JP4831076B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、入力回転体に入力する入力トルクをアクチュエータへの通電により発生して、クランク軸又はカム軸の連動回転体に対する当該入力回転体の回転状態を制御することにより、それら軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を調整するようにしたバルブタイミング調整装置が知られている。かかるバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、連動回転体に対して入力回転体をロックすることにより機関位相を保持するロック手段を備えたものが、提案されている。
具体的に、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、連動回転体及び入力回転体にそれぞれ設けたツース同士が噛合する位置に連動回転体をウェーブリングの付勢力により付勢して、入力回転体を連動回転体に対してロックすることで、機関位相が保持されるようになっている。またその一方で、ツース同士の噛合を解除する位置まで連動回転体を駆動する電磁駆動力をソレノイドコイルへの通電により発生させて、連動回転体に対する入力回転体のロックを解除することで、機関位相の変化が許容されるようになっている。これらのことから、アクチュエータ及びソレノイドコイルへの通電カットにより入力トルク及び電磁駆動力の発生を停止させることで機関位相を保持する一方、アクチュエータ及びソレノイドコイルへの通電により入力トルク及び電磁駆動力を発生して機関位相を変化させることができる。したがって、アクチュエータ及びコイルへの通電時間が減少し、省電力性が高められるのである。
特開平9−250309号公報
しかし、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、連動回転体及び入力回転体のツースを、回転周方向に間隔をあけて設ける必要がある。これにより、ツース同士の噛合位置が離散的となるため、機関位相の保持位相を連続して設定することができず、機関位相の調整精度が低下してしまう。また、ツースが間隔をあけて設けられることで、機関位相の保持要求からツース同士が噛合するまでに時間がかかる場合があり、その場合、機関位相の調整応答性が低下してしまう。さらに、互いに離間したツース同士の噛合時には、衝撃が生じるため、騒音の発生や破損といった不具合を招いてしまうのである。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミングを決める機関位相の調整性、静粛性並びに耐久性を、省電力性と共に高めるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、入力回転体を有し、入力回転体に入力する入力トルクを発生するアクチュエータと、クランク軸又はカム軸と連動して回転する連動回転体を入力回転体と同軸上に有し、連動回転体に対する入力回転体の回転状態に応じて機関位相を調整する位相調整機構と、連動回転体に対して入力回転体をロックすることにより機関位相を保持する一方、当該ロックを解除することにより機関位相の変化を許容するロック手段と、アクチュエータ及びロック手段の各作動を通電により制御する通電制御手段と、を備えるバルブタイミング調整装置において、ロック手段は、入力回転体及び連動回転体と共通の回転軸方向において第一位置及び第二位置の間を往復移動可能に設けられる中間回転体と、中間回転体を第一位置側に付勢する付勢力を発生する付勢部材と、中間回転体を第二位置に駆動する電磁駆動力を発生するロックコイルと、入力回転体及び中間回転体のうち一方に設けられる第一楔面と、入力回転体及び中間回転体のうち他方に設けられ、回転径方向の第一楔面側に傾斜する第一斜面と、第一楔面及び第一斜面の間に介装され、中間回転体の第一位置への移動に伴って第一斜面の傾斜に沿って移動することにより第一楔面に押付けられ、中間回転体の第二位置側への移動により当該押付けが解除される第一転動体と、中間回転体及び連動回転体のうち一方に設けられる第二楔面と、中間回転体及び連動回転体のうち他方に設けられ、回転径方向の第二楔面側に傾斜する第二斜面と、第二楔面及び第二斜面の間に介装され、中間回転体の第一位置への移動に伴って第二斜面の傾斜に沿って移動することにより第二楔面に押付けられ、中間回転体の第二位置側への移動により当該押付けが解除される第二転動体と、を有し、機関位相を保持するときに通電制御手段は、アクチュエータへの通電をカットして入力トルクの発生を停止させると共に、ロックコイルへの通電をカットして電磁駆動力の発生を停止させ、機関位相を変化させるときに通電制御手段は、アクチュエータへの通電を制御して入力トルクを設定すると共に、ロックコイルに通電して電磁駆動力を発生させる。
この発明においてロックコイルへの通電がカットされるときには、付勢部材が発生する付勢力により中間回転体が第一位置側に移動するため、当該移動に伴って第一斜面の傾斜に沿って移動する第一転動体が第一楔面に押付けられる。その結果、楔作用が発揮されることで、第一楔面に対する第一転動体及び第一斜面の位置ずれが中間回転体の回転周方向において規制される。ここで第一斜面と第一楔面は、それぞれ入力回転体及び中間回転体のうち一方と他方に設けられることから、かかる位置ずれ規制によって中間回転体が入力回転体に対してロックされることになる。また、このときには、中間回転体の第一位置側への移動に伴って第二転動体が第二斜面に沿って移動して、第二楔面に押付けられることで、楔作用が発揮されるため、第二楔面に対する第二転動体及び第二斜面の位置ずれも中間回転体の回転周方向において規制される。ここで第二斜面と第二楔面は、それぞれ中間回転体及び連動回転体のうち一方と他方に設けられることから、かかる位置ずれ規制によって中間回転体が連動回転体に対してロックされることになる。
以上のことから、中間回転体の駆動に伴って各斜面が各転動体を各楔面に押付けることにより、実質的に衝撃を生じることなく、任意の機関位相にて、連動回転体に対する入力回転体のロックを中間回転体を介して実現できる。したがって、入力回転体への入力トルクを発生するアクチュエータへの通電を、ロックコイルへの通電と共にカットすることによれば、衝撃の発生を回避して静粛性及び耐久性を高めつつ、機関位相に関し、ロックによる保持位相の連続設定を可能にして調整性を高めることができる。
加えて、請求項1に記載の発明においてロックコイルが通電されるときには、当該コイルが発生する電磁駆動力により中間回転体が第二位置に駆動されて、各転動体の各楔面への押付けが解除されるため、入力回転体及び連動回転体に対する中間回転体のロックが解除される。したがって、ロックコイルへの通電と共に、アクチュエータへの通電を制御して入力回転体に入力の入力トルクを設定することによれば、当該入力回転体の連動回転体に対する回転状態に応じて機関位相を変化させることができる。ここで、上述の如く機関位相の保持時には、ロックコイル及びアクチュエータへの通電がカットされることから、それらへの通電時期は機関位相の変化時に限定されるので、省電力性を高めることもできるのである。
