JP2023059843A - ヘルメット - Google Patents

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【課題】走行時における空気抵抗の軽減を図ることができるヘルメット(自転車やバイク向けのヘルメット)を提供する。【解決手段】本発明のヘルメット1は、頭部を覆って保護する帽体2と、帽体2の内部に取り付けられて外部からの衝撃を吸収して頭部を保護する衝撃吸収部材3とを有するヘルメットであって、帽体2の前部側に設けられ且つ帽体2及び衝撃吸収部材3を外部から内部に向けて貫通するように形成された前貫通孔11と、帽体2の後部側に設けられ且つ帽体2及び衝撃吸収部材3を外部から内部に向けて貫通するように形成された後貫通孔12と、前貫通孔11と後貫通孔12とを連通状につなぐトンネル部13を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、頭部を保護するヘルメットに関する技術であり、特に自転車やバイク(原動機を搭載した二輪車)などに搭乗する際に、搭乗者が装着するのに好適とされるヘルメットに関する。
従来、自転車、特にスポーツ用自転車(ロードバイクやマウンテンバイク、以下、まとめてロードバイクと呼ぶ)に搭乗する際には、搭乗者はヘルメットをかぶることが多い。この理由としては、通常の自転車(俗に言うママチャリ)に比して、ロードバイクは軽量で高速走行が可能となっており、転倒した際、搭乗者に対する衝撃やダメージは大きなものとなるからである。特に搭乗者の頭部へのダメージは、大きな事故につながるため避けるべきものである。
上記の理由により、ロードバイクに搭乗する際は、搭乗者がヘルメットを装着することはスタンダードなものとなっている。ロードバイク向けのヘルメットは非常に軽量であり、肉厚の薄いシェルの内側に衝撃吸収ライナーが装着されてなる帽体であり、加えて、帽体の複数箇所に貫通孔が開けられたものとなっている。搭乗者はこのような構成のヘルメットを頭部に装着している。
前述のごとく、ロードバイク用のヘルメットでは、必要とされる強度を保持し得る範囲内で、複数箇所に厚み方向を向いた貫通孔を設けるようにしている。この貫通孔は、ヘルメットの軽量化を目的するとともに、通気性を良好にし、搭乗者の頭部を冷却する作用を発現するものとされている。
例えば、特許文献1にはロードバイクに好適なヘルメットが開示されており、このヘルメットは、外殻とこの外殻に結合された内層と有し、前部装着場所はヘルメットの前側部分にて、内層の内面から内方にオフセットしており、後部装着場所はヘルメットの後部部分にて内面から内方にオフセットしており、着用者の頭部と内面との間に隙間が形成され、この隙間を空気が流れるようになっている内部通気システムが備えられたものとなっている。
特開2017-150126号公報
近年、ツール・ド・フランスなどに代表されるロードバイクを用いた自転車競技は非常に盛んなものとなってきている。このような自転車競技においては、走行スピードも高速になり、坂道を下る際には60km/h以上の速度が出るようになっている。そのような高速走行を可能とするため、ロードバイク自体の軽量化、空力特性の向上はもとより、ヘルメットの空力特性、特に高速走行時の空気抵抗軽減は、早急に望まれるものとなっている。
しかしながら、ヘルメットにおける空気抵抗軽減の技術は、帽体の形状を流線型や錘体型にするといった域をでず、新たな技術が開発されるに至ってはいない。