JP5848611B2 - アイスクリーム類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,アイスクリームミックスにタンパク質を多く含む脱塩濃縮乳を用い,アイスクリームミックスに含まれる乳糖が分解されたアイスクリーム類及びその製造方法に関する。
特開平7−67542号公報(特許文献1)には,甘味成分として,乳糖及びラクターゼを利用したアイスクリームが開示されている(段落[0037])。このアイスクリームは,ラクターゼにより乳糖がグルコースとガラクトースに分解される。単糖類を多く含むアイスクリームは消化吸収に秀れ,例えば,乳糖不耐症の人が食べても下痢を起こさなくなる。乳糖は小腸でラクターゼによりグルコースとガラクトースに分解され,体内に吸収される訳であるが,小腸でラクターゼの分泌量の少ない体質の人(乳糖不耐症の人)は,乳糖を分解できず,従って,乳糖が体内に吸収されずに下痢を起こすのである。
特開平7−67542号公報
一方,特開平7−67542号公報に開示されたアイスクリームは,単糖類を多く含むため,アイスクリームを保管(保存)する際に温度が高くなると,アイスクリームの結晶が成長し,風味や食感が損なわれるという問題がある。
そこで,本発明は,保存安定性に優れ,風味が豊かで,適度な軟らかさを有し,サジ通りの良いアイスクリーム類を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,酵素を用いて乳糖を分解させることにより,適度な軟らかさを有し,サジ通りの良いアイスクリーム類を得る。そして,アイスクリーム類の保存安定性を高めるため,無脂乳固形分を多く含むアイスクリームミックスを用いる。一方,無脂乳固形分を多く含むアイスクリームミックスを用いて,アイスクリームを製造すると,得られるアイスクリーム類の塩味が強くなる。そこで,本発明は,アイスクリームミックスに脱塩濃縮乳を用いる。このようにして,本発明は,保存安定性に優れ,風味が豊かで,適度な軟らかさを有し,サジ通りの良いアイスクリーム類を製造する方法を提供する。
本発明の第1の側面は,アイスクリーム類を製造する方法に関する。そして,このアイスクリーム類を製造する方法は,脱塩工程と,酵素添加工程と,乳糖分解工程と,冷却工程とを含む。
脱塩工程は,無脂乳固形分を5重量%以上50重量%以下で含む原料を脱塩処理するための工程である。このように無脂乳固形分の多い原料を用いることで,アイスクリームミックスに含まれるタンパク質の量を多くすることができる。これにより,アイスクリームの保存安定性を高めることができる。このため,本発明では,乳化剤や安定剤を添加する必要が無くなる。よって,このアイスクリーム類を製造する方法を用いれば,風味に優れたアイスクリーム類を製造できることとなる。
酵素添加工程は,脱塩工程を経た原料に,乳糖を分解する酵素を添加するための工程である。この工程では,脱塩工程を経た原料に他の原料を添加し,その後に,酵素を添加しても良い。乳糖分解工程は,酵素が原料に含まれる乳糖を分解する工程である。冷却工程は,乳糖分解工程を経た原料を冷却する工程である。この工程では,脱塩工程を経た原料などを冷却する工程であっても良く,すなわち,酵素添加工程を経る前の原料などを冷却する工程で有っても良いし,乳糖分解工程を経る前の原料などを冷却する工程であっても良い。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,冷却工程が,脱塩工程,酵素添加工程,乳糖分解工程を経て調製されたアイスクリームミックスを冷却する工程である。このアイスクリームミックスは,無脂乳固形分を5重量%以上40重量%以下で含み,乳脂肪分を含まないか,乳脂肪分を25重量%以下で含む。
後述する実施例により実証されたとおり,本発明によれば,無脂乳固形分を多く含む原料やアイスクリームミックスを用いた場合にも,風味が良好なアイスクリーム類を得ることができる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,脱塩工程が,原料に含まれるナトリウムの残存率を35%以上80%以下(脱塩率を20%以上65%以下)とする工程である。無脂乳固形分を多く含む原料やアイスクリームミックスを用いてアイスクリーム類を製造すると塩味が強くなる。本発明では,脱塩工程によりナトリウムやカリウムを除去するため,無脂乳固形分を多く含む原料やアイスクリームミックスを用いてアイスクリーム類を製造しても適切な塩味を有するアイスクリーム類を得ることができる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,脱塩工程が,第1のナノ濾過処理工程と,希釈工程と,第2のナノ濾過処理工程とを含む。第1のナノ濾過処理工程は,脱脂乳を含む原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮脱脂乳を得る工程である。希釈工程は,第1のナノ濾過処理工程で得られたナノ濾過濃縮脱脂乳を希釈し,ナノ濾過脱脂乳を得る工程である。第2のナノ濾過処理工程は,希釈工程で得られたナノ濾過脱脂乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る工程である。
この態様は,原料に生乳を含む場合にも用いることができる。一方,この態様は,原料に脱脂乳を含む場合に好ましく用いられる。後述する実施例により実証されたとおり,この態様の製造方法を用いることで,無脂乳固形分を維持しながら,ナトリウムやカリウムの含有量を効果的に減らすことができる。なお,第2のナノ濾過処理工程に加えて,第3のナノ濾過処理工程,第4のナノ濾過処理工程などを設けても良いが,工程の煩雑さ,脱塩の効率,製品の風味などの観点から,第2のナノ濾過処理工程で留めておくことが好ましい。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,脱塩工程が,第1のナノ濾過処理工程と,逆浸透処理工程と,脱塩乳取得工程と,第2のナノ濾過処理工程とを含む。第1のナノ濾過処理工程は,脱脂乳を含む原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮脱脂乳を得る工程である。逆浸透処理工程は,第1のナノ濾過処理工程で得られた透過液に逆浸透処理を行い,逆浸透膜透過液を得る工程である。脱塩乳取得工程は,第1のナノ濾過処理工程で得られたナノ濾過濃縮脱脂乳と,逆浸透膜透過液と,水分とを加え,脱塩乳を得る工程である。第2のナノ濾過処理工程は,脱塩乳取得工程で得られた脱塩乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る工程である。
この態様は,原料に生乳を含む場合にも用いることができる。一方,この態様は,原料に脱脂乳を含む場合に好ましく用いられる。後述する実施例により実証されたとおり,この態様の製造方法を用いることで,無脂乳固形分を維持しながら,ナトリウムやカリウムの含有量を効果的に減らすことができる。なお,第2のナノ濾過処理工程に加えて,第3のナノ濾過処理工程,第4のナノ濾過処理工程などを設けても良いが,工程の煩雑さ,脱塩の効率,製品の風味などの観点から,第2のナノ濾過処理工程で留めておくことが好ましい。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,脱塩工程が,第1のナノ濾過処理工程と,逆浸透処理工程と,脱塩乳取得工程と,第2のナノ濾過処理工程とを含む。第1のナノ濾過処理工程は,原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮乳を得る工程である。逆透過処理工程は,第1のナノ濾過処理工程で得られた透過液に逆浸透処理を行い,逆浸透膜透過液を得る工程である。脱塩乳取得工程は,ナノ濾過濃縮乳と,逆浸透膜透過液と,水分とを加え,脱塩乳を得る工程である。第2のナノ濾過処理工程は,脱塩乳取得工程で得られた脱塩乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る工程である。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,酵素添加工程で添加される酵素が,ラクターゼである。そして,ラクターゼは,脱塩工程を経た原料やアイスクリームミックスを100重量%とすると,0.01重量%以上0.1重量%以下で添加される。
