JPWO2017154867A1 - ホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法及びβ−ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法 - Google Patents

ホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法及びβ−ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を含む溶液を調製する工程と、第一のホエイタンパク質及び前記第二のホエイタンパク質を膜により分離する工程と、を備え、第一のホエイタンパク質は、炭酸イオン、炭酸水素イオン、軽金属イオン及び遷移金属イオンの少なくともいずれか1つと複合体を形成するものであり、第二のホエイタンパク質は、下記(1)(2)
(1)炭酸イオン及び炭酸水素イオンのいずれとも複合体を形成しない、
(2)軽金属イオン及び遷移金属イオンのいずれとも複合体を形成しない、
の少なくとも1つを満たすホエイタンパク質の分画方法。

Description

本発明は、ホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法及びβ-ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法に関する。
ホエイタンパク質は乳に含まれるタンパク質であり、牛乳のホエイタンパク質は約50重量%のβ-ラクトグロブリンと約20重量%α-ラクトアルブミンを含んでいる。
α-ラクトアルブミンを含む組成物は人乳と類似したタンパク質組成の母乳代替品や経腸栄養剤等の栄養組成物に利用できる。また、β‐ラクトグロブリンは様々な食品の物性の制御や栄養の強化に利用できる。よって、これまでにホエイタンパク質の分画方法、α-ラクトアルブミンを含む組成物を得るための方法、及びβ‐ラクトグロブリンを含む組成物を得るための方法が検討され開示されている。
特許文献1は、各種の牛乳ホエイからβ-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン及びラクトフェリンを効率的に分画する方法として、ホエイにNaClを加え、β-ラクトグロブリン以外の蛋白質を疎水クロマトグラフィー樹脂に吸着させることにより、ホエイ蛋白質の約50%を占めるβ-ラクトグロブリンとその他の蛋白質を最初に分別し、次いで樹脂に吸着したβ-ラクトグロブリンやラクトフェリンなどを溶出し、限外濾過法で分画する方法を開示している。
特許文献2は、未殺菌のチーズホエイあるいは未殺菌の乳酸ホエイのpHを6.3〜7.0、温度を30〜60℃に調整し、これを分子量カットオフが5,000以上の限外濾過膜で処理し、これにより得られる透過液をさらに分子量カットオフが1,200又は2,000の限外濾過膜を用いてダイアフィルトレーションすることによりα-ラクトアルブミン高含有画分を得る方法を開示している。ここで得られる組成物は、α-ラクトアルブミンを56重量%、β-ラクトグロブリンを37重量%含むものであり、これは母乳と同様のタンパク質組成を有する組成物や集中治療に用いる経腸栄養剤に利用できることを開示している。
特許文献3は、ホエイ又は精製ホエイタンパク質を用い、灰分含量が 0〜1%のときはpHを4〜6に、灰分含量が1〜3%のときはpHを6〜8に調整した後、強塩基性陰イオン交換体と接触させることでβ-ラクトグロブリンを該イオン交換体に吸着させ、次いで高イオン強度の溶液によりβ-ラクトグロブリンを該イオン交換体から溶出させる方法を開示しているが、特許文献3には得られる組成物中のβ-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブミン含量は開示されていない。
上記した方法が開示されているが、工業レベルでより簡便にホエイタンパク質を分画する方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物を製造する方法及びβ-ラクトグロブリンを含む組成物を製造する方法が望まれている。
特開平7−203863 アメリカ合衆国特許4711953 特開平3−19654
本発明は、ホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法及びβ-ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明には以下の構成が含まれる。
(1)第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を含む溶液を調製する工程と;第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を膜により分離する工程と;を備え、第一のホエイタンパク質は、炭酸イオン、炭酸水素イオン、軽金属イオン及び遷移金属イオンの少なくとも1つと複合体を形成するものであり、第二のホエイタンパク質は、下記(i)、(ii)
(i)炭酸イオン及び炭酸水素イオンのいずれとも複合体を形成しない、
(ii)軽金属イオン及び遷移金属イオンのいずれとも複合体を形成しない、の少なくとも1つを満たすホエイタンパク質の分画方法。
(2)第一のホエイタンパク質が主としてβ‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質であり、第二のホエイタンパク質が主としてα‐ラクトアルブミンを含むホエイタンパク質である(1)に記載のホエイタンパク質の分画方法。
(3)膜の分画分子量が50,000以下である(1)又は(2)に記載のホエイタンパク質の分画方法。
(4)膜の分画分子量が300,000以下である(1)又は(2)に記載のホエイタンパク質の分画方法。
(5)溶液は、第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、pHが5以上10以下である(1)から(4)に記載のホエイタンパク質の分画方法。
(6)軽金属イオン及び遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下である(1)から(5)に記載のホエイタンパク質の分画方法。
(7)濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含む(1)から(6)のいずれか1つに記載のホエイタンパク質の分画方法。
(8)β‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を含む溶液を調製する工程と;分画分子量が50,000以下の膜を用いて溶液を処理する工程と;膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、膜の濃縮液としてβ‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と;α‐ラクトアルブミンを含む溶液を分画分子量が14,000以下の膜で処理する工程と;を含むα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
(9)溶液のホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液の炭酸イオン及び炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液のpHが5以上10以下である(8)に記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
(10)β‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を含む溶液を調製する工程と;分画分子量が300,000以下の膜を用いて溶液を処理する工程と;膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、膜の濃縮液としてβ‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と;α‐ラクトアルブミンを含む溶液を分画分子量が14,000以下の膜で処理する工程と;を含むα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
(11)溶液のホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液の炭酸イオン及び炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液のpHが5以上10以下、溶液の軽金属イオン及び遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下、である(10)に記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