特許文献1に開示された技術も空気抵抗の軽減に資するものとはなっていない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、走行時における空気抵抗の軽減を図ることができるヘルメット(自転車やバイク向けのヘルメット)を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかるヘルメットは、頭部を覆って保護する帽体と、前記帽体の内部に取り付けられて外部からの衝撃を吸収して前記頭部を保護する衝撃吸収部材と、前記帽体及び衝撃吸収部材を外部から内部に向けて貫通するように設けられた貫通孔と、を有するヘルメットであって、前記帽体の前部側に設けられ、且つ前記帽体及び衝撃吸収部材を外部から内部に向けて貫通するように形成された前貫通孔と、前記帽体の後部側に設けられ、且つ前記帽体及び衝撃吸収部材を外部から内部に向けて貫通するように形成された後貫通孔と、前記前貫通孔と後貫通孔とを連通状につなぐトンネル部と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記前貫通孔と後貫通孔とトンネル部により、前方から流れてくる空気を後方へ吐出させることができる流路が形成されているとよい。
好ましくは、前面から見た前記帽体の底部から頂部までの高さをHとし前記帽体の底部から前貫通孔の中心部の位置までの高さをhとした際に、h/Hが0.54以上0.6以下とされているとよい。
好ましくは、前記前貫通孔の前面投影面積をSFとし前記帽体の前面投影面積をSTとした際に、SF/STが0.022以下(SF/ST=0は除く)とされているとよい。
好ましくは、前記前貫通孔の前面投影面積をSFとし前記後貫通孔の後面投影面積をSRとした際に、SR/SFが0.6以上とされているとよい。
好ましくは、前記帽体の天頂部であって前記衝撃吸収部材の内壁面には、前後方向に沿って下方開口状の溝条部が形成されており、この溝条部の下方開口を板状部材で覆うことで、前記トンネル部が形成されているとよい。
本発明のヘルメットによれば、走行時における空気抵抗の軽減を確実に図ることができる。
本発明のヘルメットの外観斜視図である。 本発明のヘルメットの前方斜視図である。 本発明のヘルメットの後方斜視図である。 本発明のヘルメットの内部を下方から見た図である。 本発明のヘルメットを垂直面で切断した断面斜視図である。 本発明のヘルメットを垂直面で切断した断面斜視図であり、使用態様時の空気の流れを示した図である。 本発明のヘルメットにおける空気の流れを解析した状況を示した一例図である。 前貫通孔の上下位置を変化させた場合におけるヘルメットの空気抵抗Fxの変化を示したグラフである。 前貫通孔の面積SFを変化させた場合におけるヘルメットの空気抵抗Fxの変化を示したグラフである。 「後貫通孔の面積SR/前貫通孔の面積SF」を変化させた場合におけるヘルメットの空気抵抗の変化を示したグラフである。
以下、本発明にかかるヘルメットの実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態においては、スポーツ用自転車(ロードバイクやマウンテンバイク、以下、まとめてロードバイクと呼ぶ)に搭乗する際に使用するヘルメット1を例示する。このヘルメット1は原動機を搭載した二輪車(バイク)などに搭乗する際に用いても何ら問題はない。ヘルメット1の前後方向について、図2などに図示しており、これはヘルメット1を着用した使用者から見た方向と一致する。
図1に示すように、本発明のヘルメット1は、頭部に対してずれなく被ることができる大きさを有するものである。具体的には、本発明のヘルメット1は、頭部を覆って保護する帽体2と、帽体2の内部に取り付けられ、外部からの衝撃を吸収して頭部を保護する衝撃吸収部材3と、頭部の顎に掛けて締めることで、衝撃吸収部材3が装着された帽体2(ヘルメット1)を頭部に安定して着用する紐体4とを有する。
帽体2は、頭部の大きさよりやや大きい椀型の筐体を有し、帽体2は、空力特性を考慮し流線型乃至は錐体型であり、少なくとも搭乗者の前頭部及び後頭部を覆う部材である。帽体2は、シェルと呼ばれる硬質の材質で構成されており、例えば、PC樹脂などのプラスチックなどで構成されている。帽体2の前部や側部、頂部には、貫通孔5が設けられている。この貫通孔5は、前方から流れてくる風をヘルメット1内に流入させ通気性を高め、頭部の冷却や蒸れ防止を実現する。