ラクターゼの添加量が多くなると,乳糖分解速度が速くなる。一方,ラクターゼが多くなると,コストが高くなる。ラクターゼの添加量が,上記の添加量である場合,風味の良好なアイスクリーム類を適切な製造時間内に得ることができる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,乳糖分解工程が,脱塩工程を経た原料に含まれる乳糖を30%以上100%以下で分解する工程である。これは,例えば,脱塩工程を経た原料を,0℃以上20℃以下の温度に,2時間以上で保持することにより達成される。
本発明のアイスクリーム類の製造方法は,上記した又は以下に記載する様々な構成を適宜組み合わせて用いることができるものである。また,本発明のアイスクリーム類の製造方法は,本明細書に記載されたもののみならず,当業者にとって自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本発明の第2の側面は,上記いずれかに記載のアイスクリーム類の製造方法により製造されたアイスクリーム類に関する。このようなアイスクリーム類の例は,乳タンパク質を4重量%以上15重量%以下,乳糖由来のブドウ糖を1重量%以上10重量%以下で含むアイスクリーム類である。このアイスクリーム類は,保存安定性に優れ,塩味が適切で,風味が豊かであり,サジ通りの良いアイスクリーム類である。
本発明によれば,保存安定性に優れ,風味が豊かで,適度な軟らかさを有し,サジ通りの良いアイスクリーム類を,製造する方法を提供することができる。
図1は,本発明のアイスクリーム類の製造方法の手順を概略的に示す工程図(フローチャート)である。 図2は,図1のステップS100におけるアイスクリームミックスの調製手順を詳細に示す工程図である。 図3は,脱塩乳内の乳糖がラクターゼによって加水分解されるときの乳糖分解率と,反応時間との関係を示すグラフに替わる図である。 図4は,図2のステップS110における脱塩乳取得処理の一例の手順を詳細に示す工程図である。 図5は,実施例において得られたアイスクリームの硬さの測定結果を示すグラフに替わる図である。 図6は,本発明による脱塩乳取得処理(図4)に従って,脱塩乳を取得するときの手順の一例を模式的に示す図である。
本発明の第1の側面は,アイスクリーム類を製造する方法に関する。アイスクリーム類は,乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)で定義されるアイスクリーム,アイスミルク,及びラクトアイスの総称である。なお,アイスクリーム類の例は,乳固形分を少なくとも3重量%で含むものである。
アイスクリーム類を製造する方法は,既に知られている。本発明では,既に知られたアイスクリーム類の製造装置を用いて,当業者に公知の条件を適宜採用してアイスクリーム類を製造できる。そして,このアイスクリーム類を製造する方法は,基本的には,脱塩工程と,酵素添加工程と,乳糖分解工程と,冷却工程とを含む。以下,アイスクリーム類を製造する方法について説明する。本発明は,以下の例に限定されるものではなく,以下に説明する例から,当業者に自明な範囲で適宜修正したものも含む。
図1は,アイスクリーム類の製造方法の手順を概略的に示す工程図(フローチャート)である。本発明によれば,原料から,乳全固形分が3重量%以上のアイスクリーム類(好ましくは,無脂乳固形分(SNF)を5重量%以上40重量%以下で含むアイスクリーム類)を製造することができる。無脂乳固形分(SNF)を5重量%以上とすると,乳糖分解工程によるアイスクリーム類の風味や物性の改善効果を期待できるからである。そして,以下では,アイスクリーム類として,アイスクリームを製造する場合について説明する。
図1において,まず,ステップS100では,アイスクリーム類の原料乳となるアイスクリームミックスを,複数の原料を調合することにより調製する。原料には,生乳,粉乳,糖類,濃縮乳,脱塩乳及び水分が適宜含まれていても良い。本工程は,雑菌の侵入等を防止するため,通常,パイプで接続された複数の装置内で,常温又は加温下(30℃以上80℃以下)で行われる。なお,ステップS100の処理の詳細については,図2及び図4を用いて詳細に説明する。
続くステップS200では,ステップS100で調製したアイスクリームミックスの溶液を均質化する。均質化に際しては,まず,必要に応じて,アイスクリームミックスの溶液を濾過して不純物を除去する。その後,例えば,ホモジナイザーを用いて,例えば,50℃以上70℃以下の温度下で,アイスクリームミックスの脂肪の粒径を,例えば,2μm以下へと微粒化するなどして,脂肪などの粒径を調整する。その後,この粒径を調整したアイスクリームミックスを,例えば,68℃以上75℃以下に加熱し,30分間で保持して殺菌する。
そして,ステップS300では,ステップS200で均質化したアイスクリームミックスの溶液を,例えば,0℃以上5℃以下の温度に冷却する。ここでは,アイスクリームミックスの溶液を冷凍させず,ある程度の流動性をもった状態で保持する。
ステップS400では,冷却状態にあるアイスクリームミックスの溶液に,適宜公知のフレーバー(例えば,バニラフレーバー,チョコレートフレーバー,ストロベリーフレーバー,ココアフレーバー)を添加する。フレーバーが必要でなければ,ステップS400の処理は行われない。また,ステップS100でアイスクリームミックスを調製する際に,フレーバーも添加した場合,ステップS400の処理を行う必要はない。
続いて,ステップS500では,アイスクリームミックスのエージングを所定時間で行う。エージングも0℃以上5℃以下の温度下で行われる。このエージングを行うことにより,脂肪を結晶化させるとともに,タンパク質を水和させて,アイスクリームミックスを安定化させる。
続いて,エージング処理が完了したアイスクリームミックスに対して,フリージングを行う(ステップS600)。フリージングは,例えば,−2℃〜−10℃の温度下において,所定期間にわたってアイスクリームミックスを撹拌することにより行われる。このフリージングにより,アイスクリームミックスが冷却され,水分などが凍結する。
そして,フリージング中のアイスクリームミックスを,包装する(ステップS700)。この包装処理も,上記フリージングの温度と同様の温度下で行われる。また,必要に応じて,容器に対して製造日の刻印なども行われる。
最後に,出荷用の容器内のアイスクリームミックスを,例えば,−18℃以下の硬化の温度下にさらすことにより,例えば,−3℃〜−15℃の範囲内の温度にまで急速に冷凍する(ステップS800)。これにより,アイスクリームミックスの全体を凍結(硬化)させる。
以上のようにして,出荷可能な状態のアイスクリームの製造が完了する。なお,製造完了後から出荷前までの間に必要な検査が行われる。また,製造したアイスクリームの保管(保存)では,−25℃以下の温度で行うことが好ましい。なお,アイスミルクやラクトアイスもアイスクリームと同様にして製造することができる。
次に,図1のステップS100におけるアイスクリームミックスの調製について詳細に説明する。
図2は,図1のステップS100におけるアイスクリームミックスの調製手順を詳細に示す工程図である。本態様では,生乳からアイスクリームミックスを調製する場合の例について説明する。
