JP5840769B2 - エンジンの位相可変装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトに対するカムシャフトの組付角(相対位相角)を変更してバルブの開閉タイミングを変化させる位相可変機構にエンジンバルブ側からのカムトルクによる相対位相角のズレを防止するセルフロック機構を設けた自動車用エンジンの位相可変装置に関する。
クランクシャフトとカムシャフトの相対位相角を変更してエンジンバルブの開閉タイミングを変化させる位相可変機構において、バルブ側からの外乱トルクによる相対位相角のズレを防止するセルフロック機構を設けた自動車用エンジンの位相可変装置には、下記特許文献1に示すものがある。
図1に示す特許文献1の自動車用エンジンの位相可変装置においては、センターシャフトを介してカムシャフトに同軸に一体化された第1制御回転体が、第1電磁クラッチまたは逆回転機構の第2電磁クラッチの作動に伴い、クランクシャフト(図示せず)によって駆動する駆動回転体2に対して進角方向または遅角方向のいずれかに相対回動する。エンジンバルブの開閉タイミングは、クランクシャフト側の駆動回転体に対するカムシャフト側の第1制御回転体の相対位相角が上記のようにして変化することによって変更される。
一方、カムシャフトは、エンジンバルブの開閉時の衝撃に伴い、エンジンバルブからカムトルクを受ける。カムトルクは、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角にズレを生じさせる原因となるため、特許文献1のエンジンの位相可変装置においては、カムシャフトにカムトルクが入力された際に、第1制御回転体を駆動回転体に対して相対回動不能にロックすることによって、前記相対位相角のズレを防止するセルフロック機構が設けられている。セルフロック機構は、センターシャフトに一体化された偏心円カム、ロックプレートブッシュ及び第1制御回転体に固定されたロックプレートを有する。ロックプレートの外周面は、駆動回転体の円筒部の内周面に内接する(特許文献1の図5を参照)。
ロックプレートは、第1電磁クラッチまたは逆回転機構によって第1制御回転体がトルクを受けた場合、円筒部の内側を摺動回動する。しかし、カムシャフトがカムトルクを受けた場合、偏心円カムは、回転中心軸線周りのカムトルクによる偏心回動トルクを受けて、ロックプレートブッシュを介してロックプレートの外周面のいずれかを駆動回転体の円筒部の内周面に局所的に押しつける。その結果、特許文献1においては、セルフロック機構が、カムトルクの発生時に、カムトルクそのものによって第1制御回転体を駆動回転体に対して相対回動不能にロックするセルフロック機能を発生させる。
WO2011/145175
特許文献1の駆動回転体は、円筒部を有する前端部の駆動円筒と、駆動円筒に同軸になるようにボルトで固定された後端部のスプロケットによって構成され、かつ、スプロケットに巻き付けられたチェーンやドライブベルト等の伝達部材からクランクシャフトの駆動トルクを受けることによって回転する。
一方、駆動回転体の前端部の円筒部には、後端部のスプロケットが伝達部材の張力による回転中心軸線に垂直な方向の力を受けることにより、前端部を中心とした曲げモーメントが発生する。前記曲げモーメントは、円筒部の内周面を回転中心軸線に対して傾かせ、内接するロックプレートと円筒部の内周面との間に偏った摩擦力を生じさせる。この摩擦力は、第1電磁クラッチまたは逆回転機構の作動時において、駆動回転体に対する第1制御回転体の相対回動を妨げるため、エンジンバルブの開閉タイミングの変更を阻害する点で問題となる。
上記問題に鑑みて、本願発明においては、エンジンバルブの開閉タイミングの変更動作を確実にしつつセルフロック機能を発生するセルフロック機構を有する自動車用エンジンの位相可変装置を提供するものである。
請求項1の自動車用エンジンの位相可変装置は、外周の少なくとも一部に巻き付けられた伝達部材を介し、クランクシャフトによって回転するスプロケットと、前記スプロケットに取り付けられた駆動円筒と、を有する駆動回転体と、前記駆動回転体を同軸かつ相対回動可能に支持するカムシャフトと、前記駆動円筒の円筒部の内周面に内接する円面部を一体に有し、かつ前記駆動回転体に対して同軸かつ相対回動可能な状態でカムシャフトに支持される制御回転体と、前記駆動回転体に対する相対回動トルクを前記制御回転体に付与する回動操作力付与手段と、前記駆動回転体に対する制御回転体の相対回動に応じて、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角を変更する相対位相角変更機構と、カムシャフトに発生するカムトルクによって前記円筒部の内周面に前記制御回転体の円面部を押しつけて、カムトルクによる駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角のズレを防止するセルフロック機構と、を有する自動車用エンジンの位相可変装置において、前記スプロケットを前記円筒部に対し、回転中心軸線に対して垂直方向に相対変位可能に保持する相対変位機構を設けた。
