JP5848774B2 - ヘルメット - Google Patents
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Description
この種の従来のヘルメットでは、帽体シェルの左右の頬覆い部に空気取出孔を設け、この空気取出孔からヘルメット内の空気を取り出してヘルメット内を換気するようにしていた(例えば、特許文献1)。
本発明は上記問題点に鑑み、帽体シェルの強度を低下させることなく換気することができるヘルメットを提供することを目的としている。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、帽体シェル3と帽体シェル3の内面に沿って配置された衝撃吸収部材4とを備え、帽体シェル3は左右一対の頬覆い部9を有し、左右の頬覆い部9の下端縁9aに側部縁取部材22が装着されたヘルメットであって、
左右の頬覆い部9の下端側に上方に向けて切り欠かれた切欠き凹部50が設けられて、左右の頬覆い部9の下端縁9aが前後両側から前後中央に向けて上方に傾斜した山形状に形成され、
側部縁取部材22に、切欠き凹部50に対応して上方に向けて山形状に膨出して上下幅が広くなった幅広部52が形成され、この幅広部52に空気取出孔55が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記空気取出孔55は、側部縁取部材22の幅広部52に前後方向に間隔をおいて複数個設けられ、前記外気案内面57は、前後に隣合う空気取出孔55間にそれぞれ配置され、前側の空気取出孔55の後側開口縁から後側の空気取出孔55の前側開口縁に向けて後方に行くに従って除々に左右外方に向かうように傾斜されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、ヘルメット装着者の口の前側に位置する衝撃吸収部材4に、前記空気通路44の前部に連通する口連通孔46が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、顎覆い部10及び頬覆い部9に対応する衝撃吸収部材4に、その内面から空気通路44に連通する内気連通孔47が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記顎覆い部10及び頬覆い部9に対応する衝撃吸収部材4の内側に左右一対の頬パッド36が設けられ、左右の頬パッド36には、頬パッド36下端部の左右方向の外端側から上方に折り返された差し込み係止片41が設けられており、差し込み係止片41が側部縁取部材22の左右内側を通って顎覆い部10及び頬覆い部9とこれらに対応する衝撃吸収部材4との間に挿入されることにより、頬パッド36が衝撃吸収部材4の内側に保持され、
前記差し込み係止片41の空気取出孔55に対応する部分に空気孔59が設けられ、差し込み係止片41に空気孔59を覆うようにメッシュシート60が添設されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、左右一対の顎掛け用バンド65が左右の頬覆い部9の内面側にそれぞれ連結固定されて前記側部縁取部材22の左右内側を通って下方に突出され、側部縁取部材22の幅広部52が顎掛け用バンド65に対応する位置に配置されている点にある。
しかも、空気取出孔は、切欠き凹部に対応して上方に膨出した側部縁取部材の幅広部に設けられており、空気取出孔を帽体シェルに対してより高い位置に配置することができ、例えば帽体シェルの前部下端と後部下端を結ぶ線分よりも高い位置に空気取出孔を配置することが可能になる。このため、帽体シェルの外側方を前から後に向けて流れる風によってヘルメット内の空気を空気取出孔から外部に効果的に吸引することができるようになり、側部縁取部材の幅広部に設けられた空気取出孔からヘルメット内の空気を外部に取り出してヘルメット内を十分に換気することができる。
図1〜図9は本発明の第1実施形態を示している。図1〜図4において、ヘルメット1は、フルフェース型のバイク用のヘルメットで、半球状の帽体シェル3と帽体シェル3の内面に沿って配置された衝撃吸収部材4とを備える。
帽体シェル3は、繊維強化樹脂や硬質樹脂又は金属等で形成され、頭頂覆い部7と後頭覆い部8と左右一対の頬覆い部9と顎覆い部10とを有し、顎覆い部10は左右の頬覆い部9の下側から前方に突出してヘルメット装着者の顎から口を覆うようになっている。