図2において,まず,ステップS110では,原料に対して脱塩処理を行うことで脱塩乳を得る。例えば,生乳を原料として,濃縮乳を調製することで脱塩処理を行うと,脱塩濃縮乳が得られる。これにより,安定剤や乳化剤を使用せずに,安定したアイスクリームの品質や物性を確保できる。ステップS110の処理については後で図4や図6を用いて詳細に説明する。脱塩乳は液体状であっても良いし,粉体状(粉乳)であっても良い。また,生乳ではなく,あらかじめ濃縮乳を用いて脱塩濃縮乳を調製しても良い。
続いて,ステップS120では,脱塩乳に対して,糖分を添加する(加糖処理)。糖分としては,砂糖(ショ糖),乳糖,ブドウ糖,果糖などを挙げることができ,液状であっても良いし,粉体であっても良い。ここで,添加される糖分の例は,多糖類(例えば,デンプン,フルクトース,グルコース,セルロース,デキストリン)であっても良いが,好ましくは,少糖類(オリゴ糖),より好ましくは,二糖類(例えば,麦芽糖(マルトース),セロビオース,スクロース,乳糖(ラクトース),トレハロース)である。これは,後述する酵素(グリコシダーゼ)による加水分解を促進するためである。そして,二糖類の中でも,乳糖(ラクトース)又はトレハロースが好ましい。なお,糖分の添加が必要でない場合,ステップS120の処理は行われない。また,ステップS120は,酵素を添加した後に行っても良いし,酵素を添加する前に行っても良い。
そして,ステップS130では,脱塩乳に酵素を添加する。脱塩乳が粉乳である場合,粉乳に液体を添加した後に酵素を添加する。酵素が添加される原料として,脱塩処理を経た原料をそのまま用いても良い。また,酵素が添加される原料として,いくつかの種類の脱塩処理を経たものや脱塩処理を経ていないものを混合して用いても良いし,同じ種類の脱塩処理を繰り返したものを用いても良い。酵素の例は,ステップS110の脱塩乳に含まれている糖分やステップS120で添加した糖分に対応する酵素(グリコシダーゼ)が用いられる。グリコシダーゼは,対応する糖類(単糖を構成単位とする糖類)を,より少ない数の単糖で構成された糖類へと分解することが可能な酵素である。例えば,乳糖に対しては,ラクターゼが用いられる。トレハロースに対しては,トレハラーゼが用いられる。ラクターゼやトレハラーゼは,細菌由来のものであっても良いし,酵母由来のものであっても良い。乳糖は脱塩乳にも含まれているため,酵素には少なくともラクターゼを含むことが好ましい。
ラクターゼは,β−D−ガラクトシダーゼ(β−D−ガラクトシドガラクトヒドロラーゼ)ともよばれ,二糖類であるラクトースをグルコースとガラクトースに加水分解する酵素である。ラクターゼは,例えば,特表平10−504449号公報に開示されたものを適宜用いることができる。ラクターゼは,原料やアイスクリームミックスを100重量%とすると,好ましくは,0.01重量%以上0.1重量%以下で添加される。ラクターゼの添加量が多くなると,乳糖分解速度が速くなる。脱塩処理を経た原料にラクターゼを添加する場合,実験の結果,ラクターゼの含有量が多いと,アイスクリーム類の風味を損なうという事実を見出した。そのため,ラクターゼの添加量には,0.01重量%以上0.08重量%以下が好ましく,0.02重量%以上0.07重量%以下がより好ましく,0.03重量%以上0.05重量%以下がさらに好ましい。上記のような添加量である場合,風味の良好なアイスクリーム類を適切な製造時間内に得ることができる。
続いて,ステップS140では,酵素を含有する脱塩乳を所定条件下に置くことで,加水分解反応を促進する。すなわち,酵素が原料やアイスクリームミックスに含まれる乳糖を分解する。この乳糖分解反応の条件については後述する。この工程は,原料やアイスクリームミックスに含まれる乳糖が例えば,30%以上100%以下で分解される。
以上のようにして,原料やアイスクリームミックスの調製が完了する。必要に応じて,ステップS140の処理後に得られた原料やアイスクリームミックスを濃縮しても良い。また,原料やアイスクリームミックスを,噴霧乾燥等により粉体状にしても良い。また,原料やアイスクリームミックスには,必要に応じて,クリーム(乳脂肪に富んだ部分)や,他の粉乳若しくはその還元液,フレーバー,加糖卵黄,水などが添加されても良い。
図2の処理によれば,脱塩乳に含まれる乳糖等の糖分が加水分解される(ステップS140)。これにより,アイスクリームミックスに含まれる糖類の分子数が増えるため,製造されるアイスクリームの甘味を高めることができる。なお,糖類の種類によって,その甘味度は異なるが,各糖類の甘味度が低い場合であっても,加水分解前よりも糖類の分子数が増えることで,アイスクリームミックスの甘味度を高めることができる。また,単糖類の分子数が増えることで,製造されるアイスクリーム類の軟らかさを適度に高めて,サジ通りを良くすることができる。
具体例を挙げると,乳糖は加水分解されて,ブドウ糖(グルコース)とガラクトースへと変化する。この場合において,乳糖の分解率を示す乳糖分解率を100%であるとすると,加水分解後の甘味度は,加水分解前の数倍にもなる。また,1分子の乳糖が分解されると,2分子の単糖が生成されることから,単糖の分子数を効率的に増やすことができ,その結果,製造されるアイスクリーム類の軟らかさを効率的に高めることができる。
図3は,ステップS130において脱塩乳内の乳糖がラクターゼによって加水分解されるときの乳糖分解率と,反応時間(乳糖分解工程の時間)との関係を示すグラフに替わる図である。図3に示す例では,ラクターゼの添加量は一定であり,乳糖分解反応を行うときの脱塩乳の温度を1℃,5℃,10℃としたときにおける乳糖分解率と反応時間との関係が示されている。
図3から分かるように,乳糖分解反応の反応時間を長くすることにより,乳糖分解率を高めることができる。従って,乳糖分解反応の反応時間は長い方が好ましい。一方で,反応時間を長くすると,乳糖分解率を100%に近づけることができるか,又は100%にすることができるものの,製造効率が悪くなる。従って,製造効率の観点から,乳糖分解反応の反応時間の上限は,例えば,50時間であり,好ましくは,乳糖分解率が90%を超えるときの反応時間(図3に示す例では,24時間)に設定する。
乳糖分解反応の反応時間の下限は,例えば,2時間である。これにより,乳糖分解率を30%に確保することができ,製造されるアイスクリーム類の甘味度を確実に高くすることができる。しかし,図3から分かるように,反応時間が短い間は,乳糖分解率が大幅に変動する傾向にあるため,アイスクリーム類をバッチ処理で大量に製造する場合,一定の乳糖分解率を確保することが困難である。従って,略一定(例えば,誤差5%以内)の乳糖分解率を確保するためには,反応時間として,乳糖分解率が90%を超えるときの反応時間(図3に示す例では,24時間)を設定することが好ましい。なお,略一定の乳糖分解率を確保するために,加水分解反応を抑制するための阻害剤(例えば,アカルボース,ボグリボース)を用いても良い。阻害剤を用いることで,略一定の乳糖分解率を確保することができ,その結果,バッチ処理で大量に製造されるアイスクリーム類の品質を一定にすることができる。
また,図3から分かるように,反応時間が同じ場合では,乳糖分解反応を行うときの温度が高いほど,乳糖分解率が高い。従って,乳糖分解反応を行うときの温度は高い方が好ましい。一方で,通常20℃を超える温度では,細菌が増殖しやすい。このため,一般に5℃〜10℃前後の温度下で酵素は維持される。よって,細菌の増殖を抑えるという観点からは,0℃以上15℃以下が好ましく,細菌の増殖を防ぐという観点からは,0℃以上10℃以下が好ましい。一方,本発明では,実験により5℃以上の温度において乳糖を分解させた方が得られるアイスクリーム類の風味がまろやかになるという知見を得た。このため,乳糖分解工程の温度には,5℃以上20℃以下が好ましく,6℃以上15℃以下がより好ましく,7℃以上10℃以下がさらに好ましい。