請求項2に記載の発明によると、ロック手段は、復原力を発生する複数の弾性部材を有し、第一楔面及び第二楔面のうち一方は、第一転動体及び第二転動体のうち対応する弾性部材の復原力に抗して当該一方の楔面に押付けられる転動体に対して、中間回転体の回転周方向における一方側並びに他方側からそれぞれ係合するように、複数設けられ、第一楔面及び第二楔面のうち他方は、第一転動体及び第二転動体のうち当該他方の楔面に押付けられる転動体に対して、中間回転体の回転周方向における両側から係合するように、少なくとも一つ設けられる。
この発明によれば、第一楔面及び第二楔面のうち一方の楔面である複数は、弾性部材の復原力に抗して押付けられる転動体に対してそれぞれ中間回転体の回転周方向の一方側又は他方側から係合することで、確実に楔作用を発揮し得る。しかも、それら一方の楔面が発揮する楔作用の共同によれば、中間回転体を、そのロック対象である入力回転体又は連動回転体に対して回転周方向の両側に相対回転不能にロックすることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、第一楔面及び第二楔面のうち他方の楔面である少なくとも一つは、押付けられる転動体に対して中間回転体の回転周方向の両側から係合することで、確実に楔作用を発揮し得る。しかも、かかる他方の楔面が単独で発揮する楔作用によれば、中間回転体を、そのロック対象である連動回転体又は入力回転体に対して回転周方向の両側に相対回転不能にロックすることができる。
加えて、請求項2に記載の発明によれば、ロック手段の組立時には、各楔面、各斜面並びに各転動体についての製造公差を弾性部材の弾性変形により吸収して、転動体の介装作業を容易に実施可能となるので、生産性の向上にも繋がるのである。
請求項3に記載の発明によると、上記他方の楔面としての第一楔面は、入力回転体よりも大径の筒状を呈する中間回転体に設けられるので、当該第一楔面を可及的に大きく形成して、楔作用の確度を高めることができる。また、請求項3に記載の発明によると、上記一方の楔面としての第二楔面は、中間回転体よりも大径の筒状を呈し弾性部材を保持する連動回転体に設けられるので、当該第二楔面を可及的に大きく形成すると共に弾性部材の保持スペースを確保して、楔作用の確度を高めることもできる。
請求項4に記載の発明によると、第一転動体及び第二転動体は、回転軸方向に直交する断面において円形の輪郭を有する。この発明によれば、各斜面が各転動体を各楔面に押付けることで生じる摩擦を各転動体の転動により低減して、耐久性の向上に貢献することができる。
請求項5に記載の発明によると、ロック手段は、第一楔面、第一斜面及び第一転動体の組並びに第二楔面、第二斜面及び第二転動体の組を、中間回転体の回転周方向に複数組ずつ有する。この発明によれば、各組において斜面が転動体を楔面に押付けることによって発生する抗力等の力は、中間回転体の回転周方向において分散されるので、耐久性の向上に貢献することができるのである。
請求項6に記載の発明によると、ロック手段は、回転軸方向において中間回転体と共に往復移動可能に設けられ、中間回転体の相対回転を許容する可動体を有し、付勢部材は、可動体を介して中間回転体に付勢力を付与し、ロックコイルは、可動体を介して中間回転体に電磁駆動力を付与する。
この発明によれば、付勢部材により発生の付勢力が可動体を介して付与されることで第一位置に移動した中間回転体は、連動回転体に対してロックされるため、クランク軸又はカム軸と連動して回転する。このとき可動体は、中間回転体と共に第一位置に移動することになるが、中間回転体の相対回転を許容し得る。したがって、中間回転体の回転に拘らず可動体を定位させて、付勢部材の付勢力を当該定位状態の可動体を介して中間回転体に付与可能となるので、ロック状態を確実に維持することができる。さらに、請求項6に記載の発明によれば、連動回転体に対してロックされることで回転する第一位置の中間回転体に、ロックコイルにより発生の電磁駆動力を定位状態の可動体を介して付与することによって、当該中間回転体を第二位置にまで確実に駆動することができるのである。
請求項7に記載の発明によると、アクチュエータは、入力回転体を制動することにより入力トルクとしてのブレーキトルクを発生し、位相調整機構は、入力回転体の回転を減速して機関位相を調整する。このように、入力回転体の制動によってブレーキトルクを発生するアクチュエータの場合、通電に対する応答性は一般に高め難い傾向にあるため、位相調整機構における減速比を小さくすることで、装置トータルとしての応答性を高めることが望ましい。ここで、相調整機構における減速比を小さくした場合、連動回転体に対する入力回転体のロック位置のずれが機関位相の調整精度に影響し易くなるが、当該ロックによる保持位相の連続設定が可能であることから、機関位相を高精度に調整することができるのである。
請求項8に記載の発明によると、アクチュエータは、入力回転体に接触する機能性流体の粘度に応じた入力トルクとしてのブレーキトルクを発生し、通電制御手段は、アクチュエータへの通電により機能性流体の粘度を可変制御する。この発明によれば、入力回転体に接触する機能性流体の粘度をアクチュエータへの通電により可変制御することで、実質的に異音を発生させることなく、ブレーキトルクを設定することが可能になる。したがって、静粛性の向上に貢献することができるのである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2に機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。ここで、図1に示すカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、当該吸気弁のバルブタイミングを調整するのである。
(基本部分)
まず、バルブタイミング調整装置1の基本部分を説明する。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ100、通電制御回路200、位相調整機構300及びロック機構400等を組み合わせてなり、クランク軸に対するカム軸2の相対位相である機関位相を調整することで、内燃機関に適したバルブタイミングを実現する。
(アクチュエータ)
図1に示すようにアクチュエータ100は、本実施形態では電動式の流体ブレーキであり、ハウジング110、入力回転体130及びブレーキコイル150を備えている。
図2に示すようにハウジング110は、共に磁性材製の固定部材112及び支持部材114を液密に相互固着してなり、全体として中空形状を呈している。固定部材112は有底円筒状を呈しており、内燃機関の固定節であるチェーンケース4(図1も参照)に固定されている。支持部材114は、固定部材112と同軸上の円環板状を呈しており、固定部材112の底部116よりも機構400,300側に配置されている。
