JP5844931B1 - 下塗り剤、及び、ネイルアート方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネイルアートにより下地の上から爪に施された装飾を長持ちさせる下塗り剤の提供。【解決手段】(A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、炭素数3以下の(C)アルコールとを含有しており、ネイルアートが施される前に爪に塗られる液状の下塗り剤であって、前記(C)アルコールと前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、前記(B)水と前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下である下塗り剤。【選択図】なし
Description
本発明は、ネイルアートに用いる下塗り剤と、該下塗り剤を用いたネイルアート方法に関する。
ジェルネイルや付け爪等を用いて爪に装飾を施すネイルアートが知られている。また、特許文献1には、インクジェットプリンタにより爪に絵をプリントするネイルアート方法が記載されている。このような方法によれば、容易に爪に所望の装飾を施すことができる。
しかしながら、爪の装飾を除去する際には、専用の薬品で装飾を溶かしたり、ヤスリ等の器具で装飾を削ったり剥したりする場合があり、手間がかかると共に、爪にダメージを与える恐れがあった。
そこで、ジェルネイル等よりも容易に剥離可能な下地を爪に付着させ、下地の上からネイルアートを施すことが考えられる。これにより、爪から下地を剥すことで装飾を除去できるため、除去が容易になると共に、爪へのダメージを抑制できる。
しかしながら、このような下地の上からネイルアートを施すとなると、下地にある程度の強度が無いと、ネイルアートを施している際に下地が剥がれたり、ネイルアートを施した後、早期に装飾が剥がれたりする恐れがある。
本発明は、ネイルアートにより下地の上から爪に施された装飾を長持ちさせることを目的とする。
本発明は、(A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、炭素数3以下の(C)アルコールとを含有しており、ネイルアートが施される前に爪に塗られる液状の下塗り剤であって、(C)アルコールと(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下であること、を特徴とする。
このような下塗り剤を爪に塗布して乾燥させると、ネイルアートにより施される装飾(ジェルネイル等)よりも剥し易い塗布膜(下地)が、爪に形成される。このため、塗布膜の上からネイルアートを施すことで、爪から塗布膜を剥すことで容易に装飾を除去できると共に、爪へのダメージを抑制できる。また、後述する実験結果からも明らかなように、本発明の質量比とすることで、塗布膜を剥がれ難くすることができる。このため、ネイルアートにより塗布膜(下地)の上から爪に施された装飾を長持ちさせることができる。
また、本発明の下塗り剤において、さらに、質量比(C/A)が0.37以下であり、且つ、質量比(B/A)が1.8以上としても良い。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、凝集を抑えることや、下塗り剤の爪への塗り易さを向上させることができる。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、凝集を抑えることや、下塗り剤の爪への塗り易さを向上させることができる。
また、本発明の下塗り剤において、さらに、質量比(C/A)が0.3以下であり、且つ、質量比(B/A)が1.86以上としても良い。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、塗布膜の平滑性を向上させることができ、これにより、塗布膜の上からネイルアートを施すのが容易になると共に、塗布膜の上から施された装飾の見栄えを良くすることができる。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、塗布膜の平滑性を向上させることができ、これにより、塗布膜の上からネイルアートを施すのが容易になると共に、塗布膜の上から施された装飾の見栄えを良くすることができる。
また、本発明の下塗り剤において、さらに、質量比(C/A)が0.21以下であり、且つ、質量比(B/A)が1.96以上としても良い。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、水や高温に対する塗布膜の耐性を高めることができる。このため、塗布膜の上からネイルアートが施された状態で手洗いや入浴や水仕事等をしても装飾が剥がれ難くなり、より一層、装飾を長持ちさせることができる。
後述する実験結果からも明らかなように、このような質量比とすることで、水や高温に対する塗布膜の耐性を高めることができる。このため、塗布膜の上からネイルアートが施された状態で手洗いや入浴や水仕事等をしても装飾が剥がれ難くなり、より一層、装飾を長持ちさせることができる。
