JP2002275426A - 高隠蔽性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜 - Google Patents

高隠蔽性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜

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JP2002275426A
JP2002275426A JP2001080702A JP2001080702A JP2002275426A JP 2002275426 A JP2002275426 A JP 2002275426A JP 2001080702 A JP2001080702 A JP 2001080702A JP 2001080702 A JP2001080702 A JP 2001080702A JP 2002275426 A JP2002275426 A JP 2002275426A
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coating
pigment
forming
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JP2001080702A
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Masamichi Arima
正道 有馬
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形成された塗膜において、ペリレン系顔料の配
合量を増やすことなく、ペリレン系顔料の有する鮮明な
色相を維持し、隠蔽性が良好で高彩度な色調を発現する
高隠蔽性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜を提
供する。 【解決手段】ペリレン系顔料、酸化鉄顔料およびビヒク
ルを含有する高隠蔽性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高隠蔽性塗料組成
物、塗膜形成方法ならびにこの方法により得られる複層
塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の外装色が赤〜茶色系の塗膜
形成に用いる塗料に使用する着色顔料としてペリレン系
の顔料が用いられている。特に赤色系の着色顔料として
色相が鮮明で、耐候性や耐熱性が良好なため好適に使用
されている。
【0003】ただしペリレン系の顔料は、隠蔽性が十分
ではなく隠蔽性を高めるために、ペリレン系の顔料の配
合量を増やしたり、また隠蔽付与のために、アルミニウ
ムフレーク顔料を添加したりしているが、本来のペリレ
ン系の顔料の有する鮮明な色相が維持できず、彩度の低
下を生ずるという課題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、形成された塗膜において、ペリレン系顔料の配合量
を増やすことなく、ペリレン系顔料の有する鮮明な色相
を維持し、隠蔽性が良好で高彩度な色調を発現する高隠
蔽性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.ペリレン系顔料、酸化鉄顔料およびビヒクルを含有
する高隠蔽性塗料組成物。 2.上記酸化鉄顔料が、透明酸化鉄顔料である上記の高
隠蔽性塗料組成物。 3.上記酸化鉄顔料と上記ペリレン系顔料との含有量固
形分比率が、50/50〜0.1/99.9である上記
の高隠蔽性塗料組成物。 4.上記酸化鉄顔料および上記ペリレン系顔料の含有量
の総量が、塗料固形分に対して10〜30質量%である
上記の高隠蔽性塗料組成物。 5.複層塗膜を構成する層のうち、少なくとも一層の形
成に、上記の高隠蔽性塗料組成物を用いる塗膜形成方
法。 6.基材上に、下塗り塗膜層、中塗り塗膜層および上塗
り塗膜層を順次形成する複層塗膜を形成する方法であっ
て、上記上塗り塗膜層が、上記の高隠蔽性塗料組成物に
より高隠蔽性塗膜層が形成される塗膜形成方法。 7.上記の塗膜形成方法により得られた複層塗膜。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】高隠蔽性塗料組成物 本発明の高隠蔽性塗料組成物は、ペリレン系顔料、酸化
鉄顔料およびビヒクルを含有する塗料である。
【0008】上記ペリレン系顔料は、酸化鉄顔料と併用
することによって、ペリレン系顔料の配合量を増やすこ
となく、ペリレン系顔料の有する鮮明な色相を維持し、
隠蔽性が良好で高彩度な色調が発現されるのである。上
記ペリレン系顔料は、ペリレンレッド:C.I.番号が
C.I.Pigment Red178(C.I.71
155)、ペリレンスカーレット:C.I.番号がC.
I.PigmentRed149(C.I.7113
7)またはペリレンスカーマルーン:C.I.番号が
C.I.Pigment Red179(C.I.71
130)の有機系着色顔料である。好ましい平均粒子径
は、30〜80nmであり、平均粒子径が30nm未満
では、隠蔽性が低下する恐れがある。
【0009】また上記ペリレン系顔料と併用する酸化鉄
顔料は、一般名を弁柄または赤色酸化鉄と称し、C.
