JP5848255B2 - 化学修飾されたプライマーを用いた、DNAを超えるmRNAの優先的増幅 - Google Patents

化学修飾されたプライマーを用いた、DNAを超えるmRNAの優先的増幅 Download PDF

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Description

発明の技術分野
本発明は、核酸増幅の分野に関する。より具体的には、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse−transcription polymerase chain reaction)(RT−PCR)による、RNA増幅の分野に関する。
発明の背景
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応は、RNA鋳型のDNAコピーを発生させ、且つ指数関数的に増幅させる方法である。当該方法は、遺伝子発現の分野において定性的および定量的利用がなされている。当該方法により、生物によって発現されるmRNAのレベルを検出且つ測定することが可能である。
RT−PCRにおける第一の問題点は、RNA調製物におけるゲノムDNAの混入(contamination)である。RNA単離試薬の主要な販売業者によって、および当該技術分野において認められている通り、ほとんどのRNA単離技術では、有意な量のゲノムDNAの混入したRNAが生じる(Ambion, Austin, Tex., (Life Technologies, Inc.), Technical Bulletin #176 “Avoiding DNA contamination in RT-PCR.”)。少量の混入DNAが指数関数的に増幅され得るRT−PCRにおいて、DNAによる汚染は特に問題となる。RT−PCRによるDNAの増幅を減少させる1つの方法は、デオキシリボヌクレアーゼで、例えばDNAase Iを用いて試料を前処理することを含む(Huang, et al. (1996) Biotechniques 20:1012-1020を参照)。残念ながら、この手法には問題がある。RT−PCRの過程中における新生DNAアンプリコンの消化を防止するために、前処理後にDNAaseは完全に不活化されなければならない。しかし、DNAaseの完全な不活化には高温が必要であり、それによりRNA鋳型の分解が起こる。加熱の代わりに、DNAaseをフェノール抽出によって、またはDNAaseを反応混合物から除去する種々の複雑且つ高額な試薬を用いることによって、DNAaseを化学的に除去することができる。要約すると、多段階の追加の工程を必要とし、そして通常分解されやすいRNA標的を脅かすため、DNAaseの使用は、RT−PCRにおいて実用的ではない。
DNA混入の問題は解決困難であると考えられるために、RT−PCRによるDNA混入の増幅を防止することに注力されている。かかる方略は、真核細胞ゲノムDNAにおけるイントロンの存在を利用する。成熟mRNAにイントロンは存在しない。プライマーがイントロンをフランキングする(flank)ように設計される場合、当該イントロンは、mRNAから生じるアンプリコンには含まれない。しかしイントロンは、対応するゲノムDNA鋳型から生じるRT−PCRアンプリコン中には含まれ得る。当該イントロンが十分に大きい場合、より短いmRNA配列(及びその後のcDNA配列)は優先的に増幅され、一方でゲノムDNAはさほど効率的に増幅されないか、又は全く増幅されない。(Ambion, Tech. Bull. #176)。最悪のシナリオにおいて、ゲノムDNAは所望のmRNA標的と共に増幅される。しかし、2つのアンプリコンは電気泳動で区別され得る。
残念なことに、プライマーの設計は、DNA混入の問題を必ずしも解決できるわけではない。多くのPCR試験は現在、リアルタイムPCRを含む。リアルタイムPCRは、電気泳動を含まずに、核酸を増幅と同時に検出できる技術である。(米国特許第5,994,056号、第5,876,930号、および関連特許を参照)。リアルタイムPCRは、電気泳動せずに、同一セットのプライマーを用いて生成した、大きさの異なるアンプリコンを解析することはできない。mRNA標的を検出するリアルタイムPCRプローブであればどれでも、対応するゲノムDNA混入物を必ず検出し得る。mRNA及びその対応するゲノムDNAは、区別され得ない。したがって、対象領域におけるイントロンが小さすぎて、ゲノムDNAの増幅を防ぐことができない場所では、リアルタイムPCRは使用することができない。
したがって、ゲノムDNA混入物が、RT−PCRにおいてmRNAと共に増幅されないことを確保する、プライマー設計の新規方法を創出することが望ましい。かかるプライマー設計方法により、アンプリコンに存在するイントロンの大きさとは無関係に、mRNA標的の定量的増幅が可能となるだろう。
発明の概要
第一の態様において、本発明は、試料中のエキソン‐エキソン接合部(exon−exon junction)を含むメッセンジャーRNA標的の選択的増幅方法であって、以下のステップ:a)第一のオリゴヌクレオチドを前記mRNA標的とハイブリダイズさせ、RNA指向性(directed)合成を行うことができる少なくとも1つの酵素を用いてRNA指向性DNA合成を行い、ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基で修飾された少なくとも1つのヌクレオチドを含み、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングし(span);そしてb)前記第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドを、DNA指向性DNA合成を行うことができる少なくとも1つの酵素と共に使用して、ステップa)の産物を増幅すること、ここで前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的である、を含む、前記方法に関する。本発明を実施するためのオリゴヌクレオチド、反応混合物及びキットもまた、開示される。
図1は、本明細書中の以下で定義される、エキソン‐エキソン接合部の略図である。 図2は、本発明のプライマー設計の略図である。 図3は、本発明の方法で使用される、配列番号3のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図4は、本発明の方法で使用される、配列番号6のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図5は、本発明の方法で使用される、配列番号7のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図6は、本発明の方法で使用される、配列番号10のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図7は、本発明の方法で使用される、配列番号11のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図8は、本発明の方法で使用される、配列番号12のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図9は、本発明の方法で使用される、配列番号13のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図10は、本発明の方法で使用される、配列番号14のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。 図11は、本発明の方法で使用される、配列番号15のプライマーを使用した場合の増幅曲線を示す。
発明の詳細な説明
定義
本発明の明細書及び請求の範囲において、以下の定義が使用される。以下で特に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同一の意味を有する。
用語「メッセンジャーRNA」又は「mRNA」は、ゲノムDNAから転写され、タンパク質合成のためのコード配列を運搬するRNAのことである。真核生物において、mRNAのヌクレオチド配列は、タンパク質コード配列を形成するために修飾される。通常、当該修飾は、「スプライシング」又はmRNA配列からのイントロンの除去を含む。幾つかの場合において、mRNAのヌクレオチド配列はまた、タンパク質コード配列を形成するために、「編集」により変化される。
