められている。大腸癌は他の癌に比べて、早期に発見され適切な治療が行われた場合の5年生存率が非常に高いため、大腸癌の集団検診(mass screening)は、最も効果的な方法の一つである。
大腸癌の確定診断のためには、一般的に、大腸内を直接視認できる内視鏡検査が行われており、さらに必要に応じて、患部の生検検査も行われている。しかしながら、これらの方法は侵襲的であり、かつ、高度な専門技術を要するため、集団検診のような一次スクリーニングには不適当である。
集団検診のためには、簡便かつ非侵襲性の検出方法であることが重要である。現在利用することができる唯一の非侵襲性の方法は、潜血の有無を調べる糞便検査、すなわち便潜血検査であり、大腸癌の集団検診の標準方法として広く用いられている。しかしながら、便潜血検査は、糞便中にヘモグロビンが現れることが腫瘍に特異的なものではないことから、感度及び特異度が低く(感度30〜90%、特異度70〜98%)、偽陰性や偽陽性が少なからず存在するという欠点がある。
非侵襲的に大腸癌を検出する方法として、糞便に含まれる成分を指標とする方法がある。糞便中には癌組織から剥離してきた細胞が含まれていることから、糞便の組成は消化管病変を反映し得ると考えられる。そこで、正常組織ではあまり発現せず、癌組織では高発現する遺伝子をバイオマーカーとし、糞便中の当該遺伝子のmRNA量を指標として、癌罹患者と健常者とを区別している。このように、検体として糞便を用いることにより、侵襲性がなく、被験者の検査負担を飛躍的に改善することができる。
例えば、糞便中のK−ras、p−53、APC遺伝子変異やマイクロサテライト不安定性を検出する等のDNAを用いた方法が報告されている(例えば、非特許文献1〜4参照。)。また、糞便中のタンパク質キナーゼC(PKC)等のmRNAを検出する方法や(例えば、非特許文献5〜7参照。)、糞便の細胞画分のCD44バリアントの発現を調べる方法(例えば、非特許文献8参照。)、糞便中に含まれているゲノムDNAのメチル化の有無を検出する方法(例えば、非特許文献9参照)等も開発されている。
このように、糞便中の含有量を指標として大腸癌を検出し得るバイオマーカーとして利用可能な遺伝子が多く報告されている。しかしながら、これらのバイオマーカーを用いた場合の感度は便潜血法とほぼ同程度かそれよりも低い、という問題がある。特に、集団検診においては、早期癌や癌化の可能性の高い進行腺腫といった、内視鏡的又は手術的切除によって治癒が可能な腫瘍を検出することが重要であるが、上記いずれのバイオマーカーでも、早期癌や進行腺腫の検出感度が便潜血法よりも劣っている。このため、糞便を検体として早期癌等を感度よく検出する方法の開発が強く望まれている。
便潜血法よりも感度よく大腸癌を検出する方法として、本発明者らにより、糞便中のCOX−2(Cyclooxygenase−2)遺伝子の発現量を指標とする方法が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。COX−2遺伝子は、大腸癌の遺伝子マーカーとして非常に優れているものの、COX−2遺伝子の発現量が増大しない大腸癌(COX−2陰性大腸癌)もあり、このようなケースを検出することができない。特許文献3には、MMP−7(Matrix metalloproteinase−7)遺伝子やSnail遺伝子等の、COX−2遺伝子と併用可能な遺伝子マーカーも開示されているものの、これらの遺伝子の発現量は、COX−2遺伝子の発現量とほぼ同様の挙動を示す場合が多く、このため、これらの遺伝子マーカーを併用した場合でも、COX−2陰性大腸癌の検出感度を向上させることは困難である。また、COX−2遺伝子、MMP−7遺伝子、及びSnail遺伝子は、癌の進行度に依存して糞便中の発現量が増大する傾向があるため、進行癌に比べて早期癌の検出感度が低いという問題もある。
一方、大腸癌において、CKB(Creatine kinase B)及びhnRNP F(heterogeneous nuclear ribonucleoprotein F)の発現量と細胞内局在が変化することが報告されている(例えば、非特許文献10参照。)。CKBについては、その他にも、子宮癌において発現量が増大し、血清中のCKB含有量が、子宮癌マーカーとして使用可能であることも報告されている(例えば、非特許文献11参照。)。しかしながら、糞便中のCKB含有量の大腸癌マーカーとしての利用可能性については、現在までに全く報告されていない。発現量が癌化に依存して増減するタンパク質をコードする遺伝子が、必ず臨床上有用なバイオマーカーとして利用できるとは限らないことは、当業者であれば当然理解できる。
特許第4134047号公報 特許第4206425号公報 国際公開第2007/018257号パンフレット 国際公開第2008/093530号パンフレット
シドランスキー等著(D.Sidransky,et al.)、サイエンス(Science)、1992年、第256巻、第102〜105ページ。 ドン等著(S.M.Dong,et al.)、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(Journal of the National Cancer Institute)、2001年、第93巻、第11号、第858〜865ページ。 トラベルソ等著(G.Traverso,et al.)、ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)、2002年、第346巻、第5号、第311〜320ページ。 トラベルソ等著(G.Traverso,et al.)、ザ・ランセット(The Lancet)、2002年、第359巻、第403〜404ページ。 デビッドソン等著(L.A.Davidson,et al.)、カーシノジェネシス(Carcinogenesis)、1998年、第19巻、第2号、第253〜257ページ。 アレキサンダー及びライハット著(R.J.Alexander and R.F.Raicht)、ダイジェスティブ・デジージス・アンド・サイエンス(Digestive Diseases and Sciences)、1998年、第43巻、第12号、第2652〜2658ページ。 ヤマオ等著(T.Yamao et al.)、ガストロエンテロロジー(Gastroenterology)、1998年、第114巻、第6号、第1198〜1205ページ。 