I.番号がC.I.Pigment101(C.I.7
7491)の無機系着色顔料である。好ましい平均粒子
径は、50〜120nmであり、平均粒子径が50nm
未満では、隠蔽性が低下する恐れがある。高彩度塗膜を
得るためには、平均粒子径が50〜80nmの透明酸化
鉄がより好ましい。
【0010】本発明では、上記ペリレン系顔料と上記酸
化鉄顔料との含有量固形分比率が、50/50〜0.1
/99.9が好ましく、この範囲が50/50を超える
(上記酸化鉄顔料が少ない場合)と、隠蔽性付与が不十
分となる恐れがあり、0.1/99.9未満(上記ペリ
レン系顔料が少ない場合)では、高彩度の塗膜形成が不
十分となる恐れがある。
【0011】また上記ペリレン系顔料および上記酸化鉄
顔料の含有量の総量は、塗料固形分に対して10〜30
質量%が好ましく、この範囲が、10質量%未満では、
ペリレン系顔料の有する鮮明な色相を維持し、隠蔽性が
良好で高彩度な色調が不十分の恐れがあり、30質量%
を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0012】一方、本発明の高隠蔽性塗料組成物に含ま
れるビヒクルは、上記ペリレン系顔料と上記酸化鉄顔料
を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じ
て架橋剤とから構成される。
【0013】上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂と
しては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエス
テル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、
(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)
ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または
2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、
アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いら
れる。
【0014】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系
モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t
−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、
ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロ
ピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル
酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物
類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアク
リルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エス
テル等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエ
チレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が
挙げられる。
【0015】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、例えば、多塩基酸と多価アルコとールを加熱縮合
して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、
飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基
酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コ
ハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例え
ば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げら
れる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコー
ル、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、
グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0016】また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を
有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を
有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイ
プの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン
酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬
化反応を進行させることができる。また、硬化性を有し
ないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有する
タイプとを併用することも可能である。
【0017】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質
量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤
が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%
未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するととも
に硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0018】本発明の高隠蔽性塗料組成物では、上記ペ
リレン系顔料と上記酸化鉄顔料以外に、光輝性顔料およ
び/またはその他の着色顔料を含有することができる。
上記光輝性顔料としては、例えば通常のアルミニウムフ
レーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、グラファ
イト顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、
ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属めっき
ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク
顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、干渉マイカ
顔料、金属酸化物被覆めっきガラスフレーク顔料、ホロ
グラム顔料またはコレステリック液晶ポリマーからなる
フレーク状顔料等を、またその他の着色顔料として、例
えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、イン
ジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金
属錯体顔料、黄色酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラ
ック等が挙げられる。上記光輝性顔料および/またはそ
の他の着色顔料を含む場合の添加量は、上記ペリレン系
顔料と上記酸化鉄顔料の効果を妨げない限り、任意に設
定できる。
【0019】本発明の高隠蔽性塗料組成物は、上記成分
