JP2017202983A - 水性美爪料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布後の塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性が全て優れる水性美爪料組成物を得ること。
【解決手段】粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有する水性美爪料組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は水性の美爪料組成物に関する。
近年、手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施すというネイルアートの人気が高まっている。また、装飾や、補強して、外力による爪の割れ・剥がれを防止する目的で、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料を爪に塗布することもなされている。
ここで、装飾又は補強のために使用される爪装飾材料としては、ニトロセルロース系のラッカーを有機溶剤に溶解し、これに各種色調の顔料を加えたものがある。これらは、爪や人工爪に塗布した後、有機溶剤を揮発させて、光沢に優れた塗膜を形成するものである。そして、この塗膜はアセトン等の有機溶剤を用いて容易に拭き取ることができる。
しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される塗膜は強靭な塗膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される塗膜は強靭な塗膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
またアクリル樹脂系エマルジョンを含有する水性の美爪料組成物であって、球状や半球状に成形しやすく、保存時の経時安定性に優れるものや酸化チタンの経時沈降安定性に優れるものは、例えば特許文献1及び2に記載されているように公知である。
さらに、エマルジョンポリマーと薄片状シリカゾルを含有し、成膜性、耐久性及び耐水性に優れるとされる美爪料組成物も特許文献3に記載されているように公知である。
さらに特許文献4には、水性の美爪料組成物に1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオールが、顔料の分散性及び塗膜の光沢を向上させる目的で添加されることも記載されている。
さらに、エマルジョンポリマーと薄片状シリカゾルを含有し、成膜性、耐久性及び耐水性に優れるとされる美爪料組成物も特許文献3に記載されているように公知である。
さらに特許文献4には、水性の美爪料組成物に1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオールが、顔料の分散性及び塗膜の光沢を向上させる目的で添加されることも記載されている。
上記各特許文献には水性の美爪料組成物が記載されているものの、塗り感(レベリング性)、成膜性、塗膜耐久性、塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性を全て十分なものとするための組成物までは知られていない。
本発明は、塗り感(レベリング性)、成膜性、塗膜耐久性、塗布後の塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性が全て優れる水性美爪料組成物を得ることを課題とする。
本発明は、塗り感(レベリング性)、成膜性、塗膜耐久性、塗布後の塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性が全て優れる水性美爪料組成物を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる水性美爪料組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
1.粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有する水性美爪料組成物。
2.該アクリル樹脂系エマルジョンは、粒子径分布が120nm以上においてピークを有しない1に記載の水性美爪料組成物。
3.該アクリル樹脂系エマルジョンは、40〜55nmに1つのピークを、さらに80〜100nmに1つのピークを有する粒子径分布を有する1又は2に記載の水性美爪料組成物。
4.1,2−オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない1〜3のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
5.ポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロース から選ばれた少なくとも1種、及び顔料を含有する1〜4のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
具体的には以下の通りである。
1.粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有する水性美爪料組成物。
2.該アクリル樹脂系エマルジョンは、粒子径分布が120nm以上においてピークを有しない1に記載の水性美爪料組成物。
3.該アクリル樹脂系エマルジョンは、40〜55nmに1つのピークを、さらに80〜100nmに1つのピークを有する粒子径分布を有する1又は2に記載の水性美爪料組成物。
4.1,2−オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない1〜3のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
5.ポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロース から選ばれた少なくとも1種、及び顔料を含有する1〜4のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
本発明の水性美爪料組成物によれば、爪への塗布時において塗り感(レベリング性)、成膜性、温水浸漬時の塗膜耐久性に優れ、かつ塗布後の塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性にも優れるという顕著な効果を発揮することができる。