帽体2の下端側の内壁面には、紐体4が取り付けられている。紐体4の取り付け部分は、帽体2内の左側の内壁面に一つ設けられ、帽体2内の右側の内壁面に一つ設けられ、帽体2内の後側の内壁面に一つ設けられている。
衝撃吸収部材3は、帽体2の内側にずれなく固定されている。衝撃吸収部材3は、頭部をずれなく覆うことができる大きさの部材である。衝撃吸収部材3の内壁面には、頭部との容易な接触を実現するために、クッション体などが全面乃至は一部に設けられている。衝撃吸収部材3は、外部からの衝撃を吸収して頭部を保護する材料で形成されており、例えば、発泡スチロールで形成されている。
衝撃吸収部材3は、例えば、ロードバイクで走行中に転倒して路面などから帽体2へ衝撃が加わったとき、変形することで衝撃を吸収して頭部を保護する。この衝撃吸収部材3と帽体2により、頭部が確実に保護される。
紐体4は、顎に掛けて締めることでヘルメット1(衝撃吸収部材3及び帽体2)を搭乗者の頭部に安定して着用する部材である。すなわち、紐体4は、着用時に顎に掛けることで、ヘルメット1が搭乗者の頭部から脱落することを防ぐ部材である。
紐体4は、顎に掛けるため、可撓性を備える材料で形成されている。紐体4は、例えば、ナイロンやポリエステルなどで形成されていることが多い。紐体4は、帽体2の内壁面において、吊下された状態で3箇所に取り付けられている。
詳しくは、紐体4は、帽体2の内壁面の右前側と右後側のそれぞれに、吊下された状態で取り付けられている。その右前側の顎紐4aと、右後側の顎紐4bは、まとめられていて、その先端に締結部材(バックル6)の一方側が取り付けられている。
また、紐体4は、帽体2の内壁面の左前側と左後側のそれぞれに、吊下された状態で取り付けられている。その左前側の顎紐4cと、左後側の顎紐4dは、まとめられていて、その先端にバックル6の他方側が取り付けられている。バックル6は、紐体4の長さを調整することができ、使用者の頭部に合うように、紐体4の長さを調整するものである。
さて、本発明のヘルメット1は、ヘルメット1の前部に形成された前貫通孔11と、後部に形成された後貫通孔12とがヘルメット1内部において連通していることに大きな特徴がある。この前貫通孔11と後貫通孔12とが連通することで構成されるトンネル部13により、前貫通孔11から入った空気をスムーズに後貫通孔12に流し、ヘルメット1に対する空気抵抗を下げ、ヘルメット1の空力特性を大幅に向上させるものとしている。
具体的には、図2の如く、ヘルメット1の前部であって頭頂部に近い側には、ヘルメット1の外部から内部に向けて貫通状に形成された前貫通孔11が設けられている。この前貫通孔11の形は様々なものが考えられるが、本実施形態では、前面視で略五角形を有し、開口部が略前方を向く貫通孔とされている。
同様に、図3の如く、ヘルメット1の後部であって頭頂部に近い側には、ヘルメット1の外部から内部に向けて貫通状に形成された後貫通孔12が設けられている。この後貫通孔12の形は様々なものが考えられるが、本実施形態では、後面視で略楕円形を有し、開口部が略後方を向く貫通孔とされている。
一方、図5に示すように、ヘルメット1(衝撃吸収部材3)の頂部の内壁部には、前後方向を向く凹状の溝部7(下方開口状の溝条部7)が形成されている。この溝部7は前後方向に延びる条状であり、その幅は前貫通孔11や後貫通孔12の幅方向の大きさと略同じか小さいものとされている。前貫通孔11から後貫通孔12に至るまでの間に幅が小さくなるものとされているが、同じ幅であってもよいし、逆に前貫通孔11から後貫通孔12に至るまでの間に幅が大きくなるものとされていてもよい。この溝部7により前貫通孔11と後貫通孔12とが連通するようになっている。