サイトウ著(H.Saito)、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Japanese Journal of Cancer Research)、1996年、第87巻、第10号、第1011〜1024ページ。 ナガサカ等著(T.Nagasaka,et al.)、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティチュート(Journal of the National Cancer Institute)、2009年、第101巻、第18号、第1244〜1258ページ。 バラスブラマニ等著(M.Balasubramani,et al.)、キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2006年、第66巻、第2号、第763〜769ページ。 ハドルソン等著(H.G.Huddleston,et al.)、ガイナコロジック・オンコロジー(Gynecologic Oncology)、2005年、第96巻、第77〜83ページ。
本発明は、糞便に含まれる成分を指標として、大腸腫瘍、特に進行腺腫や早期癌を高感度に検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、大腸腫瘍罹患者より提供された糞便からRNAを抽出し、このRNA中に含まれているヒト遺伝子由来のRNAを解析したところ、大腸腫瘍罹患者では、大腸腫瘍非罹患者(大腸に特段の疾患のない者)よりも、糞便中に含まれているCKB(Creatine kinase B)遺伝子由来RNAの量が多いことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の構成をとる。
(1) マーカー遺伝子を用いて、大腸腫瘍を検出する方法であって、
(A)被験者から採取した糞便中に含まれるRNAを抽出する工程と、
(B)前記工程(A)において得られたRNA中のマーカー遺伝子由来RNAの量を測定する工程と、
(C)前記工程(B)において測定されたマーカー遺伝子由来RNAの量と、マーカー遺伝子の種類ごとに予め設定された閾値とを比較し、測定されたマーカー遺伝子由来RNA量が予め設定された閾値よりも多い場合に陽性と判断する工程と、
を有し、
前記マーカー遺伝子がCKB(Creatine kinase B)遺伝子、COX−2(Cyclooxygenase−2)遺伝子及びMMP−7遺伝子であることを特徴とする大腸腫瘍の検出方法。
(2) 前記マーカー遺伝子として、さらに、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M(β2ミクログロブリン)遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を用いることを特徴とする前記(1)記載の大腸腫瘍の検出方法。
) 大腸腺又は大腸早期癌を検出することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の大腸腫瘍の検出方法。
) 前記被験者が、大腸腫瘍に罹患していると診断されたことがあり、
前記被験者から経時的に採取された糞便に対して、それぞれ、前記工程(A)〜(C)を行い、当該被験者の大腸腫瘍の再発可能性をモニタリングするためになされることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の大腸腫瘍の検出方法。
) 糞便中に含まれるRNAを抽出するための機器又は薬剤と、
CKB(Creatine kinase B)遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、
COX−2(Cyclooxygenase−2)遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、及び
MMP−7遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、
を含むことを特徴とする糞便を用いて大腸腫瘍を検出するためのキット。
(6) さらに、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M(β2ミクログロブリン)遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする前記(5)記載のキット。
本発明の大腸腫瘍の検出方法を用いることにより、被験者から採取された糞便を検体として、当該被験者が大腸腫瘍に罹患しているか否かを判断するために有用な情報を提供することができる。
実施例1において得られた、糞便中の各マーカー遺伝子由来RNA量を、大腸腫瘍の遺伝子マーカーとして用いた場合のROC(Receiver Operating Characteristic)解析の結果を示した図である。
本発明及び本願明細書において、大腸腫瘍は、良性・悪性に拘わらず、大腸に発生する腫瘍であればよく、大腸腺腫と大腸癌の双方が含まれる。
大腸癌の進行度は、治療方法を決定する上で重要な要因である。大腸癌は、一般的に臨床病期0〜IV期に分類される。本発明及び本願明細書において、各病期は、それぞれ、以下の状態を指す。
0期:癌が粘膜内に留まっている状態。
I期:癌が大腸壁内に留まっている状態。
II期:癌が大腸壁の固有筋層を超えており、壁外にまで及んでいる状態。
III期:癌がリンパ節に転移している状態。
IV期:癌が遠方の臓器やリンパ節にまで転移している状態。
大腸早期癌(early cancer)、進行癌(advanced cancer)とは、壁深達度により規定されている。早期癌とは、癌の先進部が大腸壁の粘膜内又は粘膜下層に限局し、これを超えていないものであり、臨床病期のうち0期とI期の一部を指す。進行癌とは、癌の先進部が粘膜下層を超え固有筋層以深に届くものであり、臨床病期のうちI期の一部、II期、III期とIV期を指す。これらは大腸癌取り扱い規約第7版(大腸癌研究会、金原出版、2006年)に定義されている。
大腸腺腫(adenoma)も、大きさや異型度に応じて、小腺腫と進行腺腫(advanced adenoma)とに分けられる。大腸腺腫の中には、大腸早期癌、特に粘膜癌(0期癌)との鑑別が難しいものがある。中でも10mmを超える大きさの進行腺腫は、粘膜癌と同様に、将来的に粘膜下層癌(I期癌)に進展する可能性のある腫瘍として、癌に順ずるものとしている。よって、集団検診等の一次スクリーニングでは、大腸早期癌と同様に、大腸腺腫、特に進行腺腫を検出することが重要である。
