JP5845982B2 - 車両構成部材 - Google Patents
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Description
また玉縁は、シート構成部材の意匠面に形成された線状の突出部位であり、玉縁カバー部(表皮カバー部に相当)と、円筒状の玉芯を有する。玉縁カバー部は、円筒状に丸められた帯状部材であり、透明な素材(ナイロンやポリエステル等)にて形成される。また玉芯は、円筒状の光ファイバであり、玉縁カバー部内に配置する。
公知技術では、シート構成部材の縁部に沿って玉縁を配設しつつ、表皮材に共縫いする。そして玉芯の発光にて玉縁カバー部を光らせることにより、シートの装飾性を向上させることができる(意匠性に優れるシート構成となる)。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的シンプルな構成により意匠性を向上させることにある。
そこで本発明では、上述の突出部が、表皮材と一体又は別体の筒状の表皮カバー部と、表皮カバー部の切れ目である複数のスリットと、表皮カバー部内に配置する芯部とを有する。そして複数のスリットが、突出部に拡開可能に適宜の間隔で配置することで(比較的シンプルな構成により)、車両構成部材の意匠性を向上させることができる。すなわち本発明では、突出部の少なくとも一部が、車両構成部材の湾曲部分に沿って設けられるとともに、湾曲部分においてスリットとしての拡開状態の切れ目から芯部が露出した状態とされている。
例えば第2発明の車両構成部材は、第1発明の車両構成部材であって、上述の突出部が、筒状の表皮カバー部内に配置する芯部を有するとともに、スリットを拡開状態として芯部を露出させる構成である。こうすることで拡開状態のスリットにより(表皮カバー部を透明化することなく)、芯部を視認可能な状態とすることができる。
本発明では、シート構成部材の湾曲部分に応じてスリットを拡開させる(表皮カバー部を伸長させる)ことで、表皮カバー部に極力皺等を生じさせることなくシート構成部材に取付けることができる。
図1の車両用シート2(車両構成部材の一例)は、シートクッション4とシートバック6(シート構成部材)を有する。そして本実施例では、シート構成部材4,6の意匠面に複数の突出部10A〜10Dを設ける。この種のシート構成では、比較的シンプルな構成により、シートの意匠性を向上できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述のシンプルな構成により、シートの意匠性を向上させることとした。以下、各構成について詳述する。
シート構成部材4,6は、各々、フレーム部材(図示省略)と、クッション材(4P,6P)と、表皮材(4S,6S)を有する(図1を参照)。
ここでフレーム部材(図示省略)は、典型的に略矩形又は略長方形状の枠体であり、クッション材(4P,6P)を支持できる。またクッション材4P,6Pは、それぞれシート外形をなす部材であり、例えばポリウレタンフォームなどの弾性力を有する部材で構成できる。
そして表皮材4S,6Sは、それぞれクッション材6Pを被覆して意匠面を構成する袋状部材であり、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)にて構成できる。本実施例の表皮材4S,6Sは、複数の表皮ピース(例えば第一ピースP1,第二ピースP2等)を袋状に縫合することで形成できる。第一ピースP1は、シートバック6の着座側をなす表皮ピースであり、第二ピースP2は、シートバック6の側面をなす表皮ピースである(図1及び図4を参照)。
複数の突出部(第一突出部10A〜第四突出部10D)は、各々、シート構成部材4,6の意匠面から線状に突出する部位である(図1〜図4を参照)。そして各突出部は、それぞれ芯部12と、表皮カバー部14と、複数のスリット16を有する。
ここで本実施例では、第一突出部10Aと第三突出部10Cが同一構成を有する。そして第二突出部10Bと第四突出部10Dは、各スリット16の傾斜方向が第一突出部10Aと逆向きであるほかは第一突出部10Aと同一の構成を有する。
