JP5850773B2 - 粘着剤、積層体および表面保護フィルム - Google Patents

粘着剤、積層体および表面保護フィルム Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤、この粘着層を有する積層体、およびこの積層体からなる表面保護フィルムに関する。
アルミニウム板、鋼板、ステンレス板などの金属板、およびそれらの塗装板、ガラス、あるいは合成樹脂板及びこれらの部材からなる製品及び部品を保護するために粘着層と基材層を積層した表面保護フィルムが使用されている。この表面保護フィルムは、素材の成形加工時または成形加工後の所定の時期に剥離される。
この表面保護フィルムは、被着体に粘着して容易に接着させることができ、被着体の運搬時などでは容易に剥離せず、加工時または加工後に剥離するときには容易に剥離可能であることが要求される。そのため、保護フィルムには被着体の被保護面に対する適度な粘着性、フィルム自体が被保護面に傷をつけない程度の柔軟性、さらに被着体の加工成形時に応じて、伸び特性などの機械特性が適度であること、耐熱性を有することなどの各種の特性が要求される。また、用途によっては良好な外観、透明性および色調を有することが必要とされ、ゲル、フィッシュアイ等のフィルム欠陥がないことが要求される。さらにこの種の表面フィルムは、大量に消費され、かつ速やかに廃棄されるものであるため、安価に製造できるものであることが要求される。
従来、この種の粘着フィルムとして低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体を主成分とする基材フィルムの片面にアクリル系、またはゴム系の粘着剤を塗布してなるものや、ポリオレフィンおよびスチレン系エラストマーなど粘着剤用ペレットとして基材層と押出成形してなるもの、などが挙げられる。また各種被着体に貼り付ける際に必要な粘着力(初期粘着力)は、粘着力が0.01N程度の微粘着用途から、粘着力が3.0Nを超える強粘着用途まで、と用途に応じて幅があることが知られている。
例えば、特許文献1には、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン及びエチレンを共重合体成分として含むプロピレン系重合体であって、示差走査熱量計(DSC)の0〜200℃の温度範囲における測定において、1J/g以上の吸熱ピークを有さないプロピレン系重合体を含有する粘着剤により形成されていることを特徴とする金属メッキ用マスキングテープが記載されている。
他方、特許文献2には、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン及びエチレンを共重合体成分として含むプロピレン系重合体からなり、被着体への汚染性が低い粘着剤および粘着シートが記載されている。
特許文献3には、イソブチレン系ブロック共重合体であるスチレン系エラストマーと粘着付与樹脂とを含む粘着層からなる表面保護フィルムが開示されている。
特開2003−213485号公報 国際公報第WO2008/099865号パンフレット 特開2007−126512号公報
しかしながら、特許文献1に記載された金属メッキ用マスキングテープには、貼り付け後3日のような短期間では、耐汚染性、耐変色性に優れるが、貼り付け後1月を越えるような長期間では、被着体への汚染が発生する(剥離跡が残る)という問題があった。
また、特許文献2に記載された粘着剤および粘着シートには、被着体汚染の抑制および高い粘着力の両立の点でさらなる改善の余地があった。
さらに、特許文献3に記載された表面保護フィルムには、高凹凸の被着体に貼り合わせた場合に粘着力の経時安定性が不充分である、高粘着力であるためフィルムのベタツキやブロッキングが悪化するという問題があった。
また、従来の粘着剤においては、被着体への汚染性は、粘着力を高くすると発現しやすくなり、被着体の汚染性が悪くなると、製品製造工程中の歩留まりの悪化へと繋がり、かつ汚染物の影響による製品の性能低下へと繋がるため、低汚染性を達成するために粘着力を低く抑える必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、各種被着体に貼り付けることで、必要な粘着力(初期粘着力)を発現し、また貼り付け後長期間経過しても被着体を汚染し難く、初期粘着力と被着体への汚染性とのバランスに優れており、例えば表面保護フィルムなどに用いることのできる粘着剤を提供することにある。
本発明の粘着剤は、下記要件(a)、(b)、(c)および(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有することを特徴としている;
(a)15〜75モル%の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、25〜85モル%のα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)(ただし、構成単位(i)の割合と構成単位(ii)の割合との合計は100モル%である。)とからなる。
(b)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.0dL/gの範囲にある。
(c)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲にある。
(d)密度が、880〜810kg/m3の範囲にある。
本発明に係る積層体は、表面層および本発明に係る粘着剤からなる粘着層を有することを特徴としている。
本発明に係る表面保護フィルムは、本発明に係る積層体からなることを特徴としている。
本発明の粘着剤は、各種被着体に貼り付けることで、必要な初期粘着力を発現し、また貼り付け後長期間経過しても被着体の汚染を発生させることが少なく、粘着層を有する積層体、例えば表面保護フィルムとして好適に用いられる。また本発明の積層体は、各種被着体に貼り付けることで、初期粘着力と被着体に対する非汚染性とがバランスよく優れ、必要な初期粘着力を発現しまた貼り付け後長期間経過しても被着体汚染を発生させ難いという特徴を有しており、例えば表面保護フィルムとして好適に用いられる。
以下、本発明の粘着剤、および表面保護フィルムなどの積層体をさらに詳細に説明する。
[粘着剤]
本発明の粘着剤用材料は、特定の物性を有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有することを特徴としている。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)>
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(a)、(b)、(c)および(d)を満たす。
要件(a);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、15〜75モル%の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、25〜85モル%のα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)(ただし、構成単位(i)の割合と構成単位(ii)の割合との合計は100モル%である。)とからなる。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)の割合は、好ましくは20〜74モル%であり、特に柔軟性および室温での応力吸収性の点で、さらに好ましくは20〜33モル%、特に好ましくは20〜32モル%であり、凹凸追従性および粘着性の点でさらに好ましくは60〜74モル%、特に好ましくは65〜74モル%である。
また、α−オレフィンから導かれる構成単位(ii)の割合は、好ましくは28〜80モル%であり、より好ましくは35〜80モル%であり、特に柔軟性および室温での応力吸収性の点で、さらに好ましくは67〜80モル%、特に好ましくは68〜80モル%であり、凹凸追従性および粘着性の点でさらに好ましくは26〜40モル%、特に好ましくは26〜35モル%である。
前記構成単位(i)の割合が15モル%よりも過小であると、粘着剤の柔軟性、軽量性が損なわれ、75モル%よりも過大であると、粘着剤の柔軟性が損なわれる。
前記構成単位(ii)を導くα−オレフィンとしては、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
なお、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、他のモノマーから導かれる構成単位を含んでいてもよい。他のモノマーの具体例としては、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましい。
要件(b);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1〜5.0dL/gの範囲にある。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