頭頂覆い部7と顎覆い部10との間であって左右の頬覆い部9の前端部間に前面開口窓14が形成されている。前面開口窓14は透光性を有するシールド板15で開閉自在に覆われている。
なお、衝撃吸収部材4の頭頂覆い体と後頭覆い体と左右の頬覆い体18と顎覆い体19とは、これら全体を一体に形成してもよいし、これらを部分的に一体に形成してもよいし、それぞれを別体に形成するようにしてもよい。また、例えば、顎覆い体19を左右一対の顎覆い体側部と顎覆い体前部とに3分割するようにしてもよい。
図5にも示すように、前部縁取部材23は、顎覆い部10の下端縁10aに嵌合する断面U字状の前嵌合部26と、前嵌合部26の下端から後側に折れ曲がった前折曲縁部27とを有し、左右の側部縁取部材22は、頬覆い部9の下端縁9aに嵌合する断面U字状の側部嵌合部29と、側部嵌合部29の下端から突出された側部折曲縁部30とを有している。
後部縁取部材24は後頭覆い部8の下端縁に嵌合する断面U字状の後嵌合部32と、後嵌合部32の下端から前側に折れ曲がった後折曲縁部33とを有し、左右の側部縁取部材22とは別体に形成されている。
図1及び図2において、左右の頬覆い部9の下端側に上方に向けて切り欠かれた切欠き凹部50が設けられて、左右の頬覆い部9の下端縁9aが前後両側から前後中央に向けて上方に傾斜した山形状に形成されている。
側部嵌合部29の幅広部52に対応する部分は、切欠き凹部50に対応する頬覆い部9の下端縁9aに沿って前後両側から前後中央に向けて上方に傾斜するように山形状に湾曲されている。
側部折曲縁部30の幅広部52よりも前側は前方に向かうに従って側部嵌合部29から左右方向の内方側に次第に大きく折れ曲がっており、前部縁取部材23の前折曲縁部27の後部に対して前後に連続するようになっている。側部折曲縁部30の幅広部52よりも後側も後方に向かうに従って側部嵌合部29から左右方向の内方側に次第に大きく折れ曲がっている。
複数の空気取出孔55は、切欠き凹部50に対応して上方に膨出した幅広部52にあって、帽体シェル3の前部下端と後部下端を結ぶ線分よりも高い位置に配置されている。
本実施の形態では、複数の外気案内面57は、幅広折曲縁部30aの前後に隣合う空気取出孔55間にそれぞれ配置されており、前側の空気取出孔55の後側開口縁から後側の空気取出孔55の前側開口縁に向けて後方に行くに従って除々に左右外方に向かうように傾斜されている。
図3、図4、図7及び図8において、前記差し込み係止片41の空気取出孔55に対応する部分に空気孔59が設けられ、差し込み係止片41の外面に空気孔59を覆うようにメッシュシート60が添設されている。
被覆体39の下端部に、保形体37よりも左右外方に延長突出した被覆体延長部61が設けられ、被覆体延長部61の突出端部は差し込み係止片41の下部外面に縫着されている。また、差し込み係止片41の下端部と保形体37の下端部との間に布等で形成した連結シート体63が設けられ、この連結シート体63の幅方向の一端部は保形体37の下端部外面に縫着されている。連結シート体63の幅方向の他端側と前記被覆体延長部61とは互いに重合され、連結シート体63の幅方向の他端部は差し込み係止片41の下部外面に被覆体延長部61の突出端部及びメッシュシート60の下部と共に縫着されており、連結シート体63と被覆体延長部61とは差し込み係止片41を頬パッド36の下端部に対して折り曲げ自在に連結している。
しかも、空気取出孔55は、切欠き凹部50に対応して上方に膨出した幅広部52に設けられており、空気取出孔55を帽体シェル3に対してより高い位置に配置することができ、例えば帽体シェル3の前部下端と後部下端を結ぶ線分よりも高い位置に空気取出孔55を配置することが可能になるため、帽体シェル3の外側方を前から後に向けて流れる風によってヘルメット1内の空気を空気取出孔55から外部に有効かつスムーズに吸引することができるようになる。
この際に、空気通路44の後部下側は側部縁取部材22の幅広部52の左右内側に位置して側部縁取部材22の空気取出孔55に連通されているので、上記ヘルメット1内の空気を空気取出孔55から外部に吸引する吸引力によって、空気通路44に入った呼気も空気取出孔55に向けて吸引されるため、呼気は空気通路44をスムーズに後方に流れて空気通路44の後部下側から空気取出孔55へと送出され、空気取出孔55から外部にスムーズに排出される。