(12)濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含む(8)から(11)のいずれか1つに記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
(13)(8)から(12)に記載の全ての工程の処理温度を62℃未満することを特徴とする組成物に含まれるα‐ラクトアルブミンの70%以上が未変性α‐ラクトアルブミンである組成物の調製方法。
(14)β‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を含む溶液を調製する工程と;分画分子量が50,000以下の膜を用いて溶液を処理する工程と;膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、膜の濃縮液としてβ‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と;を含むβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(15)溶液のホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液の炭酸イオン及び炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液のpHが5以上10以下である(14)に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(16)β‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を含む溶液を調製する工程と;分画分子量が300,000以下の膜を用いて溶液を処理する工程と;膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、膜の濃縮液として、β‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と;を含むβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(17)溶液のホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液の炭酸イオン及び炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、溶液のpHが5以上10以下、溶液の軽金属イオン及び遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下、である(16)に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(18)濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含む(14)から(17)のいずれか1つに記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(19)金属イオンを低減させる工程を含む(16)から(18)に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
(20)(14)から(19)に記載の全ての工程の処理温度を72℃未満にすることを特徴とする組成物に含まれるβ‐ラクトグロブリンの70%以上が未変性β‐ラクトグロブリンである組成物の調製方法。
本発明は、ホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法及びβ-ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法を提供するものである。
図1はホエイタンパク質の分画方法/LAを含む組成物の製造方法のフローチャートである。 図2はLGを含む組成物の製造方法のフローチャートである。
本発明のホエイタンパク質の分画方法、α−ラクトアルブミンを含む組成物の製造方法、及びβ-ラクトグロブリンを含む組成物の製造方法について以下に詳細に説明する。
なお、以下α−ラクトアルブミンを「LA」、β−ラクトグロブリンを「LG」、ホエイタンパク質濃縮物を「WPC」、精製ホエイタンパク質を「WPI」と記載することもある。
本発明者等は、(イ)ホエイタンパク質と、(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を混合すると、(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの複合体(以下、「複合体1」と記載する)が形成されるが、LAは複合体1の形成には関与せず複合体1を形成しないことを知見した。すなわち、本発明の第一の態様は、複合体1にはLAが含まれない性質を見出してなされたものである。
また、本発明者等は、(イ)ホエイタンパク質と、(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を混合すると、
(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン−(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの複合体、及び/又は、
複合体1−(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン−(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの複合体(以下、これらを「複合体2」と記載する)が形成されるが、LAは複合体2の形成には関与せず複合体2を形成しないことを知見した。すなわち、本発明の第二の態様は、複合体2にはLAが含まれない性質を見出してなされたものである。
(ホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法)
ホエイタンパク質の分画方法は、第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を含む溶液を調製する工程と;第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を膜により分離する工程と;を備える。
ここで、第一のホエイタンパク質は、炭酸イオン、炭酸水素イオン、軽金属イオン及び遷移金属イオンの少なくともいずれか1つと複合体を形成し、また第二のホエイタンパク質は、下記(1)(2)
(1)炭酸イオン及び炭酸水素イオンのいずれとも複合体を形成しない、
(2)軽金属イオン及び遷移金属イオンのいずれとも複合体を形成しない、の少なくとも1つを満たすものである。
(タンパク質材料)
ホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法に用いるタンパク質材料について説明する。
上記(第一、第二の)タンパク質材料は、ホエイタンパク質を含むものであればよく、牛、水牛、羊、ヤギ、馬等の哺乳類に由来するものであり、上述の要件を満たすものであればどのようなものでも用いることができ、1種類あるいは複数の原材料を組み合わせて用いることもできる。
具体的には、牛、水牛、羊、ヤギ、馬等の乳を用いてチーズを製造する際に得られるホエイ、牛、水牛、羊、ヤギ、馬等の乳に乳酸などの酸等を添加した際に得られるホエイ、これらのホエイを粉末にしたもの、これらのホエイ中の乳糖やミネラル等を低減してホエイタンパク質を濃縮したもの等を例示できる。この中で、ホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法に用いるタンパク質材料としては、乳糖や脂肪分等の夾雑成分が少なく、LAとLGの合計が全固形分に対して50重量%以上のWPCやWPIが好ましい。
第一のホエイタンパク質としては主としてβ‐ラクトグロブリンを例示できる。また第二のホエイタンパク質としては主としてα‐ラクトアルブミンを例示できる。
上記炭酸イオンと炭酸水素イオンについて説明する。
ホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法に用いる炭酸イオンと炭酸水素イオンは、水溶液中でこれらのイオンを生じるものであればどのような成分や方法を用いて生成させてもよく、下記に例示した1種類あるいは複数の化合物及び/又は方法を組み合わせて炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じさせればよい。
気体状の二酸化炭素の吹き込み、液状あるいは固体状の二酸化炭素の添加といった二酸化炭素を添加する方法、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩や、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸塩を添加する方法、炭酸水を添加する方法等が例示される。
上記軽金属イオンと遷移金属イオンについて説明する。