乳糖を分解する場合,ラクターゼを,脱塩乳の全量に対して,0.01重量%〜0.10重量%,好ましくは0.01重量%〜0.08重量%,より好ましくは0.02重量%〜0.07重量%,さらに好ましくは0.03重量%〜0.05重量%の範囲内で添加し,乳糖の分解が,温度0℃〜10℃の範囲内にある冷蔵条件下で,2時間〜50時間の範囲内の反応時間にわたって行われることが好ましい。これにより,乳糖分解率を50%以上とすることができる。また,糖分が乳糖でない場合であっても,対応するグリコシダーゼ(例えば,トレハラーゼ,アミラーゼ,スクラーゼ,マルターゼ)を用いることで,ラクターゼと同様の議論を適用することができる。
なお,上述した態様では,脱塩乳の原料としては,生乳(搾取したままの牛乳)を例示したが,牛の乳としては,成分調整牛乳,低脂肪牛乳,無脂肪牛乳,若しくは加工乳又はそれらの粉乳であっても良い。また,脱塩乳の原料は,牛乳に限られることはなく,山羊乳,めん羊乳などであっても良い。しかしながら,脱塩乳の原料としては,容易に入手することができる点で,生乳が好ましく,保管(保存)が容易である点で,粉乳が好ましい。また,脱塩乳の原料は,公知のアイスクリームミックスであっても良い。
次に,原料を調整することで脱塩した脱塩乳(脱塩濃縮乳)を得る工程について説明する。この工程では,基本的には,無脂乳固形分を5重量%以上50重量%以下で含む原料が脱塩処理される。脱塩工程における原料は,無脂乳固形分を5重量%以上40重量%以下で含むことが好ましく,無脂乳固形分を7重量%以上35重量%以下(例えば,13重量%以上30重量%以下)で含むことがより好ましい。脱塩工程の例は,原料に含まれるナトリウムの残存率を35%以上80%以下とする工程である。脱塩工程のうち,好ましい例は,原料に含まれるナトリウムの残存率を40%以上75%以下とするものであり,より好ましい例は,原料に含まれるナトリウムの残存率を45%以上70%以下とするものであり,さらに好ましい例は,原料に含まれるナトリウムの残存率を50%以上65%以下とするものである。このように脱塩率が高いため,原料に無脂乳固形分を多く含めることができる。このため,例えば,本発明では,脱脂粉乳を原料に多く含めることもできる。一方,実験の結果,脱塩率を高くしすぎると,コクが弱くなることが判明した。このため,脱塩率は上記の範囲とすることが好ましい。
脱塩工程では,例えば,ナノ濾過(NF)法,透析濾過(DF)法,イオン交換樹脂(IE)法,及び電気透析(ED)法を単独又は組み合わせて用いることができる。
ナノ濾過法は,例えば,ナノサイズの貫通孔(例えば,細孔径が0.5から2nm)を持つ膜状のフィルタ(NF膜)を用い,このNF膜に対して原料乳を投入し,浸透圧を利用する濾過である。ナノ濾過膜は主に1価のイオンと水を透過する膜である。このため,本発明では,例えば,1価のカチオン(ナトリウムイオン,カリウムイオン,塩化物イオン)を除去できる。このため,ナノ濾過法を用いることで,ナトリウムやカリウムを除去する脱塩を行うことができる。
ナノ濾過(NF)膜の素材の例は,ポリアミド,酢酸セルロース,ポリエーテルスルホン,ポリエステル,ポリイミド,ビニルポリマー,ポリオレフィン,ポリスルフォン,再生セルロース,及びポリカーボネートである。本発明では,塩分を除去するため,ナノ濾過(NF)膜の素材として,ポリアミド,酢酸セルロース,ポリエーテルスルホンが好ましい。ナノ濾過(NF)膜の形状の例は,平膜,スパイラル膜,中空糸膜,板状膜,及び管状膜である。また,ナノ濾過法として,公知の濾過方法の公知の条件を採用することができる。濾過方法の例は,加圧濾過法,減圧濾過法である。NF膜の例は,ダウケミカル製のNF膜(商品名「NF−3838/30−FF」)である。また,濾過方法の種別としては,デッドエンド濾過法やクロスフロー濾過法がある。ここで,アイスクリーム類の製造は,工業的には,バッチ処理で行われるため,クロスフロー法を用いることが好ましく,これにより,濾過膜の目詰まりによる,ばらつきを抑えて,製造されるアイスクリーム類の品質を一定に保つことができる。
そして,このナノ濾過法によって,原料乳から,保持液(リテンテート)と,透過液(パーミエート)とが得られることとなる。使用するNF膜に対する浸透圧に応じて,保持液の量と透過液の量の比率は変わる。通常,保持液には,原料乳の全固形分(TS:total−solids)が1.5倍〜2.5倍の範囲内(例えば,1.6倍)に濃縮される。
ナノ濾過法で得られる保持液には,原料乳の全固形分(TS),つまり,乳脂肪(FAT)と,無脂乳固形分(SNF)とが濃縮される。そこで,本明細書では,ナノ濾過法で得られた濃縮液をナノ濾過濃縮乳ともいう。そして,ナノ濾過法で得られる透過液には,原料乳の水分の多くと,水溶性の成分の一部(特に1価のイオン)とが含まれている一方,原料乳の全固形分が,ほぼ含まれていないこととなる。ここで,原料乳の水溶性の成分としては,灰分がある。灰分とは,ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),塩素(Cl),リン(S)などの無機質や,ビタミンA,B1,B2,ナイアシンなどのビタミンの総称である。
ナノ濾過処理を行う前に,原料に対してナノ濾過を透過しない電解質を添加することは,本発明の好ましい態様である。ナノ濾過を透過しない電解質を添加することにより,脱塩を促進できる。ナノ濾過膜を透過しない電解質の例は,乳脂肪,ミルクカゼイン,ホエイタンパク質,乳糖,非タンパク態窒素(NPN)の一部などである。なお,後述するように,濾過保持液を原料に添加しても,脱塩を促進できるため好ましい。
透析濾過(DF)法は,濾過して濃縮した乳など(保持液)に水を加えて稀釈し,濾過液(保持液)の容量を濾過前の容量近くに戻した上で,濾過処理を行う方法である。本発明のDF法の例は,NF膜で濾過して濃縮した乳などに水分を加えた後に,さらにNF膜で濾過する方法である。
イオン交換樹脂(IE)法は,原料とイオン交換樹脂とを接触させることで,脱塩を行う方法である。イオン交換樹脂は,脱塩の目的で通常用いられる市販のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを用いれば良い。イオン交換樹脂を用いた脱塩は,公知の操作や装置を用いて,公知の条件に従って行えば良い。
電気透析(ED)法は,溶液中のイオン性物質の電気泳動と,イオン交換膜が陽イオンと陰イオンを選択して透過させる性質を利用する分離技術である。電気透析(ED)法を用いた脱塩は,公知の操作や装置を用いて,公知の条件に従って行えば良い。
脱塩工程では,ナトリウム以外の塩を除去しても構わない。一方,脱塩工程では,カルシウム塩を損なわずに,ナトリウム塩又はカリウム塩を除去することが好ましい。脱塩工程を経た後のカルシウム塩の残存率は,80重量%以上が好ましく,90重量%以上がより好ましく,95重量%以上がさらに好ましい。
次に,図2のステップS110における脱塩処理が透析濾過(DF)である場合(第1態様)について詳細に説明する。
図4は,図2のステップS110における脱塩乳取得処理の一例の手順を詳細に示す工程図である。本態様では,生乳から脱塩乳(特には脱塩濃縮乳)を調製する場合について説明する。なお,上述したように,脱塩乳の原料は生乳に限られることはない。
図4において,まず,ステップS111では,脱塩乳の原料として,生乳を用意する。生乳の全固形分(TS)は,例えば,12.8重量%であり,その内訳は,3.8重量%の乳脂肪(FAT:milk fat)と,9.0重量%の無脂乳固形分(SNF)である。なお,原料乳として,粉乳(例えば,脱脂粉乳)の水溶液(還元乳)を用いても良いし,公知のアイスクリームミックスを用いても良い。
続くステップS112では,ナノ濾過法により,原料に対して,第1回目のナノ濾過(NF)処理を行う。ナノ濾過処理では,NF膜として,例えば,ダウケミカル製のNF膜(商品名「NF−3838/30−FF」)を用いる。