また、本発明及び本願明細書において、「マーカー遺伝子由来RNA」とは、マーカー遺伝子のゲノムDNAの全長又は一部分から転写されたRNAを意味し、当該遺伝子のmRNAであってもよく、当該mRNAの一部分(フラグメント)であってもよい。
本発明及び本願明細書において、「非罹患者」とは、大腸腫瘍に罹患していない者を意味し、健常者のみならず、大腸腫瘍以外の疾患に罹患している者も含む。
<CKB遺伝子>
本発明者らが既に明らかにしているように、糞便中のCOX−2遺伝子由来RNA量は、大腸癌を検出するために非常に有効なバイオマーカーである(特許文献1〜4参照。)。しかしながら、COX−2遺伝子のみをバイオマーカーとした場合には、COX−2陰性の大腸癌を検出することができない。そこで、本発明者らは、COX−2陰性の大腸癌を検出可能なマーカー遺伝子をCOX−2遺伝子と併用することにより、集団検診等でより感度よく大腸腫瘍を検出し得ると考え、そのような新規なマーカー遺伝子の探索を行った。
具体的には、内視鏡検査等により大腸癌を発症していると確定診断がなされた患者であって、糞便中のCOX−2遺伝子由来RNAの量が、健常者よりも非常に多い患者(COX−2強陽性大腸癌罹患者)と、COX−2遺伝子由来RNAの量が、非罹患者と同程度しかない患者(COX−2陰性大腸癌罹患者)とからそれぞれ採取された糞便からtotal RNAを抽出し、これを用いて各遺伝子の発現解析を行った。コントロールとして、健常者から採取された糞便に対しても同様に行った。なお、これらの患者及び健常者には、事前に口頭又は書面にてインフォームドコンセントを得た。また、採取された糞便の保存、RNA抽出は、後記実施例1に記載の方法と同様にして行った。
各遺伝子の発現解析は、GeneChip(登録商標)アレイを用いたAgilent Expression Array解析により行った(タカラバイオ株式会社ドラゴンジェノミクスセンターに外注。)。この結果、糞便中のCOX−2遺伝子由来RNAの量は、COX−2強陽性大腸癌罹患者では健常者の25.3倍であったのに対して、COX−2陰性大腸癌罹患者では健常者の1.4倍でしかなかった。また、MMP−7遺伝子及びMMP−1遺伝子の各遺伝子由来RNA量は、COX−2遺伝子と同様に、COX−2強陽性大腸癌罹患者において多く、COX−2陰性大腸癌罹患者では健常者に比し明らかに高くはなかった。一方で、CKB遺伝子は、COX−2陰性大腸癌罹患者において、健常者よりも糞便中の発現量が28.8倍も上昇していることが分かった。これらの結果から、大腸腫瘍罹患者では、非罹患者よりも、糞便中のCKB遺伝子由来RNAが多い傾向があること、CKB遺伝子を大腸腫瘍のマーカー遺伝子として用いることにより、COX−2陽性の大腸腫瘍のみならず、COX−2陰性の大腸腫瘍をも検出可能であることが明らかとなった。
<大腸腫瘍の検出方法>
本発明の大腸腫瘍の検出方法は、大腸腫瘍の遺伝子マーカーとして、CKB遺伝子を用いることを特徴とする。糞便中のCKB遺伝子由来RNAの量は、大腸腫瘍罹患者において、非罹患者よりも多くなる傾向がある。このため、糞便中のCKB遺伝子由来RNAの量を指標として、大腸腫瘍の罹患の有無を検出することができる。すなわち本発明は、大腸腫瘍の罹患の有無を調べるために、大腸腫瘍の遺伝子マーカーとして、CKB遺伝子を用いて、糞便中の大腸腫瘍の遺伝子マーカー由来RNAを検出する方法とも言える。
本発明の大腸腫瘍の検出方法においては、大腸腫瘍の遺伝子マーカーとして、CKB遺伝子以外の他のマーカー遺伝子を組み合わせて用いてもよい。2種類以上の遺伝子を組み合わせて用いることにより、大腸腫瘍をより精度よく検出することができる。CKB遺伝子と組み合わせる他のマーカー遺伝子は、糞便中の当該遺伝子由来RNA量が、大腸腫瘍罹患者群と非罹患者群とで有意に差がある遺伝子であれば、特に限定されるものではない。
本発明においては、CKB遺伝子と組み合わせて用いるマーカー遺伝子として、COX−2遺伝子、MMP−7遺伝子、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を用いることが好ましい。
CKB遺伝子は、糞便中の当該遺伝子由来RNAの量が、COX−2陰性大腸癌罹患者(COX−2遺伝子由来RNAの量が、非罹患者と同程度しかない大腸癌罹患者)において、非罹患者よりも高い遺伝子であったことから、大腸腫瘍の遺伝子マーカーとして利用できることが見出された。よって、本発明の大腸腫瘍の検出方法においては、大腸腫瘍のマーカー遺伝子として、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とを組み合わせて用いることが特に好ましい。CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とを組み合わせて用いることにより、大腸腺腫や早期癌の検出感度をより向上させることができる。
本発明において用いられる大腸腫瘍のマーカー遺伝子の組み合わせとしては、具体的には、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とSnail遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−1遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とB2M遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子とB2M遺伝子との組み合わせ、及びCKB遺伝子とMMP−7遺伝子の組み合わせ等が挙げられる。
例えば、3遺伝子を組み合わせて用いることにより、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子の組み合わせにより、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とSnail遺伝子の組み合わせ、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−1遺伝子の組み合わせ、又はCKB遺伝子とCOX−2遺伝子とB2M遺伝子の組み合わせを用いた場合よりも、特に大腸腺腫の検出感度を改善し得る。また、特に、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子とB2M遺伝子との4遺伝子を組み合わせて用いることにより、大腸腫瘍を非常に高精度かつ高感度に検出することができる。
