JP5840096B2 - 導電フィルムおよびタッチパネル - Google Patents

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本発明は、導電フィルム、特に、折り曲げた際にも導電特性に優れる導電フィルムに関すると共に、この導電フィルムを用いたタッチパネルに関する。
支持体上に透明導電性細線が形成された導電フィルムは、太陽電池、無機EL素子、有機EL素子などの各種電子デバイスの透明電極、各種表示装置の電磁波シールド、タッチパネル、透明面状発熱体などに幅広く利用されている。特に、近年、携帯電話や携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率が上昇しており、多点検出が可能な静電容量方式のタッチパネル用の導電フィルムの需要が急速に拡大している。
このような導電フィルムとして、例えば、特許文献1においては、所定の屈曲試験において所望の関係を満たす電極部を有する導電フィルムが開示されている。また、特許文献2においては、支持体上に塗設されたハロゲン化銀およびバインダーを含有する乳剤層を露光および現像処理することで形成された導電性細線を有する導電フィルムが開示されている。
特開2009−004348号公報 特開2010−251734号公報
一方、近年、製品の生産性や製品設計の自由度を高めるために、折り曲げ加工できる可撓性に優れた導電フィルムが望まれている。
例えば、近年、タッチパネルの小型の情報端末機器への適用がすすみ、広い入力エリアを確保するため、額縁部分の幅を狭くすること(狭額縁化)が求められている。通常、タッチパネルの額縁部分には周辺配線(リード配線)があるため狭額縁化が難しいが、仮に、周辺配線部分を折り畳み、タッチパネルの側壁部分または裏側に配置することができれば、狭額縁化を図ることができる。
しかしながら、上述した特許文献1または2に記載されるような既知の導電性細線を備える導電フィルムの場合、導電フィルムを折り畳もうとすると、導電性細線にヒビが入ったり、割れたりするため、導電性が低下するといった問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、折り畳んだ際にも優れた導電性を示す、可撓性に優れた導電フィルム、およびこの導電フィルムを用いたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、導電性細線のヤング率、および、導電性細線中における金属の分布状態を制御することにより、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 支持体と、
支持体上に配置された、バインダーおよび金属を含有する導電性細線と、を有する導電フィルムであって、
導電性細線のヤング率が5.5GPa以下であり、
導電性細線の表面に対する垂直方向断面において、導電性細線の支持体表面からの高さaと、支持体表面から垂直方向に最も離れた位置にある導電性細線中の金属までの高さbとが以下の式(X)の関係を満たす、導電フィルム。
式(X) b/a≦0.975
(2) 支持体と、
支持体上に配置された、バインダーおよび金属を含有する導電性細線と、を有する導電フィルムであって、
折り曲げ試験を行う前の導電性細線の抵抗値をR1、折り曲げ試験を行った後の導電性細線の抵抗値をR2としたとき、以下の式(Y)の関係を満たす、導電フィルム。
式(Y) R2/R1<1.10
(折り曲げ試験は、一対の傾斜面を有し、開口側から底面側に向かって幅が狭くなる凹溝が設けられた台上に、凹溝をまたぐように導電フィルムを配置し、曲率半径3.5mmの半球状の先端部を有する押し部材の先端部で導電フィルムを凹溝内に押圧して、導電フィルムを傾斜面に接触させる。なお、一対の傾斜面のなす内角は30度であり、凹溝の深さは10mmであり、凹溝の底面の幅が7mmである。)
(3) 導電性細線中にシリコーンオイルおよび/またはパラフィンオイルが含有され、その合計含有量が10mg/m2以下である、(1)または(2)に記載の導電フィルム。
(4) 導電性細線中におけるバインダーの質量とシリコーンオイルおよびパラフィンオイルの合計質量との質量比(バインダーの質量/シリコーンオイルおよびパラフィンオイルの合計質量)が95以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電フィルム。
(5) 支持体上で導電性細線間に、透明樹脂層が設けられる、(1)〜(4)のいずれかに記載の導電フィルム。
(6) 支持体は、第1の導電領域と、第1の導電領域から延伸された折曲げ領域と、第1の導電領域を外部回路と電気的に接続する第2の導電領域とを有し、第1の導電領域、折曲げ領域および第2の導電領域には、導電性細線、導電性細線と接続された電極端子および電極端子と接続された配線が配置されており、導電性細線、電極端子および配線は、同一の材料で連続的に形成されたものであり、折曲げ領域は、端部に単位面積の矩形を当てはめたとき、矩形に含まれる折曲げ領域の面積が矩形の単位面積よりも小さい導電フィルム。
(7) 折曲げ領域は、端部が切り取られている(6)に記載の導電フィルム。
(8) 第1の導電領域と折曲げ領域は、長方形状であり、少なくとも1つの角が切り取られている(6)または(7)に記載の導電フィルム。
(9) 第1の導電領域と折曲げ領域との境界には、折曲げ線が形成されている(6)〜(8)のいずれか1項に記載の導電フィルム。
(10) 第2の導電領域は、マイグレーション防止層を有する(6)〜(9)のいずれか1項に記載の導電フィルム。
(11) 第1の導電領域は、第1のマイグレーション防止層を有し、第2の導電領域は、第2のマイグレーション防止層を有し、第1のマイグレーション防止層および第2のマイグレーション防止層は、マイグレーション防止能が異なる(6)〜(9)のいずれか1項に記載の導電フィルム。
(12) 第2のマイグレーション防止層は、第1のマイグレーション防止層よりもマイグレーション防止能が高い(11)に記載の導電フィルム。
(13) 第2のマイグレーション防止層は、第1のマイグレーション防止層よりもマイグレーション防止剤の含有量が多い請求項(11)に記載の導電フィルム。
(14) (1)〜(13)のいずれか1項に記載の導電フィルムを有するタッチパネル。
(15) (6)〜(13)のいずれか1項に記載の導電フィルムを有し、第1の導電領域はタッチ位置を検出する感知領域であることを特徴とするタッチパネル。
(16) 表示部と、表示部の背面に配置された駆動回路とを備え、所定の厚みを有する表示装置であって、(6)〜(13)のいずれか1項に記載の導電フィルムが表示部上に配置されており、導電フィルムは、第1の導電領域、第1の導電領域から延伸された折曲げ領域、および第1の導電領域を駆動回路と電気的に接続する第2の導電領域を備え、折曲げ領域の延伸方向の長さは所定の厚みよりも長いことを特徴とする表示装置。
本発明によれば、折り畳んだ際にも優れた導電性を示す、可撓性に優れた導電フィルムを提供することができる。