(作用)駆動回転体のスプロケットは、その外周の少なくとも一部に巻き付けられたチェーンやスプロケット等の伝達部材の張力によって回転中心軸線に垂直な方向の力を受けると、駆動円筒の円筒部に対し、回転中心軸線に対して垂直方向に相対変位する。スプロケットが、伝達部材の張力を受けた際に、円筒部から独立して変位するため、駆動円筒の円筒部には、曲げモーメントが発生しない。従って、スプロケットが伝達部材の張力を受けても、円筒部の内周面と、これに内接する制御回転体の円面部との間には、回動操作力付与手段の作動時に円筒部の内周面に対する制御回転体の円面部の摺動回動を阻害する、前記曲げモーメントによる偏った摩擦力が発生しない。その結果、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角は、伝達部材の張力によって阻害されること無く確実に変更される。
また、請求項2は、請求項1の自動車用エンジンの位相可変装置であって、
前記相対変位機構は、小孔と小孔より幅広の大孔により形成され、前記駆動回転体の駆動円筒またはスプロケットのうち一方において、複数設けられた段差挿通孔と、前記駆動回転体の駆動円筒またはスプロケットの他方において、前記段差挿通孔と対応する位置に設けられた軸固定孔と、前記段差挿通孔の小孔に挿通され、かつ前記小孔に固定される先端部と、少なくとも一部が前記小孔より幅広に形成されると共に前記大孔の内側に配置されて、前記固定孔を設けた円筒部またはスプロケットのいずれか一方を軸方向に位置決めし、かつ前記スプロケットを前記円筒部に対し、駆動回転体の回転中心軸線の延びる方向に対して垂直方向に変位可能に保持する基端部と、を有する軸状部材と、前記軸状部材と前記段差挿通孔との間に設けられた第1の微小クリアランスと、前記スプロケットとカムシャフトとの間の少なくとも一部に設けられた、前記第1の微小クリアランスよりも小さな第2の微小クリアランスと、を備えるようにした。
(作用)駆動回転体のスプロケットは、チェーンやスプロケット等の伝達部材の張力によって駆動回転体の回転中心軸線に垂直な方向の力を受けると、駆動回転体の回転中心軸線に対して垂直方向に、駆動円筒の円筒部に対して相対変位し、かつカムシャフトに接触する。一方、前記軸状部材と段差挿通孔との間に設けられた第1の微小クリアランスは、第2の微小クリアランスよりも大きい。従って、スプロケットが伝達部材の張力によって回転中心軸線に対して垂直方向に第2の微小クリアランスの長さ分だけ変位しても、軸状部材は、段差挿通孔に接触しない。その結果、伝達部材の張力による回転中心軸線に垂直方向の力が駆動円筒の円筒部に伝達されないため、駆動回転体の円筒部には、曲げモーメントが発生しない。
一方、スプロケットがチェーン等の伝達部材によって回転方向の力を受けると、軸状部材は、段差挿通孔に接触する。従って、スプロケットがクランクシャフトから受ける回転トルクは、軸状部材を介して駆動円筒に伝達される。
従って、駆動円筒の円筒部には、伝達部材による回転トルクのみがスプロケットから伝達されて、伝達部材による曲げモーメントが発生しないため、円筒部の内周面と、これに内接する制御回転体の円面部との間には、前記曲げモーメントによる偏った摩擦力が発生しない。その結果、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角は、伝達部材の張力によって阻害されること無く確実に変更される。
また、請求項3は、請求項2の自動車用エンジンの位相可変装置であって、前記第1の微小クリアランスは、前記軸状部材の基端部と前記段差挿通孔の大孔との間に設けられた第3の微小クリアランスと、前記軸状部材の先端部と前記段差挿通孔の小孔との間に設けられた第4の微小クリアランスによって形成され、
前記第3の微小クリアランスが、前記第4の微小クリアランスよりも小さく形成されるようにした。
(作用)スプロケットがチェーン等の伝達部材によって回転方向の力を受けると、軸状部材の基端部は、第3の微小クリアランス分だけ変位して段差挿通孔の大孔に接触するが、軸状部材の先端部は、第4の微小クリアランスが第3の微小クリアランスより大きいため、段差挿通孔の小孔に接触しない。従って、請求項3の軸状部材においては、スプロケットが伝達部材から回転方向の力を受ける際に軸状部材の先端部に摩耗が発生しない。
請求項1及び2の自動車用エンジンの位相可変装置によれば、伝達部材による曲げモーメントが駆動円筒の円筒部に発生せず、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角が、前記曲げモーメントによって阻害されること無く確実に変更されるため、エンジンバルブの開閉タイミングの変更動作を確実にしたセルフロック機構が得られる。