入力回転体130は、本体部材131及び連繋部材136を相互固着してなる。本体部材131は磁性材からなり、回転軸部132及びロータ部134を一体に有している。シャフト状の回転軸部132は、支持部材114の軸受118によって支持されている。回転軸部132は、支持部材114を貫通してハウジング110の外部で円筒状の連繋部材136と同心嵌合することにより、当該連繋部材136を介して機構400,300と連繋している。この連繋により入力回転体130は、内燃機関の運転中にクランク軸から出力される機関トルクが位相調整機構300から伝達されることで、図3の時計方向及び図4の反時計方向に回転する。
図2に示すように円環板状のロータ部134は、回転軸部132において連繋部材136と反対側の端部に同軸上に設けられ、ハウジング110内に収容されている。これにより、入力回転体130の回転軸方向においては、ロータ部134と固定部材112の底部116との間に磁気ギャップ120が形成されると共に、ロータ部134と支持部材114との間に磁気ギャップ122が形成されている。
そして、このように磁気ギャップ120,122が形成されたハウジング110の内部に、磁気粘性流体140が部分充填状態で封入されている。ここで、磁気粘性流体140は「機能性流体」の一種であり、液状のベース材に磁性粒子を懸濁させてなる。磁気粘性流体140のベース材としては、例えばオイル等の液状の非磁性材が使用され、より好ましくは内燃機関の潤滑オイルと同種のオイルが使用される。磁気粘性流体140の磁性粒子としては、例えばカルボニル鉄等の粉状の磁性材が使用される。こうした成分構成の磁気粘性流体140は、印加される磁界の強度に追従して見かけ上の粘度が上昇し、当該粘度に比例して且つ磁気粘性流体140の存在スペースのサイズに反比例してせん断応力が増大する特性を現出する。
ブレーキコイル150はロータ部134の外周側に同心上に配置され、固定部材112及び支持部材114によりボビン152を介して保持されている。ブレーキコイル150は、通電によって励磁することで、図5の破線矢印Bの如く固定部材112、磁気ギャップ120、ロータ部134、磁気ギャップ122及び支持部材114を順に通過する磁束を形成するよう、磁界を発生する。
したがって、入力回転体130の回転中にブレーキコイル150が通電電流に従う磁界を発生するときには、磁気粘性流体140が各磁気ギャップ120,122に流入して、当該発生磁界の強度に対応した粘度状態となる。その結果、各磁気ギャップ120,122の磁気粘性流体140に接触する要素110,130間では、磁気粘性流体140の粘度に比例するせん断応力によって、ロータ部134を制動するブレーキトルクが図3の反時計方向及び図4の時計方向に発生する。即ち、ブレーキトルクが、「入力トルク」として入力回転体130に入力されることになるのである。
(通電制御回路)
図1に示す通電制御回路200は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、アクチュエータ100の外部に配置されてブレーキコイル150及び車両のバッテリ6と電気接続されている。内燃機関の停止中において通電制御回路200は、バッテリ6からの電力供給の遮断により、ブレーキコイル150への通電をカットした状態とする。したがって、このときには、ブレーキコイル150により磁界が発生せず、入力回転体130に作用するブレーキトルクの発生が停止した状態となる。
一方、内燃機関の運転中において通電制御回路200は、バッテリ6からの電力供給の下、ブレーキコイル150への通電電流を制御する。したがって、このときには、磁気粘性流体140の粘度が可変制御され、入力回転体130に入力するブレーキトルクがブレーキコイル150への通電電流に追従して増減設定されることになる。尚、内燃機関運転中における通電制御回路200の制御状態には、ブレーキコイル150への通電をカットする状態も含まれており、当該通電カット状態においては、内燃機関の停止中と同様にしてブレーキトルクの発生が停止することになる。
(位相調整機構)
図1に示すように位相調整機構300は、駆動回転体10、従動回転体20、アシスト部材30、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図1,6に示すように駆動回転体10は、共に円筒状を呈する歯車部材12及びスプロケット13を、同軸上に螺子止めしてなる。歯車部材12の内周部は、駆動側内歯車部14を形成している。スプロケット13の外周部には、回転径方向の外側に突出する複数の歯16が設けられている。スプロケット13は、それらの歯16とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーンが掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。したがって、内燃機関の運転中にクランク軸から出力される機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13に入力されることで、駆動回転体10はクランク軸と連動して図6の時計方向に回転する。
従動回転体20は円筒状を呈しており、スプロケット13の内周側に同心上に配置されている。従動回転体20の外周部は、従動側外歯車部22を形成している。従動回転体20の内周部は、カム軸2に同軸上にボルト固定されて連繋する連繋部24を形成している。この連繋により従動回転体20は、カム軸2と連動して図6の時計方向に回転可能となっており、また駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。
図1に示すようにアシスト部材30はねじりコイルばねからなり、スプロケット13の内周側に同心上に配置されている。アシスト部材30の一端部はスプロケット13に係止され、アシスト部材30の他端部は連繋部24に係止されている。これにより回転体10,20間に介装状態となっているアシスト部材30は、ねじり変形することで、駆動回転体10に対する遅角側に従動回転体20を付勢するアシストトルクを発生する。
遊星キャリア40は、全体として筒状を呈している。遊星キャリア40の内周部は、アクチュエータ100の入力回転体130からブレーキトルクが伝達される伝達部41を形成している。回転体10,20及び入力回転体130に対して同心上に配置される伝達部41は、複数の嵌合溝部42を有しており、それら嵌合溝部42に嵌合する継手43を介して遊星キャリア40が入力回転体130の連繋部材136と連繋している。この連繋により遊星キャリア40は、入力回転体130と一体に回転可能となっており、また駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。