本発明の水性美爪料組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように爪の表面を被覆するための組成物であり、使用者自身の爪の表面を必要に応じてサンディングする等して凹凸がある表面に被覆してもよく、また必要に応じて、着色剤等を添加して下塗りして得た下塗り層の上に被覆しても良く、さらに本発明の水性美爪料組成物から形成してなる層の上に上塗り層を形成してもよい。また本発明の美爪料組成物自体を下塗り用や上塗り用の美爪料組成物とすることもできる。
下塗り層(ベースコート)用として使用するときには、一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
本発明の水性美爪料組成物に着色剤を含有させて、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるカラーコートとすることもできる。
本発明の水性美爪料組成物を上塗り層とするときには、下塗り層と同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止してもよい。最上層であるため、爪表面の美観のために艶を発揮させることが必要である。いずれの層用として使用する場合であっても、硬化後少なくとも3日間、欠けたり、剥がれたりすることなく、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しないことが必要である。
下塗り層(ベースコート)用として使用するときには、一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
本発明の水性美爪料組成物に着色剤を含有させて、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるカラーコートとすることもできる。
本発明の水性美爪料組成物を上塗り層とするときには、下塗り層と同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止してもよい。最上層であるため、爪表面の美観のために艶を発揮させることが必要である。いずれの層用として使用する場合であっても、硬化後少なくとも3日間、欠けたり、剥がれたりすることなく、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しないことが必要である。
以下に本発明の水性美爪料組成物の具体的組成について説明する。
本発明の水性美爪料組成物は、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと1,2−オクタンジオールを使用することを基本としている。このようなアクリル樹脂系エマルジョンとしては、1種類のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよく、ガラス転移温度と平均粒子径が互いに異なる2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよい。
本発明の水性美爪料組成物は、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと1,2−オクタンジオールを使用することを基本としている。このようなアクリル樹脂系エマルジョンとしては、1種類のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよく、ガラス転移温度と平均粒子径が互いに異なる2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを使用してもよい。
(アクリル樹脂系エマルジョン)
本発明にて使用できる1種以上のアクリル樹脂系エマルジョンは、アクリル酸やアクリル酸のエステルを主な共重合成分としてなる樹脂のエマルジョンである点において共通する。そのようなアクリル樹脂を構成する単量体としては以下の親水性単量体及び疎水性単量体からなるものが挙げられる。
親水性単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシ基又はグリシジル基含有エチレン性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ダイアセトンアクリルアミド等のエチレン性アミド;アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N, N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N, N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N, N, N−トリメチルアミノエチルアクリレート、N, N, N−トリメチルアミノエチルメタクリレート等のエチレン性アミン又はその塩などが挙げられる。
本発明にて使用できる1種以上のアクリル樹脂系エマルジョンは、アクリル酸やアクリル酸のエステルを主な共重合成分としてなる樹脂のエマルジョンである点において共通する。そのようなアクリル樹脂を構成する単量体としては以下の親水性単量体及び疎水性単量体からなるものが挙げられる。
親水性単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシ基又はグリシジル基含有エチレン性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ダイアセトンアクリルアミド等のエチレン性アミド;アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N, N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N, N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N, N, N−トリメチルアミノエチルアクリレート、N, N, N−トリメチルアミノエチルメタクリレート等のエチレン性アミン又はその塩などが挙げられる。