本発明の導電フィルムの第1の実施態様を表す断面図である。 本発明の導電フィルムの導電性細線の拡大断面図である。 折り曲げ試験で使用される装置の概略図であり、(A)は押し部材で押圧する前の状態を示し、(B)は押し部材で押圧した後の状態を示す。 導電性細線により形成されるパターンの一実施態様を示す平面図である。 本発明のタッチパネルの一実施形態の平面図である。 (A)は一般的なタッチパネル部材の一端側の一部平面図であり、(B)は本発明のタッチパネル用導電フィルムの一端側の一部平面図であり、(C)は(B)のタッチパネル用導電フィルムを折り曲げた態様を示す概略図である。 本発明の導電フィルムの第2の実施態様を表す断面図である。 (A)は本発明の導電フィルムの第3の実施態様を示す平面図であり、(B)は図8(A)のC−D線に沿った断面矢視図である。 導電性細線により形成されるパターンの他の実施態様を示す平面図である。 導電性細線により形成されるパターンの他の実施態様を示す平面図である。 (A)は本発明の第3の実施態様の導電フィルムの折り曲げた状態を示す模式的断面図であり、(B)は本発明の第3の実施態様の導電フィルムを、折り曲げた状態を示す模式的斜視図である。 本発明の導電フィルムの第3の実施態様の変形例を表す平面図である。 (A)は、本発明の導電フィルムの第4の実施態様を表す平面図であり、(B)は、図13(A)のE−F線に沿った断面矢視図である。 本発明の第4の実施態様の導電フィルムの第2の導電領域の部分断面図である。 (A)は、本発明の導電フィルムを備えた表示装置の実施態様を表す模式的斜視図であり、(B)は、導電フィルムと表示装置を組み合わせた状態を示す平面図である。
以下に、本発明の導電フィルムの好適実施態様について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明においては、導電性細線のヤング率を制御すると共に、導電性細線中における金属の位置を制御することにより、所望の効果が得られることを見出している。
より具体的には、本発明では導電性細線のヤング率を所定の範囲に制御することにより、導電フィルムを折り曲げた際にも、ヒビや割れを起こすことなく、その曲げに追従することができることを見出している。導電性細線のヤング率が高すぎる場合、導電性細線が曲げに追従することができず、断線してしまう。
また、導電性細線中の金属の位置を制御し、金属が所定の厚みのバインダーで被覆されることにより、導電フィルムが折り曲げられた際に、金属がバインダーの動きに沿って曲げられ、断線などが抑制されることを見出している。
<第1の実施態様>
以下に、本発明の導電フィルムの第1の実施態様について図面を参照して説明する。図1に、本発明の導電フィルムの第1の実施態様の断面図を示す。
図1に示す導電フィルム10は、支持体12と、支持体12上に配置された導電性細線14とを有する。
以下に、支持体12および導電性細線14の態様について詳述する。
まず、支持体12について詳述する。
[支持体]
支持体12は、導電性細線14を支持できればその種類は制限されず、透明支持体であることが好ましく、特にプラスチックフィルムが好ましい。透明支持体を用いることで本発明の導電フィルムは透明導電フィルムとして好適に用いることができる。
支持体12の具体例としては、PET(258℃)、PEN(269℃)、PE(135℃)、PP(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)やTAC(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特にPETが好ましい。( )内の数値は融点である。支持体12の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。
支持体12の厚みは特に制限されないが、タッチパネルや電磁波シールドなどの用途への応用の点からは、通常、50〜500μmの範囲で任意に選択することができる。なお、透明導電フィルムの支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
[導電性細線]
導電性細線14は、上記支持体12上に設けられる細線状の導電層であり、バインダーおよび金属を含有する。なお、図1において、導電性細線14は支持体12の一方の表面上にのみ形成されているが該態様には限定されず、支持体12の両面に導電性細線14が配置されていてもよい。
以後、導電性細線14の特性について詳述し、その後導電性細線14を構成する材料について詳述する。
(導電性細線14の特性)
導電性細線14のヤング率は、5.5GPa以下である。ヤング率がこの範囲内であれば、導電フィルムを折り曲げ加工した際にも導電性細線14の断線が起きにくく、可撓性に優れる。なかでも、導電フィルムの可撓性がより優れる点で、4.0GPa以下が好ましく、3.3Pa以下がより好ましい。なお、ヤング率の下限については特に制限されないが、取り扱い時の傷付き等の点から、通常、2.0GPa以上が好ましく、3.0GPa以上がより好ましい。
なお、導電性細線14のヤング率が5.5GPa超の場合、導電フィルムを折り曲げた際に導電性細線14のヒビや割れが生じやすく、導電フィルムの可撓性に劣る。
導電性細線14のヤング率を制御する方法は特に制限されず、例えば、後述するシリコーンオイルまたはパラフィンオイルなどの可塑剤を使用してヤング率を調整する方法や、所望のヤング率を示すバインダーを使用する方法などが挙げられる。
また、他の方法としては、例えば、導電性細線14中におけるバインダー間の架橋密度を調整する方法や、ヤング率の異なるバインダー同士を混ぜ合わせて導電性細線14のヤング率を調整する方法などが挙げられる。
導電性細線14のヤング率の測定方法は特に制限されず、公知の測定方法を採用できる。例えば、超微小押し込み硬さ試験機(ナノインデンテーション試験機、例えば、エリオニクス製EN−1100)により測定することができる。また、それ以外にも導電性細線の成分からなるサンプル膜を作成して、ヤング率を測定してもよい。以下に、サンプル膜を使用する場合の測定方法について詳述する。
まず、導電性細線と同組成のサンプル膜(縦20mm×横120mm×厚み0.1mm)を用意する。サンプル膜の調製方法は特に制限されず、例えば、100μm厚のPETベース(支持体)上に、所定の成分を含む組成物を塗布してサンプル膜を作製し、その後、サンプル膜を支持体から剥離することに調製できる。次に、島津製作所製AG−X型引張試験機を用い、以下の条件でサンプル膜のヤング率を測定する。具体的には、サンプル膜をチャックにチャック間距離100mmとなるようにセットして、測定環境;25℃、35%RH、引張り速度1mm/minにてヤング率を測定する。
導電性細線14の表面に対する垂直方向断面を走査型電子顕微鏡で観察したとき、導電性細線14の支持体12表面からの高さaと、支持体12表面から最も離れた位置にある導電性細線14中の金属までの高さbとは、以下の式(X)の関係を満たす。
式(X) b/a≦0.975