また、請求項3の自動車用エンジンの位相可変装置によれば、スプロケットが伝達部材から回転方向の力を受ける際における軸状部材の先端部の耐久性が低下しない。
自動車用エンジンの位相可変装置の実施例を装置前方から見た分解斜視図。 図1の分解斜視図を装置後方から見た図。 (a)本実施例の自動車用エンジンの位相可変装置の正面図(カバー70を除く)。(b)図3(a)のA−A断面図。 (a)図3(b)のE−E断面図。(b)図3(b)のF−F断面図。 (a)図3(b)のG−G断面図。(b)図3(b)の相対変位機構を示す拡大断面図。(c)図5(a)の相対変位機構を示す拡大断面図。 段差挿通孔の変形例を示す図 (a)図3(b)のB−B断面図。(b)図3(b)のC−C断面図。(c)図3(b)のD−D断面図。 セルフロック機構の説明図である。
次に、本発明の実施の形態を図によって説明する。各実施例に示すエンジンの位相可変装置は、クランクシャフトによって回転する駆動回転体に対し、カムシャフトの相対位相角を変更することによってエンジンの吸排気弁の開閉タイミングを変化させる装置である。
図1〜7により実施例の装置の構成について説明する。本実施例におけるエンジンの位相可変装置1は、クランクシャフトによって回転中心軸線L0周りに駆動回転する駆動回転体2、駆動回転体2と同軸(回転中心軸線L0周り)に配置される第1制御回転体3(請求項1の制御回転体)、カムシャフト17(図3(b))、回動操作力付与手段9、相対位相角変更機構10、セルフロック機構11によって構成される。尚、以降においては、図1における第2電磁クラッチ側を装置前方、駆動回転体2側を装置後方とする。また、装置前方から見た駆動回転体2とカムシャフト17の回転中心軸線L0周りの回転方向を進角側D1方向(時計回り)、D1と逆方向を遅角側D2方向(反時計回り)として説明する。
駆動回転体2は、クランクシャフトから駆動力を受けるスプロケット4と円筒部20を有する駆動円筒5によって構成される。回転中心軸線L0を中心とした円板形状を有するスプロケット4は、外周の歯部4bと、図5(a)に示すように前後に貫通し、かつ後述するセンターシャフト7の第1円筒部7aが挿入される中央の円孔4aと、を有する。スプロケット4の歯部4bには、歯部4bに対応するチェーンやドライブベルト等から構成されて図示しないクランクシャフトから動力の伝達を受ける伝達部材19が巻き付けられる。
また、スプロケット4には、後方に開口する一対の長孔(請求項2の大孔。符号4c、4c)と、長孔に連通し、かつ前方に開口する孔4d(請求項2の小孔。図5(b)を参照)からなる段差挿通孔4eが設けられる。一対の長孔(4c,4c)は、回転中心軸線L0を対称軸として対称となる位置に設けられ、かつ回転中心軸線L0に対して垂直な軸線L01に沿って延びるように形成される。また、円孔4aの周囲には、図1に示すように内側に後述するセンターシャフトのフランジ部7bが配置される段差円孔4fが設けられる。
駆動円筒5は、図1、図5(b)に示すように円盤形状の底部5cの前方に円筒部20を一体化した形状を有し、かつカムシャフト17と同一の回転中心軸線L0を中心とする。底部5cには、図4(b)に示すように前後に貫通し、かつ後述するセンターシャフト7に保持される中央の円孔5aと、前方に開口し、かつ後述する第1リンクピン34の細丸軸34aを取り付ける取付孔5bが設けられる。また、底部5cには、一対の固定孔(5d,5d)が設けられる。一対の固定孔(5d,5d)は、前方に開口する雌ねじ孔5eと、雌ねじ孔5eよりも内径が小さい段差円孔5fによって構成される。また、固定孔(5d,5d)は、回転中心軸線L0を対称軸として対称となる位置であり、かつ一対の長孔(4c、4c)に対応した位置に設けられる。
スプロケット4と駆動円筒5は、一対の軸状部材2aによって連結される。軸状部材2aは、雄ねじ部2b(本願請求項2の軸状部材の先端部)と、雄ねじ部2bより外径の大きな頭部2c(本願請求項2の基端部)によって構成される。図5(b)(c)に示すように、軸状部材2aの雄ねじ部2bは、スプロケット4の孔4dに挿通され、頭部2cは、長孔4cの内側に配置される。スプロケット4の長孔(4c、4c)の軸線L01に沿った長手方向において、軸状部材2aと、段差挿通孔4eとの間には、第1の微小クリアランスC1が設けられる。なる第1の微小クリアランスC1は、後述する第3の微小クリアランスC3と第4の微小クリアランスC4によって構成される。
軸線L01に沿った方向において、スプロケット4の長孔(4c、4c)の軸線L01に沿った長手方向の幅を縦幅d1とし、縦幅d1に直交する横方向の幅を横幅d2とすると、長孔(4c、4c)の横幅d2は、頭部2cの外径とほぼ同一になるよう形成される。また、軸線L01に沿った方向、即ち長孔(4c、4c)の長手方向において、頭部2cと長孔(4c、4c)との間には、その上下に第3の微小クリアランスC3が設けられる。また、図5(b)(c)に示される頭部2cの外径は、孔4dの内径よりも大きく形成され、軸線L01に沿った方向において、雄ねじ部2bと孔4dとの間には、第3の微小クリアランスC3以上の大きさの第4の微小クリアランスC4が設けられる。
