JP6508809B2 - 成分調整乳の製造方法 - Google Patents

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本発明は成分調整乳およびその製造方法に関する。
慢性腎臓病患者ではタンパク質やリンの摂取制限が行われている。
タンパク質の摂取について、慢性腎臓病患者では、これを過剰摂取すると末期腎不全のリスクを上げる一方、人体に必要な栄養素でもあるため、慢性腎臓病の進行ステージ毎にタンパク質摂取量の基準が設定されている。
基準ではステージ4の患者では0.6−0.8(g/kg体重/日)、透析患者では0.9−1.2(g/kg体重/日)が基準とされている。基準の範囲内でタンパク質を摂取する場合、肉や牛乳などアミノ酸スコアおよび消化吸収率の高い動物性タンパク質の摂取が有利であるとされている。
リンの摂取について、慢性腎臓病患者では、過剰摂取によって血清中のリン含有量が上昇し、腎機能低下や、心血管疾患等につながるため、全ての慢性腎臓病進行ステージで血清中のリン含有量が上がらないように、リンの摂取を制限をすることが重要とされている。リン摂取制限については、透析の必要な腎臓病患者において、リン摂取量(mg/日)がタンパク質(g)×15以下が基準とされている(非特許文献1)。
カルシウムの摂取について、慢性腎臓病患者でも、日本人の必要カルシウム量である600mg/日まで補う方針であることが示されている(非特許文献2)。
上記のように、慢性腎臓病患者にとって、カルシウムの摂取は必要であり、リンやタンパク質は摂取の制限が必要である。
脱脂乳など牛乳は動物性の良質なタンパク質源(非特許文献3)であることに加え、カルシウムを多く含む食品である一方、リンを多く含むので、慢性腎臓病患者にとっては注意が必要な食品とされている(非特許文献4)。
特許文献1は低リンホエイの製造方法に関するものであり、原料であるホエイ液をナノろ過法で脱塩処理して得られる低塩素ホエイ液を、塩素イオン型陰イオン交換樹脂に通液させる方法が記載されている。
特許文献2はリン含有量の低い牛乳の製造方法に関するものであり、牛乳に乳酸を加えてpH5.5にしたものをOH型の弱塩基性イオン交換樹脂に通液した実施例が記載されている。
特許文献3はリン酸およびカルシウム含量を減少させた脱脂乳の製造方法に関するものであり、脱脂乳にクエン酸を加えてpH5.5に酸性化した後、OH型の弱塩基性イオン交換樹脂に通液し、さらにクエン酸を加えて中和した実施例が記載されている。この方法では、リン酸塩イオンとカルシウムイオンが陰イオン交換樹脂上に保留されて除去されることが記載されている。
国際公開第2011/037155号 特開昭48−33061号公報 特開昭60−256342号公報
「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」日腎会誌,第56巻(5),第553−597頁,(2014) 「腎疾患患者の生活指導・食事療法に関するガイドライン」日腎会誌,第39巻(1),第1−37頁,(1997) Gertjan Schaafsma,"The protein digestibility-corrected amino acid score" The journal of nutrition, vol.130,p.1865S−1867S(2000) 「CKD診療ガイド2012」日腎会誌,第54巻(8),第1031−1189頁,(2012)
本発明者等は、良質なタンパク質源であり、カルシウム(Ca)を多く含み、ホエイよりも風味が良い無脂肪牛乳(脱脂乳)に着目した。そして無脂肪牛乳(脱脂乳)のリン(P)の含有量を低下させて、Ca/P比を高くした成分調整乳を製造できれば、慢性腎臓病患者がリンの摂取量を抑えながらタンパク質およびカルシウムを摂取するのに好適な食品を提供できると考えた。
しかしながら、特許文献3に記載されている方法は、脱脂乳中のリンだけでなく、カルシウムも低減する方法であるためCa/P比を高くできない。
また本発明者等の知見によれば、特許文献1、2に記載されている方法で無脂肪牛乳(脱脂乳)を処理しても、Ca/P比を十分に高くすることは難しい。
本発明は、乳脂肪含有量が無脂肪牛乳(脱脂乳)と同程度であり、リン含有量が少なく、Ca/P比が高い成分調整乳、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本技術における参考の態様は、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/Pが1.5以上である、成分調整乳である