の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワ
ックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散
体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触
媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコ
ーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘
剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜
添加して含有することができる。これらの添加剤は、通
常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して
例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合すること
により、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0020】本発明の高隠蔽性塗料組成物は、上記構成
成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供さ
れる。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するも
のであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得
る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられ
るものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示で
きる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されてい
る場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適
量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0021】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、基材に複層塗膜を形成する方
法であって、この複層塗膜を構成する層のうち、少なく
とも一層の形成に、上記高隠蔽性塗料組成物を用いる塗
膜形成方法である。この複層塗膜としては、例えば、下
塗り塗膜層の上に上記高隠蔽性塗料組成物を用いて上塗
り塗膜層を形成したものや、また高隠蔽性塗料組成物を
用いて形成した塗膜層の上にクリヤー塗膜層を形成した
ものを例示できる。基材上に、下塗り塗膜層、中塗り塗
膜層および上塗り塗膜層を順次形成する複層塗膜を形成
する方法であって、上記上塗り塗膜層が、上記の高隠蔽
性塗料組成物により高隠蔽性塗膜層が形成される塗膜形
成方法もまた、本発明の1つである。ここで、上記複層
塗膜が、下塗り塗膜層、中塗り塗膜層、高隠蔽性塗膜
層、さらにクリヤー上塗り塗膜層からなり、この高隠蔽
性塗膜層が、上記高隠蔽性塗料組成物により形成される
塗膜形成方法とすることが好ましい。
【0022】上記基材としては、限定されるものではな
く、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属
類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等の
プラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天
然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられ
る。
【0023】本発明の塗膜形成方法においては、上記基
材に直接または下地塗膜層を介して先の高隠蔽性塗料組
成物を塗装するが、基材が自動車車体および部品等の場
合は、予め上記基材に化成処理、電着塗装、スプレー塗
装、粉体塗装等により下塗り塗装を施しておくのが好ま
しい。
【0024】また中塗り塗装を行わず、下塗り塗装の施
された下塗り塗膜層の上に高隠蔽性塗膜層を直接形成す
る場合には、ウェットオンウェット(W/W)、または
ウェットオンドライ(W/D)により形成することがで
きる。
【0025】上記W/Wとは、下層の塗膜を形成した
後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態
の下層の塗膜に、上層の塗膜を形成する方法であり、こ
れに対して、上記W/Dとは、下層の塗膜を焼き付けて
硬化させた下層の塗膜に、上層の塗膜を形成する方法で
ある。
【0026】また各塗膜層を複数回塗装することも可能
である。なお塗膜層を焼き付ける場合は、80〜160
℃で所定時間焼き付けを行う。高隠蔽性塗膜層の乾燥膜
厚は、5〜30μmが好ましく、より好ましくは10〜
20μmである。
【0027】本発明では上記基材に対して高隠蔽性塗膜
層を形成する前に、中塗り塗膜層を形成することができ
る。中塗り塗膜層の下層に、下塗り塗膜層を形成する場
合は、下塗り塗膜層とはW/Dにより、中塗り塗膜層を
形成することが好ましい。中塗り塗膜層は、溶剤型塗
料、水性塗料または粉体型塗料により形成してもよい。
なお中塗り塗膜層の形成に用いる塗料のビヒクル、顔料
および必要に応じて加える添加剤等は上記高隠蔽性塗料
組成物のところで例示したものを使用できる。
【0028】上記中塗り塗膜層の乾燥膜厚は、20〜1
00μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低
下する恐れがある。より好ましくは30〜50μmであ
る。次いで、上記中塗り塗膜層の上に、上記高隠蔽性塗
料組成物を用いて高隠蔽性塗膜層を形成する。この高隠
蔽性塗膜層は、上記中塗り塗膜層と上記W/Dにより形
成することが好ましい。高隠蔽性塗膜層の乾燥膜厚は、
5〜30μmが好ましく、より好ましくは10〜20μ
mである。
【0029】さらに上記高隠蔽性塗膜層上には、トップ
コート層として、上記クリヤー上塗り塗膜層を少なくと
も一層形成してもよい。クリヤー上塗り塗膜層の乾燥膜
厚は、20〜100μmが好ましく、この範囲を外れる
と塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは30
〜50μmである。
【0030】このクリヤー上塗り塗膜層としては、一般
的なクリヤー塗料を用いることができ、さらには半透明
感を付与した、いわゆる濁りクリヤー塗膜層を用いても
よい。また、クリヤー上塗り塗膜層は、溶剤型塗料、水
性塗料または粉体型塗料から形成してもよい。溶剤型塗
料または水性塗料としては、一液型塗料を用いてもよい
し、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型塗料を用
いてもよい。高隠蔽性塗膜層の上にクリヤー上塗り塗膜
層を形成することにより、光沢向上することができる。
上記クリヤー塗料としては、上塗り用として一般に使用
されているものを用いることができ、上記の熱硬化性樹
脂と架橋剤とを混合したものを用いることができる。特
に、特公平8−19315号公報に記載されたカルボキ
シル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有
するクリヤー塗料が、酸性雨対策という観点から好まし
く用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要に
応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体
質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散
剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
【0031】複層塗膜 本発明の複層塗膜は、先の塗膜形成方法により得られる