図5(b)に示すように、軸状部材2aの雄ねじ部2bは、スプロケット4の後方から孔4dに挿通された状態で前方の駆動円筒の雌ねじ孔5eにネジ止めされ、頭部2cは、長孔4cの内側に配置される。軸状部材2aは、雄ねじ部2bが段差円孔5fの基端部と接触することにより、軸方向(回転中心軸線L0の延びる方向)に位置決めされる。軸方向に位置決めされた軸状部材2aは、頭部2cの前面2dと、駆動円筒5の基端面5gとの間に挟圧固定しないようにスプロケット4を保持する。
また、図4に示すカムシャフト17は、カムシャフト本体部6とセンターシャフト7によって構成される。カムシャフト本体部6は、センターシャフト7の中央の円孔7eとカムシャフト本体部6の前方の雌ねじ孔6aにボルト37を挿入することで、センターシャフト7の後端側に同軸かつ相対回動不能に一体化されている。
第1制御回転体3は、前縁のフランジ部3aと後方に連続する円筒部3bと底部3cが連続した有底円筒形状を有する。底部3cには、中心の中央円孔3d、一対のピン孔28,回転中心軸線L0から所定半径を有する円周上に設けられた円周方向溝30、回転中心軸線L0から溝への距離が進角側D1方向に向けて減少する曲線状の縮径ガイド溝31を有する。
センターシャフト7は、第1円筒部7a、フランジ部7b、第2円筒部7c、カムシャフト17の回転中心軸線L0から偏心したカム中心L1を有する偏心円カム12、第3円筒部7dが後方側から前方側(図1の第2制御回転体側。以下同じ)に向けて軸方向に連続されて形成されている。駆動回転体2は、軸状部材2aによって連結されたスプロケット4と駆動円筒5がフランジ部7bを間に挟んだ状態で、センターシャフト7によって回動可能に支持される。具体的には、駆動円筒5が円孔5aを介して第2円筒部7cによって回動可能に支持される。
尚、スプロケット4は、中央の円孔4aと第1円筒部7aとの間に第2の微小クリアランスC2が形成され、かつ段差円孔4fとフランジ部7bとの間に微小クリアランスC5が形成された状態で、駆動円筒5に連結される。第2の微小クリアランスC2は、第3の微小クリアランスC3より小さく形成され、微小クリアランスC5は、第2の微小クリアランスC2より大きく形成される。
軸状部材2aは、スプロケット4の段差挿通孔4e、駆動円筒5の固定孔5d、及び微小クリアランス(C1,C2)と共に、駆動円筒5に対してスプロケット4を相対変位可能に保持する相対変位機構41を構成する。
スプロケット4は、回転中心軸線L0に対して垂直な方向(図5(a)の軸線L01に沿った方向)に力を受けた場合、相対変位機構41により、軸線L01に沿って第2の微小クリアランスC2分だけ駆動円筒5に対して相対変位する。第2の微小クリアランスC2は、第1の微小クリアランスC1、つまり第3及び第4のクリアランス(C3,C4)の双方より小さい。従って、スプロケット4の円孔4aが第2の微小クリアランスC2の分だけ変位してセンターシャフト7の第1円筒部7aに接触すると、軸状部材2aは、段差挿通孔4eに接触しない状態に保持される。その結果、チェーン等の伝達部材19の張力により、スプロケット4に付与された軸線L01に沿った方向の力は、駆動円筒5に伝達されないため、円筒部20には、後述するセルフロック機構11のセルフロック機能を阻害する曲げモーメントが発生しない。
一方、スプロケット4が伝達部材19を介して図示しないクランクシャフトから駆動トルクを受けた場合、駆動円筒5に固定された軸状部材2aの頭部2cは、長孔(4c、4c)に接触する。その際、雄ねじ部2bは、第3の微小クリアランスC3が第4の微小クリアランスC4より小さいため、孔4dに接触せずに保持される。その結果、駆動円筒5は、スプロケット4から軸状部材2aの頭部2cを介して駆動トルクを伝達され、スプロケット4と共に回転する。このように相対変位機構41は、曲げモーメントを駆動円筒5に発生させず、駆動トルクのみをスプロケット4から駆動円筒5に伝達することにより、後述するセルフロック機能を確実に発生させる。
尚、相対変位機構41においては、雌ねじ孔5eに螺着される軸状部材2aの代わりに、孔に嵌合固定させたり圧入固定されるピン部材を用いても良い。また、第1実施例の相対変位機構41においては、段差挿通孔の形状のみを変更し、第1実施例の段差挿通孔の大孔を図5(c)のような縦幅d1、横幅d2の長孔(4c、4c)とする代わりに図5Aに示すような内径を縦幅d1と同一にした円孔4c1を用いてもよい。また、相対変位機構においては、第1実施例においてスプロケットに設けた段差挿通孔と第1の微小クリアランスを駆動円筒に形成し、軸状部材をスプロケットに設けた固定孔に固定してもよい。
