JP5841957B2 - 縦型洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は回転翼を回転させて衣類の洗浄やすすぎを行い、更に洗濯槽を回転して衣類の脱水を行い、その後に洗濯槽に温風、或いは乾燥風を吹き込んで衣類を乾燥する機能を備えた縦型洗濯乾燥機に関するものである。
縦型洗濯乾燥機はドラム型洗濯乾燥機とは異なり、縦に設置された洗濯槽の底部に回転翼を設け、この回転翼を正逆回転させ洗濯を行っている。そして、洗濯槽を回転させて脱水を終了した後の乾燥工程では、衣類の水分を含んだ空気は循環経路に導入され、この循環経路に設けられた水冷除湿機構により水分が取り除かれた後にヒータで加熱されて温度が高い空気とされ、その後に送風ファンを利用して洗濯槽の上方から洗濯槽内へ再び吹き出すような構成にされている。このような洗濯乾燥機は例えば、特開2002−346272号公報(特許文献1)に記載されている。
また、この他に、衣類の乾燥効率を向上するために乾燥用の温風を洗濯槽の下部に設けたノズルから吹き出し、積極的に衣類を撹拌することで乾燥を助長する洗濯乾燥機も提案されている。このような洗濯乾燥機は例えば、特開平09-774号公報(特許文献2)に記載されている。
特開2002−346272号公報 特開平09−774号公報
ところで、このような縦型洗濯乾燥機ではドラム式洗濯乾燥機とは乾燥原理が根本的に異なり、衣類は洗濯槽の底に集まって動き難いという性質がある。このため、特許文献1や特許文献2に記載された技術では回転翼を回転させて衣類を撹拌し、この撹拌された衣類に温風を吹き付けて衣類を乾燥するようにしている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された技術では如何に衣類を撹拌しても衣類の『皺』が残ったままの撹拌となり、最終的に乾燥が終了した時にはこの『皺』が残った状態で衣類が乾燥されてしまうという課題があった。
本発明の目的は、このような『皺』の発生を抑制して乾燥仕上りの良い乾燥機能を備えた縦型洗濯乾燥機を提供することにある。
本発明の特徴は、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の底部、或いは側部、或いはこれらの両方から噴き出る撹拌用の空気、好ましくは温風で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させる、ところにある。
ここで、乾燥用の空気、及び撹拌用の空気とは温風の他に湿度が低い空気を含み、必ずしも温度が高いことを必要条件とはしないものである。
本発明によれば、撹拌用の空気によって衣類を舞い上がらせ、これに乾燥用の空気を吹き付けることによって衣類の『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができる。
本発明が適用される縦型洗濯乾燥機の外観図である。 図1に示す縦型洗濯乾燥機の断面を示す縦断面図である。 図1に示す制御装置の構成を示す構成図である。 図1に示す制御装置に使用されているマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。 図1に示す制御装置に使用されているマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。 本発明の一実施例になる縦型洗濯乾燥機で、洗濯槽の側面から温風を吹き出す構成を示す縦断面図である。 図6に示す外槽カバーを上面から見た上面図である。 図7のA−A断面を示す断面図である。 図6に示す回転翼の構成を示す外観斜視図である。 図6に示す洗濯槽の側面から温風を吹き出す部分を拡大した拡大縦断面図である。 図10の洗濯槽の側面から温風を吹き出す部分を斜めから見た拡大部分斜視図である。 本発明の他の実施例になる縦型洗濯乾燥機で、回転翼の表面から温風を吹き出す構成を示す縦断面図である。 図12に示す回転翼の表面から温風を吹き出す部分を拡大した拡大縦断面図である。 図13の回転翼の表面から温風を吹き出す部分を斜めから見た拡大部分斜視図である。 図6に示した実施例における、マイクロコンピュータが実行する制御処理の一例を示す制御フローの前半部を示したフローチャートである。 図15Aに示した制御フローの後半部を示したフローチャートである。 図12に示した実施例における、マイクロコンピュータが実行する制御処理の一例を示す制御フローの前半部を示したフローチャートである。 図16Aに示した制御フローの後半部を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
まず、本発明が適用される縦型洗濯乾燥機の構成とその動作について説明する。この種の縦型洗濯乾燥機は洗濯および乾燥を実行するものであって、基本的には次のようにして洗濯および乾燥を実行するものである。
洗濯水を溜める外槽内に内槽である洗濯槽を回転可能に設置し、この洗濯槽の底部中央に回転翼を回転可能に設置する。この回転翼には、回転することによって回転翼上に投入されている洗濯物に上向きの分力を繰り返し作用させるなだらかな傾斜面で形成する複数の隆起部を設ける。洗濯槽と回転翼は、駆動機構によって選択的に回転駆動するように構成する。
更に、洗剤投入器および該洗剤投入器内の粉末洗剤を外槽の底部に導入する洗剤給水機構と、外槽内に洗濯水を給水する給水機構と外槽内の洗濯水を排水する排水機構と、外槽の底部の洗濯水を洗濯槽の上方から洗濯槽内に降り掛けるように循環させる洗濯水循環機構と、外槽内の空気を吸い出して水冷除湿した後に加熱して洗濯槽内に吹き込むように循環させて洗濯物を乾燥させる空気循環除湿機構と、駆動機構と給水機構と排水機構と洗濯水循環機構と空気循環除湿機構を制御する制御装置を設ける。
そして、制御装置は、次のように洗濯および乾燥工程を制御する。
洗い工程では、その後の洗い工程において前記回転翼の上面を越えない水位または僅かに越える水位を維持して前記外槽の底部に溜まるように給水して粉末洗剤を溶かすことによって外槽の底部に高洗剤濃度の洗い水を生成し、この洗い水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼を正逆回転させて洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させることによって押し洗いする。
濯ぎ工程では、洗い工程と同様に、回転翼の上面を越えない水位または僅かに越える水位を維持して外槽の底部に溜まるように給水した濯ぎ水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼を正逆回転させて洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させることによって洗濯物に含まれる洗い水(洗剤成分)を押し出す濯ぎを行う。
そして、乾燥工程では、回転翼を正逆回転させながら外槽内の空気を吸いこんで水冷除湿した後に加熱して洗濯槽内に吹き込むように循環させて洗濯物を乾燥させる。
次に、このような構成と動作を行なう縦型洗濯乾燥機のその詳細な構成を説明する。図1は縦型洗濯乾燥機100の外観図であり、図2は内部構造を示す縦断面図である。
図1において、参照番号1は外郭を構成する四角筒状の外枠である。参照番号2は外枠1の上部に取り付けられたトップカバーである。トップカバー2の前側には洗濯物投入口2aを設けてある。参照番号3はトップカバー2の洗濯物投入口2aを覆うように取り付けられた外蓋3である。外蓋3は取っ手3aを上方に引くと図2中二点鎖線で示すように中央で折り曲げて開くようになっている。外蓋3の前側に各種操作ボタンスイッチ6、6aや表示器7、25を備えた操作パネル8を設けてある。操作パネル8は機体底部に設けた制御装置14に電気的に接続している。参照番号5はトップカバー2の前面に設けた電源スイッチである。トップカバー2の後部には給水電磁弁4やヒータ20、送風ファン19などの給水、乾燥に関連する部品を、トップカバー2の前側には洗剤・仕上げ剤容器28を内蔵している。