図2に、導電性細線14の表面に対する垂直方向での拡大断面模式図を示す。図2に示すように、導電性細線14において、金属Mがバインダー中に分散している。図2に示すように、支持体12上の導電性細線14の高さが高さaであり、支持体12表面から最も離れた位置にある導電性細線14中の金属Mまでの高さが高さbに該当する。
b/aが上記範囲内であれば、導電性細線14の表面領域において金属が所定の厚みのバインダーによって被覆された態様となっており、導電フィルムを折り曲げ加工した際にも、金属がバインダーと一体となって曲がりやすく、結果として導電性細線14の断線の発生が抑制され、可撓性に優れる。なかでも、導電フィルムの可撓性がより優れる点で、0.950以下がより好ましく、0.900以下がさらに好ましい。なお、b/aの下限については特に制限されないが、接触抵抗を確保する点から、通常、0.700以上が好ましく、0.800以上がより好ましい。
なお、高さaおよび高さbは、3枚の走査型電子顕微鏡写真において、高さaおよび高さbを測定し、それらを算術平均して得られる平均値である。
導電性細線14は、下記折り曲げ試験を行う前の導電性細線の抵抗値をR1、下記折り曲げ試験を行った後の導電性細線の抵抗値をR2としたとき、以下の式(Y)の関係を満たす。
式(Y) R2/R1<1.10
以下に、折り曲げ試験の方法について、図3に基づいて説明する。
まず、縦600mm×横800mmの折り曲げ試験用評価板である導電フィルムを用意する。なお、後述するように、折り曲げ試験用評価板は、横400mmの位置で全幅に渡り折り曲げる。
次に、図3(A)に示すように、一対の傾斜面18を有し、開口側から底面側に向かって幅が狭くなる凹溝20が設けられた台22上に、凹溝20をまたぐよう(覆うように)に折り曲げ試験用評価板24を配置する。なお、一対の傾斜面18のなす角度(凹溝20の傾斜角度)θは30°であり、凹溝20の深さDは10mmであり、凹溝20の底面の幅Wは7mmである。図3(A)に示すように、折り曲げ試験用評価板24はその一端とその他端とが、凹溝20を挟んだ台22のそれぞれ両側の表面上に位置するように配置される。なお、折り曲げ試験用評価板24の横方向の中心が、凹溝20の底面の幅方向の中心と重なるように配置される。
なお、折り曲げ試験用評価板24上には、曲率半径3.5mmの半球状の先端部26を有する押し部材28が配置されており、押し部材28の先端部の中心が凹溝20の底面の幅方向の中心と平面視上で重なる位置に位置合わせされている。なお、押し部材28を構成する材料は、SUSである。
次に、押し部材28、台22および折り曲げ試験用評価板24の温度が100℃になるように加熱した後、図3(A)に示すように、押し部材28を矢印の方向に動かし、図3(B)に示すように、折り曲げ試験用評価板24が傾斜面18に接触するように、押し部材28の先端部26で折り曲げ試験用評価板24を凹溝20内に押圧して、折り曲げる。押し部材28の折り曲げ試験用評価板24への押圧力は3.6MPaであり、押し部材28の移動速度は40mm/秒である。
折り曲げ位置を挟んで、抵抗測定位置を2箇所決めておき、上記折り曲げ試験を行う前の折り曲げ試験用評価板中の導電性細線と、折り曲げ試験を行った後の折り曲げ試験用評価板中の導電性細線との抵抗値を、デジタルマルチメータによって測定する。得られたR1およびR2の値より、R2/R1を計算する。
導電性細線14の線幅は特に制限されないが、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
導電性細線14の厚みは特に制限されないが、0.001mm〜0.2mmが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましく、0.01〜9μmであることが特に好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極で、耐久性に優れた電極を比較的容易に形成できる。
導電性細線14により形成されるパターンは特に制限されず、導電フィルムをタッチパネルに適用し、センサ電極を導電性細線14で形成する場合、図4に示す態様が好適に挙げられる。図4に示すように、交差する導電性細線14により構成される複数の正方形状の格子16を含んでいる。
導電性細線14の幅Wの好適範囲は、上述の通りである。
格子16は導電性細線14で囲まれる開口領域を含んでいる。格子16は200μm〜400μm(好ましくは150〜300μm)の格子ピッチPaを有する。
可視光透過率の点から、導電性細線14より形成されるセンサ電極の開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、所定領域においてセンサ電極の導電性細線14を除いた透過性部分が全体に占める割合に相当する。
図4においては、格子16は正方形の形状を有している。但し、その他、多角形状としてもよい。また、一辺の形状を直線状の他、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
(バインダー)
導電性細線14中には、バインダーが含まれる。バインダーは、金属を分散させ、導電性細線14と支持体12との密着性を補助する役割を果たす。
バインダーの種類は上記役割を果たす材料であれば特に制限されないが、金属の分散性がより優れる点で、水溶性高分子であることが好ましい。バインダーの種類としては、例えば、ゼラチン、カラギナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、金属の分散性がより優れる点で、ゼラチンが好ましい。
なお、ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、その他アミノ基、カルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することができる。
バインダーの他の好適態様としては、水分の浸入をより防止できる点より、以下の一般式(1)で表されるポリマー(共重合体)が挙げられる。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、下記繰り返し単位を表す。
1は、メチル基またはハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原子を表す。pは0〜2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
2は、メチル基またはエチル基を表し、メチル基が好ましい。
3は、水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子を表す。Lは、2価の連結基を表し、好ましくは下記一般式(2)で表される基である。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2
