JP2016189762A - フレッシュクリームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
フレッシュクリームは、十分なコクや濃厚感を有することから、高級感のある味わいを訴求する菓子の原料として高い価値を有し、ケーキのデコレーションやチルドデザートのトッピングとして広く利用されている。
例えば、特許文献1には、クリームの製造方法において、生乳を膜濃縮処理することで、ミルク風味を特徴づける成分が濃縮され、従来のクリームに比べてミルク風味が強くなることが記載されている。
そこで、本発明は、フレッシュクリームの本来の特徴であるコクや濃厚感を生かしつつ、すっきりとした後味を有し、口に入れた時に冷感を感じるフレッシュクリームを提供することを課題とする。
そして、このような膜透過液の添加において、フレッシュクリームにおける無脂乳固形分に対する特定のミネラルの含有量を、一定の範囲に調整することで、フレッシュクリームの本来の特徴であるコクや濃厚感を十分に生かしつつ、すっきりとした後味、口に入れた時の冷感を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
前記ミネラル成分添加工程は、フレッシュクリーム中の無脂乳固形分、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量が以下の式(1)を充足するように行われることを特徴とする。
フレッシュクリームにおけるナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量が前記範囲となるようにミネラル成分含有液を添加することで、コクや濃厚感と、すっきりとした後味のバランスが良好なフレッシュクリームを製造することができる。
このようなミネラル成分含有液を用いることで、フレッシュクリームにおける無脂乳固形分に対するナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量の割合の調整を効率的に行うことができる。
ミネラル成分含有液の添加量を前記範囲とすることで、フレッシュクリームにおける無脂乳固形分に対するナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量の割合の調整を効率よく行うことができる。加えて、フレッシュクリームの本来のコクや濃厚感を存分に生かしながら、すっきりとした後味、口に入れた時の冷感を実現することができる。
このような膜透過液を用いることで、前述したフレッシュクリームにおける無脂乳固形分に対するナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量の調整を効率よく行うことができることに加え、乳に含まれる香気成分も好ましい範囲に調整することができ、極めて優れた風味のフレッシュクリームを製造することができる。また、このような形態により、クリームの分離等の乳製品の加工において生ずる副産物の有効利用が可能となる。
また、ミネラル成分含有液として、乳製品の加工における膜処理によって生ずる透過液等の乳由来のミネラル成分含有液を用いる形態によれば、極めて優れた風味のフレッシュクリームを簡便な方法で製造することができる。また、同時に、従来、使途に乏しかった乳由来のミネラル成分含有液の有効利用にもつながるものである。
フレッシュクリームは、通常、乳脂原料をクリームと脱脂乳とに分離する工程を経て製造される(図1及び図2参照)。
本発明のフレッシュクリームの製造方法は、前記分離工程に供される乳脂原料、又は、前記分離工程によって得られる分離クリームに対し、乳由来のミネラル成分含有液を添加する、ミネラル成分添加工程を含むことを特徴とする。
図1は、本発明のフレッシュクリームの製造方法の概略工程図である。本製造方法は、乳脂原料から製造された分離クリームに乳由来のミネラル成分含有液を添加することを特徴とする。
本実施形態では、まず、乳脂原料から分離クリームを調製する。分離クリームの調製は、ディスク型クリームセパレーターを用いて常法により行うことができる。
例えば、ホイップドクリーム等に好適に用いられる35〜50質量%の脂肪率のフレッシュクリームを製造しようとする場合には、分離クリームの脂肪率は、好ましくは36〜55質量%とすることができ、より好ましくは40〜53質量%とすることができる。
また、分離クリームの調製においては、通常のクリームの製造方法において行われる、乳脂原料の加温、分離クリームの冷却等を適宜行うことができる。
なお、本発明においては、分離クリームとして、市販のフレッシュクリームを用いてもよい。
本発明の製造方法は、前述の方法により得られた分離クリームに、乳由来のミネラル成分含有液を添加することを特徴とする。
本工程において用いられる乳由来のミネラル成分含有液は、起源を乳とし、かつミネラル成分を主要成分として含む水溶液であり、乳以外の原料を起源とする成分は含まないものである。
例えば、前述した分離クリームの調製において分離した脱脂乳をナノフィルトレーション膜処理して膜透過液を回収することにより、ミネラル成分含有液を調製することも、副産物の有効利用の観点から好ましい。
ナノフィルトレーション膜処理に用いるナノフィルトレーション膜としては、7250HG(日東電工株式会社)などの市販品を用いることができる。
そのため、ミネラル成分含有液としてナノフィルトレーション膜透過液(NF膜透過液)を用いることにより、すっきりとした後味及び口に入れた時の冷感を付与するのみならず、乳に含まれる香気成分も付与することができ、全体として、フレッシュクリームの良好な風味を実現することが可能となる。