本技術は、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/P比が1.5以上である成分調整乳を製造する方法であって、乳固形分を含み、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、かつ固形分濃度が1〜25質量%である原料液に塩酸を加えて第1の処理液を得る第1の工程と、前記第1の処理液をナノろ過膜で処理し、ろ過膜を透過しない保持液として、塩素イオン濃度が全固形分100gあたり8mmol以下であり、かつ全固形分100g当たりのカルシウム含有量が、原料液における全固形分100g当たりのカルシウム含有量の85〜95モル%である第2の処理液を得る第2の工程と、前記第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させて、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつCa/Pが1.5以上である第3の処理液を得る第3の工程を有する、成分調整乳の製造方法を提供する。
前記第1の処理液の25℃におけるpHが5.5〜6であることが好ましい。

本発明によれば、乳脂肪含有量が無脂肪牛乳(脱脂乳)と同程度であり、リン含有量が少なく、Ca/P比が高い、成分調整乳が得られる。
<測定方法>
本発明において以下の測定方法が用いられる。
(1)全固形分量S[単位:g/100g]の測定方法
乾燥減量法により、水分[単位:g/100g]を測定した後、「100g−水分[g/100g]」として全固形分量が算出される。
本方法で得られる全固形分量Sは被測定試料100g当たりの全固形分量であり、固形分濃度[単位:質量%]と等しい。
(2)質量基準のミネラル含有量A[単位:mg/100g]の測定方法
質量基準のカルシウム(Ca)含有量、リン(P)含有量、ナトリウム(Na)含有量、カリウム(K)含有量は、ICP法(高周波誘導結合プラズマ法)により測定される。
(3)質量基準の塩素イオン含有量B[単位:mg/100g]の測定方法
質量基準の塩素(Cl)イオン含有量は電位差滴定法により測定される。
(4)全固形分100g当たりの、質量基準の各ミネラル含有量M[単位:mg/100g固形分]の測定方法
上記(2)の方法で得られるミネラル含有量Aまたは(3)の方法で得られる塩素イオン含有量Bと、(1)の方法で得られる全固形分量Sより以下の式で算出される。
ミネラル含有量M[mg/100g固形分]=(AまたはB[mg/100g])/S[g/100g]×100
(5)全固形分100g当たりの、モル基準の各ミネラル含有量[単位:mmol/100g固形分]の測定方法
上記(4)で求めたミネラル含有量M[単位:mg/100g固形分]と、ミネラルの原子量(Na:22.99、K:39.10、Ca:40.08、P:30.97、Cl:35.45[mg/mmol]より以下の式で算出される。
ミネラル含有量[mmol/100g固形分]=M[mg/100g固形分]/原子量[mg/mmol]
(6)脂肪含有量F[単位:mg/100g]の測定方法
脂肪含有量は、ゲルベル法又はレーゼゴットリーブ法により測定される。
(7)全固形分100g当たりの脂肪含有量[単位:mg/100g固形分]の測定方法
全固形分100g当たりの脂肪含有量は、(6)の方法で得られる脂肪含有量Fと、(1)の方法で得られる全固形分量Sより以下の式で算出される。
脂肪含有量[mg/100g固形分]=F[mg/100g]/S[g/100g]×100
<成分調整乳>
本発明の成分調整乳は、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/P比が1.5以上である。
乳脂肪とは乳由来の脂肪である。本発明の成分調整乳は、乳由来の固形分(乳固形分)以外の固形分をほとんど含まない。本発明において、成分調整乳中の全固形分のうち、乳固形分以外の固形分の含有量は2質量%以下である。
全固形分100g当たり5.9g以下の脂肪含有量は、乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)で規定されている「無脂肪牛乳」と同等の脂肪含有量である。
リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下と少なく、かつリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/P比が1.5以上と高い成分調整乳は、リンの摂取が制限される患者が、リンの摂取量を抑えながら、乳由来のタンパク質およびカルシウムを摂取する食品または原料として有用である。
例えば、プリン、乳飲料、調製粉乳、又はアイスクリーム類の原料として用いることができる。
本発明の成分調整乳のナトリウム含有量は全固形分100g当たり1〜10mmolが好ましく、1〜6mmolがより好ましい。カリウム含有量は全固形分100g当たり2〜20mmolが好ましく、2〜15mmolがより好ましく、2〜10mmolがさらに好ましい。
本発明の成分調整乳の形態は特に限定されず、任意の固形分濃度の液状であってもよく、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥工程を経た粉末状であってもよい。
<成分調整乳の製造方法>
本発明の成分調整乳は、乳固形分を含む原料液から下記の第1の工程、第2の工程および第3の工程を経て製造される。
[原料液]
本発明では、乳固形分を含み、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、かつ固形分濃度が1〜25質量%である原料液を使用する。原料液は、乳固形分以外の固形分を含まない。
原料液としては、無脂肪牛乳(脱脂乳)、無脂肪牛乳を水で希釈した液、無脂肪牛乳を濃縮した液、または無脂肪牛乳の乾燥粉末(脱脂粉乳)を水に溶解した水溶液(還元液)が好ましい。
原料液の固形分濃度が1〜25質量%であると、第2の工程において処理し易い。
原料液のpHは6〜7が好ましく、6.4〜6.8がより好ましい。無脂肪牛乳(脱脂乳)のpHは6.4〜6.8程度である。
本明細書および特許請求の範囲におけるpHの値は25℃での値である
[第1の工程]
まず、原料液に塩酸を加えて第1の処理液を得る。乳固形分を含む原料液に酸を加えてpHがある程度下がると、凝固物(カード)が生じる。
本工程では凝固物(カード)を生じさせることなく、できるだけ多く塩酸を添加することが好ましい。本工程における塩酸の添加量が多いほど、第3の工程で得られる第3の処理液のCa/P比がより高くなりやすい。
原料液に添加する塩酸は、濃度が0.5〜4質量%(約0.14N〜約1.1N)程度の水溶液であることが好ましい。塩酸の濃度が低いほど、添加時に凝固物(カード)が生じ難いが、添加に時間がかかる。
塩酸の添加量は、第1の処理液のpHが5.5〜6の範囲内となるように設定することが好ましい。第1の処理液のpHが上記範囲の上限値以下であると第3の工程で得られる第3の処理液のCa/P比がより高くなりやすい。下限値以上であると、凝固物(カード)が生じにくい。
[第2の工程]
次に、第1の処理液をナノろ過膜で処理して第2の処理液を得る第2の工程を行う。
本工程は、ろ過膜を透過した透過液と透過しない保持液とに分離する工程であり、ろ過膜を透過しない保持液を第2の処理液として得る。
ナノろ過膜での処理条件としては、処理液の腐敗防止の観点から、処理液の温度が10℃以下に保たれる条件でろ過を実施することが好ましい。
ナノろ過(NF)膜とは、限外ろ過(UF)膜と逆浸透(RO)膜の中間領域である分子量数十から千ダルトン、すなわち、分子の大きさに換算するとナノメートルの領域を分画対象とした分離膜である。無機質、糖質、アミノ酸、ビタミンなどのうち、分子量が小さく、荷電の低い粒子はナノろ過膜を透過する。
具体的なナノろ過膜としては、GE Water Technologies社製のDL、DK、HLシリーズ、Koch Membrane System社製のSR−3シリーズ、Dow Chemical社製のDOW−NFシリーズ、日東電工社製のNTRシリーズ(いずれも製品名)などを例示することができるが、これらに限られるものではない。
ナノろ過装置は公知のものを適宜選択して用いることができる。
例えば、ナノろ過膜を備えた膜モジュールと、膜モジュールに第1の処理液を送る供給ポンプと、ナノろ過膜を透過した透過液を膜モジュールから取り出す手段と、ナノろ過膜を透過しなかった保持液(第2の処理液)を膜モジュールから取り出す手段と、を備えている。
回分式の装置はさらに膜モジュールに供給される前の第1の処理液を保持する原液タンクと、膜モジュールから取り出した保持液を原液タンクに戻す手段と、を備えている。
膜分離操作は公知の方法を適宜用いて行うことができる。
