JP2004180580A - 乳類の脱塩促進方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】NF膜を使用する乳類の脱塩方法において、脱塩を促進して脱塩効率を向上させる方法を提供すること。
【解決手段】脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質(ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)及びホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、UFリテンテート等)を添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質(ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)及びホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、UFリテンテート等)を添加する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全脂乳、脱脂乳、ホエー、バターミルク等の乳類の脱塩を促進する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
牛乳や乳製品は、カルシウムや良質のタンパク質を豊富に含有しており、優れた栄養食品であると共に各種加工食品の素材として有用である。栄養食品や加工食品の素材などとして用いる場合、ナトリウムやカリウム、塩素等の含量が低減されていることが望ましいため、従来、乳類の脱塩処理が行われてきた。
従来、乳類の脱塩処理に用いられている方法として、分子量分画が可能な限外ろ過(UF)膜と水だけを透過除去する逆浸透(RO)膜との中間的な分画性を有するナノろ過膜(以下、NF膜ということがある)を用い、乳類をそのまま脱塩するナノフィルトレーション(NF)法が知られている。また、NF膜でろ過して濃縮した乳に水を加え、さらにNF膜でろ過するダイヤフィルトレーション(DF)法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。NF膜を用いた処理方法は、容易にナトリウムやカリウムなどの1価ミネラルを低減することができると共に水分の除去を同時に行えるので、濃縮及び乾燥工程での負荷を低減できる、エネルギー的に非常に効率的な方法である。
なお、本発明者は、このようなNF膜の研究を行い、いくつかの報告を行っている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−266221号公報
【非特許文献1】
佐藤 幾郎,他2名,「脱脂乳のナノろ過における塩類の阻止率」,化学工学論文集,社団法人化学工学会,2001年11月,第26巻,第6号,p.816−822
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなNF膜を使用する方法においては、十分な脱塩効率が得られないと言う問題があった。
したがって、本発明の目的は、NF膜を使用する乳類の脱塩方法において、脱塩を促進して脱塩効率を向上させる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、脱塩の前に、乳類に対して予め、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加することにより、脱塩を促進することができることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、ナノろ過膜を使用する乳類の脱塩において、脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加することを特徴とする乳類の脱塩促進方法方法である。
本発明おいては、前記電解質として、ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、限外ろ過(UF)リテンテートからなる群から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において、百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
【0007】
本発明の方法では、まず、脱塩の前に、NF膜を透過しない電解質を乳類に添加する。
乳類としては、ウシ、ヒツジ、ヤギ等の全脂乳や脱脂乳、ホエー、バターミルク等が使用できる。これらの乳類は、液体の場合は、そのまま用いても、水又は温湯に分散し、溶解して用いてもよい。固体の場合は水又は温湯に分散し、溶解して用いる。
【0008】
NF膜とは、細孔径が0.5から2nmの範囲にあり、主として1価のイオンと水を透過する膜である。
NF膜としては、食塩阻止率が低くかつカルシウム及び乳糖阻止率が高い膜を選定して用いることが好ましく、Desal−5(Osmonics社製)、NF45(FilmTec社製)などの市販のNF膜が利用できる。
【0009】
電解質としては、NF膜を透過しないものであればよい。好ましく使用される電解質としては、ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、UFリテンテートが挙げられ、これらの電解質は単独で又は混合して用いることができる。なお、「UFリテンテート」とは、乳類を限外ろ過した際に膜を透過しなかった保持物である。