また、疎水性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノ及びジビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、パーフルオロオクチルメタクリレート、パーフルオロオクチルアクリレート等のフッ素系単量体、シリコーンマクロモノマーなどが挙げられる。
上記のアクリル樹脂系エマルジョンのなかでも、特に、本発明では、ガラス転移温度や平均粒子径が互いに異なる2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが好ましい。少なくとも1種としては、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどが好ましく、より好ましくは、硬度や光沢の点から、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンである。
その中でも、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが必要であり、中でもガラス転移温度が35℃以下のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが好ましい。また粒子径分布が55nm以下においてピークを有することがさらに好ましい。
なお、このとき、80nmを超える粒子径においてもピークを有するようなアクリル樹脂系エマルジョンの組成とすることもできる。なお、粒子径分布が80nm以下とは、アクリル樹脂系エマルジョンの樹脂粒子の粒子径毎の含有量の分布を作成したときに、その含有量が最大の粒子径が80nm以下であることを指す。
その中でも、粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが必要であり、中でもガラス転移温度が35℃以下のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することが好ましい。また粒子径分布が55nm以下においてピークを有することがさらに好ましい。
なお、このとき、80nmを超える粒子径においてもピークを有するようなアクリル樹脂系エマルジョンの組成とすることもできる。なお、粒子径分布が80nm以下とは、アクリル樹脂系エマルジョンの樹脂粒子の粒子径毎の含有量の分布を作成したときに、その含有量が最大の粒子径が80nm以下であることを指す。
本発明において2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンが使用される場合には、好ましくはガラス転移温度が最も高い、高Tgアクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度が35〜45℃、さらに好ましくは37〜44℃であり、平均粒子径は40〜55nm、好ましくは45〜52nmである。
ガラス転移温度が最も低い、低Tgアクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度は20〜35℃、好ましくは22〜30℃であり、平均粒子径は80〜100nm、好ましくは85〜95nmである。このように、2種のアクリル樹脂系エマルジョンを採用するときには、一方はガラス転移温度が高く平均粒子径が小さいアクリル樹脂系エマルジョンであり、他方はガラス転移温度が低く平均粒子径が大きいアクリル樹脂系エマルジョンである。
ガラス転移温度が最も低い、低Tgアクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度は20〜35℃、好ましくは22〜30℃であり、平均粒子径は80〜100nm、好ましくは85〜95nmである。このように、2種のアクリル樹脂系エマルジョンを採用するときには、一方はガラス転移温度が高く平均粒子径が小さいアクリル樹脂系エマルジョンであり、他方はガラス転移温度が低く平均粒子径が大きいアクリル樹脂系エマルジョンである。
また、本発明の水性美爪料組成物において、これらのアクリル樹脂系エマルジョンの樹脂分の含有量としては、25〜40重量%、好ましくは30〜35重量%である。
さらに2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを配合する場合、その樹脂分全体に対する平均粒子径が最も小さいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は30〜90重量%であり、平均粒子径が最も大きいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は10〜70重量%である。
さらに2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンを配合する場合、その樹脂分全体に対する平均粒子径が最も小さいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は30〜90重量%であり、平均粒子径が最も大きいアクリル樹脂系エマルジョン由来のアクリル樹脂の含有比率は10〜70重量%である。
(成膜助剤)
a.本発明において成膜助剤として使用できる成分は1,2−オクタンジオールであり、その水性美爪料組成物中での配合量は0.15〜4.50重量%であり、好ましくは0.30〜3.00重量%である。0.15重量%未満であると、水性美爪料組成物の成膜性に劣り、かつ2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンのアクリル樹脂の相溶性が悪化する。4.50重量%を超えると水性美爪料組成物の保存安定性、塗り感及び耐温水性が悪化する。
b.また、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有することもでき、好ましくは該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.50〜15.00重量%、好ましくは0.80〜10.00重量%とすることができる。
1,2−オクタンジオールの含有量としては、上記a又はbとしてもよく、あるいはaかつbとしてもよい。
1,2−オクタンジオールを水性美爪料組成物に配合させることによって、爪表面に形成された本発明の水性美爪料組成物の塗膜は、特に成膜性及び透明性や光沢性に優れる。また1,2−オクタンジオールは成膜助剤としての性質を備えながら、2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンの樹脂同士の相溶性を向上させることができるため、本発明において高いガラス転移温度を有するアクリル樹脂系エマルジョンを採用することができた。