式中X1は、酸素原子または−NR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基など)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基など)である。X1として特に好ましいのは、酸素原子または−NH−である。
2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、またはアルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、−N(R31)SO2−などが途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、イソプロピル基などがある。X2の好ましい例として、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、−CH2CH2OCO(C64)−などを挙げることができる。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
4は、炭素原子数5〜80のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表し、好ましくは炭素数5〜50のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜30のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜20のアルキル基である。
5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、−CH2COOR6がさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
6は、水素原子または炭素原子数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素原子数は1〜70が好ましく、1〜60がさらに好ましい。
一般式(1)中、x、y、z、およびwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xとしては3〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%である。
yとしては、30〜96モル%、好ましくは35〜95モル%、特に好ましくは40〜90モル%である。
また、zが小さすぎるとゼラチンのような親水性保護コロイドとの親和性が減少するためマット剤の凝集・剥落故障の発生確率が高くなり、zが大きすぎると感光材料のアルカリ性の処理液に本発明のマット剤が溶解してしまう。そのため、zとしては0.5〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%、特に好ましくは1〜20モル%である。
wとしては、0.5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%である。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(2)で表されるポリマーが好ましい。
一般式(2)中、x、y、zおよびwは、上記の定義の通りである。
一般式(1)で表されるポリマーは、一般式(A)、(B)、(C)および(D)以外の他の繰り返し単位を含んでもよい。他の繰り返し単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アクリルアミド類、不飽和カルボン酸類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類などが挙げられる。これらのモノマーとしては特許第3754745号公報の[0010]〜[0022]にも記載されている。
疎水性の観点からアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好ましく、ヒドロキシエチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレートまたはヒドロキシアルキルアクリレートがより好ましい。一般式(1)で表されるポリマーは、上記一般式(A)、(B)、(C)および(D)以外に下記一般式(E)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
上記式中、LEはアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基が更に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(3)で表されるポリマーが特に好ましい。
上記式中、a1、b1、c1、d1、およびe1は各モノマー単位のモル比率を表し、a1は3〜60(モル%)、b1は30〜95(モル%)、c1は0.5〜25(モル%)、d1は0.5〜40(モル%)、e1は1〜10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上記xの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上記yの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上記zの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上記wの好ましい範囲と同じである。
e1は1〜10モル%であり、好ましくは2〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーの具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
一般式(1)で表されるポリマーの重量平均分子量は、1000〜100万が好ましく、2000〜75万がより好ましく、3000〜50万が更に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば特許第3305459号および特許第3754745号公報などを参照して合成することができる。
(金属)
導電性細線14中には、金属が含まれる。金属は、上記バインダー中に分散し、導電性を導電性細線14に付与する。
金属の材料は特に制限されないが、例えば、金、銀、銅などが挙げられる。なかでも、導電性細線14の導電性がより優れる点で、銀が好ましい。
導電性細線14中における金属とバインダーとの体積比(金属の体積/バインダーの体積)は、1.0以上が好ましく、1.5以上が更に好ましい。金属とバインダーの体積比を1.0以上とすることで、導電性細線14の導電性をより高めることができる。上限は特に制限されないが、生産性の観点から、4.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。
なお、本発明における金属とバインダーの体積比は、導電性細線14中に含まれる金属およびバインダーの密度より計算することができる。例えば、金属が銀の場合、銀の密度を10.5g/cm3として、バインダーがゼラチンの場合、ゼラチンの密度を1.34g/cm3として計算して求めるものとする。
