JP5771520B2 - 脱塩ホエイの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は脱塩ホエイの製造方法に関する。
本願は、2009年9月25日に、日本に出願された特願2009−219862号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ホエイはチーズ等の乳製品の副生成物である。一般にホエイ(乳清)は、ホエイ蛋白質、乳糖の原料として用いられる他、パンもしくは焼き菓子の風味改良用の原料、飲料の原料または育児用調製粉乳の原料等として用いられている。
ホエイは独特の風味を有しており、また大量のミネラルを含むことから用途に制限がある。そのため、ホエイの脱塩方法として多くの方法が提案されている。ホエイの脱塩方法としては、例えば、イオン交換法、ナノろ過法および電気透析法などが挙げられる。
ホエイに含まれるミネラルのうち、カルシウムおよびマグネシウムは、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」にもその摂取基準が示されているように、各国において摂取基準が定められている重要な栄養素である。しかしながら、例えば日本では、「平成17年 国民健康・栄養調査結果」によれば、食事摂取基準に対する充足率が足りていない。そのため、カルシウム・マグネシウム強化食品や、サプリメントが幅広く流通している。カルシウムおよびマグネシウムは栄養機能食品として表示出来る栄養成分に定められており、一定の要件を満たすことで、カルシウムおよびマグネシウムの機能を示すことが可能でありその栄養上の重要性は広く認識されている。
乳製品はカルシウムの良質な供給源として期待されており、ホエイもその例外ではない。ホエイの脱塩においては、単純にミネラル含量を減らすだけで無く、2価のカチオン、すなわち、カルシウムおよびマグネシウムを残しつつ、ナトリウムおよびカリウムなどの1価のミネラルだけを脱塩することが望ましい。
イオン交換樹脂を用いた従来のホエイの脱塩方法は、1価のカチオンだけでなく、栄養学的に価値の高い、カルシウムおよびマグネシウムなどの2価のカチオンをむしろ優先的に除去する。
例えば、非特許文献1に記載されている方法において、ホエイは、まず水素型陽イオン交換樹脂に通液され、金属陽イオンが水素イオンに置換されて酸性となって流出する。次いで、この流出液は水酸基型陰イオン交換樹脂に通液され、陰イオン(クエン酸、リン酸、塩素、乳酸)が水酸イオンに置換される方法で脱塩が実施される。この方法によれば90〜98%の高脱塩率を達成できるが、カルシウムおよびマグネシウムも除去される。
特許文献1に記載の方法は、イオン交換樹脂への通液と電気透析とを組み合わせた方法である。ここでは、濃縮ホエイが、まず弱カチオン性またはカルボン酸カラムに導入され、二価カチオンの60〜70%がプロトンにイオン交換され、一価カチオンの5〜15%がプロトンにイオン交換される。次いで、得られた流出液は強カチオン性イオン交換樹脂と強アニオン性イオン交換樹脂の混合床カラムに導入され、残りのカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンがプロトンに交換され、ナトリウムおよびカリウムイオンがプロトンに交換され、スルフェートアニオンが塩化物アニオンにイオン交換されて強酸性(pH2〜2.5)となる。その後、電気透析装置に導入され塩化物アニオンの大部分およびプロトンの大部分が除去され、さらに強アニオン性イオン交換樹脂に導入されてシトレートイオンおよびホスフェートイオンが塩化物イオンに交換される。この方法では二価カチオン(カルシウム、マグネシウム)が60%以上除去されると記載されている。
2価のカチオンを残しつつ、ナトリウムおよびカリウムなどの1価のミネラルだけを脱塩する方法としては、膜分離法がある。
特許文献2には、膜分離法の一種であるナノろ過法を用いてナトリウムおよびカリウムの含有量を低減させる方法が提案されている。
しかしながら、ナノろ過法による脱塩は脱塩率が上昇するに従って脱塩効率が落ちるという問題がある。そのため、高度な脱塩率を達成するためには、例えば長時間の膜ろ過を行うことが必要であり製造効率が悪い。
特許文献3には、ナノろ過法における脱塩を促進するために、脱塩前の乳類に、ナノろ過膜を透過しない電解質(ミルクカゼイン、ホエイ蛋白質濃縮物等)を添加する方法が提案されている。
非特許文献2には、ナノろ過法において、塩化ナトリウム溶液のナトリウムイオンの阻止率を低下させるために、塩化カルシウムを加えることが報告されている。
日本国特許第3295696号公報 特開平8−266221号公報 特開2004−180580号公報
「ミルク総合事典、朝倉書店、1992年1月20日初版、p.375〜377 Journal of membrane Science、Vol.104、No.3、P205−218(1995年)
しかしながら、特許文献3に記載されている方法では、添加する電解質(ミルクカゼイン、ホエイ蛋白質濃縮物等)自身が経済的価値を持つものであり、経済的に非効率である。
非特許文献2に記載されている方法にあっては、本発明者等の知見によれば、塩化カルシウムを加えることにより透過流束すなわち単位時間当たりに膜を通り抜ける液量が減少し、結果的に脱塩の効率が悪くなるという欠点がある。また塩化カルシウムを加えるため、得られる脱塩ホエイにおけるカルシウム含有量が原料ホエイよりも多くなり、用途によっては好ましくない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、原料ホエイに含まれているカルシウムおよびマグネシウムの含有量の低減を抑えつつ、ナトリウムおよびカリウムが充分に低減された脱塩ホエイを効率良く製造できる方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、膜分離法によるホエイの脱塩処理において、処理の対象である被処理液中におけるナトリウム含有量とカリウム含有量の合計値に対する塩素含有量のモル比、すなわち、(塩素/(ナトリウム+カリウム))の値が小さいと、分離膜におけるナトリウムおよびカリウムの透過率が減少し、脱塩効率が低下することを見出した。
また被処理液を塩素型陰イオン交換樹脂に通液させることにより前記モル比(塩素/(カリウム+ナトリウム))を増大させることができ、前記モル比(塩素/(カリウム+ナトリウム))が増大した状態で膜分離を行うことによりナトリウムおよびカリウムを効率的に脱塩できるとともに、ホエイに含まれているカルシウムおよびマグネシウムの含有量の低減は抑えられることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、脱塩処理に供される被処理液を、脱塩処理される前に塩素型陰イオン交換樹脂に通液させること、および前記通液させた被処理液を、ナノろ過法により脱塩処理することを含む、脱塩ホエイの製造方法であって、前記脱塩処理に供される被処理液を、陽イオン交換樹脂に通液させる処理は行わず、前記脱塩処理に供される被処理液のナトリウム含有量とカリウム含有量との合計値に対する塩素含有量のモル比(塩素/(ナトリウム+カリウム))を0.35以上に維持し、下記式(1)で求められる(Ca+Mg)残存率が60%以上であり、かつ下記式(2)で求められる脱塩率が60%以上である脱塩ホエイを得る、脱塩ホエイの製造方法に関する。