例えば、透過液を取り出し、保持液を原液タンクに戻す工程のほかに、取り出した透過液と同量の水とを原液タンクに加えるダイアフィルトレーション(加水透析ろ過)を行う方法が好ましい。
ナノろ過膜処理では、1価のイオンが選択的にナノろ過膜を透過して除去される。すなわち、原料液中の、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)がナノろ過膜を透過して透過液側へ移動する。
一方、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の2価のミネラルの陽イオンがナノろ過膜を透過する量は少ないが、後述の実施例にも示されるように、第2の処理液は原料液に比べてカルシウム含有量がわずかに減少する。
ナノろ過膜処理に供される第1の処理液の固形分濃度は、高すぎるとナノろ過膜にファウリングが生じるために膜機能が低下する恐れがあり、低すぎると膜処理に時間を要するので、これらの不都合が生じない範囲に設定することが好ましい。例えば、3〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
本工程では、第2の工程において保持液として得られる第2の処理液の塩素イオン含有量が、全固形分100g当たり8mmol以下に低減されるように、ナノろ過膜処理を行う。また、第2の処理液中の全固形分100g当たりのカルシウム含有量が、原料液における全固形分100g当たりのカルシウム含有量の85〜95質量%に維持されるように行う。
例えば、保持液を原液タンクに戻す方法において、処理時間が長くなるほど塩素イオン含有量およびカルシウム含有量が低下する。また処理が進むほど該含有量は低下しにくくなる。
第2の処理液の塩素イオン含有量は、全固形分100g当たり8mmol以下であり、7mmol以下が好ましく、5mmol以下がより好ましい。該塩素イオン含有量が上記の上限値以下であると、第3の工程で得られる第3の処理液のCa/P比が充分に高くなる。
第2の処理液の塩素イオン含有量の下限値は特に制限されないが、処理効率の点で、またカルシウム含有量が低くなりすぎない点で、全固形分100g当たり3mmol以上が実用的である。
[第3の工程]
次に、第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させて、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつCa/Pが1.5以上である第3の処理液を得る第3の工程を行う。
塩素イオン型陰イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂を、予め食塩水、塩酸などを用いて塩素イオン型にしたものを用いる。陰イオン交換樹脂の例としては、ダウケミカル社製IRA402BL、IRA958、三菱化学社製PA316(いずれも製品名)などを例示することができるが、これらに限られるものではない。
塩素イオン型陰イオン交換樹脂に通液させる第2の処理液の固形分濃度は、低すぎると処理時間を要し、高すぎると粘度の上昇や乳糖の析出が生じる恐れがあり樹脂通液が困難となるので、これらの不都合が生じない範囲に設定することが好ましい。例えば、第2の処理液の固形分濃度が1〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
必要に応じて第2の工程で得られた第2の処理液を、水で希釈して塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させてもよい。
本明細書において、塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させる第2の処理液は、第2の工程で得られた保持液中の全固形分を保持している液を意味し、該保持液そのものの他に、該保持液を水で希釈した希釈液、または該保持液の水分の一部を濃縮した濃縮液を含む概念である。
第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させることにより、液中のリン酸イオンの含有量が低下する。2価のミネラルの陽イオンの含有量は、塩素イオン型陰イオン交換樹脂との接触によってわずかしか減少しない。したがって、第2の処理液に含まれているカルシウム含有量の低減を抑えつつ、リン含有量を低減させることができる。