参照番号9は、洗濯槽で、その外周壁に通水および通風のための多数の小さな貫通孔9aを有し、その底壁に通水および通風のための複数の貫通穴9bを有し、その上縁部に流体バランサー9cを備え、底部の内側には回転自在に回転翼11を回転可能に設置する。回転翼11の詳細は後述する。
参照番号10は、前記洗濯槽を内包する外槽であり、その底部の外側には洗濯脱水駆動装置を取り付ける。この外槽10は、外枠1の上端部の四隅部に設けた隅板に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置(図示せず)を介して外槽10の四方位を係合させて均等に支持することにより外枠1の中心部に懸垂する。
洗濯脱水駆動装置は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12を制御することによって、洗濯槽9を静止させるように係止または自由に回転できるように解放した状態で回転翼11を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、洗濯槽9と回転翼11を一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードを選択的に実行する駆動機能を有する。
参照番号27は振動センサで、外槽10の側面外側に設置してあり、洗濯時や洗濯槽9が高速回転する脱水時の外槽10の振動を検出する。
参照番号31は外槽10の上面に設けた槽カバーである。槽カバー31の前側から約2/3の部分には洗濯物投入口31aを有し、後面31bには槽カバー31の上面と下面を連通する温風吹き出し口(図示せず)、給水入口(図示せず)、循環水入口33が設けてある。また、槽カバー31の前方には、洗剤・柔軟仕上げ剤入口28aが設けてある。
参照番号23は、洗濯物投入口31aを覆うように設けた内蓋である。内蓋23は、ヒンジ23bで開閉自在に取り付けられており、取っ手23aを上方に持ち上げることで、内蓋23のロック(図示せず)が解除され図中一点鎖線で示すように開き、取っ手23aを下方に押すことでロックされるようになっている。参照番号30は槽カバー31の後面31bの下面(洗濯槽9側)に設けた循環水カバーである。
参照番号22は、乾燥ダクトで、乾燥通水通気口10bと温風吹き出し口との間を接続する。乾燥ダクト22の途中には、送風ファン19、ヒータ20、リントフィルタ(図示せず)、除湿機構22b、温度センサ26が設けてある。送風ファン19を運転し、ヒータ20に通電すると、洗濯槽9内に温風が吹き込み、洗濯物を温め水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、貫通穴9a、9bを通り外槽10に出て、通水通気口10bから乾燥ダクト22に吸い込まれ、除湿機構22bを流下する冷却水で冷却除湿されて乾いた低温空気となり、ヒータ20で再度加熱され、洗濯槽9内に吹き込むように循環する。
参照番号29a、29b、29c、29d、29e、29fは、ゴム製の蛇腹管で、振動変位する外槽10や外槽カバー31と固定側(外枠1やトップカバー2など)に設けた乾燥ダクト22や給水電磁弁4、循環ポンプ16などとの接続用に用いている。
給水電磁弁4は、本実施例では4方向に給水を行えるよう4連弁を使用している。一つ目は洗濯給水電磁弁で、給水入口に接続され、洗濯槽9内に給水する。二つ目は洗剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の洗剤投入室に接続されている。三つ目は仕上げ剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の仕上げ剤投入室に接続されている。洗剤・仕上げ剤容器28は、洗剤・仕上げ剤入口28aとつながっており、外槽10内に洗剤や仕上げ剤が供給される。四つ目は後述する除湿機構22bに接続されている。
外槽10の底面には、エアトラップ21aが設けてあり、内部の圧力がチューブ21bを介して水位センサ21に伝えられ、外槽9内の洗濯水の水位を検知する。
参照番号17は洗濯水の循環パイプで、外槽底部に設けた通水通気口10bと循環水入口33との間を接続する。循環パイプ17の途中には、機体底部に設けた循環ポンプ16、異物トラップ18があり、異物トラップ18には排水弁15を介して排水ホース24が接続している。
循環ポンプ16を運転すると、外槽10内の洗濯水は、外槽底部に設けた通水通気口10bから循環パイプ17を通り外槽10の上部に運ばれ、槽カバー31の循環水入口33から循環水カバー30に入り、糸屑フィルタ38で糸屑を取り除かれ、ノズル34から洗濯槽9内に散水される。
図3は洗濯乾燥機の制御部のブロック図である。参照番号40はマイクロコンピュータで、各スイッチ6、6aに接続される操作ボタン入力回路41や水位センサ21、温度センサ26、振動センサ27と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程、乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ40からの出力は駆動回路42に接続され、給水電磁弁4、クラッチ12、排水弁15、循環ポンプ16、電動機13、送風ファン19、ヒータ20などに接続され、これらの開閉や回転、通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオード表示器25や発光ダイオード7、ブザー43に接続される。
マイクロコンピュータ40は電源スイッチ5が押されて電源が投入されると起動し、図4及び図5に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。以下のその制御フローを説明する。
≪ステップS101≫
洗濯乾燥機の状態確認および初期設定を行う。
≪ステップS102≫
操作パネル8の表示器7を点灯表示し、操作ボタンスイッチ6からの指示入力に従って洗濯コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯コースまたは前回実施の洗濯コースを自動的に設定する。
≪ステップS103≫
操作パネル8の操作ボタンスイッチ6におけるスタートスイッチ6aからの指示入力を監視して処理を分岐する。
≪ステップS104≫
洗剤量検出処理を実行する。この洗剤量検出は、洗い水を給水する前の乾布状態において、洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を一方向に回転させたときに、回転翼11に作用する回転負荷量に基づいて洗濯物の布量を検出するように洗濯脱水駆動装置における洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12を制御し、検出した布量に基づいて洗剤の適量(洗剤量)を求めることによって行う。
洗剤量は、予め設定した布量と洗剤量の対照テーブルを参照することによって求める。具体的には、布量の検出は、洗濯脱水駆動電動機13としてインバータ駆動電動機を使用した構成では、洗濯脱水駆動電動機13を回転させるように所定時間給電した時の到達回転速度を検出することによって行う。洗濯脱水駆動電動機13としてコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した構成では、洗濯脱水駆動電動機13を飽和回転速度まで上昇させるように給電した状態で断電した後の惰性回転減速特性を検出することによって行う。そして、好ましい洗剤量は、予め設定した布量と洗剤量の対照テーブルを参照することによって求める。