1,2−オクタンジオールの配合量が少なすぎると、常温にて均一に成膜することが困難になり、逆に1,2−オクタンジオールの配合量が多すぎると、塗膜の耐温水性が低下したり、柔軟になりすぎたりする。
また1,2−オクタンジオールと別の成膜助剤を併用してもよく、併用可能な成膜助剤としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどの少なくとも1種が挙げられる。
好ましくは1,2−オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない場合であり、このときには得られる塗膜が十分な成膜性を備えた上で、透明性やタック性に優れた塗膜を得ることができる。
a.本発明において成膜助剤として使用できる成分は1,2−オクタンジオールであり、その水性美爪料組成物中での配合量は0.15〜4.50重量%であり、好ましくは0.30〜3.00重量%である。0.15重量%未満であると、水性美爪料組成物の成膜性に劣り、かつ2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンのアクリル樹脂の相溶性が悪化する。4.50重量%を超えると水性美爪料組成物の保存安定性、塗り感及び耐温水性が悪化する。
b.また、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有することもでき、好ましくは該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.50〜15.00重量%、好ましくは0.80〜10.00重量%とすることができる。
1,2−オクタンジオールの含有量としては、上記a又はbとしてもよく、あるいはaかつbとしてもよい。
1,2−オクタンジオールを水性美爪料組成物に配合させることによって、爪表面に形成された本発明の水性美爪料組成物の塗膜は、特に成膜性及び透明性や光沢性に優れる。また1,2−オクタンジオールは成膜助剤としての性質を備えながら、2種以上のアクリル樹脂系エマルジョンの樹脂同士の相溶性を向上させることができるため、本発明において高いガラス転移温度を有するアクリル樹脂系エマルジョンを採用することができた。
1,2−オクタンジオールの配合量が少なすぎると、常温にて均一に成膜することが困難になり、逆に1,2−オクタンジオールの配合量が多すぎると、塗膜の耐温水性が低下したり、柔軟になりすぎたりする。
また1,2−オクタンジオールと別の成膜助剤を併用してもよく、併用可能な成膜助剤としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどの少なくとも1種が挙げられる。
好ましくは1,2−オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない場合であり、このときには得られる塗膜が十分な成膜性を備えた上で、透明性やタック性に優れた塗膜を得ることができる。
(ポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロース)
本発明においてはポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロースから選ばれた少なくとも1種を含有させることができ、これらは、本発明の水性美爪料組成物が顔料を含有する際の分散剤として機能する。特に1,2−オクタンジオールを含有する本発明の水性美爪料組成物中における顔料の分散性を向上させることができる。
ポリビニルアルコールとしては、平均重合度が100〜3500のものが好ましく、ポリ酢酸ビニルを鹸化度が95モル%以上となるように鹸化して得ることができる。
ガム類としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、タラカントガム、アラビアガム等を使用することができる。そして、ローカストビーンガムとしては、GENU GUM TYPE RL−200J(CPケルコ社製)、キサンタンガムとしては、GRINSTED XANTHAN CLEAR 80(DANISCO社製)、サンエース(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、ケルトロール(大日本住友製薬社製)、ジェランガムとしては、ケルコゲル LT100(大日本住友製薬社製)等が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースとしては塩の形態でも良く、塩でなくてもよい。
これらのポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロースから選ばれた少なくとも1種は、それらの合計が、水性美爪料組成物中3.0重量%以下、好ましくは2.0重量%以下の濃度となるように配合する。また配合する際には、0.2重量%以上、好ましくは0.3重量%以上となるように配合する。配合比率が3.0重量%を超えると水性美爪料組成物に凝集が発生したり、保存安定性が悪化したりする可能性があり、0.2重量%未満であると配合することによる効果を十分に発揮できない可能性がある。
本発明においてはポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロースから選ばれた少なくとも1種を含有させることができ、これらは、本発明の水性美爪料組成物が顔料を含有する際の分散剤として機能する。特に1,2−オクタンジオールを含有する本発明の水性美爪料組成物中における顔料の分散性を向上させることができる。
ポリビニルアルコールとしては、平均重合度が100〜3500のものが好ましく、ポリ酢酸ビニルを鹸化度が95モル%以上となるように鹸化して得ることができる。
ガム類としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、タラカントガム、アラビアガム等を使用することができる。そして、ローカストビーンガムとしては、GENU GUM TYPE RL−200J(CPケルコ社製)、キサンタンガムとしては、GRINSTED XANTHAN CLEAR 80(DANISCO社製)、サンエース(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、ケルトロール(大日本住友製薬社製)、ジェランガムとしては、ケルコゲル LT100(大日本住友製薬社製)等が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースとしては塩の形態でも良く、塩でなくてもよい。
これらのポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロースから選ばれた少なくとも1種は、それらの合計が、水性美爪料組成物中3.0重量%以下、好ましくは2.0重量%以下の濃度となるように配合する。また配合する際には、0.2重量%以上、好ましくは0.3重量%以上となるように配合する。配合比率が3.0重量%を超えると水性美爪料組成物に凝集が発生したり、保存安定性が悪化したりする可能性があり、0.2重量%未満であると配合することによる効果を十分に発揮できない可能性がある。
(pH調整剤)
本発明においてはpH調整剤を含有させることができ、このようなpH調整剤としては、水性美爪料組成物を塗布・乾燥した後に塗膜中に残存しない化合物が好ましい。このような化合物としては10%濃度のアンモニアが適している。特にpH調整剤を添加する際の、水性美爪料組成物中のpH調整剤の含有量としては0.00〜1.00重量%、つまり、pH調整剤を含有しなくてもよく、含有するとしても10%アンモニア類の添加量として、1.00重量%までとすることが好ましい。仮に1.00重量%を超えると塗り感が悪化する恐れがある。
本発明においては、pH調整剤は塗膜とした後の耐温水性や表面光沢を損なわない範囲で、水性美爪料組成物を増粘させることができる。そのため、pH調整剤の含有量が0.01重量%未満であると十分に増粘をさせることができず、1.00重量%を超えるとpHを的確な範囲に調整することが困難になる可能性がある。
例えばpH調整剤としてトリエタノールアミン等を採用すると、確かにpHの測定値は、より塩基性よりになるものの、水性美爪料組成物を塗布して得た塗膜の耐久性は明らかに劣る。
本発明においてはpH調整剤を含有させることができ、このようなpH調整剤としては、水性美爪料組成物を塗布・乾燥した後に塗膜中に残存しない化合物が好ましい。このような化合物としては10%濃度のアンモニアが適している。特にpH調整剤を添加する際の、水性美爪料組成物中のpH調整剤の含有量としては0.00〜1.00重量%、つまり、pH調整剤を含有しなくてもよく、含有するとしても10%アンモニア類の添加量として、1.00重量%までとすることが好ましい。仮に1.00重量%を超えると塗り感が悪化する恐れがある。
本発明においては、pH調整剤は塗膜とした後の耐温水性や表面光沢を損なわない範囲で、水性美爪料組成物を増粘させることができる。そのため、pH調整剤の含有量が0.01重量%未満であると十分に増粘をさせることができず、1.00重量%を超えるとpHを的確な範囲に調整することが困難になる可能性がある。
例えばpH調整剤としてトリエタノールアミン等を採用すると、確かにpHの測定値は、より塩基性よりになるものの、水性美爪料組成物を塗布して得た塗膜の耐久性は明らかに劣る。
(溶媒)
本発明の水性美爪料組成物には使用するエマルジョンに由来する水に加えて、さらに水を加えても良く、エタノール等の水溶性有機溶媒を添加することもできる。
本発明の水性美爪料組成物には使用するエマルジョンに由来する水に加えて、さらに水を加えても良く、エタノール等の水溶性有機溶媒を添加することもできる。
本発明の水性美爪料組成物には、粘度や使用性、塗膜の耐久性などに悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、香料、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、充填剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、顔料や染料等の着色剤、低応力化剤、防腐剤、抗菌剤、可撓性付与剤、レベリング剤、濡れ性改良剤等の添加剤を配合することができる。
着色剤としては公知の顔料、光輝材、染料を使用することができ、特に爪被覆用として使用されている無機顔料、光輝材有機顔料や染料を使用することができる。また、これらの着色剤を添加しない場合や、透明となる程度の量で添加した場合、若しくは染料を添加することにより透明性がある人工爪組成物とすることもできる。また、水性美爪料組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の水性美爪料組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、目的とする美観を満足させるために必要な程度のものとすることが必要である。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、目的とする美観を満足させるために必要な程度のものとすることが必要である。
<水性美爪料組成物を用いた爪への被覆方法>
本発明の水性美爪料組成物は、使用者自身の爪の表面に、必要に応じてサンディングを施した後、さらに必要に応じて下塗りをした後に、公知の手段によって爪表面に塗布することができる。
もちろん、爪表面に本発明の水性美爪料組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を塗膜表面に付着させることも可能である。
爪に塗布した後、自然乾燥させたり、赤外線等を当てて加熱乾燥させることができる。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。また人工爪に対して塗布してもよい。
本発明の水性美爪料組成物は、使用者自身の爪の表面に、必要に応じてサンディングを施した後、さらに必要に応じて下塗りをした後に、公知の手段によって爪表面に塗布することができる。
もちろん、爪表面に本発明の水性美爪料組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を塗膜表面に付着させることも可能である。
爪に塗布した後、自然乾燥させたり、赤外線等を当てて加熱乾燥させることができる。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。また人工爪に対して塗布してもよい。
以下の表1〜3に参考例A〜Z及び参考例α〜βを示す。
