JP2009005626A - プリン - Google Patents

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圭次 森本
Hideki Sakurai
英樹 櫻井
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Abstract

【課題】卵の配合割合及び加熱条件が制約されている条件下で、カスタード風味を変化させずに、プリンの破断時の応力及び弾性率を低下させ、軟らかい食感にする。
【解決手段】卵、及び脱脂した乳をナノ濾過(NF)、限外濾過(UF)、又は精密濾過(MF)のいずれかの方法で濾過した際の膜不通過成分を含むプリン原料液を、加熱凝固させるプリン。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリン原料液を容器に充填して加熱凝固させたタイプの工業的に製造されるプリンに関する。
工業的に製造されるプリンは、卵を含むプリン原料液を、卵成分の熱凝固温度以下で混合溶解した後、容器に充填し、オーブンや蒸し器等を用いて加熱凝固させて製造する。原料としては、卵の他に乳成分等が使用されており、乳成分には牛乳のみならず、クリームや脱脂粉乳等の乳製品も使用されている。例えば特許文献1においては、クリームや脱脂粉乳を使用したプリンの製造法が開示されている。
この製造方法では、加熱によるメイラード反応の反応生成物がカスタード風味を生じさせ、卵由来のタンパク質の熱変性によりプリン原料液が凝固する。つまり、プリンのカスタード風味及び硬さは、加熱の程度と卵の配合割合によって支配されている。
従ってプリンを設計する際には、卵の配合割合と加熱条件の設定をする必要があり、更に、工業的に生産するには賞味期限から要求される殺菌効果等も考慮しなくてはならない。実際のプリンの製造では、加熱が殺菌を兼ねていることが多く、賞味期限から要求される殺菌効果を得るために制約された加熱条件が必要とされる。そこで、カスタード風味と硬さの設計は、主として卵の配合割合を調整して行われる。
特許第03730206号公報
しかしながら、充分な殺菌効果を得うる加熱条件下において、カスタード風味を出すために卵の配合割合を多くすると、食感が硬くなるという問題がある。
また、卵黄と卵白の比率を人工的に変化させ、カスタード風味と硬さを調整する方法も考えられるが、カスタード風味と硬さが著しく変化し、好ましい風味、食感が得られないという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、加熱条件が制約されている条件下で、カスタード風味と軟らかい食感を兼ね備えたプリンを得ることを目的とする。
本発明のプリンは、卵及び膜処理乳を含むプリン原料液を加熱凝固させてなるプリンであって、前記膜処理乳が、脱脂した乳を、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜から選択されるいずれかの膜で濾過処理して得た膜不通過成分からなることを特徴とするプリンである。
前記膜処理乳中におけるタンパク質に対する灰分の割合は16質量%以下であることが好ましい。
また、前記膜処理乳中のタンパク質が、プリン原料液全量に対して2〜4質量%であると好ましい。
本発明によれば、加熱条件が制約されている条件下で、カスタード風味と、軟らかい食感を兼ね備えたプリンを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプリンは、卵及び膜処理乳を含むプリン原料液を、加熱凝固させて製造したものである。
〔卵〕
卵としては、生全卵、生卵黄、生卵白、殺菌全卵、殺菌卵黄、殺菌卵白、加糖全卵、加糖卵黄、及び加糖卵白等が挙げられるが、良好な風味が得られることから全卵が好ましく、保存性を考えると殺菌全卵が特に好ましく、いずれもタンパク質が熱変性していないものとする。卵の添加量は、出来上がりのプリンの食感と風味を考慮して決定するが、プリン全量に対して10〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜25質量%であることが好ましい。
プリン全量に対する卵の添加量が、10質量%以上であれば、プリンが軟らかくなりすぎる、カスタード風味が少なくなる等の問題が生じにくく、また、30質量%以下であればプリンが硬くなる、硫黄臭が強くなる等の問題が生じにくい。