上記軽金属イオンと遷移金属イオンは、軽金属あるいは遷移金属の1価から3価の陽イオンであればどのようなものでもよく、1種類又は複数の金属イオンを用いることができる。これらの金属イオン源として、軽金属及び/又は遷移金属の無機塩や有機塩を用いることができる。
LAを含む組成物を食品や医薬品に用いる場合は、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンとして、食品やヒト中に存在するナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛などを用いることが好ましい。
なお、上記の炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じさせる際に、炭酸イオンや炭酸水素イオンの塩を使用する場合は、別途金属イオン源の添加は必須ではない。例えば、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として炭酸水素ナトリウムを用いた場合は、別途、ナトリウム、あるいはその他の軽金属や遷移金属の無機塩や有機塩を添加してもよいし、添加しなくてもよい。
ホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法に用いる膜について説明する。上記膜は、複合体1とLAを分画する際は、分画分子量が50,000以下のもので、LAが透過できる膜であればどのようなものでも使用できる。複合体2とLAを分画する際は、分画分子量が300,000以下のもので、LAが透過できるものであればどのようなものでも使用できる。
上記の膜処理の透過画分として得られるLAを含む組成物を濃縮する場合は、分画分子量が14,000以下でLAを濃縮可能な膜であればどのようなものでも使用できる。
分画分子量が上記の範囲であれば、膜の材質や膜濾過の方式は一般的に使用されているものであればどのようなものを用いてもよい。
膜の材質はポリアクリルアミド、再生セルロース、ポリエチレン、4フッ化エチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の有機膜や、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、ステンレス、ガラス等の無機膜を例示できる。
膜モジュールの種類は、プリーツ型モジュール、スパイラル型モジュール、モノリス型モジュール、チューブ型モジュール等を例示できる。
膜濾過の方式は全量濾過方式、クロスフロー方式、ダイアフィルトレーション方式等を例示できる。
(フローチャート)
図1はホエイタンパク質の分画方法/LAを含む組成物の製造方法のフローチャートである。ホエイタンパク質の分画方法、及びLAを含む組成物を製造する方法について図1のフローチャートを用いて説明する。なお、説明には図1の方法例を用いるが、本発明はこの方法例に限定されるものではない。
まずステップ101:溶液調製において、(第一、第二の)ホエイタンパク質を含む溶液を調製する。ホエイタンパク質を含む溶液について、金属イオンを含まない場合はステップ101a、金属イオンを含む場合はステップ101bに分かて、かかる溶液を調製することが好ましい。
ステップ101a:ホエイタンパク質を含む溶液が金属イオンを含まない場合、(第一、第二の)ホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、かつpHが5以上10以下となるように前記した原材料を用いて水溶液を調製することが好ましい。
pHが5以上10以下で上記した濃度のホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを含む水溶液中を調製すると、LAを除くホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとの相互作用により複合体1が形成される。LAはこの複合体1の形成には関与せず、LAは複合体1を形成しない。前記した原材料を用いた水溶液の調製中または調製後に、タンパク質を含む沈殿物は観察されない。タンパク質原料と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン源となる材料はどのような順番で添加してもよい。溶液の温度調整は不要であるが、微生物の繁殖を考慮して0℃以上15℃以下とすることが好ましい。
ステップ101b:ホエイタンパク質を含む溶液が金属イオンを含む場合、(第一、第二の)ホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、軽金属及び/又は遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10%重量以下、かつpHが5以上10以下となるように上述の原材料を用いて水溶液を調製することが好ましい。pHが5以上10以下で上記した濃度のホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属及び/又は遷移金属イオンとを含む水溶液中を調製することが好ましい。
LAを除くホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属及び/又は遷移金属イオンとの相互作用により複合体2が形成される。LAはこの複合体2の形成には関与せず、LAは複合体2を形成しない。
複合体2の調製において、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、反応して沈殿物を生じるような金属イオン源のみが溶解している状態は好ましくないが、これを除いては、各材料はどのような順番で添加してもよく、前記した原材料を用いた水溶液の調製中または調製後に、タンパク質を含む沈殿物は観察されない。
溶液の温度調整は不要であるが、微生物の繁殖を考慮して0℃以上15℃以下とすることが好ましい。
次に、ステップ103:濃縮処理Aにおいて、ステップ101において得られた溶液を濃縮処理できる膜を用いて濃縮処理を行なう。ステップ101において、LAと複合体1を含む水溶液を調製した場合は複合体1を、LAと複合体2を含む水溶液を調製した場合は複合体2を濃縮処理することになる。LAと複合体1を分画する際は、分画分子量が50,000以下の膜を用いることが好ましい(ステップ103a)。LAと複合体2を分画する際は、分画分子量が300,000以下の膜を用いることが好ましい(ステップ103b)。なお、複合体1、複合体2の含有量に応じて、ステップ103a、103bの何れか一方又は両工程を行うことができる。
この処理により得られる濃縮液1には、複合体1を含む水溶液を調製した場合は複合体1、複合体2を含む水溶液を調製した場合は複合体2が多く含まれる。
一方、透過液、即ちLA含有透過液2には、LAが多く含まれるものとなり、ここでLAとLGが分画され、LAを含む組成物を得ることができる。
この処理の際の試料温度、平均運転圧力、膜面流速、濃縮倍率等の処理条件は、透過液中のLA含量及び/又は濃縮液中のLG含量が全固形分あたり50〜100重量%程度となるよう適宜調整することができる。
ステップ105:濃縮処理Bにおいて、LA含有透過液2について、LAを濃縮処理できる膜を用いて濃縮処理を行なうことができる。これにより、LAを含む組成物の固形分等を所望のものとすることができる。濃縮処理Bには、分画分子量が14,000以下のLAを濃縮可能な膜を用いることが好ましい。
この処理により得られる濃縮液、即ちLA濃縮液3は、LAを含む組成物である。一方、透過液、即ち透過液4はタンパク質をほとんど含まないものとなる。
濃縮処理の際の試料温度、平均運転圧力、膜面流速、濃縮倍率等の処理条件は、LAを含む組成物が効率よく濃縮できるよう適宜調整すればよい。
ステップ105のLAを含む組成物の濃縮処理は、上記した膜による濃縮のほかに、凍結濃縮や減圧蒸発濃縮等の方法を用いてもよい。
ステップ108:DF処理Cにおいて、所望のLAの純度や回収率等に応じて、ステップ103で得られた濃縮液1(複合体1、あるいは複合体2を含んだ画分)を、ダイアフィルトレーション(以下、「DF」と記す)処理に供することができる。「DF処理」とは、濃縮液1を濃縮可能な膜を用いて、濃縮液1に適当な液を適宜添加しながら処理する方法である。DF処理には、一般的にDF処理に使用される濾過水、イオン交換水、蒸留水、超純水、膜処理工程で生じる透過液、pHやイオン強度等を調整した溶液、又はこれらの複数を混合したものを用いることができる。
このDF処理によって、膜に保持される画分、即ち濃縮液5は、全固形分あたりの複合体1、あるいは複合体2の含量が高くなる。一方、膜の透過液であるLA含有透過液6として、LAを含む組成物が得られる。
ステップ108のDF処理Cの際の試料温度、平均運転圧力、膜面流速、濃縮倍率等の処理条件は、透過液中のLA含量が全固形分あたり50〜100重量%程度となるよう適宜調整することができる。
ステップ110:濃縮処理Dにおいて、LA含有透過液6はステップ105と同様の濃縮処理をすることができる。この処理により得られる濃縮液、即ちLA濃縮液7は、LAを含む組成物である。一方、透過液8は、ステップ105で得られる透過液4と同様に、タンパク質をほとんど含まないものとなる。