電解質の添加量としては、乳類の総固形分に対し、0.5〜1質量%程度添加することが好ましい。
【0010】
次いで、電解質を添加した乳類をNF膜でろ過し、脱塩する。
このとき、NF膜を透過しない電解質を含有しているため、乳類中に含まれている、NF膜を透過する塩(ナトリウム、カリウム、塩素等)の透過が促進される。
【0011】
これらの塩の透過が促進される理由としては、透析の分野でドナン排除効果として知られている機構が考えられる。すなわち、ある種のイオン(コロイドイオンなど)を通さない半透膜を隔てた電解質溶液間には、膜平衡が成り立つ。たとえば半透膜の一方に高分子電解質(負の固定電荷をもち、Na+を対イオンとする)のNaCl水溶液(液相I)、他方にNaCl水溶液(液相II)があり、膜はNa+、Cl−を自由に通すが高分子電解質のイオンを通さないとき、平衡において、
(aNa+ I×aCl− I)/(aW I)r=(aNa+ II×aCl− II)/(aW II)r
の関係が成り立つ。これを膜平衡式といい、式中、aNa+、aCl−、aWはそれぞれNa+、Cl−、水の活量、r=VNaCl/Vw(NaClと水のモル体積の比)で、添字I、IIはそれぞれの液相を示す。電気的中性の条件から、液相Iではコロイドイオンと同じ符号の電荷をもつCl−の濃度が低くなる。これをドナン排除という。
【0012】
このようにしてNF膜で濾過して脱塩した後、NF膜により濃縮された乳類に水を添加し、さらにNF膜でろ過するいわゆるDF法を行うことにより、ナトリウムやカリウム等の塩類濃度を調製してもよい。
【0013】
上述のようにして得られた脱塩乳は、ナトリウム、カリウム、塩素等の塩が低減されているので、栄養食品や加工食品の素材として、ゼリー、プリン、アイスクリーム、ヨーグルト、ジュース、乳飲料、加工乳、コーヒー、スポーツドリンク、スープ、焼成食品、粉乳、育児用調製粉乳、及び流動食等の広範な種々の食品に好適に利用される。
【0014】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
脱脂乳(タンパク質3.04%、脂質0.07%、糖質4.68%、灰分0.7%、ナトリウム40.4mg/100g、カリウム137mg/100g、塩素95.4mg/100g)99kgに、脱塩ホエー粉(タンパク質12.2%、脂質1.7%、糖質78.3%、灰分4.6%、ナトリウム324mg/100g、カリウム1150mg/100g、塩素320mg/100g)1kgを溶解し、NF膜(Desal−5、Osmonics社製)でろ過して、初期容積の1/2まで濃縮した。
得られた濃縮乳の組成は、タンパク質6.3%、脂質0.17%、糖質10.8%、灰分1.1%、ナトリウム57.5mg/100g、カリウム201mg/100g、塩素75.4mg/100gであった。
【0015】
比較例として、脱塩ホエー粉を添加せずに、同じ脱脂乳を同じNF膜で初期容積の1/2まで濃縮した。得られた濃縮乳の組成は、タンパク質6.1%、脂質0.15%、糖質9.4%、灰分1.1%、ナトリウム59.8mg/100g、カリウム206mg/100g、塩素82.7mg/100gであった。
【0016】
したがって、脱塩ホエー粉を添加した場合のほうが、得られた濃縮乳のナトリウム、カリウム、塩素含量が低減されていた。
【0017】
〔実施例2〕
チーズホエー(タンパク質0.93%、脂質0.085%、糖質4.62%、灰分0.45%、ナトリウム38mg/100g、カリウム149mg/100g、塩素105mg/100g)99.5kgに、WPI(タンパク質91.9%、脂質0.5%、糖質0%、灰分2.3%、ナトリウム740mg/100g、カリウム32mg/100g、塩素125mg/100g)0.5kgを溶し、NF膜(Desal−5、Osmonics社製)でろ過して、初期容積の1/2まで濃縮した。
得られた濃縮液の組成は、タンパク質2.66%、脂質0.17%、糖質9.2%、灰分0.99%、ナトリウム48mg/100g、カリウム190mg/100g、塩素78mg/100gであった。
【0018】
比較例として、WPIを添加せずに、同じチーズホエーを同じNF膜で初期容積の1/2まで濃縮した。得られた濃縮液の組成は、タンパク質1.85%、脂質0.17%、糖質9.2%、灰分0.9%、ナトリウム51mg/100g、カリウム205mg/100g、塩素87mg/100gであった。
【0019】
したがって、WPIを添加した場合のほうが、得られた濃縮液のナトリウム、カリウム、塩素含量が低減されていた。
【0020】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明は、NF膜を使用する乳類の脱塩方法において、脱塩を促進して脱塩効率を向上させる方法に関するものであり、脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加する本発明の方法により、乳類の脱塩効率を改善することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、全脂乳、脱脂乳、ホエー、バターミルク等の乳類の脱塩を促進する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
牛乳や乳製品は、カルシウムや良質のタンパク質を豊富に含有しており、優れた栄養食品であると共に各種加工食品の素材として有用である。栄養食品や加工食品の素材などとして用いる場合、ナトリウムやカリウム、塩素等の含量が低減されていることが望ましいため、従来、乳類の脱塩処理が行われてきた。