本発明の大腸腫瘍の検出方法は、具体的には、下記の工程(A)〜(C)を有する。
(A)被験者から採取した糞便中に含まれるRNAを抽出する工程と、
(B)前記工程(A)において得られたRNA中のマーカー遺伝子由来RNAの量を測定する工程と、
(C)前記工程(B)において測定されたマーカー遺伝子由来RNAの量と、マーカー遺伝子の種類ごとに予め設定された閾値とを比較する工程。
以下、工程ごとに説明する。
まず、工程(A)として、被験者から採取した糞便中に含まれるRNAを抽出する。本工程においては、抽出したRNAを常法により精製してもよい。糞便からのRNAの抽出・精製方法は、特に限定されるものではなく、当該技術分野において公知のいずれの方法を用いてもよく、市販されている精製キット等を利用することもできる。なお、次の工程に移る前に、予め、工程(A)において得られたRNAの量や濃度を測定してもよい。RNAの量や濃度の測定方法は、特に限定されるものではなく、吸光度測定法等の当該技術分野において公知のいずれの方法を用いてもよい。
工程(A)においてRNA抽出に供される糞便は、ヒト由来のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、定期健診や診断等のために採取された検体等を用いることができる。また、排泄直後のものであってもよく、採取後一定期間保存されたものであってもよい。糞便の保存方法は特に限定されず、臨床検査等で糞便に対してなされる保存方法のいずれであってもよい。例えば、凍結保存や冷蔵保存された糞便をRNA抽出に用いてもよく、各種保存液に浸漬・懸濁させた状態で保存されたものを用いてもよい。糞便に添加される保存液としては、例えば、水溶性アルコール類等を有効成分とする糞便試料調製用溶液(例えば、国際公開第2010−024251号パンフレット参照。)等の、糞便中のRNAの損傷を抑制して保存し得る溶液であることが好ましい。
工程(A)において抽出されたRNAは、そのまま工程(B)へ用いられてもよく、一定期間保存後に工程(B)へ用いられてもよい。RNAの保存は、RNAの分解を抑制して保存し得る方法であれば、いずれの方法で行ってもよく、例えば、凍結乾燥後に保存してもよく、精製水に溶解させた溶液の状態で保存してもよい。
次に、工程(B)として、工程(A)において得られたRNA中のマーカー遺伝子由来RNAの量を測定する。工程(B)におけるマーカー遺伝子由来RNAの量の測定方法は、特に限定されるものではなく、一般的に特定の塩基配列を有する核酸の量を測定する場合に用いられる公知の手法の中から、適宜選択して行うことができる。
なお、本発明及び本願明細書において、RNAの量を測定するとは、厳密な定量を意味するものではなく、半定量的なものであってもよく、所定の閾値等との定量的な比較が可能な程度に測定できるものであってもよい。例えば、当該技術分野において公知の手法によりマーカー遺伝子由来RNAを検出し、得られた検出結果から、濃度既知の対照試料の検出結果から作成された検量線に基づき算出することができる。マーカー遺伝子由来RNAの検出方法は、特に限定されるものではなく、当該技術分野において公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、マーカー遺伝子由来RNAとハイブリダイズし得るプローブを用いたハイブリダイゼーション法により検出してもよく、マーカー遺伝子由来RNAとハイブリダイズし得るプライマーとポリメラーゼとを用いた核酸増幅反応を利用した方法により検出してもよい。その他、市販されている検出用キット等を利用することもできる。
工程(B)における測定は、工程(A)において得られたRNA中に存在するマーカー遺伝子由来RNAを直接定量的に検出してもよく、当該RNA中のマーカー遺伝子由来RNAを核酸増幅反応により増幅させた後に定量的に検出してもよい。例えば、マーカー遺伝子由来RNAに隣接してハイブリダイズする2本のプローブを用い、ハイブリダイゼーション後にリガーゼ反応により結合させ、得られた結合体を定量的に検出する方法や、標識したプローブを用いたノザンブロッティング法を行い、ハイブリダイゼーションにより会合体を形成したプローブの量を、標識を指標として定量的に検出する方法等により、マーカー遺伝子由来RNAを直接検出することができる。
マーカー遺伝子由来RNAの量は微量であるため、核酸増幅反応を利用した方法により測定することもできる。例えば、工程(A)において得られたRNAの全量又は一部に対して、逆転写反応を行うことによりcDNAを合成した後、得られたcDNAを鋳型として核酸増幅をすることにより、マーカー遺伝子由来RNAを検出し、その量を測定することができる。cDNAを鋳型とした核酸増幅法としては、通常PCR(Polymerase Chain Reaction)が行われるが、LAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification)法やICAN(Isothermal and Chimeric Primer−initiated Amplification of Nucleic acids)法を用いることもできる。また、当該核酸増幅として、リアルタイムPCR等の定量的PCRを行うことにより、マーカー遺伝子由来RNAの検出と同時にその定量を簡便に行うことができる。その他、RNAからダイレクトにRNAを増幅させるNASBA(Nucleic Acid Sequence−Based Amplification)法によっても、マーカー遺伝子由来RNAを増幅させることができる。マーカー遺伝子由来RNAの増幅産物は、当該技術分野において公知の手法により定量することができる。例えば、その増幅産物を適宜、ゲルやキャピラリー電気泳動等で特異的に分離した後、それを検出することにより定量的に測定することができる。
また、マーカー遺伝子由来RNAの検出には、インベーダー(登録商標)法等の各種増感法を利用することもできる。増感法は、工程(A)において得られたRNA中に存在するマーカー遺伝子由来RNAを、直接検出する場合と、核酸増幅反応により増幅させた後に検出する場合のいずれの場合にも利用することができる。