本工程は、第3の処理液におけるリン含有量が、全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつ第3の処理液におけるリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/Pが1.5以上となるように行う。
第3の処理液におけるリン含有量は全固形分100g当たり20mmol以下であり、19mmol以下が好ましく、18mmol以下がより好ましい。該リン含有量の下限値は特に限定されないが、処理効率の点からは15mmol以上が好ましく、16mmol以上がより好ましい。
本発明において、第3の処理液中のカルシウムの全部が、原料液のカルシウムに由来するものであり、途中でカルシウムを増加させる工程は行わない。
第3の処理液中の全固形分100g当たりのカルシウム含有量の、原料中の全固形分100g当たりのカルシウム含有量に対する割合は85質量%以上が好ましく、87質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。該割合は高い方が好ましいが、現実的には95質量%以下である。
第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に通液させる際の処理条件によって、第3の処理液におけるリン含有量およびCa/Pの値が変化する。
例えば、イオン交換樹脂の交換能が一定であり、イオン交換樹脂に通液させる液の流速が一定である場合、該イオン交換樹脂に通液した固形分量が少ないほど、イオン交換効率が高くなり、通液によるリン含有量の低減量は多くなる。
例えば、使用する塩素イオン型陰イオン交換樹脂の、イオン交換能1.25当量に相当する体積をX(単位:リットル)、該塩素イオン型陰イオン交換樹脂に通液させた第2の処理液中の固形分量をY(単位:kg)とするとき、前記流速が一定である場合には、Y/Xで表わされる樹脂通液固形倍率を小さくすることにより、流出液中のリン含有量を低減させることができる。
該樹脂通液固形倍率(Y/X)が小さいほど、リン含有量が低い流出液を得ることができる。一方、処理効率を高める点では、該樹脂通液固形倍率(Y/X)が大きい方が好ましい。
該樹脂通液固形倍率(Y/X)は、例えば0.2〜1.5が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
また、該樹脂通液固形倍率(Y/X)が一定である場合には、前記流速を小さく(遅く)することにより、流出液中のリン含有量を低減させることができる。
第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に通液させる際の流速は、小さすぎると通液に時間がかかって効率が悪くなり、大きすぎると圧力損失が高くなりすぎるため、これらの不都合が生じない範囲に設定することが好ましい。使用する塩素イオン型陰イオン交換樹脂の推奨流速の範囲内とすることができる。
空間流速(SV)は、例えば2〜12hr−1が好ましく、3〜10hr−1がより好ましく、3〜8hr−1が特に好ましい。空間流速(SV)とは、単位時間当たりに通液した液の、イオン交換樹脂量に対する相対量(単位時間あたりに通液した液がろ過層に接触する時間の逆数)を表し、1時間にイオン交換樹脂体積と同体積の処理液を通液した場合の流速を1hr−1とする。
<後処理>
こうして得られる第3の処理液(流出液)をそのままの状態で液状の成分調整乳として用いてもよく、必要に応じて、公知の方法で後処理を1以上施してもよい。
該後処理は、液中のリンの含有量を増加させない処理であることが好ましい。また液中のカルシウム含有量を低減させない処理であることが好ましい。さらに、第3の処理液の熱安定性を向上させるための処理を追加して行っても良い。
例えば、第3の処理液を濃縮することにより濃縮液状の成分調整乳を得ることができる。また得られた第3の処理液を必要に応じて濃縮した後、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥工程を経て、粉末状の成分調整乳としてもよい。成分調整乳は他製品の原料として用いることが可能である。
さらに第3の処理液(流出液)をナノろ過膜で処理する工程を設けると、Ca/Pの値をほぼ一定に保ちつつ、第3の処理液中のナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)を低減させることができる。これにより、Ca/Pの値が高く、かつナトリウムおよびカリウムの含有量も低い、低塩の成分調整乳が得られる。