(Ca+Mg)残存率(単位:%)={(脱塩ホエイのCa含有量とMg含有量の合計)/(原料ホエイ液のCa含有量とMg含有量の合計)}×100・・・(1)(式1中、Ca含有量は固形分100gあたりに含まれるカルシウムの含有量であり、Mg含有量は固形分100gあたりに含まれるマグネシウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
脱塩率(単位:%)={{(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)−(脱塩ホエイのNa含有量とK含有量の合計)}/(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)}×100・・・(2)
(式2中、Na含有量は固形分100gあたりに含まれるナトリウムの含有量であり、K含有量は固形分100gあたりに含まれるカリウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
本発明は、前記脱塩処理に供される被処理液が原料ホエイ液であって、前記原料ホエイ液のpHが、例えば5.5〜7.4、より好ましくは6〜7の範囲内であり、前記陰イオン交換樹脂からの流出液のpHが、例えば5.5〜7.4、より好ましくは6〜7の条件で行う脱塩ホエイの製造方法にも関する。
本発明は、前記塩素型陰イオン交換樹脂からの流出液の、ナトリウム含有量とカリウム含有量の合計値に対する塩素含有量のモル比(塩素/(ナトリウム+カリウム))が0.8以上となる条件で行う脱塩ホエイの製造方法に関する。
本発明は、調製粉乳用として好適である前記脱塩ホエイに関する。
本発明の方法によれば、原料ホエイに含まれているカルシウムおよびマグネシウムの含有量の低減を抑えつつ、ナトリウムおよびカリウムが充分に低減された脱塩ホエイを効率良く製造できる。
実施例および比較例における、ナノろ過膜の積算透過液量とナトリウムおよびカリウムの脱塩率との関係を示すグラフである。 実施例および比較例における、積算透過液量と単位膜モジュール当たりの透過流束との関係を示すグラフである。
本発明について、詳細に説明する。なお、以下において、%は、特に断りの無い限り質量%である。
<原料ホエイ液>
ウシ、ヒツジ、またはヤギ等の乳を原料として、チーズ、カゼイン、カゼインナトリウム、またはヨーグルト等を製造する過程において、凝固させた乳分を取り除いて残る透明な液をホエイと言う。本発明で用いられるホエイは、凝固した乳分を分離しただけの未処理のホエイでもよく、前記未処理のホエイに対して、分離膜を用いて脱脂および/または脱蛋白質の前処理を施したものでもよく、前記未処理のホエイまたは前処理後のホエイを、噴霧乾燥や凍結乾燥等の常法により粉末化したものでもよい。市販のホエイパウダーも使用できる。
原料ホエイ液はホエイを含む液体であればよく、例えば液体のホエイをそのまま用いてもよく、ホエイパウダーの水溶液でもよい。必要に応じて予め濃縮した濃縮液を原料ホエイ液として用いてもよい。
ホエイおよび原料ホエイ液は中性であることが好ましい。具体的に、原料ホエイ液のpHが、例えば5.5〜7.4、より好ましくは6〜7の範囲内であることが好ましい。
原料ホエイ液が前記範囲内であると、中和工程を行うことなく、後述する分離膜による脱塩工程およびイオン交換樹脂に通液させる工程を中性域で行うことができるため、ホエイタンパク質の分解、変性、糖の酸分解やアルカリ反応などを防ぐことができる。また耐アルカリ性が低い分離膜を用いても膜寿命が短命化するおそれがないため好ましい。
<陰イオン交換樹脂への通液>
本発明におけるイオン交換樹脂は陰イオン交換樹脂からなる。すなわち、陽イオン交換樹脂に通液させる処理は行わない。
陰イオン交換樹脂への通液は中性域で行うことが好ましい。具体的には、陰イオン交換樹脂に通液される前の液のpH、および前記陰イオン交換樹脂からの流出液のpHが、いずれも、例えばpH5.5〜7.4、より好ましくは6〜7、の範囲内であることが好ましい。
このためには、中性の原料ホエイ液を用い、陰イオン交換樹脂としてOH型陰イオン交換樹脂を使用しないことが望ましく、陰イオン交換樹脂として塩素型陰イオン交換樹脂のみを用いることが好ましい。
塩素型陰イオン交換樹脂としては、陰イオン交換樹脂を、予め食塩水、または塩酸などを用いて塩素型にしたものを用いる。陰イオン交換樹脂の例としては、ロームアンドハース社製IRA402BL、IRA958、および三菱化学社製PA316(いずれも製品名)などを例示することができる。しかし、これらに限られず、脱塩ホエイの用途に応じて、目的とする組成の脱塩ホエイを得るのに好適な陰イオン交換樹脂を適宜選択することができる。
塩素型陰イオン交換樹脂に通液させることにより液中の塩素含有量が増加する。塩素型陰イオン交換樹脂への通液時期は、膜分離法による脱塩処理に供される被処理液を、脱塩処理される前に通液させる。例えば、原料ホエイ液を塩素型陰イオン交換樹脂に通液させた後に、脱塩処理を行ってもよい。または、膜分離法による脱塩処理を経た脱塩ホエイ液を、塩素型陰イオン交換樹脂に通液させた後、さらに膜分離法による脱塩処理に供してもよく、塩素型陰イオン交換樹脂への通液と、膜分離法による脱塩処理とを交互に複数回繰り返し、最後に膜分離法による脱塩処理を行ってもよい。これらを組み合わせてもよい。
さらに、原料タンクから原料ホエイを抜き出して塩素型陰イオン交換樹脂に通液し、得られた液を原料タンクに戻す操作を追加して、膜分離を行うことにより、Cl/(Na+K)比を維持することが可能である。
塩素型陰イオン交換樹脂への通液による塩素含有量の増加量は、塩素型陰イオン交換樹脂からの流出液におけるナトリウム(Na)含有量とカリウム(K)含有量の合計値に対する塩素含有量のモル比(塩素/(ナトリウム+カリウム))(以下、Cl/(Na+K)比ということもある)が0.8以上となる量が好ましい。
また、Cl/(Na+K)比の好適な上限値は、製造効率の観点から1.1が好ましく、1.0であることがより好ましい。後記するように、塩素型陰イオン交換樹脂単位交換容量あたりのホエイ固形分の通液量が少ないほど、Cl/(Na+K)比の値は高くなる。
前記Cl/(Na+K)比が0.8以上であると、後述の分離膜での脱塩処理に供される被処理液におけるCl/(Na+K)比を0.35以上に保ちやすい。