前記極限粘度[η]は、好ましくは0.5〜4.0(dL/g)、より好ましくは0.5〜3.5(dL/g)である。
後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することが出来る。
前記極限粘度[η]が0.1dL/gよりも過小、または5.0dL/gよりも過大であると、粘着剤および粘着剤シートに加工する際の成形加工性が損なわれる。
要件(c);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)は、1.0〜3.5の範囲にある。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
前記Mw/Mnは、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8である。前記Mw/Mnが3.5よりも過大であると、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、粘着剤および粘着シートがべとつくためその触感が悪くなり、また被着体を汚染しやすくなる。
後述する触媒を用いれば、上記要件(b)で示される極限粘度[η]の範囲内において、要件(c)を満たす前記共重合体(A)を得ることができる。なお、前記Mw/Mnおよび以下のMwの値は、後述する実施例において採用された方法で測定した場合の値である。
また、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
要件(d);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の密度(ASTM D 1505にて測定)は、880〜810kg/m3、好ましくは870〜820kg/m3、さらに好ましくは855〜830kg/m3である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のコモノマー組成比によって変えることができ、密度が上記範囲内にあるにある前記共重合体(A)は、軽量な粘着剤および粘着シートを製造する上で有利である。
さらに、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、好ましくは、下記要件(e)および(f)を満たす。
要件(e);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値が、5〜90、好ましくは10〜85、さらに好ましくは15〜80、特に好ましくは15〜78である。なお、前記プレスシートの作成方法等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
前記ショアーA硬度の値は、前記共重合体(A)のコモノマー組成により制御することができ、たとえば共重合体(A)中の4−メチル−1−ペンテン含量を20〜75モル%にすることで、これらの値が上記範囲にある共重合体(A)を得ることができる。
要件(f);
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、下式で定義されるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値の変化ΔHSが、10〜60、好ましくは10〜50、さらに好ましくは10〜45である。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)
なお、前記プレスシートの作成方法等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
前記ΔHSの値は、前記共重合体(A)のコモノマー組成により制御することができ、たとえば4−メチル−1−ペンテン含量を45〜70モル%にすることで、これらの値を大きくすることができる。
共重合体(A)のその他の特徴;
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、酢酸メチルによる抽出量は、好ましくは0〜1.5重量%、より好ましくは0〜1.0重量%、さらに好ましくは0〜0.8重量%、特に好ましくは0〜0.7重量%である。酢酸メチル抽出量は成形時のべたつきの指標となり、この値が大きいと、得られたポリマーは組成分布が大きく低分子量ポリマーを含み、成形時に不具合を生じる。酢酸メチル抽出量が上記範囲内であると、成形時のべたつきによる不具合は生じない。また後述する触媒を用いることで、立体規則性の低いアタクチック成分が少ない共重合体(A)が合成でき、得られた共重合体(A)を少なくとも含むグリップ用材料を成形することで、べたつきがなく、良好な粘着剤および粘着シートが得られる。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、示差走査型熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕は、認められないまたは110℃未満であることが好ましく、融点が認められないことが更に好ましい。融点は前記共重合体(A)のコモノマー組成比によって変えることができ、融点および結晶化熱量が上記範囲内にある前記共重合体(A)は、柔軟な粘着剤および粘着シートを製造する上で有利である。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定(測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。)を行って得られる損失正接tanδの最大値(以下「tanδピーク値」ともいう。)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは2.0〜4.0の範囲にある。
また、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、−40〜150℃の温度範囲で10rad/sの周波数で動的粘弾性測定(測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。)して得られる損失正接tanδの値が最大となる際の温度(以下「tanδピーク温度」ともいう。)は、好ましくは−10〜40℃、より好ましくは0〜40℃の範囲にある。
前記tanδのピーク値、tanδピーク温度は、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のコモノマー組成などにより制御することができ、たとえば共重合体(A)中の4−メチル−1−ペンテン含量を20〜75モル%にすることで、これらの値が上記範囲にある共重合体(A)を得ることができる。
tanδの最大値等が上記範囲にある共重合体(A)を用いた粘着剤および粘着シートは、凹凸追従性、応力吸収性に優れ、粘着力に優れ、また形状保持性にも優れる。
<製造方法>
次に、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法について説明する。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造には、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられ、さらに好ましくは、下記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物を含有するオレフィン重合触媒が好適に用いられる。
Figure 0005850773
Figure 0005850773
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、水素、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1からR4までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、
Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、
Yは炭素またはケイ素であり、
Qはハロゲン、炭化水素基、およびアニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、
jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、水素、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