mRNA合成に関して、用語「対応するゲノムDNA」は、問題となっているmRNAのための鋳型を含むゲノムDNAのことである。対応するゲノムDNAは、mRNAの鋳型、例えば問題となっている遺伝子と類似した又は相補的な追加の配列、並びにその遺伝子及び偽遺伝子の複製物を含み得る。通常、対応するゲノムDNAはmRNAと同一の生物由来である。しかし対応するゲノムDNAは、特定のウィルスの場合のように、異なる生物由来であってもよい。RNA形態で存在するレトロウィルスの場合、対応するゲノムDNAは、(ウィルスDNAを組み込んだ)プロウィルスを含む宿主DNAであってもよい。
用語「核酸」は、ヌクレオチドのポリマー(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクロチド、ヌクレオチド類縁体など)のことである。それは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、DNA−RNAハイブリッド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ペプチド核酸(PNA)、PNA−DNA複合体、PNA−RNA複合体などを含む。それは、直鎖で又は分岐した形で、共有結合により連結されたヌクレオチドを含む。核酸は通常、1本鎖又は2本鎖であり、一般的にホスホジエステル結合を含む。しかし幾つかの場合においては、代替的なバックボーンを有し得る核酸類縁体が含まれる。代替的なバックボーンは、例えばホスホロアミダイト(Beaucage et al. (1993) Tetrahedron 49(10):1925);ホスホロチオエート(Mag et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19:1437; 及び米国特許第5,644,048号明細書)、ホスホロジチオエート(Briu et al. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111:2321)、O−メチルホスホロアミダイト・リンケージ(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press (1992)参照)、並びにペプチド核酸バックボーン及びリンケージ(Egholm (1992) J. Am. Chem. Soc. 114:1895)を含む。他の核酸類縁体は、プラスに帯電したバックボーンを有するもの(Denpcy et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6097)、非イオン性バックボーンを有するもの(米国特許出願公開第5,386,023号、第5,637,684号、第5,602,240号、第5,216,141号及び第4,469,863号明細書)、並びに非リボースバックボーンを有するもの、例えば米国特許第5,235,033号及び第5,034,506号明細書に記載されたものを含む。1又は2以上の炭素環式糖(Jenkins et al. (1995) Chem. Soc. Rev. pp. 169-176参照)を含む核酸も、核酸の定義に含まれ、類縁体は例えば、Rawls, C & E News Jun. 2, 1997 page 35にも記載されている。リボース‐ホスフェートバックボーンのこれらの修飾は、さらなる部分、例えば標識の追加を容易とするように、又は生理環境においてかかる分子の安定性及び半減期を変更するためになされてもよい。
核酸中で通常見られる天然のヘテロ環塩基(例えばアデニン、グアニン、チミン、シトシン及びウラシル)に加えて、核酸はまた、非天然のヘテロ環塩基、例えばSeela et al. (1999) Helv. Chim. Acta 82:1640に記載されているものを有するヌクレオチド類縁体を含んでもよい。ヌクレオチド中で使用される特定の塩基は、融解温度(Tm)変更剤として作用する。例えば、これらの幾つかは、7−デアザプリン(7−デアザグアニン、7−デアザアデニンなど)、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、プロピニル−dN(例えばプロピニル−dU、プロピニル−dCなど)などを含む。米国特許第5,990,303号明細書を参照のこと。他の代表的なヘテロ環塩基は例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン、及びそれらの誘導体を含む。
「ヌクレオシド」は、糖部、糖部の誘導体、又は糖部の機能的等価体(例えば炭素環)と共有結合で連結した、(少なくとも1つの単素環、少なくとも1つのヘテロ環、少なくとも1つのアリール基などを含む)塩基又は塩基性置換基を含む、核酸構成成分のことである。例えば、ヌクレオシドが糖部を含むとき、塩基は通常、糖部の1’位と連結される。上記の通り、塩基は天然塩基又は非天然塩基であり得る。ヌクレオシドは例えば、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ジデオキシリボヌクレオシド、及び炭素環ヌクレオシドを含む。
「ヌクレオチド」は、例えば、糖部、又はその誘導体若しくは等価体と共有結合で連結された、1、2、3又は4個以上のホスフェート基を有するヌクレオシドのエステル、例えばヌクレオシドのリン酸エステルのことである。
「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2個、しかし通常5〜50個、より一般的には15〜35個のヌクレオチドを含む核酸のことである。オリゴヌクレオチドの正確な大きさは、種々の因子に依存する。当該因子は、オリゴヌクレオチドの最終的な機能及び当該オリゴヌクレオチドの用途に依存する。オリゴヌクレオチドは、当業者に既知の適切な任意の方法により製造され得る。例えば当該方法は、適当な配列のクローニング及び制限消化、又は、直接的化学合成を含む。当該化学合成法は、例えば、Narang et al. (1979) Meth. Enzymol. 68:90-99のホスホトリエステル法;Brown et al. (1979) Meth. Enzymol. 68:109-151のホスホジエステル法; Beaucage et al. (1981) Tetrahedron Lett. 22:1859-1862のジエチルホスホロアミダイト法;Matteucci et al. (1981) J. Am. Chem. Soc. 103:3185-3191のトリエステル法;自動合成法;米国特許第4,458,066号明細書の固相法、又は当技術分野で既知の任意の他の化学的方法を含む。
「プライマー」は、鋳型核酸とハイブリダイズすることができ、ヌクレオチド組み込み酵素を用いて鎖延長又は鎖伸長を可能とするオリゴヌクレオチドである。他のプライマー長が利用されることもあるが、プライマーは通常、15〜35ヌクレオチドの範囲内である。短いプライマーは一般的に、鋳型核酸との十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度で使用される。鋳型核酸のサブ配列と少なくとも部分的に相補的であるプライマーは通常、鋳型核酸とハイブリダイズし、延長が起こるために十分なものである。しかし延長の成功には一般的に、プライマーの3’末端においてより高い相補性(すなわち、鋳型鎖とのより少ないミスマッチ)が必要となる。望ましくは、放射線学的、分光学的、光化学的、生物化学的、免疫化学的、又は化学的技術によって検出可能な標識を組み込むことによって、プライマーは標識され得る。
「プライマー延長」は、追加のヌクレオチドを当該プライマーへと付加する、酵素の作用のことである。
「鋳型核酸」、「鋳型」又は「標的」は、プライマーがハイブリダイズして、適切な条件下で延長され得る、核酸のことである。核酸増幅に関連して、「標的」は好ましくは、少なくとも2つのプライマー配列、及び介在配列と少なくとも部分的に相補的である配列からなる、核酸の領域である。鋳型又は標的核酸は、単離された核酸断片として存在し得るか、又はより大きな核酸断片の一部であり得る。標的核酸は、基本的に任意の生物資源に由来するか、またはそれから単離され得る。当該生物資源は例えば、微生物、複雑な生物学的混合物、組織、血清であって、ヒト患者試料又は組織および血清、古い又は保存された組織又は試料、環境分離株などを含む。さらに、鋳型核酸は場合により、cDNA、RNA、ゲノムDNA、クローン化されたゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、酵素により断片化されたDNA若しくはRNA、化学的に断片化されたDNA若しくはRNA、物理学的に断片化されたDNA若しくはRNAなどを含む、又はそれらに由来する。鋳型核酸はまた、当技術分野で既知の技術を使用して、化学的に合成され得る。