従来、乳類の脱塩処理に用いられている方法として、分子量分画が可能な限外ろ過(UF)膜と水だけを透過除去する逆浸透(RO)膜との中間的な分画性を有するナノろ過膜(以下、NF膜ということがある)を用い、乳類をそのまま脱塩するナノフィルトレーション(NF)法が知られている。また、NF膜でろ過して濃縮した乳に水を加え、さらにNF膜でろ過するダイヤフィルトレーション(DF)法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。NF膜を用いた処理方法は、容易にナトリウムやカリウムなどの1価ミネラルを低減することができると共に水分の除去を同時に行えるので、濃縮及び乾燥工程での負荷を低減できる、エネルギー的に非常に効率的な方法である。
なお、本発明者は、このようなNF膜の研究を行い、いくつかの報告を行っている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−266221号公報
【非特許文献1】
佐藤 幾郎,他2名,「脱脂乳のナノろ過における塩類の阻止率」,化学工学論文集,社団法人化学工学会,2001年11月,第26巻,第6号,p.816−822
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなNF膜を使用する方法においては、十分な脱塩効率が得られないと言う問題があった。
したがって、本発明の目的は、NF膜を使用する乳類の脱塩方法において、脱塩を促進して脱塩効率を向上させる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、脱塩の前に、乳類に対して予め、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加することにより、脱塩を促進することができることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、ナノろ過膜を使用する乳類の脱塩において、脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加することを特徴とする乳類の脱塩促進方法方法である。
本発明おいては、前記電解質として、ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、限外ろ過(UF)リテンテートからなる群から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において、百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
【0007】
本発明の方法では、まず、脱塩の前に、NF膜を透過しない電解質を乳類に添加する。
乳類としては、ウシ、ヒツジ、ヤギ等の全脂乳や脱脂乳、ホエー、バターミルク等が使用できる。これらの乳類は、液体の場合は、そのまま用いても、水又は温湯に分散し、溶解して用いてもよい。固体の場合は水又は温湯に分散し、溶解して用いる。
【0008】
NF膜とは、細孔径が0.5から2nmの範囲にあり、主として1価のイオンと水を透過する膜である。
NF膜としては、食塩阻止率が低くかつカルシウム及び乳糖阻止率が高い膜を選定して用いることが好ましく、Desal−5(Osmonics社製)、NF45(FilmTec社製)などの市販のNF膜が利用できる。
【0009】
電解質としては、NF膜を透過しないものであればよい。好ましく使用される電解質としては、ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、UFリテンテートが挙げられ、これらの電解質は単独で又は混合して用いることができる。なお、「UFリテンテート」とは、乳類を限外ろ過した際に膜を透過しなかった保持物である。
電解質の添加量としては、乳類の総固形分に対し、0.5〜1質量%程度添加することが好ましい。
【0010】
次いで、電解質を添加した乳類をNF膜でろ過し、脱塩する。
このとき、NF膜を透過しない電解質を含有しているため、乳類中に含まれている、NF膜を透過する塩(ナトリウム、カリウム、塩素等)の透過が促進される。
【0011】
これらの塩の透過が促進される理由としては、透析の分野でドナン排除効果として知られている機構が考えられる。すなわち、ある種のイオン(コロイドイオンなど)を通さない半透膜を隔てた電解質溶液間には、膜平衡が成り立つ。たとえば半透膜の一方に高分子電解質(負の固定電荷をもち、Na+を対イオンとする)のNaCl水溶液(液相I)、他方にNaCl水溶液(液相II)があり、膜はNa+、Cl−を自由に通すが高分子電解質のイオンを通さないとき、平衡において、
(aNa+ I×aCl− I)/(aW I)r=(aNa+ II×aCl− II)/(aW II)r
の関係が成り立つ。これを膜平衡式といい、式中、aNa+、aCl−、aWはそれぞれNa+、Cl−、水の活量、r=VNaCl/Vw(NaClと水のモル体積の比)で、添字I、IIはそれぞれの液相を示す。電気的中性の条件から、液相Iではコロイドイオンと同じ符号の電荷をもつCl−の濃度が低くなる。これをドナン排除という。
【0012】
このようにしてNF膜で濾過して脱塩した後、NF膜により濃縮された乳類に水を添加し、さらにNF膜でろ過するいわゆるDF法を行うことにより、ナトリウムやカリウム等の塩類濃度を調製してもよい。
【0013】