例えば、後述の回分濃縮式またはダイアフィルトレーションによる脱塩処理にあっては、途中で塩素含有量を増加させなければ、分離膜による脱塩処理に供される被処理液におけるCl/(Na+K)比が経時的に減少する場合がある。この場合、脱塩処理に最初に供される液のCl/(Na+K)比が0.8以上であると、途中で塩素含有量を増加させなくても、被処理液のCl/(Na+K)比を0.35以上に維持しやすい。
塩素型陰イオン交換樹脂への通液による塩素含有量の増加量の上限は、特に制限は無いが、脱塩工程後において支障が無い範囲とすることが必要である。脱塩ホエイの用途に応じて、脱塩ホエイの塩素含有量が好ましい範囲となるように設定することが好ましい。例えば、脱塩ホエイを育児用調製粉乳の原料として使用する場合は、脱塩ホエイの塩素含量は、1〜25mmol/100g固形を例示することができる。
塩素型陰イオン交換樹脂への通液条件は、乳糖が析出しない範囲で、流出液における塩素含有量の目標値に応じて設定できる。
ホエイを含む液を塩素型陰イオン交換樹脂に通液させる場合、イオン交換樹脂単位交換容量あたりのホエイ固形分の通液量が少ないほど、イオン交換効率が高くなり、通液による塩素含有量の増加量は多くなる。流出液中の塩素含有量をより増大させるためには、通液させる液の固形濃度は低い方が好ましく、流速は小さい(遅い)方が好ましい。
塩素型陰イオン交換樹脂に通液させる液の固形濃度は、例えば4〜40質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。前記固形濃度が4質量%未満であると通液に時間がかかり効率がよくない。また、前記固形濃度が低いほど、後工程において濃縮を行う際に濃縮倍率を高くする必要がある。前記固形濃度が40質量%を超えると、溶液の粘度が高くなり、乳糖析出の可能性も高くなる。
通液させる際の流速は、例えば2〜12SVが好ましく、3〜8SVがより好ましい。前記流速が2SV未満であると通液に時間がかかり効率がよくない。前記流速が12SVを超えると、圧力損失が高くなる。なおSVとは、単位時間当たりに通液した液の、イオン交換樹脂量に対する相対量を表し、1時間にイオン交換樹脂量と同量の液を通液した場合の流速を1SVという。
通液させる液の温度は2〜50℃が好ましく、3〜15℃がより好ましい。前記温度が2℃未満であると、液の粘度が高くなりすぎる。また温度が下がりすぎると液が凍結をおこすおそれもある。一方、50℃を超えると蛋白質の変性、または褐変等が生じる可能性が高くなる。微生物の増殖を抑えるためには10℃以下が好ましい。
一般には、SVおよび固形分濃度がともに小さい方がイオン交換効率は上昇し、Cl/(Na+K)比は高くなる傾向にある。
また、塩素型陰イオン交換樹脂単位交換容量あたりのホエイ固形分の通液量が少ないほど、Cl/(Na+K)比は高くなる傾向にある。
具体的には、ナトリウム(Na)が23.5mmol/100g固形、カリウム(K)が66.5mmol/100g固形、塩素(Cl)が42.3mmol/100g固形のホエイを使用して、濃度が7質量%となるような原料ホエイ液を、SV6.5でイオン交換樹脂に10℃の条件で通液する場合において、塩素型陰イオン交換樹脂のイオン交換容量(能力)1eqあたり、通液するホエイ液の固形分量を2.2kg以下に設定すれば、Cl/(Na+K)比は0.8以上となる。なお、「eq」とは、イオン交換樹脂のイオン交換容量を表し、1eqは、1mol分の電荷を交換できることを意味する。
<膜分離法により脱塩処理を行う脱塩工程>
脱塩処理に用いる膜分離法としては、カルシウムおよびマグネシウムの阻止率が高く、ナトリウムおよびカリウムの透過率が高い方法が用いられる。例えば、電気透析法、ナノろ過法、または透析法等、1価のミネラルを選択的に脱塩する方法として公知の手法を用いることができる。脱塩および濃縮を同時に行うことができる点、および必要に応じて透析ろ過工程を組み合わせることで高度な脱塩が可能である点でナノろ過法が好ましい。
ナノろ過法は、ナノろ過による脱塩処理に供される被処理液を、ナノろ過膜を透過した透過液と透過しないリテンテート液とに分離する工程を有する方法である。
ナノろ過(NF)膜とは、限外ろ過(UF)膜と逆浸透(RO)膜の中間領域である分子量数十から千ダルトン、すなわち、分子の大きさに換算するとナノメートルの領域を分画対象とした分離膜である。無機質、糖質、アミノ酸、ビタミンなどのうち、分子量が小さく、荷電の低い粒子はナノろ過膜を透過する。
本発明の1つの側面である脱塩工程において、ホエイに含まれるミネラルのうち、1価のミネラルの陽イオンの一部がナノろ過膜を透過して透過液に含まれる。一方、2価のミネラルの陽イオンはほとんどナノろ過膜を透過せず、リテンテート液に含まれる。リテンテート液から脱塩ホエイを得る。
具体的なナノろ過膜としては、GE Water Technologies社製のDL、DK、HLシリーズ、Koch Membrane System社製のSR−3シリーズ、Dow Chemical社製のDOW−NFシリーズ、および日東電工社製のNTRシリーズ(いずれも製品名)などを例示することができるが、これらに限られるものではない。
脱塩ホエイの用途に応じて、目的とする組成の脱塩ホエイを得るのに好適な分離膜を適宜選択して用いることができる。
本発明で用いる膜分離装置は公知のものを適宜選択して用いることができる。
例えば、ナノろ過膜を備えた膜モジュールと、膜モジュールに被処理液を送る供給ポンプと、ナノろ過膜を透過した透過液を膜モジュールから取り出す手段と、ナノろ過膜を透過しなかったリテンテート液を膜モジュールから取り出す手段を備えている。回分式の装置はさらに膜モジュールに供給される前の被処理液を保持する原液タンクと、膜モジュールから取り出したリテンテート液を原液タンクに戻す手段を備えている。
膜分離操作は、透過液を取り出し、リテンテート液を原液タンクに戻す回分濃縮式でもよい。透過液を取り出し、リテンテート液を原液タンクに戻す工程のほかに、取り出した透過液と同量の水を原液タンクに加えるダイアフィルトレーション(加水透析ろ過)を行う工程を設けてもよい。または被処理液を膜モジュールに連続的に供給し、リテンテート液および透過液をそれぞれ連続的に取り出す連続式でもよい。これらを組み合わせてもよい。
本明細書における、ナトリウムおよびカリウムの透過率(以下(Na+K)透過率ということもある。)は、下記式(3)で表わされる値である。なおナトリウム含有量(以下、Na含有量と記載することもある。)およびカリウム含有量(以下、K含有量と記載することもある。)の単位はmmol/L液である。(Na+K)透過率=(透過液中のNa含有量とK含有量の合計)/(リテンテート液中のNa含有量とK含有量の合計)…(3)