〔膜処理乳〕
膜処理乳は、脱脂した乳をナノ濾過(NF)膜、限外濾過(UF)膜、又は精密濾過(MF)膜から選択されるいずれかの膜で濾過して得た膜不通過成分である。前記膜不通過成分は、湿潤したままでも、乾燥して粉乳状態としたものでもよい。
ここで、脱脂した乳とは、生乳からほとんどの乳脂肪を除去したもの(乳脂肪が乳固形分あたり6%未満であるもの)を言い、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳等を含む。
ナノ濾過(NF)膜とは、細孔径が0.5から2nmの範囲にあり、主として1価のイオンと水を透過する濾過膜である。
ナノ濾過(NF)膜としては、塩化ナトリウム阻止率が60%以下であるものを選定して用いることが好ましく、日東電工社製 NTR−7250などの市販のナノ濾過(NF)膜が利用できる。
ナノ濾過(NF)の条件としては、0.3〜3MPaの操作圧力であることが好ましい。
限外濾過(UF)膜とは、2nm〜1μmの細孔径である濾過膜である。
限外濾過(UF)膜としては、分画分子量が10000〜100000程度なものを選定して用いることが好ましく、旭化成社製 マイクローザMFなどの市販の限外濾過(UF)膜が利用できる。
限外濾過(UF)の条件としては、0.3MPa以下の操作圧力であることが好ましい。
精密濾過(MF)膜とは、0.1〜10μm程度の細孔径である濾過膜である。
精密濾過(MF)膜としては、細孔径が0.1〜1μmであるものを選定して用いることが好ましく、日本ポール社製 Membraloxなどの市販の精密濾過(MF)膜が利用できる。
精密濾過(MF)の条件としては、減圧状態で運転されることが好ましい。
脱脂した乳を上記各濾過装置で濾過すると、膜通過成分と膜不通過成分に分離する。本発明では、膜処理乳として、前記膜不通過成分を利用する。膜不通過成分は、上記濾過膜によって、脱脂した乳中の水分、灰分、乳糖、及びホエータンパク質の一部が除かれたものとなる。膜不通過成分における各組成は、膜の種類、膜を通過する速度、及び膜にかかる圧力等によって、膜を通り抜ける成分と量が異なることを利用し、調節することができる。ナノ濾過(NF)には、1価のイオンのみ分離できるという利点があり、限外濾過(UF)には、脱塩ができるという利点があり、精密濾過(MF)には、脱塩ができる及びタンパク質の調整ができるという利点がある。
膜処理乳はタンパク質に対する灰分が16質量%以下であることが好ましい。
膜処理乳中のタンパク質に対する灰分が16質量%以下であると破断時の応力及び弾性率が低く、食感が軟らかくなりやすい。
また、膜処理乳由来のタンパク質の割合は、プリン原料液全量に対して2〜4質量%であることが好ましい。
膜処理乳由来のタンパク質が、プリン原料液全量に対して2質量%以上であれば、弾性率が柔軟に変化し、食感を変化させることが可能である。また、4質量%以下であれば、プリンの破断時の応力が上昇しすぎることなく、硬すぎない食感のプリンを得られる。
〔その他の原料〕
その他に、プリンの原料として、クリーム、バター等の油脂、糖類、でん粉類、リキュール、甘味料、香料、着色料、乳化剤等を必要に応じて使用する。
〔製造方法〕
本発明のプリンは、上記原料を含むプリン原料液を加熱凝固することで製造される。具体的には、混合・溶解→加温→均質化→充填→焼成及び/又は蒸し→冷却→密封→冷蔵の工程順に製造されることが好ましい。
(混合・溶解)
混合溶解には、ミキサー(例えば、商品名:スーパーミキサー;ヤスダファインテ社製)や攪拌機付きタンク(例えば、商品名:Bパス;ヤスダファインテ社製)等が使用できる。溶解温度は15〜25℃が好ましいが、油脂を溶解する場合には50〜60℃にしても良い。本発明のプリンを製造するにあたっては、溶解温度が25〜50℃であると、混合溶解に長時間を要した場合に細菌増殖のおそれがある為に、溶解温度を15〜25℃の範囲に設定した。また、60℃以下であれば、卵成分の熱変性がなく、焼成及び/又は蒸し工程で目的の凝固状態が得られる。
(加温)