参考例A及びBは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410と、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101と、1,2−オクタンジオールを含有する水性美爪料組成物であり、参考例Cはガラス転移温度が37℃で平均粒子径が50nmのダイトゾール3000SLPN−PE1と、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101と、1,2−オクタンジオールを含有する水性美爪料組成物の例である。これらの例によれば、塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性はいずれも良好であった。
また参考例Dは、アクリル樹脂系エマルジョンとして、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nm のジュリマーET−410のみを使用した例であり、塗膜耐久性は他の参考例よりは少し劣るものの満足できる結果となった。
参考例Eは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410と、ガラス転移温度が37℃で平均粒子径が50nmのダイトゾール3000SLPN−PE1を使用した例であり、塗膜耐久性は他の参考例よりは少し劣るものの満足できる結果となった。
参考例A及びBは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410と、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101と、1,2−オクタンジオールを含有する水性美爪料組成物であり、参考例Cはガラス転移温度が37℃で平均粒子径が50nmのダイトゾール3000SLPN−PE1と、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101と、1,2−オクタンジオールを含有する水性美爪料組成物の例である。これらの例によれば、塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性はいずれも良好であった。
また参考例Dは、アクリル樹脂系エマルジョンとして、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nm のジュリマーET−410のみを使用した例であり、塗膜耐久性は他の参考例よりは少し劣るものの満足できる結果となった。
参考例Eは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410と、ガラス転移温度が37℃で平均粒子径が50nmのダイトゾール3000SLPN−PE1を使用した例であり、塗膜耐久性は他の参考例よりは少し劣るものの満足できる結果となった。
これに対して、1,2−オクタンジオールを含有しない参考例F〜I、Lの美爪料組成物によれば、塗膜耐久性又は塗り感、成膜性、光沢性に劣っていた。なお1,2−オクタンジオールと同様に、従来は湿潤剤・防腐剤として使用される点において1,2−オクタンジオールと共通するKMO−6(1,2−ヘキサンジオール)やHYDROLITE−5(1,2−ペンタンジオール)を、1,2−オクタンジオールに代えて添加した参考例H及びIでは、塗膜耐久性に劣る結果となった。
参考例J及びLでは、アクリル樹脂系エマルジョンとして、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101のみを使用したが、塗り感と成膜性に劣る結果となった。
参考例J及びLでは、アクリル樹脂系エマルジョンとして、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101のみを使用したが、塗り感と成膜性に劣る結果となった。
参考例Kは、ガラス転移温度が24℃で平均粒子径が100nmのTOCRYL BCX−3101と、ガラス転移温度が50℃で平均粒子径が140nmのビニゾール1076DMを含有するが、この例によれば、ガラス転移温度が高く、かつ粒子径分布において平均粒子径が大きい箇所にピークを有するので、塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性に劣っていた。
参考例Mは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410とガラス転移温度が50℃で平均粒子径が140nmのビニゾール1076DMを含有するので、参考例Kと同様にガラス転移温度が高く、かつ粒子径分布において平均粒子径が大きい箇所にピークを有するため、塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性に劣っていた。
そして参考例N〜Qは全て、ガラス転移温度が17℃で平均粒子径が極めて大であるダイトゾール5000STYを含有するため、少なくとも塗膜耐久性に劣る結果になった。
また、参考例T〜Yは1,2−オクタンジオールを0.30〜3.00重量%含有するため、塗り感、成膜性、ガラス板に塗布したときの光沢性及び塗膜耐久性に優れていた。
これに対して、1,2−オクタンジオールを含有しないか、0.10重量%と少量含有する参考例R及びSによれば、成膜性及び塗膜耐久性に劣る結果になり、1,2−オクタンジオールを5.00重量%と多く含有する参考例βによれば、塗り感と塗膜耐久性に劣る結果となった。
実施例Hに対して1,2−オクタンジール及びアンモニア水を添加した参考例Z及びαによっても、各効果には変わりがなかった。
参考例Mは、ガラス転移温度が44℃で平均粒子径が40nmのジュリマーET−410とガラス転移温度が50℃で平均粒子径が140nmのビニゾール1076DMを含有するので、参考例Kと同様にガラス転移温度が高く、かつ粒子径分布において平均粒子径が大きい箇所にピークを有するため、塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性に劣っていた。
そして参考例N〜Qは全て、ガラス転移温度が17℃で平均粒子径が極めて大であるダイトゾール5000STYを含有するため、少なくとも塗膜耐久性に劣る結果になった。
また、参考例T〜Yは1,2−オクタンジオールを0.30〜3.00重量%含有するため、塗り感、成膜性、ガラス板に塗布したときの光沢性及び塗膜耐久性に優れていた。