図1,6に示すように遊星キャリア40の外周部は、伝達部41に対して偏心する偏心部44を形成している。偏心部44は、遊星歯車50の内周側に遊星ベアリング45を介して同心嵌合している。この嵌合により、遊星キャリア40は遊星歯車50を、駆動側内歯車部14に対する遊星キャリア40の相対回転に応じて遊星運動可能に支持している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が偏心部44の偏心中心線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転周方向に公転する遊星運動をいう。
遊星歯車50は円筒状を呈し、偏心部44に対して同心上に配置されている。即ち遊星歯車50は、歯車部14,22に対しては偏心して配置されている。遊星歯車50の外周部は、偏心側にて駆動側内歯車部14と噛合する駆動側外歯車部52を形成している。駆動側外歯車部52の歯数は、駆動側内歯車部14の歯数よりも少なく設定されている。遊星歯車50の内周部は、偏心側とは反対側にて従動側外歯車部22と噛合する従動側内歯車部54を形成している。従動側内歯車部54の歯数は、従動側外歯車部22の歯数よりも多く且つ駆動側外歯車部52の歯数よりも少なく設定されている。
以上により位相調整機構300は、入力回転体130の回転を減速してカム軸2に伝達することで機関位相を調整する、所謂差動歯車式の遊星減速機構を構成している。
具体的には、後に詳述するロック機構400のロック作用により入力回転体130が駆動回転体10と同速回転し、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が遊星運動せずに回転体10,20と共に回転する。したがって、このときの機関位相は、保持されることになる。
一方、後に詳述するロック機構400のロック解除下、入力回転体130のブレーキトルクが発生するときには、入力回転体130が駆動回転体10よりも低速回転する。これにより、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対する遅角側に相対回転するときには、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対する進角側へと相対回転する。したがって、このときの機関位相は、進角することになる。
また一方、ロック機構400のロック解除下、入力回転体130のブレーキトルクが減少するときには、アシスト部材30のアシストトルクが位相調整機構300を通じて入力回転体130に伝達されることにより、入力回転体130が駆動回転体10よりも高速回転する。これにより、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対する進角側に相対回転するときには、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対する遅角側へと相対回転する。したがって、このときの機関位相は、遅角することになる。
(特徴部分)
次に、バルブタイミング調整装置1の特徴部分について、詳細に説明する。図1に示すように本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、電動式のロック機構400を設けると共に、当該ロック機構400をアクチュエータ100と共通の通電制御回路200によって作動制御するところに、特徴がある。
(ロック機構)
図2に示すようにロック機構400は、中間回転体410、可動体420、付勢部材430及びロックコイル440を備えている。
図2,3に示すように、中間回転体410は回転体130,10と同心上に配置され、回転体130,10と共通の回転軸方向にて遊星キャリア40と向き合っている。中間回転体410は、支持軸部412及びロック部414を一体に有している。円筒状の支持軸部412は、円筒状のメタルブッシュ416を介して入力回転体130の連繋部材136の外周側に同心嵌合することで、当該連繋部材136に支持されている。
図2〜4に示す円筒状のロック部414は、支持軸部412の遊星キャリア40側の端部に同軸上に設けられている。ロック部414は、入力回転体130のうち連繋部材136よりも大径且つ駆動回転体10のうち歯車部材12よりも小径に形成されており、それら要素136,12との間に回転径方向のクリアランスをあけている。これにより中間回転体410は、回転可能となっており、また回転体130,10に対して相対回転可能となっており、さらに回転軸方向において図2の第一位置及び図5の第二位置の間を往復移動可能となっている。
図2に示すように、磁性材からなる可動体420は円筒状を呈しており、可動ベアリング422を介して中間回転体410の支持軸部412の外周側に同心嵌合している。この嵌合により中間回転体410については、可動体420と共に回転軸方向に往復移動可能となっており、また可動体420に対する相対回転が許容された形となっている。
付勢部材430は圧縮コイルばねからなり、入力回転体130の外周側に同心上に配置されている。付勢部材430の一端部は、可動体420に設けられたフランジ状の可動側係止部434に係止され、付勢部材430の他端部は、ハウジング110の支持部材114に設けられた溝状の固定側係止部436に係止されている。これにより要素420,110間に介装状態となっている付勢部材430は、圧縮変形することで、可動体420を介して中間回転体410を第一位置側に付勢する付勢力を発生する。
ロックコイル440は入力回転体130の外周側に同心上に配置され、ハウジング110の支持部材114によりボビン442を介して保持されている。ロックコイル440は、通電によって励磁することで、図5の破線矢印Rの如く可動体420及び支持部材114を順に通過する磁束を形成するよう、磁界を発生する。したがって、ロックコイル440が通電電流に従う磁界を発生するときには、磁気吸引力が可動体420及び支持部材114の間に作用することで、当該可動体420と共に中間回転体410が付勢部材430の付勢力に抗して第二位置に移動する。即ち、可動体420を介して中間回転体410に付与する「電磁駆動力」として磁気吸引力が発生し、それによって可動体420が第二位置に駆動されることになるのである。
そして、このような構成の下、ロック機構400には、図2〜4に示すように、第一クラッチ部460及び第二クラッチ部480が中間回転体410の回転周方向に複数ずつ設けられているのである。
具体的に第一クラッチ部460は、図2,3に示すように、第一楔面462、第一斜面464及び第一転動体466の組から構成されている。第一楔面462は、中間回転体410においてロック部414の内周部に開口する第一凹部463の内面により、形成されている。第一楔面462は、中間回転体410の回転軸方向に直交する断面(図3に示す断面)において、中間回転体410の回転周方向両側に開く略V字状を呈している。これにより第一楔面462は、中間回転体410の回転径方向線Lに対してそれぞれ相反方向に傾斜する平面状の係合面部462a,462bを形成している。