導電性細線14中に一般式(1)で表されるポリマーと水溶性高分子とが含まれる場合、その質量比(一般式(1)で表されるポリマーの質量/水溶性高分子の質量)は、導電性細線14の含水率および導電性のバランスがより優れる点から、1.05以上が好ましく、1.05〜3.51がより好ましく、1.51〜3.01が更に好ましく、2.00〜2.51が特に好ましい。
導電性細線14中に一般式(1)で表されるポリマーが含まれる場合、金属と一般式(1)で表されるポリマーの質量比(金属の質量/一般式(1)で表されるポリマーの質量)は、導電性細線14の含水率および導電性のバランスがより優れる点から、2.25〜7.5が好ましく、2.62〜5.24がより好ましく、3.14〜3.95が更に好ましい。
(その他の成分)
導電性細線14には上記バインダーおよび金属以外の他の成分が含まれていてもよく、例えば、導電性細線14の可撓性がより向上する点から、シリコーンオイルおよびパラフィンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルとは、一般的にポリオルガノシロキサンと称されるものであり、直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を挙げることができる。
パラフィンオイルとは、石油留分または残油を水素添加し、精製したもの、または、分解により得られる潤滑油基油のことである。例えば、日本油脂株式会社製のNAソルベント、出光興産株式会社製のPW−90、PW−380、出光石油化学株式会社製のIP−ソルベント2835、三光化学工業株式会社製のネオチオゾール等が挙げられる。
シリコーンオイルとパラフィンオイルは、それぞれ個別に使用されてもよく、両者を併用してもよい。
導電性細線14中にシリコーンオイルおよび/またはパラフィンオイルが含まれる場合、その合計含有量は10mg/m2以下が好ましい。該範囲であれば、導電性細線14の面状特性および可撓性がより優れる。なお、下限は特に制限されないが、導電性細線14の可撓性がより優れる点で、6mg/m2以上が好ましい。
また、導電性細線14中におけるバインダーの質量とシリコーンオイルおよびパラフィンオイルの合計質量との質量比(バインダーの質量/シリコーンオイルおよびパラフィンオイルの合計質量)は、313以下が好ましく、156以下がより好ましい。該範囲であれば、導電性細線14の可撓性がより優れる。なお、下限は特に制限されないが、面状特性および可撓性確保の点で、50以上が好ましく、95以上がより好ましい。
[導電フィルム]
導電フィルム10は、上述した支持体12および導電性細線14を含む。
なお、必要に応じて、導電フィルム10は、支持体12と導電性細線14との間に他の層(例えば、下塗り層、アンチハレーション層)を備えていてもよい。
下塗り層は、支持体12と導電性細線14との密着性をより高めるために設けられる層である。下塗り層を構成する材料は特に制限されないが、例えば、上述したバインダーが例示される。下塗り層の厚みは特に制限されないが、支持体12と導電性細線14との密着性がより向上する点で、0.01〜0.1μmが好ましく、0.05〜0.1μmがより好ましい。
アンチハレーション層に用いる材料とその使用方法に関しては特に制限されず、例えば、特開2009−188360号公報の段落[0029]〜[0032]などに例示される。
導電フィルム10は、種々の用途に用いることができる。例えば、各種電極(例えばタッチパネル用電極、無機EL素子用電極、有機EL素子用電極または太陽電池用電極)、発熱シート、またはプリント配線基板として使用することができる。なかでも、導電フィルム10は、タッチパネルに用いられることが好ましく、静電容量方式のタッチパネルに用いられることが特に好ましい。
また、他の用途としては、導電フィルム10は、パーソナルコンピュータやワークステーション等から発生する電波またはマイクロ波(極超短波)等の電磁波を遮断し、かつ静電気を防止する電磁波シールドとして用いることもできる。なお、パソコン本体に使用される電磁波シールド以外にも、映像撮影機器や電子医療機器などで使用される電磁波シールドとしても用いることができる。
さらには、導電フィルム10は、透明発熱体としても用いることができる。
これらの中でも、タッチパネルへの応用が特に好ましい。以下に、タッチパネル用の導電フィルム10の態様について詳述する。
(タッチパネル)
上述した導電フィルム10をタッチパネルに使用した場合、高い透過率により視認性に優れ、画面操作に対して応答性に優れると共に、可撓性にも優れる。
タッチパネルとしては、広く公知のタッチパネルが挙げられ、いわゆるタッチセンサおよびタッチパッドとして知られているものに対して、本発明の導電フィルム10を適用することができる。
タッチパネルの種類としては、上記導電フィルム10を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。
以下、図面を参照して、タッチパネル用の導電フィルムの好適態様について詳述する。
図5は、タッチパネル用の導電フィルム200の平面図である。導電フィルム200は、いわゆる投影型静電容量方式タッチパネルに使用される導電フィルムであり、1枚の基材の両面に透明電極を具備する。
導電フィルム200は、図5に示すように、支持体12と、支持体12の一方の主面上に導電性細線で構成される第1電極パターン30と、支持体12の他方の主面上に導電性細線で構成される第2電極パターン32とを備える。第1電極パターン30は、第1方向(X方向)に延在し、第1方向と直交する第2方向(Y方向)において並列に配列された第1導電パターン34を含む。第2電極パターン32は、第2方向(Y方向)に延在し、第1方向(X方向)において並列に配列された第2導電パターン36を含む。
各第1導電パターン34は、その一端において、第1電極端子38と電気的に接続される。さらに、各第1電極端子38は導電性の第1配線40と電気的に接続される。各第2導電パターン36は、その一端において、第2電極端子42と電気的に接続される。各第2電極端子42は導電性の第2配線44と電気的に接続される。第1配線40および第2配線44は、それぞれ外部検知回路(図示せず)に接続されている。外部検知回路は、IC回路等で構成されており、指等のタッチにより生じた第1導電パターン34と第2導電パターン36との間の静電容量の値の変化を検知し、タッチした点の座標を特定するものである。
第1導電パターン34および第2導電パターン36は、導電性細線14により構成され、図4に示すような交差する導電性細線14で構成される複数の正方形状の格子16を含んでいる。格子16は導電性細線14で囲まれる開口領域を含んでいる。格子は、200〜400μm(好ましくは150〜300μm)の格子ピッチPaを有する。
導電フィルム200を含むタッチパネルを指等でタッチすると、第1導電パターン34と第2導電パターン36との間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