溝部7と搭乗者の頭部とが接触することを防ぐとともに、溝部7がトンネル状になるために、溝部7を下方から覆う隔壁体(インナーシェル14)が嵌め込まれている。このインナーシェル14はプラスチックなどで形成された薄板部材であり、嵌め込まれた後は、衝撃吸収部材3の内壁面と面一となる。このインナーシェル14により、溝部7が暗渠のような形態となり、この溝部7と前貫通孔11と後貫通孔12とでヘルメット1の前部と後部とを連通するトンネル部13が構成されることになる。
なお、前貫通孔11と後貫通孔12とは、上方が開口とされた樋形状を呈するインナーシェル14で繋がるようになっていてもよい。インナーシェル14の開口部分がヘルメット1の天頂内壁部を向くような形で衝撃吸収部材3の頂部の内壁部に取り付けられる。このインナーシェル14により、前貫通孔11と後貫通孔12とが連通するトンネル(トンネル部13)が構成される。
ロードバイクの走行中において搭乗者は前傾姿勢となるため、図6に示すように、ヘルメット1は前に傾いた状態となり、前貫通孔11が略前方を向く状況となる。この状況下においてヘルメット1の前方から流れてくる空気は、前貫通孔11からインナーシェル14内、言い換えれば、溝部7の内部に流入し、後貫通孔12から吐出することになる。このように短絡的に形成された流路を空気が流れることで、ヘルメット1の空気抵抗が低減し、空力特性が向上するものとなる(図6の空気の流れF)。インナーシェル14の入口から出口に至るまでの断面形状や断面積は、様々なものが考えられ、入口の断面積は広く、インナーシェル14の中途部における断面積は小さく、インナーシェル14の出口の断面積は入口よりも狭いものとなっている構成が考えられるが、この構成に限定されるものではない。
かかる構成(特に溝部7の幅変化)とすることで、インナーシェル14内に流入した空気の流れはベンチュリー効果や整流効果などにより増速され、後貫通孔12から高速で吐出することになり、ヘルメット1に対する空気抵抗が著しく低減することになるとも考えられる。
ヘルメット1にトンネル(空気のショートカット流路)を形成することで、ヘルメット1の空力特性が向上することは、実物大モデルを用いた風洞実験やコンピュータシミュレーションによる実験を通じ、出願人は確認している。
なお、ヘルメット1内の蒸れや暑さ防止のため、ヘルメット1外部の空気をより積極的にヘルメット1内に導入したい場合は、インナーシェル14をヘルメット1から外すことも有効である。そのため、インナーシェル14はヘルメット1に対して着脱自在に構成されているとよい。また、インナーシェル14の一箇所又は複数箇所にスリット孔などを形成することで、トンネルによる空気のパスを実現しつつも、スリット孔を介しヘルメット1内に空気を導入でき、搭乗者の頭部の暑さ防止、蒸れ防止を実現することが可能となる。
以上述べたように、本発明のヘルメット1は、頭部を覆って保護する帽体2と、帽体2の内部に取り付けられ、外部からの衝撃を吸収して頭部を保護する衝撃吸収部材3と、帽体2及び衝撃吸収部材3を外部から内部に向けて貫通するように設けられた貫通孔5と、を有するものであって、前部側に設けられた前貫通孔11と後部側に設けられた後貫通孔12とを連通状につなぐトンネル部13が設けられる構成を有することで、前方からの風がこのトンネル部13内を通過することで、ヘルメット1に対する走行時の空気抵抗の軽減を確実に図ることが可能となる。
以上述べたヘルメット1に関し、出願人はコンピュータシミュレーションを通じて、走行時の空気抵抗Fxの軽減を確実に図ることができることを明らかにしている。以下、コンピュータシミュレーションの結果について、詳細に述べる。
図7は、本発明のヘルメット1における空気の流れを解析した状況を示した一例図である。今回のコンピュータシミュレーションに用いたソフトは、MSC Software scFLOWであり、解析手法としては、Detached Eddy Simulation(DES)を用いている。図7の右図にある解析結果例は、ヘルメット1に加わる抵抗値Fx(N)の分布を示したものであり、計算開始後、流速のばらつきが収束した後の状況を等値線図で示したものである。図7の左図は、今回のコンピュータシミュレーションにおける解析モデル(ヘルメット横断面)を示したものである。具体的には、自転車に搭乗する人間の頭を模したモデルに、本発明のヘルメット1を被せた様子を示してる。