分離膜による脱塩処理に供される被処理液における、Na含有量とK含有量の合計値に対する塩素含有量のCl/(Na+K)比を0.35以上、好ましくは0.5以上に維持することが好ましい。前記Cl/(Na+K)比が0.35以上であると、(Na+K)透過率が充分に高くなる。
前記Cl/(Na+K)比が0.35以上であると、(Na+K)透過率が十分に高くなる。また、膜分離による脱塩処理中にCl/(Na+K)比が0.35未満になるのを防止するためには、Cl/(Na+K)比が低下した時点で、再度、塩素型陰イオン交換樹脂に通液し、その後、膜分離を実施すれば可能である。すなわち、本発明の製造方法においては、陰イオン交換の工程を複数回繰り返すことで、Cl/(Na+K)比を0.35以上に維持することが可能である。
脱塩ホエイは脱塩処理を経たリテンテート液から得られる。脱塩処理後に得られるリテンテート液をそのままの状態で液状の脱塩ホエイとして用いてもよく、必要に応じて通常の方法で濃縮したものを濃縮液状の脱塩ホエイとしてもよい。またリテンテート液を必要に応じて濃縮した後、凍結乾燥、噴霧乾燥等の通常の乾燥工程を経て、粉末状の脱塩ホエイとしてもよい。脱塩ホエイは他製品の原料として用いることが可能である。
脱塩ホエイ中のナトリウム含有量とカリウム含有量の合計は固形分100g当たり40mmol以下であることが好ましく、32mmol以下であることがより好ましい。
本発明によれば、膜分離法による脱塩処理に供される被処理液を、脱塩処理される前に塩素型陰イオン交換樹脂に通液させる工程を設けることにより、後述の実施例に示されるように、脱塩工程中の(Na+K)透過率が高いレベルに保たれ、脱塩効率が向上する。したがって、原料ホエイ中のナトリウムおよびカリウムの含有量を充分に低減された脱塩ホエイを効率良く製造できる。また、原料ホエイに含まれているカルシウムおよびマグネシウムの含有量の低減は良好に抑えられる。
例えば、カルシウムとマグネシウムの残存率((Ca+Mg)残存率)が60%以上であり、かつ脱塩率が60%以上である脱塩ホエイを製造することができる。
本明細書における(Ca+Mg)残存率は下記式(1)で求められる値であり、脱塩率は下記式(2)で求められる値である。
(Ca+Mg)残存率(単位:%)={(脱塩ホエイのCa含有量とMg含有量の合計)/(原料ホエイ液のCa含有量とMg含有量の合計)}×100…(1)(式中、Ca含有量は固形分100gあたりに含まれるカルシウムの含有量であり、Mg含有量は固形分100gあたりに含まれるマグネシウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
脱塩率(単位:%)={{(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)−(脱塩ホエイのNa含有量とK含有量の合計)}/(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)}×100…(2)(式中、Na含有量は固形分100gあたりに含まれるナトリウムの含有量であり、K含有量は固形分100gあたりに含まれるカリウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
脱塩率は脱塩処理条件によって制御できる。例えば脱塩処理時間を長くする、積算透過液量を増加させる等により脱塩率を向上させることができる。
(Ca+Mg)残存率はイオン交換樹脂に通液させる際の処理条件、または脱塩処理条件によって変化する。
また本発明によれば、Journal of membrane Science、Vol.104、No.3、P205−218(1995年)(非特許文献2)に記載されているような、塩化カルシウムを添加するという操作を行わないため、原料ホエイよりもカルシウム含有量を増加させずに脱塩ホエイを製造できる。したがって、例えば、調製粉乳用の脱塩ホエイなど、原料ホエイに比べてカルシウム含有量が高すぎると好ましくない用途にも好適な脱塩ホエイが得られる。
調製粉乳とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳、またはこれらを原料として製造した食品を加工し、または主要原料とし、これに乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたものである。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において含有量の単位を表わす「%」は特に断りのない限り「質量%」である。
<比較例1>
(原料ホエイ液)
原料ホエイとしてチーズホエイパウダー(タンパク質12.1%、脂質1.1%、炭水化物77.2%、灰分7.8%、水分1.8%、)5.7kgを用い、これに水を加えて溶解して105kgの原料ホエイ液を得た。(ナノろ過による脱塩処理)
得られた原料ホエイ液をナノろ過膜(DL3840C−30D:GE Water&Process Technologies社製)で、リテンテート液を原液タンクに戻しながら、回分濃縮式で、透過液が66.6kgとなるまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(I)とする。
続いて、透過液量に等しい水量を原液タンクに加水することで、原液タンク内の液量を一定に保つ加水透析ろ過方式で、ナノろ過を継続し、透過液が33.3kg(脱塩処理開始からの合計99.9kg)となるまで脱塩処理を行った。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は31.0kgで固形分4.4kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表1に示し、固形分100gあたりのミネラル組成(単位:mmol/100g固形、以下同様。)を表2に示す。
原料ホエイ液、脱塩ホエイ液(I)および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのナトリウム(Na)含有量とカリウム(K)含有量の合計(以下、Na+Kと記載することがある)、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計(以下、Ca+Mgと記載することがある)、塩素含有量(以下、Clと記載することがある)、およびCl/(Na+K)比を、表3に示す。
また、脱塩処理の開始から終了までの途中で、経時的に6回、透過液量を測定するとともに、前記測定時における原液タンク内の脱塩ホエイ液、ナノろ過膜を通過した後に原液タンクに戻される途中のリテンテート液、およびナノろ過膜の透過液を、同時に各40mL採取した。採取した液の、Na含有量、K含有量、塩素含有量(いずれも単位はmmol/100g固形)をそれぞれ測定し、原液タンク内の脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、前記式(3)で求める(Na+K)透過率、および前記式(2)で求める脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表4に示す。