そして,このナノ濾過処理によって,原料から,保持液(リテンテート)と,透過液(パーミエート)とが得られることとなる。ここで,ダウケミカル製のNF膜を用いた場合において,第1回目のナノ濾過処理時における原料のクロスフロー法による単位時間当たりの流量が,例えば,14t/hであるときは,保持液と透過液とは,ほぼ同量(7t/h)を得ることができる。なお,使用するNF膜に対する浸透圧に応じて,保持液の量と透過液の量の比率は変わるが,通常,保持液には,原料の全固形分(TS)が1.5倍〜2.5倍の範囲内(例えば,2.0倍)に濃縮される。
ナノ濾過法で得られた保持液(ナノ濾過濃縮乳)には,原料の全固形分(TS),つまり,乳脂肪(FAT)と,無脂乳固形分(SNF)とが濃縮されている。そして,ナノ濾過法で得られた透過液には,原料の水分の多くと,水溶性の成分の一部とが含まれている一方,原料乳の全固形分が,ほぼ含まれていないこととなる。ここで,ナノ濾過法で得られた透過液には,ナトリウム(Na),カリウム(K),塩素(Cl)などが含まれている。
そして,ステップS113では,ナノ濾過法で得られた透過液に対して,逆浸透(RO:reverse osmosis)処理を行い,透過液(以下,逆浸透膜透過液ともいう)を得る。なお,逆浸透処理の保持液は,本態様では使用しない。
逆浸透処理は,例えば,1価のカチオンを捕捉する膜状のフィルタ(逆浸透膜)を用い,この逆浸透膜に対して,ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液を投入し,逆浸透膜の上流側(ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液の投入側)から圧力をかけることで行われる。なお,逆浸透処理の際に,逆浸透膜の上流側から圧力をかけることに代えて,逆浸透膜の下流側を減圧しても良い。逆浸透処理では,浸透圧以上の圧力を利用しているので,ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液の大部分は,逆浸透膜を通過してRO透過液となる。なお,逆浸透膜の保持液(逆浸透膜を通過しなかった部分)には,1価のカチオンとして,ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液に含まれていたナトリウムイオンやカリウムイオンなどが濃縮される。すなわち,ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液に対して逆浸透処理を行うことも,脱塩処理の一例である。そこで,本明細書では,逆浸透膜透過液を脱塩水ともいうこととする。
続いて,ステップS114〜S115では,希釈工程が行われる。具体的には,まず,ステップS114では,ステップS113で得られた脱塩水をステップS112で得られたナノ濾過濃縮乳に添加する(戻す)。これにより,混合液として脱塩乳が得られる。ここで,ステップS112のナノ濾過法で得られた透過液の量と,逆浸透膜透過液の量は,ほぼ同じであるため,脱塩乳の量は,ステップS111で用意した原料の量とほぼ同じである。そのため,この脱塩乳は,ナノ濾過濃縮乳とほぼ同量の全固形分(FATとSNF)を含むとともに,当該ナノ濾過濃縮乳とほぼ同量の灰分を含んでいる。言い換えると,この脱塩乳は,原料の全固形分が濃縮されながら,塩味のもととなるナトリウムやカリウムの一部が除去された脱塩濃縮乳である。
また,ステップS115では,必要に応じて,脱塩乳に対して水を添加する(加水)。添加対象の水としては,蒸留水や水道水を使用することができるが,容易に入手可能である点及び後の段階で殺菌される点を考慮すれば,水道水を使用することが好ましい。なお,ナノ濾過濃縮乳又は逆浸透膜透過液に水を添加(加水)しても良い。このようにすることにより,脱塩乳の量を原料の量にそろえることができる。そして,脱塩乳の量を原料の量にそろえることで,製造ラインを流れる液量を一定にすることができる。なお,ステップS115の処理は行わなくても良い。
そして,ステップS116では,得られた脱塩乳に対して,ナノ濾過法により,第2回目のナノ濾過処理を行う。このナノ濾過処理では,保持液を得る。この保持液は,脱塩乳の全固形分をさらに濃縮したものであって,かつ脱塩乳をさらに脱塩した脱塩濃縮乳であるといえる。
また,このナノ濾過法で得られた透過液には,脱塩乳中の水溶性の成分(特にはナトリウム及びカリウム)が含まれている。そのため,一方の保持液は,脱塩乳に比較して,塩味が少ない。本態様では,これを利用して,保持液に含まれるナトリウムの含有率がステップS111で用いた原料に含まれるナトリウムの含有率の35%〜80%の範囲内(好ましくは40%〜75%の範囲内,より好ましくは45%〜70%の範囲内,さらに好ましくは50%〜65%の範囲内)となるようにする。同様に,保持液では,カリウムの含有率も,原料乳のカリウムの含有率の35%〜80%の範囲内(好ましくは40%〜75%の範囲内,より好ましくは45%〜70%の範囲内,さらに好ましくは50%〜65%の範囲内)となるようにする。
言い換えると,ステップS116の処理を行うことで,保持液の脱塩率が20%〜65%の範囲内(好ましくは25%〜60%の範囲内,より好ましくは30%〜55%の範囲内,さらに好ましくは35%〜50%の範囲内)となるようにする。このようにすることで,製造されたアイスクリーム類の塩味を調整することができ,アイスクリーム類の風味が損なわれることを確実に防止することができる。ここで,脱塩率が上記範囲の上限を超えると,製造されるアイスクリーム類は,あっさりとした風味となるとともに,コクが弱くなる。一方,脱塩率が上記範囲の下限を下回ると,製造されるアイスクリーム類は,塩味のために,風味を損なうこととなる。
なお,この第2回目のナノ濾過処理で用いるNF膜(つまり浸透圧)を変更(又は適宜選択)することにより,脱塩率を上記範囲内となるように調整することが好ましい。これに代えて,保持液に対して,第3回目のナノ濾過処理を行うことで,脱塩率を上記範囲内となるように調整しても良い。このようにして,複数回にわたるナノ濾過(つまり,透析濾過)処理が完了する。
さらに,ステップS117では,ステップS116で得られた脱塩濃縮乳からクリームを除去することで,脱塩濃縮脱脂乳を得る。クリームとは,原料乳(ここでは,脱塩濃縮乳)のうち,脂肪に富んだ部分をいう。クリームを除去するためには,例えば,脱塩濃縮乳を遠心分離機(セパレーター)にセットして遠心分離させ,分離したクリームを濾取すれば良い。このようにすることで,脱塩濃縮乳を低脂肪タイプのもの(以下,DF脱塩脱脂乳ともいう)に変更することができる。すなわち,脱塩濃縮乳に含まれる無脂乳固形分(SNF)の含有量(含有割合)を大きく低下させることなく,乳脂肪(FAT)の含有量(含有割合)を大きく低下させることができる。この結果,乳脂肪球の凝集(チャーニング)を起こりにくくすることができる。そして,チャーニングを起こりにくくすることにより,製造されるアイスクリーム類の品質に,ばらつきが生じることを防止することができる。
その後,ステップS118では,ステップS117で得られたDF脱塩脱脂乳をさらに濃縮して,DF脱塩脱脂濃縮乳を得る。具体的には,DF脱塩脱脂乳の水分を蒸発させることで,DF脱塩脱脂濃縮乳を得る。この濃縮は,例えば,真空蒸発缶(エバポレータ)を用いて,減圧化でDF脱塩脱脂乳を加熱することで行うことが可能である。さらに,ステップS119では,必要に応じて,DF脱塩脱脂濃縮乳を公知の噴霧乾燥機を用いて,噴霧乾燥させることで,DF脱塩脱脂粉乳を得る。DF脱塩脱脂粉乳とすることで,容積(容量)を最小化することができ,保管(保存)しやすくすることができる。なお,ステップS118及びステップS119の一方又は双方を行わなくても良い。