第一斜面464は、入力回転体130の連繋部材136においてロック部414の内周側に設けられたテーパ部465の外周面によって形成されることで、各組の第一クラッチ部460に共通となっている。本実施形態の第一斜面464は、アクチュエータ100のうちハウジング110側から位相調整機構300のうちの遊星キャリア40側に向かうほど拡径している。これにより第一斜面464は、中間回転体410の回転径方向のうち各組の第一クラッチ部460の第一楔面462側に傾斜する形となっている。
第一転動体466は、本実施形態ではころ状を呈しており、同一組の第一クラッチ部460において第一楔面462を形成する第一凹部463内に、第一斜面464に対して略平行に収容されている。これにより第一転動体466は、中間回転体410の回転軸方向に直交する断面(図3に示す断面)において円形輪郭を有するように第一楔面462及び第一斜面464の間に介装され、中間回転体410と共に回転可能となっている。さらに本実施形態では、中間回転体410の回転軸方向において第一転動体466が第一凹部463内に転動可能に挟持されており、それによって第一転動体466が中間回転体410と共に往復移動可能となっている。
以上の構成により第一クラッチ部460では、中間回転体410が図2の第一位置側へと移動するのに伴って、第一転動体466が第一斜面464の傾斜に沿って第一楔面462側に移動する。その結果、中間回転体410が第一位置に達すると、第一転動体466は転動しつつ、図3に示すように第一斜面464によって第一楔面462へと押付けられる。この押付け状態では、第一楔面462の各係合面部462a,462bが中間回転体410の回転周方向の両側から第一転動体466に係合することで、それら係合面部462a,462bから第一転動体466に作用する抗力によって楔作用が発揮される。これにより、第一楔面462に対する第一転動体466及び第一斜面464の回転周方向両側への位置ずれが規制されるので、中間回転体410が入力回転体130に対して相対回転不能にロックされることになる。
一方、中間回転体410が図5の第二位置側へと移動するのに伴って第一クラッチ部460では、第一転動体466を挟む第一斜面464と第一楔面462との間の距離が増大する。その結果、中間回転体410が第二位置に達すると、図7に示すように、第一転動体466の第一楔面462に対する押付けが解除されることになる。したがって、この押付解除状態では、入力回転体130に対する中間回転体410のロックが解除されるのである。
尚、このような第一クラッチ部460において、各面462,464が設けられる要素410,136並びに第一転動体466の形成材料としては、耐摩耗性の高い材料であることが望ましく、例えば鉄系合金等の金属材が採用されることになる。
さて、図2,4に示すように第二クラッチ部480は、第二楔面482、第二斜面484、第二転動体486及び弾性部材488の組から構成されている。第二楔面482は、駆動回転体10において歯車部材12の内周部に開口する第二凹部483の内面により、形成されている。第二楔面482は、中間回転体410の回転軸方向に直交する断面(図4に示す断面)において、中間回転体410の回転周方向の一方側と同回転体410の回転径方向の一方側とに開く略V字状を呈している。これにより第二楔面482は、中間回転体410の回転径方向線Lに対して傾斜する平面状の係合面部482aと、当該回転径方向線Lに略平行な平面状の係合面部482bとを形成している。
ここで、中間回転体410の回転周方向において隣り合う第一クラッチ部460同士では、回転径方向線Lに対して当該回転周方向の相反側(即ち、図4の時計方向と反時計方向)に傾斜するように、係合面部482aが形成されている。また、中間回転体410の回転周方向にて隣り合う第一クラッチ部460同士では、当該回転周方向の相反側(即ち、図4の反時計方向と時計方向)を向くように、係合面部482bが形成されている。
第二斜面484は、中間回転体410のロック部414において歯車部材12の内周側に設けられたテーパ部485の外周面によって形成されることで、各組の第二クラッチ部480に共通となっている。本実施形態の第二斜面484は、位相調整機構300のうち遊星キャリア40側からアクチュエータ100のうちのハウジング110側に向かうほど拡径している。これにより第二斜面484は、中間回転体410の回転径方向のうち各組の第二クラッチ部480の第二楔面482側に傾斜する形となっている。
第二転動体486は、本実施形態ではころ状を呈しており、同一組の第二クラッチ部480において第二楔面482を形成する第二凹部483内に、第二斜面484に対して略平行に収容されている。これにより第二転動体486は、中間回転体410の回転軸方向に直交する断面(図4に示す断面)において円形輪郭を有するように第二楔面482及び第二斜面484の間に介装され、駆動回転体10と共に回転可能となっている。さらに本実施形態では、中間回転体410の回転軸方向において第二転動体486が第二凹部483内に転動可能に挟持されており、それによって第二転動体486の当該回転軸方向における移動が規制されている。
弾性部材488は圧縮コイルばねからなり、駆動回転体10において歯車部材12に設けられた保持凹部489内に保持されている。ここで保持凹部489は、同一組の第二クラッチ部480の第二楔面482を形成する第二凹部483の内面のうち、中間回転体410の回転周方向において第二楔面482と向き合う部分に開口している。弾性部材488は、このような保持凹部489内から第二凹部483内に突出して、当該突出端部を第二転動体486に当接させている。これにより要素10,486間に介装状態となっている弾性部材488は、圧縮変形することで、第二転動体486を第二楔面482側に付勢する復原力を発生する。
以上の構成により第二クラッチ部480では、中間回転体410が図2の第一位置側へと移動するのに伴って、第二転動体486が第二斜面484の傾斜に沿って第二楔面482側に移動する。その結果、中間回転体410が第一位置に達すると、第二転動体486は転動しつつ、図4に示すように第二斜面484によって弾性部材488の復原力に抗して第二楔面482に押付けられる。この押付け状態では、第二楔面482の各係合面部482a,482bが中間回転体410の回転周方向の一方側又は他方側から第二転動体486に係合することで、それら係合面部482a,482bから第二転動体486に作用する抗力によって楔作用が発揮される。これにより、第二楔面482に対する第二転動体486及び第二斜面484の回転周方向一方側又は他方側への位置ずれが規制されるので、中間回転体410が駆動回転体10に対して相対回転不能にロックされることになる。