洗濯水量は、布量が所定の布量の範囲(適量)内のときには回転翼11を越えない水位を維持して外槽10の底部に溜まるように洗濯水量を設定する。また、この検出結果(布量)に基づいて洗濯時間を求めて設定する。布量検出が行われない時には、標準の洗濯時間を設定する。
≪ステップS105≫
求めた洗剤量を操作パネル8の表示器25に表示する。
≪ステップS106≫
洗剤給水電磁弁を開き、洗剤・柔軟仕上げ剤容器28の洗剤投入室に洗剤給水を実行する。使用者は、表示された量の粉末洗剤を洗剤・柔軟仕上げ剤容器28洗剤投入室に投入した後、外蓋3を閉じるように操作する。洗剤給水が流れている洗剤投入室に投入された粉末洗剤は、洗剤給水の水と共に洗剤・柔軟仕上げ剤入口28aを通り外槽10の底部に落下する。
≪ステップS107≫
洗剤溶かし水位まで給水したら給水を停止する。この実施例では、洗剤給水量を洗剤量(布量)に関わらず約10リットルに設定した。この水量は、この後の洗剤溶かし工程(ステップS108)で洗濯槽9を回転させたときに、洗濯槽9の底で給水した水と洗剤を攪拌するのに十分な水量で、かつ水面が回転翼11の下面の高さより低くなる(洗濯物が洗剤溶かし前に濡れない)ように設定したものである。
≪ステップS108≫
洗濯槽9と回転翼11を一体的に一方向に緩速回転(約毎分70回転)させることによって、該洗濯槽9の底面で外槽10の底部に投入された洗剤溶かし水と粉末洗剤を攪拌して高洗剤濃度の洗い水を生成する洗剤溶かしを実行する。洗剤溶かしの時間は、1分間あれば十分である。低温(低水温)、溶けにくい粉末洗剤の条件でも約90%の溶解率となる。生成した洗い水の洗剤濃度は、約7倍である。ここで、標準濃度は、粉末洗剤量20グラム/洗い水量30リットルの割合である。
≪ステップS109≫
前洗いを実行する。この前洗いは、洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を正逆回転させる撹拌を間欠的に行ない、回転翼11の正逆回転中に循環ポンプ16を運転することによって外槽10の底部の洗い水をノズル34から洗濯物上に降り掛ける。回転翼11と循環ポンプ16の停止期間中に水位センサ21の検出信号を参照しながら洗剤給水電磁弁および洗濯給水電磁弁を開いて水位が設定水位を越えないように補給水する。この運転を複数回繰り返すことによって洗濯物を洗い水に馴染ませて回転翼11上に分散させるように行なう。
第1回目の正逆回転時には、洗剤濃度が約7倍の洗い水が洗濯物に降り掛かって該洗濯物内に浸透していく。高濃度の洗い水は、ノズル34から洗濯物に散布されるため、洗剤の浸透作用で洗濯物にむらなく浸透する。洗濯物に浸透した高濃度の洗い水は、油の溶解能力が高く、油脂汚れを溶解し、洗濯物から汚れが浮き上がらせる効果が非常に大きく、高い洗浄力が得られる。
補給水を繰り返すことによって洗濯物に降り掛かる洗い水の洗剤濃度が低下して行き、前洗い終了段階では、標準濃度の2倍程度となる。
≪ステップS110≫
本洗いを実行する。この本洗いでは、先ず、前述と同様な方法で布量検出を行なって設定されている洗濯時間を補正して設定する。その後に、洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を正逆回転させながら循環ポンプ16を運転して外槽10の底部に溜った洗い水をノズル34から洗濯物に降り掛ける洗い水循環を行なう約2分間の撹拌と、循環ポンプ16の運転を停止して洗い水の循環を止めた状態で回転翼4を正逆回転させる約1分間の布ほぐし撹拌を繰り返す。回転翼11の正逆回転により、洗濯物は洗濯槽9内で円周方向および半径方向に入れ替わり、満遍なく洗浄される。最後に、循環ポンプ16の運転を停止して洗い水の循環を止めた状態で回転翼11を正逆回転させる約1分間の均一化撹拌を実行して本洗い時間を終了させるようにする。
≪ステップS111≫
第1回目の溜めすすぎを実行する。この溜めすすぎでは、先ず、排水弁15を開いて外槽10の底部に溜っている洗い水を排水した後に、洗濯槽9と回転翼11を一体的に一方向に回転させて洗濯物に含まれている洗い水を遠心脱水する。この洗い水脱水時の洗濯槽9と回転翼11の回転速度は、後述する最終脱水における回転速度(約1000rpm)と同様に設定し、高い脱水率を実現するように脱水運転を行なう。
その後、排水電磁弁15を閉じて洗濯槽9と回転翼11を一体的に一方向に緩速回転(35〜40rpm)させながら、洗濯給水電磁弁を開放して水道水を散水口から回転翼11上の洗濯物に降り掛けるように給水する。
次に、洗濯槽9と回転翼11の回転を停止した状態で、外槽10の底部の水位が設定水位を越えないようにすすぎ水給水を行なう。
次に、本洗いにおける押し洗い撹拌と同様に、洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を正逆回転させながら、循環ポンプ16を運転して外槽10の底部に溜ったすすぎ水をノズル34から回転翼11上の洗濯物に降り掛けるように循環させる、すすぎ水循環撹拌すすぎを実行する。
次に、回転翼11の回転と循環ポンプ16の運転を停止した状態で、外槽10の底部に溜るすすぎ水の水位を検出しながら、水位が設定水位を越えないように補給水を行なう。
次に洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を正逆回転させながら、循環ポンプ16を運転して、外槽10の底部に溜ったすすぎ水をノズル34から回転翼11上の洗濯物に降り掛けるように循環させる、すすぎ水循環撹拌すすぎを実行する。洗い時と同様、洗濯槽9内の洗濯物は円周方向と半径方向に入れ替わるので、すすぎ水が洗濯物に満遍なくかかり、洗剤分が希釈される。
その後、循環ポンプ16を停止してすすぎ水の循環を止めた状態で、回転翼11の正逆回転を継続する均一化撹拌を行なう。
≪ステップS112≫
第2回目の溜めすすぎを実行する。この第2回目の溜め濯ぎは、柔軟仕上げ剤給水電磁弁を開いて洗剤・柔軟剤投入容器28における柔軟仕上げ剤投入室に給水することによって、該柔軟仕上げ剤投入室内の柔軟仕上げ剤を外槽10の底部に導入する制御を付加する。それ以外の動作は、第1回目の溜め濯ぎと同様に行なう。
≪ステップS113≫
最終脱水処理を実行する。最終脱水は、排水電磁弁15を開放としたままの状態で、洗濯槽9と回転翼11を一体的にして、一方向に約1000rpmの高速回転させるように洗濯脱水駆動装置を運転して、洗濯槽9内の洗濯物を遠心脱水するように行う。この最終脱水の運転時間は、所望の脱水率が得られる時間に設定する。
≪ステップS114≫
洗濯乾燥コースが設定されているかどうかを確認して処理を分岐する。
≪ステップS115≫
洗濯乾燥コースが設定されている場合は、乾燥を実行する。この乾燥は、排水電磁弁15を開放したままの状態として、洗濯工程と同様に、洗濯槽9を静止させた状態で回転翼11を正逆回転させながら、乾燥ダクト22の途中に設けた送風ファン19を運転することによって、外槽10内の空気を通水通気口10bから乾燥ダクト22内に吸い出し、この乾燥ダクト22内を通過するときに該乾燥ダクト22内に設置した除湿機構22bから流れ落ちる冷却水に触れさせて、冷却除湿した後にリントフィルタを通して糸屑を捕集し、ヒータ20によって加熱した後に温風吹き出し口から洗濯槽9内に吹き込むことにより行う。乾燥は、温度センサ26により温風の温度を監視しながら実行し、温度変化の割合が所定の値になったときに終了する。