「リアルタイムPCR」アッセイは、PCRサイクル中においてアンプリコンが検出され且つ定量化される、PCRアッセイである。典型的なリアルタイムPCRアッセイは、当該サイクル中で繰り返し行われる、増幅産物の光学的検出を含む。増幅の評価基準は、「閾値サイクル(threshold cycle)」又は「Ct」であり、それは、バックグラウンドを超える蛍光が最初に検出されるときのサイクルのことである。より速いCt値は、閾値レベルへの迅速な達成を反映しており、したがってより高い初期鋳型インプット、又はより多くの効率的な増幅を反映している。より遅いCt値は、より少ない量の初期鋳型インプット、又は非効率的であって若しくは阻害された増幅を反映し得る。
本明細書において使用される「遺伝子」は、生物学的機能に関連するDNAの任意のセグメントのことである。したがって遺伝子は、コード配列、介在非コード配列(イントロン)及び場合により、当該コード配列の発現のために必要とされる調節配列を含む。
「部位(moiety)」又は「基(group)」は、例えば分子のようなものが分割された一部分のことである(例えば官能基、置換基など)。例えばヌクレオチドは、典型的には塩基部位(例えばアデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシルまたは類縁体)、糖部位、及び1若しくは2以上のホスフェート基を含む。
「アルキル基」は、直鎖、分岐鎖、又は環状の、飽和炭化水素基であり、全ての位置異性体を含む。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、及び1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシルなどである。アルキル基は一般的、約1〜20個の炭素原子を含み、より一般的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルキル基は、置換又は無置換であり得る。
1つの産物が他の可能性のある産物よりも優先して(すなわち、100%未満だが、過半数)製造される場合、増幅アッセイは「選択的」又は「標的選択的」である。標的配列の望ましくないバリアント(variant)の増幅が検出可能である限り、アッセイは「選択的」であると表される。望ましくない標的の増幅が検出できないアッセイは、「特異的」と呼ばれる。検出方法がより高感度となるとき、以前は特異的であることが知られていた幾つかのアッセイは、単に選択的であることとなる。すなわち、標的の望ましくないバリアントの幾つかの増幅が検出可能となる。したがって本発明において、用語「特異的」は、厳密に標的特異的な増幅、及び標的選択的増幅の両方を含む意味である。
「相補的核酸」は、別の核酸の少なくとも1つのサブ配列とハイブリダイズすることができるか、又は二重鎖を形成することができる、核酸又は核酸セグメントである。相補性は、二重鎖を形成するために完全である必要はなく、すなわち二重鎖中の核酸は「部分的に相補的」であり得る。核酸技術分野における当業者は、多くの変数を経験的に考慮することによって、二重鎖の安定性を決定することができる。当該変数は例えば、相補性領域の長さ、相補性領域における塩基の組成及びヌクレオチド配列、核酸の溶液のイオン強度、及びミスマッチ塩基対の発生を含む。
検体、例えば試料中における核酸に関して、用語「検出可能」とは、最先端の検出方法を用いて検出可能であることを意味する。検出方法は改良されるため、現在検出不能なレベルの検体は検出可能となり得るものとして理解される。したがって本明細書において、用語「検出可能」とは、研究室設備内で合理的に利用可能であり、実用的であり、そして当業者に既知である好適な分析技術を使用して、ある種類のものの存在又は非存在を測定する能力のことである。
「ヌクレオチド組み込み酵素(nucleotide incorporating enzyme)」は、核酸へのヌクレオチドの組み込みを触媒する酵素のことである。ヌクレオチド組み込み酵素の例は、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、リバーストランスクリプターゼ、テロメラーゼなどを含む。
「熱安定酵素」は、選択された時間で上昇した温度をかけたときに、安定であり(すなわち、分解又は変性に対して耐性であり)、且つ十分に触媒活性を維持する酵素のことである。例えば、二重鎖核酸を変性させるために必要な時間、上昇した温度をかけたときに、熱安定ポリメラーゼは、その後のプライマー延長反応を起こすために十分な活性を保持する。核酸変性のために必要な加熱条件は、当技術分野で周知であり、米国特許第4,683,202号及び第4,683,195号明細書に例示されている。本明細書において使用される、熱安定ポリメラーゼは通常、温度サイクル反応、例えばポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)における使用のために適切である。熱安定核酸ポリメラーゼの例は、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)Taq DNAポリメラーゼ、サーマス種(sp.)Z05ポリメラーゼ、サーマス・フラバス(Thermus flavus)ポリメラーゼ、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)ポリメラーゼを含み、例えばTMA−25及びTMA−30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ等を含む。
「修飾された」酵素は、少なくとも1つのモノマーが対照配列とは異なるアミノ酸ポリマーを含む酵素、例えば天然若しくは野生型の酵素、又は酵素の別の修飾形態のことである。修飾の例は、モノマー挿入、欠失、及び置換を含む。修飾された酵素はまた、2又は3以上の親に由来する、識別可能な構成成分配列(例えば構造ドメイン又は機能ドメインなど)を有するキメラ酵素を含む。対照配列の化学的修飾を含むものも、修飾された酵素の定義内に含まれる。修飾されたポリメラーゼの例は、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05ポリメラーゼ、ΔZ05−Goldポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、E678G TMA−25ポリメラーゼ、E678G TMA−30ポリメラーゼなどを含む。
用語「5’→3’ヌクレアーゼ活性」又は「5’−3’ヌクレアーゼ活性」は、核酸鎖合成に通常関連し、それにより核酸が核酸鎖の5’末端から除去される、核酸ポリメラーゼの活性のことである。例えば、E.coliのDNAポリメラーゼIがこの活性を有するが、一方でKlenow断片はこの活性を有さない。
「実質的に5’−3’ヌクレアーゼ活性を欠く」ポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼと比較して、5’−3’ヌクレアーゼ活性が50%以下(例えば25%未満、20%未満、15%未満、10%未満)であるポリラーゼのことである。5’−3’ヌクレアーゼ活性の測定方法及び測定条件は、当技術分野で周知である。例えば米国特許第5,466,591号明細書を参照のこと。5’→3’ヌクレアーゼ活性を実質的に欠くDNAポリメラーゼの例は、E.coli DNAポリラーゼIのKlenow断片;N末端の235個のアミノ酸を欠くサーマス・アクアチクスDNAポリラーゼ(Taq)(例えば、米国特許第5,616,494号明細書に記載のもの、及び一般的に当技術分野で「Stoffel断片」と呼ばれるもの)を含む。他の例は、5’−3’ヌクレアーゼ活性に関与するドメインを除外するか又は不活化するための、十分な欠失(例えばN末端の欠失)、変異、又は修飾を有する、熱安定DNAポリメラーゼを含む。例えば、米国特許第5,795,762号明細書を参照のこと。
「標識」は、分子と(共有結合的に、又は非共有結合的に)結合し、当該分子についての情報を提供することができる基のことである。標識の例は、蛍光標識、比色分析用標識、化学発光標識、生物発光標識、放射性標識、質量修飾基(mass−modifying group)、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン、及び酵素を含む(ペルオキシダーゼ、ホスファターゼなどを含む)。