一方、中間回転体410が図5の第二位置側へと移動するのに伴って第二クラッチ部480では、第二転動体486を挟む第二斜面484と第二楔面482の係合面部482aとの間の距離が増大する。その結果、中間回転体410が第二位置に達すると、図8に示すように、第二転動体486の第二楔面482に対する押付けが解除されることになる。したがって、この押付解除状態では、駆動回転体10に対する中間回転体410のロックが解除されるのである。
尚、このような第二クラッチ部480において、各面482,484が設けられる要素12,410、第二転動体486並びに弾性部材488の形成材料としては、耐摩耗性の高い材料であることが望ましく、例えば鉄系合金等の金属材が採用されることになる。
(通電制御回路によるロック機構制御)
図1に示すように通電制御回路200は、アクチュエータ100のブレーキコイル150及び車両のバッテリ6に加え、ロック機構400のロックコイル440にも電気接続されている。内燃機関の停止中において通電制御回路200は、バッテリ6からの電力供給遮断により、ロックコイル440への通電をカットした状態とする。したがって、このときには、ロックコイル440によって磁界が発生せず、可動体420に作用する磁気吸引力の発生が停止した状態となる。
一方、内燃機関の運転中において通電制御回路200は、バッテリ6からの電力供給下、ロックコイル440への通電電流を制御する。したがって、このときには、可動体420に作用する磁気吸引力が可変制御され、ロックコイル440への通電電流に追従して可動体420及び中間回転体410が往復駆動されることになる。尚、内燃機関運転中における通電制御回路200の制御状態には、ロックコイル440への通電をカットする状態も含まれており、当該通電カット状態においては、内燃機関の停止中と同様にして磁気吸引力の発生が停止することになるのである。
(バルブタイミング調整作動)
次に、バルブタイミング調整装置1によるバルブタイミング調整作動について、詳細に説明する。
(保持作動)
内燃機関においてアクセルの保持状態といった安定運転状態等を表す運転条件が成立した場合に、通電制御回路200は、バルブタイミングを保持する保持処理を実施する。この保持処理では、図9(a)に示すように、アクチュエータ100のブレーキコイル150に対する通電電流を零に制御して、当該コイル150への通電をカットする。その結果、アクチュエータ100では、入力回転体130に作用するブレーキトルクの発生が停止する。
それと共に保持処理では、図9(a)に示すように、ロック機構400のロックコイル440に対する通電電流を零に制御して、当該コイル440への通電をカットする。その結果、ロック機構400では、可動体420に作用する磁気吸引力の発生が停止し、付勢部材430の付勢力によって中間回転体410が第一位置に駆動される。故に、複数の第一クラッチ部460の各々において第一楔面462が、第一斜面464によって押付けられた第一転動体466に楔作用を発揮することで、中間回転体410が入力回転体130に対してロックされる。さらに、複数の第二クラッチ部480のうち中間回転体410に作用するトルクの合成方向に対して係合面部482aの傾斜方向が逆の第二楔面482が、第二斜面484によって押付けられた第二転動体486に楔作用を発揮することで、中間回転体410が駆動回転体10に対してロックされる。以上により、駆動回転体10に対する入力回転体130のロックが実現されるため、それら回転体10,130が同速回転し、バルブタイミングを決める機関位相が保持されることになる。
このように本実施形態によれば、中間回転体410の第一位置への駆動に伴いクラッチ部460,480の斜面464,484が転動体466,486を楔面462,482へと押付けるだけで、実質的に衝撃を生じることなく、任意の機関位相に保持できる。したがって、衝撃の発生を回避して静粛性及び耐久性を高めつつ、機関位相に関し、保持位相の連続設定を可能にして調整性を高めることができるのである。
また、本実施形態において可動体420は中間回転体410の相対回転を許容しているので、中間回転体410の回転に拘らず可動体420を定位させて、当該定位状態の可動体420を介して付勢部材430の付勢力を中間回転体410に付与し得る。したがって、回転する中間回転体410の第一位置を確保してロック状態、ひいては機関位相の保持状態を確実に維持することができるのである。
尚、本実施形態では、内燃機関の停止に伴うバッテリ6からの電力供給遮断によって通電制御回路200が、ブレーキコイル150及びロックコイル440への通電をカットするので、ここまで説明の保持作動に準ずる作動が当該機関停止時にも実現される。故に、内燃機関の停止時や停止後にカム軸が回転してカムトルクが位相調整機構300に伝達されたとしても、駆動回転体10に対する入力回転体130のロックにより機関位相を保持して、内燃機関の次の始動に備えることができる。したがって、内燃機関の始動時には、その始動に適した機関位相が正しく確保されることになるので、機関始動性の優れたものになるといった副次的効果も得られるのである。
(進角作動・遅角作動)
内燃機関においてアクセルのオフ状態又は低・中速高負荷運転状態等を表す運転条件が成立した場合に、通電制御回路200は、バルブタイミングを進角させる進角処理を実施する。この進角処理では、図9(b)に示すように、アクチュエータ100のブレーキコイル150に対する通電をオンして、その通電電流を零よりも大きな設定値に制御する。その結果、アクチュエータ100では、入力回転体130に作用するブレーキトルクが通電電流の設定値に従って発生することになる。
それと共に進角処理では、図9(b)に示すように、ロック機構400のロックコイル440に対する通電をオンして、その通電電流を零よりも大きな設定値に制御する。その結果、ロック機構400では、可動体420に作用する磁気吸引力が発生し、中間回転体410が第二位置に駆動される。故に、複数の第一クラッチ部460の各々においては、第一斜面464による第一転動体466の第一楔面462への押付けが解除されるので、入力回転体130に対する中間回転体410のロックが解除される。さらに、複数の第二クラッチ部480の各々においては、第二斜面484による第二転動体486の第二楔面482への押付けが解除されるので、駆動回転体10に対する中間回転体410のロックが解除される。以上により、駆動回転体10に対する入力回転体130のロックが解かれた状態下、ブレーキトルクが発生することによって入力回転体130が駆動回転体10よりも低速回転し、バルブタイミングを決める機関位相が進角することになる。
ここで本実施形態では、可動体420が中間回転体410の相対回転を許容することで、第一位置における中間回転体410の回転に拘らず可動体420を定位させ、当該定位状態の可動体420を介してロックコイル440の磁気吸引力を中間回転体410に付与し得る。したがって、回転する中間回転体410を第二位置まで正しく駆動してロック解除、ひいては機関位相の進角を確実に実現することができるのである。