以下に、前述した膜透過液を含む本発明のミネラル成分含有液の好ましい組成について説明する。
該ミネラル成分含有液におけるナトリウムイオンとカリウムイオンの総含有量は、好ましくは0.08〜0.2質量%であり、より好ましくは0.1〜0.15質量%である。
特に、ナトリウムイオンの含有量が、0.01〜0.03質量%であり、かつカリウムイオンの含有量が0.05〜0.12質量%である形態が好ましい。中でも、ナトリウムイオンの含有量が、0.02〜0.03質量%であり、かつカリウムイオンの含有量が0.08〜0.12質量%である形態が好ましい。
また、ミネラル成分含有液において、タンパク質の含有量は好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以下である。さらに、ミネラル成分含有液において、糖質の含有量は好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下である。
ミネラル成分含有液は、脂肪、タンパク質、及び糖質を実質的に含有しないことが好ましい。このようなミネラル成分含有液を用いることで、常法により調製した分離クリームを原料として、後述する最終製品としてのフレッシュクリームにおける無脂乳固形分に対するナトリウムイオンとカリウムイオンの割合の調整を効率よく行うことができる。
前述したミネラル成分含有液の分離クリームへの添加は、フレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合、すなわち下記式(1)の値が、0.02〜0.0264となるように、好ましくは0.022〜0.0264となるように、より好ましくは0.023〜0.0262となるように行われる。
無脂乳固形分=100−(脂肪量+水分量)
例えば、試料1gに硝酸5mLを添加し、DigiTUBES(GLサイエンス社製)の分解プログラムに従って試料を分解した後、30%過酸化水素水(原子吸光用、和光純薬工業社製)1mLを添加し、純水(Milli−Q水)にて試料を50mLに定容して測定用試料を調製する。次いで、調製した測定用試料をICP発光分析装置(島津製作所社製、ICPE−9000)にて測定し、標準試料にて作成した検量線から、試料中のナトリウムとカリウムのイオン濃度を決定する。
ナトリウムの測定波長:589.592nm
カリウムの測定波長:766.490nm
同様に、フレッシュクリームにおけるカリウムイオンの含有量も、フレッシュクリームの脂肪率によって異なるが、例えば、フレッシュクリームにおけるカリウムイオンの含有量が0.07〜0.12質量%となるように、ミネラル成分含有液を添加することが好ましい。また、ホイップドクリームに好適である35〜50質量%の脂肪率のフレッシュクリームを製造しようとする場合には、フレッシュクリームにおけるカリウムイオンの含有量が0.06〜0.1質量%となるように、ミネラル成分含有液を添加することが好ましい。
また、より好ましい形態では、フレッシュクリームにおけるナトリウムイオンの含有量が、0.022〜0.035質量%であり、かつカリウムイオンの含有量が0.06〜0.1質量%となるようにミネラル成分含有液を添加することが好ましい。
また、本実施形態に示したように、分離クリームに、ミネラル成分含有液を添加する態様では、分離クリームの調製において副産物として生成される脱脂乳を利用することができるという利点を有する。
本実施形態においては、ミネラル成分含有液を乳脂原料に添加することにより乳脂原料を希釈した後、常法によりクリームを分離してフレッシュクリームを製造する。
ここで、ミネラル成分含有液の好ましい形態やクリームの分離方法は、前述した実施形態におけるものと同じである。
また、本実施形態においても、ミネラル成分含有液の添加量は、製造するフレッシュクリームの脂肪率を考慮して調整することができるが、乳脂原料が1.03〜1.3質量倍に希釈されるような量を目安にすることができる。また、ミネラル成分含有液の添加量は、乳脂原料に対し1〜30質量%を目安とすることができ、1〜20質量%が好ましく例示できる。
また、本実施形態において製造されるフレッシュクリームのナトリウムイオン、カリウムイオン、及び無脂乳固形分等の各成分の含有量や比率の好ましい範囲についても、前述した実施形態と同じである。
このようにして製造されたフレッシュクリームは、特に、ホイップドクリームの状態で食したときに、コクと濃厚感を有しつつ、すっきりとした後味、口に入れた時の冷感を有するものである。
なお、実施例において、パーセンテージ(%)による表記は、特記する場合以外は質量によるものである。
以下の製造方法によりフレッシュクリームを製造した。
原乳をプレート式熱交換機によって35℃〜70℃に加温し、ディスク型クリームセパレーターを用いて脂肪率が48%の分離クリームと脱脂乳に分離した。分離クリームの脂肪率は、ディスク型クリームセパレーターのクリーム側出口、脱脂乳側出口の流量を制御することによって調整した。
この冷却した脱脂乳をナノフィルトレーション膜(日東電工製:7250HG)によって処理することで、透過液(NF膜透過液)と濃縮脱脂乳に分離した。この時の脱脂乳の濃縮率は固形分で2.5質量倍であった。
分離したNF膜透過液は保持タンクにて全量採取した。
Na(ppm):0.5、2.5、5.0、12.5、25.0
K(ppm):1.0、5.0、10.0、25.0、50.0