炭化水素基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。また、炭化水素基の水素の一部または全部が水酸基、アミノ基、ハロゲン基、フッ素含有炭化水素基などの官能基で置換されていても良い。炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、クロロフェニル、クロロビフェニル、クロロナフチル等が挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基は、好ましくはケイ素数1〜4かつ炭素原子数3〜20のアルキルシリル基またはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、かつR8=R9であることが好ましく、フルオレン環が無置換フルオレン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
上記一般式(1)のR13およびR14は、水素および炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
Yは炭素またはケイ素である。一般式(1)の場合は、R13およびR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例としては、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、フルオロメチルフェニルメチレン、クロロメチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジクロロフェニルメチレン、ジフルオロフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジビフェニルメチレン、ジp−メチルフェニルメチレン、メチル−p−メチルフェニルメチレン、エチル−p−メチルフェニルメチレン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチル−tert−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、フルオロメチルフェニルシリレン、クロロメチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジp−メチルフェニルシリレン、メチル−p−メチルフェニルシリレン、エチル−p−メチルフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン等を挙げることができる。
一般式(2)の場合は、Yは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレン等を挙げることができる。
一般式(1)および(2)のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、およびアニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、およびメシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、およびテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
本発明における上記メタロセン化合物の具体例として、国際公開第01/27124号パンフレット、国際公開第2006/025540号パンフレットまたは国際公開第2007/308607号パンフレット中に例示される化合物が好適に挙げられるが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造にメタロセン化合物を用いる場合、触媒成分は、
(a)メタロセン化合物(たとえば、上記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物)と、
(b)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(b−3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
さらに必要に応じて、
(c)微粒子状担体と
から構成される。製造方法としては、たとえば国際公開第01/27124号パンフレットに記載の方法を採用することが出来る。
また、有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)(以下「成分(b−1)」ともいう。)、メタロセン化合物(a)(以下「成分(a)」ともいう。)と反応してイオン対を形成する化合物(以下「成分(b−2)」ともいう。)、有機アルミニウム化合物(b−3)(以下「成分(b−3)」ともいう。)、および微粒子状担体(c)の具体例としては、これらの化合物または担体としてオレフィン重合の分野において従来公知のもの、たとえば国際公開第01/27124号パンフレットに記載された具体例が挙げられる。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造において、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれによっても実施できる。
液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、不活性炭化水素の具体例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;およびエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などを挙げることができる。
また、4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン自身を溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
また、4−メチル−1−ペンテンの単独重合と4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、組成分布が制御された4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を得ることも可能である。
重合を行うに際して、成分(a)は、反応容積1リットル当り、周期律表第4族金属原子換算で通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。成分(b−1)は、成分(b−1)と、成分(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(b−1)/M]が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(b−2)は、成分(b−2)と成分(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(b−2)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。成分(b−3)は、成分(b−3)と成分(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(b−2)/M]が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成ポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよく、その量は4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィンの合計1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
(粘着剤)
上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する本発明の粘着剤は、以下に説明する熱可塑性樹脂(B)、粘着付与剤(C)などをさらに含む組成物からなっていてもよい。
<熱可塑性樹脂(B)>
本発明に係る粘着剤は、前記共重合体(A)および熱可塑性樹脂(B)を含む樹脂組成物であってもよい。
前記熱可塑性樹脂(B)としては、特に制限はなく、例えば、以下の樹脂が挙げられる。
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(前記共重合体(A)を除く。)、具体的には、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン;
熱可塑性ポリアミド系樹脂、具体的には、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612);
熱可塑性ポリエステル樹脂、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー;
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂、具体的には、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合せて使用してもよい。
これらの中でも、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂が好ましい形態として挙げられ、より好ましい形態としてはアイソタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。