上述のようにして得られた脱塩乳は、ナトリウム、カリウム、塩素等の塩が低減されているので、栄養食品や加工食品の素材として、ゼリー、プリン、アイスクリーム、ヨーグルト、ジュース、乳飲料、加工乳、コーヒー、スポーツドリンク、スープ、焼成食品、粉乳、育児用調製粉乳、及び流動食等の広範な種々の食品に好適に利用される。
【0014】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
脱脂乳(タンパク質3.04%、脂質0.07%、糖質4.68%、灰分0.7%、ナトリウム40.4mg/100g、カリウム137mg/100g、塩素95.4mg/100g)99kgに、脱塩ホエー粉(タンパク質12.2%、脂質1.7%、糖質78.3%、灰分4.6%、ナトリウム324mg/100g、カリウム1150mg/100g、塩素320mg/100g)1kgを溶解し、NF膜(Desal−5、Osmonics社製)でろ過して、初期容積の1/2まで濃縮した。
得られた濃縮乳の組成は、タンパク質6.3%、脂質0.17%、糖質10.8%、灰分1.1%、ナトリウム57.5mg/100g、カリウム201mg/100g、塩素75.4mg/100gであった。
【0015】
比較例として、脱塩ホエー粉を添加せずに、同じ脱脂乳を同じNF膜で初期容積の1/2まで濃縮した。得られた濃縮乳の組成は、タンパク質6.1%、脂質0.15%、糖質9.4%、灰分1.1%、ナトリウム59.8mg/100g、カリウム206mg/100g、塩素82.7mg/100gであった。
【0016】
したがって、脱塩ホエー粉を添加した場合のほうが、得られた濃縮乳のナトリウム、カリウム、塩素含量が低減されていた。
【0017】
〔実施例2〕
チーズホエー(タンパク質0.93%、脂質0.085%、糖質4.62%、灰分0.45%、ナトリウム38mg/100g、カリウム149mg/100g、塩素105mg/100g)99.5kgに、WPI(タンパク質91.9%、脂質0.5%、糖質0%、灰分2.3%、ナトリウム740mg/100g、カリウム32mg/100g、塩素125mg/100g)0.5kgを溶し、NF膜(Desal−5、Osmonics社製)でろ過して、初期容積の1/2まで濃縮した。
得られた濃縮液の組成は、タンパク質2.66%、脂質0.17%、糖質9.2%、灰分0.99%、ナトリウム48mg/100g、カリウム190mg/100g、塩素78mg/100gであった。
【0018】
比較例として、WPIを添加せずに、同じチーズホエーを同じNF膜で初期容積の1/2まで濃縮した。得られた濃縮液の組成は、タンパク質1.85%、脂質0.17%、糖質9.2%、灰分0.9%、ナトリウム51mg/100g、カリウム205mg/100g、塩素87mg/100gであった。
【0019】
したがって、WPIを添加した場合のほうが、得られた濃縮液のナトリウム、カリウム、塩素含量が低減されていた。
【0020】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明は、NF膜を使用する乳類の脱塩方法において、脱塩を促進して脱塩効率を向上させる方法に関するものであり、脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加する本発明の方法により、乳類の脱塩効率を改善することができる。
Claims (2)
- ナノろ過膜を使用する乳類の脱塩において、脱塩の前に、乳類に対し、ナノろ過膜を透過しない電解質を添加することを特徴とする乳類の脱塩促進方法。
- 前記電解質として、ミルクカゼイン、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、脱塩ホエー粉、クエン酸、限外ろ過(UF)リテンテートからなる群から選択される少なくとも1つを用いる請求項1記載の乳類の脱塩促進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002351211A JP2004180580A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 乳類の脱塩促進方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002351211A JP2004180580A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 乳類の脱塩促進方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004180580A true JP2004180580A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32753184
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002351211A Withdrawn JP2004180580A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 乳類の脱塩促進方法 |
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---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002351211A patent/JP2004180580A/ja not_active Withdrawn
Cited By (20)
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