ものであり、基材上に形成されたものであって、複層塗
膜を構成する層のうち、少なくとも一層が先の高隠蔽性
塗料組成物を用いて形成された高隠蔽性塗膜層である。
好ましくは、上記複層塗膜が、下塗り塗膜層、中塗り塗
膜層、次いで高隠蔽性塗膜層、さらに必要によりクリヤ
ー上塗り塗膜層から形成されているものである。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。また原材料、塗料、機器の
名称は、特に断りのない限り商品名を表す。
【0033】実施例1〜8,比較例1〜2 基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(商品名:「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成
処理した後、カチオン電着塗料(商品名:「パワートッ
プU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μ
mとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30
分間焼き付けた後、中塗り塗料(「オルガS−90シー
ラー」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとな
るようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼
き付け、中塗り塗膜層を形成し、基材を得た。
【0034】高隠蔽性塗料組成物の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20,00
0、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、
メラミン樹脂(商品名:「ユーバン20SE」、三井化
学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質
量比で配合して得たビヒクルに対し、表1に示した種類
と量のペリレン系顔料と酸化鉄顔料、必要に応じ表1に
示す種類と量の光輝性顔料および/またはその他の着色
顔料を配合した。なお比較例としては、酸化鉄顔料を除
いたものを用いた。次いで、有機溶剤(トルエン/キシ
レン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/
10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるよ
うに攪拌混合し、高隠蔽性塗料を調製した。
【0035】クリヤー塗料 クリヤー塗料は、以下の塗料を使用した。 A…アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(商品名:「ス
ーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社
製)、 B…カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリ
マーのブレンドからなる溶剤型クリヤー塗料(商品名:
「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社
製)の2種類である。
【0036】複層塗膜の形成 基材の被塗面に、上記中塗り塗膜層を乾燥膜厚が50μ
mとなるように塗膜層を形成し、次いで表1に示す高隠
蔽性塗膜層を形成する塗料により高隠蔽性塗膜層を乾燥
膜厚が30μmとなるよう塗装し、次いでW/Wで、ク
リヤー上塗り塗膜層を乾燥膜厚が50μmとなるように
塗装し複層塗膜を形成した。焼付条件は、140℃で、
20分であった。得られた塗膜の隠蔽性および色調につ
いて、下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。
【0037】評価方法 隠蔽性:白黒隠蔽紙での隠蔽膜厚を評価した。 色調:形成された塗膜における彩度の程度を目視で評価
した。 3…高彩度感が顕著にあり 2…高彩度感が少しあり 1…高彩度感なし
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の高隠蔽性塗料組成物を用いた塗膜形成方法
により複層塗膜を形成したもので、ペリレン系顔料の配
合量を増やすことなく、ペリレン系顔料の有する鮮明な
色相を維持し、隠蔽性が良好で高彩度な色調を発現した
複層塗膜が得られた。
【0040】一方、比較例では酸化鉄顔料を含まないた
め、上記実施例で得られたような複層塗膜は得られなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明の高隠蔽性塗料組成物は、ペリレ
ン系顔料、酸化鉄顔料およびビヒクルを含有するため、
この塗料により形成された複層塗膜は、ペリレン系顔料
の配合量を増やすことなく、ペリレン系顔料の有する鮮
明な色相を維持し、隠蔽性が良好で高彩度な色調を発現
することが可能である。
【0042】本発明の複層塗膜は、上記色調を呈するた
め、自動車、二輪車等の乗物外板、これらの部品、各種
容器外面、コイルコーティング、家具、家電業界、通信
業界等の高隠蔽性で高彩度が要求される分野において好
ましく使用される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 CA18 CA32 CB07 DA06 DB02 DB06 DB07 DB12 DB13 DB18 DB20 DB21 DB36 DB38 DB40 DB43 DB47 DB48 DB50 DB53 DB61 DC10 DC12 DC13 DC18 DC38 DC41 EA06 EA07 EA10 EB14 EB16 EB20 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB37 EB38 EB39 EB45 EC02 EC07 EC11 EC54 4J038 CD091 CG001 DB001 DD001 DD121 DF001 DG001 GA03 GA06 GA07 GA09 HA216 KA08 MA07 MA10 NA01 NA03 NA14 NA19 PA07 PA19 PB05 PB07 PB12 PC02 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペリレン系顔料、酸化鉄顔料およびビヒク
    ルを含有する高隠蔽性塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記酸化鉄顔料が、透明酸化鉄顔料である
    請求項1記載の高隠蔽性塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記酸化鉄顔料と前記ペリレン系顔料との
    含有量固形分比率が、50/50〜0.1/99.9で
    ある請求項1または2記載の高隠蔽性塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記酸化鉄顔料および前記ペリレン系顔料
    の含有量の総量が、塗料固形分に対して10〜30質量
    %である請求項1から3いずれか1項記載の高隠蔽性塗
    料組成物。
  5. 【請求項5】複層塗膜を構成する層のうち、少なくとも
    一層の形成に、請求項1から4いずれか1項記載の高隠
    蔽性塗料組成物を用いる塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】基材上に、下塗り塗膜層、中塗り塗膜層お
    よび上塗り塗膜層を順次形成する複層塗膜を形成する方
    法であって、前記上塗り塗膜層が、請求項1から4いず
    れか1項記載の高隠蔽性塗料組成物により高隠蔽性塗膜
    層が形成される塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の塗膜形成方法によ
    り得られた複層塗膜。
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