JP7009721B2 - 水性美爪料組成物 - Google Patents
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しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される被膜は強靭な被膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
さらに、エマルジョンポリマーと薄片状シリカゾルを含有し、成膜性、耐久性及び耐水性に優れるとされる美爪料組成物も特許文献3に記載されているように公知である。
さらに特許文献4には、水性の美爪料組成物に1,2-オクタンジオール等の1,2-アルカンジオールが、顔料の分散性及び塗膜の光沢を向上させる目的で添加されることも記載されている。さらに特許文献5には、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20~45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと、1,2-オクタンジオールを0.15~4.50重量%含有する水性美爪料組成物が記載されているが、界面活性剤を含有せず、さらに脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤も記載されていない。その結果、45℃の温水に浸漬しても剥離しないものである。
本発明は、塗布後の塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性が全て優れることに加えて、爪を温水に浸漬することにより剥離を容易とした水性美爪料組成物を得ることを課題とする。
具体的には以下の通りである。
1.下記a~cを含有する水性美爪料組成物。
a.80nm以下の粒子径においてピークを有する粒子径分布を示し、かつガラス転移温度が20~45℃であるアクリル樹脂系エマルジョン、
b.1,2-オクタンジオール、
c.水性美爪料組成物中0.03重量%以上の、脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤。
2.c.脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はPOEソルビタン脂肪酸エステルである1に記載の水性美爪料組成物。
3.b.1,2-オクタンジオールを、水性美爪料組成物に0.60~4.50重量%含有する1又は2に記載の水性美爪料組成物。
4.水性美爪料用顔料分散液中に、脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を0.1重量%以上、及びd.顔料を含有する水性美爪料用顔料分散液。
5.d.顔料の粒子径のD50が2.0μm以下である4に記載の水性美爪料用顔料分散液。
下塗り層用として使用するときには、一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
本発明の水性美爪料組成物に着色剤を含有させて、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるカラーコートとすることもできる。
本発明の水性美爪料組成物を上塗り層とするときには、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止してもよい。最上層であるため、爪表面の美観のために艶を発揮させることが必要である。いずれの層用として使用する場合であっても、乾燥後少なくとも3日間、欠けたり、剥がれたりすることなく、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しないことが必要である。
本発明の水性美爪料組成物は、a.80nm以下の粒子径においてピークを有する粒子径分布を示し、かつガラス転移温度が20~45℃であるアクリル樹脂系エマルジョン、b.1,2-オクタンジオール、c.脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を含有することを基本とする。
本発明にて使用するアクリル樹脂系エマルジョンとしては、1種類のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよく、ガラス転移温度と平均粒子径が互いに異なる2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよい。このようなアクリル樹脂系エマルジョンは、アクリル酸やアクリル酸のエステルを主な共重合成分としてなる樹脂のエマルジョンである点において共通する。そのようなアクリル樹脂を構成する単量体としては以下の親水性単量体及び疎水性単量体からなるものが挙げられる。
親水性単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシ基又はグリシジル基含有エチレン性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-ダイアセトンアクリルアミド等のエチレン性アミド;アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N, N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N, N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N, N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、N, N, N-トリメチルアミノエチルアクリレート、N, N, N-トリメチルアミノエチルメタクリレート等のエチレン性アミン又はその塩などが挙げられる。