このような構成を備えた縦型洗濯乾燥機において、次に本発明の特徴的な構成とその動作を説明する。ここで、先ず本発明の具体的な構成と概略の機能を説明し、その後で具体的な制御動作を説明することとする。
ここで、以下に示す実施例においては、温風を洗濯槽9の側面部から吹き出す実施例と、温風を回転翼11の表面からから吹き出す実施例とに分けて説明する。このように温風の吹き出し箇所を分ける理由の一つは回転翼11の構成によって衣類の挙動が異なるからである。
例えば、回転翼11が回転することによって衣類を外周側に移動させやすい形状に構成されている場合は、温風を洗濯槽9の側面部から吹き出す実施例を採用するのが望ましい。
また、回転翼11を回転させても衣類が外周側に移動し難い形状に構成されている場合、或いは回転翼11を回転させない場合は、温風を回転翼11の表面から吹き出す実施例を採用するのが望ましい。
このような観点から図6は温風を洗濯槽9の側面部から吹き出す実施例を示し、図12は温風を回転翼11の表面から吹き出す実施例を示している。以下、実施例毎にその詳細を説明する。
図6は本発明の一実施形態になる縦型洗濯乾燥機の要部断面を示し、特に外槽10より内側の内部構成を示している。この実施例は上述したように洗濯槽9の側面部から撹拌用空気を吹き出す構成を示している。
図6において、参照番号50は乾燥機構である乾燥ユニットを示しており、この乾燥ユニット50は図2で示す送風ファン19、ヒータ20等を内蔵しているものである。この乾燥ユニット50の出口には蛇腹管29bが接続されており、この蛇腹管29bは洗濯槽9に開口した温風吹き出し口に接続されている。
そして、図7、図8に示してあるように、外槽カバー31bには蛇腹管29bが固定される蛇腹固定部51と洗濯槽9の内側中央に向けて指向された風向板52が一体的に形成されている。更に蛇腹固定部51には乾燥ユニット50から送られてきた温風AW1を分岐させる温風分岐孔53Aが形成されている。温風分岐孔53Aは後述するように洗濯槽9の側面部から温風を吹出すように分岐されている。
このように、蛇腹管29bから供給される温風AW1は洗濯槽9に開口した風向板52から洗濯槽9の内側中央に向けて温風AW2として吹き出されると共に、洗濯槽9の側面部から温風AW3を吹き出すように分岐される。この温風分岐孔53Aは温風AW3を送り出す通路を形成する通路形成管53Cに接続されている。通路接続管53Cはこれも外槽カバー31bに一体に形成されており、温風分岐孔53Aと通路接続管53Cに架け渡された通路形成体54によって温風AW3が流れるようになっている。
また、図6に示されているように蛇腹管29bから分岐して供給される温風AW3は洗濯槽9の内周側面に設けた側面吹出形成部57に供給される。この側面吹出形成部57は洗濯槽9の内周に等間隔に複数個設けられており、本実施例では90度毎に等間隔に4個設けられている。側面吹出形成部57に温風を供給するのは図8に示した通路接続管53Cから供給されるものである。この通路接続管53Cは図6に示した側面側温風通路58と接続されている。
側面吹出形成部57には温風吹出孔59が縦方向に複数設けられており、この温風吹出孔59を介して洗濯槽9の側面から温風が吹き出されるものである。この温風吹出孔59の指向方向は、本実施例においては洗濯槽9の内周壁面に対して直角に吹き出されている。しかしながら、上方向に傾けて吹き出すように指向しても良く、こうすれば、より衣類を舞い上がらせることができるようになる。
また、この温風吹出孔59と対向する付近の洗濯槽9の内周面に形成された貫通孔9aの総面積はこれに隣接する貫通孔9aの総面積より大きくされている。つまり、温風吹出孔59に対応する領域(相似的に拡大された形状も含む)に穿孔された貫通孔9aの総面積は、これ以外の同じ面積当たりの貫通孔9aの総面積より大きくなっている。これによって温風吹出孔59から吹き出された温風の抜けが良くなり、より撹拌作用を向上することができるようになる。
回転翼11は図9に示すような構成とされている。この回転翼11は回転することによって衣類を外周側に移動させやすい形状に構成されているものである。図9において、回転翼11の上面は複数の隆起部11Aとこの隆起部11Aの間に形成される谷部11Bとで構成され、回転翼11の回転中心Pを挟んで形成される2つの隆起部11Aと、この隆起部11A間に形成される2つの谷部11Bとを備えている。そして、隆起部11Aと谷部11Bは半径位置から外周側で一方向に略円弧上に湾曲しており、隆起部11Aと谷部11Bは、上方から見て略S字状をなしており、左右非対称で、回転中心Pに対して点対称となっている。
隆起部11Aは、回転中心から外周方向に向けて高さが徐々に高くなるように形成されている。また、谷部11Bは椀状凹曲面で形成されており、外側側に傾斜面11Lを有している。洗濯物の上下方向の動きを大きくするために、椀状の凹曲面の外周部11Mの高さを隆起部11Aの最高部の高さより低くしている。隆起部11Aの外周端面11Fは上部を中心側に倒すように傾斜させた傾斜面としている。
回転翼11を洗濯脱水駆動装置へ固定するために、回転中心Pの周辺に上方への膨出部11Nを設け、固定ねじを収容するスペースを確保している。谷部11Bの椀状凹曲面の底面には、隆起部11Aと同じ方向に湾曲した複数本の突条11Dを有する。湾曲の形状は隆起部11Aとほぼ同じである。突条11Dは谷底11Bを挟んで同一角度の位置に1箇所ずつ配置し、かつ回転中心Pに対して点対称の位置に設けてある(合計4箇所)。
また、回転翼11の上面には、複数個の球冠状の膨出部11Eを備える。膨出部11Eは隆起部11Aの頂上領域以外の部分に分散して配置してある。突条11Dと膨出部11Eは、洗濯板効果を有し洗浄力を向上させる。更に、回転翼11の上面には、通水のための多数の孔11Cを備える。この孔11Cは、隆起部11Aの頂上領域と突条11D、膨出部11E以外の部分に分散して配置してある。
尚、多数の孔11Cは後述するように回転翼11の表面から温風を吹き出すための温風吹出孔11Cとしても用いられるものである。したがって、以下の説明では多数の孔11Cを温風吹出孔11Cとして説明する。
以上のような構成において、次にその動作を説明する。図6、図10、及び図11は側面吹出形成部57から温風AW3を洗濯槽9の側面から吹き出す場合を示している。図6において、乾燥ユニット50から送られてきた温風AW1は外槽カバー31bに設けられた風向板52から洗濯槽9の上面内側に向かって斜め下向きの高速の温風AW2として吹き出し、主に湿った衣類Cを乾燥させる乾燥機能と、衣類Cの『皺』を伸ばす『皺伸ばし』機能を有している。そして、この『皺伸ばし』機能は衣類Cが洗濯槽9の底部に溜まった状態では十分機能せず、衣類Cを舞い上がらせて衣類が自由に動ける状態において十分機能するようになる。
この衣類Cを舞い上がらせる機能が以下に述べる側面吹出形成部57によって達成されるようになる。図6にあるように乾燥ユニット50から送られてきた温風AW1はその途中で温風分岐孔53Aに流れ込み、通路形成管53Cを通って外槽10の外周側に立設された側面側温風通路58に温風AW3として流れるようになる。側面側温風通路58に流れ出た温風AW3は繋ぎ継手60を介して外槽10の内部に流入して洗濯槽9の内周面に設けられた側面吹出形成部57に至り、側面吹出形成部57に穿孔して形成された温風吹出孔59より高速で吹き出すようになる。
ここで、側面吹出形成部57より上側の外槽10と洗濯槽9の間に環状空間は流体抵抗を大きくするようにして効率よく温風AW3が側面吹出形成部57に流れ込むように構成されている。この流体抵抗を大きくするためには種々の方法があるが、例えば環状空間の隙間を狭くする、環状空間にラビリンス構造を形成するといった方法がある。