また、第3円筒部7dは、第1制御回転体3の中央円孔3dに挿入される。尚、駆動回転体2,第1制御回転体3,カムシャフト本体部6,センターシャフト7は、回転中心軸線L0上に同軸に配置される。
回動操作力付与手段9は、第1制御回転体3を制動し、駆動回転体2に対する相対回動トルクを付与する第1電磁クラッチ21と、第1制御回転体3に第1電磁クラッチ21と逆向きの相対回動トルクを付与する逆回転機構22によって構成される。
相対位相角変更機構10は、カムシャフト17と第1制御回転体3を相対回動不能に一体化する機構であって、駆動回転体2を相対回動可能に支持するセンターシャフト7と、セルフロック機構11、及び連結機構16によって構成される。
セルフロック機構11は、駆動回転体2とセンターシャフト7との間に介装され、カムシャフト17が図示しないバルブスプリングから受ける外乱トルクを原因とした、駆動回転体2とカムシャフト17の相対位相角のズレの発生を防止する機構である。本実施例のセルフロック機構11は、駆動回転体2の円筒部20,第1制御回転体3に一体に取り付けられて円筒部20の内周面20aに内接するロックプレート14の外周面(符号14c、14dを参照。請求項1における円面部)、円筒部20の内周面20aにロックプレート14の外周面(14c、14d)を押し付ける押付機構18によって構成される。また、押付機構18は、センターシャフト7の偏心円カム12,ロックプレートブッシュ13、及びロックプレート14の保持溝15によって構成される。
ロックプレートブッシュ13は、図1と図4(a)に示すようにセンターシャフト7の偏心円カム12に係合させる円孔13aを中央に有し、外周両端に一対の平面(23,24)を有し、カムシャフト17の回転中心軸線L0とカム中心L1を結ぶ直線L2(以下同じ。以降は、単に直線L2とする)に対して平面(23,24)が略平行になるように偏心円カム12の外周に回動可能に取付けられる。
ロックプレート14は、全体として円盤状に形成され、径方向に延びる略長方形状の保持溝15を有する。また、ロックプレート14は、保持溝15の短面(15a、15b)からロックプレート14の外周に向かって直線状に伸びる一対のスリット(25,26)によって等分割された一対の構成部材(14a,14b)から構成される。また、ロックプレートブッシュ13の平面(23,24)は、それぞれ保持溝15の長面(15c,15d)に接触して保持される。
ロックプレート14は、保持溝15の長面(15c,15d)がロックプレートブッシュ13の平面(23,24)を挟持した状態で、その外周面(14c,14d)が駆動円筒5の円筒部20の内周面20aに内接する。その際、偏心円カム12の外周は、カム中心L1において直線L2と直交する直線L3(以下同じ、以降は単に直線L3とする)よりも更に偏心側(L0からL1を超えて更に偏心した方向)に配置された部分が、ロックプレートブッシュ13を介してロックプレート14の保持溝15に保持される。
また、連結機構16は、一対の連結ピン(27,27)と、第1制御回転体3の底部3cに設けられた一対の第1ピン孔(28、28)と、ロックプレート14の構成部材(14a,14b)にそれぞれ構成された第2ピン孔(29,29)によって構成される。ロックプレートブッシュ13を挟持しつつ、駆動円筒5の円筒部20に内接したロックプレート14は、連結ピン27が第1及び第2ピン孔(28,29)に挿入されることによって、第1制御回転体3に相対回動不能に一体化される。その結果、センターシャフト7(カムシャフト17)は、第1制御回転体3に相対回動不能に一体化される。
一方、相対位相角を維持しつつ駆動回転体2と共に回転するカムシャフト17とロックプレート14は、エンジンバルブの開閉時の衝撃に伴い、エンジンバルブからカムトルク、即ち、駆動回転体2に対する相対回動トルクを受ける。ロックプレート14は、カムトルクを利用した後述するセルフロック機構11により、外周面(14c、14d)のうち一方を駆動回転体2の円筒部20の内周面20aに局所的に押しつけられ、円筒部20に対して相対回動不能にロックされる。その結果、駆動回転体2に対するカムシャフト17の相対位相角は、カムトルクによってズレることなく保持される。
ここで、回動操作力付与手段9について説明すると、第1電磁クラッチ21は、図示しないエンジンの内部に固定されて第1制御回転体3の前方に配置される。第1制御回転体3は、フランジ部3aの前面3eを第1電磁クラッチ21の摩擦材21aに吸着されることによって、D1方向に回転する駆動回転体2に対して回転遅れを生じる。
また、逆回転機構22は、第1制御回転体3の円周方向溝30と縮径ガイド溝31、第2制御回転体32、円盤状のピンガイドプレート33、第2制御回転体32を制動する第2電磁クラッチ38、第1及び第2リンクピン(34,35)、リング部材36によって構成される。