図1のステップ103、108、105、110(濃縮処理A、DF処理C、濃縮処理B又は濃縮処理D)のそれぞれは2つ以上を組み合わせることができ、所望のLA含量やLA回収率、あるいは設備、エネルギーコスト、排水の制御等の目的により、適宜組合せればよい。
得られたLAを含む組成物は、必要に応じて常法により殺菌処理をした後に、常法により乾燥して粉末状態とすることができる。
また、本方法に用いるタンパク質原料の製造工程、及び上記したLAを含む組成物の調製方法の工程の温度をLAの変性に大きな影響を与えない温度(例えば62℃未満)とすることで、含まれるLAのほとんどが(例えば70%以上)未変性であるLAを含む組成物を得ることができる。
ホエイタンパク質の分画方法/LAを含む組成物の製造方法は、濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含めることができる。
(LGを含む組成物の製造方法)
LGを含む組成物の製造方法は、(イ)ホエイタンパク質と、(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を混合すると、(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの複合体(以下、「LGを含む複合体1」と記載する)が形成されるが、LAはLGを含む複合体1の形成には関与せずLGを含む複合体1を形成しないという知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明はLGを含む複合体1にはLAが含まれない性質を見出してなされたものである。
また、LGを含む組成物の製造方法は、(イ)ホエイタンパク質と、(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を混合すると、(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン−(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの複合体、及び/又は、LGを含む複合体1−(イ)ホエイタンパク質―(ロ)炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン−(ハ)軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの複合体(以下、これらを「LGを含む複合体2」と記載する)が形成されるが、LAはLGを含む複合体2の形成には関与せずLGを含む複合体2を形成しない。すなわち、本発明はLGを含む複合体2にはLAが含まれない性質を見出してなされたものである。
LGを含む組成物の製造方法用いるタンパク質材料、炭酸イオンと炭酸水素イオン、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオン、膜、は上述したホエイタンパク質の分画方法及びLAを含む組成物の製造方法で用いるものと同じでよい。
(フローチャート)
図2はLGを含む組成物の製造方法のフローチャートである。LGを含む組成物を製造する方法について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、説明には図2の方法例を用いるが、本発明はこの方法例に限定されるものではない。
まずステップ201:溶液調製において、(第一、第二の)ホエイタンパク質を含む溶液を調製する。その際、ホエイタンパク質を含む溶液について、金属イオンを含まない場合はステップ201a、金属イオンを含む場合はステップ201bに分かて、かかる溶液を調製することが好ましい。
ステップ201a:ホエイタンパク質を含む溶液が金属イオンを含まない場合、(第一、第二の)ホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、かつpHが5以上10以下となるように前記した原材料を用いて水溶液を調製することが好ましい。pHが5以上10以下で上記した濃度のホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを含む水溶液中を調製すると、LAを除くホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとの相互作用によりLGを含む複合体1が形成される。LAはこのLGを含む複合体1の形成には関与せず、LAはLGを含む複合体1を形成しない。前記した原材料を用いた水溶液の調製中または調製後に、タンパク質を含んだ沈殿物は観察されない。タンパク質原料と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン源となる材料はどのような順番で添加してもよい。溶液の温度調整は不要であるが、微生物の繁殖を考慮して0℃以上15℃以下とすることが好ましい。
ステップ201b:ホエイタンパク質を含む溶液が金属イオンを含む場合、(第一、第二の)ホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、軽金属及び/又は遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下、かつpHが5以上10以下となるように前記した原材料を用いて水溶液を調製する。pHが5以上10以下で上記した濃度のホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと軽金属及び/又は遷移金属イオンを含む水溶液中を調製すると、LAを除くホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと軽金属及び/又は遷移金属イオンとの相互作用によりLGを含む複合体2が形成される。LAはこのLGを含む複合体2の形成には関与せず、LAはLGを含む複合体2を形成しない。
LGを含む複合体2の調製において、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、反応して沈殿物を生じるような金属イオン源のみが溶解している状態は好ましくないが、これを除いては、各材料はどのような順番で添加してもよく、前記した原材料を用いた水溶液の調製中または調製後に、タンパク質を含んだ沈殿物は観察されない。
溶液の温度調整は不要であるが、微生物の繁殖を考慮して0℃以上15℃以下とすることが好ましい。
次に、ステップ203:濃縮処理Aにおいて、ステップ201において得られた溶液を濃縮処理できる膜を用いて濃縮処理を行なう。ステップ201において、LGを含む複合体1を含む水溶液を調製した場合はLGを含む複合体1を、LGを含む複合体2を含む水溶液を調製した場合はLGを含む複合体2を濃縮処理することになる。LGを含む複合体1とLAを分画する際は、分画分子量が50,000以下の膜を用いることが好ましい(ステップ203a)。LGを含む複合体2とLAを分画する際は、分画分子量が300,000以下の膜を用いることが好ましい(ステップ203b)。なお、LGを含む複合体1、LGを含む複合体2の含有量に応じて、ステップ203a、203bの何れか一方又は両工程を行うことができる。
この処理によりLAは主に透過液であるLA含有透過液2に移行する。これにより、濃縮液1は、LGを含む複合体1を含む水溶液を調製した場合はLGを含む複合体1、LGを含む複合体2を含む水溶液を調製した場合はLGを含む複合体2が多く含まれるようになり、ここでLGを含む組成物を得ることができる。
この処理の際の試料温度、平均運転圧力、膜面流速、濃縮倍率等の処理条件は、濃縮液中のLG含量が全固形分あたり50〜100重量%程度となるよう適宜調整することができる。
ステップ208:DF処理Cにおいて、所望のLGの純度や回収率等に応じて、ステップ203で取得した濃縮液1(LGを含む複合体1、あるいはLGを含む複合体2を含んだ画分)を、DF処理に供することができる。DFには、一般的にDF処理に使用される濾過水、イオン交換水、蒸留水、超純水、膜処理工程で生じる透過液、pHやイオン強度等を調整した溶液、又はこれらの複数を混合したものを用いることができる。
この処理によって、膜に保持される画分、即ち濃縮液3は、全固形分あたりのLGを含む複合体1、あるいはLGを含む複合体2の含量が高くなる。一方、膜の透過液であるLA含有透過液5はLAを含む組成物となる。
DF処理の際の試料温度、平均運転圧力、膜面流速、濃縮倍率等の処理条件は、濃縮液中のLG含量が全固形分あたり50〜100重量%程度となるよう適宜調整することができる。
ステップ210:脱金属処理において、濃縮液3(得られたLGを含む複合体1、あるいはLGを含む複合体2を含む画分)は、必要に応じて金属のキレート作用を有する成分を添加あるいは画分のpHを3.0以下に低下できる作用を有する成分を添加し、金属イオンを、LGを含む複合体1又はLGを含む複合体2から解離させることができる。
これを膜あるいは電気透析等の処理に供することにより、金属を低減したLGを含む組成物を得ることができる。