マーカー遺伝子として、CKB遺伝子とその他の遺伝子を組み合わせて用いる場合、それぞれのマーカー遺伝子由来RNAの量を個別に測定してもよく、同時に測定してもよい。例えば、工程(A)において得られたRNAの全量又は一部から逆転写反応により得られたcDNAを鋳型とし、遺伝子の種類ごとに別個にPCRを行って増幅産物を得てもよく、マルチプレックスPCR等を行うことにより、複数の遺伝子の増幅産物を1つの反応で得てもよい。
工程(B)の後、工程(C)として、工程(B)において測定されたマーカー遺伝子由来RNAの量と、マーカー遺伝子の種類ごとに予め設定された閾値とを比較する。当該閾値は、大腸癌又は進行腺腫罹患者群と、非罹患者群とを識別するための閾値である。測定されたマーカー遺伝子由来RNA量が予め設定された閾値よりも多い場合に陽性とし、当該閾値よりも少ない場合に陰性とする。
工程(C)において用いられる閾値は、当業者であれば、工程(B)におけるマーカー遺伝子由来RNA量の測定方法の種類等を考慮して、また必要な予備検査等を行うことにより、適宜設定することができる。例えば、内視鏡検査等の他の検査方法の結果から、大腸疾患に罹患していないことが分かっている集団(非罹患者群)から採取された糞便と、大腸癌若しくは大腸進行腺腫に罹患していることが分かっている集団(罹患者群)から採取された糞便とに対して、工程(B)と同じ測定方法によりマーカー遺伝子由来RNA量を求め、両集団の測定値を比較することにより、両群を識別するための閾値を適宜設定することができる。
閾値の設定に際しては、所望の検出精度を考慮することもできる。非罹患者群と罹患者群の両群について、糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量の分布が明らかにされている場合には、例えば、大腸癌又は大腸進行腺腫の罹患者から採取された糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量が閾値未満となる確率(すなわち、非罹患者であると判断される確率)が所望の範囲内(例えば、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0%)となるように、閾値を設定することができる。
また、非罹患者群についてのみ、糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量の分布が明らかにされている場合には、例えば、被験者が非罹患者であると仮定した場合に、当該被験者から採取された糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量が、非罹患者のパーセンタイルで所望の値(例えば、90%ile、好ましくは95%ile、より好ましくは97.5%ile、さらに好ましくは99%ile、特に好ましくは100%ile)となるように、閾値を設定することができる。また、当該被験者から採取された糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量が閾値未満である有意確率(P値)が所望の値(例えば、10%、好ましくは5%、より好ましくは1%、さらに好ましくは0.1%)となるように、閾値を設定することができる。なお、P値は両側確率であってもよく、片側確率であってもよい。罹患者群についてのみ、糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量の分布が明らかにされている場合にも、同様にして閾値を設定することができる。なお、P値は、Mann Whitney′s U test等の統計学的手法により求めることができる。
具体的には、工程(B)において測定されたCKB遺伝子由来RNAの量(以下、CKB由来RNA量)が、予め設定された閾値よりも多い場合に、前記被験者はCKB陽性であり、当該閾値よりも少ない場合には、前記被験者はCKB陰性である、と判断する。CKB由来RNA量は、大腸腫瘍罹患者群において、非罹患者群よりも高くなる傾向がある。このため、CKB陽性であるという検出結果が得られた被験者は、大腸腫瘍に罹患している可能性が高い。このため、本発明の大腸腫瘍の検出方法を集団検診等の一次スクリーニングに用い、CKB陽性と判断された被験者に対して内視鏡検査等を行うことにより、確定診断を行うことができる。このように、本発明の大腸腫瘍の検出方法により得られた検出結果は、大腸腫瘍の診断のための情報として有用である。つまり、本発明の大腸腫瘍の検出方法により、大腸腫瘍の診断のための情報を提供することができる。
このように、糞便中のCKB由来RNA量は、大腸腫瘍の発症の有無に依存しており、大腸腫瘍が発症している被験者群のほうが、大腸腫瘍を発症していない被験者群よりも高くなる傾向がある。このため、本発明の大腸腫瘍の検出方法は、大腸腫瘍の再発可能性のモニタリングに利用することができる。具体的には、大腸腫瘍に罹患していると診断されたことがある被験者から、経時的に糞便を採取する。採取された各糞便に対して、それぞれ上記工程(A)〜(C)を行う。例えば、外科的処理等により、既に発症していた大腸腫瘍の病変部を切除した被験者から、経時的に糞便中のCKB由来RNA量を測定した場合には、得られた測定値が予め設定された閾値よりも高くなった場合に、当該糞便が採取された時点において、当該被験者では大腸腫瘍が再発した可能性が高い、と判断できる。
本発明の大腸腫瘍の検出方法における感度や特異度は、設定される閾値により適宜調整することができる。例えば、十分に高い感度を得たい場合、すなわち大腸腫瘍の罹患があることを検出しようとする場合には、閾値は、大腸腫瘍の罹患者から採取された糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量が閾値未満となる確率(すなわち、非罹患者であると判断される確率)が1%以下、特に好ましくは0%となるように設定することが好ましい。一方、健康診断等の一次スクリーニングに用いる場合には、多少感度が犠牲になるとしても、特異度が高いことが好ましい。このため、例えば、健常者から採取された糞便中のマーカー遺伝子由来RNA量が閾値を越える確率(すなわち、罹患者であると判断される確率)が十分に小さくなるように、例えば10%以下、好ましくは5%以下となるように閾値を設定することもできる。このように、本発明の大腸腫瘍の検出方法においては、所望の感度・特異度に合わせて、閾値を設定することができる。