本発明に係る粘着剤が前記樹脂(B)を含有する場合には、前記共重合体(A)と前記樹脂(B)との合計量を100重量部とすると、粘着力、被着体に対する非汚染性、被着体への凹凸追従性、柔軟性の観点からは、前記組成物中の共重合体(A)含量の下限値は、好ましくは50重量部、さらに好ましくは55重量部、特に好ましくは60重量部であり、成形加工性、耐熱性の観点からは、共重合体(A)含量の上限値は、好ましくは98重量部、さらに好ましくは95重量部、特に好ましくは90重量部である。
<結晶性オレフィン樹脂(B1)>
本発明で用いられる好ましい熱可塑性樹脂(B)としては、結晶性オレフィン樹脂(B1)を挙げることができる。ここで結晶性オレフィン樹脂(B1)とは、炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる1種のα−オレフィンの重合体、または炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる2種以上のα−オレフィンの共重合体(ただし、ポリ4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は除く。)であり、DSCで測定した融点(Tm)が110℃以上、好ましくは113℃以上、さらに好ましくは115℃以上の結晶性オレフィン樹脂を意味し、後述する粘着付与剤(C)とは、構成されるモノマー種および融点の点で区別される。
α−オレフィンの具体例として、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10の直鎖状のα−オレフィン、さらに好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。また、例えば3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。
これらのα−オレフィンは、1種単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ここで、結晶性オレフィン樹脂(B1)としては、例えば、具体的に以下の従来公知のポリオレフィン樹脂が挙げられるが、下記の樹脂に限られるものではない。
低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体、環状オレフィン共重合体、等が例示される。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用することもでき、2種以上を組み合せて使用することもできる。
ポリエチレンとしては従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンを使用することができる。
ポリプロピレンとしてはアイソタクティックポリプロピレンとシンジオタクティックポリプロピレンが挙げられる。
アイソタクティックポリプロピレンは従来公知の手法で製造されている、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20、好ましくは、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが挙げられる。プロピレンと共重合するα−オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリ4−メチル−1−ペンテンとしては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、または4−メチル−1−ペンテン含有量80〜99.9重量%、好ましくは90〜99.9重量%、炭素数2〜20、好ましくは6〜20のα−オレフィン含有量0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体が挙げられる。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体の場合、4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20、好ましくは6〜20のα−オレフィンが挙げられる。4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリ4−メチル−1−ペンテンのメルトフローレート(MFR;ASTMD1238、260℃、5.0kg荷重)は、0.1〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10分の範囲内にあることが望ましい。
ポリ4−メチル−1−ペンテンとしては、市販品を使用することもでき、例えば三井化学(株)製のTPX(商標名)などが挙げられる。その他の市販のポリ4−メチル−1−ペンテンでも、上記要件を満たせば好ましく使用することができる。
ポリブテンとしては1−ブテンのホモポリマー、或いは1−ブテンと、1−ブテンを除くα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。具体的なオレフィンとしては、上記のものが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。このようなポリオレフィンとして、例えば、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレン・エチレン共重合体などが挙げられる。このような共重合体において、耐熱性の点から、1−ブテン含有量が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、85モル%以上であることが特に好ましい。
本発明で用いられる結晶性オレフィン樹脂(B1)として、上記のうちでも好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、さらに好ましくは、ポリプロピレンが挙げられる。
<粘着付与剤(C)>
本発明の粘着剤は、任意成分である粘着付与剤(C)を、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)との合計100重量部(なお、樹脂(B)の量は0重量部であってもよい。)に対して好ましくは0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部含有していてもよい。
粘着付与剤(C)としては特に制限はないが、例えばDSCで測定した融点(Tm)が110℃未満の熱可塑性樹脂、および従来公知である熱可塑性エラストマーを挙げることができる。粘着付与剤(C)としては、例えばポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの例として、具体的には、エチレン系重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体が挙げられる。より具体的には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体等が挙げられる。
また、粘着付与剤(C)としては、ポリスチレン系エラストマーを挙げることもできる。ポリスチレン系エラストマーとしては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。ポリスチレン系エラストマーは、単独または2種類以上を組み合せて用いられる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
さらには、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの例として、オレフィン系ブロック共重合体からなるエラストマーも使用することができる。ポリオレフィン系ブロック共重合体からなるエラストマーとして、例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名DYNARONとして市販されているものが挙げられる。
前記粘着付与剤(C)としては、以下の成分も挙げられる。この粘着付与成分は、一般に粘着付与剤として製造・販売されている樹脂状物質で、具体的には、クロマン・インデン樹脂等のクロマン樹脂;フェノール・ホルムアルデヒド樹脂及びキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール系樹脂;テルペン・フェノール樹脂、テルペン樹脂(α,β−ピネン樹脂)、芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂等のテルペン樹脂;合成ポリテルペン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂及び炭化水素系粘着化樹脂等の石油系炭化水素樹脂;ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセリン・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジン・エステル、特殊ロジン・エステル及びロジン系粘着付与剤等のロジン誘導体;等を例示できる。