第2制御回転体32は、第1制御回転体3の円筒部3bの内側に配置され、回転中心軸線L0を中心として設けられた貫通円孔32aを介してセンターシャフト7の第3円筒部7dに回動可能に支持される。また第2制御回転体32は、中心O1がカムシャフト17の回転中心軸線L0から偏心した段差状の偏心円孔32bを後方に有し、偏心円孔32bには、リング部材36が摺動回動可能に内接する。
円盤状のピンガイドプレート33は、第1制御回転体3の円筒部3bの内側において底部3cと第2制御回転体32との間に配置され、中心部の貫通円孔33aを介してセンターシャフト7の第3円筒部7dに回動可能に支持される。またピンガイドプレート33は、貫通円孔33aに接続しない位置から略径方向に延びる略径方向溝33bと略径方向ガイド溝33cを有する。略径方向溝33bと略径方向ガイド溝33cは、長円状に形成され、かつ前後に貫通する。
また、第1リンクピン34は、細丸軸34aと細丸軸34aの前端に係合一体化した中空太丸軸34bから形成される。中空太丸軸は34bは、略径方向溝33bによって両側から挟持され、細丸軸34aの後端は、円周方向溝30及び保持溝15に挿通されて、駆動円筒5の取付孔5bに固定される。また、細丸軸34aは、溝方向にそって円周方向溝30の両端を移動する。
第2リンクピン35は、細丸軸35aの後端に太丸軸35bが一体形成されてなる第1部材35c、中空第1軸35d、中空第2軸35e及び中空第3軸35fによって形成される。中空第1軸から中空第3軸(35d〜35f)は、順番に細丸軸35aに挿着される。太丸軸35bは、保持溝15に挿入される。また、中空第1軸35dは、外周形状が縮径ガイド溝31に沿った円弧形状を有し、縮径ガイド溝31に上下を保持されると共に縮径ガイド溝31に沿って移動する。中空第2軸35eは、円筒形状を有し、略径方向ガイド溝33cに両側を保持されると共に略径方向ガイド溝33cに沿って移動する。中空第3軸35fは、円筒形状を有し、リング部材36の円孔36aに回動可能に連結される。
尚、センターシャフト7の第3円筒部7dの先端には、中央に円孔(39a,40a)を有するホルダー39とワッシャ40が前方から配置され、ホルダー39、ワッシャ40及びセンターシャフト7は、円孔(39a,40a)と円孔7eに挿入したボルト37を雌ねじ孔6aに取り付けることで、カムシャフト17に相対回動不能に固定される。その結果、センターシャフト7の外周に配置された図4の駆動回転体2から第2制御回転体32に至る部品は、カムシャフト本体部6のフランジ部6bとホルダー39との間に抜け止め固定され、ワッシャ40の厚さを調整する事で、これら部品の軸方向のクリアランスが適正化される。また、ボルトと第1及び第2電磁クラッチ(21,38)の前方には、カバー70が配置される。
ここで、回動操作力付与手段9による駆動回転体2(図示しないクランクシャフト)に対するカムシャフト17の相対位相角の変更動作について説明する。通常、第1制御回転体3は、駆動回転体2と一体になってD1方向に回転している(図6(c)を参照)。第1制御回転体3が第1電磁クラッチ21に吸着されて制動された場合、センターシャフト7(カムシャフト17)は、一体化された第1制御回転体3と共にD1方向に回転する駆動回転体2に対してD2方向に回転遅れを生じる。その結果、駆動回転体2(図示しないクランクシャフト)に対するカムシャフト17の相対位相角は、遅角側D2方向に変更されて図示しないバルブの開閉タイミングが変化する。
その際、図6(c)に示す第2リンクピン35の中空第1軸35dは、縮径ガイド溝31内を略時計回りとなるD3方向に移動し、図6(b)の中空第2軸35eは、略径方向ガイド溝33cを回転中心軸線L0に向かってD4方向に移動し、図6(a)の中空第3軸35fは、リング部材36に偏心円孔32b内における摺動回動トルクを付与する。また、第1リンクピン34の細丸軸34aは、円周方向溝30内を時計回りD1方向に移動する。また、円周方向溝30の両端(30a,30b)は、移動した細丸軸34aが当接するストッパとして作用する。
一方、第2制御回転体32は、通常、駆動回転体2と共にD1方向に回転している(図6(a))。第2電磁クラッチ38を作動させると、第2制御回転体32は、前面32cが摩擦材38aに吸着され、第1制御回転体3に対してD2方向に回転遅れを生じる。図6(a)のリング部材36は、内接する偏心円孔32bがD2方向に偏心回動することにより、偏心円孔32b内を摺動回動する。図6(b)の中空第2軸35eは、リング部材36の動作により、中空第3軸35f及び中空第1軸35dと共に略径方向ガイド溝33cに沿って外周方向D5方向に移動する。その際、図6(c)の第1制御回転体3は、第1電磁クラッチ21の作動時とは逆に、縮径ガイド溝31内を略半時計回り方向D6方向に移動する中空第1軸35dから縮径ガイド溝31を介して進角側D1方向の相対回動トルクを受け、D1方向に回転する駆動回転体2に対して更に進角側D1方向に相対回動する。その結果、駆動回転体2(図示しないクランクシャフト)に対するカムシャフト17の相対位相角は、進角側D1方向に戻されて、図示しないバルブの開閉タイミングが変化する。