加温には、ジャケット及び攪拌機付きタンク(例えば、商品名;Bパス:ヤスダファインテ社製)やプレート式熱交換機(例えば、商品名;プレート式熱交換機:森永エンジニアリング社製)の加熱部等が使用できる。加温温度は50〜60℃が好ましい。加温温度50℃以上であれば、焼成及び/又は蒸し工程において熱負荷量が少なくなり、加温温度が60℃以下であれば、卵成分の熱変性がなく、焼成及び/又は蒸し工程で目的の凝固状態が得られる。
(均質化)
均質化には、均質機(例えば、商品名:Homogenizer;三丸機械工業社製)、が使用できる。均質化は、プリン原料液中の卵成分を均質化することと、原料液に油脂成分を含む場合には、乳化させることが目的であり、1〜15MPa程度の圧力をかけて行うことが好ましい。圧力は卵成分の均質化と油脂成分の乳化ができる限り、低い圧力で行うことが好ましく、圧力が高過ぎると、均質機のパッキン類の損傷が早くなる他に、エネルギーロスでもある。
(充填)
充填には、カップ充填機(例えば、商品名:Dogaseptic;GASTI社製)が使用でき、容器には、金属製、ガラス製、陶磁器製、プラスチック製等のカップが使用できる。プラスチック製カップを容器として用いる場合には、耐熱温度が100℃以上のものを使用することが好ましい。
また、プリン原料液を充填する前に、カラメルソース、メープルソース、果汁・果肉ソース等のソース類を敷き、二層の外観をもつプリンとしてもよい。
(焼成及び/又は蒸し)
焼成には、オーブン(例えば、商品名:トンネルオーブン、リールオーブン、ラックオーブン、コンベクションオーブン、いずれも久電舎製)を使用し、蒸しには蒸し器を使用する。
オーブンで焼成する際は、部分的な過加熱を防ぐため、湯を張った容器にプリン原料液を充填した容器を入れて焼成することが好ましい。蒸し器で蒸す際には、均一な加熱をする為に、プリン原料液を充填した容器間を近づけ過ぎないことが好ましい。焼成及び/又は蒸しによりプリン原料液を加熱凝固させる。焼成及び/又は蒸しの条件は、加熱時間が30〜90分間であることが好ましく、さらに好ましくは45〜60分間であることが好ましい。温度条件は、プリン原料液の中心温度が40〜50分後に75〜85℃になるように、ヒーターの設定や蒸気量を調整する。
焼成及び/又は蒸しの条件は時間と温度の積として考えられ、短時間で加熱する場合にはオーブンや蒸し器の温度を高く設定する必要がある。この際、加熱時間が短いので、プリンに加熱ムラが生じ易く、特に、プラスチック容器を使用する場合には、容器が熱変形する懼れが生じる。また、長時間で加熱する場合には、オーブンや蒸し器の温度を比較的低く設定できるが、オーブン又は蒸し器での焼成及び/又は蒸し時間を確保するために巨大な装置にするか、製造速度を落として時間を確保する必要があり、製造効率が悪くなる。
(冷却・密封・冷蔵)
焼成及び/又は蒸しを行ったプリンを密封する際には、外気温(10〜30℃)程度に冷却した後、ヒートシーラー等で容器のフランジ部に蓋材を熱圧シールすることが好ましい。
冷却が不十分であると、密封後にプリンから発生する水蒸気が蓋材の内側で凝縮水となって、プリン表面に落下し、外観を悪化させる。また、冷却温度が低過ぎる場合、零下になって凍結しない限り、プリンの組織には影響しない。しかし、不必要に密閉前に冷却時間をとることは、落下菌等による汚染の確率が増すことになり好ましくない。
なお、密封したプリンは、食に供されるまで冷蔵庫に保管される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験1〕
(目的)
この試験は、タンパク質当りの灰分の含有率が異なる乳成分を使用したプリンの破断時の応力と弾性率との関係を調べ、好ましい灰分含有率を検索する目的で実施された。
(乳成分)
表1に乳成分それぞれの、灰分含有率等、諸成分を示す。
表1の、脱脂濃縮乳Xとは脱脂乳Y(無脂固形分離率8.35質量%)を無脂固形分率34.60質量%に濃縮して得たものである。
〈膜処理乳A〉
脱脂した乳として、脱脂乳Y(無固形分率8.35質量%)を使用し、これをトライテック製濾過パイロット装置によりナノ濾過(NF)した。ナノ濾過膜の塩化ナトリウム阻止率は50%、濾過の際の圧力は2〜2.5MPaとし、濃縮倍率を2.5倍とした。
〈膜処理乳B〉
脱脂した乳として、脱脂乳Y(無固形分率8.35質量%)を使用し、これをトライテック製濾過パイロット装置により限外濾過(UF)した。限外濾過膜の分画分子量は10000、濾過の際の圧力は0.2〜0.25MPaとし、濃縮倍率を2.5倍とした。