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表3および4に示されるように、原料ホエイ液、脱塩ホエイ液(I)および(II)のpHは6.8〜6.9でほとんど変化しない。脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量は低減しているものの、脱塩率は44.0%に止まった。固形分100gあたりのCa、Mg含有量はわずかに増加した。
表4に示されるように、原料ホエイ液をそのままナノろ過で脱塩処理した本例では、脱塩処理中に、ナノろ過に供される脱塩ホエイ液(被処理液)中のCl/(Na+K)比が経時的に低下し、最終的に得られた脱塩ホエイ液(II)では0.02となった。それに伴い(Na+K)の透過率も低下し、脱塩率が44%となった時点で、(Na+K)透過率は0.07と著しく低い値になった。
一般に、膜分離法を用いた脱塩処理において、脱塩量は、(透過液量)×(脱塩される塩の透過液中における濃度)で求まる。単位時間当たりの透過液量、脱塩される塩の原料液中における濃度が同じである場合は、透過率が2分の1になると、脱塩量も2分の1となるため、透過率が低下するということは単位透過液量あたりの脱塩量が低下することを意味する。
したがって、本例において、これ以上に脱塩率を高くしようとして脱塩を続けても、透過率が著しく低いため、実質的に脱塩が進まない。仮に脱塩が進んでも、脱塩が進むにつれて透過率がさらに低下するため、脱塩が進まなくなると考えられる。
<比較例2>
本例が比較例1と大きく異なる点は、原料ホエイとして用いたチーズホエイパウダーが異なる点、およびナノろ過による脱塩処理において、加水透析ろ過方式でナノろ過を行った後に加水を停止してナノろ過を継続する点である。
原料ホエイとしてチーズホエイパウダー(タンパク質12.7%、脂質0.9%、炭水化物76.4%、灰分8.1%、水分2.0%、)5.8kgを用い、これに水を加えて溶解して105kgの原料ホエイ液を得た。
(ナノろ過による脱塩処理)
得られた原料ホエイ液を比較例1と同様にして、ナノろ過膜で透過液が52.4kgとなるまで脱塩処理した。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液(I)のpHは6.8であった。
続いて、比較例1と同様にして加水透析ろ過方式でナノろ過を継続し、透過液が38.6kgとなるまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液のpHは6.7であった。
その後は、加水を停止してナノろ過を継続し、透過液14.3kg(脱塩処理開始からの合計105.3kg)を得た。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は32.9kgで固形分4.6kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表5に示し、固形分100gあたりのミネラル組成を表6に示す。
原料ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、およびCl/(Na+K)比を表7に示す。
また、脱塩処理の開始から終了までの途中で、経時的に5回、透過液量を測定するとともに、比較例1と同様にして各測定時における脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、(Na+K)透過率、および脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表8に示す。
Figure 0005771520
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表7および8に示されるように、原料ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)のpHは6.6〜6.8でほとんど変化しない。
脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量は低減しているものの、脱塩率は44.1%に止まった。Ca、Mg含有量はわずかに減少した。
表7および8に示されるように、原料ホエイ液をそのままナノろ過で脱塩処理した本例では、脱塩処理開始直後(表8の透過液量1kg)のCl/(Na+K)比が0.5であり、最終的に0.03にまで低下した。(Na+K)透過率は、脱塩率が44.1%となった時点で0.09と著しく低い値になった。
<実施例1>
本例が比較例2と大きく異なる点は、ナノろ過による脱塩処理を行う前に、塩素型陰イオン交換樹脂に原料ホエイ液を通液させた点である。
原料ホエイとして比較例2と同じチーズホエイパウダー6.8kgを用い、これに水を加えて溶解して95kgの原料ホエイ液を得た。
(イオン交換樹脂への通液)
得られた原料ホエイ液を、3Lの塩素型陰イオン交換樹脂カラム(ロームアンドハース社製、製品名:IRA402BL)に通液し、固形分6kgを含むイオン交換ホエイ液94kgを得た。通液条件は、流速6.4SV、通液温度5〜10℃とした。
(ナノろ過による脱塩処理)
得られたイオン交換ホエイ液のうち、固形量5.6kgに相当する量の液を分取し、これに加水して全量を106.5kgとした。これを比較例2と同条件で、ナノろ過膜で透過液が52.4kgとなるまで脱塩処理した。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液(I)のpHは6.5であった。
続いて、比較例2と同条件で、加水透析ろ過方式でナノろ過を継続し、透過液が38.6kgとなるまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液のpHは6.6であった。
その後は、比較例2と同条件で、加水を停止してナノろ過を継続し、透過液14.3kg(脱塩処理開始からの合計105.3kg)を得た。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は34.5kgで固形分4.8kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表9に示し、固形分100gあたりのミネラル組成を表10に示す。
原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、および(Cl/(Na+K)比)を表11に示す。