尚、駆動回転体2においては、スプロケット4が、伝達部材19から軸線L01に沿った方向、つまり図5(a)(b)の符号D01方向に張力を受けると、スプロケット4のみが、相対変位機構41によって駆動円筒5に対してD01方向に相対変位するため、駆動円筒5は、伝達部材19によるD01方向の張力による影響を受けない。その結果、円筒部20の内周面と、これに内接するロックプレート14の外周面(14c、14d)との間、及び駆動円筒5の円孔5aと、第2円筒部7cとの間には、伝達部材19の張力がスプロケット4に作用しても、偏った摩擦力が作用しない。従って、その結果、回動操作力付与手段9の作動時において、駆動回転体2に対するセンターシャフト7(つまりカムシャフト17)の相対位相角は、伝達部材19の張力の影響を受けること無く正確に変更される。
次にセルフロック機構11の動作について説明する。駆動回転体2(図示しないクランクシャフト)に対するセンターシャフト7(カムシャフト17)の相対位相角は、上述したとおり、回動操作力付与手段9で第1制御回転体3を駆動回転体2に対して進角側D1方向または遅角側D2方向のいずれかに相対回動させることで決定される。しかし、カムシャフト17には、図示しないバルブスプリングから反動による外乱トルクが入力されるため、外乱トルクにより、カムシャフト17と駆動回転体2の間に相対位相角のズレが発生した場合には、バルブの開閉タイミングに予期せぬ狂いが生じてしまう。本実施例のセルフロック機構11は、その外乱トルクの発生を逆用して、前記相対位相角のズレを防止する。
図7は、カムシャフト17(センターシャフト7)に時計回りD1方向または反時計回りD2方向のいずれかに外乱トルクが発生した際にロックプレート14の外周面(14c、14d)と駆動円筒5の円筒部20の内周面との間に働く力とセルフロック作用を表す。
カムシャフト17とセンターシャフト7が外乱トルクを遅角側D2方向または進角側D1方向に受けると、偏心円カム12は、カム中心L1がカムシャフト17の回転中心軸線L0周りに偏心回動しようとする偏心回動トルクをD2またはD1方向に受ける。カム中心L1は、カムシャフト17の回転中心軸線L0から距離sだけ偏心するものとし、L0とL1を結ぶ直線をL2とし、L1を通りL2に直交する直線をL3とすると、ロックプレートブッシュ13は、偏心円カム12がD2方向の外乱トルクを受けると、直線L3と偏心円カム12との交点P1において、偏心円カム12から直線L3に沿ってL1からP1方向の力F1を受ける。また、ロックプレートブッシュ13は、偏心円カム12がD1方向の外乱トルクを受けると、直線L3と偏心円カム12との交点P2において、偏心円カム12から直線L3に沿ってL1からP2方向の力F2を受ける。
また、力(F1,F2)は、直線L3上において、互いに面接触する平面(23,24)と保持溝15の長面(15c、15d)を介してロックプレートブッシュ13からロックプレート14に伝達される。また、力(F1,F2)は、直線L3とロックプレート構成部材(14a,14b)の外周面(14c、14d)との交点(P3,P4)において、ロックプレート14から駆動円筒5の円筒部20の内周面20aに伝達される。
駆動円筒5の円筒部20の内周面20aとロックプレート14の外周面(14c、14d)との間には、力(F1,F2)を原因として、駆動円筒5とロックプレート14の相対回動を妨げる局所的な摩擦力が交点P3及びP4に発生する。前記局所的な摩擦力は、以下のように表される。まず、交点P3及びP4を通り、ロックプレート構成部材外周面(14c、14d)の接線方向に延びる直線をそれぞれL4、L3に直交する直線をL5、直線L4に直交する直線をL6とし、直線L4とL5の傾き及び直線L3とL6の傾きを交点P3においてθ1とし、交点P4においてθ2(このθ1とθ2を以降は、摩擦角という。)とし、摩擦面の摩擦係数をμとすると、駆動回転体2とカムシャフト17との間で相対位相角のズレを引き起こす力は、交点P3とP4における接線方向の力F1・sinθ1及びF2・sinθ2によってそれぞれ表される。また、円筒部20の内周面20aとロックプレート14の外周面(14c、14d)との摺動を妨げる逆方向の局所的な摩擦力は、μ・F1・cosθ1及びμ・F2・cosθ2によってそれぞれ表される。
前記摩擦力が相対位相角のずれを引き起こす力よりも大きい場合、駆動円筒5とロックプレート14の間は、互いに相対回動不能に保持される。その場合、ロックプレートブッシュ13と偏心円カム12(センターシャフト7)もまた、駆動円筒5に対して相対回動不能に保持される。その結果、駆動回転体2とカムシャフト17は、外乱トルクの発生により、相対回動不能にロックされ、カムシャフト17と駆動回転体2(クランクシャフト)との間には、相対位相角のずれが発生しない。