図4の処理によれば,原料に対して,複数回にわたってナノ濾過処理が行われる(ステップS112,S116)。また,逆浸透処理を行って,得られた逆浸透膜透過液を,原料から得られるナノ濾過濃縮乳に戻す(ステップS113〜S114)。これらにより,脱塩率を調整した脱塩乳を得ることができる。また,逆浸透膜透過液をナノ濾過濃縮乳に戻す(ステップS114)ので,原料に含まれている成分を無駄なく有効に活用することができる。
また,図4の処理によれば,脱塩乳からクリームが除去される(ステップS117)。これにより,低脂肪であっても無脂乳固形分(SNF)やタンパク質の含有割合が高い脱塩乳を,生乳などの原料から得ることができる。そして,本態様では,上述したように脱塩率が調整されているので,タンパク質の含有割合が高い脱塩乳を原料として,アイスクリーム類を製造しても,製造されたアイスクリーム類の塩味が高すぎることがない。また,このアイスクリーム類では,低脂肪であっても無脂乳固形分(SNF)やタンパク質の含有割合が高いので,乳風味を損なうことがない。ところで,乳脂肪の含有割合が高いアイスクリーム(プレミアムアイスクリーム)が市販されているが,本態様によるアイスクリーム類では,乳脂肪の含有割合が低いという点で,そのようなアイスクリームと差別化を図ることができる。
次に,図2のステップS110における脱塩乳取得処理の第2の例(第2態様)について詳細に説明する。第2態様では,上述したような逆浸透処理を行わず,脱塩水に代えて水を,第1回目のナノ濾過で得られたナノ濾過濃縮液に添加する点で第1態様と相違するのみである。従って,詳細な処理については省略する。
第2態様では,ナノ濾過処理が少なくとも2回にわたって行われる(つまり,上述した透析濾過(DF)処理が行われる)。1回のナノ濾過処理によって,原料乳に比べて脱塩乳のナトリウムの含有量(含有割合)が例えば,14%〜24%の範囲内で低下する。従って,2回にわたってナノ濾過処理を行うと,原理的には,原料乳に比べて脱塩乳のナトリウムの含有量(含有割合)が例えば,26%〜42%の範囲内で低下することとなる。すなわち,2回にわたってナノ濾過処理を行うことで,脱塩乳のナトリウムの残存率が例えば,58%〜74%の範囲内となるので,脱塩率が上述した(20%〜65%の)範囲内(好ましくは25%〜60%の範囲内,より好ましくは30%〜55%の範囲内,さらに好ましくは35%〜50%の範囲内)となる可能性を高めることができる。これにより,製造されたアイスクリーム類の塩味を調整することができ,アイスクリーム類の風味が損なわれることを防止することができる。一方で,ナノ濾過処理を多数回にわたって行うと,脱塩率が上記範囲内から外れることとなる。従って,ナノ濾過処理の回数は最大でも,3〜4回で十分である。ただし,工程の煩雑さ,脱塩の効率,製品の風味などの観点から,第2のナノ濾過処理工程で留めておくことが好ましい。なお,ナトリウムの含有量や脱塩率を比較するに際しては,全固形分(TS)の含有量(含有割合)が同じとなるように換算することが好ましい(後述の表4b参照)。
次に,図2のステップS110における脱塩乳取得処理の第3の例(第3態様)について詳細に説明する。第3態様では,ナノ濾過処理に代えて,イオン交換樹脂(IE)法,又は電気透析(ED)法によって原料の濃縮及び脱塩を行う点で,第1態様や第2態様と相違するのみである。従って,詳細な処理については省略する。
第3態様では,ナノ濾過処理を行うための設備がなくても,第1態様や第2態様と同等の効果を奏することができる。しかし,ナノ濾過処理を行うための設備は低コストであるため,第1態様や第2態様に従って脱塩乳を調製することが好ましい。なお,本発明では,原料乳の全固形分又は無脂乳固形分の濃縮及び脱塩を目的としているため,限外濾過処理(UF:ultrafiltration)や精密濾過処理(MF:microfiltration)を行わない。なお,本態様において,イオン交換樹脂(IE)法や電気透析(ED)法を複数回で実行しても良いし,複数回のうちの少なくとも1回をナノ濾過法で実行しても良い。
本発明の第4態様では,上記第1態様〜第3態様のうち,少なくとも2つの態様で得られた脱塩乳を互いに調合し,調合した脱塩乳を原料の一部又は全部としてアイスクリーム類を製造するものである。本態様によっても,対応する態様に応じた効果を奏することができる。
以上で詳細に説明したように,本発明によれば,ナノ濾過処理や逆浸透処理などによって,原料乳の全固形分を濃縮するとともに脱塩を実現して,アイスクリーム類の冷凍下における保存性を高め,さらに,酵素によって,アイスクリーム類の甘味度を高めるとともに,適度な軟らかさを確保する。従って,本発明によれば,単純な製造工程で,かつ低コストでアイスクリーム類を製造することができる。また,本発明によれば,全固形分(特には無脂乳固形分やタンパク質)の含有割合が高く,脱塩率が高く,かつ,甘味度が高い脱塩乳を原料の1つとしたアイスクリームミックスが調製されるので,そのアイスクリームミックスを原料とすることで,軟らかく,甘味度が高く,かつ,風味の豊かなアイスクリーム類を製造することができる。このようにして製造されたアイスクリーム類は,冷凍保存時における氷結晶及び乳糖結晶の成長が抑制されているため,食感(舌触り)も良好であるとともに,アイスクリーム類の冷凍下における保存性にも優れており,また,適度に軟らかいため,サジの通りが良好であり,さらには,塩味が抑えられているため,風味が損なわれておらず,また,タンパク質に富んでいるため,乳風味が豊かである。
従って,本発明によるアイスクリーム類の製造に際しては,過剰な糖分の添加をなくすことができるとともに,乳化剤や安定剤の添加もなくすことができる。なお,原料に乳化剤や安定剤を添加しても良いが,その場合にあっても,原料に対する乳化剤や安定剤の添加割合は従来の場合よりも低くて済む。さらには,アイスクリーム類の無脂乳固形分を高くして,乳風味を確保することで,乳脂肪を大幅に低減することができる。そのため,本発明によるアイスクリーム類の製造に際しては,従来の低脂肪アイスクリーム類を製造するときのように,乳脂肪の低減によって損なわれた乳風味を補填するために,フレーバー(香料)を添加する必要もなく,また,乳脂肪の代替物であるデキストリンや食物繊維を添加する必要もないし,添加するにしても従来の場合よりも少なくすることができる。
また,上述した発明によれば,アイスクリームミックスの組成を適宜変更することにより,さまざまな含有割合のアイスクリーム類を製造することができる。例えば,乳脂肪分(FAT)が0重量%〜25重量%(好ましくは,0重量%〜20重量%,より好ましくは,0重量%〜18重量%,さらに好ましくは,0重量%〜15重量%),無脂乳固形分(SNF)が5重量%〜40重量%(好ましくは,7重量%〜35重量%,より好ましくは,13重量%〜30重量%,さらに好ましくは,15重量%〜25重量%)のアイスクリーム類を製造することが可能である。製造されるアイスクリーム類の無脂乳固形分の上限が50重量%であっても良い。これに対して,従来では,無脂乳固形分の含有割合を高くすると,塩味が強まって,風味が損なわれたアイスクリーム類しか製造することができないため,無脂乳固形分の含有割合を5重量%〜10重量%に抑える必要があった。本発明によれば,従来よりも無脂乳固形分の含有割合の高い(例えば,従来よりも2倍〜5倍も高い)アイスクリーム類を製造することができる。本発明によるアイスクリーム類の例は,乳タンパク質を4重量%以上15重量%以下(好ましくは,4重量%以上13重量%以下,より好ましくは,4重量%以上11重量%以下),乳糖由来のブドウ糖を1重量%以上10重量%以下(好ましくは,1.5重量%以上9重量%以下,より好ましくは,2重量%以上8重量%以下)で含むアイスクリーム類である。このアイスクリーム類は,保存安定性に優れ,塩味が適切で,風味が豊かであり,適度な軟らかさを有し,サジ通りの良いアイスクリーム類である。