「エキソン」は、ゲノムDNA中に、及びメッセンジャーRNAの成熟体中に存在する核酸である。エキソン配列は、タンパク質へと翻訳される、遺伝子の一部である。エキソンは一般的に、オープン読み枠(open reading frame(ORF))の一部である、コード配列を含む。
表現「エキソン‐エキソン接合部」は、2つのエキソンに隣接するイントロンの除去時に、前記エキソンの接合から生じる、2つのエキソン間の接合部のことである。
表現「標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする(span)第一のオリゴヌクレオチド」は、標的オリゴヌクレオチド中のイントロンによって分離されている2つのエキソンをスパニングすることができるオリゴヌクレオチドのことである。図1は、説明の目的のためのみに提供される。図1は、エキソン及びイントロンを含む典型的なオリゴヌクレオチドの略図である。図1は、オリゴヌクレオチド中のエキソン‐エキソン接合部の例を示し、この接合部をスパニングする第一のオリゴヌクレオチドは、矢印で示される。第一のオリゴヌクレオチドは、イントロンではなく、イントロンに隣接する2つのエキソンにハイブリダイズすることによってエキソン‐エキソン接合部をスパニングする。
「イントロン」は、ゲノムDNAには存在するが、メッセンジャーRNAの成熟体中には存在しない核酸のことである。イントロン配列は、RNAへ転写されず、タンパク質へと翻訳もされない遺伝子の一部である。
「遺伝子発現」は、遺伝子からの情報が機能遺伝子産物(例えばタンパク質又は機能RNA)の合成において使用される工程のことである。遺伝子発現の一部は通常、ゲノムDNAの一部を、「転写」として知られる工程によってRNA分子へと複製することを含む。遺伝子発現試験は、遺伝子中の情報を使用して合成されたRNA又はタンパク質を試験することを含む。
「逆転写」は、1本鎖RNA鋳型から2重鎖DNA分子を製造する工程のことである。逆転写は、リバーストランスクリプターゼ活性を有する核酸ポリメラーゼによって触媒される。
「逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の変形であり、ここでRNA鎖は、最初にそのDNA相補体(cDNA)へと逆転写され、生じたcDNAは、従来のPCRを使用して増幅される。RT−PCRは、リバーストランスクリプターゼ活性を有する酵素を、好ましくはDNAポリメラーゼ活性を有する熱安定酵素を必要とする。幾つかの場合において、2つの活性は、同一の酵素に存在する。
核酸増幅反応において、「ホットスタート(hot start)」は、1又は2以上のプライマーの必須のハイブリダイズ特異性を提供するために十分に昇温されるまで、少なくとも1つの重要な試薬が、反応混合物への追加を保留する(または、反応混合物中に物理的に存在する場合には、試薬は不活化されたままである)手順のことである。「ホットスタート酵素」は、ホットスタート手順において、「保留された(withheld)」又は不活性な試薬として作用することができる酵素、典型的には核酸ポリメラーゼである。かかるホットスタート酵素は例えば、酵素を化学的に修飾することによって得られ得る。かかる化学修飾された酵素の非限定の例は、市販のEagle Taqである。これらのホットスタート酵素はまた、ポリメラーゼに結合する抗体又はアプタマーを用いて得られ得る。例えばそれは、市販のHawk Z05である。
用語「検出不能」は、本願発明時点において実施される検出方法によって検出できないことである。用語「検出不能」は、検出されるべき物質が完全に存在しないことを意味してはいないと理解されるべきである。それは、本願発明時点において既知の従来法によって、検出されるべき物質の検出ができないことを意味する。
用語「分析特異度(analytical specificity)」は、所望の核酸標的に対して、アッセイが依然として特異的である、所望ではない核酸標的の量のことである。例えば、mRNA増幅アッセイにおいて、「ゲノムDNAの1マイクログラムの分析特異度」は、ゲノム遺伝子DNA混入のレベルが1反応あたり1マイクログラムであるとき、DNAは検出可能に増幅されず、一方でmRNAは検出可能に増幅されることを意味する。
本発明は、化学修飾されたプライマーを用いて、ゲノムDNA混入物の存在下、メッセンジャーRNAの優先的増幅方法を提供する。本発明は、試料中のDNAを超える、mRNAの優先的増幅及び検出のために有用な方法、キット及び反応混合物を含む。本発明は、種々の真核生物及び真核生物組織(患者の組織及び臨床適用における試料を含む)由来のmRNAを検出、同定及び定量化するために使用され得る。
mRNAを定量化するための例示的適用は、遺伝子発現試験である。遺伝子発現試験は、基本的及び応用的研究、並びに臨床診断の一部である。臨床適用において、メッセンジャーRNAのレベルは、疾患の進行を反映し得る。薬剤治療において、mRNAのレベルは、特定の遺伝子発現経路を標的化する薬剤の有効性を反映し得る。例えば、EGF受容体ファミリーに対する抗体を用いた治療は、EGFR経路における多くの遺伝子の下方制御をもたらす。Tzahar et al., (1998) Biochim. Biophys. Acta 1337:M25。EGFR経路の遺伝子発現において測定された変化は、特定の薬剤の有効性を反映する。
典型的な試験において、全RNA又はmRNAは、試料から単離され、そして最適な核酸分析手順にかけられる。残念ながら、RNAとDNAとの間の化学的特性における類似性により、RNAとDNAが同時に単離される。幾つかの分析方法のために、少量のDNA混入物の存在は許容される。しかし、より感受性の増幅法のために、例えばPCR及びRT−PCRにとって、少量のDNAでさえ、試験結果を誤らせ得る。大部分の場合において、RNAの特定の種類に特異的なプライマー及びプローブは、対応するゲノムDNA配列とハイブリダイズして、ゲノムDNA混入物の同時増幅及び同時検出をもたらす。したがって、ゲノムDNA混入物の存在は、偽陽性の結果を生み、そしてそれは遺伝子発現を誤って示すか、または定量的結果を誤らせ、その結果、不正確な遺伝子発現レベルを示す。
DNA混入の問題は一般的に、解決困難なものと考えられる。すなわち、幾つかのDNAは常にRNA調製物中に存在し得る。したがって、混入物の効果を最小化することが望ましい。RT−PCRに関して、DNA混入物の増幅を最小化することが望ましい。mRNAに対する特異性の指標として、各々のRNA特異的アッセイが、分析特異度によって、又はゲノムDNA混入物の量によって特徴付けられ得る。ここで当該DNAは検出可能に、mRNAと共に増幅されない。
本発明は、ゲノムDNAの存在下、臨床的に許容される分析特異度でmRNAを選択的に増幅する方法である。例えば、本発明を限定しないが、説明する一例において、分析特異度は1反応あたり1マイクログラムのゲノムDNAである。混入物のいくらかの増幅は、本発明の方法において生じ得るものと理解される。しかし方法は、特定の許容される最大レベルまで存在するDNA混入物の増幅が、使用される最先端の検出方法によって検出不能である限り、満足に実行されるものと考えられる。
RT−PCR反応において混入するDNAの増幅を減少又は除外するための既存の方法は、イントロンの存在を利用する。標的mRNAは、介在配列又はイントロンが欠如していることによって、対応するゲノムDNAとは異なる。混入しているゲノムDNAの増幅を防止するための1つの方法は、イントロンをフランキングする(flank)、増幅プライマーを設計することである。プライマーがイントロンをフランキングする場合、ゲノムDNAは異なる大きさの産物を生成し得るか、又はイントロンが非常に大きいときには、産物を生成しない。残念ながら、幾つかの場合において、目的の配列中におけるイントロンは、増幅を防ぐ程度に十分に大きくはない。望ましくない増幅が起こるとき混入を避けるために、大きさによって増幅産物を分離するために、余剰の工程が必要である。
混入するDNAの増幅を減少させるか排除する別の方法は、2つのエキソンの接合部をスパニングする(span)プライマーを設計することによって、イントロンを利用することである。その場合において、プライマー‐鋳型ハイブリッドの5’部位と3’部位との間のイントロンの存在のために、プライマーは、アニールして、ゲノムDNA配列と安定なハイブリッドを形成することができない。残念ながら、実用において、かかる方法は必ずしも成功していない。幾つかの場合において、ゲノムDNAと、イントロンをスパニングするプライマーとの間で、安定なハイブリッドが形成される。これは、イントロンの「ループアウト(loop out)」のためか、又はプライマーの3’端とイントロン配列との間の十分な類似性のために起こり得る。実施例において説明される通り(表1)、ゲノムDNAは、エキソン‐エキソン接合部をスパニングする少なくとも1つのプライマーの存在下、PCRによって容易に増幅される。