また、(A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、(C)アルコールとを含有している液状の下塗り剤であって、(C)アルコールと(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下である下塗り剤を、爪に塗布する塗布ステップと、爪に塗布された下塗り剤を乾燥させ、該爪に塗布膜を形成する乾燥ステップと、塗布膜が形成された爪にネイルアートを施すネイルアートステップと、を有することを特徴とするネイルアート方法により、ネイルアートを施しても良い。
このようなネイルアート方法によれば、本発明に係る下塗り剤により形成された塗布膜の上から装飾が施され、容易に装飾を除去できると共に、爪へのダメージを抑制できる。また、塗布膜を剥がれ難くすることができるため、ネイルアートにより塗布膜(下地)の上から爪に施された装飾を長持ちさせることができる。
また、爪に、該爪の一部を覆うカバー部材を取り付ける取付ステップと、カバー部材が取り付けられた爪に、液状の下塗り剤を塗布する塗布ステップと、爪からカバー部材を除去する除去ステップと、爪に塗布された下塗り剤を乾燥させ、該爪に塗布膜を形成する乾燥ステップと、塗布膜が形成された爪にネイルアートを施すネイルアートステップと、を有することを特徴とするネイルアート方法により、ネイルアートを施しても良い。
このようなネイルアート方法によれば、容易且つ正確に、爪の上に塗布膜が形成されるエリアと形成されないエリアを定め、塗布膜が形成されていないエリアを有する爪全体に装飾を施すことができる。これにより、装飾の一部が直接爪に付着した状態になり、その結果、装飾と爪との間の結合力が強くなり、装飾が剥がれ難くなるため、装飾を長持ちさせることができる。
また、取付ステップにおいて、カバー部材は、爪の先の部分を覆った状態で、該爪に取り付けられていても良い。
手を使って作業を行う場合、爪の先の部分は衝撃等を受け易く、爪の先はネイルアートにより施された装飾が剥離し易くなると考えられる。これに対し、上記ネイルアート方法によれば、容易且つ正確に、爪の先の部分を塗布膜が形成されないエリアとして定めることができる。これにより、爪の先の部分では装飾と爪との間の結合力が強くなり、装飾が剥がれ難くなるため、ネイルアートが施された状態で手を使った作業を行っても、装飾を長持ちさせることができる。
手を使って作業を行う場合、爪の先の部分は衝撃等を受け易く、爪の先はネイルアートにより施された装飾が剥離し易くなると考えられる。これに対し、上記ネイルアート方法によれば、容易且つ正確に、爪の先の部分を塗布膜が形成されないエリアとして定めることができる。これにより、爪の先の部分では装飾と爪との間の結合力が強くなり、装飾が剥がれ難くなるため、ネイルアートが施された状態で手を使った作業を行っても、装飾を長持ちさせることができる。
また、塗布ステップにおいて、(A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、(C)アルコールとを含有しており、(C)アルコールと(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下である下塗り剤を、爪に塗布しても良い。
このようなネイルアート方法によれば、塗布膜の上から施された装飾が剥がれ難くなり、装飾を長持ちさせることができる。
以下、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
1.下塗り剤について
ネイルジェル,マニキュア,付け爪,ラインストーン,ビーズ等の装飾物を用いて爪に装飾を施すネイルアートが知られているが、本実施形態の下塗り剤は、ネイルアートの下地を形成するために用いられる。すなわち、ネイルアートを施す前に爪に下塗り剤を塗り、これを乾燥させることで、爪に塗られた下塗り剤が硬化し、爪の上に透明な膜状の下地(塗布膜)が形成される。そして、塗布膜の上からネイルアートを施す。
1.下塗り剤について
ネイルジェル,マニキュア,付け爪,ラインストーン,ビーズ等の装飾物を用いて爪に装飾を施すネイルアートが知られているが、本実施形態の下塗り剤は、ネイルアートの下地を形成するために用いられる。すなわち、ネイルアートを施す前に爪に下塗り剤を塗り、これを乾燥させることで、爪に塗られた下塗り剤が硬化し、爪の上に透明な膜状の下地(塗布膜)が形成される。そして、塗布膜の上からネイルアートを施す。
下塗り剤は、一例として、以下のようにして製造される。
まず、酢酸ビニル重合体エマルジョンを用意する。本実施形態では、酢酸ビニル重合体エマルジョンとして、ビニブランGV−5651(日信化学工業株式会社)を用いた。無論、ビニブランGV−5651以外の酢酸ビニル重合体エマルジョンを用いても良い。ビニブランGV−5651に含まれる酢酸ビニル重合体は、ポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールの共重合体(酢酸ビニル共重合体)である。ビニブランGV−5651の成分、及び、各成分の含有量は、水58質量%,ポリ酢酸ビニル36.4質量%,ポリビニルアルコール3.6質量%,エタノール2質量%である。
まず、酢酸ビニル重合体エマルジョンを用意する。本実施形態では、酢酸ビニル重合体エマルジョンとして、ビニブランGV−5651(日信化学工業株式会社)を用いた。無論、ビニブランGV−5651以外の酢酸ビニル重合体エマルジョンを用いても良い。ビニブランGV−5651に含まれる酢酸ビニル重合体は、ポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールの共重合体(酢酸ビニル共重合体)である。ビニブランGV−5651の成分、及び、各成分の含有量は、水58質量%,ポリ酢酸ビニル36.4質量%,ポリビニルアルコール3.6質量%,エタノール2質量%である。
