JP2001031908A - 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜 - Google Patents

光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜

Info

Publication number
JP2001031908A
JP2001031908A JP20559999A JP20559999A JP2001031908A JP 2001031908 A JP2001031908 A JP 2001031908A JP 20559999 A JP20559999 A JP 20559999A JP 20559999 A JP20559999 A JP 20559999A JP 2001031908 A JP2001031908 A JP 2001031908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
coating
forming
layer
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20559999A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Momose
信彦 百瀬
Yasunori Hamada
恭典 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP20559999A priority Critical patent/JP2001031908A/ja
Publication of JP2001031908A publication Critical patent/JP2001031908A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】基体に金属または金属酸化物を被覆した大粒径
光輝性顔料を含有する光輝性塗膜を形成することによ
り、大粒径光輝性顔料の粒子単位および多角度でのキラ
キラした光輝感を呈し、さらに特定の明度を有するベー
ス塗膜を形成することにより、白ボケすることのない複
合色を発現する色調を示す光輝性塗膜を提供可能な光輝
性塗料組成物、塗膜形成方法およびその方法により得ら
れた複層塗膜を提供すること。 【解決手段】基体に金属または金属酸化物を被覆した平
均粒子径80〜1000μmの光輝性顔料とビヒクルと
を含有する光輝性塗料組成物。好ましくは、上記基体
が、天然雲母、合成雲母またはガラスフレークであり、
上記金属または金属酸化物に含まれる金属が、チタン、
鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、ジルコニウム、金、銀、
銅等の金属、またはニッケル系合金の少なくとも1種で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属または金属酸
化物を被覆した平均粒子径80〜1000μmの光輝性
顔料を含有する光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および
この方法により得られる複層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】基体に金属または金属酸化物を被覆した
天然雲母、合成雲母またはガラスフレーク等は、光輝性
顔料として用いられている。これらの光輝性顔料は、自
動車車体等の外板に、真珠光沢等を呈する塗膜を形成す
る塗料の原料として使用されている。しかしながら自動
車車体等の外板では、塗膜の平滑性の要求から、これら
の光輝性顔料の平均粒子径は、50μm程度以下のもの
が使用されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記50μm程度以下
の光輝性顔料では、形成された塗膜が一体となった光輝
感が発現されるが、多角度から視認して顔料粒子自体が
有するキラキラ感を発現できていない。また大粒径の干
渉性光輝性顔料を使用すると、干渉色の白ボケが起きる
ことがあり、これら課題を解決した新しい意匠が望まれ
ている。従って本発明が解決しようとする課題は、光輝
性顔料の粒子径、好ましくは基材の明度を制御すること
で、上記多角度から視認して顔料粒子自体が有するキラ
キラ感が得られる塗膜を形成するための光輝性塗料組成
物、塗膜形成方法および複層塗膜を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.基体に金属または金属酸化物を被覆した平均粒子径
80〜1000μmの光輝性顔料とビヒクルとを含有す
る光輝性塗料組成物。 2.上記基体が、天然雲母、合成雲母またはガラスフレ
ークである上記記載の光輝性塗料組成物。 3.上記金属または金属酸化物に含まれる金属が、チタ
ン、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、ジルコニウム、金、
銀、銅、またはニッケル系合金の少なくとも1種である
上記記載の光輝性塗料組成物。 4.上記光輝性顔料の塗料固形分100重量部に対する
顔料の固形分重量割合(PWC)が、0.01〜30%
である上記記載の光輝性塗料組成物。 5.基材に複層塗膜を形成する方法であって、上記複層
塗膜の少なくとも一層が、上記記載の光輝性塗料組成物
により形成される塗膜形成方法。 6.上記複層塗膜が、ベース塗膜層、上記光輝性塗膜
層、さらにクリヤー上塗塗膜層からなり、上記光輝性塗
膜層が、上記記載の光輝性塗料組成物により形成される
塗膜形成方法。 7.上記ベース塗膜層の明度が、マンセル表示系におけ
る明度N4以下である上記記載の塗膜形成方法。 8.上記クリヤー上塗塗膜層が、カルボキシル基含有ポ
リマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含む塗料から形
成される上記記載の塗膜形成方法。 9.上記塗膜形成方法により得られる上記記載の複層塗
膜。を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】光輝性塗料組成物 本発明の光輝性塗料組成物に用いる金属または金属酸化
物を被覆した平均粒子径80〜500μmの大粒径の金
属または金属酸化物被覆光輝性顔料(以下、大粒径光輝
性顔料という)は、基体に金属または金属酸化物を被覆
した平均粒子径80〜1000μmの金属または金属酸
化物被覆アルミナフレーク顔料である。
【0008】好ましくは、上記基体が、天然雲母、合成
雲母またはガラスフレークである。より好ましい基体
は、合成雲母またはガラスフレークである。また上記金
属または金属酸化物に含まれる金属として好ましいもの
は、チタン、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、ジルコニウ
ム、金、銀、銅等の金属、またはニッケル系合金の少な
くとも1種である。具体的にはAl23、TiO2、F
23、SnO2、ZrO 2、CuO等の金属酸化物、
金、銀、銅等の金属、またはニッケル−モリブデンを主
体とするハステロイ合金等のニッケル系合金等を挙げる
ことができる。
【0009】上記大粒径光輝性顔料は、金属または金属