mRNAに対する、エキソン‐エキソン接合部スパニングプライマーの特異度は、特定の化学修飾によって大きく改善され得ることが発見された。
化学修飾されたヌクレオチドを有する増幅プライマーが近年報告されている。例えば、修飾ヌクレオチドを含むプライマー、具体的には環外アミノ基が共有結合修飾された塩基を有するヌクレオチドを含むプライマーが、米国特許第6,001,611号明細書に記載されている。かかるヌクレオチド、及びかかるヌクレオチドを組み込んだオリゴヌクレオチドの合成もまた、米国特許第6,001,611号明細書に記載されている。
一の実施形態において、本発明は、対応するゲノム混入物の存在下、エキソン‐エキソン接合部を含む、メッセンジャーRNA(mRNA)標的の選択的増幅のためのオリゴヌクレオチドを含む。当該オリゴヌクレオチドは、前記mRNA標的に対して少なくとも部分的に相補的である配列を含み、当該標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングし、そして環外アミノ基で共有結合修飾された塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む。
本発明は一般的に、標的核酸の特異的領域を選択的に増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーの設計及び使用を含む。増幅プライマーの設計のためのパラメーターは、当業者に既知である。かかる設計のために有用なプログラムは、例えば、Visual OMP(DNA Software,Inc.,Ann Arbor,MI)、Oligo 6(Stratagene,La Jolla,CA)、Sequencher(Gene Codes,Ann Arbor,MI)、及びDNAStar(DNAStar,Inc.,Madison,WI)を含む。
本発明は、環外アミノ基で化学修飾された塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを有する少なくとも1つのプライマーの使用を含む。好ましくは、修飾されたプライマーは、エキソン‐エキソン接合部スパニングプライマーである。環外アミノ基の共有結合修飾を有するヌクレオチドは、米国特許第6,001,611号明細書に記載されている。かかるヌクレオチド、及びかかるヌクレオチドを組み込んだオリゴヌクレオチドもまた、米国特許第6,001,611号明細書に記載されている。
本発明において、環外アミノ基の適切な修飾は、以下の特性の存在に基づいて選択され得る:(1)当該修飾は、二重鎖核酸において、修飾塩基と相補的塩基とのワトソン‐クリック塩基対を干渉する(interfere)が、防止(prevent)しない;(2)当該修飾は、mRNA鋳型を使用する、修飾塩基を含むプライマーの、逆転写酵素による伸長を干渉するが、防止しない;(3)当該修飾によって、当該修飾を組み込んだ鎖に対して相補的な鎖の合成を可能とする;そして(4)当該修飾は、DNA鋳型を超える、mRNA鋳型に対する、修飾を組み込んだプライマーの選択性を増大させる。
環外アミノ基の例は、アデノシンの6位、グアノシンの2位、及びシチジンの4位におけるアミノ基を含む。相補鎖核酸との塩基対形成に参画する環外アミノ基はまた、ヌクレオチド中における、非従来型の窒素含有塩基において存在する。非従来型塩基を有するヌクレオシドの例は、限定されないが、3−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、3−メチルグアノシン、5−メチルシチジン、及び5−ヒドロキシメチルシチジンを含む。かかる非従来型塩基の環外アミノ基の適切な修飾はまた、本発明の経験的方法に従って選択され得る。
修飾されたアデニン、グアニン及びシトシン塩基の構造は、各々以下に示される:
Figure 0005848255
[式中、Sは糖部を表し、Rは修飾基を表す]。
上記の4つの特性を有する種々の修飾基が想定される。本発明の好ましい実施形態において、修飾基は以下の構造:
Figure 0005848255
[式中、
1及びR2は、水素、アルキル、アルコキシ、置換若しくは未置換のアリール、及びフェノキシから独立して選択される]
を有する。
アルキル基は分岐していてもよく、または分岐していなくてもよい。
アルキル基は、C1−C20アルキルであり得、例えばC1−C10アルキルである。
アルコキシ基は、C1−C20アルコキシであり得、例えばC1−C10アルコキシである。
アリールは、未置換の若しくは置換された、フェニルまたはナフチルであり得る。
別の好ましい実施形態において、修飾基Rは、ベンジル基又は置換されたベンジル基である。特定の実施形態において、置換されたベンジル基は、以下の構造:
Figure 0005848255
[式中、
3は、分岐又は未分岐のC1−C6アルキル基、より好ましくは分岐若しくは未分岐のC1−C4アルキル基、アルコキシ基、又はニトロ基を表す]
を有し得る。好ましくは、R3は、パラ位に結合している。
本発明の好ましい修飾基は、以下に示す構造によって表わされる:
Figure 0005848255
本明細書に記載された化合物群からの特に適切な修飾基の経験的選択は、一般的に、上で列記した4つの特性の存在に基づいて当業者によってごく普通に行われ得る。好ましくは特定の基の適切さは、DNA増幅反応と比較して、mRNA増幅反応において、修飾ヌクレオチドを有するプライマーを用いることによって経験的に決定される。修飾の適切性は、修飾プライマーが使用されるときにおける、mRNA鋳型の増幅によって、及び対応するDNA鋳型の検出可能な増幅の欠如又は実質的な遅延によって示唆される。反応の選択性の増大は、未修飾のプライマーを用いた同一の反応と比較して、塩基修飾を有するプライマーを利用することによって観察される。
別の実施形態において、本発明は、対応するゲノムDNA混入物の存在下における、エキソン‐エキソン接合部を含むメッセンジャーRNA(mRNA)標的の選択的増幅方法である。当該方法は、試料を提供し、ここで前記試料は場合により標的メッセンジャーRNAのみならず、対応するゲノムDNAを含んでもよく;a)第一のオリゴヌクレオチドを前記mRNA標的とハイブリダイズさせ、RNA指向性(directed)合成を行うことができる少なくとも1つの酵素を用いてRNA指向性DNA合成を行い、ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基で修飾された少なくとも1つのヌクレオチドを含み、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングし(span);そしてb)前記第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドを、DNA指向性DNA合成を行うことができる少なくとも1つの酵素と共に使用して、ステップa)の産物を増幅すること、ここで前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的である、を含む。
本発明は、標的核酸配列の増幅のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用する。特にmRNA標的を増幅するために、本発明は、逆転写‐ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を利用する。幾つかの実施形態において、本発明の方法は、「リアルタイム」PCR又は「キネティック(kinetic)」PCRを利用する。典型的にはキネティックPCRは、増幅の間において増幅された産物の検出を可能とするために、少なくとも2つのプライマー、及び標識化されたオリゴヌクレオチドプローブの存在下で行われる。幾つかの実施形態において、当該プローブは、増幅の各サイクル中において標的配列へのハイブリダイゼーション時に検出可能なシグナルを放出する、ハイブリダイゼーションプローブである。他の実施形態において、当該プローブは、増幅の各サイクル中におけるDNAポリメラーゼによる、ハイブリダイズされたプローブの5’‐3’ヌクレアーゼ消化時においてシグナルを放出する、ヌクレアーゼプローブである。