慢性腎臓病患者にあっては、タンパク質やリンに加えて、ナトリウム(食塩)およびカリウムについても摂取制限が行われる場合があり、低塩の成分調整乳は望ましい。
例えば、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、Ca/Pが1.5以上であるとともに、ナトリウム含有量が全固形分100g当たり6mmol以下、カリウム含有量が全固形分100g当たり10mmol以下に低減された低塩の成分調整乳を得ることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例では以下を用いた。
原料液:脱脂粉乳(乳脂肪含有量0.7g/100g固形分)を、固形分濃度が10質量%となるように水(25℃)に溶解させた脱脂乳水溶液。pHは約6.7、カルシウム含有量は約32mmol/100g固形分、リン含有量は約35mmol/100g固形分、塩素イオン含有量は約31mmol/100g固形分である(脱脂粉乳の組成には多少ばらつきがある。)
塩酸水溶液:塩酸濃度が2質量%となるように水で希釈した水溶液。
クエン酸水溶液:クエン酸濃度が2質量%となるように水で希釈した水溶液。
乳酸水溶液:乳酸濃度が2質量%となるように水で希釈した水溶液。
ナノろ過膜:NTR7450HG−S2F(製品名)、日東電工株式会社製。0.2質量%塩化ナトリウム溶液に対する阻止率が40%以上。
塩素イオン型(Cl型)陰イオン交換樹脂:IRA402BL(製品名)、ダウケミカル社製。
OH型陰イオン交換樹脂:IRA96SB(製品名)、ダウケミカル社製。
[実施例1]
(第1の工程)
原料液である脱脂乳水溶液に、撹拌しながら塩酸水溶液を加えた後、10℃に冷却して第1の処理液とした。第1の処理液のpHを表1に示す(以下、同様)。
(第2の工程)
第1の処理液をナノろ過膜で処理した。すなわち、ナノろ過膜を透過しなかった保持液を原液タンクに戻しながら、かつ膜を透過して透過液量に等しい水量を原液タンクに加水することで原液タンク内の液量を一定に保つダイアフィルトレーション(加水透析ろ過)方式で、ナノろ過膜処理を行った。保持液中の塩素イオン含有量をモニターしながら、5mmol/100g固形分(目標値)以下となるまで処理した。
こうして得られた保持液を第2の処理液とする。第2の処理液の塩素イオン含有量と、原料液における全固形分100g当たりのカルシウム含有量に対する第2の処理液中の全固形分100g当たりのカルシウム含有量の割合(Ca/原料液のCa、単位:モル%)を表1に示す(以下、同様)。なお僅かであるが、ナノろ過膜を透過した固形分量に応じて、原料液における全固形分よりも第2の処理液中の全固形分は減少している。
(第3の工程)
第2の処理液を塩素イオン型(Cl型)陰イオン交換樹脂に接触させて、リン含有量が低減された第3の処理液を得る。
すなわち、第2の処理液の固形分濃度が5質量%となるように水を加えた希釈液400gを、塩素イオン型陰イオン交換樹脂20ミリリットルが充填されたカラムに、空間速度(SV)が7hr−1、液温が5〜10℃の条件で、樹脂通液固形倍率が1倍となるまで通液して、成分調整乳(第3の処理液)を得た。
第3の処理液における各ミネラル(Ca、P、Na、K)含有量を測定し、Ca/P比を算出した。また各ミネラル(Ca、P、Na、K)について、原料液中の全固形分100g当たりの含有量に対する、第3の処理液中での全固形分100g当たりの含有量のモル比(Ca/原料液のCa、P/原料液のP、Na/原料液のNa、K/原料液のK)を求めた。これらを表1に示す(以下、同様)。
[実施例2、実施例3]
実施例1において、製造条件を表1に示す通りに変更した他は、実施例1と同様にして成分調整乳(第3の処理液)を得た。
実施例2は、第2の工程において、保持液中の塩素イオン含有量が8mmol/100g固形分(目標値)以下となるまで、実施例1と同条件でナノろ過膜処理を行った。
実施例3は、第1の工程において第1の処理液のpHが5.8となるように塩酸水溶液を添加した。また第2の工程において、保持液中の塩素イオン含有量が8mmol/100g固形分(目標値)以下となるまで、実施例1と同条件でナノろ過膜処理を行った。
[比較例1]
本例では、第1の工程を行わずに第2、第3の工程を行った。
すなわち、特許文献1に記載されている手順で原料液を処理した。特許文献1の実施例において、ナノろ過膜処理して得られる処理液の塩素イオン含有量が全固形分100g当たり11.6〜15.6mmolであることから、本例における第2の処理液の塩素イオン含有量の目標値を11mmol/100g固形分とした。