このように、側面吹出形成部57に形成された温風吹出孔59から吹き出される高速の温風AW3は洗濯槽9の底部に溜まった衣類Cを舞い上がらせて撹拌するように作用する。この温風吹出孔59より吹き出す温風は温度が高いので衣類Cの乾燥にも寄与するものである。尚、撹拌用の空気は必ずしも温風である必要はなく、要は衣類Cを舞い上がらせる機能を有していれば良いものであるが、温風を使用すればより乾燥時間を短縮することができる。
ここで、側面から温風AW3を吹き出す場合は、衣類Cを洗濯槽9の内周壁面の近くに移送することが望ましく、このため、図9に示すような衣類を外側に移送することができる回転翼を用い、この回転翼11を回転させて遠心力によって衣類Cを洗濯槽9の内周壁面の近くに移送させ、この状態で、側面吹出形成部57から温風AW3を吹き付けることで衣類Cを効率よく舞い上がらせるようにしている。したがって、側面吹出形成部57の設置位置は洗濯槽9の底面近くに設けるのが良く、実際には回転翼11の最外周付近の高さに合わせて設けられるのが良い。
また、衣類Cは湿っているとその重量が重くなるので、或る程度乾燥した状態で舞い上がるようにすることが必要である。このため、風向板52から吹き出す乾燥用の空気によって予め所定の乾燥度(乾燥率)まで衣類Cの乾燥を進行させておくことも重要である。このような制御動作については追って制御フローチャートを用いて説明する。
図10、図11は乾燥工程の状態を示したものであり、側面側温風通路58を流れてきた温風AW3は繋ぎ継ぎ手60を通って外槽10と洗濯槽9の間に流れ込み、更に側面吹出形成部57に形成した温風吹出孔59から吹き出すようになる。この時、回転翼11は低速で回転されているので、衣類Cは回転翼11の遠心力によって外側に移送されている。このため、衣類Cは洗濯槽9の内周側面に設けられた側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す高速の温風によって吹き飛ばされ洗濯槽9内で舞い上がるようになる。
舞い上がった衣類Cは重力や風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の風圧によって降下するが、再び側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す高速の温風AW3によって舞い上げられ、これを繰り返すようになる。この状態で衣類Cには風向板52から高速の乾燥用の温風が吹き出しているので、衣類Cに残留している水分は蒸発されて乾燥が進行し、更にこの過程で高速の温風AW2が衣類Cに作用するため、衣類Cの表面、或いは裏面が温風AW2によって押されたり、引っ張られたりして『皺』が伸ばされるようになるものである。
ここで、風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の速度は側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す温風AW3より吹き出し速度が大きく設定されている。このように、風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2大きくすると『皺』を効率よく伸ばすことが可能となる。発明者等の実験によると風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の速度は50m/S以上であれば良く、望ましくは60m/S以上の速度で有れば衣類の『皺』を引き延ばす効果が大きいことが判明した。したがって、側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す温風によって吹き飛ばされて舞い上がった衣類に、60m/S以上の速度の温風AW2が万遍なく吹き付けられることによって、衣類に形成された『皺』が引き伸ばされて『皺』が解消できるようになるものである。尚、風向板52から吹き出す温風AW2の速度は後述する回転翼11の表面から温風AW3を吹き出す実施例においても同じような速度に設定されるものである。
このようにして、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の側部から吹き出る撹拌用の空気で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させることで衣類の乾燥と同時に『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができる。
次に、洗濯槽9の回転翼11の表面から撹拌用の空気を吹き出す実施例の構成とその動作を説明する。尚、図12に示す構成は図6に示す側面側吹出形成部57の温風吹出孔59を備えたものを基礎として示している。したがって、図6に示す構成と図12に示す構成の両方の構成を備えていることになるが、以下の説明では回転翼11の表面から温風を吹き出す構成について説明する。
図12において、蛇腹管29bから分岐して通路接続管53Cから供給される温風AW3は底面側温風通路55を介して外槽10の底面と洗濯槽9の底面の間の底部空間56に供給される。底部空間56は洗濯槽9の底部に設けた貫通孔9b(図2を参照)を介して回転翼11の底部と接続されている。回転翼11にはその表面と裏面を接続する温風吹出孔11Cが形成されている。
図12、図13、及び図14は回転翼11から温風AW3を洗濯槽9の上面側に向かって吹き出す場合を示している。図12において、乾燥ユニット50から送られてきた温風AW1は外槽カバー31bに設けられた風向板52から洗濯槽9の上面に向かって高速の温風AW2として吹き出し、主に湿った衣類Cを乾燥させる乾燥機能と、衣類Cの『皺』を伸ばす『皺伸ばし』機能を有している。そして、この『皺伸ばし』機能は衣類Cが洗濯槽9の底部に溜まった状態では十分機能せず、衣類Cを舞い上がらせて衣類が自由に動ける状態において十分機能するようになる。
この衣類Cを舞い上がらせる機能が以下に述べる回転翼11から吹き出す温風によって達成されるようになる。図12にあるように乾燥ユニット50から送られてきた温風AW1はその途中で温風分岐孔53Aに流れ込み、通路形成管53Cを通って外槽10の外周側に立設された底面側温風通路55に温風AW3として流れるようになる。
底面側温風通路55に流れ出た温風AW3は洗濯槽9の底面と外槽10の底面とで構成される底部空間56に流入する。そして、底部空間56に流入した温風AW3は洗濯槽9の貫通孔9bを通って回転翼11の底面に到達し、その後に回転翼11に形成した温風吹出孔11Cから洗濯槽9の上側に向かって高速で吹き出すようになる。
ここで、洗濯槽9の底面部と外槽10との間の環状空間は流体抵抗を大きくするようにして効率よく温風AW3が回転翼11側に流れ込むように構成されている。この流体抵抗を大きくするためには種々の方法があるが、本実施例では環状空間の隙間を狭くするように構成されている。
このように、回転翼11に形成された温風吹出孔11Cから吹き出される高速の温風AW3は洗濯槽9の底部に溜まった衣類Cを舞い上がらせて撹拌するように作用する。この温風吹出孔11Cより吹き出す温風は温度が高いので衣類Cの乾燥にも寄与するものである。また、回転翼11の温風吹出孔11Cから温風AW3を吹き出すことで衣類Cを効率よく舞い上がらせるようにしている。
ここで、回転翼11の温風吹出孔11Cから温風AW3を吹き出す場合は、洗濯槽9の側面から吹き出す場合に比べて回転翼11を頻繁に回転させる必要が無い。この点で消費電力を低くする効果が期待できる。更に、回転翼11が衣類を外周側に移送する作用が少ない回転翼を備えた洗濯機にも使用することが可能である。