その中でも、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20~45℃のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが必要であり、中でもガラス転移温度が35℃以下のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが好ましい。また粒子径分布が55nm以下においてピークを有することがさらに好ましい。
なお、このとき、80nmを超える粒子径においてもピークを有するようなアクリル樹脂系エマルジョンを併用する組成とすることもできる。なお、粒子径分布が80nm以下とは、アクリル樹脂系エマルジョンの樹脂粒子の粒子径毎の含有量の分布を作成したときに、その含有量が最大の粒子径が80nm以下であることを指す。
このようなアクリル樹脂系エマルジョンとしては、ジュリマーET-410やTOCRYL BCX-3101が好ましく、これらを併用することがより好ましい。
ガラス転移温度が最も低い、低Tgアクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度は20~35℃、好ましくは22~30℃であり、平均粒子径は80~100nm、好ましくは85~95nmである。このように、2種のアクリル樹脂系エマルジョンを採用するときには、一方はガラス転移温度が高く平均粒子径が小さいアクリル樹脂系エマルジョンであり、他方はガラス転移温度が低く平均粒子径が大きいアクリル樹脂系エマルジョンである。
さらに2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを含む場合、その樹脂分全体に対する平均粒子径が最も小さいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は30~90重量%であり、平均粒子径が最も大きいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は10~70重量%である。
本発明では1,2-オクタンジオールを含有する。その水性美爪料組成物中での含有量は0.60~4.50重量%であり、好ましくは1.00~3.00重量%である。0.60重量%未満であると、常温での水性美爪料組成物の均一な塗膜形成性及び光沢性に劣り、かつ2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンのアクリル樹脂の相溶性が悪化する。4.50重量%を超えると水性美爪料組成物の粘度が高くなりすぎて、保存安定性、塗り感及び耐温水性、耐水性が悪化する。
また、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2-オクタンジオールを2.00~20.00重量%含有することもでき、好ましくは該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2-オクタンジオールを3.00~17.50重量%とすることができる。
1,2-オクタンジオールの含有量としては、上記のいずれかを満たしてもよく、あるいは両方を満たしてもよい。1,2-オクタンジオールを美爪料組成物に含有させることによって、爪表面に形成された本発明の水性美爪料組成物の被膜は、特に成膜性及び透明性や光沢性に優れる。また1,2-オクタンジオールは成膜助剤としての性質を備えながら、2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンの樹脂同士の相溶性を向上させることができるため、本発明において高いガラス転移温度を有するアクリル樹脂系エマルジョンを採用することができた。
好ましくは1,2-オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない場合であり、このときには得られる被膜が十分な成膜性を備えた上で、透明性やタック性に優れた被膜を得ることができる。
c.脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はPOEソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。中でもPOE(20)ステアリン酸ソルビタン(例えばNIKKOL TS-10MV、日光ケミカルズ社製)、POE(20)ミリスチン酸ソルビタン、POE(20)パルミチン酸ソルビタン(例えばNIKKOL TP-10EX、日光ケミカルズ社製)、POE(20)オレイン酸ソルビタン(例えばNIKKOL TO-10MV、日光ケミカルズ社製)、POE(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタンもしくはPOE(20)ラウリン酸ソルビタン(例えばNIKKOL TL-10、日光ケミカルズ社製)、POE(6)ステアリン酸ソルビタン(例えばNIKKOL TS-106V、日光ケミカルズ社製)、POE(6)ミリスチン酸ソルビタン、POE(6)パルミチン酸ソルビタン等が好ましい。
特に好ましいは、POE(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン(ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタンエステル)、イオネットS-20、イオネットT-20C(ヤシ油脂肪酸ソルビタン)(三洋化成社製)である。