マーカー遺伝子として、CKB遺伝子とその他の遺伝子を組み合わせて用いた場合には、マーカー遺伝子ごとに、それぞれ閾値と比較し、陽性か陰性かを判断する。少なくとも1のマーカー遺伝子が陽性である被験者は、大腸腫瘍に罹患している可能性が高い。大腸腫瘍のタイプによっては、複数の大腸腫瘍マーカーのうち、あるマーカー遺伝子が陽性であったとしても、別のマーカー遺伝子は陰性となる場合も多い。このため、マーカー遺伝子を複数種類組み合わせて用いることにより、大腸腫瘍検出の感度を向上させることができる。
また、前記工程(A)及び(B)において用いられる試薬や機器等を備えるキットを用いることにより、本発明の大腸腫瘍の検出方法をより簡便に実施することができる。当該キットは、具体的には、糞便中に含まれるRNAを抽出するための機器又は薬剤と、CKB遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、を含み、糞便を用いて大腸腫瘍を検出するために用いられる。
糞便中に含まれるRNAを抽出するための機器又は薬剤としては、例えば、採取された糞便を均質化し、当該糞便に含まれていた細胞から核酸を抽出させた懸濁物を調製するために用いられる懸濁用溶液、得られた懸濁物からRNAを回収・精製するための試薬等が挙げられる。当該懸濁用溶液としては、糞便から核酸を回収する際に一般的に用いられる溶液の中から適宜選択して用いることができる。当該懸濁用溶液としては、具体的には、フェノール溶液、クロロホルム溶液等が挙げられる。また、当該懸濁用溶液は、チオシアン酸グアニジン、界面活性剤、キレート剤等のRNA分解酵素阻害剤を含んでいることが好ましい。懸濁物からRNAを回収・精製するための試薬等としては、例えば、エタノール溶液、シリカ等の無機担体等が挙げられる。
また、工程(A)は、市販されている核酸精製キット等を利用することができるため、市販されている核酸精製キットと、CKB遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーとを組み合わせたものを、本発明のキットとすることもできる。
CKB遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーとしては、CKB遺伝子由来RNA、又は当該RNAから得られたcDNAの一部と特異的にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドを用いることができる。なお、CKB遺伝子由来RNA等とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において公知のいずれの手法で設計・作製されてもよい。
例えば、CKB遺伝子由来RNAの検出を、糞便から抽出されたRNAを鋳型として逆転写反応によりcDNAを合成した後、得られたcDNAを鋳型としてCKB遺伝子由来RNAを検出するためのプライマーを用いてPCR等の核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を検出する方法により行われる場合には、逆転写反応に用いる逆転写酵素、ランダムプライマー、ヌクレオチド、バッファー等や、PCRに用いるポリメラーゼ、標識ヌクレオチド、非標識ヌクレオチド、バッファー、PCR装置等を、本発明のキットに含ませてもよい。
その他、ヒトをはじめとする動物から排泄された糞便を採取するための採便棒や採取容器等も、本発明のキットに含ませることができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<糞便サンプル>
大腸小腺腫(腫瘍の大きさが5〜9mm)患者10名、大腸進行腺腫(腫瘍の大きさが10mm以上)患者が24名、大腸癌患者111名(早期癌25名、進行癌86名)、上部消化管癌患者12名(胃腫瘍患者10名、食道癌患者2名)、及び健常者113名から、糞便を提供していただいた。各患者は、内視鏡的・組織学的に確定診断がなされた患者である。本実施例においては、大腸に腫瘍性病変(但し、5mm未満の腺腫性ポリープや過形成ポリープは含まない)や、明らかな炎症性変化が認められず、出血性病変、全身性疾患、及び進行性の癌のない人を健常者とした。また、大腸癌患者111名のうち、病期0期が11名、病期I期が24名、病期II期が37名、病期III期が25名、病期IV期が14名であった。なお、これらの患者及び健常者には、事前に口頭又は書面にてインフォームドコンセントを得た。
検体(糞便サンプル)は、内視鏡検査又は生検から2〜4週間後であって、手術又は内視鏡的切除の前に採取された。採取された糞便サンプルは、まず4℃で保存された後、保存開始後24時間以内に−80℃に移し、RNA抽出処理を行うまで保存した。
<糞便サンプルからのRNA抽出・精製>
滅菌済みの5mLチューブに、約0.5gの凍結した糞便サンプルと、3mLのIsogen(ニッポンジーン社製)を加えた後、ホモジナイザーで混合して、均一化させた。得られたスラリーを、滅菌済み1.5mLチューブに約0.7mLずつ分注した後、12,000×gで5分間、4℃で遠心し、その上清を新しい滅菌済み1.5mLチューブに分注した。各チューブに0.3mLのIsogenと0.3mLのクロロホルムをそれぞれ加え、チューブを30秒間激しくボルテックスにかけて撹拌した後、12,000×gで15分間、4℃で遠心した。得られた水相を、チューブ上面からコンタミネーションを生じないように注意して回収し、新しい1.5mLチューブに移した。等量の70%エタノール溶液を加えた後、チューブを30秒間激しくボルテックスにかけて攪拌した。得られた混合液から、RNeasy mini kit(QIAGEN社製)を用いてRNAを抽出・精製した。精製されたRNAは、NanoDrop 1000(NanoDrop Wilmington社製)を用いて定量した。以後の解析に用いるまで、RNAは−80℃にて保存した。
<マーカー遺伝子由来RNA量の測定>
精製されたRNAとランダムヘキサマーと逆転写酵素M−MLV(RNaseH;タカラバイオ社製)とを用いて、最終容量が20μLの反応液中で、使用説明書に従ってcDNAを合成した。