図7の左図にあるように、前貫通孔11から空気が侵入し、トンネル部13を通過して、後貫通孔12からヘルメット1の後方へ略水平状態で空気が流出していることがわかる。なお、ロードバイク等のスポーツタイプの自転車に乗る使用者は、通常の自転車より「前傾姿勢」を取ることは周知の事項であり、そのため、使用者の頭(言い換えれば、ヘルメット1)が前方に傾斜するものとなっている。
ロードバイクに搭乗する者の姿勢は、その時の状態により様々(あるときはより深く前傾し、あるときは体を起こした姿勢)ではあるが、多くの場合、搭乗者の頭の中心線を通る線が、鉛直線に対して前方25°に傾いてるということが明らかになっている。そのため、コンピュータシミュレーションにおいても、搭乗者の頭は前方25°に傾斜しているものとする。
出願人はコンピュータシミュレーションを数々の条件下で実施し、図8~図10に示すような結果を知見するに至った。
図8は、前貫通孔11の取り付けをどの位置にすることで、最適な結果(走行時の空気抵抗Fxの軽減)が得られるかをシミュレーションし得られた結果をグラフにしたものである。図8の右図は前貫通孔11を形成した位置を模式的に示したものである。図8右図におけるHは、前面から見た帽体2(言い換えれば、ヘルメット1)の底部から頂部までの高さを示したものであり、hは、帽体2の底部から前貫通孔11の中心部の位置を示したものである。なお、前貫通孔11の開口面積(矩形面積)は帽体2の前面投影面積の1.57%としている。
図8左図のグラフであるが、横軸はh/Hを示しており、縦軸は走行時にヘルメット1に加わる空気抵抗Fx(以降、空気抵抗Fxと呼ぶこともある)を示している。この図から明らかなように、空気抵抗Fxは下に凸の形をとるようなグラフ形状を取り、h/Hが0.57近傍で最小のFx値をとることがわかる。本発明のヘルメット1は、前貫通孔11、後貫通孔12、両孔を繋ぐトンネル部13を有する構成を備え、その構成のため、空気抵抗Fxを著しく低減できるといった作用効果を奏するものである。そのため、比較例としては、前貫通孔11、後貫通孔12、両孔を繋ぐトンネル部13を有さない従来のヘルメット(孔なしヘルメットと呼ぶこともある)における空気抵抗Fx を基準とすることにした。
孔なしヘルメットにおける空気抵抗Fxよりも小さな空気抵抗となる値を、図8左図のグラフから鑑みるに、h/Hが0.54以上0.6以下であればよいことを、出願人は確認している。h/Hが0.54以上0.6以下であればヘルメット1の前方から来た空気は前貫通孔11からトンネル部13内に侵入し、後貫通孔12から略水平に抜け出て、ヘルメット1自体にかかる空気抵抗Fxが減少する。
次に、図9は前貫通孔11の大きさをどのような値にした際に、ヘルメット1にかかる空気抵抗Fxが最も小さくなるかを検証した結果を示したものである。帽体2を前方から見た際の前面投影面積をSTとし、前貫通孔11の前面投影面積をSFとした場合、SF/STとFxとの関係を図9左図は示している。
図9左図によれば、SF/STが0.025辺りから空気抵抗Fxが大きくなっていることがわかる。
孔なしヘルメットにおける空気抵抗よりも小さな空気抵抗Fxとなる値を、図9左図のグラフから鑑みるに、SF/STが0.022以下(SF/ST=0は除く)であればよいことを、出願人は確認している。SF/STが0.022以下であればヘルメット1の前方から来た空気は前貫通孔11からトンネル部13内に侵入し、後貫通孔12から略水平に抜け出て、ヘルメット1自体にかかる空気抵抗Fxが減少する。