その水性美爪料組成物中での脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤の含有量は0.03重量%以上であり、好ましくは0.05~1.0重量%である。0.03重量%未満であると、常温での水性美爪料組成物の分散安定性が劣り、均一な塗膜形成性及び光沢性に劣り、かつ2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンのアクリル樹脂の相溶性が悪化する。1.0重量%を超えると耐水性が悪化する。
また本発明の効果を毀損しない範囲において、他の公知の界面活性剤を添加することができる。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、目的とする美観を満足させるために必要な程度のものとすることが必要である。
その水性美爪料組成物中での含有量は0.05~8.0重量%であり、好ましくは0.5~6.5重量%である。0.05重量%未満であると、着色が十分でない可能性があり、8.0重量%を超えると光沢を損なう可能性がる。
また顔料を使用したときに、そのD50(メジアン径)の値を2.0μm以下とすることができ、さらに好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。この2.0μm以下の場合には、さらに発色性を向上させることができる。
なおD50は、顔料の粒度分布をとったときに、その累積体積が全体の50%となるときの粒径である。
本発明においては吸水性樹脂を含有させることができ、このような吸水性樹脂としては、カルボキシビニルポリマー等を使用できる。
カルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール940等を使用することが好ましい。水性美爪料組成物中の吸水性樹脂の含有量は0.01~0.5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.03~0.2重量%である。0.01重量%未満であると、顔料の分散性が低下する可能性があり、0.5重量%を超えると粘度が高くなりすぎて塗り感を損なう可能性がある。
増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースを含有することができる。
本発明においてはpH調整剤を含有させることができ、このようなpH調整剤としては、水性美爪料組成物を塗布・乾燥した後に塗膜中に残存しない化合物が好ましい。このような化合物としては10%濃度のアンモニアが適している。特にpH調整剤を添加する際の、水性美爪料組成物中のpH調整剤の含有量としては0.00~1.00重量%、つまり、pH調整剤を含有しなくてもよく、含有するとしても10%アンモニア類の添加量として、1.00重量%までとすることが好ましい。仮に1.00重量%を超えると塗り感が悪化するおそれがある。
本発明においては、pH調整剤は被膜とした後の耐水性や表面光沢を損なわない状態で、水性美爪組成物を増粘させることができる。そのため、pH調整剤の含有量が0.01重量%未満であると十分に増粘をさせることができない可能性があり、1.00重量%を超えるとpHを的確な範囲に調整することが困難になる。
本発明の水性美爪料組成物には使用するエマルジョンに由来する水に加えて、さらに水を加えても良く、エタノール等の水溶性有機溶媒を添加することもできる。エタノールを添加する際には、本発明の水性美爪料組成物中0.5~10重量%となるように添加することが好ましく、1.0~3.0重量%とすることがさらに好ましい。10重量%を超えると塗布後の水性美爪料組成物にタック性が表れる可能性があり、0.5重量%未満であると、1,2オクタンジオールやフェノキシアルコールを溶解できない可能性がある。
本発明において湿潤剤を添加することができる。湿潤剤としてはプロピレングリコールを添加することが好ましい。プロピレングリコールを添加する際には、本発明の水性美爪料組成物中0.5~10重量%となるように添加することが好ましく、1.0~3.0重量%とすることがさらに好ましい。湿潤剤の含有量が10重量%を超えると塗布後の水性美爪料組成物にタック性が表れる可能性があり、0.5重量%未満であると顔料の分散安定性が低下する可能性がある。
本発明において消泡剤を添加できる。消泡剤としてはシリコーン系やフッ素系の消泡剤が好ましく、さらに好ましくはジメチコン、より好ましくはKM-72である。消泡剤は本発明の水性美爪料組成物中0.01~0.05重量%となるように含有することが好ましく、0.01~0.03重量%とすることがさらに好ましい。0.05重量%を超えると塗布後の水性美爪料組成物にピンホールが表れる可能性があり、0.01重量%未満であると、水性美爪料組成物が泡立つ可能性がある。
水性美爪料用顔料分散液は上記の水性美爪料組成物を得るための材料であり、予め顔料を脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤により溶媒中に分散させてなるものである。使用できる顔料及び脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤としては上記のものである。また脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤は、水性美爪料用顔料分散液中に1.0~10.0重量%以上、好ましくは1.5~7.0重量%含有される。
予め水性美爪料用顔料分散液を調製しておくことにより、顔料を確実に溶媒に分散させることができ、同時に脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を採用することによって、水性美爪料組成物としたときの光沢性を向上させたり、お湯により剥離できるお湯でオフ性に優れる効果を発揮できる。1.0重量%未満であると顔料の分散安定性が悪化する可能性があり、10.0重量%を超えると水性美爪料組成物による被膜の耐水性が悪化する可能性がある。