実施例1では,本発明の製造方法により目的を達成することができるか否かを確認するため,上記透析濾過(DF)法(上記の第2態様)に従って調製したDF脱塩脱脂粉乳を用いて製造したアイスクリームについて,風味や物性を検討した(製造例1,2,5)。具体的には,製造したアイスクリームに生じる氷結晶の寸法を測定し,測定値を比較することにより,氷結晶の成長性を評価した。また,製造したアイスクリームの硬さを測定することにより,軟らかさ(サジの通りの良好さ)を評価した。さらに,製造したアイスクリームの塩味や甘味や乳風味を評価した。さらに,実施例1では,ナノ濾過(NF)法を行わずに調製したアイスクリームミックスを用いて製造したアイスクリームについても,風味や物性を検討した(製造例3,4)。
以下のようにして,DF脱塩脱脂粉乳を調製した。まず,脱脂乳(固形分濃度:約9重量%)をナノ濾過(NF)法により,固形分濃度が約20重量%となるまで濃縮するとともに脱塩して,NF濃縮脱脂乳を得た。この際,ナノ濾過(NF)膜として,NF−3838/30−FF(ダウケミカル製)を使用した。次に,NF濃縮脱脂乳へ加水することで,固形分濃度が約10重量%となるように希釈し,NF脱脂乳を得た。次に,NF脱脂乳をナノ濾過(NF)法により,固形分濃度が約20重量%となるまで濃縮するとともに脱塩し,DF脱塩濃縮脱脂乳を得た。この際にも,ナノ濾過(NF)膜として,NF−3838/30−FF(ダウケミカル製)を使用した。次に,DF脱塩濃縮脱脂乳を常法に従って,殺菌,真空蒸発濃縮,及び噴霧乾燥を行った。このようにして,DF脱塩脱脂粉乳を得た。得られたDF脱塩脱脂粉乳は,約1重量%の乳脂肪と,約95重量%の無脂乳固形分とを含んでいた。
(製造例1)
約1重量%の乳脂肪と,約95重量%の無脂乳固形分とを含むDF脱塩脱脂粉乳を用いて,製造例1のアイスクリームを製造した。アイスクリームの製造に際し,DF脱塩脱脂粉乳に含まれる乳糖を,ラクターゼ(合同酒精株式会社製,商品名「GODO−YNL」)によって56%で分解した(つまり,乳糖分解率が56%)。
(製造例2)
製造例1と同じDF脱塩脱脂粉乳を用いて,製造例2のアイスクリームを製造例1と同じ条件下で製造した。アイスクリームの製造に際し,DF脱塩脱脂粉乳に含まれる乳糖を,ラクターゼによって84%で分解した(つまり,乳糖分解率が84%)。
(製造例3)
15重量%の乳脂肪と,10重量%の無脂乳固形分とを含むアイスクリームミックスを用いて,製造例3のアイスクリームを製造例1と同じ条件下で製造した。ただし,このアイスクリームミックスは,ナノ濾過処理が施されていないものである。さらに,製造例3では,アイスクリームミックスには,ラクターゼを添加しなかったが,製造例1と同じ条件下とするため,乳糖分解工程では,同じ反応時間だけ保持した。製造例3のアイスクリームの乳糖分解率は0%であった。
(製造例4)
ラクターゼを添加した以外は,製造例3と同じアイスクリームミックスを用いて,製造例4のアイスクリームを製造例1と同じ条件下で製造した。アイスクリームミックスに含まれる乳糖は,ラクターゼによって85%で分解された(つまり,乳糖分解率が85%)。
(製造例5)
アイスクリームミックスにラクターゼを添加しなかった点を除いては,製造例2と同じDF脱塩脱脂粉乳を用いて,製造例5のアイスクリームを製造例1と同じ条件下で製造した。製造例5のアイスクリームの乳糖分解率は0%であった。
そして,上述した製造例1〜3,5について測定した硬さの結果を表1及び図5に示す。なお,硬さの測定には,島津製作所製のレオメーター(商品名「EZ−test−100N」)を用い,設定した針入距離[mm]で測定された応力値[gf/mm2]を硬さの測定値とした。また,製造例1〜5についての風味や物性の評価結果を表2に示す。
Figure 0005848611
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なお,表2に示す氷結晶[μm]は,各製造例に係るアイスクリームを−8℃の冷凍下で1週間にわたって保存した後に計測された寸法であり,保存前の氷結晶の寸法は,いずれも30μmであった。
表1,表2及び図5から,乳糖分解率が高いほど,アイスクリームが軟らかい傾向にあることが分かった。従って,乳糖分解率を高くするほど,アイスクリーム類を軟らかくすることができることが分かった。
また,表2において製造例3,4のアイスクリームと製造例2のアイスクリームとを比較すると,製造例3,4のアイスクリームの方が,製造例2のアイスクリームよりも氷結晶の寸法が大きい傾向にあることが分かった。ここで,製造例2のアイスクリームでは,製造例4のアイスクリームの乳糖分解率とほぼ同じであり,製造例2,4のアイスクリームで組成を比較すると,製造例2のアイスクリームでは,無脂乳固形分が多い。従って,無脂乳固形分を多くすることで,冷凍条件下で保存したときに,氷結晶の寸法が大きくなることを抑制できることが分かった。つまり,製造例2のアイスクリームは,冷凍下での保存安定性に優れていることが分かった。
また,表2から分かるように,製造例3,4のアイスクリームで風味を比較すると,双方で塩味は同じ程度であり,製造例4のアイスクリームで甘味を豊かに感じられた。また,製造例5のアイスクリームでは,製造例3,4のアイスクリームと比較すると,乳風味が豊かに感じられた。これは,製造例5のアイスクリームでは,アイスクリームミックスとして,DF脱塩脱脂粉乳を使用し,無脂乳固形分が高かったためであると考えられた。さらに,製造例1,2のアイスクリームでは,製造例5のアイスクリームと比較すると,乳風味が同等であり,より豊かに甘味を感じられた。さらに,製造例1,2のアイスクリームで甘味を比較すると,製造例2のアイスクリームでは,より豊かに甘味を感じられた。これらのように,より豊かに甘味を感じられた理由は,製造例1,2のアイスクリームでは,乳糖分解率が高いためであると考えられた。
表2において,軟らかさ(硬さ)を比較すると,製造例3と製造例5とでは同じ程度であった。すなわち,サジの通り易さは同程度であった。また,製造例1,2と製造例5とを比較すると,製造例1,2のアイスクリームは,製造例5のアイスクリームよりも軟らかく,また,製造例2のアイスクリームは,製造例1のアイスクリームよりも,さらに軟らかいことが分かった。従って,乳糖分解率が高いほど,製造されるアイスクリーム類は軟らかく,サジの通りが良好であることが分かった。これは,製造例1,2のように乳糖分解率を高めることにより,乳糖の含有量が少なくなるに伴って単糖が生成された結果,凍結点が降下したためであると考えられた。さらに,製造例1,2のアイスクリームは,乳糖結晶の生成が抑制されているため,食感も優れていた。
なお,乳脂肪分が12〜15重量%,無脂乳固形分が13〜20重量%となるように,NF脱塩脱脂濃縮乳,DF脱塩脱脂濃縮乳,NF脱塩全脂濃縮乳,DF脱塩全脂濃縮乳,NFクリーム,及びDFクリームを混合したアイスクリームミックスを複数種類で製造し,それぞれ乳糖分解し,アイスクリームを製造した。これらは,いずれも製造例3と比較して,塩味が同程度又は丁度良い程度に調整された状態にありながら,甘味や乳風味が豊かに感じられた。
以上のことから,製造例1,2のように,アイスクリームミックスとして,DF脱塩脱脂粉乳を用いて,無脂乳固形分を高めることで,アイスクリームの塩味を抑えて,乳風味を豊かにすることができるとともに,乳糖分解率を高めることで,アイスクリームの甘味を高めて,さらに,サジ通りの良い,適度な軟らかさを確保することができることが分かった。また,製造例1,2のように,安定剤や乳化剤を使用しなくとも,無脂乳固形分(つまり,タンパク質)の含有割合を高くすることにより,また,乳糖分解率を高めることにより,冷凍下での保存安定性に優れたアイスクリームを製造することができることが分かった。
実施例2では,脱塩による成分の変化を確認するため,まず,上記第1態様に従って脱塩濃縮乳を製造し,得られた脱塩濃縮乳(製造例6)の組成とその配合割合を調べた。そこで,図6に,第1態様に従った脱塩濃縮乳の調製手順を模式的に示す。図6に示すステップ番号Sは,図4に示したステップ番号Sに対応している。