また、左右一対の顎掛け用バンド65が左右の頬覆い部9の内面側にそれぞれ連結固定されて前記側部縁取部材22の左右内側を通って下方に突出され、側部縁取部材22の幅広部52が顎掛け用バンド65に対応する位置に配置されているので、ヘルメット1を装着用開口13から被る際に、左右の顎掛け用バンド65を互いに左右方向外方に引っ張ることにより、側部縁取部材22の幅広部52が頬パッド36及び衝撃吸収部材4の下部と共に左右方向外方にスカート状に大きく広がるようになり、このため装着用開口13から頭をヘルメット内に楽に挿入することができ、ヘルメット1を容易に被ることができるようになる。
また、頬パッド36の内側にある内気はパッド連通孔58を通して空隙通路68に送出され、呼気ばかりではなく頬パッド36の内側にある内気も、空隙通路68を通して空気取出孔55からスムーズに外部に送出することができる。
また、前記実施形態では、側部縁取部材22の幅広部52に空気取出孔55が前後方向に間隔をおいて4個設けられているが、空気取出孔55を設ける個数はこれに限定されず、1〜3個又は5個以上設けるようにしてもよい。
3 帽体シェル
4 衝撃吸収部材
7 頭頂覆い部
8 後頭覆い部
8a 下端縁
9 頬覆い部
9a 下端縁
10 顎覆い部
10a 下端縁
13 装着用開口
14 前面開口窓
15 シールド板
22 側部縁取部材
23 前部縁取部材
24 後部縁取部材
26 前嵌合部
27 前折曲縁部
29 側部嵌合部
30 側部折曲縁部
30a 幅広折曲縁部
32 後嵌合部
33 後折曲縁部
36 頬パッド
41 差し込み係止片
44 空気通路
46 口連通孔
47 内気連通孔
50 切欠き凹部
52 幅広部
55 空気取出孔
57 外気案内面
58 パッド連通孔
59 空気孔
60 メッシュシート
65 顎掛け用バンド
68 空隙通路
Claims (15)
- 帽体シェル(3)と帽体シェル(3)の内面に沿って配置された衝撃吸収部材(4)とを備え、帽体シェル(3)は左右一対の頬覆い部(9)を有し、左右の頬覆い部(9)の下端縁(9a)に側部縁取部材(22)が装着されたヘルメットであって、
左右の頬覆い部(9)の下端側に上方に向けて切り欠かれた切欠き凹部(50)が設けられて、左右の頬覆い部(9)の下端縁(9a)が前後両側から前後中央に向けて上方に傾斜した山形状に形成され、
側部縁取部材(22)に、切欠き凹部(50)に対応して上方に向けて山形状に膨出して上下幅が広くなった幅広部(52)が形成され、この幅広部(52)に空気取出孔(55)が設けられており、
前記頬覆い部(9)の内側に、ヘルメット内の空気を前記空気取出孔(55)に向けて後方に流出させる空気通路(44)が形成されていることを特徴とするヘルメット。 - 側部縁取部材(22)は、頬覆い部(9)の下端縁(9a)に嵌合する断面U字状の側部嵌合部(29)と、側部嵌合部(29)の下端から突出された側部折曲縁部(30)とを有し、側部嵌合部(29)の幅広部(52)に対応する部分は、頬覆い部(9)の下端縁(9a)に沿って前後両側から前後中央に向けて上方に傾斜するように山形状に湾曲され、側部折曲縁部(30)の幅広部(52)に対応する部分は、側部嵌合部(29)から幅広に下方に突出された幅広折曲縁部(30a)とされ、この幅広折曲縁部(30a)に前記空気取出孔(55)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
- 側部縁取部材(22)の外面に、空気取出孔(55)の後開口縁から後方に行くに従って除々に左右外方に向かうように傾斜し又は空気取出孔(55)の前開口縁から前方に行くに従って除々に左右内方に向かうように傾斜した外気案内面(57)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
- 前記空気取出孔(55)は、側部縁取部材(22)の幅広部(52)に前後方向に間隔をおいて複数個設けられ、前記外気案内面(57)は、前後に隣合う空気取出孔(55)間にそれぞれ配置され、前側の空気取出孔(55)の後側開口縁から後側の空気取出孔(
55)の前側開口縁に向けて後方に行くに従って除々に左右外方に向かうように傾斜されていることを特徴とする請求項3に記載のヘルメット。 - 前記帽体シェル(3)は、左右の頬覆い部(9)の下側から前方に突出して顎から口を覆う顎覆い部(10)を有し、この顎覆い部(10)の内側に、前記頬覆い部(9)の内側の空気通路(44)と連通していて、ヘルメット内の空気を前記空気取出孔(55)に向けて後方に流出させる空気通路(44)が形成されていることを特徴する請求項1に記載のヘルメット。