そして、酢酸ビニル重合体エマルジョンに、(B)精製水、又は、(B)精製水及び(C)エタノールを添加すると共に、防腐剤を添加し、撹拌することで、下塗り剤を製造する。なお、本実施形態では、防腐剤としてフェノキシエタノールを用いた。
ここで、下塗り剤は、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が2.05以下であるのが好ましい。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、塗布膜を剥がれ難くすることができる。
さらに、下塗り剤は、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.18以上、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.99以下としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、さらに塗布膜を剥がれ難くすることができる。
しかし、エタノールの添加量が多くなり過ぎると、下塗り剤の粘度が増加してしまう。
そこで、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.37以下、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.8以上としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、凝集を抑えることや、下塗り剤の爪への塗り易さを向上させることができる。
そこで、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.37以下、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.8以上としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、凝集を抑えることや、下塗り剤の爪への塗り易さを向上させることができる。
さらに、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.3以下、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.86以上としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、さらに、凝集を抑えることや、下塗り剤の爪への塗り易さを向上させることができる。また、塗布膜の平滑性を向上させることができる。
また、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.24以下、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.92以上としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、塗布膜の平滑性をさらに向上させることができる。
また、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)を0.21以下、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を1.96以上としても良い。後述する実験結果から明らかなように、このような質量比にすることで、水や高温に対する塗布膜の耐性を高めることができる。
2.実施例について
上述した製造方法により、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)と、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が異なる複数の下塗り剤A〜Iを製造した。そして、下塗り剤A〜Iの各々により形成された塗布膜について、“塗布膜の剥離性”,“凝集状態”,“塗り易さ”,“塗布膜の平滑性”,“水や高温に対する耐性”という5項目で評価する実験を行った。下塗り剤A〜Iにおける各成分((A)酢酸ビニル共重合体,(B)水,(C)エタノール,防腐剤)の質量%と、上記質量比(C/A,B/A)と、該実験による評価結果とを、表1に示す。
上述した製造方法により、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)と、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が異なる複数の下塗り剤A〜Iを製造した。そして、下塗り剤A〜Iの各々により形成された塗布膜について、“塗布膜の剥離性”,“凝集状態”,“塗り易さ”,“塗布膜の平滑性”,“水や高温に対する耐性”という5項目で評価する実験を行った。下塗り剤A〜Iにおける各成分((A)酢酸ビニル共重合体,(B)水,(C)エタノール,防腐剤)の質量%と、上記質量比(C/A,B/A)と、該実験による評価結果とを、表1に示す。