また、脱塩処理の開始から終了までの途中で、経時的に5回、透過液量を測定するとともに、比較例1と同様にして各測定時における脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、(Na+K)透過率、および脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表12に示す。
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表11および12に示されるように、原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液、および脱塩ホエイ液(II)のpHは6.5〜6.8でほとんど変化しない。
脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量が大幅に低減し、脱塩率は67.8%と高い。
脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)含有量は、比較例1および2に比べると低いが、原料ホエイにおける(Ca+Mg)含有量に対する、脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)含有量の割合で表わされる(Ca+Mg)残存率は、表11の値から算出すると79.9%となり、良好である。
表11および12に示されるように、ナノろ過に供されるイオン交換ホエイ液の塩素イオン含有量が高いため、脱塩処理開始直後(表12の透過液量1kg)のCl/(Na+K)比が0.88と高く、最終的に0.37にまでしか低下しなかった。(Na+K)透過率は、脱塩率が67.8%に達した脱塩ホエイ液(II)においても、0.43と高かった。
<実施例2>
本例が実施例1と大きく異なる点は、イオン交換樹脂への通液を行った後のナノろ過において、まず3倍濃縮液を得る条件で脱塩処理を行い、次いで加水透析ろ過方式で脱塩処理を行った点である。
原料ホエイとしてチーズホエイパウダー(タンパク質13.2%、脂質0.9%、炭水化物76.0%、灰分7.9%、水分2.1%、)13.2kgに水を加えて溶解して185.5kgの原料ホエイ液とした。(イオン交換樹脂への通液)
得られた原料ホエイ液を、10Lの塩素型陰イオン交換樹脂カラム(ロームアンドハース社製、製品名:IRA402BL)に通液し、カラムから流出するイオン交換ホエイ液を、流出順にNo.1〜No.3に分割して得た。通液条件は、流速6.0SV、通液温度5〜10℃とした。No.1〜No.3のイオン交換ホエイ液のpHは、いずれも6.5であった。各液の液量と固形量、および固形分100g当たりの塩素含有量を表13に示す。
Figure 0005771520
次に、比較例1と同じナノろ過膜に、No.1〜No.3のイオン交換ホエイ液を順次投入しながら、リテンテート液を原液タンクに戻すことなくワンウェイ方式で、濃縮倍率が3倍になるように操作しながら脱塩処理を行い、装置内の水が加算されて、固形分12.2kgを含む78.0kgのリテンテート液(脱塩ホエイ液)を得た。
投入の仕方は、原料タンク中のNo.1の液がなくなる直前にNo.2の液を投入し、同様にNo.2の液がなくなる直前にNo.3の液を投入した。原料タンク中のNo.3の液がなくなる直前に装置の運転を停止した。
濃縮倍率を3倍にする方法は、例えば、ナノろ過膜を備えた膜モジュールに原料ホエイ液を3L/minで供給する場合、リテンテート液(脱塩ホエイ液)を1L/minの速度で膜モジュールから抜き出し、かつ透過液を2L/minの速度で膜モジュールから抜き出す、というように、リテンテート液と透過液の排出速度を1:2の比率とすることによって実施できる。
こうして得られた3倍濃縮脱塩ホエイ液(リテンテート液)のpH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、およびCl/(Na+K)比を表17に示す。
No.1を投入してから78.0kgのリテンテート液(脱塩ホエイ液)を得るまでの間に、経時的に3回、原液タンク内の原料ホエイ液、リテンテート液(脱塩ホエイ液)、透過液のそれぞれを40mL同時に採取した。1回目の採取は原料タンク中のNo.1の液がなくなる直前に、2回目の採取は原料タンク中のNo.2の液がなくなる直前に、3回目の採取は原料タンク中のNo.3の液を分離中であって、装置運転の停止直前にそれぞれ行った。
比較例1と同様にして、原液タンク内の原料ホエイ液(被処理液)中のCl/(Na+K)比、および(Na+K)透過率をそれぞれ算出した。結果を表14に示す。
比較例1と同様にして脱塩率を求めたところ55%であった。
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続いて、上記で得られた3倍濃縮脱塩ホエイ液を、同じナノろ過膜で、その後は、リテンテート液を原液タンクに戻しながら、かつ加水透析ろ過方式でナノろ過を行い、透過液77.6kgを得るまで脱塩処理を行った。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は71.1kgで固形分10.8kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表15に示し、固形分100gあたりのミネラル組成を表16に示す。
原料ホエイ液、前記3倍濃縮脱塩ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、およびCl/(Na+K)比を表17に示す。
また、加水透析ろ過方式によるナノろ過の開始から終了までの途中で、経時的に4回、透過液量を測定するとともに、比較例1と同様にして各測定時における、原料タンク内の脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、(Na+K)透過率、および脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表18に示す。
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表17および18に示されるように、原料ホエイ液、No.1〜No.3のイオン交換ホエイ液、3倍濃縮脱塩ホエイ液、脱塩ホエイ液(II)のpHは6.3〜6.8でほとんど変化しない。
脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量が大幅に低減し、脱塩率は76.2%と、実施例1よりも高い。
表17の値から算出すると、脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)残存率は88.6%であり、良好である。