これら成分の中では、軟化点70℃以上、好ましくは70〜130℃の範囲にある水素添加炭化水素樹脂、水素添加脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加テルペン樹脂、水素添加合成ポリテルペン樹脂等の水素添加樹脂、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセリン・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジン・エステル、ロジンのグリセリン・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンエステル、特殊ロジン・エステル及びロジン系粘着付与剤等のロジン誘導体;等を例示できる。
粘着付与剤(C)が添加されることにより、本発明の粘着剤の被着体に対する粘着力を調整することが可能となる。
<粘着剤の好ましい態様等>
本発明に係る粘着剤の好ましい態様である粘着剤(X)は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を50〜98重量部、好ましくは50〜95重量部、更に好ましくは50〜90重量部と、
上記熱可塑性樹脂(B)を2〜50重量部、好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは10〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)
を含むことを特徴とする。
本発明に係る粘着剤としては、上記粘着剤(X)が、特にペレットでのハンドリングができるようになり、さらに柔軟性、粘着性、凹凸追従性といった粘着剤に必要な物性と両立できるようになることから好ましい。
本発明に係る粘着剤の好ましい態様である粘着剤(X1)は、
上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を50〜98重量部、好ましくは50〜95重量部、更に好ましくは50〜90重量部と、
上記熱可塑性樹脂(B)(例えば上記結晶性オレフィン樹脂(B1))を2〜50重量部、好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは10〜50重量部と(ここで(A)と(B)との合計を100重量部とする。)、
更に(A)と(B)との合計100重量部に対して、上記粘着付与剤(C)を0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、更に好ましくは0.1〜30重量部
を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の粘着剤は、好ましくは下記物性(x)または(y)を有する。
(x):−40℃〜+150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定にて得られる損失正接tanδの最大値が、0.5〜10、好ましくは0.6〜8.0、より好ましくは0.6〜6.0、さらに好ましくは0.8〜4.0である。また、tanδの値が最大となる際の温度が−25℃〜100℃、好ましくは−10℃〜50℃、より好ましくは−10℃〜40℃の範囲にある。
tanδの最大値がこれらの範囲内にあれば、粘着剤は優れた凹凸追従性を発揮することが可能である。tanδの最大値は4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A)のコモノマー組成比、または前記組成物中の共重合体(A)と他の成分との混合比などにより制御することができる。
(y):周波数10rad/sで動的粘弾性測定にて得られる20℃における貯蔵粘弾性G’が0.1〜500MPa、好ましくは0.5〜500MPa、更に好ましくは1.0〜500MPaにある。
貯蔵弾性率G’がこれらの範囲内にあれば、粘着剤は優れた被着体への粘着性を発揮することが可能である。通常、粘着性は貯蔵弾性率G’が低くなるほど高くなるが、同時に被着体への汚染性が見られるため、貯蔵弾性率を上げて汚染しない程度まで粘着力を落とす必要になる。本発明の粘着剤は、貯蔵弾性率が低くても汚染性が少ないことが特徴であり、貯蔵弾性率G’の値は4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のコモノマー組成比、または前記組成物中の共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との混合比などにより制御することができる。
本発明に係る粘着剤は、好ましくは下記に示す特徴を示す。
押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値が、5〜90、好ましくは10〜85、さらに好ましくは20〜70、特に好ましくは25〜80である。
下式で定義されるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値の変化ΔHSが、10〜60、好ましくは10〜50、さらに好ましくは10〜40である。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)
これらのショアーA硬度およびΔHSの値は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のコモノマー組成比、または前記組成物中の共重合体(A)と他の成分との混合などにより制御することができる。
<粘着剤の製造方法>
本発明の粘着剤は、各成分を上記のような範囲で種々公知の方法、たとえば、多段重合法、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
また、本発明の粘着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、軟化剤等の添加剤が目的に応じて含まれていても良い。
前記軟化剤としては、従来公知の軟化剤を用いることができる。その例としては、具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系物質;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などの脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などの脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどの合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、および液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物;液状チオコールなどが挙げられる。
前記充填剤の例としては、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などの繊維状充填剤などを挙げることができる。また、親水性の層状粘土鉱物、および/または、特定形状(層状を除く)の親水性無機化合物も挙げられる。
親水性の層状粘土鉱物としては、例えば、2次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸塩鉱物が挙げられ、例えば、スメクタイトが挙げられる。スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物であって、例えば、モンモリロン石(モンモリロンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロン石、アルミニアンノントロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、ベントナイトなどが挙げられる。
また、親水性の層状粘土鉱物としては、例えば、バーミキュル石(バーミキュライト)、ハロイサイト、膨潤性マイカ、黒鉛なども挙げられる。
これら親水性の層状粘土鉱物は、1種単独で使用または2種以上を併用することができる。このような親水性の層状粘土鉱物は、一般の市販品を用いることができ、例えば、より具体的には、天然品として、例えば、クニピアシリーズ(モンモリロナイト、クニミネ工業社製)、ベンゲルシリーズ(ベントナイト、ホージュン社製)、ソマシフMEシリーズ(膨潤性マイカ、コープケミカル社製)などが挙げられ、合成品として、例えば、スメクトン(サポナイト、クニミネ工業社製)、ルーセンタイトSWNシリーズ(ヘクトライト、コープケミカル社製)、ラポナイト(ヘクトライト、ロックウッドホールディングス社製)が挙げられる。一般に、合成品は天然品よりも最大長さが小さいため小さい油滴を得ることができる観点から、合成品が好ましい。