さて、こうした進角処理に対し、内燃機関において軽負荷の通常運転状態等を表す運転条件が成立した場合に、通電制御回路200は、バルブタイミングを遅角させる遅角処理を実施する。この遅角処理では、図9(c)に示すように、アクチュエータ100のブレーキコイル150に対する通電電流を零に制御して、当該コイル150への通電をカットする。その結果、アクチュエータ100では、入力回転体130に作用するブレーキトルクの発生が停止する。
それと共に遅角処理では、図9(c)に示すように、ロック機構400のロックコイル440に対する通電をオンして、その通電電流を進角処理と同じ設定値に制御する。その結果、進角処理と同様にして、中間回転体410が第二位置に正しく駆動され、入力回転体130に対する中間回転体410のロック並びに駆動回転体10に対する中間回転体410のロックが解除されることになる。以上により、駆動回転体10に対する入力回転体130のロックが解かれた状態下、ブレーキトルクの発生が停止することによって入力回転体130が駆動回転体10よりも高速回転し、バルブタイミングを決める機関位相が遅角するのである。
このように本実施形態によれば、ブレーキコイル150及びロックコイル440の少なくとも一方に通電する状態が機関位相の変化時に限定されるので、省電力性を高めることができるのである。
また、本実施形態によると、機関位相を調整するためのブレーキトルクの増減設定を、入力回転体130に接触する磁気粘性流体140の粘度を可変制御することで実現しているので、当該増減設定に異音を発生させることがなく、上述の静粛性が保たれることになる。さらに、ブレーキトルクを発生するアクチュエータ100は、モータトルクを発生するアクチュエータに比べると、通電に対する応答性を高め難い傾向にあるため、位相調整機構300の減速比を小さくして装置トータルとしての応答性を高めることが望ましい。ここで、位相調整機構300における減速比を小さくすると、駆動回転体10に対する入力回転体130のロック位置のずれが機関位相の調整精度に影響し易くなるが、上述したように保持位相の連続設定が可能であることから、機関位相を高精度に調整することができるのである。
尚、本実施形態においてロック機構400の組立は、例えば次のようにして行われる。まず、各第一凹部463内に第一転動体466を収容した中間回転体410の内周側へ連繋部材136を挿入して、各第一クラッチ部460を形成する。
次に、遊星キャリア40への連繋部材136の嵌合と共に、各第二凹部483内に第二転動体486を収容し且つ各保持凹部489内に弾性部材488を保持した駆動回転体10の内周側へ中間回転体410を挿入して、各第二クラッチ部480を形成する。このときには、各クラッチ部460,480の楔面462,482、斜面464,484並びに転動体466,486についての製造公差を各弾性部材488の弾性変形によって吸収し得るので、それら要素同士が干渉して第二クラッチ部480の形成が困難となる事態を回避できる。したがって、生産性が向上することになるのである。
以上の後、中間回転体410に嵌合する可動体420とハウジング110との間に付勢部材430を挟んだ状態で、本体部材131を連繋部材136に嵌合して入力回転体130を形成すると共に、ハウジング110をチェーンケース4に固定することで、ロック機構400が完成することになる。
尚、ここまで説明した実施形態では、駆動回転体10が特許請求の範囲に記載の「連動回転体」に相当し、ロック機構400が特許請求の範囲に記載の「ロック手段」に相当し、通電制御回路200が特許請求の範囲に記載の「通電制御手段」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
アクチュエータ100としては、「機能性流体」として磁気粘性流体140を用いた流体ブレーキ以外にも、例えば「機能性流体」として電気粘性流体を用いる流体ブレーキ、ヒステリシスブレーキや摩擦ブレーキ等といった、ブレーキトルクを発生するもの、あるいは電動モータや油圧モータ等といった、モータトルクを発生するものを採用してもよい。尚、アクチュエータ100として電動モータを用いる場合、位相調整機構300においてアシスト部材30を設けないようにしてもよい。
第一クラッチ部460については、第一楔面462を入力回転体130に設けると共に、第一斜面464を中間回転体410に設けるようにしてもよい。また、第一クラッチ部460については、球状の第一転動体466を採用してもよい。さらに、第一クラッチ部460については、第二クラッチ部480の第二楔面482に準じる略V字状に第一楔面462を形成すると共に、第二クラッチ部480に準じて弾性部材488を設けることで第一転動体466を付勢するようにしてもよい。
第二クラッチ部480については、第二楔面482を中間回転体410に設けると共に、第二斜面484を駆動回転体10に設けるようにしてもよい。また、第二クラッチ部480については、球状の第二転動体486を採用してもよい。さらに、第二クラッチ部480については、第一クラッチ部460の第一楔面462に準じる略V字状に第二楔面482を形成すると共に、弾性部材488を省略するようにしてもよい。
位相調整機構300については、回転体10がカム軸2と連動して回転し且つ回転体20がクランク軸と連動して回転するようにしてもよい。また、位相調整機構300としては、上述の如き遊星減速機構を構成するもの以外にも、回転体10に対する入力回転体130の回転状態に応じて機関位相を調整可能な限りにおいて、各種の機構を採用することができる。
遅角作動(遅角処理)については、アクチュエータ100のブレーキコイル150に対する通電電流を零よりも大きく且つ進角作動時よりも小さな設定値に制御することで、入力回転体130に作用するブレーキトルクを進角作動時よりも減少させてもよい。また、例えばアシスト部材30による従動回転体20の付勢方向を駆動回転体10に対する進角側とする場合や、上述の如くアクチュエータ100として電動モータを採用する場合等には、ブレーキコイル150に対する通電電流について、遅角作動(遅角処理)時の値と進角作動(進角処理)時の値とを入替えるようにしてもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調製する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することもできる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 図1のアクチュエータを拡大して示す断面図である。 図2のIII−III線拡大断面図である。 図2のIV−IV線拡大断面図である。 図2とは異なる作動状態を示す断面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 図5のVII−VII線拡大断面図である。 図5のVIII−VII線拡大断面図である。 図1のバルブタイミング調整装置によるバルブタイミング調整作動について説明するための模式図である。