幾つかの実施形態において、RT‐PCR反応は、ホットスタート手順を含む。RT‐PCRに関して、RNA及び対応するDNAに対するプライマーの選択性は、ホットスタート手順の使用により向上され得る。多くのホットスタート手順が、当技術分野で既知である。例えば、ワックスの使用、重要な試薬の残りの反応混合物からの分離(米国特許第5,411,876号明細書)、核酸ポリメラーゼの使用、抗体による可逆的不活化(米国特許第号5,338,671明細書)、その活性部位に特異的に結合するように設計されているオリゴヌクレオチドによって可逆的に不活化された核酸ポリメラーゼ(米国特許第5,840,867号明細書)、又は可逆的化学修飾を有する核酸ポリメラーゼの使用(例えば米国特許第5,677,152号、及び第5,773,528号明細書に記載)がある。
本発明の幾つかの実施形態において、RT‐PCRアッセイは、リアルタイムPCRアッセイを含む。リアルタイムPCRアッセイにおいて、増幅の評価基準は、「閾値(threshold)サイクル」又はCt値である。より早いCt値は、早期の閾値レベルへの達成を反映し、したがってより効率的な増幅、又は標的核酸のより高いインプットを反映する。より遅いCt値は、不十分な若しくは阻害された増幅を反映し得るか、又は標的核酸のより低いインプットを反映し得る。RNA特異的増幅アッセイに関して、DNA標的に対応するより高いCt値は、RNAとDNA標的との間の区別の基準、又は当該アッセイの選択性の基準である。
RT‐PCRアッセイは、任意の適切な、当技術分野で既知の熱安定ヌクレオチド組み込み酵素、及び非熱安定酵素、例えばMMLV RT及びAMV RT、を使用し得る。校正(3’−5’−エキソヌクレアーゼ)活性を有さない酵素を使用することが時折望ましい。当該酵素は、例えばTaq DNAポリメラーゼ、例えばrTth又はZ05である。5’−3’ヌクレアーゼ活性を実質的に又は完全に欠いている酵素、例えば米国特許第5,795,762号明細書に記載されている酵素もまた、望ましい。かかる酵素の一例は、ΔZ05ポリメラーゼである。「ホットスタート」能力を有する酵素が、時折望ましい。当該酵素は例えば、米国特許第5,677,152号、及び第5,773,528号明細書に記載された酵素である。ホットスタート酵素の一例は、ΔZ05−ゴールドポリメラーゼである。幾つかの実施形態において、望ましい操作された特性を有する修飾酵素もまた使用され得る。
増幅産物の検出は、当技術分野で既知の任意の方法によって達成され得る。これらの方法は、標識化されたプライマー及びプローブ、並びに種々の核酸結合色素の使用を含む。検出手段は、標的配列の1つのバリアントに特異的であり得るか、或いは、標的配列の全てのバリアントに一般的であり得るか、又は全ての二重鎖DNAにとってでさえ一般的であり得る。非特異的検出方法は、標的の望ましくないバリアントが最少であるか、当該方法の検出限界未満であると予想される場合に使用され得る。
増幅産物は、増幅が完了した後に、例えば未標識の産物のゲル電気泳動、及び核酸結合性染料を用いたゲルの染色によって検出され得る。或いは当該増幅産物は、合成中における組み込みによるか、又は標識されたプライマーの伸長産物によって、放射性標識又は化学標識を有していてもよい。電気泳動後、又は電気泳動中において、標識された増幅産物は、当技術分野で既知の適切な放射性ツール又は化学ツールを用いて検出されてもよい。電気泳動後、当該産物はまた、当技術分野で既知の方法の任意の1つによって標識された標的特異的プローブを用いて検出されてもよい。標識されたプローブはまた、電気泳動することなく、すなわち、「ドットブロット(dot blot)」アッセイなどにおいて、標的へ適用されてもよい。
他の実施形態において、増幅産物の存在は、均質のアッセイにおいて検出され得る。均一系アッセイ(homogeneous assay)はすなわち、新生産物の存在が増幅サイクル中に検出されるか、又は少なくとも同一の未開封のチューブ中で検出され、そして、増幅後の処理が必要とされないものである。均一系増幅は、例えば米国特許第5,210,015号明細書に記載されている。核酸インターカレーティング染料を用いた均一系増幅アッセイは、例えば、米国特許第5,871,908号及び第6,569,627号明細書に記載されている。均一系アッセイはまた、2つの相互作用性フルオロフォアで標識された経口プローブを使用してもよい。当該プローブは例えば、「モレキュラー・ビーコン」プローブ(Tyagi et al., (1996) Nat. Biotechnol., 14:303-308)又は蛍光標識されたヌクレアーゼプローブ(Livak et al., (1995) PCR Meth. Appl., 4:357-362)である。これらの技術の特定の変形において、増幅産物はまた、その固有の融解温度によって同定されてもよい。米国特許第5,871,908号及び第6,569,627号明細書参照。
均一系増幅の場合において、標的は、オリゴヌクレオチドプローブを使用して検出される。当該プローブは、標的の存在決定又は同定を容易とする標識を用いて標識化される。当該プローブは、1又は2以上の標識部位、及び場合により1又は2以上のクエンチャー(quencher)部位を含む。標識部位は、分光学的、光化学的、生物化学的、免疫化学的又は化学的手段によって検出可能なものであり得る。
幾つかの実施形態において、標識は蛍光性部位である。蛍光標識は、負に荷電した染料、例えばフルオレセインファミリーの染料、又は電荷的に中性である染料、例えばローダミンファミリーの染料、又は正に荷電した染料、例えばシアニンファミリーの染料を含む。本発明において使用され得る他のファミリー染料は、例えば、ポリハロフルオレセイン‐ファミリー染料、ヘキサクロロフルオレセイン‐ファミリー染料、クマリン‐ファミリー染料、オキサジン‐ファミリー染料、チアジン‐ファミリー染料、スクアリン(squarine)ファミリー染料、キレート化ランタノイド‐ファミリー染料、ALEXA FLUOR(登録商標)染料、BODIPY(登録商標)‐ファミリー染料(Molecular Probes, Inc., Eugene, Ore.)を含む。
蛍光標識に加えて、当該プローブは、1又は2以上のクエンチャー部位を有していてもよい。クエンチャーは、蛍光染料から放出されるエネルギーを吸収する、又は光を放出する蛍光染料の能力を妨害する化学部位のことである。クエンチャーは、そのクエンチャーに特有のシグナルで、蛍光染料から吸収されたエネルギーを再放出してもよい。あるいは、クエンチャーは、蛍光染料から吸収されたエネルギーを熱として放散してもよい。非蛍光性クエンチャーの例は、Biosearch Technologies, Inc. (Novato, Calif.)によって市販されているBlack Hole Quenchers(商標)、Epoch Biosciences (Bothell, Wash.)製のEclipse Dark Quenchers、及びIowa Black (Integrated DNA Technologies, Coralville, Iowa)を含む。標識及びクエンチャーは、種々の技術によって直接的に又は間接的にオリゴヌクレオチドプローブへと結合され得る。使用される標識の正確な種類に依存して、当該標識は、プローブの5’末端若しくは3’末端に配置され得るか、又はヌクレオチド配列の内部に配置され得る。標識及びクエンチャーは、ヌクレオチドに直接的に結合され得るか、又はリンカー若しくはスペーサーを介して間接的に結合され得る。市販の試薬、例えばホスホロアミダイトからの標識化オリゴヌクレオチドの製造は、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innis et al.編, Academic Press, Inc., 1990に記載されている。
別の実施形態において、本発明は、対応するゲノムDNA混入物の存在下における、mRNAを特異的若しくは選択に増幅するための反応混合物を提供し、ここで前記混合物は、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、且つ前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする(spanning)、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド;ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基で修飾された塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む;並びに、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、を含む。当該反応混合物は、RNA指向性及びDNA指向性DNA合成を行うことができる1又は2以上の酵素をさらに含み得る。当該反応混合物は、核酸の増幅のために一般的に必要である試薬及び溶液をさらに含んでもよい。当該試薬は、核酸前駆体、すなわち、ヌクレオシドトリホスフェート、並びに当該反応混合物中に存在する酵素の活性を支援するために適している有機イオン及び無機イオンを含む。当該反応混合物は、標的mRNAをさらに含んでもよい。当該反応混合物は、対応するゲノムDNAをさらに含んでもよい。さらに、当該反応混合物は、増幅された核酸の検出のために必要な試薬を含んでもよい。