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:93.8g
NF膜透過液:6.2g
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、その値は0.024であった。
実施例1と同様の方法にて、脂肪率が45%の分離クリームと、NF膜透過液を得た。NF膜透過液におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量、脂肪の含有量は、実施例1と同じであった。
このようにして調製したNF膜透過液と、前記分離クリームとを以下の配合比(分離クリームに対するNF膜透過液の添加量は12.5質量%)で混合することで、脂肪率が40%のフレッシュクリームを得た。
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:88.9g
NF膜透過液:11.1g
また、ナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を前記の方法によって測定したところ、それぞれ0.027質量%(27mg/100g)と0.084質量%(84mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.0262であった。
以下の製造方法により、フレッシュクリームを製造した。
実施例1と同様の方法によって原乳から脱脂乳を分離し、これをプレート式熱交換機で10℃以下まで冷却した。この冷却した脱脂乳をナノフィルトレーション膜処理することで、NF膜透過液を調製した。
また、前記方法によってナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を測定したところ、それぞれ0.025質量%(25mg/100g)と0.081質量%(81mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.024であった。
実施例1におけるNF膜透過液を脱脂乳に代えて、以下の製造方法によりフレッシュクリームを製造した。
実施例1と同様の方法で、脂肪率48%の分離クリームと脱脂乳を得た。
得られた脱脂乳と、前記分離クリームとを以下の配合比(分離クリームに対する脱脂乳の添加量は6.6質量%)で混合することで、脂肪率が45%のフレッシュクリームを得た。
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:93.8g
脱脂乳:6.2g
また、前記方法によってナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を測定したところ、それぞれ0.026質量%(26mg/100g)と0.081質量%(81mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.0214であった。
実施例2におけるNF膜透過液を脱脂乳に代えて、以下の製造方法によりフレッシュクリームを製造した。
実施例2と同様の方法によって脂肪率45%の分離クリームと脱脂乳を得た。
得られた脱脂乳と、前記分離クリームとを以下の配合比(分離クリームに対する脱脂乳の添加量は12.5質量%)で混合することで、脂肪率が40%のフレッシュクリームを得た。
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:88.9g
脱脂乳:11.1g
また、前記方法によってナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を測定したところ、それぞれ0.027質量%(27mg/100g)と0.084質量%(84mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.0198であった。
実施例1におけるミネラル成分含有液を、10%塩化ナトリウム水溶液と10%塩化カリウム水溶液に代えて、以下に示す製造方法によりフレッシュクリームを製造した。
実施例1と同様の方法によって脂肪率48%の分離クリームを得た。また、食塩(塩化ナトリウム99%以上、公益財団法人塩事業センター製)と塩化カリウム(純度99.5%以上、エフシー化学株式会社製)をそれぞれ水に溶解し、10%塩化ナトリウム水溶液と、10%塩化カリウム水溶液を調製した。
前記分離クリームと水溶液とを、ナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量が実施例1におけるフレッシュクリームと同量になるように、以下の配合比で混合した。その後、以下に示す配合比でイオン交換水を分離クリームに添加することで、脂肪率45%のフレッシュクリームを得た。なお、分離クリームに対する前記水溶液イオン交換水の合計添加量は、6.6質量%であった。
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:93.8g
10%塩化ナトリウム水溶液:0.016g
10%塩化カリウム水溶液:0.061g
イオン交換水:6.123g
また、前記方法によってナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を測定したところ、それぞれ0.025質量%(25mg/100g)と0.080質量%(80mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.024であった。