前記難燃剤の例としては、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のりん酸エステル及びりん化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤及びそれらの混合物を例示することができる。
<グラフト変性>
本発明の目的を損なわない範囲で、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の一部または全部はグラフト変性されていてもよく、前記熱可塑性樹脂(B)の一部または全部はグラフト変性されていてもよい。グラフト変性に使用される極性化合物、グラフト変性の方法としては、従来公知の化合物、方法が挙げられ、たとえば特開2008−127440号公報に記載された化合物、方法を採用することができる。
グラフト変性体のグラフト量は、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量%、更に好ましくは0.2〜20重量%である。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)または前記熱可塑性樹脂(B)がグラフト変性されていると、組成物中での各成分の相溶性の点または積層フィルムとした際にフィルム間で層間剥離し難い点で優位である。
[粘着剤層を含む積層体]
本発明は、前記した粘着剤の他、前記した粘着剤を使用した粘着剤層を有する少なくとも1層以上の積層体に関する。この積層体は、具体的には、前記共重合体(A)を含む本発明の粘着剤からなる粘着層が、単層または多層構成の基材層の片面または両面へ積層されてなる多層フィルムである。
前記多層フィルムにおける基材層の材料は、特に制限はないが、好ましくはポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂であり、その具体例としては、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体および、プロピレンと少量のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体)、ポリエチレン系樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレン)、公知のエチレン系重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ならびにこれらの組合せを例示することができる。
さらに、例えば基材層の粘着層側とは反対側の面には、表面層を設けても良い。
表面層(または粘着層)と基材層との間の良好な接着力を得る観点から、表面層(または粘着層)と基材層との間に、本発明の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含む粘着剤との相溶性のよいポリオレフィン系樹脂を用いた層を設けることが好ましい。
基材層の表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理および紫外線照射処置のような表面処理法で処理されていても良く、基材層は無色透明の層であっても良いし、着色された又は印刷された層であっても良い。
基材層としては、一軸または二軸方向に延伸されたものを用いることもできる。
本発明の粘着剤を使用した多層フィルムの製造方法としては、例えば公知の多層フィルムの成形方法が挙げられ、好ましい方法としては、Tダイフィルム成形法やインフレーションフィルム成形法を用いて本発明の粘着剤からなる表面層と基材層を共押出する方法や、予め成形された基材層上に本発明の粘着剤からなる表面層を押出コーティングして得る方法などが例示できる。また、粘着剤を溶媒に溶かして基材層上に塗布する方法も挙げられる。これらの中でも、共押出成形法によるフィルム化が好ましい。
本発明の多層フィルムは一軸方向または二軸方向に延伸されていても良い。一軸延伸の好ましい方法として、通常用いられているロール延伸法を例示することができる。二軸延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延伸を行う逐次延伸法や、チューブラ延伸法のような同時二軸延伸法を例示することができる。
本発明の粘着剤を使用した表面保護フィルム(多層フィルム)の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5〜5000μm程度、より好ましくは10〜1000μm程度である。表面層(粘着層)の厚さは、特に制限がなく、被着体の種類や要求される物性(たとえば粘着強度)に応じて選択できるが、通常1〜1000μm、好ましくは3〜500μmである。
本発明の粘着剤を使用した多層フィルムを表面保護フィルムとして使用する場合、多層フィルム同士のブロッキング(くっつき)を防ぐために、多層フィルム間に剥離紙や剥離フィルムを挟んだり、基材層の露出面に剥離剤を塗布したりしても良い。
基材層には、必要に応じて基材層表面に滑り性のような機能を付与するために、離型剤などの添加剤が含まれていてもよい。
上述のように、本発明の粘着剤は、従来困難であった、高い初期粘着力と、被着体への低い汚染性とを両立できる。このため、上記の熱可塑性樹脂(B)、粘着付与剤(C)、または他に添加しても良い添加剤の添加量または種類の調節をすることで、被着体への汚染性を低く保ったまま、初期粘着力を調節することも可能である。
<用途>
本発明の粘着剤の用途としては、ホットメルト接着剤、ホットメルト粘着剤が挙げられる。本発明の接着剤を多層フィルムの粘着層として用いた場合には、この多層フィルムは、アルミニウム板、鋼板、ステンレス板等の金属板、およびそれらの塗装板、あるいはガラス板、合成樹脂板等の加工用部材、さらにはこれらの部材を用いた家電製品や自動車部品、電子部品を保護するための表面保護フィルムとして好適に利用できる。したがって、本発明の粘着剤は、例えば、粘着フィルム、プロテクトフィルム粘着層などの粘着剤、半導体用工程保護フィルム、レンズ保護フィルム、半導体ウエハー用バックグラインドテープ、ダイシングテープ、プリント基板用保護テープのようなエレクトロニクス分野のフィルムまたはテープ、窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装用フィルム、などに好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
[測定条件等]
実施例における物性の測定条件等は、以下のとおりである。
〔組成〕
ポリマー中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量は、13C−NMRにより以下の装置および条件により測定した。日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
〔密度〕
ポリマーの密度は、ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
〔融点(Tm)〕
ポリマーの融点(Tm)は,セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。重合から得られた試料7〜12mgをアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱した。その試料を、完全融解させるために200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、その試料を10℃/分で200℃まで再度加熱した。この再度の(2度目の)加熱でのピーク温度を、融点(Tm)として採用した。
〔極限粘度〕
極限粘度[η]は,デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
〔分子量(Mw、Mn)・分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体(A)の分子量は、液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC 150−C plus型(示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続し、移動相媒体としてo−ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃で測定した。
得られたクロマトグラムを、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mw/Mn値およびMz/Mw値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
〔酢酸メチル抽出量〕
ポリマーをソックスレー抽出器に採取し、酢酸メチル下で加熱還流を行い、還流前後のポリマー量を秤量して、抽出量(重量%)を算出した。
〔各種測定用プレスシートの作製法〕