- ヘルメット装着者の口の前側に位置する衝撃吸収部材(4)に、前記空気通路(44)の前部に連通する口連通孔(46)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のヘルメット。
- 頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の下端側は、切欠き凹部(50)に対応する頬覆い部(9)の下端縁(9a)よりも下方に突出されて、側部縁取部材(22)の幅広部(52)の左右内側まで伸びており、前記空気通路(44)の後部下側は側部縁取部材(22)の幅広部(52)の左右内側に位置し側部縁取部材(22)の空気取出孔(55)に連通されていることを特徴する請求項1〜6のいずれか1項に記載のヘルメット。
- 顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の外面に左右方向内方に向けて没入した通路形成溝を前後方向に設けることにより、前記空気通路(44)が顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)とこれらに対応する衝撃吸収部材(4)との間に形成されていることを特徴する請求項5に記載のヘルメット。
- 顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)に、その内面から空気通路(44)に連通する内気連通孔(47)が形成されていることを特徴する請求項8に記載のヘルメット。
- 前記顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の内側に左右一対の頬パッド(36)が設けられ、該各頬パッド(36)には前記内気連通孔(47)に連通するパッド連通孔(58)が内外貫通状に形成されていることを特徴する請求項9に記載のヘルメット。
- 前記顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の内側に左右一対の頬パッド(36)が設けられ、左右の頬パッド(36)には、頬パッド(36)下端部の左右方向の外端側から上方に折り返された差し込み係止片(41)が設けられており、差し込み係止片(41)が側部縁取部材(22)の左右内側を通って顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)とこれらに対応する衝撃吸収部材(4)との間に挿入されることにより、頬パッド(36)が衝撃吸収部材(4)の内側に保持され、
前記差し込み係止片(41)の空気取出孔(55)に対応する部分に空気孔(59)が設けられ、差し込み係止片(41)に空気孔(59)を覆うようにメッシュシート(60)が添設されていることを特徴とする請求項5に記載のヘルメット。 - 左右の頬パッド(36)の前端同士は、ヘルメット装着者の口の前方で互いに左右に離間され、ヘルメット装着者の口の前側に位置する衝撃吸収部材(4)に、前記空気通路(44)の前部に連通する口連通孔(46)が設けられ、この口連通孔(46)は左右の頬パッド(36)の前端間に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のヘルメット。
- 左右一対の顎掛け用バンド(65)が左右の頬覆い部(9)の内面側にそれぞれ連結固定されて前記側部縁取部材(22)の左右内側を通って下方に突出され、側部縁取部材(22)の幅広部(52)が顎掛け用バンド(65)に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
- 前記顎覆い部(10)及び頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の内側に左右一対の頬パッド(36)が設けられ、頬覆い部(9)に対応する衝撃吸収部材(4)の下端側は側部縁取部材(22)の幅広部(52)及び頬パッド(36)の下部よりも上方に凹んでおり、衝撃吸収部材(4)の下方であって側部縁取部材(22)の幅広部(52)と頬パッド(36)の下部との間に空隙通路(68)が形成され、前記空気通路(44)の下部側が空隙通路(68)に連通されていることを特徴する請求項5に記載のヘルメット。
- 頬パッド(36)の下部に空隙通路(68)に連通するパッド連通孔(58)が内外貫通状に形成されていることを特徴する請求項14に記載のヘルメット。
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