水性美爪料用顔料分散液には、上記の湿潤剤を添加することができる。湿潤剤としてはプロピレングリコールを添加することが好ましい。プロピレングリコールを添加する際には、水性美爪料用分散液中に5.0~30重量%となるように添加することが好ましく、10~20重量%とすることがさらに好ましい。湿潤剤の含有量が5.0重量%未満であると顔料の分散安定性が低下する可能性がある。30重量%を超えると水性美爪料のアクリルエマルジョンの安定性が悪化する可能性がある。
水性美爪料用顔料分散液には、溶媒として水を使用できる。水の含有量は、水性美爪料用分散液中に20~90重量%が好ましく、30~75重量%とすることがさらに好ましい。湿潤剤の含有量が20重量%未満であると分散液の粘度が高くなりすぎて撹拌することが困難になる可能性がある。90重量%を超えると粘度が低くなりすぎて顔料分散性が悪化する可能性がある。
本発明の水性美爪料組成物は、使用者自身の爪の表面に、必要に応じてサンディングを施した後、さらに必要に応じて下塗りをした後に、公知の手段によって爪表面に塗布することができる。
もちろん、爪表面に本発明の水性美爪料組成物を塗布後、乾燥前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
爪に塗布した後、自然乾燥させたり、赤外線等を当てて加熱乾燥させることができる。 被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
水性美爪料組成物の試験方法
(塗り感(レベリング))
1.ナイロン板に水性美爪料組成物を30μl取る。
2.一般的な水性美爪料組成物用の筆で、一辺が1.5cmの正方形の中を縦に4回、横に4回、再度縦に4回塗り広げる。
3.塗布後、一晩以上室温で乾燥させる。
4.乾燥後の塗膜のレベリング具合を評価する。
○:塗膜がなだらかで筆跡が見えない。
△:塗膜に大きな波が見える。
×:塗膜に細かな波が見える。
1.塩化ビニル樹脂板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、塗膜表面を目視で観察する。
○:塗膜がなめらかで透明である。
△:塗膜に小さいひび割れがある。
×:塗膜にひび割れがあり、塗膜全体が白濁して見える。
上記の塗布、乾燥及び観察を、20℃にて行うとき、及び15℃にて行うときの2つの条件にて行った。
1.塩化ビニル樹脂板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、HORIBAハンディ光沢計グロスチェッカIG-310にて光沢度を測定する。
○:光沢度70以上
×:光沢度70未満
1.ナイロン板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、15cmにわたって水性美爪料組成物を塗布する。
2.一晩以上室温で乾燥させた後、ガラス板を20±3℃の水に浸漬する。
3.30分間室温で放置し、取り出して塗膜の状態を観察する。
○:変化なし。
×:指でこすると剥がれる。
1.ナイロン板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、15cmにわたって水性美爪料組成物を塗布する。
2.一晩以上室温で乾燥させた後、ガラス板を43℃の水に浸漬し、30分間水を保温することなく放置し、その後取り出して塗膜の状態を観察する。
○:溶解するか、指で軽くこすると抵抗なく剥がれる。
×:変化なし。
表1中のアクリル樹脂系エマルジョンの配合量は固形分の量である。
POEヤシ油脂肪酸ソルビタンは、POE(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタンである。
これに対して、比較例A1及びA2によれば、POEヤシ油脂肪酸ソルビタンの含有量が少なかったために、お湯でオフ性が不良であった。さらに比較例A3によれば、1,2-オクタンジオールの含有量が少ないために光沢に劣り、さらにお湯でオフ性が不良であった。
またヤシ油脂肪酸ソルビタンに代えて、アラビアガム、ヒドロキシプロピル化デンプン、水溶性大豆多糖類を採用した比較例A4~A6によれば、経時安定性に劣る組成物となり、塗り感等の効果を確認することなく、水性美爪料として適切な組成物ではなかった。
水性美爪料用顔料分散液の試験方法
(発色(目視))
○:色が鮮やかで、発色濃度が高い。
△:色がくすんでいるが、発色濃度が高い。
×:色がくすんでおり、発色濃度も低い。
水性美爪料組成物を50℃で4週間保管し、その後の水性美爪料組成物の均一性を目視にて確認し経時安定性を評価した。
○:水性美爪料組成物の外観に全く変化はなく、顔料の凝集や分離を確認できなかった。
×:顔料の凝集又は分離を目視にて確認した。
Claims (2)
- 下記a~cを含有する水性美爪料組成物。
a.80nm以下の粒子径においてピークを有する粒子径分布を示し、かつガラス転移温度が20~45℃であるアクリル樹脂系エマルジョン、
b.水性美爪料組成物中0.60~4.50重量%の、1,2-オクタンジオール、
c.水性美爪料組成物中0.03重量%以上0.80重量%以下の、脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤。 - c.脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル及び/又はPOEソルビタン脂肪酸エステルである請求項1に記載の水性美爪料組成物。
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