合成されたcDNAを鋳型として、定量的リアルタイムPCRを行うことにより、当該cDNA中のCKB遺伝子、COX−2遺伝子、MMP−7遺伝子、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M遺伝子に対して、糞便中の各遺伝子由来RNAから合成されたcDNAの量を定量した。これらのマーカー遺伝子を検出するためのTaqMan(登録商標)プライマー・プローブセットは、アプライドバイオシステムズ社より市販されているものを、それぞれ用いた。なお、これらのセットに含まれているプローブは、5’端側に蛍光物質FAMがラベルされており、3’端側には消光物質がラベルされているレポータープローブである。具体的には、1μLのcDNA溶液と、1μLの20×TaqMan primers and probe mixture(アプライドバイオシステムズ社製)とに滅菌済み精製水を加えて最終容量を20μLに調製したものを、PCR反応溶液とした。遺伝子ごとにそれぞれ調製したPCR溶液を、95℃で20秒間処理した後、95℃で3秒間、62℃で30秒間を60サイクルの反応条件で、7500 Fast Real−Time PCR systems(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、リアルタイムに蛍光強度を測定しながら核酸増幅(PCR)した。コピー数を計算する対照試料(標準物質)として、各遺伝子のcDNAが入ったプラスミドを使用し、同時に増幅した。
測定の結果得られたマーカー遺伝子由来RNA量(コピー数)に対する統計学的処理は、Mann Whitney′s U testにより行った。また、全ての統計学的処理は、両側検定で行い、P値<0.05を統計上有意であるとした。
なお、マーカー遺伝子由来RNAの大部分が当該遺伝子由来のmRNAであることから、以下、mRNAと記載する。
<免疫学的便潜血検査(IFOBT(single))>
マーカー遺伝子由来RNA量の測定に用いたものと同一の糞便に対して、免疫学的便潜血検査(MPA)法(1回)を行い、潜血の有無を検出した。免疫学的便潜血検査は、市販の便潜血キット「マグストリーム(登録商標)HemSp−N」(磁性粒子凝集反応薬)(富士レビオ社製、製品番号:214794)を用いて、添付のプロトコールに従って行った。
<各マーカー遺伝子のmRNA量の測定結果>
各マーカー遺伝子のmRNAのコピー数を表1に示す。表1中、上段の数値は平均値であり、下段はレンジである。また、「Other Cancer」は上部消化管癌患者の結果を示す。この結果、糞便中のCKBのmRNA量は、COX−2等の公知の大腸癌マーカーと同様に、大腸癌、及び大腸進行腺腫の大腸腫瘍罹患者群において、健常者群よりも有意に多いことが分かった。すなわち、これらの結果から、適当な閾値を設定することにより、糞便中のCKB遺伝子由来RNA量を指標として大腸腫瘍を検出し得ることが明らかである。特に、CKBのmRNA量は、COX−2等よりも大腸進行腺腫患者群におけるコピー数が、健常者群よりも有意に多かったことから、大腸進行腺腫をより高い感度で検出可能であるといえる。
Figure 0005851400
<カットオフ値の設定>
各マーカー遺伝子の大腸腫瘍罹患者と非罹患者を識別するための閾値(カットオフ値)を設定するために、健常者群、大腸癌群、及び大腸進行腺腫群における各マーカー遺伝子のコピー数を解析した。
表2に、健常者群における、各マーカー遺伝子のコピー数の平均値、標準偏差(SD)、中央値、95パーセンタイル値、及び97.5パーセンタイル値を示す。また、表3及び表4に、大腸癌群及び大腸進行腺腫群における、各マーカー遺伝子のコピー数の平均値、標準偏差(SD)、中央値、及び25パーセンタイル値を示す。これらの結果から、CKB遺伝子のカットオフ値を1450、COX−2遺伝子のカットオフ値を58、MMP−7遺伝子のカットオフ値を5、Snail遺伝子のカットオフ値を9、MMP−1遺伝子のカットオフ値を37、B2M遺伝子のカットオフ値を21000と設定した。
Figure 0005851400
Figure 0005851400
Figure 0005851400
<各マーカー遺伝子の大腸癌検出の感度及び特異度>
上記で設定したカットオフ値を用いて各サンプルの陽性・陰性を判断し、大腸癌検出の感度及び特異度を算出し、免疫学的便潜血検査(IFOBT(single))の結果と比較した。算出結果を表5に示す。この結果、COX−2遺伝子は、感度・特異度共に免疫学的便潜血検査よりも良好であったが、CKB遺伝子は、特異度は免疫学的便潜血検査と同等であったものの、感度は免疫学的便潜血検査よりも低かった。表5中、「95%CI」は95%信頼区間(%)である。なお、以降の全てのサンプルの感度及び特異度に対するP値の算出は、χ検定(chi−square test、カイ二乗検定)により行った。また、全ての統計学的処理は、両側検定で行い、P値<0.05を統計上有意であるとした。
Figure 0005851400
<各マーカー遺伝子のROC解析>
各マーカー遺伝子の大腸腫瘍検出用マーカーとしての性能を調べるため、ROC(Receiver Operating Characteristic)解析を行った。ROC解析は、PASW statistics ver.18(IBM製)を用いて作図した。解析結果を表6及び図1に示す。図1は、縦軸を感度、横軸を(1−特異度)として、ROC曲線を引いた。
Figure 0005851400
この結果、CKB遺伝子由来RNA量は、COX−2遺伝子由来RNA量、MMP−7遺伝子由来RNA量、B2M遺伝子由来RNA量、及び免疫学的便潜血検査と同様に、曲線の下の領域の面積が0.5以上であり、大腸腫瘍を検出するためのマーカーとして、良好であることがわかった。
<複数マーカー遺伝子を組み合わせた場合の大腸癌検出の感度及び特異度>
CKB遺伝子とその他のマーカー遺伝子を組み合わせた場合の大腸癌検出の感度及び特異度を算出し、比較した。算出結果を表7及び8に示す。
Figure 0005851400
Figure 0005851400
この結果、2種類のマーカー遺伝子を併用する場合には、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子の組み合わせが最も感度が良好であった。特に、単独では、CKB遺伝子はMMP−1遺伝子よりも検出感度が低かったにも関わらず、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子の組み合わせは、MMP−1遺伝子とCOX−2遺伝子の組み合わせよりも感度が良好であった。
<各マーカー遺伝子の病期ごとの大腸腫瘍検出の感度>
上記で設定したカットオフ値を用いて各サンプルの陽性・陰性を判断し、病期ごとの大腸腫瘍検出の感度及び特異度を算出し、免疫学的便潜血検査(IFOBT(single))の結果と比較した。算出結果を表9に示す。表9中、「0_Ca」〜「IV_Ca」は、それぞれ、大腸癌の病期0期〜IV期を示す。この結果、CKB遺伝子は、0期の大腸癌を免疫学的便潜血検査よりも高い感度で検出し得ることがわかった。