“塗布膜の剥離性”とは、爪に形成された塗布膜の剥がれ難さ(換言すれば、塗布膜を剥そうとする力に対する耐性)を評価する項目である。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
◎:10人中8名以上が剥がれ難いと回答。
○:10人中6名以上7名以下が剥がれ難いと回答。
△:10名中3名以上5名以下が剥がれ難いと回答。
○:10人中6名以上7名以下が剥がれ難いと回答。
△:10名中3名以上5名以下が剥がれ難いと回答。
×:10名中2名以下が剥がれ難いと回答。
また、“凝集状態”とは、下塗り剤にて生じた凝集により塗布時に悪影響が生じたかを評価する項目である。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
また、“凝集状態”とは、下塗り剤にて生じた凝集により塗布時に悪影響が生じたかを評価する項目である。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
◎:10人中8名以上が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
○:10人中6名以上7名以下が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
△:10名中3名以上5名以下が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
○:10人中6名以上7名以下が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
△:10名中3名以上5名以下が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
×:10名中2名以下が、塗布時に凝集が気にならないと回答。
また、“塗り易さ”とは、下塗り剤を爪に塗る際の塗り易さを評価する項目である。下塗り剤が適度な粘度を有している場合等には、下塗り剤を爪に塗り易くなる。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
また、“塗り易さ”とは、下塗り剤を爪に塗る際の塗り易さを評価する項目である。下塗り剤が適度な粘度を有している場合等には、下塗り剤を爪に塗り易くなる。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
◎:10人中8名以上が塗り易いと回答。
○:10人中6名以上7名以下が塗り易いと回答。
△:10名中3名以上5名以下が塗り易いと回答。
○:10人中6名以上7名以下が塗り易いと回答。
△:10名中3名以上5名以下が塗り易いと回答。
×:10名中2名以下が塗り易いと回答。
また、“塗布膜の平滑性”とは、塗布膜の平滑さを評価する項目である。塗布膜に凹凸が生じている場合等には、装飾を施す作業に支障をきたしたり、爪に施された装飾の見栄えが悪化したりする恐れがあるため、塗布膜は平滑であるのが望ましい。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
また、“塗布膜の平滑性”とは、塗布膜の平滑さを評価する項目である。塗布膜に凹凸が生じている場合等には、装飾を施す作業に支障をきたしたり、爪に施された装飾の見栄えが悪化したりする恐れがあるため、塗布膜は平滑であるのが望ましい。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
◎:10人中8名以上が、平滑であると回答。
○:10人中6名以上7名以下が、平滑であると回答。
△:10名中3名以上5名以下が、平滑であると回答。
○:10人中6名以上7名以下が、平滑であると回答。
△:10名中3名以上5名以下が、平滑であると回答。
×:10名中2名以下が、平滑であると回答。
また、“水や高温に対する耐性”とは、爪に形成される塗布膜と同程度の厚さの塗布膜を試験用の部材に形成し、該部材を50℃の水に浸漬させた後、10分間が経過した時点における塗布膜の状態を評価する項目である。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
また、“水や高温に対する耐性”とは、爪に形成される塗布膜と同程度の厚さの塗布膜を試験用の部材に形成し、該部材を50℃の水に浸漬させた後、10分間が経過した時点における塗布膜の状態を評価する項目である。該評価項目についての各評価結果は、次のような内容になっている。
◎:塗布膜は浸漬前と同様である。
○:塗布膜の端が剥がれ始めている。
△:塗布膜の膨潤が確認できる。
○:塗布膜の端が剥がれ始めている。
△:塗布膜の膨潤が確認できる。
×:塗布膜は溶解して消滅した。
3.実験結果について
上記実験から、以下のことが判明した。
3.実験結果について
上記実験から、以下のことが判明した。
(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が2.05以下である場合、塗布膜が剥がれ難くなる。
さらに、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.18以上であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が1.99以下である場合、塗布膜がさらに剥がれ難くなる。