実施例および比較例の各粘着剤(すなわち、ポリマーのみからなる粘着剤、または樹脂組成物からなる粘着剤)を、190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形した。1〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に80×80×0.5〜3mm、4個取り)の場合、余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを各種物性評価試料に供した。
〔ショアーA硬度〕
ショアーA硬度(JIS K6253に準拠)の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後の目盛りを読み取った。さらに下式で定義されるショアーA硬度の値の変化ΔHSを求めた。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアー硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアー硬度値)。
〔動的粘弾性〕
厚さ3mmのプレスシートを作成し、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、貯蔵弾性率G’、ガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク時温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
〔粘着シート成形〕
30mmφ単軸押出機を兼ね備えた、ダイ幅300mmの3種3層T−ダイ成形機を用い、表面層(A)、基材層(C)、粘着剤層(B)にそれぞれ連結する樹脂供給ホッパーより樹脂ペレットを投入し、単軸押出機内のシリンダーを通して樹脂ペレットを融解させた後にT−ダイより押出成形を行い、表面層厚みを10μm、粘着剤層厚み10μm、中間層厚み30μm、トータル厚み50μmの粘着シートを得た。この際、表面層(A)および基材層(C)には(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107を用い、粘着剤層に実施例に示した樹脂組成物を利用した。
〔被着体の汚染〕
粘着シートの粘着剤層を、ゴムローラーを用いて黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製、商品名 アクリライトREX、形状 50×100mm角板)へ室温で貼付けて、試験サンプルを作成した。この試験サンプルを40℃雰囲気下の恒温室内で1週間エージングした後、アクリル板から粘着シートを剥離して、アクリル板表面への粘着剤の転写の有無を目視で確認し、転写がない場合、転写がある場合を、それぞれ汚染なし、汚染ありと評価した。表中の記号の意味は以下の通りである。
○:汚染なし
×:汚染あり
〔初期粘着力価〕
粘着シートの試験方法(JIS Z0237−2000)に準拠して、粘着力を測定した。粘着シートサンプルの、粘着力を測定する対象でない面には100μmのポリエチレンテレフタレートのシートを貼り付けた。試験板として50mm幅×100mm長さ×2mm厚の黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製、商品名 アクリライトREX、形状 50×100mm角板)と粘着フィルムを温度23℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、粘着フィルムを約2kgのゴムロールで圧力を加えながら2往復通過させて試験板に貼り付けた。貼り付け後、温度23℃、相対湿度50%の一定環境下に1日間置いた後、温度23℃相対湿度50%の環境で、180°方向に、速度300mm/分で黒色アクリル板から引き剥がし粘着力を測定した。これを初期粘着力とした。
〔合成例1〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.74MPaGとなるようにプロピレンで加圧し、水素を12Nml添加した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−メチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlのトルエン溶液を窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは56.3gで、ポリマー中のプロピレン含量は、75.3mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=287000、Mn=144000、Mw/Mn=2.0であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔合成例2〕
重合器内の全圧が0.75MPaGになるようにプロピレンで加圧し、水素を添加しなかった以外は、実施例1と同様に重合を行った。得られたポリマーは22.9gで、ポリマー中のプロピレン含量は、74.1mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=421000、Mn=191000、Mw/Mn=2.2であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔合成例3〕
重合器内の全圧が0.09MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、実施例1と同様に重合を行った。得られたポリマーは24.7gで、ポリマー中のプロピレン含量は、27.5mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.54dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=337000、Mn=164000、Mw/Mn=2.06であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔合成例4〕
重合器内の4−メチル−1−ペンテンを750ml、全圧が0.05MPaGになるようにプロピレンで加圧し、重合温度を60℃とした以外は、実施例1と同様に重合を行った。得られたポリマーは21.2gで、ポリマー中のプロピレン含量は、9.8mol%であった。ポリマーのTmは144.1℃、極限粘度[η]は1.45dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=296000、Mn=148000、Mw/Mn=2.1であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
Figure 0005850773
〔実施例1〕
合成例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体70重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107(DSCで測定した融点 115℃以上) 30重量部とを混合して組成物1を得た。この組成物100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合した。然る後に、(株)プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度250℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒してペレット化し、これをプレス成形して測定用試料とした。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔実施例2〕
合成例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体60重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 40重量部とを混合して組成物2を得た。組成物1を100重量部の組成物2に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔実施例3〕
合成例2で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体85重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 15重量部とを混合して組成物3を得た。組成物1を100重量部の組成物3に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔実施例4〕
合成例2で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体70重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 30重量部とを混合して組成物4を得た。組成物1を100重量部の組成物4に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔実施例5〕