なお、導電フィルム200の第1電極パターン30上および第2電極パターン32上にはさらに透明両面粘着シートおよび保護基板をさらに貼り合わせてもよい。
また、導電フィルム200では1枚の基材の両面に電極を有する態様であったが、タッチパネル用の導電フィルムとしては他の態様であってもよい。例えば、支持体と、支持体の片面上に配置される導電性細線で構成された電極パターンとを備える導電フィルムを2枚用意して、電極パターンが対向するように透明両面粘着シートを介して積層して得られる積層導電フィルムが挙げられる。さらに別の態様としては、支持体と、支持体の片面上に配置される導電性細線で構成された電極パターンとを備える導電フィルムを2枚用意して、一方の導電フィルムの電極パターンと、他方の導電フィルムの支持体とが対向するように透明両面粘着シートを介して積層して得られる積層導電フィルムが挙げられる。
また、上述したように、近年、タッチパネルの額縁部分の幅を狭くすること(狭額縁化)が求められている。以下、図6(A)に基づいて、狭額縁化に関して説明する。なお、図6(A)は、一般的なタッチパネル部材の一部平面概略図である。
図6(A)に示す、タッチパネル部材300は、導電フィルム46と、導電フィルム46の所定の位置に接合されるフレキシブル回路48とを備える。
導電フィルム46には、透明支持体50の一方の面側に透明電極層52が設けられている。なお、透明電極層52は、透明支持体50上に整列する複数のダイヤ形状を一方方向に直線状に連結するパターンで形成されている。透明電極層52には、電気的に接続される複数のリード配線54が設けられている。リード配線54の末端には、図示しない導電体が設けられており、フレキシブル回路48中の図示しない端子と電気的に接続している。
透明支持体50は、透明電極層52が設けられている領域においてタッチパネル使用者が視認可能で、タッチ位置を検出することができる感知部(センサ部)として機能するアクティブエリア56が構成されており、一方、その外側は、非アクティブエリア58となっている。タッチパネルの額縁部分は、非アクティブエリア58に該当する。通常、非アクティブエリア58には、上記のようにリード配線54やフレキシブル回路48が存在するため、その領域を狭めることが難しい。
一方、本発明の導電フィルムは可撓性に優れ、折り曲げた際にも導電性細線の導電特性の劣化が少ない。よって、該導電フィルムを使用すれば、フレキシブル回路を使用することなく、上記タッチパネル部材を作製することができる。以下、図6(B)に基づいて、本発明の導電フィルムを用いたタッチパネル部材について説明する。
図6(B)のタッチパネル部材(タッチパネル用導電フィルム)400は、支持体12と、支持体12上に設けられた電極パターン部60および端子配線部62とを有する。電極パターン部60は、複数本の電極64から構成されセンサとして機能し、タッチパネル使用者が視認可能なアクティブエリアに該当する。なお、電極64は、図6(A)と同様に、複数のダイヤ形状を一方方向に直線状に連結するパターンで形成されている。また、電極64は、図4に示すような交差する複数の導電性細線14により構成され、導電性細線14によりメッシュ状に形成された複数の正方形状の開口領域を配列したパターンを有する。端子配線部62は、その一端が電極64と接続し、その他端が外部の制御回路に接続される端子(図示しない)と接続するリード配線66から構成される。なお、リード配線66は、上記導電性細線により構成される。
図6(B)のタッチパネル部材400においては、図6(A)と異なり、フレキシブル回路が設けられておらず、リード配線66は支持体12から延設する延設部68上まで伸びている。
このタッチパネル部材400を、破線で表した折り曲げ予定線70に沿って、支持体12とリード配線66とを一体的に約180°折り返すことにより、図6(C)に示すように、延設部68が支持体12の裏側に配置される。該態様であれば、支持体12表面上のリード配線66が存在する領域が小さくなり、狭額縁化を図ることができる。
該態様においては、少なくともリード配線66が上述した導電性細線14で構成されることにより、図6(C)に示すような折り曲げた態様においても、断線や抵抗の上昇が起きにくく、所望の導電特性を示すことができる。よって、フレキシブル回路がなくとも、タッチパネル用導電フィルムとして機能し得る。
つまり、図6(C)に示される本発明の導電フィルムの好適態様の一つは、支持体と、支持体上に形成され、センサとして機能する電極パターン部と、支持体上でパターン電極パターン部の電極と一端が接続し、他端が外部の制御回路に接続される端子と接続するリード配線からなる端子配線部とを有するタッチパネル用導電フィルムであって、少なくともリード配線がバインダーおよび金属を含有し、リード配線のヤング率が5.5GPa以下であり、リード配線の表面に対する垂直方向断面において、リード配線の支持体表面からの高さaと、支持体表面から垂直方向に最も離れた位置にあるリード配線中の金属までの高さbとが以下の式(X)の関係を満たし、支持体とリード配線とが一体として折り曲げられている、タッチパネル用導電フィルムである。
式(X) b/a≦0.975
[導電フィルムの製造方法]
上記導電フィルム10の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
例えば、バインダーおよび金属微粒子を含むペーストを支持体12上に印刷して、所望のパターンの導電性細線14を得ることができる。なお、印刷には、例えば、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法が用いられる。
また、バインダーおよび金属微粒子を含むペーストをインクジェットにより支持体12上に画像様に吐出して、導電性細線14を形成してもよい。
なお、上述した式(X)の関係を満たすために、必要に応じて、一旦導電性細線を形成した後、さらにバインダーで導電性細線を被覆してもよい。バインダーで導電性細線をさらに被覆することにより、導電性細線表面に金属が露出することを抑制することができ、上述した式(X)の関係を満たすことができる。
バインダーによる被覆を行うためには、インクジェット、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法など公知の方法を使用することができる。
また、導電フィルム10の他の製造方法としては、例えば、支持体12上にスパッタリングなどにより所望の金属を堆積させた後、インクジェット、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などにより堆積された金属をバインダーで覆うことにより、導電性細線14を得る方法などが挙げられる。
さらに、上記方法に以外に導電フィルムを作製する方法としてハロゲン化銀を使用した方法が挙げられるが、該方法については後述する第2の実施態様において詳細を説明する。
<第2の実施態様>
以下に、本発明の導電フィルムの第2の実施態様について図面を参照して説明する。図7に、本発明の導電フィルムの第2の実施態様の断面図を示す。