〈膜処理乳C〉
脱脂した乳として、脱脂乳Y(無固形分率8.35質量%)を使用し、これをトライテック製濾過パイロット装置により精密濾過(MF)した。精密濾過膜の細孔径は0.1μm、濾過の際は減圧状態で操作し、濃縮倍率を2倍とした。
〈膜処理乳D〉
膜処理乳Cと同様の操作条件下で濃縮倍率を3倍とした。
〈膜処理乳E〉
膜処理乳Cと同様の操作条件下で濃縮倍率を4倍とした。
〈膜処理乳F〉
膜処理乳Cと同様の操作条件下で濃縮倍率を4倍とした。濾過後エバポレーションを施し粉乳とした。
表1に示すように、濾過をしない脱脂濃縮乳Xのタンパク質当りの灰分は23質量%であるが、膜処理乳A〜Fでは低くなっている。すなわち、濾過を行うとタンパク質当りの灰分の含有率が低下する。
(試料の調製)
表1に示された乳成分及び、その他の原料を表2に示す配合に従い、ミキサー(商品名:Bパス;ヤスダファインテ社製)を用いて混合溶解した後55℃に加温し、均質機(商品名:Homogenizer;三丸機械工業社製)で4MPaの圧力で均質化して焼きプリン原料液を調製した。
プリン原料液をプラスチック容器(商品名:PPデザートカップ;岸本産業社製)に80g充填し、40℃の水を3cmに深さになるように入れたアルミトレーに容器ごといれオーブン(商品名:MCX2−2;久電舎社製)にセットする。加熱開始から45分でプリン原料液の中心温度が80℃になるようにオーブンのヒーターを調整し、60分間加熱する。その後、オーブンから容器を取り出し、冷蔵庫でプリンの中心温度が10℃になるまで冷却して、試料を調製した。
Figure 2009005626
Figure 2009005626
(評価方法)
(1)弾性率
圧縮試験機(商品名:COMPAC−100;サン科学社製)を用い、感圧軸(1cm円板)に、試料を上昇速度:80mm/minで押し付け、破断時の応力と歪を測定した。
測定値より、弾性率=応力/歪、として求めた。
この結果と、乳成分中のたんぱく質に対する灰分の割合を表3に示す。
(2)食感
食感評価は、順位法の検定表を用いる方法(「おいしさを測る−食品官能検査の実際−」、p28、古川秀子著、幸書房、1994年)に基づき、10人の訓練された風味パネラーに試料を試食させ、食感が軟らかな順に試料に順位をつけさせ、各試料の順位合計を求め、各試料間の順位合計差の絶対値を求め、その数値から順位法の検定表から有意水準を判定した。
この結果を表4に示す。
Figure 2009005626
Figure 2009005626
(結果)
表3より、弾性率は大きい順に、
No,1>2>3=4>5=6=8>7であった。
表4より、食感は軟らかな順に、
No,8≧7≧6≧5=3≧4>2≧1であった。
なお符号は、
≧:左が右より上位であるが統計的有意差はない。
=:左と右が等しい。
>:左が右より上位で、統計的有意差認める。
を示す。
「弾性率(応力/歪)」と「応力」は、食感での「硬さ」「軟らかさ」と相関のある指標である(「食品とテクスチャー」、p76、川端晶子著、光琳、平成15年、参照)。一般的には、これらの数値が低い方が「軟らかい」と表現される。
食感評価で、No,3,4,5,6,7,8の群(タンパク質あたりの灰分が16質量%以下である群)とNo,1,2の群の間で有意差が認められるので、この両群間で、応力と弾性率について有意差を、Welchの検定(「確率統計学演習2」、p117、国沢清典著、培風舘、1966年)で検定した。この結果、5%の有意水準で、応力及び弾性率に有意差が認められ、食感と物性測定における弾性率及び応力には相関関係が見られた。
(考察)
従来の乳成分である脱脂粉乳及び脱脂濃縮乳Xを使用した場合と比較して、タンパク質に対する灰分の割合が16質量%以下の膜処理乳を使用した焼きプリンは、応力及び弾性率が低下していた。官能評価でも、タンパク質当りの灰分が殆ど低下していない群(約23質量%前後)に対して、低下している群(16質量%以下)が、統計的に有意に軟らかいことが分った。
〔試験2〕
(目的)
この試験は、プリン原料液中の膜処理乳由来のタンパク質のプリン原料液全量に対する好ましい割合の範囲を検索する目的で実施された。
(試料の調製)
表5の配合に従い、試験1と同様の方法で試料を調製した。
Figure 2009005626
(評価方法)