まず,ナノ濾過(NF)法により生乳を約2.0倍に濃縮した。これにより,ナノ濾過したナノ濾過濃縮乳(NF濃縮乳)を得た(製造例7)。逆浸透(RO)によりナノ濾過法により得られた透過液を処理し,逆浸透膜透過液(脱塩水)を調製した。この逆浸透膜透過液及び水をナノ濾過濃縮乳に添加し,元の生乳と等重量とし,脱塩乳を得た。この脱塩乳をナノ濾過(NF)処理し,約2.0倍に濃縮した。このようにして,透析濾過した脱塩乳(DF脱塩濃縮乳)を得た。このDF脱塩濃縮乳を遠心分離機(セパレーター)により,DFクリームとDF脱脂濃縮乳とに分離した。これにより,製造例6のDF脱塩脱脂濃縮乳を得た。なお,DF脱塩脱脂濃縮乳を真空蒸発缶(エバポレーター)により濃縮することで,保管(保存)性に優れたDF脱塩脱脂粉乳が得られることも確認した。
そして,得られたDF脱塩脱脂濃縮乳について組成とその配合割合を調べた。また,製造例6の製造段階で得られるナノ濾過濃縮乳(製造例7)と,ナノ濾過及び逆浸透膜処理を行わずに脱脂濃縮処理した脱脂濃縮乳(製造例8)についても組成とその含有割合を調べた。
表3に,各組成を調べた結果を示すとともに,表4(表4a,表4b)に,各組成の含有割合を調べた結果を示す。
Figure 0005848611
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表4bから分かるように,製造例6の脱塩乳は,ナトリウムの含有率が上述した35%〜80%の範囲内にあり,製造例7,8の脱塩乳は,75%よりも多いことが分かった。従って,上記第1態様に従って原料を濃縮するとともに脱塩処理を行うことで,脱塩率を調整できることが実証された。また,原料に対して,ナノ濾過処理や逆浸透膜処理を行っても,カルシウムの残存率が大きく変動しないこと(具体的には,残存率で90%を確保できること)が分かった。
なお,製造例6において,生乳に替えて脱脂乳を用いても同様の結果を得ることができた。脱脂乳を用いて脱塩乳を得る場合,遠心分離機により,クリームと脱脂濃縮乳とに分離する工程を,脱塩工程の事前に設ければ良い。
実施例3では,上記第1態様で得られたDF脱塩脱脂濃縮乳と,上記第2態様で得られた脱塩脱脂粉乳とを混合し,その混合物を材料として,乳脂肪と無脂乳固形分の配合比が互いに異なる複数のアイスクリーム(製造例9〜15)を製造した。また,上記第1態様で得られたDF脱塩脱脂濃縮乳と,上記第2態様で得られた脱塩脱脂粉乳の双方を用いないでアイスクリーム(製造例16)を製造した。
製造例9〜16の原料の配合比を表5及び表6に示す。また,表5及び表6には,製造したアイスクリームの各組成の含有割合も示されている。
Figure 0005848611
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表5及び表6から分かるように,本発明によれば,さまざまな配合比でアイスクリームを製造することができることが分かった。また,製造例9〜15のアイスクリームは,第1態様に従って調製したDF脱塩脱脂濃縮乳(透析濾過と乳糖分解した脱塩脱脂濃縮乳)と,第2態様に従って調製した脱塩脱脂粉乳(透析濾過した脱塩脱脂粉乳)とを含んでいるため,原料に添加する砂糖(ショ糖)の量を製造例16に比べて少なくしても,十分に甘味度が高いことが分かった。
本発明は,食品産業において用いられうる。

Claims (9)

  1. 無脂乳固形分を5重量%以上50重量%以下で含む原料を脱塩処理するための脱塩工程と,
    前記の脱塩工程を経た原料に,乳糖を分解する酵素を添加するための酵素添加工程と,
    前記の酵素添加工程において添加された酵素が前記の脱塩工程を経た原料に含まれる乳糖を分解する乳糖分解工程と,
    前記の乳糖分解工程を経た原料を冷却する冷却工程と,を含み,
    前記冷却工程は,
    前記の脱塩工程,酵素添加工程,及び乳糖分解工程を経て調製されたアイスクリームミックスを冷却する工程であり,
    前記アイスクリームミックスは,
    無脂乳固形分を13重量%以上40重量%以下で含む,
    アイスクリーム類の製造方法。
  2. 前記アイスクリームミックスは,
    無脂乳固形分を13重量%以上30重量%以下で含み,乳脂肪分を含まないか,乳脂肪分を25重量%以下で含む,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  3. 前記の脱塩工程は,
    原料に含まれるナトリウムの残存率を35%以上80%以下とする工程である,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  4. 前記の脱塩工程は,
    脱脂乳を含む原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮脱脂乳を得る第1のナノ濾過処理工程と,
    前記の第1のナノ濾過処理工程で得られたナノ濾過濃縮脱脂乳を希釈し,ナノ濾過脱脂乳を得る希釈工程と,
    前記の希釈工程で得られたナノ濾過脱脂乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る第2のナノ濾過処理工程と,
    を含む,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  5. 前記の脱塩工程は,
    脱脂乳を含む原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮脱脂乳を得る第1のナノ濾過処理工程と,
    前記の第1のナノ濾過処理工程で得られた透過液に逆浸透処理を行い,逆浸透膜透過液を得る逆浸透処理工程と,
    前記の第1のナノ濾過処理工程で得られたナノ濾過濃縮脱脂乳と,前記の逆浸透膜透過液と,水分とを加え,脱塩乳を得る脱塩乳取得工程と,
    前記の脱塩乳取得工程で得られた脱塩乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る第2のナノ濾過処理工程と,
    を含む,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  6. 前記の脱塩工程は,
    原料をナノ濾過法により濃縮し,ナノ濾過濃縮乳を得る第1のナノ濾過処理工程と,
    前記の第1のナノ濾過工程において,得られた透過液に逆浸透処理を行い,逆浸透膜透過液を得る逆透過処理工程と,
    前記のナノ濾過濃縮乳と,前記の逆浸透膜透過液と,水分とを加え,脱塩乳を得る脱塩乳取得工程と,
    前記の脱塩乳取得工程で得られた脱塩乳をナノ濾過法により濃縮し,脱塩脱脂乳を得る第2のナノ濾過処理工程と,
    を含む,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  7. 前記の酵素添加工程で添加される酵素は,
    ラクターゼであり,
    前記の脱塩工程を経た原料を100重量%とすると,0.01重量%以上0.1重量%以下で添加される,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  8. 前記の乳糖分解工程は,
    前記の脱塩工程を経た原料に含まれる乳糖を30%以上100%以下で分解する工程である,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
  9. 前記の乳糖分解工程は,
    前記の脱塩工程を経た原料を,0℃以上20℃以下の温度に,2時間以上で保持する工程を含む,
    請求項1に記載のアイスクリーム類の製造方法。
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