図7に示す導電フィルム100は、支持体12と、支持体12上に配置された導電性細線14と、支持体12上で導電性細線14間に配置された透明樹脂層72が設けられる。
図7に示す導電フィルム100は、透明樹脂層72を備える点を除いて、図1に示す導電フィルム10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、主として透明樹脂層72について以下に説明する。
[透明樹脂層]
透明樹脂層72は、支持体12上で導電性細線14間に配置される層である。該透明樹脂層72があることにより、導電性細線として金属を使用しても透明性を確保することができ、透明樹脂層72の面積を大きくすることで全光透過率を向上させることができる。
透明樹脂層72を構成する材料は形成される層が透明であれば特に制限されず、例えば、上述したバインダーなどが挙げられる。
透明樹脂層72には上記バインダー以外の材料が含まれていてもよく、例えば、銀難溶剤などが挙げられる。
透明樹脂層72に銀難溶剤が含まれることにより、導電性細線14間における金属のイオンマイグレーションをより抑制することができる。銀難溶剤としては、pKspが9以上であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。銀難溶剤としては特に限定されないが、例えば、TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)などが挙げられる。
なお、銀の溶解度積Kspはこれらの化合物の銀イオンとの相互作用の強さの目安になる。Kspの測定方法は「坂口喜堅・菊池真一,日本写真学会誌,13,126,(1951)」と「A.Pailliofet and J.Pouradier,Bull.Soc.chim.France,1982,I−445(1982)」を参照して測定することができる。
[導電フィルムの製造方法]
導電フィルム100の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
例えば、バインダーおよび金属微粒子を含むペーストを支持体12上に印刷して、所望のパターンの導電性細線14を得た後、バインダーを含むペーストを導電性細線14が形成されていない支持体12上の領域に印刷して、透明樹脂層72を形成する方法が挙げられる。
なかでも、ハロゲン化銀を含有する乳剤層を塗布し、露光、現像処理することにより導電性細線を形成する方法は、生産性がより優れ、得られる導電フィルムの可撓性がより優れる点で好ましい。以下に、ハロゲン化銀を使用した方法について詳述する。
ハロゲン化銀を使用した方法の第1の態様としては、例えば、支持体上に、ハロゲン化銀とバインダーとを含有する感光性層を形成する工程(1)、感光性層をパターン露光した後、現像処理することにより金属銀を含有する導電性細線を形成する工程(2)、現像処理の後に加熱処理を実施し、透明樹脂層を導電性細線間に形成する工程(3)を有する方法が好ましい。
以下に、各工程に関して説明する。
(工程(1):感光性層形成工程)
工程(1)は、支持体上に、ハロゲン化銀とバインダーとを含有する感光性層を形成する工程である。
感光性層を形成する方法は特に制限されないが、生産性の点から、ハロゲン化銀およびバインダーを含有する感光性層形成用組成物を支持体上に接触させ、支持体上に感光性層を形成する方法が好ましい。
以下に、該方法で使用される感光性層形成用組成物の態様について詳述した後、工程の手順について詳述する。
(感光性層形成用組成物に含まれる材料)
感光性層形成用組成物には、ハロゲン化銀およびバインダーが含有される。
ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀としては、例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、更に臭化銀や塩化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。
使用されるバインダーの種類は、上述の通りである。また、バインダーはラテックスの形態で感光性層形成用組成物中に含まれていてもよい。
感光性層形成用組成物中に含まれるハロゲン化銀およびバインダーの体積比は特に制限されず、上述した導電性細線中における金属とバインダーとの好適な体積比の範囲となるように適宜調整される。
感光性層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含有される。
使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
使用される溶媒の含有量は特に制限されないが、ハロゲン化銀およびバインダーの合計質量に対して、30〜90質量%の範囲が好ましく、50〜80質量%の範囲がより好ましい。
感光性層形成用組成物には、必要に応じて、上述した材料以外の他の材料が含まれていてもよい。例えば、ハロゲン化銀の安定化および高感度化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物などのVIII族、VIIB族に属する金属化合物が挙げられる。さらには、特許文献1の段落[0220]〜[0241]に記載されるような、帯電防止剤、造核促進剤、分光増感色素、界面活性剤、カブリ防止剤、硬膜剤、黒ポツ防止剤、レドックス化合物、モノメチン化合物、ジヒドロキシベンゼン類などが挙げられる。
(工程の手順)
感光性層形成用組成物と支持体とを接触させる方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、感光性層形成用組成物を支持体上に塗布する方法や、感光性層形成用組成物中に支持体を浸漬する方法などが挙げられる。
形成された感光性層中におけるバインダーの含有量は特に制限されないが、より可撓性に優れる導電性細線が得られる点で、0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.5〜2.0g/m2がより好ましい。
また、感光性層中におけるハロゲン化銀の含有量は特に制限されないが、導電性細線の導電特性がより優れる点で、銀換算で1.0〜20.0gm2が好ましく、5.0〜15.0g/m2がより好ましい。
なお、工程(1)においては、ハロゲン化銀およびバインダーを含有する感光性層形成用組成物を支持体上に接触させた後、さらにハロゲン化銀を含まず、バインダーを含有する組成物を、感光性層形成用組成物の層が設けられた支持体上に接触させて、感光性層を形成してもよい。
上記手順を実施することにより、感光性層中の表面にバインダーが露出しやすくなり、形成される導電性細線の擦り傷防止や力学特性の向上などが図られる。また、該処理を実施することにより、導電性細線が上述した式(X)b/a≦0.975の関係を満たしやすくなる。
(工程(2):露光現像工程)
工程(2)は、上記工程(1)で得られた感光性層をパターン露光した後、現像処理することにより金属銀を含有する導電性細線を形成する工程である。