F1・sinθ1<μ・F1・cosθ1及びF2・sinθ2<μ・F2・cosθ2の条件を満たす場合には、ロックプレート14と駆動円筒5の摺動を妨げる局所的な摩擦力が相対位相角のずれを生じる力より大きくなるため、両者の間には、セルフロック作用が発生する。従って、θ1<tan-1μ、θ2<tan-1μを満たすように摩擦角θ1とθ2を設定した場合、駆動回転体2(図示しないクランクシャフト)とカムシャフト17との間には、外乱発生時にセルフロック機能が働くため、外乱による相対位相角のずれが発生することなく防止される。
尚、本実施例のセルフロック機構11においては、ロックプレートブッシュ13を省略して偏心円カム12を直接保持溝15に保持させてもよい。
1 エンジンの位相可変装置
2 駆動回転体
2a 軸状部材
2b 雄ねじ部(請求項2の相対変位機構の先端部)
2c 頭部(請求項2の相対変位機構の基端部)
3 第1制御回転体(請求項1の制御回転体)
4 スプロケット
4c 長孔(請求項2の段差挿通孔の大孔)
4d 孔(請求項2の段差挿通孔の小孔)
4e 段差挿通孔
5 駆動円筒
5d 固定孔
6 カムシャフト本体部
7 センターシャフト
9 回動操作力付与手段
10 相対位相角変更機構
11 セルフロック機構
12 偏心円カム
14 ロックプレート
14a、14b ロックプレート構成部材
14c,14d ロックプレート構成部材の外周面(請求項1の円面部)
17 カムシャフト
18 押付機構
19 伝達部材
20 円筒部
20a 円筒部の内周面
41 相対変位機構
C1 第1の微小クリアランス
C2 第2の微小クリアランス
C3 第3の微小クリアランス
C4 第4の微小クリアランス
C5 第5の微小クリアランス
L0 カムシャフトの回転中心軸線

Claims (3)

  1. 外周の少なくとも一部に巻き付けられた伝達部材を介し、クランクシャフトによって回転するスプロケットと、前記スプロケットに取り付けられた駆動円筒と、を有する駆動回転体と、
    前記駆動回転体を同軸かつ相対回動可能に支持するカムシャフトと、
    前記駆動円筒の円筒部の内周面に内接する円面部を一体に有し、かつ前記駆動回転体に対して同軸かつ相対回動可能な状態でカムシャフトに支持される制御回転体と、
    前記駆動回転体に対する相対回動トルクを前記制御回転体に付与する回動操作力付与手段と、
    前記駆動回転体に対する制御回転体の相対回動に応じて、駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角を変更する相対位相角変更機構と、
    カムシャフトに発生するカムトルクによって前記円筒部の内周面に前記制御回転体の円面部を押しつけて、カムトルクによる駆動回転体に対するカムシャフトの相対位相角のズレを防止するセルフロック機構と、
    を有する自動車用エンジンの位相可変装置において、
    前記スプロケットを前記円筒部に対し、駆動回転体の回転中心軸線に対して垂直方向に相対変位可能に保持する相対変位機構を設けたことを特徴とする、自動車用エンジンの位相可変装置。
  2. 前記相対変位機構は、
    小孔と小孔より幅広の大孔により形成され、前記駆動回転体の駆動円筒またはスプロケットのうち一方において、複数設けられた段差挿通孔と、
    前記駆動回転体の駆動円筒またはスプロケットの他方において、前記段差挿通孔と対応する位置に設けられた軸固定孔と、
    前記段差挿通孔の小孔に挿通され、かつ前記小孔に固定される先端部と、少なくとも一部が前記小孔より幅広に形成されると共に前記大孔の内側に配置されて、前記固定孔を設けた円筒部またはスプロケットのいずれか一方を軸方向に位置決めし、かつ前記スプロケットを前記円筒部に対し、駆動回転体の回転中心軸線の延びる方向に対して垂直方向に変位可能に保持する基端部と、を有する軸状部材と、
    前記軸状部材と前記段差挿通孔との間に設けられた第1の微小クリアランスと、
    前記スプロケットとカムシャフトとの間の少なくとも一部に設けられた、前記第1の微小クリアランスよりも小さな第2の微小クリアランスと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの位相可変装置。
  3. 前記第1の微小クリアランスは、前記軸状部材の先端部と前記段差挿通孔の小孔との間に設けられた第3の微小クリアランスと、前記軸状部材の基端部と前記段差挿通孔の大孔との間に設けられた第4の微小クリアランスによって形成され、
    前記第4の微小クリアランスは、前記第3の微小クリアランスよりも小さく形成されたことを特徴とする、請求項2に記載のエンジンの位相可変装置。
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