キレート作用を有する成分としては、クエン酸、アスコルビン酸、エチレンジアミン四酢酸類等が例示できる。
pHを低下させる成分としては、塩酸、硫酸、硝酸類等を例示できる。
さらに、必要に応じて常法により、ステップ214:殺菌処理をし、ステップ216:乾燥して粉末状態とすることが可能である。得られた乾燥粉末は金属の可溶化剤としても使用することができる。
本方法に用いるタンパク質原料の製造工程、および上記したLGを含む組成物の工程の温度を全て78℃未満とすることで、含まれるLGのほとんどが(例えば70%以上)未変性である組成物を得ることができる。
図2のステップ203、208、212、214、216(濃縮処理A、DF処理B、及び脱金属処理や殺菌処理や乾燥処理)のそれぞれは2つ以上を組み合わせることができ、所望のLG含量やLG回収率、あるいは設備、エネルギーコスト、排水の制御等の目的により、適宜組合せればよい。
LGを含む組成物の製造方法は、濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含む含めることができる。また全ての工程の処理温度を72℃未満し、組成物に含まれるβ‐ラクトグロブリンの70%以上が未変性であるβ‐ラクトグロブリンを含む組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1:複合体2の形成によるLAとLGの分画)
材料
ホエイタンパク質材料はホエイ粉1とホエイ粉2を用いた。ホエイ粉1は、チーズホエイをイオン交換と限外濾過処理に供し、ホエイタンパク質含量を93.9重量%としたものである。ホエイ粉2は、酸ホエイをイオン交換と限外濾過処理に供し、ホエイタンパク質含量を93.5重量%としたものである。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。
軽金属イオンの材料は塩化マグネシウム6水和物、塩化カリウム、遷移金属イオンの材料は塩化マンガン4水和物、硫酸第一鉄7水和物、塩化第二鉄6水和物、硫酸第二鉄、硫酸銅5水和物を用いた。
比較例の調製には水酸化ナトリウムを用いた。実施例及び比較例に使用した水は全てイオン交換水を用いた。
上記材料を用いて表1に示す実施例1から実施例20と比較例1から比較例5に係る水溶液を調製した。調製した水溶液のpHは7.8〜8.3であった。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて、4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質がポリエーテルスルホンで分画分子量が50,000、100,000、及び300,000のものと、材質が再生セルロースで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜を透過した溶液を回収し、透過液に含まれるLAとLGの量を測定した。LAとLGの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
複合体2を形成させ、膜で濾過することにより得られた透過液を、LAを含む透過液として得た実施例1から実施例20は表1のとおり、LA/LG比が高くなった。すなわち、複合体2は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LAと複合体2とが分画され、透過液としてLAを含む組成物が得られた。
表1に示した実施例は全ての条件において、金属塩のみが添加された比較例よりもLA/LG比が高く、実施例1から実施例20は比較例1から比較例5よりもLAとLGが効率よく分画されていた。
LA/LG比は濾過膜の分画分子量が50,000の時に高かった。一方で、膜の材質は再生セルロースとポリエーテルスルホンで差はなかった。
なお、濾過前の実施例1から実施例20と比較例1から比較例5の水溶液を、10℃で24時間静置してから、上記と同様に濾過して得られる透過液のLA/LG比は、表1に示す値の98〜103%であり、ほぼ同様であった。また、24時間静置後の各溶液に沈殿物は観察されなかった。
Figure 2017154867
(試験例2:複合体1の形成によるLAとLGの分画)
材料
ホエイタンパク質材料としてホエイ粉1とホエイ粉2を用いた。
実施例21には炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として炭酸水素ナトリウムを用い、水はイオン交換水を用いた。
実施例22と実施例23には炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として二酸化炭素を飽和させたイオン交換水(炭酸水)を用いた。
上記した材料を用いて表2に示す実施例21から実施例23に係る水溶液を調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質がポリエーテルスルホンで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜を透過した溶液を回収し、ここに含まれるLAとLGの量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
表2に示したとおり、ホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じる成分とを添加し、これら含む溶液を膜で濾過することにより、得られる透過液のLA/LG比が高くなった。すなわち、複合体1は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LAと複合体1とが分画され、透過液としてLAを含む組成物が得られた。
また、表2に示した実施例21から実施例23は全ての条件において、処理前及び表1に示した比較例よりもLA/LG比が高く、効率よく分画されていた。
なお、濾過前の水溶液を、10℃で24時間静置してから、上記と同様に濾過して得られる透過液のLA/LG比は、表2に示す値の95〜101%であり、ほぼ同様であった(データは示していない)。また、24時間静置後の各溶液に沈殿物は観察されなかった。
Figure 2017154867
(試験例3:LAとLGの分画に及ぼすpHの影響)
ホエイタンパク質材料としてホエイ粉3を用いた。ホエイ粉3はチーズホエイをイオン交換と限外濾過処理に供し、ホエイタンパク質含量を95.1%としたものである。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は、炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属/遷移金属イオンの材料は、硫酸銅5水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。pHの調整には、和光純薬工業(株)の1mol/L塩酸水溶液を用いた。水溶液のpHは常法に従い測定した。
上記した材料を用いて表3に示す実施例24から実施例26に係る水溶液を調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質が再生セルロースで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜を透過した溶液を回収し、ここに含まれるLAとLGの量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
ホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じる成分と軽金属及び/又は遷移金属塩とを添加し、これら含む溶液のpH調整した後に膜で濾過することにより得た透過液のLA/LG比は、すべてのpHで処理前よりも高かった。すなわち、複合体2は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LAと複合体2とが分画され、透過液としてLAを含む組成物が得られた。実施例24から実施例26のLAの回収率はそれぞれ35%、39%、29%であった。
Figure 2017154867
(試験例4:LAを含む組成物の製造)
材料
ホエイタンパク質材料はホエイ粉1を用いた。炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属及び/又は遷移金属イオンの材料は硫酸第一鉄7水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。
LAとLGの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
上記した材料を用いて表4に示す実施例27に係る水溶液を30kg調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
この水溶液を、濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転圧力0.2MPaであった。この処理により濃縮液10kgと透過液20kg(LAを含む組成物)を得た。