まず、実施例1と同じ原料液(10℃、pH6.7)を、保持液中の塩素イオン含有量が11mmol/100g固形分(目標値)以下となるまで、実施例1と同条件でナノろ過膜処理を行って第2の処理液を得た。
その後、実施例1と同様に第3の工程を行って第3の処理液を得た。
[比較例2]
本例では、第1の工程の後、第2の工程を行わずに第3の工程を行った。
すなわち、実施例1と同様にして第1の工程を行い、得られた第1の処理液を、実施例1と同様にして塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させて、第3の処理液を得た。
[比較例3]
本例では、第1の工程及び第2の工程を行わずに、第3の工程を行った。
すなわち、実施例1と同じ原料液(10℃、pH6.7)を、実施例1と同様にして塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させて、第3の処理液を得た。
[比較例4]
実施例1において、第1の工程で用いた塩酸水溶液をクエン酸水溶液に代えた他は、実施例1と同様にして第3の処理液を得た。
第2の処理液の塩素イオン含有量の目標値も、実施例1と同じ5mmol/100g固形分とした。
[比較例5]
本例は、特許文献2の実施例に記載されている手順で原料液を処理した例である。
実施例1と同じ原料液(25℃)に、撹拌しながら乳酸水溶液を加え、10℃に冷却し、固形分濃度が5質量%となるように水を加えた希釈液400gを、OH型陰イオン交換樹脂20ミリリットルが充填されたカラムに、空間速度(SV)が7hr−1、液温が5〜10℃の条件で、樹脂通液固形倍率が1倍となるまで通液して、第3の処理液を得た。
Figure 0006508809
表1の結果より、本発明の方法で処理を行った実施例1〜3では、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下と少なく、かつCa/P比が1.5以上と高い成分調整乳(第3の処理液)が得られた。成分調整乳の乳脂肪含有量は原料液の乳脂肪含有量とほぼ等しいものであった。
特に実施例1と実施例2を比べると、第2の処理液における塩素イオン含有量が少ない実施例1の方が、成分調整乳(第3の処理液)のCa/P比が高いという結果が得られた。
また、実施例2と実施例3を比べると、第1の処理液におけるpHが低い実施例2の方が、成分調整乳(第3の処理液)のCa/P比が高いという結果が得られた。
第1の工程を行わなかった比較例1、第2の工程を行なわなかった比較例2、第1および第2の工程を行なわなかった比較例3はいずれも、第3の処理液における「Ca/原料液のCa」はほぼ1であったが、実施例1〜3に比べて「P/原料液のP」が大きく、その結果Ca/P比が低かった。
第1の工程において塩酸の代わりにクエン酸を用いた比較例4は、「Ca/原料液のCa」は実施例1〜3と同程度であるが、「P/原料液のP」が大きく、その結果Ca/P比が低かった。
比較例5は、「Ca/原料液のCa」および「P/原料液のP」の両方が約0.5であった。すなわちカルシウムとリンの両方が同程度に低減されるため、Ca/P比を高くすることはできなかった。

Claims (2)

  1. 乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつリン含有量に対するカルシウム含有量のモル比を表すCa/P比が1.5以上である成分調整乳を製造する方法であって、乳固形分を含み、乳脂肪含有量が全固形分100g当たり5.9g以下であり、かつ固形分濃度が1〜25質量%である原料液に塩酸を加えて第1の処理液を得る第1の工程と、前記第1の処理液をナノろ過膜で処理し、ろ過膜を透過しない保持液として、塩素イオン濃度が全固形分100gあたり8mmol以下であり、かつ全固形分100g当たりのカルシウム含有量が、原料液における全固形分100g当たりのカルシウム含有量の85〜95モル%である第2の処理液を得る第2の工程と、前記第2の処理液を塩素イオン型陰イオン交換樹脂に接触させて、リン含有量が全固形分100g当たり20mmol以下であり、かつCa/P比が1.5以上である第3の処理液を得る第3の工程を有する、成分調整乳の製造方法。
  2. 前記第1の処理液の25℃におけるpHが5.5〜6である、請求項に記載の成分調整乳の製造方法。
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