また、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.37以下であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が1.8以上である場合、凝集が抑えられると共に、下塗り剤の塗り易が向上する。
さらに、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.3以下であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が1.86以上である場合、さらに、凝集が抑えられると共に、下塗り剤の塗り易が向上する。また、塗布膜の平滑性が向上する。
また、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.24以下であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が1.92以上である場合、塗布膜の平滑性がさらに向上する。
また、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)が0.21以下であり、且つ、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)が1.96以上である場合、水や高温に対する塗布膜の耐性が高くなる。
4.ネイルアート方法について
次に、本実施形態の下塗り剤を用いたネイルアート方法について、図1(a)のフローチャートを用いて説明する。以後、ネイルアートを施す者を施術者と記載し、ネイルアートを施される者を被施術者と記載する。
次に、本実施形態の下塗り剤を用いたネイルアート方法について、図1(a)のフローチャートを用いて説明する。以後、ネイルアートを施す者を施術者と記載し、ネイルアートを施される者を被施術者と記載する。
S10では、施術者は、被施術者の手の指3の爪2におけるネイルアートを施さない部分にシール1を貼る(図1(b)参照)。なお、図1(b)では、一例として、爪2の先の部分を覆った状態でシール1が貼られているが、シール1を貼る場所はこれに限定されることは無い。
S11では、施術者は、爪2におけるシール1に覆われていない部分(露出部分)に本実施形態の下塗り剤を塗布する。これにより、露出部分には下塗り剤が塗布され、他の部分(被覆部分)には下塗り剤が塗布されていない状態になる。
なお、本実施形態の下塗り剤に替えて、本実施形態と同様の成分から構成されているが、各成分の質量比が異なる下塗り剤を用いても良いし、本実施形態とは異なる成分の下塗り剤を用いても良い。
S12では、施術者は、爪2に貼られたシール1を剥す。
S13では、施術者は、下塗り剤が塗布された爪2を乾燥させ、爪2の被覆部分を覆う塗布膜を形成する。
S13では、施術者は、下塗り剤が塗布された爪2を乾燥させ、爪2の被覆部分を覆う塗布膜を形成する。
S14では、施術者は、塗布膜が形成された爪2に装飾を施す。装飾が固着すると、ネイルアートが完成する。
無論、施術者は、上記ネイルアート方法により自分自身の爪にネイルアートを施しても良い。また、シール1は、爪の先の部分に限らず、爪の中央部分や根元部分等を覆った状態で貼られても良い。また、シール1を用いること無く、爪の全体又は一部に下塗り剤を塗布して塗布膜を形成し、塗布膜の上からネイルアートを施しても良い。
無論、施術者は、上記ネイルアート方法により自分自身の爪にネイルアートを施しても良い。また、シール1は、爪の先の部分に限らず、爪の中央部分や根元部分等を覆った状態で貼られても良い。また、シール1を用いること無く、爪の全体又は一部に下塗り剤を塗布して塗布膜を形成し、塗布膜の上からネイルアートを施しても良い。
[効果]
本実施形態の下塗り剤を爪に塗布し、乾燥させることで、ネイルアートにより施される装飾(ジェルネイル等)よりも剥し易い塗布膜が爪に形成される。このため、塗布膜の上からネイルアートを施すことで、容易に装飾を除去できると共に、爪へのダメージを抑制できる。また、上述した実験結果に基づき、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)や、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を定めることで、塗布膜を剥がれ難くすることができる。このため、塗布膜の上から爪に施された装飾を長持ちさせることができる。
本実施形態の下塗り剤を爪に塗布し、乾燥させることで、ネイルアートにより施される装飾(ジェルネイル等)よりも剥し易い塗布膜が爪に形成される。このため、塗布膜の上からネイルアートを施すことで、容易に装飾を除去できると共に、爪へのダメージを抑制できる。また、上述した実験結果に基づき、(C)エタノールと(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(C/A)や、(B)水と(A)酢酸ビニル共重合体の質量比(B/A)を定めることで、塗布膜を剥がれ難くすることができる。このため、塗布膜の上から爪に施された装飾を長持ちさせることができる。