この透過液20kgを濾過膜(ポリエーテルスルホン素材、分画分子量10,000、膜面積1.00平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濃縮処理を行なった。処理条件は温度10℃、平均運転圧力0.4MPaであった。この処理により濃縮液2kg(LAを含む組成物)と透過液18kgを得た。透過液へのLAとLGの移行は認められなかった。
続いて、前段落で得られた濃縮液のDF処理を行った。使用した濾過膜と運転条件は前段落と同じである。DF処理は透過液(LAを含む組成物)が18kgとなった時点で終了した。
前々段落の濃縮液と前段落の透過液を常法に従い加熱殺菌処理した後に、凍結乾燥処理し、粉末状のLAを含む組成物(実施例27)を得た。
乾燥粉末状のLAを含む組成物のLA/LG比は6.8であり、処理前のホエイ粉1の0.3から著しく高かった。LAの回収率は85%であった。
Figure 2017154867
(試験例5:未変性のLAを含む組成物の製造)
材料
タンパク質源として生乳(全固形分14%、脂肪分4.1%)を用いた。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属イオン及び/又は遷移金属の材料は塩化第二鉄6水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。
LAとLGの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
生乳を遠心機で処理し脂肪分を除去した脱脂乳を得た。この脱脂乳を濾過膜(セラミック素材、分画分子量0.1μm、膜面積1.05平方メートル)を用いてクロスフロー方式により濾過処理を行い、0.05重量%のホエイタンパク質を含んだ透過液を得た。
このホエイタンパク質を含む水溶液に0.05重量%の炭酸水素ナトリウム及び鉄イオンとして0.005重量%となるように塩化第二鉄6水和物を加えた実施例28に係る水溶液を30kg調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
この水溶液を、濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理した。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転圧力0.2MPaであった。この処理により濃縮液10kgと、透過液(LAを含む組成物)20kgを得た。この透過液のLA/LG比4.13であり、処理前の0.5から著しく高くなった。
前段落で得られた濃縮液のDF処理を行った。使用した濾過膜と運転条件は前段落の記載と同じである。透過液(LAを含む組成物)が18kgとなった時点でDF処理を終了した。
前々段落と前段落で得られた透過液を濾過膜(ポリエーテルスルホン素材、分画分子量10,000、膜面積1.00平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転圧力0.4MPaであった。この処理により濃縮液(LAを含む組成物)4kgと透過液34kgを得た。透過液へのLAとLGの移行はなかった。
前段落の濃縮液を常法に従い、凍結乾燥処理し乾燥粉末状のLAを含む組成物(実施例28)を得た。実施例28のLA/LG比は4.1であり、変性したLAは1%であった。またLAの回収率は62%であった。
(試験例6:LAを含む組成物の製造)
材料
ホエイタンパク質材料としてホエイ粉2を用いた。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属/遷移金属イオンの材料は硫酸銅5水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。
LAとLGの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
表5に記載の実施例29に係る水溶液を300g調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
この水溶液を、濾過膜(ポリエーテルスルホン素材、分画分子量50,000、膜面積0.050平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転2.5barであった。この処理により濃縮液90gと透過液200g(LAを含む組成物)を得た。
前段落で得られた濃縮液をDF処理に供した。使用した濾過膜と運転条件は前段落の記載と同じである。透過液(LAを含む組成物)が180gとなった時点でDF処理を終了した。
前々段落と前段落の透過液380gを濾過膜(ポリエーテルスルホン素材、分画分子量5,000、膜面積0.050平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転2.5barであった。この処理により濃縮液40g(LAを含む組成物)と透過液340gを得た。透過液へのLAとLGの移行は認められなかった。
この濃縮液を常法に従い、凍結乾燥処理し乾燥粉末状のLAを含む組成物(実施例29)を得た。乾燥粉末中のLA/LG比は5.2であり、変性したLAは31%であった。また、LAの回収率は96%であった。
Figure 2017154867
(試験例7:複合体2の形成によるLAとLGの分画)
材料
ホエイタンパク質材料はホエイ粉2を用いた。炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属イオンの材料は塩化マグネシウム6水和物、遷移金属イオンの材料は硫酸第二鉄を用いた。水はイオン交換水を用いた。上記材料を用いて表6に示す実施例30から実施例36に係る水溶液を調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて、4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質が再生セルロースで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜を透過した溶液を回収し、透過液に含まれるLAとLGの量を測定した。LAとLGの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
複合体2を形成させ、膜で濾過することにより得られた透過液を、LAを含む透過液として得た実施例30から実施例36、は表6のとおりLA/LG比が高くなった。すなわち、複合体2は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LAと複合体2とが分画され、透過液としてLAを含む組成物が得られた。
また、表6に示した実施例30から実施例36は全ての条件において、処理前及び表1に示した比較例よりもLA/LG比が高く、効率よく分画されていた。LAの回収率は33%から45%であった。
Figure 2017154867
(試験例8)
材料
ホエイタンパク質材料はホエイ粉1とホエイ粉2を用いた。ホエイ粉1は、チーズホエイをイオン交換と限外濾過処理に供し、ホエイタンパク質含量を93.9重量%としたものである。ホエイ粉2は、酸ホエイをイオン交換と限外濾過処理に供し、ホエイタンパク質含量を93.5重量%としたものである。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。
軽金属イオンの材料は塩化マグネシウム6水和物、塩化カリウム、遷移金属イオンの材料は塩化マンガン4水和物、硫酸第一鉄7水和物、塩化第二鉄6水和物、硫酸第二鉄、硫酸銅5水和物を用いた。
比較例の調製には水酸化ナトリウムを用いた。実施例及び比較例に使用した水は全てイオン交換水を用いた。
表7に示す実施例37から実施例56と比較例6から比較例10に係る水溶液を調製した。調製した水溶液のpHは7.8〜8.3であった。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質がポリエーテルスルホンで分画分子量が50,000、100,000、及び300,000のものと、材質が再生セルロースで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜に保持された濃縮液として実施例37から実施例56と比較例6から比較例10を取得し、濃縮液に含まれるLGとLAの量を測定した。LGとLAの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
表7に示したとおり、ホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じる成分と軽金属及び/又は遷移金属塩とを添加し、これらを含む溶液を膜で濾過することにより、得られる濃縮液のLG/LA比は高くなっていた。すなわち、LGを含む複合体2は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LGを含む複合体2とLAとが分画され、濃縮液としてLGを含む組成物が得られた。