実施例1において、48%分離クリームとNF膜透過液の配合比を以下のように変えて脂肪率が40%のフレッシュクリームを製造した。
・配合比(100gあたり)
分離クリーム:83.3g
NF膜透過液:16.6g
また、前記方法によってナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を測定したところ、それぞれ0.028質量%(28mg/100g)と0.085質量%(85mg/100g)であった。
これらの測定値に基づいて、下記式(1)によりフレッシュクリーム中の無脂乳固形分に対するナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の割合を求めたところ、0.0286であった。
実施例1〜3及び比較例1〜4の製造方法によるフレッシュクリームの製造後、0〜5℃で12時間のエージングを行った。その後、卓上型ミキサー(愛工舎製作所製、「ケンミックス」)を用いてホイップを行い、ホイップドクリームを調製した。
それぞれのフレッシュクリームについてのホイップ条件(ホイップ温度、ホイップ時間)、調製したホイップドクリームの粘度、比重、かたさ(ペネトロ値)と状態を表1に示す。
粘度は、粘度計(B型粘度計RB−80L、東機産業社製)により、ホイップドクリーム200gをトールビーカーに分取し、回転数60rpmで、30秒間、温度5℃の条件で粘度[mPa・s]測定した。
また、比重は、容積100ml(水で満たした場合に100g)の容器に、ホイップドクリームを摺り切りまで満たし、その時の重量A(容器+ホイップドクリーム)を測定して、以下の式により比重を算出した。
比重=(重量A−容器重量)/100 [g/cm3]
さらに、ペネトロ値の測定は、 ペネトロメーター(中村医科理科器械社製)を使用し、先端角40度(°)、重さ12g、底面直径24mm、高さ33.5mmの円錐型コーンを、ホイップドクリーム表面から自重で落下させ、5秒後に円錐がどのくらいムース中に落下したかを測定し、ペネトロ値を決定した。ペネトロ値の単位は[mm]である。
5点・・・くどさを全く感じず、すっきりとした後味である。
4点・・・くどさをほとんど感じず、すっきりとした後味である。
3点・・・ややくどさを感じ、後味に多少の雑味を感じる。
2点・・・くどさを感じ、後味に雑味を感じる。
1点・・・明らかにくどさを感じ、しばらく後味に雑味を感じる。
5点・・・明確に冷感を感じる。
4点・・・やや冷感を感じる。
3点・・・ややぬるさを感じる。
2点・・・ぬるさを感じる。
1点・・・明確にぬるさを感じる。
5点・・・乳のコクと濃厚感が強い
4点・・・乳のコクと濃厚感がやや強い
3点・・・乳のコクと濃厚感がやや弱い
2点・・・乳のコクと濃厚感が弱い
1点・・・乳のコクと濃厚感がない
これにより、良好な乳風味と、すっきりとした後味及び口に入れた時の冷感のバランスを実現するためには、乳由来のミネラル成分含有液を用いることが重要であることが分かった。
これにより、フレッシュクリームの本来のコクや濃厚感等の乳風味を生かすためには、分離クリームに添加するミネラル成分含有液として、乳由来のミネラル成分含有液を用いることが重要であることが分かった。
これにより、前記式(1)の値が0.02〜0.0264となるように、好ましくは0.022〜0.0264となるように、より好ましくは0.023〜0.0262となるように、乳由来のミネラル成分含有液を分離クリームに添加することが、コクや濃厚感と、後味のすっきり感及び口に入れた時の冷感とをバランスよく有するフレッシュクリームを製造するために重要であることが分かった。
また、本発明によれば、乳原料の精製工程中において副産物として発生するNF膜透過液等の濾過膜透過液を、産業上有効に活用することができる。
Claims (5)
- ナトリウム及びカリウムを含有する乳由来のミネラル成分含有液を、乳脂原料、又は乳脂原料から分離した分離クリームに添加するミネラル成分添加工程を含む、フレッシュクリームの製造方法において、
前記ミネラル成分添加工程は、フレッシュクリーム中の無脂乳固形分、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量が以下の式を充足するように行われることを特徴とする、製造方法。
- 前記ミネラル成分添加工程は、前記フレッシュクリームにおける、ナトリウムイオンの含有量が0.02〜0.04質量%であり、かつカリウムイオンの含有量が0.07〜0.12質量%となるように行われることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ミネラル成分含有液における、ナトリウムイオンの含有量が0.01〜0.03質量%であり、かつカリウムイオンの含有量が0.05〜0.12質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記ミネラル成分添加工程における、前記分離クリームに対する前記ミネラル成分含有液の添加量が、1〜20質量%であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
- 前記ミネラル成分含有液が、乳原料をナノフィルトレーション膜処理して得られる膜透過液であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法。
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