別の実施形態において、本発明は、対応するゲノムDNA混入物の存在下における、mRNAを特異的若しくは選択に増幅するためのキットを提供し、ここで前記キットは、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、且つ前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする(spanning)、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド;ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基で修飾された塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む;並びに、前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、を含む。当該キットはまた、RNA指向性及びDNA指向性DNA合成を行うことができる1又は2以上の酵素を含み得る。当該キットは、核酸の増幅のために一般的に必要である試薬及び溶液をさらに含んでもよい。当該試薬は、当該キット中に存在する酵素の活性を支援するために適している、核酸前駆体、すなわちヌクレオシドトリホスフェート、並びに有機イオン及び無機イオンを含む。当該キットは、ある量の標的mRNAをさらに含んでもよい。当該キットは、ある量の対応するゲノムDNAをさらに含んでもよい。さらに、当該キットは、増幅された核酸の検出のために必要な試薬を含んでもよい。さらに、当該キットは、本発明の方法を実施するための使用説明書(instruction)を含んでもよい。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供される。ここで本発明の真の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。本発明の精神から離れることなく、実施手順中において改良がなされ得る。
実施例
以下の実施例において、各50μlの反応液は、ヒトゲノムDNAを10ng、100ng、又は1μg含むか、或いは、鋳型としてffpetRNAを10ng又は100ng含んだ。幾つかの実験において、インビトロRNA転写産物を含む陽性対照試薬を鋳型として使用した。異なる鋳型が、結果の表中に記載される。各々異なる逆方向プライマーを含有する別の反応液を、共通の順方向プライマー及び共通のプローブと混合した。各反応液は、0.3μMの各順方向及び逆方向プライマー、0.1μMのプローブ、2.5mM酢酸マンガン、50mMトリシン、150mM酢酸カリウム、13.4mM水酸化カリウム、8%グリセロール、1%DMSO、200μMの各dATP、dCTP、dGTP、400μMのdUTP、50μMのdTTP、0.075μMのHawk Z05、0.2U/μlのZ05ポリメラーゼ、0.04U/μlのUNG、0.018%アジ化ナトリウム、0.01%Tween−20、及び0.1mMEDTAを含んだ。
逆転写(RT)及び増幅を、Roche LightCycler 480 装置を用いて行った。反応液を以下の温度プロファイルにかけた:50°Cにて5分間(UNGステップ)95°Cにて1分間(ポリメラーゼ活性化)、61°Cにて30分間(RTステップ)、その後、95°Cにて15秒間及び61°Cにて30秒間の55サイクル。最後の53サイクルの、各61°Cステップの最後に、蛍光データを回収し、増殖曲線を作成した(示さず)。最後に、反応液を40°Cにて30秒間冷却した。
Figure 0005848255
実施例1
mRNA特異的プライマーを用いた、ゲノムDNAの画期的増幅
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、逆方向プライマー(配列番号3)、及び検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングする。鋳型核酸を、Rocheから購入した(マテリアル#11691112001)。
増幅反応のCt値として、結果を表2に示す。当該結果は、DNA混入物の増幅を避けるための先行技術における戦略は不十分であることを実証している。ゲノムDNAは、エキソン‐エキソン接合物をスパニングするmRNA特異的逆方向プライマーを用いて容易に増幅される。
Figure 0005848255
実施例2
exon30に相補的なより多くの塩基を含む、mRNA特異的プライマーを用いた、RNA特異的増幅の改善
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、配列番号3〜6から選択される逆方向プライマー、及び検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングする。ここで当該逆方向プライマーは、配列番号3の逆方向プライマーよりも、Exon30に相補的なより多くの塩基を含む。使用される鋳型は、ゲノムDNA、ホルマリン固定されたパラフィン包埋組織(FFPET)から単離されたDNA、及びFFPETから単離されたRNAであった。増幅反応のCt値として、結果を表3に示す。RNAとDNA鋳型との間のCtの差異は、RNA鋳型に対する、当該アッセイのより大きな特異性を示している。配列番号6の逆方向プライマーは、RNA鋳型に対する特異性において、最も大きな改善を示した。
Figure 0005848255
実施例3
exon30に相補的なより多くの塩基を含む、mRNA特異的プライマーを用いた、RNA特異的増幅の更なる改善
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、配列番号6〜9から選択される逆方向プライマー、及び検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングする。ここで当該逆方向プライマーは、配列番号3の逆方向プライマーよりも、exon30に相補的なより多くの塩基を含む。使用される鋳型は、ゲノムDNA、FFPETから単離されたRNA、及び陽性対照試薬であった。当該陽性対照試薬は、反応液中に16コピー/μlのERBB2を含有するRNA転写産物のブレンドである。
増幅反応のCt値として、結果を表4及び5に示す。RNAとDNA鋳型との間のCtの差異は、RNA鋳型に対する、当該アッセイのより大きな特異性を示している。ND(検出不能)は、鋳型の増幅がないことを示す。配列番号7の逆方向プライマーは、RNA鋳型に対する特異性において、最も大きな改善を示す。
Figure 0005848255
Figure 0005848255
実施例4
修飾を含むmRNA特異的プライマーを用いた、RNA特異的増幅の改善
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、配列番号3〜10から選択される逆方向プライマー、及び検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングする。ここで当該逆方向プライマーは、配列番号3の逆方向プライマーよりも、exon30に相補的なより多くの塩基を含む。配列番号10の逆方向プライマーは、修飾を含む。使用される鋳型は、ヒトゲノムDNA、及び陽性対照試薬であった。当該陽性対照試薬は、反応液中に16コピー/μlのインビトロRNA ERBB2を含有するRNA転写産物のブレンドである。
増幅反応のCt値として、結果を表6に示す。RNAとDNA鋳型との間のCtの差異は、RNA鋳型に対する、当該アッセイのより大きな特異性を示している。ND(検出不能)は、鋳型の増幅がないことを示す。配列番号10の逆方向プライマーは修飾を含み、そしてRNA鋳型に対する特異性において、最も大きな改善を示す。
Figure 0005848255
実施例5
修飾を含むmRNA特異的プライマーを用いた、RNA特異的増幅の改善