表7に示した実施例は全ての条件において、軽金属のみが添加された比較例よりもLG/LA比が高く、実施例37から実施例56は比較例6から比較例10よりも効率よくLGとLAが分画されていた。
LG/LA比は濾過膜の分画分子量が50,000の時に高かった。一方で、膜の材質は再生セルロースとポリエーテルスルホンで差はなかった。
なお、濾過前の実施例37から実施例56と比較例6から比較例10の水溶液を、10℃で24時間静置してから、上記と同様に濾過して得られる透過液のLG/LA比は、表7に示す値の97〜102%であり、ほぼ同様であった(データは示していない)。また、24時間静置後の各溶液に沈殿物は観察されなかった。
Figure 2017154867
(試験例9)
材料
ホエイタンパク質材料としてホエイ粉1を用いた。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属/遷移金属イオンの材料として硫酸銅5水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。
LGとLAの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
上記材料を用いて表8の実施例57に係る水溶液30kgを調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
この水溶液を、濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転圧力0.2MPaであった。この処理により濃縮液10kg(LGを含む組成物)と透過液20kgを得た。
続いて、得られた10kgの濃縮液をDF処理に供した。DF処理は透過液が18kg得られた時点で終了した。
DF処理した濃縮液にL−アスコルビン酸を1重量%となるように添加し、ゆるやかに60分間、室温で攪拌後、これをさらに濾過処理に供した。濾過は濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用い、10℃、平均運転圧力0.2MPaの条件でおこなった。
前段落で得た濃縮液を凍結乾燥処理により粉末化した。これにより、処理前のLG/LA比3.24と比較してLG/LA比が高くなったLG/LA比が7.21、金属含量が0.5重量%のLGを含む組成物を得た(実施例57)。
Figure 2017154867
(試験例10)
材料
ホエイタンパク質材料としてホエイ粉1とホエイ粉2を用いた。
実施例58の調製には炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として炭酸水素ナトリウムを用い、水はイオン交換水を用いた。
実施例59と実施例60の調製には炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料として二酸化炭素を飽和させたイオン交換水(炭酸水)を用いた。
上記した材料を用いて表9に示す実施例58から実施例60に係る水溶液を調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質がポリエーテルスルホンで分画分子量が50,000のものを用いた。
濃縮液を回収し、ここに含まれるLGとLAの量を測定した。LGとLAの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
表9に示したとおり、ホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じる成分とを添加し、これら含む溶液を膜で濾過することにより、得られる濃縮液のLG/LA比が高くなった。すなわち、LGを含む複合体1は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LGを含む複合体1とLAとが分画され、濃縮液としてLGを含む組成物が得られた。
また、表9に示した実施例58から実施例60は全ての条件において、処理前及び表7に示した比較例6から比較例10よりもLG/LA比が高く、効率よくLGとLAが分画されていた。
なお、濾過前の実施例58から実施例60の水溶液を、10℃で24時間静置してから、上記と同様に濾過して得られる透過液のLG/LA比は、表9に示す値の95〜101%であり、ほぼ同様であった(データは示していない)。また、24時間静置後の各溶液に沈殿物は観察されなかった。
Figure 2017154867
(試験例11)
実施例60を凍結乾燥により粉末化した(実施例61)。10℃で1ヶ月間保存した実施例61の水分含量は5.1重量%であった。これをイオン交換水に溶解させ、1重量%の水溶液を調製した。この水溶液に塩化第二鉄6水和物を0.01重量%となるように添加し、攪拌後、95℃達温の条件で加熱殺菌した。加熱殺菌後、直ちに10℃に冷却し、冷却直後と10℃で3日間保存した後の水溶液の状態を目視で観察した。
その結果、冷却直後と10℃保存3日間後のいずれにおいても、沈殿物や白濁は認められず、粉末化したLGを含む組成物は、金属可溶化能を有していた。
(試験例12)
タンパク質源として生乳(全固形分14%、脂肪分4.1%)を用いた。
炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属イオン及び/又は遷移金属の材料は塩化第二鉄6水和物を用いた。水はイオン交換水を用いた。
LGとLAの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
生乳を遠心機で処理し脂肪分を除去した脱脂乳を得た。この脱脂乳を濾過膜(セラミック素材、分画分子量0.1μm、膜面積1.05平方メートル)を用いてクロスフロー方式で濾過処理を行い、0.05重量%のホエイタンパク質を含んだ透過液を得た。
このホエイタンパク質を含む水溶液に0.05重量%の炭酸水素ナトリウム、及び鉄イオンとして0.005重量%となるように塩化第二鉄6水和物を加えた実施例62に係る水溶液を30kg調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
この水溶液を、濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用いてクロスフロー方式により濾過処理を行なった。濾過処理の条件は温度10℃、平均運転圧力0.2MPaであった。この処理により透過液20kgと、濃縮液としてLGを含む組成物10kgを得た。
この濃縮液のLG/LA比は5.22であり、処理前の2.14から著しく高くなった。
この濃縮液をさらにDF処理に供した。DF処理は透過液量18kgが得られた時点で終了した。
DF処理した濃縮液にL−アスコルビン酸を1重量%となるように添加し、ゆるやかに60分間、室温で攪拌後、これをさらに濾過処理に供した。濾過は濾過膜(ポリアクリロニトリル素材、分画分子量50,000、膜面積0.20平方メートル)を用い、クロスフロー方式により10℃、平均運転圧力0.2MPaの条件でおこなった。
前段落の濃縮液を常法に従い、凍結乾燥処理し乾燥粉末状のLGを含む組成物(実施例62)を得た。乾燥粉末中のLG/LA比は4.98であり、変性したLGは1%であった。またLGの回収率は65%であった。
(試験例13)
材料
ホエイタンパク質材料はホエイ粉2を用いた。炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの材料は炭酸水素ナトリウムを用いた。軽金属イオンの材料は塩化マグネシウム6水和物、遷移金属イオンの材料は硫酸第二鉄を用いた。水はイオン交換水を用いた。上記材料を用いて表10に示す実施例63から実施例69に係る水溶液を調製した。水溶液の調製中あるいは調製後に沈殿物は観察されなかった。
調製した水溶液は遠心機を用いて、4000G、15分の条件で全量濾過方式により濾過した。濾過膜は材質が再生セルロースで分画分子量が50,000のものを用いた。
濾過膜に保持された溶液を回収し、濃縮液に含まれるLGとLAの量を測定した。LGとLAの量は高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件はBordinらの方法(Journal of Chromatography A.(2001)928、1、63―76)に従った。
表10に示したとおり、ホエイタンパク質と炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを生じる成分と軽金属及び/又は遷移金属塩とを添加し、これらを含む溶液を膜で濾過することにより、得られる濃縮液のLG/LA比は高くなっていた。すなわち、LGを含む複合体2は濾過膜を透過せず、LAが濾過膜を透過する傾向が認められ、LGを含む複合体2とLAとが分画され、濃縮液としてLGを含む組成物が得られた。
Figure 2017154867

Claims (20)

  1. 第一のホエイタンパク質及び第二のホエイタンパク質を含む溶液を調製する工程と、
    前記第一のホエイタンパク質及び前記第二のホエイタンパク質を膜により分離する工程と、を備え、