合成例2で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体70重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 15重量部と、三井化学株式会社製タフマーXM−7070 15重量部とを混合して組成物5を得た。組成物1を100重量部の組成物5に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性結果を表2に示す。
〔実施例6〕
組成物1を、合成例3で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体100重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔実施例7〕
合成例3で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体85重量部と(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 15重量部とを混合して組成物7を得た。組成物1を100重量部の組成物7に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔比較例1〕
国際公開WO2008/099865号パンフレットの合成例A−5を参照にして合成したプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含量11モル%、ブテン含量20モル%)を用い、前記の共重合体を60重量部と、プライムポリマー社製ポリプロピレンF107 40重量部とを混合して組成物c1を得た。組成物1を100重量部の組成物c1に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
〔比較例2〕
組成物1を、合成例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体100重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って測定用試料を作製した。また、該試料を用いて粘着シートを成形して物性を測定した。各種物性を表2に示す。
Figure 0005850773

Claims (16)

  1. 下記要件(a)、(b)、(c)(d)および(g)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有することを特徴とする粘着剤。
    (a)15〜75モル%の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、25〜85モル%のα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)(ただし、構成単位(i)の割合と構成単位(ii)の割合との合計は100モル%である。)とからなる。
    (b)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.0dL/gの範囲にある。
    (c)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲にある。
    (d)密度が、880〜810kg/m3の範囲にある。
    (g)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点(Tm)が認められない。
  2. 前記α−オレフィンがプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.5〜2.8の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤。
  4. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が、さらに下記要件(f)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤。
    (f)下式で定義されるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値の変化ΔHSが、10〜60である。
    ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーA硬度
  5. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定を行って得られる損失正接tanδの最大値が、1.0〜5.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤。
  6. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が60〜74モル%の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、26〜40モル%のα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)(ただし、構成単位(i)の割合と構成単位(ii)の割合との合計は100モル%である。)とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤。
  7. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が20〜33モル%の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、67〜80モル%のα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)(ただし、構成単位(i)の割合と構成単位(ii)の割合との合計は100モル%である。)とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤。
  8. ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、クロマン樹脂、フェノール系樹脂、テルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体および示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が110℃未満のポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる粘着付与剤(C)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤。
  9. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)、および熱可塑性樹脂(ただし、共重合体(A)を除く。)(B)を含有する樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤。
  10. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を50〜98重量部と、熱可塑性樹脂(ただし、共重合体(A)を除く。)(B)を2〜50重量部(ここで(A)と(B)との合計は100重量部である)含有する樹脂組成物であることを特徴とする請求項に記載の粘着剤。
  11. 前記熱可塑性樹脂(B)が結晶性オレフィン樹脂(B1)であることを特徴とする請求項または10に記載の粘着剤。
  12. 前記結晶性オレフィン樹脂(B1)がポリプロピレンであることを特徴とする請求項11に記載の粘着剤。
  13. 下記要件(x)を満たすことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の粘着剤。
    (x):−40℃〜150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0.5〜10であり、tanδの値が最大となる際の温度が−10℃〜40℃の範囲にある。
  14. 下記要件(y)を満たすことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の粘着剤。
    (y):20℃における、周波数10rad/sで動的粘弾性測定して得られる貯蔵弾性率G’が0.1〜500MPaの範囲にある。
  15. 表面層および請求項1〜14のいずれかに記載の粘着剤からなる粘着層を有することを特徴とする積層体。
  16. 請求項15に記載の積層体からなることを特徴とする表面保護フィルム。
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