また、衣類Cは湿っているとその重量が重くなるので、或る程度乾燥した状態で舞い上がるようにすることが必要である。このため、風向板52から吹き出す乾燥用の空気によって予め所定の乾燥度(乾燥率)まで衣類Cの乾燥を進行させておくことも重要である。このような制御動作については追って制御フローチャートを用いて説明する。
図13、図14は乾燥工程の状態を示したものであり、底面側温風通路55を流れてきた温風AW3は外槽10と洗濯槽9の間の底部空間56に流れ込み、更に回転翼11に形成した温風吹出孔11Cから吹き出すようになる。このため、衣類Cは回転翼11の温風吹出孔11Cから吹き出す高速の温風によって上側に吹き上げられ、洗濯槽9内で舞い上がるようになる。舞い上がった衣類Cは重力や風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の風圧によって降下するが、再び回転翼11の温風吹出孔11Cから吹き出す高速の温風AW3によって舞い上げられ、これを繰り返すようになる。
この状態で衣類Cには風向板52から高速の乾燥用の温風AW2が吹き出しているので、衣類Cに残留している水分は蒸発されて乾燥が進行し、更に、この過程で高速の温風AW2が衣類Cに作用するため、衣類Cの表面、或いは裏面が温風AW2によって押されたり、引っ張られたりして『皺』が伸ばされるようになるものである。ここで、風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の速度は回転翼11に形成した温風吹出孔11Cから吹き出す温風AW3より吹き出し速度が大きく設定されている。このように、風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2大きくすると『皺』を効率よく伸ばすことが可能となる。
このようにして、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の側部から吹き出る撹拌用の空気で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させることで衣類の乾燥と同時に『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができる。
以上に示した洗濯槽9の側面から温風を吹き出す実施例と、回転翼11の表面から温風を吹き出す実施例を個別に説明したが、両方の温風を同時に吹き出すような制御を行なっても良いことはいうまでもない。この場合は、図8にある蛇腹固定部51にヒータユニット50から送られてくる温風AW1を2つに分岐させる温風分岐孔を形成し、これらの分岐孔に底面側温風通路55と側面側温風通路58を夫々接続するように構成すれば良い。このような構成によって、洗濯槽9の側面部及び回転翼11の両方から温風AW3を吹き出すことが可能となる。
また、上述した各実施例においては、温風は乾燥ユニット50から供給されているが、乾燥用と『皺伸ばし』用の空気(温風AW2)を乾燥ユニット50の温風を使用し、底面側温風通路55、側面側温風通路58を流れる空気(温風AW3)を加熱されていない撹拌用の空気だけとしても良い。この場合は送風ファンを2個使用して、一方は乾燥ユニット50に使用し、他方は撹拌用の空気を送る送風ユニットに使用することも可能である。
更に、乾燥ユニット50からはヒータによって加熱された空気ではなく、外槽10の外部にある電動機等の電気装置の発熱や機械的な発熱(摩擦等による)によって温度が高くなった空気を導入して温風AW1とするようにしても良い。
次に図6に示した洗濯槽9の側面部から撹拌用空気を吹き出す実施例における乾燥工程の詳細な制御フローを説明する。この制御フローは図15Aと図15Bに示したフローチャートに示されている。尚、図15AのステップS101からステップS114までは図4及び図5に示した制御フローと同等であるので説明を省略する。
図15Aにおいて、ステップS114で洗濯乾燥コースが選ばれていない場合はこの制御フローは洗濯完了となって終了される。一方、洗濯乾燥コースが選ばれている場合は以下のステップを実行するようになる。
≪ステップS200≫
このステップは、乾燥工程に入ると更に衣類の脱水を行うために高速で洗濯槽9を回転させるものである。尚、先の洗濯工程で充分な脱水が行われている場合はこのステップを省略することができる。
≪ステップS201≫
このステップは、ステップS200を所定時間行うための処理であり、決められた規定時間を経過するまで脱水工程を実行するものである。このステップも先の洗濯工程で充分な脱水が行われている場合はこのステップを省略することができる。
≪ステップS202≫
このステップは、脱水が終了した後に洗濯槽9の底部に存在する衣類を予め所定の乾燥度まで乾燥させる働きを行う。つまり、衣類Cは湿っているとその重量が重くなるので、或る程度乾燥した状態で撹拌用の空気によって衣類が舞い上がるようにすることが必要である。このため、風向板52から吹き出す乾燥用の空気によって予め所定の乾燥度(乾燥率)まで衣類Cの乾燥を進行させておくものである。
したがって、このステップでは回転翼11(図面ではパルセータと表記している)を回転させながら、乾燥ユニット50のファンをONとし、またヒータをONとして温風AW1を供給する。この時、温風は風向板52から温風AW2として主に吹き出すことが好ましく、この場合は衣類が回転翼11の回転によって洗濯槽9の内周面側に寄せられるので、側面吹出形成部57に形成した温風吹出孔59が衣類によって塞がれ、温風は風向板52から温風AW2として吹き出す割合が多くなる。尚、温風吹出孔59から温風AW3が吹き出していても問題がない場合はそのままの状態にしていても良い。その理由としては衣類が乾燥してきて軽くなると、衣類は自然と舞い上がることになるからである。
また、この他に側面側温風通路58を流れる温風AW3を遮断するため、通路接続管53Cに電磁弁を設けて遮断することもできる。この場合は、次のステップS203を終了すると電磁弁が開かれるように制御される。
≪ステップS203≫
このステップは、ステップS202を所定時間行うための処理であり、決められた規定時間を経過するまで温風AW2、或いは温風AW2と温風AW3を洗濯槽9内に吹き出すものである。規定時間を経過するとステップS204に進むことになる。この規定時間を過ぎると、衣類Cは所定の乾燥度に乾燥されて温風AW3によって舞い上げられる程度に軽くなる。この状態は完全に衣類Cが乾燥されているわけでなく、いわゆる『生乾き』或いは少し湿った状態の乾燥状態である。
≪ステップS204≫
このステップは、洗濯槽9内に側面吹出形成部57に形成した温風吹出孔59から多くの温風AW3が流れ込む環境を作る働きを行うものである。つまり、洗濯槽9と回転翼11の位置関係は固定的でなく相対的に変化する。このため、衣類Cと温風吹出孔59の位置関係も変化する。したがって、衣類Cによって温風吹出孔59が塞がれると効率的に温風AW3が洗濯槽9内に吹き出されなくなる懼れがある。このような事態を解消するために洗濯槽9(図面ではバスケットと表記してある)を回転させながら衣類Cとの相対的な位置関係を変更するものである。当然ながら、この時は乾燥ユニット50のファンはON、ヒータもONされている状態であり、温風AW1が供給されているものである。この状態で次のステップS205が実行されることになる。
≪ステップS205≫