これに対して、1,2−オクタンジオールを含有しないか、0.10重量%と少量含有する参考例R及びSによれば、成膜性及び塗膜耐久性に劣る結果になり、1,2−オクタンジオールを5.00重量%と多く含有する参考例βによれば、塗り感と塗膜耐久性に劣る結果となった。
実施例Hに対して1,2−オクタンジール及びアンモニア水を添加した参考例Z及びαによっても、各効果には変わりがなかった。
(各エマルジョンとその樹脂の濃度、ガラス転移温度及び下記の粒径測定方法による粒径)
ジュリマーET-410 30% 44℃ 40nm
TOCRYL BCX-3101 48% 24℃ 100nm
ビニゾール1076DM 32% 50℃ 140nm
ダイトゾール3000SLPN−PE1 30% 37℃ 50nm
ダイトゾール5000STY 50% 17℃ 130nm
消泡剤 :KM−72
ジュリマーET-410 30% 44℃ 40nm
TOCRYL BCX-3101 48% 24℃ 100nm
ビニゾール1076DM 32% 50℃ 140nm
ダイトゾール3000SLPN−PE1 30% 37℃ 50nm
ダイトゾール5000STY 50% 17℃ 130nm
消泡剤 :KM−72
エマルジョン粒径測定方法
測定機器 :堀場製作所製LB−550
粒子径基準:散乱光強度
分散媒 :イオン交換水
希釈倍率 :5000倍
測定温度 :20℃
測定機器 :堀場製作所製LB−550
粒子径基準:散乱光強度
分散媒 :イオン交換水
希釈倍率 :5000倍
測定温度 :20℃
水性美爪料組成物の組成及び評価項目を変更した例を、表4〜6において、実施例1〜12及び比較例1として示す。
MP−1133WP 酸化チタン
SYMPHLIGHT RW−TE 赤色酸化鉄
エマゾール L−120W ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ レート
インスタントガムAS IRX AB アラビアガム
VP−18 ポリビニルアルコール
PE−05JPS ポリビニルアルコール
ジュリマーET−410 アクリル樹脂系エマルジョン
TOCRYL BCX−3101 アクリル−スチレン樹脂
トレーサブル99 1級 エタノール
カーボポール940 ポリアクリル酸
KM72 シリコーン系消泡剤(シメチコン)
SYMPHLIGHT RW−TE 赤色酸化鉄
エマゾール L−120W ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ レート
インスタントガムAS IRX AB アラビアガム
VP−18 ポリビニルアルコール
PE−05JPS ポリビニルアルコール
ジュリマーET−410 アクリル樹脂系エマルジョン
TOCRYL BCX−3101 アクリル−スチレン樹脂
トレーサブル99 1級 エタノール
カーボポール940 ポリアクリル酸
KM72 シリコーン系消泡剤(シメチコン)
本発明に沿った例である実施例1〜12によれば、爪や人工爪への塗り感、成膜性、光沢性、塗膜耐久性に優れる美爪料組成物を得ることができた。
これに対して、ポリビニルアルコールを含有しない比較例1によれば、光沢性に劣り、かつ人工爪へ塗布した際の耐温水性にも劣るものとなった。
これに対して、ポリビニルアルコールを含有しない比較例1によれば、光沢性に劣り、かつ人工爪へ塗布した際の耐温水性にも劣るものとなった。
水性美爪料組成物の試験方法
参考例においては(塗り感(レベリング)1)に沿って試験を行った。
〔塗り感(レベリング)1〕
1.ガラス板に美爪料組成物を30μl取る。
2.一般的な美爪料組成物用の筆で、一辺が1.5cmの正方形の中を縦に4回、横に4回、再度縦に4回塗り広げる。
3.塗布後、一晩以上室温で乾燥させる。
4.乾燥後の塗膜のレベリング具合を評価する。
○:塗膜がなだらかで筆跡が見えない。
△:塗膜に大きな波が見える。
×:塗膜に細かな波が見える。
参考例においては(塗り感(レベリング)1)に沿って試験を行った。
〔塗り感(レベリング)1〕
1.ガラス板に美爪料組成物を30μl取る。
2.一般的な美爪料組成物用の筆で、一辺が1.5cmの正方形の中を縦に4回、横に4回、再度縦に4回塗り広げる。
3.塗布後、一晩以上室温で乾燥させる。
4.乾燥後の塗膜のレベリング具合を評価する。
○:塗膜がなだらかで筆跡が見えない。
△:塗膜に大きな波が見える。
×:塗膜に細かな波が見える。
〔塗り感(レベリング)2〕
1.爪に水性美爪料組成物を一般的な美爪料組成物用の筆で適量塗り広げる。
2.乾燥後の塗膜のレベリング具合を評価する。
○:塗膜がなだらかで筆跡が見えない。
△:塗膜に大きな波が見える。
×:塗膜に細かな波が見える。
1.爪に水性美爪料組成物を一般的な美爪料組成物用の筆で適量塗り広げる。
2.乾燥後の塗膜のレベリング具合を評価する。
○:塗膜がなだらかで筆跡が見えない。
△:塗膜に大きな波が見える。
×:塗膜に細かな波が見える。
〔成膜性〕
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、塗膜表面を目視で観察する。
○:塗膜がなめらかで透明である。
△:塗膜に小さいひび割れがある。
×:塗膜にひび割れがあり、塗膜全体が白濁して見える。
上記の塗布、乾燥及び観察を、20℃にて行うとき、及び15℃にて行うときの2つの条件にて行った。
実施例及び比較例においては、20℃及び15℃のいずれの条件においても○のときに総合して○とした。
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、塗膜表面を目視で観察する。
○:塗膜がなめらかで透明である。
△:塗膜に小さいひび割れがある。
×:塗膜にひび割れがあり、塗膜全体が白濁して見える。
上記の塗布、乾燥及び観察を、20℃にて行うとき、及び15℃にて行うときの2つの条件にて行った。
実施例及び比較例においては、20℃及び15℃のいずれの条件においても○のときに総合して○とした。
〔光沢性〕
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、HORIBAハンディ光沢計グロスチェッカーIG−310にて光沢度を測定する。
○:光沢度80以上
△:光沢度50以上80未満
×:光沢度50未満
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、12cm/sの速度で水性美爪料組成物を塗布する。