また表皮カバー部14は、芯部12の長さ寸法に倣った長尺な帯状の面材であり、短尺方向で見て筒状に湾曲可能(芯部12を被覆可能)である(図2及び図3を参照)。表皮カバー部14の材質は特に限定しないが、表皮材4S,6Sと同材質(布帛,皮革)で構成することができ、また異なる材質(樹脂やエラストマのシート)で構成することもできる。
そして複数のスリット16は、それぞれ表皮カバー部14の切れ目であり、各突出部10A〜10Dの長尺方向に対して傾斜状に適宜の間隔で配置する(図1〜図3を参照)。
本実施例では、表皮カバー部14の略中央に複数のスリット16を形成する(図2では、便宜上、一部のスリットにのみ符号を付す)。このとき隣り合うスリット(16A,16B)を部分的にラップさせることで(重複部分REを形成することで)、各スリット(16A,16B)の拡開を助長できる。
例えば第一突出部10Aの長尺方向に、第一スリット16Aと第二スリット16Bを並列して形成する。このとき各スリット16A,16Bの始点SPを、第一突出部10Aの長尺方向一側に配置し、終点EPを、第一突出部10Aの長尺方向他側に配置する。そして表皮カバー部14の幅方向で見て、第一スリット16Aの終点EPを、第二スリット16Bの始点SPよりも第二スリット16B側に突出させることで、両スリットの重複部分REを形成できる。
そして本実施例では、表皮カバー部14で芯部12一端側(円筒状)を被覆しつつ、表皮カバー部14の両端部をそれぞれ芯部12の他端に重ね合わせる(図3及び図4(a)を参照)。こうすることで突出部10A〜10D外側(円筒状)に各スリット16が配置する。そして後述するように、表皮カバー部14の両端部と芯部12の他端を表皮材6Sに共縫いすることで、シート構成部材4,6に突出部10A〜10Dを取付けることができる。
突出部は、上述の構成のほか、各種の構成をとることができる(図4(b)を参照)。
例えば変形例1では、芯部12Aが、可撓性を有する円筒状の部材である。そして本変形例においても、表皮カバー部14で芯部12A(円筒状)を被覆しつつ、表皮カバー部14の両端部を互いに重ね合わせる。そして後述するように表皮カバー部14の両端部を表皮材6Sに共縫いすることで、シート構成部材4,6に突出部10A〜10Dを取付けることができる。
図1及び図4(a)を参照して、複数の突出部10A〜10Dを、それぞれシート構成部材4,6の縁部に配設する。
このとき第一突出部10Aをシートバック6一側に配設するとともに、第二突出部10Bをシートバック6他側に配設する。また第三突出部10Cをシートクッション4一側に配設するとともに、第四突出部10Dをシートクッション4他側に配設する。
そして本実施例では、上述の通り表皮カバー部14の両端部と芯部12の他端を表皮材6Sに共縫いする(図4(a)を参照)。例えば第一突出部10Aを配設するに際して、第一ピースP1の端部と第二ピースP2の端部を内折りしつつ、両ピースの間に第一突出部10Aを配置する。つぎに第一突出部10A(表皮カバー部14の両端部と芯部12の他端)と両ピースP1,P2の端部の重複部分を共縫いすることで、シートバック6一側に第一突出部10Aを配設できる。また他の突出部10B〜10Dも同様に配設することで、シート構成部材4,6の縁部に他の突出部10B〜10Dを配設できる。
上述のシート構成では、シート構成部材4,6の湾曲部分において、表皮カバー部14の外側が内側よりも伸長する(内外周長差が生じる)ことがある(図1を参照)。
そこで本実施例では、各スリット16の傾斜方向を適宜変更することで、シート構成部材4,6の湾曲形状に沿って複数のスリット16を部分的に拡開させる(表皮カバー部14の表側を部分的に伸長させる)。
例えば第一突出部10Aと第三突出部10Cを、それぞれシート構成部材4,6の一側に配設する。このとき第一突出部10Aを、正面視で(図1で見て)時計周りに湾曲させつつ、各スリット16の終点EPをシート内方側且つ下方に配置する(図1では、便宜上一つの終点にのみ符号を付す)。また第三突出部10Cでは、各スリットの終点(符号省略)をシート内方側且つ前方に配置する。こうすることでシート構成部材4,6の湾曲部分(シート幅方向の湾曲部分,シート厚み方向の湾曲部分)において、各スリット16が拡開することにより、第一突出部10Aと第三突出部10Cをスムーズに湾曲させることができる。