符号の説明
バルブタイミング調整装置、2 カム軸、10 駆動回転体(連動回転体)、20 従動回転体、30 アシスト部材、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、100 アクチュエータ、112 固定部材、114 支持部材、120,122 磁気ギャップ
120,122磁気ギャップ、130 入力回転体、131 本体部材、132 回転軸部、134 ロータ部、136 連繋部材、140 磁気粘性流体、150 ブレーキコイル、200 通電制御回路(通電制御手段)、300 位相調整機構、400 ロック機構(ロック手段)、410 中間回転体、412 支持軸部、414 ロック部、420 可動体、430 付勢部材、434 可動側係止部、436 固定側係止部、440 ロックコイル、460 第一クラッチ部、462 第一楔面、462a,462b 係合面部、463 第一凹部、464 第一斜面、466 第一転動体、480 第二クラッチ部、482 第二楔面、482a,482b 係合面部、483 第二凹部、484 第二斜面、485 テーパ部、486 第二転動体、488 弾性部材、489 保持凹部

Claims (8)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    入力回転体を有し、前記入力回転体に入力する入力トルクを発生するアクチュエータと、
    前記クランク軸又は前記カム軸と連動して回転する連動回転体を前記入力回転体と同軸上に有し、前記連動回転体に対する前記入力回転体の回転状態に応じて前記クランク軸及び前記カム軸の間の相対位相を調整する位相調整機構と、
    前記入力回転体に対して前記連動回転体をロックすることにより前記相対位相を保持する一方、当該ロックを解除することにより前記相対位相の変化を許容するロック手段と、
    前記アクチュエータ及び前記ロック手段の各作動を通電により制御する通電制御手段と、
    を備えるバルブタイミング調整装置において、
    前記ロック手段は、
    前記入力回転体及び前記連動回転体と共通の回転軸方向において第一位置及び第二位置の間を往復移動可能に設けられる中間回転体と、
    前記中間回転体を前記第一位置側に付勢する付勢力を発生する付勢部材と、
    前記中間回転体を前記第二位置に駆動する電磁駆動力を発生するロックコイルと、
    前記入力回転体及び前記中間回転体のうち一方に設けられる第一楔面と、
    前記入力回転体及び前記中間回転体のうち他方に設けられ、回転径方向の前記第一楔面側に傾斜する第一斜面と、
    前記第一楔面及び前記第一斜面の間に介装され、前記中間回転体の前記第一位置側への移動に伴って前記第一斜面の傾斜に沿って移動することにより前記第一楔面に押付けられ、前記中間回転体の前記第二位置側への移動により当該押付けが解除される第一転動体と、
    前記中間回転体及び前記連動回転体のうち一方に設けられる第二楔面と、
    前記中間回転体及び前記連動回転体のうち他方に設けられ、回転径方向の前記第二楔面側に傾斜する第二斜面と、
    前記第二楔面及び前記第二斜面の間に介装され、前記中間回転体の前記第一位置側への移動に伴って前記第二斜面の傾斜に沿って移動することにより前記第二楔面に押付けられ、前記中間回転体の前記第二位置側への移動により当該押付けが解除される第二転動体と、
    を有し、
    前記相対位相を保持するときに前記通電制御手段は、前記アクチュエータへの通電をカットして前記入力トルクの発生を停止させると共に、前記ロックコイルへの通電をカットして前記電磁駆動力の発生を停止させ、
    前記相対位相を変化させるときに前記通電制御手段は、前記アクチュエータへの通電を制御して前記入力トルクを設定すると共に、前記ロックコイルに通電して前記電磁駆動力を発生させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記ロック手段は、復原力を発生する複数の弾性部材を有し、
    前記第一楔面及び前記第二楔面のうち一方は、前記第一転動体及び前記第二転動体のうち対応する前記弾性部材の前記復原力に抗して当該一方の楔面に押付けられる転動体に対して、前記中間回転体の回転周方向における一方側並びに他方側からそれぞれ係合するように、複数設けられ、
    前記第一楔面及び前記第二楔面のうち他方は、前記第一転動体及び前記第二転動体のうち当該他方の楔面に押付けられる転動体に対して、前記中間回転体の回転周方向における両側から係合するように、少なくとも一つ設けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記他方の楔面としての前記第一楔面は、前記入力回転体よりも大径の筒状を呈する前記中間回転体に設けられ、
    前記一方の楔面としての前記第二楔面は、前記中間回転体よりも大径の筒状を呈し前記弾性部材を保持する前記連動回転体に設けられることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第一転動体及び前記第二転動体は、前記回転軸方向に直交する断面において円形の輪郭を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記ロック手段は、前記第一楔面、前記第一斜面及び前記第一転動体の組並びに前記第二楔面、前記第二斜面及び前記第二転動体の組を、前記中間回転体の回転周方向に複数組ずつ有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記ロック手段は、前記回転軸方向において前記中間回転体と共に往復移動可能に設けられ、前記中間回転体の相対回転を許容する可動体を有し、
    前記付勢部材は、前記可動体を介して前記中間回転体に前記付勢力を付与し、
    前記ロックコイルは、前記可動体を介して前記中間回転体に前記電磁駆動力を付与することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記アクチュエータは、前記入力回転体を制動することにより前記入力トルクとしてのブレーキトルクを発生し、
    前記位相調整機構は、前記入力回転体の回転を減速して前記相対位相を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記アクチュエータは、前記入力回転体に接触する機能性流体の粘度に応じた前記ブレーキトルクを発生し、
    前記通電制御手段は、前記アクチュエータへの通電により前記機能性流体の粘度を可変制御することを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
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