2.乾燥後、HORIBAハンディ光沢計グロスチェッカーIG−310にて光沢度を測定する。
○:光沢度80以上
△:光沢度50以上80未満
×:光沢度50未満
参考例においては(塗膜耐久性(耐温水性)1)に沿って試験を行った。
(塗膜耐久性(耐温水性)1)
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、15cmにわたって水性美爪料組成物を塗布する。
2.一晩以上室温で乾燥させた後、ガラス板を42℃のお湯に浸漬する。
3.30分間室温で放置(自然に温度が下がってくる)し、取り出して塗膜の状態を観察する。
◎ :変化なし。
○ :白化するが元に戻り、指でこすってもはがれない。
○△:白化するがほぼ元に戻り、指でこすってもはがれない。
△ :白化して元に戻らないが、指でこすってもはがれない。
△×:指でこすると少し剥がれる。
× :指でこすると剥がれる。
(塗膜耐久性(耐温水性)1)
1.ガラス板に、100μmドクター型アプリケータを用いて、15cmにわたって水性美爪料組成物を塗布する。
2.一晩以上室温で乾燥させた後、ガラス板を42℃のお湯に浸漬する。
3.30分間室温で放置(自然に温度が下がってくる)し、取り出して塗膜の状態を観察する。
◎ :変化なし。
○ :白化するが元に戻り、指でこすってもはがれない。
○△:白化するがほぼ元に戻り、指でこすってもはがれない。
△ :白化して元に戻らないが、指でこすってもはがれない。
△×:指でこすると少し剥がれる。
× :指でこすると剥がれる。
(塗膜耐久性(耐温水性)2)
1.爪に水性美爪料組成物を一般的な美爪料組成物用の筆で適量塗り広げる。
2.30分間乾燥させた後、42℃のお湯に10分間浸漬し、剥離の有無を評価する。
○:剥離無し。
×:剥離有り。
1.爪に水性美爪料組成物を一般的な美爪料組成物用の筆で適量塗り広げる。
2.30分間乾燥させた後、42℃のお湯に10分間浸漬し、剥離の有無を評価する。
○:剥離無し。
×:剥離有り。
Claims (5)
- 粒子径分布が80nm以下においてピークを有し、かつガラス転移温度が20〜45℃のアクリル樹脂系エマルジョンと、該アクリル樹脂系エマルジョンの固形分に対して1,2−オクタンジオールを0.15〜15.00重量%含有する水性美爪料組成物。
- 該アクリル樹脂系エマルジョンは、粒子径分布が120nm以上においてピークを有しない請求項1に記載の水性美爪料組成物。
- 該アクリル樹脂系エマルジョンは、40〜55nmに1つのピークを、さらに80〜100nmに1つのピークを有する粒子径分布を有する請求項1又は2に記載の水性美爪料組成物。
- 1,2−オクタンジオール以外の成膜助剤及び可塑剤を含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
- ポリビニルアルコール、ガム類、カルボキシメチルセルロースから選ばれた少なくとも1種、及び顔料を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水性美爪料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016094183A JP2017202983A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 水性美爪料組成物 |
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JP2016094183A Pending JP2017202983A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 水性美爪料組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017202983A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020002289A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 大東化成工業株式会社 | 水性分散体組成物 |
JP2020083790A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 株式会社サクラクレパス | 水性美爪料組成物 |
JP2020083791A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 株式会社サクラクレパス | 水性美爪料組成物 |
WO2023188109A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | 福地製薬株式会社 | 水膨潤性の皮膜形成型外用剤基剤 |
WO2023188108A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | 福地製薬株式会社 | 水非膨潤性の皮膜形成型外用剤基剤 |
-
2016
- 2016-05-09 JP JP2016094183A patent/JP2017202983A/ja active Pending
Cited By (8)
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JP2020002289A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 大東化成工業株式会社 | 水性分散体組成物 |
JP7123349B2 (ja) | 2018-06-29 | 2022-08-23 | 大東化成工業株式会社 | 水性分散体組成物 |
JP2020083790A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 株式会社サクラクレパス | 水性美爪料組成物 |
JP2020083791A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 株式会社サクラクレパス | 水性美爪料組成物 |
JP7179325B2 (ja) | 2018-11-19 | 2022-11-29 | 株式会社サクラクレパス | 水性美爪料組成物 |
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