酸化物が被覆された状態での平均粒子径が80〜100
0μm、好ましくは100〜500μm、より好ましく
は100〜300μmである。なお本発明での平均粒子
径は、長径の平均粒子径を意味する。平均粒子径が80
μm未満では、大粒径光輝性顔料の粒子単位および多角
度でのキラキラした光輝感を呈することができ難く、1
000μmを超えると塗膜外観不良を生じる。厚みは、
0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmである。
厚みが0.1μm未満では、塗料サーキュレーション時
に、過大のシェアがかかり、上記大粒径光輝性顔料に変
形・破壊が発生し経時的に塗料が変色する不具合が生
じ、10μmを超えると塗膜外観が低下する恐れがあ
る。また、上記金属または金属酸化物の被覆量は、基体
を100重量部としたときに1〜25重量部が好まし
い。上記被覆量が1重量部未満では、大粒径光輝性顔料
の粒子単位および多角度でのキラキラした光輝感を呈す
ることができ難く、25重量部を超えると、かえって光
輝感が低下する恐れがある。これらの大粒径光輝性顔料
として、アルティミカ(日本光研社製)、クリスタルカ
ラー(東洋アルミニウム社製)、メタシャイン(日本板
硝子社製)等が市販されている。
【0010】上記大粒径光輝性顔料が、発現する干渉色
は、被覆する金属または金属酸化物の種類・量(被覆
厚)を変化させることで、所望の干渉色を得ることがで
きる。
【0011】本発明の光輝性塗料組成物における大粒径
光輝性顔料の含有量(塗料固形分100重量部に対する
顔料の固形分重量割合:PWC)は、0.01〜30%
が好ましく、1〜15%がより好ましい。0.01%を
下回ると多角度でのキラキラした光輝感が低下し、30
%を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0012】一方、本発明の光輝性塗料組成物に含まれ
るビヒクルは、上記大粒径光輝性顔料を分散するもので
あって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構
成される。
【0013】上記ビヒクルを構成する上記塗膜形成用樹
脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリ
エステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹
脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、
(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独
または2種以上を組合わせて使用することができる。特
に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用
いられる。
【0014】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フ
ェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開
環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチ
ロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アク
リル酸エステルなどがある。これらと共重合可能な上記
他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α
−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニ
ルなどがある。
【0015】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合し
て得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例
えば、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸等が挙げられ、飽
和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタ
ル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸として
は、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等
が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価
アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコ
ールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、
例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げ
られる。
【0016】また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を
有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を
有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイ
プの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン
酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬
化反応を進行させることができる。また、硬化性を有し
ないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を硬化性を有する
タイプと併用することも可能である。
【0017】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50重量%、架橋剤が10〜50重
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60重
量%であり、架橋剤が15〜40重量%である。架橋剤
が10重量%未満では(塗膜形成用樹脂が90重量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50重量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50重量%
未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するととも
に硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0018】本発明の光輝性塗料組成物では、上記大粒
径光輝性顔料以外に、その他の光輝性顔料および着色顔
料を大粒径光輝性顔料の効果を妨げない範囲の任意の添
加量で、含有することができる。
【0019】その他の光輝性顔料としては、例えばアル
ミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔
料、マイカ顔料、金属チタンフレーク、アルミナフレー
ク、シリカフレーク、グラファイト、ステンレスフレー
ク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレークまたは金属め
っきガラスフレーク等を、また着色顔料として、例え
ば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジ
ゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノ
ン系顔料、金属錯体顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガ
ラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
その他の光輝性顔料および着色顔料を含む場合の添加量
は、上記大粒径上記光輝性顔料の効果および下地層との
複合色効果を妨げない限り、任意に設定できる。総顔料
含有量(PWC%)は、50%以下が好ましく、30%未
満がより好ましい。50%を超えると塗膜外観が低下す
る。また各種体質顔料等を併用することができる。
【0020】本発明の光輝性塗料組成物は、上記成分の
他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワッ
クスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体
であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーン
や有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消
泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜
添加して含有することができる。これらの添加剤は、通
常、上記ビヒクル100重量部(固形分基準)に対して
例えば、それぞれ15重量部以下の割合で配合すること
により、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0021】本発明の光輝性塗料組成物は、上記構成成
分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供され
る。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するもの
であればよく、有機溶剤および/または水を使用し得
る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられ
るものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、アセトン、メチルエテルケトン等
のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示で
きる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されてい
る場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適
量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0022】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、基材に複層塗膜を形成する方
法であって、この複層塗膜の少なくとも一層が、上記光
輝性塗料組成物により形成される塗膜形成方法である。
また上記複層塗膜が、ベース塗膜層、大粒径光輝性顔料
含有光輝性塗膜層、さらにクリヤー上塗塗膜層からな
り、この光輝性塗膜層が、上記光輝性塗料組成物により
形成される塗膜形成方法である。
【0023】上記基材としては、限定されるものではな
く、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属
類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等の
プラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天
然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられ
る。
【0024】本発明の塗膜形成方法においては、上記基
材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組
成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により形成さ
れた複層塗膜が自動車車体および部品等の場合は、予め
上記基材に化成処理、電着塗装、粉体塗装等による下塗
り塗装、中塗り塗装等による下地塗装を施しておくのが
好ましい。
【0025】本発明の塗膜形成方法では、下層の塗膜の
上に、ウェットオンウェット(W/W)法、またはウェ
ットオンドライ(W/D)法により塗膜層を形成するこ
とができる。上記W/W法とは、下層塗膜を形成した
後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態
の下層塗膜に塗装する方法であり、これに対して、上記
W/D法とは、下層塗膜を焼き付けて硬化させた下層塗
膜に塗装する方法である。各塗膜層を形成する方法は特
に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が
好ましく、また各塗膜層を複数回塗装することも可能で
ある。なお塗膜を焼き付ける場合は、80〜160℃で
所定時間焼き付けを行う。
【0026】本発明では上記基材に、光輝性塗膜層を形
成する前に、ベース塗膜層を形成する。ベース塗膜層
は、溶剤型塗料により形成してもよいし、粉体型塗料に
より形成してもよい。ベース塗膜層の形成に用いる塗料
は、一般的な中塗り塗料に用いる塗料を使用することが
できる。なおビヒクルおよび必要に応じて加える顔料、
添加剤等は上記光輝性塗料組成物のものを使用できる。
【0027】ベース塗膜層の下層に塗膜が形成されてい
る場合は、下層塗膜とはW/D法により、ベース塗膜を
形成することが好ましい。ベース塗膜層は、クリヤー塗
膜でもよいし、着色された塗膜でもよいが、より良好な
光輝感を付与するためには、クリヤー塗膜であることが
好ましい。
【0028】ベース塗膜層は、マンセル表示系における
明度が、N4以下の着色塗膜が好ましい。また、ベース
塗膜層がクリヤー塗膜の場合、クリヤー塗膜下層の下地
塗膜または基材の明度が、N4以下であることが好まし
い。本明細書における、上記明度が、N4以下とは、上
記光輝性塗膜層を基材に直接形成する場合には、基材の
明度をいい、ベース塗膜層を形成した場合には、ベース
塗膜層の明度を、またはベース塗膜層がクリヤー塗膜の
場合は、下地塗膜または基材の明度をいう。ベース塗膜
層の明度を、マンセル表示系における明度N4以下にす
ることにより、白ボケすることのない複合色を呈するこ
とが可能となる。ベース塗膜層の乾燥膜厚は、30〜2
00μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低
下する恐れがある。より好ましくは50〜150μmで
ある。
【0029】次いで、基材または上記ベース塗膜層の上
に、上記光輝性塗料組成物を用いて塗装することにより
得られる。上記ベース塗膜とは上記W/D法により、光
輝性塗膜を形成することが好ましい。光輝性塗膜層の乾
燥膜厚は、10〜100μmが好ましく、より好ましく
は20〜50μmである。平滑性をより向上するには、
光輝性塗膜の上層のクリヤー上塗塗膜層の膜厚、塗料の
選択により可能となる。
【0030】さらに上記光輝性塗膜層上には、トップコ
ート層として、上記クリヤー上塗塗膜層を少なくとも1
層形成する。上記光輝性塗膜層中に光輝性顔料が多く含
まれる場合に、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表
面の平滑感を向上させることができる。クリヤー上塗塗
膜層の形成は、上記W/W法を用いることが好ましい。
また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最終の
クリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよく、
初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化させ
なくてもよい。クリヤー上塗塗膜層の乾燥膜厚は、30
〜400μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観
が低下する恐れがある。より好ましくは50〜200μ
mである。
【0031】このクリヤー上塗塗膜層としては、一般的
なクリヤー塗料を用いることができ、さらには半透明感
を付与した、いわゆる濁りクリヤー塗膜を用いてもよ
い。また、クリヤー上塗塗膜層は、溶剤型塗料から形成
してもよいし、粉体型塗料から形成してもよい。溶剤型
塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウ
レタン樹脂塗料等のような二液型樹脂を用いてもよい。
光輝性塗膜層の上にクリヤー上塗塗膜層を形成すること
により、光沢向上および光輝性顔料の損傷を防止するこ
とができる。上記クリヤー塗料としては、上塗り用とし
て一般に使用されているものを用いることができ、上記
の熱硬化性樹脂と架橋剤とを混合したものを用いること
ができる。特に、特公平8−19315号公報に記載さ
れたカルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリ
マーとを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策および
W/W法で光輝性塗膜層に塗装した際に、光輝性塗膜層
における光輝剤の配向を乱さないという観点から好まし
く用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要に
応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体
質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散
剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
【0032】複層塗膜 本発明の複層塗膜は、上記光輝性塗料組成物を基材に形
成した複層塗膜の少なくとも一層として形成されるもの
であり、好ましくは、上記複層塗膜が、ベース塗膜層、
次いで光輝性塗膜層、さらにクリヤー上塗塗膜層から形
成されているものである。ベース塗膜層の明度が、マン
セル表示系における明度N4以下であることにより、干
渉色の白ボケを防ぐことが可能となる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり重量部を表す。
【0034】実施例1〜37,比較例1〜3 被塗基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(商品名:「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント(株)製)を使用して
化成処理した後、カチオン電着塗料(商品名:「パワー
トップU−50」、日本ペイント(株)製)を乾燥膜厚
が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160
℃で30分間焼き付けた後、以下の中塗塗料を乾燥膜厚
が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140
℃で30分間焼き付け、基材1A〜1Cとした。 1A…商品名:「オルガS−90シーラー(N1)」、
日本ペイント社製、 1B…商品名:「オルガS−90シーラー(N4)」、
日本ペイント社製、 1C…商品名:「オルガS−90シーラー(N6)」、
日本ペイント社製の3種類である。
【0035】ベース塗膜層形成用塗料 以下の塗料をベース塗膜形成に使用した。 2A…アクリル樹脂系粉体型クリヤー塗料(商品名:
「パウダックスA50クリヤー」、日本ペイント社
製)、 2B…アクリル樹脂系粉体型ブラック(N1)塗料(商
品名:「パウダックスA30ブラック」、日本ペイント
社製)、 2C…アクリル樹脂系粉体型ダークグレー(N4)塗料
(商品名:「パウダックスA30ダークグレー」、日本
ペイント社製)、 2D…アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名:
「スーパーラックM90クリヤー」、日本ペイント社
製)、 2E…アクリル樹脂系溶剤型ブラック(N1)塗料(商
品名:「スーパーラックM90ブラック」、日本ペイン
ト社製)の5種類である。
【0036】光輝性塗料組成物の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20,00
0、水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、
メラミン樹脂(商品名:「ユーバン20SE」、三井化
学(株)製、固形分60重量%)とを80:20の固形
分重量比で配合して得たビヒクルに対し、基体の種類、
被覆酸化物の種類、平均粒径、配合量の大粒径光輝性顔
料、必要によりその他の光輝性顔料、着色顔料を表1に
示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キ
シレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15
/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になる
ように攪拌混合し、光輝性塗料1〜15を調製した。た
だし光輝性塗料15は、比較例に用いた。
【0037】クリヤー塗料 クリヤー塗料は、以下の塗料を使用した。 4A…アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名:
「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント
社製)、 4B…カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポ
リマーのブレンドからなる溶剤型クリヤー塗料(商品
名:「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイン
ト社製)、 4C…アクリル樹脂系粉体型クリヤー塗料(商品名:
「パウダックスA−400」、日本ペイント(株)
製)、 4D…2液型ウレタン系溶剤型クリヤー塗料(商品名:
「naxスぺリオクリヤー」、日本ペイント社製)の4
種類である。
【0038】複層塗膜の形成 基材の被塗面に、表2に示す工程で、上記ベース塗膜層
を、粉体型塗料では乾燥膜厚が100μm、溶剤型塗料
では乾燥膜厚が50μmとなるように塗膜を形成し、次
いで表1に示す光輝性塗料により光輝性塗膜層を乾燥膜
厚が30μmとなるよう塗装し形成した。次いでクリヤ
ー上塗塗膜層を、塗料4Cおよび4Dでは乾燥膜厚が1
00μm、塗料4Aおよび4Bでは乾燥膜厚が50μm
となるように塗装し複層塗膜を形成した。焼付条件は、
表1にそれぞれ示した温度で、時間は20分であった。
得られた塗膜の光輝感および色調を下記評価方法で評価
した。結果を表2に示す。結果を表2に示す。
【0039】評価方法 光輝感…試験板をほぼ真正面(ハイライト部)と15度
程度(シェード部)で見た場合、ともに干渉色が白ボケ
せず被塗基材の大粒径光輝性顔料粒子のキラキラした感
じを目視で評価した。 4…ハイライト部とシェード部ともに粒子状にキラキラ
感が顕著にある 3…ハイライト部とシェード部ともに粒子状にキラキラ
感がある 2…ハイライト部ではキラキラ感あるが、シェード部で
粒子状にキラキラ感が少ない 1…ハイライト部とシェード部ともにキラキラ感が少な
い 色調…試験板をほぼ真正面(ハイライト部)と15度程
度(シェード部)で見た場合の干渉色を目視で評価し
た。 4…干渉色が白ボケすることなく多色性を呈する複合色
として顕著に認められる 3…干渉色が白ボケすることなく多色性を呈する複合色
として認められる 2…干渉色が多少白ボケし、多色性を呈する複合色とし
ての効果が少ない 1…干渉色が白ボケし、多色性を呈する複合色としての
効果がない
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1および表2の結果から明らかのよう
に、本実施例1〜37は、本発明の大粒径光輝性顔料を
含有する塗膜形成方法により塗膜を形成したもので、光
輝性顔料の粒子単位および多角度でのキラキラした光輝
感を発現し、明度N4以下のベースコート層に塗布する
ことにより、干渉色がN4以下の明度の色調と光輝性塗
膜とが合成され、塗膜全体とし干渉色が白ボケすること
なく、そのために干渉色が強調された複層塗膜が得られ
た。一方、比較例1〜3では、平均粒子径50μmと粒
径が小さいため光輝性顔料の粒子単位および多角度での
キラキラした光輝感を発現しない結果となった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、金属または金属酸化物を被覆
した平均粒子径80〜1000μmの光輝性顔料の粒子
単位および多角度でのキラキラした光輝感を発現するこ
とが可能となった。
【0044】また明度N4以下のベース塗膜を形成する
ことにより、N4以下の明度の色調と大粒径光輝性顔料
の光輝感とが合成され、塗膜全体とし干渉色が白ボケす
ることなく、そのために干渉色が強調された光輝性塗料
組成物、塗膜形成方法およびこの方法により得られた複
層塗膜を提供可能にした。
【0045】なお、本発明により得られる複層塗膜は、
上記光輝感および上記色調を呈するため、自動車、二輪
車等の乗物外板および部品、各種容器外面、コイルコー
ティング、家電業界等の光輝性が要求される複層塗膜に
おいて好ましく使用される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 CB08 CB13 DC12 EA43 EC02 EC03 EC04 EC11 EC23 EC24 4J038 GA06 GA07 HA066 HA216 HA486 HA546 KA08 KA15 MA14 NA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体に金属または金属酸化物を被覆した平
    均粒子径80〜1000μmの光輝性顔料とビヒクルと
    を含有する光輝性塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記基体が、天然雲母、合成雲母またはガ
    ラスフレークである請求項1記載の光輝性塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記金属または金属酸化物に含まれる金属
    が、チタン、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、ジルコニウ
    ム、金、銀、銅、またはニッケル系合金の少なくとも1
    種である請求項1または2記載の光輝性塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記光輝性顔料の塗料固形分100重量部
    に対する顔料の固形分重量割合(PWC)が、0.01
    〜30%である請求項1乃至3いずれか1つに記載の光
    輝性塗料組成物。
  5. 【請求項5】基材に複層塗膜を形成する方法であって、
    前記複層塗膜の少なくとも一層が、請求項1乃至4いず
    れか1項記載の光輝性塗料組成物により形成される塗膜
    形成方法。
  6. 【請求項6】前記複層塗膜が、ベース塗膜層、前記光輝
    性塗膜層、さらにクリヤー上塗塗膜層からなり、前記光
    輝性塗膜層が、請求項1乃至4いずれか1項記載の光輝
    性塗料組成物により形成される塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】前記ベース塗膜層の明度が、マンセル表示
    系における明度N4以下である請求項6記載の塗膜形成
    方法。
  8. 【請求項8】前記クリヤー上塗塗膜層が、カルボキシル
    基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含む塗
    料から形成される請求項6または7記載の塗膜形成方
    法。
  9. 【請求項9】前記塗膜形成方法により得られる請求項5
    乃至8いずれか1項記載の複層塗膜。