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、下塗り剤にはエタノールが含有されているが、エタノール以外のアルコールを含有させても良い。なお、下塗り剤に含有させるアルコールは、炭素数が3以下であるか、又は、2以下であることが望ましく、一例として、炭素数1のメタノールを下塗り剤に含有させることが考えられる。また、2種類以上のアルコールを下塗り剤に含有させることも考えられる。
(1)本実施形態では、下塗り剤にはエタノールが含有されているが、エタノール以外のアルコールを含有させても良い。なお、下塗り剤に含有させるアルコールは、炭素数が3以下であるか、又は、2以下であることが望ましく、一例として、炭素数1のメタノールを下塗り剤に含有させることが考えられる。また、2種類以上のアルコールを下塗り剤に含有させることも考えられる。
(2)また、本実施形態では、下塗り剤を製造する際、酢酸ビニル重合体エマルジョンとしてビニブランGV−5651を用いている。しかしながら、他の酢酸ビニル重合体エマルジョンを用いても良く、例えば、酢酸ビニル重合体としてポリ酢酸ビニルのみを用いた酢酸ビニル重合体エマルジョンにより、同様にして下塗り剤を製造しても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(3)また、本実施形態の下塗り剤は、防腐剤としてのフェノキシエタノールを含有しているが、ポリリジン等といった他の防腐剤を含有していても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の下塗り剤に、例えば、マカダミア油,スクワランオイル,メドウフォーム油等をさらに添加しても良い。こうすることにより、下塗り剤に芳香を付けたり、保湿効果等を加えたりすることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
本実施形態のネイルアート方法のS10が取付ステップの一例に、S11が塗布ステップの一例に、S12が除去ステップの一例に、S13が乾燥ステップの一例に、S14がネイルアートステップの一例に相当する。
1…シール、2…爪、3…指。
Claims (6)
- (A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、炭素数3以下の(C)アルコールとを含有しており、ネイルアートが施される前に爪に塗られる液状の下塗り剤であって、
前記(C)アルコールと前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、前記(B)水と前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下であり、
さらに、前記質量比(C/A)が0.37以下であり、且つ、前記質量比(B/A)が1.8以上であること、
を特徴とする下塗り剤。 - 請求項1に記載の下塗り剤において、
さらに、前記質量比(C/A)が0.3以下であり、且つ、前記質量比(B/A)が1.86以上であること、
を特徴とする下塗り剤。 - 請求項1又は請求項2に記載の下塗り剤において、
さらに、前記質量比(C/A)が0.21以下であり、且つ、前記質量比(B/A)が1.96以上であること、
を特徴とする下塗り剤。 - (A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、炭素数3以下の(C)アルコールとを含有している液状の下塗り剤であって、前記(C)アルコールと前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、前記(B)水と前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下であると共に、前記質量比(C/A)が0.37以下であり、且つ、前記質量比(B/A)が1.8以上である前記下塗り剤を、爪に塗布する塗布ステップと、
前記爪に塗布された前記下塗り剤を乾燥させ、該爪に塗布膜を形成する乾燥ステップと、
前記塗布膜が形成された前記爪にネイルアートを施すネイルアートステップと、
を有することを特徴とするネイルアート方法。 - 爪に、該爪の一部を覆うカバー部材を取り付ける取付ステップと、
前記カバー部材が取り付けられた前記爪に、(A)酢酸ビニル重合体と、(B)水と、炭素数3以下の(C)アルコールとを含有している液状の下塗り剤であって、前記(C)アルコールと前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(C/A)が0.11以上であり、且つ、前記(B)水と前記(A)酢酸ビニル重合体の質量比(B/A)が2.05以下であると共に、前記質量比(C/A)が0.37以下であり、且つ、前記質量比(B/A)が1.8以上である前記下塗り剤を塗布する塗布ステップと、
前記爪から前記カバー部材を除去する除去ステップと、
前記爪に塗布された前記下塗り剤を乾燥させ、該爪に塗布膜を形成する乾燥ステップと、
前記塗布膜が形成された前記爪にネイルアートを施すネイルアートステップと、
を有することを特徴とするネイルアート方法。 - 請求項5に記載のネイルアート方法において、
前記取付ステップにおいて、前記カバー部材は、前記爪の先の部分を覆った状態で、該爪に取り付けられること、
を特徴とするネイルアート方法。
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