表17、18に示されるように、ナノろ過に供されるイオン交換ホエイ液の塩素イオン含有量が高いため、脱塩処理開始直後(表14の1回目)のCl/(Na+K)比が1.12と高く、最終的(表18の透過液量77.6kg)に0.56にまでしか低下しなかった。(Na+K)透過率は、脱塩率が76.2%に達した時点においても、0.5と高かった。
<実施例3>
実施例1と同じ手順で脱塩ホエイ液を製造した。すなわちナノろ過による脱塩処理条件は比較例2と同じである。本例では、イオン交換樹脂の使用量を3Lから5Lに変更することによって、イオン交換ホエイ液中の塩素含有量が実施例1よりも多くなるようにした。
原料ホエイとして比較例2と同じチーズホエイパウダー6.75kgに水を加えて溶解して95kgの原料ホエイ液とした。
(イオン交換樹脂への通液)
得られた原料ホエイ液を、5Lの塩素型陰イオン交換樹脂カラム(ロームアンドハース社製、製品名:IRA402BL)に通液し、固形分5.74kgを含むイオン交換ホエイ液88.1kgを得た。通液条件は、流速6.4SV、通液温度6〜10℃とした。
(ナノろ過による脱塩処理)
得られたイオン交換ホエイ液に加水して全量を105kgとした。これを比較例2と同条件で、ナノろ過膜で透過液が52.4kgとなるまで脱塩処理した。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液(I)のpHは6.4であった。
続いて、比較例2と同条件で加水透析ろ過方式でナノろ過を継続し、透過液が38.6kgとなるまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液のpHは6.5であった。
その後は、加水を停止してナノろ過を継続し、透過液14.3kg(脱塩処理開始からの合計105.3kg)を得た。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は33.1kgで固形分4.8kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表19に示し、固形分100gあたりのミネラル組成を表20に示す。
原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、および(Cl/(Na+K)比)を表21に示す。
また、脱塩処理の開始から終了までの途中で、経時的に5回、透過液量を測定するとともに、比較例1と同様にして各測定時における脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、(Na+K)透過率、および脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表22に示す。
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表21および22に示されるように、原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液、および脱塩ホエイ液(II)のpHは6.4〜6.8でほとんど変化しない。
脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量が大幅に低減し、脱塩率は73.9%と実施例1より高い。
表21の値から算出すると、脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)残存率は69.5%であり、実施例1よりやや低いが良好である。
表21、22に示されるように、ナノろ過に供されるイオン交換ホエイ液の塩素イオン含有量が高いため、脱塩処理開始直後(表18の透過液量1kg)のCl/(Na+K)比が1.03と高く、最終的(表22の透過液量105.3kg)に0.56にまでしか低下しなかった。(Na+K)透過率は、脱塩率が73.9%に達した時点においても、0.53と高かった。
<実施例3と比較例2との比較>
表23は、実施例3および比較例2で用いた原料ホエイと、各例でそれぞれ得られた脱塩ホエイ液についての、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、および(Cl/(Na+K)比)をまとめて示したものである。
図1は、実施例3と比較例2の結果から、積算透過液量と(Na+K)の脱塩率(%)との関係をグラフに示したものである。
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表23に示されるように、ナノろ過による脱塩処理の前に原料ホエイ液を塩素型陰イオン交換樹脂に通液させた実施例3の方が、比較例2に比べてCl/(Na+K)比が格段に大きく、(Na+K)含有量が小さい。
また図1に示されるように、ナノろ過工程における積算透過液量が互いに同じであっても、実施例3の方が、比較例2に比べて(Na+K)の脱塩率が大きく、単位透過液量あたりの脱塩効率が大幅に向上した。
<比較例3>
本例が、実施例3と大きく異なる点は、原料ホエイ液を塩素型陰イオン交換樹脂に通液することなく、その代わりに原料ホエイ液にCaCl・2HOを添加した液をナノろ過に供した点である。ナノろ過による脱塩処理条件は比較例2と同じである。
原料ホエイとして、チーズホエイパウダー(タンパク質12.3%、脂質1.1%、炭水化物76.4%、灰分7.4%、水分1.9%)5.83kgを用い、これに水を加えて溶解した原料ホエイ液に、さらに塩化カルシウム2水塩(CaCl・2HO)の200gを水に溶解した水溶液を添加混合して、105kgの塩化カルシウム添加ホエイ液を得た。
(ナノろ過による脱塩処理)
得られた塩化カルシウム添加ホエイ液を比較例2と同条件で、ナノろ過膜で透過液が52.4kgとなるまで脱塩処理した。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液(I)のpHは6.2であった。
続いて、比較例2と同条件で加水透析ろ過方式でナノろ過を継続し、透過液が38.6kgとなるまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の脱塩ホエイ液のpHは6.2であった。
その後は、加水を停止してナノろ過を継続し、透過液14.3kg(脱塩処理開始からの合計105.3kg)を得た。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は33.0kgで固形分5.0kgを含む。
原料ホエイおよび脱塩ホエイ液(II)について、固形分100gあたりの組成を表24に示し、固形分100gあたりのミネラル組成を表25に示す。
原料ホエイ液、塩化カルシウム添加ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、およびCl/(Na+K)比を表26に示す。