JP20559999A 1999-07-21 1999-07-21 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜 Withdrawn JP2001031908A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20559999A JP2001031908A (ja) 1999-07-21 1999-07-21 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20559999A JP2001031908A (ja) 1999-07-21 1999-07-21 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001031908A true JP2001031908A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16509551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20559999A Withdrawn JP2001031908A (ja) 1999-07-21 1999-07-21 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001031908A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002247933A (ja) * 2000-12-20 2002-09-03 Asari Kenkyusho:Kk イカ釣針用擬餌体
DE10257087A1 (de) * 2002-12-05 2004-06-24 Weber, Guido Dekorpräparat zur Herstellung von Dekoren für Glas, Keramik oder Emailprodukte unter Verwendung von mit Edelmetall beschichteten Plättchen
CN1304492C (zh) * 2004-11-22 2007-03-14 中国化工建设总公司常州涂料化工研究院 超强闪烁珠光颜料及其制备方法
JP2009154474A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Bekku Kk 積層体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002247933A (ja) * 2000-12-20 2002-09-03 Asari Kenkyusho:Kk イカ釣針用擬餌体
DE10257087A1 (de) * 2002-12-05 2004-06-24 Weber, Guido Dekorpräparat zur Herstellung von Dekoren für Glas, Keramik oder Emailprodukte unter Verwendung von mit Edelmetall beschichteten Plättchen
DE10257087B4 (de) * 2002-12-05 2005-09-22 Guido Weber Verfahren zur Herstellung eines Edelmetalldekors auf Glas, Keramik oder Metall
CN1304492C (zh) * 2004-11-22 2007-03-14 中国化工建设总公司常州涂料化工研究院 超强闪烁珠光颜料及其制备方法
JP2009154474A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Bekku Kk 積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001164191A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2001072933A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2002155240A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2001232283A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2001031908A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2001129471A (ja) 光輝性塗膜形成方法および複層塗膜
JP2001131488A (ja) 光輝性艶消しクリヤー塗料、光輝性艶消し複合塗膜およびその形成方法
JP2002121493A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2003088800A (ja) 光輝性塗膜形成方法および複層塗膜
JP2002155242A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2002102798A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2001232282A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2001031909A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び積層塗膜
JP2002273335A (ja) 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物
JP2001104870A (ja) 光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および複層塗膜
JP2002273333A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP3908008B2 (ja) 光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2001003001A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2002275426A (ja) 高隠蔽性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜
JP2001064240A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜
JP2002192067A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2002080792A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および光輝性塗装物
JP2002155241A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2001164190A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2002201421A (ja) 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060417

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20081126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761