このステップは、側面吹出形成部57に形成した温風吹出孔59から多くの温風AW3が洗濯槽9に流れ込む状態を判断する働きを行う。このためには外槽10と洗濯槽9の間の圧力を監視すれば、洗濯槽9がどの位置に来た時に多くの温風AW3が洗濯槽9内に吹き出されているかが判定できる。したがって、このステップS205では水位センサ(このセンサは圧力センサを使用している)の出力が決められた規定圧よりも低いかどうかを判断している。
図2にあるように水位センサ21はチューブを介して外槽10と洗濯槽9の間の圧力を検出しているので、圧力が規定圧より高ければ温風吹出孔59から温風AW3が洗濯槽9内に吹き出している割合が少なく、圧力が規定圧より低ければ温風吹出孔59から温風AW3が洗濯槽9内に吹き出している割合が多いことを示している。このステップS205で水位センサの出力が規定圧より高ければ、ステップS204に戻り、再び洗濯槽9を回転させてステップS205の判断を行うようになる。一方、このステップS205で水位センサの出力が規定圧より低ければ次のステップS206に進むことになる。つまり、圧力が規定圧より低ければ温風吹出孔59から温風AW3が洗濯槽9内に吹き出している割合が多いことを示しているので、効果的に衣類を舞い上がらせることができることになる。
≪ステップS206≫
このステップでは、衣類Cの舞い上げによる撹拌作用と、乾燥作用及び『皺伸ばし』作用の働きを高める働きを行う。つまり、ステップS205で温風吹出孔59から温風AW3が効率的に吹き出されていると判断されると、この位置で洗濯槽9を固定してこの環境を維持し、更に乾燥ユニット50のファンの回転数を上昇させて風量を多くする。ファンの回転数が予め決められた規定回転数に達しない場合は再びステップS205に戻り、上述した処理を再び実行する。ファンの回転数が規定回転数を越えると、この回転数を維持して風量AW1を多くする。
このように、風量AW1を多くすると、風向板52から吹き出される温風AW2及び温風吹出孔59から吹き出される温風AW3の風量が多くなることで、温風吹出孔59から吹き出される温風AW3によって衣類Cの舞い上がりによる撹拌作用が強まり、また、この撹拌されている衣類Cに風向板52から吹き出される強い流れの温風AW2が衝突することで衣類Cの乾燥が促進され、同様に衣類Cの表面、或いは裏面が温風AW2によって押されたり、引っ張られたりして『皺』が伸ばされるようになり、乾燥と『皺伸ばし』が促進されることになる。このステップS206の処理によって乾燥ユニット50のファン回転数が高速で回転している状態で次のステップS207に進むことになる。
≪ステップS207≫
このステップは、ステップS206の処理によって衣類Cが撹拌されて、乾燥、『皺伸ばし』の作業が実行されている状態で、衣類Cが回転翼11に降下してきた時に、衣類Cを洗濯槽9の内周面側に移送する働きを行う。つまり、衣類Cが降下して撹拌翼11の表面に堆積すると、撹拌翼11自身では衣類Cを舞い上がらせることができないので、回転翼11を回転して衣類Cを遠心力によって外側に移送させるようにする。移送された衣類Cは洗濯槽9の内周側面に設けられた側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す高速の温風AW3によって再び吹き飛ばされ洗濯槽9内で舞い上がるようになる。舞い上がった衣類Cは重力や風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の風圧によって降下するが、再び側面側吹出形成部57の温風吹出孔59から吹き出す高速の温風AW3によって舞い上げられ、これを繰り返すようになる。ここで、回転翼11は所定時間の間だけ回転され、その後所定時間だけ回転を中止されるといった間欠的な制御を実行されている。この理由は、回転翼11を回転させる電動機の消費電力を少なくするために、衣類Cが所定量堆積するまで待って回転翼11を回転するためである。尚、当然のことであるが、この状態では乾燥ユニット50のファンはON、ヒータもONされている状態である。このステップS207の処理によって衣類Cの乾燥と『皺伸ばし』』が実行されている状態で次のステップS208に進むことになる。
≪ステップS208≫
このステップは、上述した乾燥工程が終了したかどうかを判断する働きを行うものである。この乾燥工程の終了判断は、通常では所定の時間に亘って乾燥工程を実行したかどうかによって判断されるようになっている。また、この他にステップS202の処理時に測定した衣類Cの重量と乾燥工程中の衣類Cの重量から乾燥度合いを推測して乾燥工程の終了を判断するようにしても良い。更に温度センサ26により温風AW2の温度を測定し、温度変化の割合が所定の値になったときに乾燥終了として判断することもできる。
このステップS208で乾燥工程が終了していないと判断されればステップS207に戻り、再び回転翼11を回転させてステップS208の判断を行うようになる。一方、このステップS208で乾燥工程が終了したと判断されれば乾燥工程の終了確定となって次のステップS209に進むことになる。
≪ステップS209≫
このステップは、乾燥工程が終了したことを受けて乾燥ユニット50のファンをOFFし、更にヒータをOFFして、最終的に乾燥工程を終了するものである。この後、制御フローは終了となり、一連の処理を終了することになる。
以上に述べた制御フローを実行することによって、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の側面側から吹き出る撹拌用の空気で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させることで衣類の乾燥と同時に『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができるようになる。
次に図12に示した回転翼11の表面から撹拌用空気を吹き出す実施例における乾燥工程の詳細な制御フローを説明する。この制御フローは図16Aと図16Bに示したフローチャートに示されている。尚、図15A及び図15Bと同じ参照番号を付したステップの処理内容は同じ内容であるので、重複を避けて説明を省略する。
≪ステップS300≫
ステップS206の後に実行される処理であり、回転翼11の停止位置を決める働きを行うものである。このステップは、洗濯槽9内に回転翼11に形成した温風吹出孔11Cから多くの温風AW3が流れ込む環境を作る働きを行うものである。つまり、回転翼11の位置は固定的でなく相対的に変化する。このため、衣類Cと回転翼11に形成された温風吹出孔11Cの位置関係も変化する。したがって、衣類Cによって温風吹出孔11Cが塞がれると効率的に温風AW3が洗濯槽9内に吹き出されなくなる懼れがある。このような事態を解消するために回転翼11を回転させながら衣類Cとの相対的な位置関係を変更するものである。当然ながら、この時は乾燥ユニット50のファンはON、ヒータもONされている状態であり、温風AW1が供給されているものである。この状態で次のステップS301が実行されることになる。
≪ステップS301≫
このステップは、回転翼11に形成した温風吹出孔11Cから多くの温風AW3が洗濯槽9に流れ込む状態を監視する働きを行う。このためには外槽10と洗濯槽9の間の圧力を監視すれば、回転翼11がどの位置に来た時に多くの温風AW3が洗濯槽9内に吹き出されているかが判定できる。したがって、このステップS301では水位センサ21(このセンサは圧力センサを使用している)の出力が決められた規定圧よりも低いかどうかを判断している。この場合、水位センサ21は底部空間56の圧力を検出することになる。