Figure 0005851400
<複数マーカー遺伝子を組み合わせた場合の病期ごとの大腸腫瘍検出の感度>
CKB遺伝子とその他のマーカー遺伝子を組み合わせた場合の病期ごとの大腸腫瘍検出の感度を算出し、比較した。算出結果を表10に示す。この結果、CKB遺伝子にその他の遺伝子、特にCOX−2遺伝子やMMP−7遺伝子を組み合わせることにより、単独では感度が低かった大腸腫瘍の検出感度を高められることが明らかとなった。中でも、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子に、更にMMP−7遺伝子、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、又はB2M遺伝子を組み合わせて用いることにより、非常に高い感度で大腸進行腺腫や0期やI期の癌を検出し得ることが分かった。特に、適切なカットオフ値を設定することにより、大腸進行腺腫を50%以上という非常に高い感度で検出し得ることもわかった。
Figure 0005851400
<複数マーカー遺伝子を組み合わせた場合の累積病期の大腸腫瘍検出の感度>
CKB遺伝子とその他のマーカー遺伝子を組み合わせた場合の累積病期の大腸腫瘍検出の感度を算出し、免疫学的便潜血検査(IFOBT(single))の結果と比較した。算出結果を表11に示す。表11中、「Ad〜0_Ca」〜「Ad〜IV_Ca」は、それぞれ、大腸進行腺腫から大腸癌の各病期までの累積病期を示す。表11では、比較対象として、COX−2遺伝子単独で用いた場合と、COX−2遺伝子とMMP−1遺伝子を組み合わせた場合も示している。これらの結果からも、CKB遺伝子に他のマーカー遺伝子を組み合わせて用いることにより、高感度で大腸腫瘍を検出し得ること、さらにCOX−2遺伝子を組み合わせて用いることにより、特にCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子を組み合わせて用いることにより、非常に高い感度で大腸腫瘍を検出し得ることが明らかである。
Figure 0005851400
さらに、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子とB2M遺伝子との4遺伝子を組み合わせた場合の大腸癌検出の感度及び特異度、並びに累積病期の大腸腫瘍検出の感度を算出し、COX−2遺伝子のみを用いた場合、COX−2遺伝子とMMP−7遺伝子とを組み合わせて用いた場合、COX−2遺伝子とB2M遺伝子とを組み合わせて用いた場合、COX−2遺伝子とCKB遺伝子とを組み合わせて用いた場合と、及び免疫学的便潜血検査(IFOBT(single))の結果と比較した。算出結果を表12及び13に示す。この結果、CKB遺伝子とCOX−2遺伝子とMMP−7遺伝子とB2M遺伝子とを組み合わせて用いた場合が、最も高感度であった。特に、これらの4遺伝子を組み合わせた場合の感度は、有意確率(P値)が0.001以下と非常に小さく、高い精度が要求される臨床検査においても十分に有用であることが示唆された。
Figure 0005851400
Figure 0005851400
本発明の大腸腫瘍の検出方法を用いることにより、大腸腫瘍、特に大腸進行腺腫や0期とI期の癌の罹患の有無を精度よく検査することができるため、本発明の大腸腫瘍の検出方法は、糞便試料を用いた臨床検査等の分野、特に高い信頼性と安全性が要求される臨床検査等の分野において利用が可能である。

Claims (6)

  1. マーカー遺伝子を用いて、大腸腫瘍を検出する方法であって、
    (A)被験者から採取した糞便中に含まれるRNAを抽出する工程と、
    (B)前記工程(A)において得られたRNA中のマーカー遺伝子由来RNAの量を測定する工程と、
    (C)前記工程(B)において測定されたマーカー遺伝子由来RNAの量と、マーカー遺伝子の種類ごとに予め設定された閾値とを比較し、測定されたマーカー遺伝子由来RNA量が予め設定された閾値よりも多い場合に陽性と判断する工程と、
    を有し、
    前記マーカー遺伝子がCKB(Creatine kinase B)遺伝子、COX−2(Cyclooxygenase−2)遺伝子及びMMP−7遺伝子であることを特徴とする大腸腫瘍の検出方法。
  2. 前記マーカー遺伝子として、さらに、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M(β2ミクログロブリン)遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を用いることを特徴とする請求項1記載の大腸腫瘍の検出方法。
  3. 大腸腺又は大腸早期癌を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の大腸腫瘍の検出方法。
  4. 前記被験者が、大腸腫瘍に罹患していると診断されたことがあり、
    前記被験者から経時的に採取された糞便に対して、それぞれ、前記工程(A)〜(C)を行い、当該被験者の大腸腫瘍の再発可能性をモニタリングするためになされることを特徴とする請求項1又は2に記載の大腸腫瘍の検出方法。
  5. 糞便中に含まれるRNAを抽出するための機器又は薬剤と、
    CKB(Creatine kinase B)遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、
    COX−2(Cyclooxygenase−2)遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、及び
    MMP−7遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方と、
    を含むことを特徴とする糞便を用いて大腸腫瘍を検出するためのキット。
  6. さらに、Snail遺伝子、MMP−1遺伝子、及びB2M(β2ミクログロブリン)遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子由来RNAを検出するためのプローブ又はプライマーの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項5記載のキット。
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