また、脱塩処理の開始直後(透過液量1kg)の時点と終了時における脱塩ホエイ液中のCl/(Na+K)比、(Na+K)透過率、および脱塩率をそれぞれ算出した。その結果を表27に示す。
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<透過流束の測定>
実施例3および比較例3について、ナノろ過による脱塩処理を開始してから終了するまでの間の、単位膜モジュールあたりの透過流束(単位:L/min)の経時変化を調べた。その結果を図2に示す。図2の縦軸は膜モジュール1本(膜面積7.4m)当たりの透過流束(単位:L/分)を示し、横軸は透過液量の積算値を示す。
表26および27に示されるように、比較例3は塩化カルシウムを添加したため、脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)の含有量は原料ホエイよりも大幅に増加している。また(Na+K)透過率、および脱塩率において実施例3よりやや劣る。
具体的に、比較例3では塩化カルシウムを添加したため、脱塩ホエイ液(II)におけるCa含有量は30.7mmol/100g固形と、原料ホエイの約3倍と大幅に増加した。カルシウムは重要な栄養素ではあるが、Ca含量の大きすぎる増加は常に受容されるとは言えない。例えば、ホエイを調製粉乳に利用する際に、Ca含量が高すぎると使用量を制限する必要がある。
また、図2に示されるように、実施例3と同じ条件でナノろ過を行ったにもかかわらず、塩化カルシウムを添加した比較例3は、単位膜モジュールあたりの透過流束が約1/2と格段に小さい。透過流束が半分になるということは、同じ面積で処理できる液量が半分になり、膜面積が同じであれば、同量の透過流量を得るのに必要な時間が2倍必要になることを意味する。
<実施例4>
本例では、実施例1〜3とは異なるナノろ過膜を用いた。
チーズホエイパウダー(タンパク質12.1%、脂質1.1%、炭水化物77.2%、灰分7.8%、水分1.8%)6.1kgを水に溶解して85kgの原料ホエイ液とした。この原料ホエイ液を、6Lの塩素型陰イオン交換樹脂カラム(ロームアンドハース社製、製品名:IRA402BL)に通液し、固形分5.82kgを含むイオン交換ホエイ液95.1kgを得た。通液条件は、流速6.4SV、通液温度5〜10℃とした。
このイオン交換ホエイ液に加水して全量を106kgとした。これをナノろ過膜(Duratherm Pro NF3840HR:GE Water&Process Technologies社製)で、リテンテート液を原液タンクに戻しながら、回分濃縮式で、透過液66.6kgを得るまで脱塩処理を行った。この時点での原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(I)とする。脱塩ホエイ液(I)のpHは6.6であった。
その後は、加水透析ろ過方式でナノろ過を継続し、透過液が33.3kg(脱塩処理開始からの合計99.9kg)となるまで脱塩処理を行った。こうして得られた原液タンク内の液を脱塩ホエイ液(II)とする。脱塩ホエイ液(II)の回収量は32.9kgで固形分4.7kgを含む。
原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液および脱塩ホエイ液(II)について、pH、固形分100gあたりのNa含有量とK含有量の合計、固形分100gあたりのCa含有量とMg含有量の合計、塩素含有量、およびCl/(Na+K)比を表28に示す。
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表28に示されるように、原料ホエイ液、イオン交換ホエイ液、および脱塩ホエイ液(II)のpHは6.4〜6.8でほとんど変化しない。
脱塩ホエイ液(II)は原料ホエイに比べて、(Na+K)含有量が大幅に低減し、脱塩率は75.9%と高い。
脱塩ホエイ液(II)における(Ca+Mg)残存率は、表28の値から算出すると78.8%となり、良好である。
ナノろ過に供されるイオン交換ホエイ液の塩素イオン含有量が高く、脱塩処理工程においてCl/(Na+K)比は1.01から0.94にまでしか低下しなかった。
本発明の方法によれば、原料ホエイに含まれているカルシウムおよびマグネシウムの含有量の低減を抑えつつ、ナトリウムおよびカリウムが充分に低減された脱塩ホエイを効率良く製造できる。

Claims (4)

  1. 塩処理に供される被処理液を、脱塩処理される前に塩素型陰イオン交換樹脂に通液させること、および
    前記通液させた被処理液を、ナノろ過法により脱塩処理することを含む、脱塩ホエイの製造方法であって
    前記脱塩処理に供される被処理液を、陽イオン交換樹脂に通液させる処理は行わず、
    前記脱塩処理に供される被処理液のナトリウム含有量とカリウム含有量との合計値に対する塩素含有量のモル比(塩素/(ナトリウム+カリウム))を0.35以上に維持し、
    下記式(1)で求められる(Ca+Mg)残存率が60%以上であり、かつ下記式(2)で求められる脱塩率が60%以上である脱塩ホエイを得る、脱塩ホエイの製造方法。
    (Ca+Mg)残存率(単位:%)={(脱塩ホエイのCa含有量とMg含有量の合計)/(原料ホエイ液のCa含有量とMg含有量の合計)}×100・・・(1)
    (式1中、Ca含有量は固形分100gあたりに含まれるカルシウムの含有量であり、Mg含有量は固形分100gあたりに含まれるマグネシウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
    脱塩率(単位:%)={{(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)−(脱塩ホエイのNa含有量とK含有量の合計)}/(原料ホエイ液のNa含有量とK含有量の合計)}×100・・・(2)
    (式2中、Na含有量は固形分100gあたりに含まれるナトリウムの含有量であり、K含有量は固形分100gあたりに含まれるカリウムの含有量であり、いずれも単位はmmol/100g固形である。)
  2. 前記脱塩処理に供される被処理液が原料ホエイであって、前記原料ホエイ液のpHが6〜7の範囲内であり、前記陰イオン交換樹脂からの流出液のpHが6〜7である、請求項1記載の脱塩ホエイの製造方法。
  3. 前記塩素型陰イオン交換樹脂からの流出液の、ナトリウム含有量とカリウム含有量の合計値に対する塩素含有量のモル比(塩素/(ナトリウム+カリウム))が0.8以上となる条件で行う、請求項1または2に記載の脱塩ホエイの製造方法。
  4. 前記脱塩ホエイが調製粉乳用である、請求項1〜のいずれか一項に記載の脱塩ホエイの製造方法。
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