そしてシート構成部材4,6の湾曲部分に応じてスリット16を拡開させる(表皮カバー部14を伸長させる)ことで、表皮カバー部14に極力皺等を生じさせることなくシート構成部材4,6(湾曲部分)に取付けることができる。
図1を参照して、シート構成部材4,6の縁部に沿って各突出部10A〜10Dを配置する。このときシート構成部材4,6の湾曲形状等に応じて、複数のスリット16が部分的に拡開することにより、表皮カバー部14の断面形状や芯部12を露出させることができる。本実施例では、芯部12に対して紐状の表皮カバー部14が巻きついたような外観を呈する(意匠性に優れるシート構成となる)。このとき芯部12を着色することで、さらに意匠性に優れるシート構成となる。
また芯部12が光を反射又は発光することで(芯部12を目立たせることで)、夜間などにおいてシート構成部材4,6が光にて縁取りされた外観を呈する。
また本実施例では、各突出部10A〜10Dが、各スリット16を拡開状態として芯部12を露出させる構成である。このため表皮カバー部14を透明化することなく、芯部12を視認可能とすることができる。
そして本実施例では、シート構成部材4,6の湾曲部分に応じてスリット16を拡開させる(表皮カバー部14を部分的に伸長させる)ことで、表皮カバー部14に極力皺等を生じさせることなくシート構成部材4,6に取付けることができる。このためシート構成部材4,6の湾曲部分に各突出部10A〜10Dを無理なく縫製できる。
この結果として本実施例によれば、比較的シンプルな構成により、シートの意匠性を向上させることができる。
(1)本実施形態では、シート構成部材4,6の湾曲形状に沿って各突出部10A〜10Dを配置することにより、各スリット16を拡開させる例を説明した。これとは異なり、各突出部にねじりを加えるなどして各スリットを拡開させつつ、シート構成部材に取付けることができる。また表皮カバー部を引張して各スリットを拡開させつつ、シート構成部材に取付けることができる。また各スリットを閉じ状態としつつ、シート構成部材に各突出部を取付けることもできる。
(3)また本実施形態では、表皮材4S,6Sと別体の表皮カバー部14を例示した。これとは異なり表皮材の一部を円筒状に突出させることで表皮カバー部を形成することもできる(表皮カバー部と表皮材を一体とすることができる)。
(4)また本実施形態では、各スリット16を略同形状として形成する例を説明した。これとは異なりシート構成に応じて、傾斜方向や寸法の異なるスリットを各突出部に形成することもできる。なお各スリットの形状や方向は、シート構成等に応じて適宜変更可能である。
(5)また本実施形態では、シート構成部材4,6の縁部に沿って突出部10A〜10Dを形成する例を説明したが、各突出部の形成位置を限定する趣旨ではない。例えば各突出部を、シート幅方向やシート前後方向やシート上下方向で見て、シート構成部材を水平又は傾斜状に横断するように取付けることもできる。また各突出部を、略矩形としつつシート中央に形成することもできる。なお車両用シートには、複数又は単数の突出部を形成することができる。
4 シートクッション
6 シートバック
10A 第一突出部
10B 第二突出部
10C 第三突出部
10D 第四突出部
12 芯部
14 表皮カバー部
16 スリット
Claims (1)
- 意匠面を構成する表皮材と、前記意匠面から突出する線状の突出部とを有する車両用シートなどの車両構成部材において、
前記突出部が、前記表皮材と一体又は別体の筒状の表皮カバー部と、前記表皮カバー部の切れ目である複数のスリットと、前記表皮カバー部内に配置する芯部とを有し、前記複数のスリットが、前記突出部に拡開可能に適宜の間隔で配置し、
前記突出部の少なくとも一部が、前記車両構成部材の湾曲部分に沿って設けられるとともに、前記湾曲部分において前記スリットとしての拡開状態の前記切れ目から前記芯部が露出した状態とされている車両構成部材。
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