水位センサ21はチューブを介して外槽10の底部と洗濯槽9の底部の間の底部空間の圧力を検出するように構成しているので、圧力が規定圧より高ければ温風吹出孔11Cから温風AW3が洗濯槽9内に吹き出している割合が少なく、圧力が規定圧より低ければ温風吹出孔11Cから温風AW3が洗濯槽9内に吹き出している割合が多いことを示している。このステップS301で水位センサ21の出力が規定圧より高ければ、ステップS300に戻り、再び回転翼11を回転させてステップS301の判断を行うようになる。一方、このステップS301で水位センサの出力が規定圧より低ければ次のステップS302に進むことになる。
≪ステップS302≫
このステップでは、衣類Cの舞い上げによる撹拌作用と、乾燥作用及び『皺伸ばし』作用の働きを高める働きを行う。つまり、ステップS301で温風吹出孔11Cから温風AW3が効率的に吹き出されていると判断されると、この位置で回転翼11を固定してこの環境を維持し、更に乾燥ユニット50のファンの回転数を上昇させて風量を多くする。ファンの回転数が予め決められた規定回転数に達しない場合は再びステップS301に戻り、上述した処理を再び実行する。ファンの回転数が規定回転数を越えると、この回転数を維持して風量AW1を多くする。
このように、風量AW1を多くすると、風向板52から吹き出される温風AW2及び温風吹出孔11Cから吹き出される温風AW3の風量が多くなることで、温風吹出孔11Cから吹き出される温風AW3によって衣類Cの舞い上がりによる撹拌作用が強まり、また、この撹拌されている衣類Cに風向板52から吹き出される強い流れの温風AW2が衝突することで衣類Cの乾燥が促進され、同様に衣類Cの表面、或いは裏面が温風AW2によって押されたり、引っ張られたりして『皺』が伸ばされるようになり、乾燥と『皺伸ばし』が促進されることになる。このステップS302の処理によって乾燥ユニット50のファン回転数が高速で回転している状態で次のステップS303に進むことになる。
≪ステップS303≫
このステップは、ステップS302を所定時間行うための処理であり、決められた規定時間を経過するまで温風AW2、或いは温風AW2と温風AW3を洗濯槽9内に吹き出すものである。このステップは、衣類Cが撹拌されて、乾燥、『皺伸ばし』の作業が実行されている状態で、衣類Cが回転翼11に降下してきた時に、衣類Cを温風AW3で上側に舞い上げる働きを行う。つまり、衣類Cが降下して撹拌翼11の表面に堆積すると、撹拌翼11の温風吹出孔11Cから吹き出す高速の温風によって再び吹き飛ばされ洗濯槽9内で舞い上がるようになる。舞い上がった衣類Cは重力や風向板52から吹き出す乾燥用の温風AW2の風圧によって降下するが、再び回転翼11の温風吹出孔11Cから吹き出す高速の温風AW3によって舞い上げられ、これを繰り返すようになる。このステップS303の処理によって衣類Cの乾燥と『皺伸ばし』が実行されている状態で、規定時間を経過するとステップS304に進むことになる。尚、この規定時間はほぼ衣類Cが乾燥する状態までの時間に決められている。
≪ステップS304≫
このステップは、ステップS303で衣類Cが乾燥されている状態で、更に回転翼11を回転させて温風吹出孔11Cからの温風AW3の流れを複雑にして衣類Cの撹拌を高めるようにしている。また、このステップは仕上げ乾燥機能としての働きを行うことも期待している。
そして、このステップS304を実行している状態でステップS208,ステップS209の処理を実行してこの制御フローを終了するものである。
以上に述べた制御フローを実行することによって、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の回転翼の表面から吹き出る撹拌用の空気で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させることで衣類の乾燥と同時に『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができるようになる。
尚、図12に示す実施例においては図6に示す側面側吹出形成部57の温風吹出孔59を備えたものを基礎として示しているので、ステップS202からステップS206の処理を実行するようにしているが、回転翼11の表面からだけ温風AW3を吹き出す場合はこのステップS202からステップS206の処理を省略することができる。
以上述べたように、本発明においては、洗濯槽の底部に存在する衣類に乾燥用の空気、好ましくは温風を吹き付けて衣類の乾燥を進行させ、この乾燥が進行した衣類を洗濯槽の底部、或いは側部、或いはこれらの両方から噴き出る撹拌用の空気、好ましくは温風で舞い上がらせ、この舞い上がった衣類に乾燥用の空気を吹き付けて乾燥を進行させるようにした。これによって、撹拌用の空気によって衣類を舞い上がらせ、これに乾燥用の空気を吹き付けることによって衣類の『皺』が伸ばされるようになるので、衣類の乾燥状態を改善できて乾燥仕上りの良いものとすることができる。
1…外枠、2…トップカバー、3…外蓋、9…洗濯槽、10…外槽、11…回転翼、11C…温風吹出孔、12…電磁操作クラッチ機構、13…洗濯脱水駆動電動機、19…送風ファン20…ヒータ、21…水位センサ、22…乾燥ダクト、29b…蛇腹管、50…乾燥ユニット、51…蛇腹固定部、52…風向板、53A…温風分岐孔、53C…通路接続管、55…底面側温風通路、56…底部空間56、57…側面吹出形成部、58…側面側温風通路、59…温風吹出孔。

Claims (6)

  1. 洗濯槽と、前記洗濯槽の底部に設けられた回転翼と、前記洗濯槽を内包し洗濯水を溜める外槽と、前記洗濯槽と前記回転翼とを回転駆動する駆動機構と、前記洗濯槽内に衣類を乾燥する空気を吹き出す乾燥機構を備えた縦型洗濯乾燥機において、
    前記乾燥機構から吹き出された空気を、乾燥すべき衣類を舞い上げる機能を備える第1の空気流と、前記舞い上げられた衣類を乾燥して皺を伸ばす機能を備える第2の空気流とに分岐する前記洗濯槽の上方に配置された空気分岐部と
    前記第2の空気流を前記洗濯槽内に供給する第2の吹出部と
    前記第2の吹出部よりも下方に位置し、前記第1の空気流を前記洗濯槽内に供給する第1の吹出部と
    前記空気分岐部と前記第1の吹出部をつなぎ前記第1の空気流が通過する空気通路と、を備え
    前記空気通路は、前記洗濯槽よりも外側に配置されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機
  2. 請求項1に記載の縦型洗濯乾燥機において、
    前記第1の空気流は、前記第2の空気流と同時に供給されるか、或いは前記第2の空気流の供給後に供給されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機。
  3. 請求項1或いは請求項2に記載の縦型洗濯乾燥機において、
    前記第2の空気流の速度は前記第1の空気流の速度より高速で前記洗濯槽内に吹き出されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の縦型洗濯乾燥機において、
    前記第1の空気流は前記洗濯槽の内周側側面から前記洗濯槽内に向けて吹き出されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の縦型洗濯乾燥機において、
    前記第1の空気流は前記洗濯槽の底部にある前記回転翼の表面から前記洗濯槽の上面に向けて吹き出されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機。
  6. 請求項4或いは請求項5に記載の縦型洗濯乾燥機において、
    前記第2の空気流は前記洗濯槽の上面から前記洗濯槽内に向けて吹き出されることを特徴とする縦型洗濯乾燥機。
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