次に図10について説明する。図10は、前貫通孔11の大きさ(面積SF)と後貫通孔12の大きさ(面積SR)の比率を変化させた際、ヘルメット1に加わる空気抵抗Fxがどのように変化するかを様々な条件下でシミュレーションした結果である。図10左図からわかるように、SR/SFがほぼ0.5を超えると、急激に空気抵抗Fx小さくなることが知見される。比較例となる孔なしヘルメットを基準として考えた場合、 SR/SFが0.6以上、すなわち前貫通孔11の面積SFの0.6倍以上の面積SRを持つ後貫通孔12を備えるヘルメット1であれば、本願発明の作用効果を十分に発揮できることが明らかとなった。この傾向は、コンピュータシミュレーションの結果を踏まえれば、SR/SFがほぼ1.7まで続くことになる。
以上まとめれば、本発明のヘルメット1は、頭部を覆って保護する帽体2と、帽体2の内部に取り付けられ、外部からの衝撃を吸収して頭部を保護する衝撃吸収部材3と、帽体2及び衝撃吸収部材3を外部から内部に向けて貫通するように設けられた貫通孔5と、を有するものであって、前部側に設けられた前貫通孔11と後部側に設けられた後貫通孔12とを連通状につなぐトンネル部13が設けられる構成を有することで、前方からの風がこのトンネル部13内を通過することで、ヘルメット1に対する走行時の空気抵抗の軽減を確実に図ることが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 ヘルメット
2 帽体
3 衝撃吸収部材
4 紐体
4a 顎紐(右前側)
4b 顎紐(右後側)
4c 顎紐(左前側)
4d 顎紐(左後側)
5 貫通孔
6 締結部材
7 溝部
11 前貫通孔
12 後貫通孔
13 トンネル部
14 インナーシェル
F 空気の流れ

Claims (6)

  1. 頭部を覆って保護する帽体と、前記帽体の内部に取り付けられて外部からの衝撃を吸収して前記頭部を保護する衝撃吸収部材と、を有するヘルメットであって、
    前記帽体の前部側に設けられ、且つ前記帽体及び衝撃吸収部材を外部から内部に向けて貫通するように形成された前貫通孔と、
    前記帽体の後部側に設けられ、且つ前記帽体及び衝撃吸収部材を外部から内部に向けて貫通するように形成された後貫通孔と、
    前記前貫通孔と後貫通孔とを連通状につなぐトンネル部と、を有する
    ことを特徴とするヘルメット。
  2. 前記前貫通孔と後貫通孔とトンネル部により、前方から流れてくる空気を後方へ吐出させることができる流路が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
  3. 前面から見た前記帽体の底部から頂部までの高さをHとし前記帽体の底部から前貫通孔の中心部の位置までの高さをhとした際に、h/Hが0.54以上0.6以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
  4. 前記前貫通孔の前面投影面積をSFとし前記帽体の前面投影面積をSTとした際に、SF/STが0.022以下(SF/ST=0は除く)とされていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
  5. 前記前貫通孔の前面投影面積をSFとし前記後貫通孔の後面投影面積をSRとした際に、SR/SFが0.6以上とされていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
  6. 前記帽体の天頂部であって前記衝撃吸収部材の内壁面には、前後方向に沿って下方開口状の溝条部が形成されており、この溝条部の下方開口を板状部材で覆うことで、前記トンネル部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のヘルメット。
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