    前記第一のホエイタンパク質は、炭酸イオン、炭酸水素イオン、軽金属イオン及び遷移金属イオンの少なくとも1つと複合体を形成するものであり、
    前記第二のホエイタンパク質は、下記(1)、(2)
    (1)炭酸イオン及び炭酸水素イオンのいずれとも複合体を形成しない、
    (2)軽金属イオン及び遷移金属イオンのいずれとも複合体を形成しない、
    の少なくとも1つを満たすことを特徴とするホエイタンパク質の分画方法。
  2. 前記第一のホエイタンパク質が主としてβ‐ラクトグロブリンを含むホエイタンパク質であり、前記第二のホエイタンパク質が主としてα‐ラクトアルブミンを含むホエイタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  3. 前記膜の分画分子量が50,000以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  4. 前記膜の分画分子量が300,000以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  5. 前記溶液は、前記第一のホエイタンパク質及び前記第二のホエイタンパク質の全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、前記炭酸イオン及び/又は前記炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、pHが5以上10以下であることを特徴とする請求項1から請求項4に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  6. 前記軽金属イオン及び/又は前記遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  7. 濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のホエイタンパク質の分画方法。
  8. ホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を含む溶液を調製する工程と、
    分画分子量が50,000以下の膜を用いて前記溶液を処理する工程と、
    前記膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、前記膜の濃縮液としてβ‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と、
    前記α‐ラクトアルブミンを含む溶液を分画分子量が14,000以下の膜で処理する工程と、を含むことを特徴とするα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
  9. 前記溶液の前記ホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液の炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液のpHが5以上10以下であることを特徴とする請求項8に記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
  10. ホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を含む溶液を調製する工程と、
    分画分子量が300,000以下の膜を用いて前記溶液を処理する工程と、
    前記膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、前記膜の濃縮液として前記β‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と、
    前記α‐ラクトアルブミンを含む溶液を分画分子量が14,000以下の膜で処理する工程と、を含むことを特徴とするα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
  11. 前記溶液のホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液の炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液のpHが5以上10以下、
    前記溶液の軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下、であることを特徴とする請求項10に記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
  12. 濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含むことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のα‐ラクトアルブミンを含む組成物の調製方法。
  13. 請求項8から請求項12に記載の全ての工程の処理温度を62℃未満することを特徴とする組成物に含まれるα‐ラクトアルブミンの70%以上が未変性α‐ラクトアルブミンである前記組成物の調製方法。
  14. ホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、を含む溶液を調製する工程と、
    分画分子量が50,000以下の膜を用いて前記溶液を処理する工程と、
    前記膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、前記膜の濃縮液として前記β‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と、を含むことを特徴とするβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  15. 前記溶液の前記ホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液の炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液のpHが5以上10以下であることを特徴とする請求項14に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  16. ホエイタンパク質と、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンと、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンと、を含む溶液を調製する工程と、
    分画分子量が300,000以下の膜を用いて前記溶液を処理する工程と、
    前記膜の透過液としてα‐ラクトアルブミンを含む溶液と、前記膜の濃縮液として、前記β‐ラクトグロブリン、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオン、軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンで形成された複合体を含む溶液と、を得る工程と、を含むことを特徴とするβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  17. 前記溶液の前記ホエイタンパク質の濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液の炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンの全濃度が0.001重量%以上35重量%以下、
    前記溶液のpHが5以上10以下、
    前記溶液の軽金属イオン及び/又は遷移金属イオンの全濃度が0.00001重量%以上10重量%以下、であることを特徴とする請求項16に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  18. 濃縮工程、ダイアフィルトレーション工程、殺菌工程、凍結工程、乾燥工程、粉末化工程から選択される1つ、又は複数の工程を含むことを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか1項に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  19. 前記軽金属イオン及び/又は前記遷移金属イオンを低減させる工程を含むことを特徴とする請求項16から請求項18に記載のβ‐ラクトグロブリンを含む組成物の調製方法。
  20. 請求項14から請求項19に記載の全ての工程の処理温度を72℃未満することを特徴とする組成物に含まれるβ‐ラクトグロブリンの70%以上が未変性β‐ラクトグロブリンである前記組成物の調製方法。
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