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、配列番号7〜10から選択される逆方向プライマー、及び検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングし、そして修飾を含む。使用される鋳型は、ヒトゲノムDNA、FFPETから単離されたRNA及び陽性対照試薬であった。当該陽性対照試薬は、反応液中に16コピー/μlのインビトロRNA ERBB2を含有するRNA転写産物のブレンドである。
増幅反応のCt値として、結果を表7に示す。RNAとDNA鋳型との間のCtの差異は、RNA鋳型に対する、当該アッセイのより大きな特異性を示している。配列番号10の逆方向プライマーは修飾を含み、そしてRNA鋳型に対する特異性において、最も大きな改善を示す。
Figure 0005848255
実施例6
修飾を含むmRNA特異的プライマーを用いた、RNA特異的増幅の改善
本実施例中、erbB2標的の増幅において、順方向プライマー(配列番号1)、配列番号3、6、7、10、11、12、13、14及び15から選択される逆方向プライマー、並びに検出プローブ(配列番号2)を利用した。順方向プライマー及びプローブをExon30に配置し、一方で逆方向プライマーはerbB2遺伝子のExon30とExon31との接合部をスパニングし、そして修飾を含む。使用される鋳型は、ヒトゲノムDNA、およびFFPETから単離されたRNAであった。増幅反応のCt値として、結果を表8に示す。RNAとDNA鋳型との間のCtの差異は、RNA鋳型に対する、当該アッセイのより大きな特異性を示している。配列番号10の逆方向プライマーは修飾を含み、そしてRNA鋳型に対する特異性において、最も大きな改善を示す。配列番号11及び15の逆方向プライマーもまた、RNA鋳型に対する特異性の改善を示す;しかし、RNA FFPET鋳型に関するCt値は、配列番号10で得られた結果と比較して遅延する。
Figure 0005848255
配列番号3、6、7、10、11、12、13、14及び15のプライマーに関する増幅曲線は各々、図3、4、5、6、7、8、9、10及び11において見ることができる。
具体的実施例を参照して、本発明が詳細に説明されたが、種々の変更が本発明の範囲内でなされ得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載されたいずれの実施例にも限定されるべきではなく、以下に示す特許請求の範囲によって限定されるべきである。

Claims (12)

  1. メッセンジャーRNA標的の選択的増幅方法であって、以下のステップ:
    a.第一のオリゴヌクレオチドを前記mRNA標的とハイブリダイズさせ、RNA指向性合成を行うことができる少なくとも1つの酵素を用いてRNA指向性DNA合成を行い、ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは:
    i.ベンジル基又は置換されたベンジル基で環外アミノ基が共有結合修飾された、アデニン、グアニン、又はシトシン塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含み、
    ii.前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、そして
    iii.前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする(span);
    b.前記第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドを、DNA指向性DNA合成を行うことができる少なくとも1つの酵素と共に使用して、ステップa)の産物を増幅すること;ここで前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記mRNA標的の少なくとも部分的な配列を有する、
    を含む、前記方法。
  2. 前記ヌクレオチドの前記環外アミノ基が共有結合修飾された塩基が、N−ベンジル−アデニン、N−パラ−tert−ブチル−ベンジルアデニン、N−ベンジル−シトシン及びN−パラ−tert−ブチル−ベンジルシトシンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 以下のステップ:
    c.前記RNA指向性DNA合成及びDNA指向性DNA合成の産物を検出すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記RNA指向性合成を行うことができる酵素と、前記DNA指向性DNA合成を行うことができる酵素が同一である、請求項1に記載の方法。
  5. 1又は2以上の前記酵素が、Taq DNAポリメラーゼと比較して、50%以下の5’‐3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの酵素が、Taq DNAポリメラーゼ若しくはZ05 DNAポリメラーゼ、またはそれらの変異体である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第一のオリゴヌクレオチドが、配列番号:3、10、11、13、14及び15からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. エキソン‐エキソン接合部を含む、メッセンジャーRNA標的の選択的増幅のためのオリゴヌクレオチドであって、前記mRNA標的に対して少なくとも部分的に相補的であり、且つ前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニング(spanning)するヌクレオチド配列を含み、そしてベンジル基又は置換されたベンジル基で環外アミノ基が共有結合修飾された、アデニン、グアニン、又はシトシン塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドをさらに含む、前記オリゴヌクレオチド。
  9. 前記環外アミノ基が共有結合修飾された塩基が、N−ベンジル−アデニン、N−パラ−tert−ブチル−ベンジルアデニン、N −ベンジル−シトシン及びN−パラ−tert−ブチル−ベンジルシトシンからなる群から選択される、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド。
  10. 前記環外アミノ基が共有結合修飾された塩基を有する前記ヌクレオチドの1つの構造が:
    Figure 0005848255
    [式中、Sは糖部を表し、Rはベンジル基又は置換されたベンジル基を表す]
    からなる群から選択される、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド。
  11. エキソン‐エキソン接合部を含む、メッセンジャーRNA標的の選択的増幅のための反応混合物であって:前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、且つ前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド;ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、ベンジル基又は置換されたベンジル基で環外アミノ基が共有結合修飾された、アデニン、グアニン、又はシトシン塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む;並びに、前記mRNA標的の少なくとも部分的な配列を有する少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、を含む、前記反応混合物。
  12. エキソン‐エキソン接合部を含む、メッセンジャーRNA標的の選択的増幅のためのキットであって:前記mRNA標的と少なくとも部分的に相補的であり、且つ前記標的中のエキソン‐エキソン接合部をスパニングする、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド;ここで前記第一のオリゴヌクレオチドは、ベンジル基又は置換されたベンジル基で環外アミノ基が共有結合修飾された、アデニン、グアニン、又はシトシン塩基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む;並びに、前記mRNA標的の少なくとも部分的な配列を有する少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、を含む、前記キット。
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