試験1と同様の方法で、破断時の応力、歪、弾性率を測定し、この結果と乳成分中のたんぱく質に対する灰分の割合を表6に示した。また、試験1と同様の方法で、食感を評価、比較したものを表7に示す。
Figure 2009005626
Figure 2009005626
(結果)
表3より、弾性率は大きい順に、
No,11>12>18>13=17>14=15=16であった。
表4より、食感は軟らかな順に、
No,16≧15≧14>13≧12≧17≧11≧18であった。
(考察)
この試験の結果より、膜処理乳由来のたんぱく質の割合が、プリン原料液全量に対して1質量%以下では、弾性率の低下は認められるが、食感検査で有意差が認められる程には軟らかさに寄与せず、5質量%以上では破断時の応力が大きくなって軟らかく感じられなくなっていることが分った。従って、膜処理乳由来のたんぱく質の割合は、プリン原料液全量に対して2〜4質量%の範囲が好ましいことが分かった。
〔実施例1〕
(試料の調製)
プリン原料液は、表8のNo,21,22,23に示す配合に従い、それぞれについて、卵以外をミキサー(商品名:スーパーミキサー、ヤスダファインテ社製)で混合した。次に、高圧均質機を内蔵するUHT殺菌機(商品名:プレート式UHT殺菌機、森永エンジニアリング社製)で125℃に加熱して2秒間保持した後、85℃に冷却し、高圧均質機で15MPaの圧力を掛けて均質化をした。更に、10℃に冷却して混合タンク(商品名:Bパス、ヤスダファインテ社製)に保持した後、卵を添加して均一に攪拌混合して調製した。
シロップは、表9のNo,31に示す配合に従い、ミキサー(商品名:スーパーミキサー、ヤスダファインテ社製)で混合し、UHT殺菌機(商品名:プレート式UHT殺菌機、森永エンジニアリング社製)で125℃に加熱して2秒間保持した後、10℃に冷却してタンク(商品名:Bパス、ヤスダファインテ社製)に貯蔵して調製した。
Figure 2009005626
Figure 2009005626
2段充填できる充填機(商品名:MTYパッカー、トーワテクノ社製)のメインフィラーにプリン原料液を、ポストフィラーにシロップをそれぞれ導き入れ、プラスチック容器(商品名:PPデザート;岸本産業社製)にメインフィラーでプリン原料液を80g充填し、続いてポストフィラーでシロップを5g充填した。
その後、プリン原料液とシロップを充填した容器を、40℃の水を3cmの深さに入れたアルミトレーに入れ、アルミトレーごとオーブン(商品名:CERAMIC MICRO COMPUTER OVEN、久電舎製)で加熱する。加熱は、加熱開始から45分でプリン原料液に中心温度が80℃になるようにヒーターを調整して、60分行った。その後、オーブンから容器を取り出し、冷蔵庫でプリンの中心温度が20℃になるまで冷却した。
ヒートシール装置(商品名:Auto Cup Sealer、サニーパッケージ社製)のリテーナーに容器を収め、蓋ロール(商品名:ナイロンフィルム蓋、東洋アルミニウム社製)を被せ、ヒートシーラーで熱圧シールし、トリミングカッターでフィルムを切り離して密封した。
密封した容器を冷蔵庫に入れて冷却し、プリンの中心温度が10℃になるまで冷却して、3種類のカラメルシロップ入りのカスタードプリンを製造した。
(評価・結果)
このプリンを試験1と同様の方法で、破断時の応力、歪、弾性率を測定し、この結果を表10に示す。
表10より、膜処理乳を用いたNo,21〜23はいずれも弾性率が低めであることが分る。
これ等のカラメルシロップ入りのカスタードプリンは、風味、外観共に良好であり、カスタード風味に富み、軟らかく、嗜好的に優れたものであった。
Figure 2009005626

Claims (3)

  1. 卵及び膜処理乳を含むプリン原料液を加熱凝固させてなるプリンであって、
    前記膜処理乳が、脱脂した乳を、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜から選択されるいずれかの膜で濾過処理して得た膜不通過成分であることを特徴とするプリン。
  2. 前記膜処理乳中におけるタンパク質に対する灰分の割合が16質量%以下である、請求項1記載のプリン。
  3. 前記膜処理乳中のタンパク質が、プリン原料液全量に対して2〜4質量%である請求項1又は2記載のプリン。
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