まず、以下では、パターン露光処理について詳述し、その後現像処理について詳述する。
(パターン露光)
感光性層に対してパターン状の露光を施すことにより、露光領域における感光性層中のハロゲン化銀が潜像を形成する。この潜像が形成された領域は、後述する現像処理によって導電性細線を形成する。一方、露光がなされなかった未露光領域では、後述する定着処理の際にハロゲン化銀が溶解して感光性層から流出し、透明な膜が得られる。
露光の際に使用される光源は特に制限されず、可視光線、紫外線などの光、または、X線などの放射線などが挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に制限されず、例えば、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。なお、パターンの形状は特に制限されず、形成したい導電性細線のパターンに合わせて適宜調整される。
なお、支持体の両面に感光性層を設け、露光する際には、両面の感光性層に対して同時の露光を行ってもよい(両面同時露光)。この露光処理では、支持体の一方の主面上に配置された第1感光性層に対し、支持体に向かって光を照射して第1感光性層を第1露光パターンに沿って露光する第1露光処理と、支持体の他方の主面上に配置された第2感光性層に対し、支持体に向かって光を照射して第2感光性層を第2露光パターンに沿って露光する第2露光処理とが行われる。
より具体的には、長尺の感光材料を一方向に搬送しながら、第1感光性層に第1光(平行光)を第1フォトマスクを介して照射すると共に、第2感光性層に第2光(平行光)を第2フォトマスクを介して照射する。第1光は、第1光源から出射された光を途中の第1コリメータレンズにて平行光に変換されることにより得られ、第2光は、第2光源から出射された光を途中の第2コリメータレンズにて平行光に変換されることにより得られる。
第1露光処理および第2露光処理は、第1光源からの第1光の出射タイミングと、第2光源からの第2光の出射タイミングを同時にしてもよいし、異ならせてもよい。同時であれば、1度の露光処理で、第1感光性層および第2感光性層を同時に露光することができ、処理時間の短縮化を図ることができる。ところで、第1感光性層および第2感光性層が共に分光増感されていない場合、両側から露光すると、片側からの露光がもう片側(裏側)の画像形成に影響を及ぼすこととなる。
すなわち、第1感光性層に到達した第1光源からの第1光は、第1感光性層中のハロゲン化銀粒子にて散乱し、散乱光として絶縁層を透過し、その一部が第2感光性層にまで達する。そうすると、第2感光性層と支持体との境界部分が広い範囲にわたって露光され、潜像が形成される。そのため、第2感光性層では、第2光源からの第2光による露光と第1光源からの第1光による露光が行われてしまい、その後の現像処理をした場合に、第2露光パターンによる導電パターンに加えて、導電パターン間に第1光源からの第1光による薄い導電層が形成されてしまい、所望のパターン(第2露光パターン沿ったパターン)を得ることができない。これは、第1感光層においても同様である。
これを回避するため、鋭意検討した結果、第1感光性層および第2感光性層の厚みを特定の範囲に設定したり、第1感光性層および第2感光性層の塗布銀量を規定することで、ハロゲン化銀自身が光を吸収し、裏面へ光透過を制限できることが判明した。第1感光性層および第2感光性層の厚みを1μm以上、4μm以下に設定することができる。上限値は好ましくは2.5μmである。また、第1感光性層および第2感光性層の塗布銀量を5〜20g/m2に規定した。
上述した両面密着の露光方式では、シート表面に付着した塵埃等で露光阻害による画像欠陥が問題となる。塵埃付着防止として、シートに導電性物質を塗布することが知られているが、金属酸化物等は処理後も残存し、最終製品の透明性を損ない、また、導電性高分子は保存性等に問題がある。そこで、鋭意検討した結果、バインダーを減量したハロゲン化銀により帯電防止に必要な導電性が得られることがわかり、第1感光性層および第2感光性層の銀/バインダーの体積比を規定した。すなわち、第1感光性層および第2感光性層の銀/バインダー体積比は1/1以上であり、好ましくは、2/1以上である。
上述のように、第1感光性層および第2感光性層の厚み、塗布銀量、銀/バインダーの体積比を設定、規定することで、第1感光性層に到達した第1光源からの第1光は、第2感光性層まで達しなくなる。同様に、第2感光性層に到達した第2光源からの第2光は、第1感光性層まで達しなくなる。その結果、その後の現像処理を実施した場合に、所望のパターンを得ることができる。
(現像処理)
現像処理の方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理の際に使用される現像液の種類は特に制限されないが、例えば、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもできる。市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、またはそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、7秒〜50秒がより好ましい。
現像処理後の露光部(導電性細線)に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
(工程(3):加熱工程)
工程(3)は、上記現像処理の後に加熱処理を実施し、透明樹脂層を導電性細線間に形成する工程である。本工程を実施することにより、バインダー間で融着が起こり、所定の硬さを有する透明樹脂層が形成される。特に、感光性層形成用組成物中にポリマー粒子を分散している場合、本工程(3)を実施することにより、ポリマー粒子間で融着が起こり、透明樹脂層が形成される。
加熱処理の条件は使用される樹脂によって適宜好適な条件が選択されるが、40℃以上であることがポリマー粒子の造膜温度の観点から好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。また、支持体のカール等の観点から、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
加熱時間は特に限定されないが、ベースがカールしない、生産性の観点から、1〜5分間であることが好ましく、1〜3分間であることがより好ましい。
なお、この加熱処理は、通常、露光、現像処理の後に行われる乾燥工程と兼ねることができるため、ポリマー粒子の造膜のために新たな工程を増加させる必要がなく、生産性、コスト等の観点で優れる。
(その他:任意の工程)
上記工程(1)〜(3)以外にも、必要に応じて他の工程を実施してもよい。
以下に、他の工程を例示する。
(バインダー被覆工程)
上記工程(2)の後または工程(3)の後に、必要に応じて、導電性細線上をさらにバインダーで被覆する工程を実施してもよい。バインダーでさらに導電性細線を被覆することにより、導電性細線の擦り傷防止や力学特性の向上が図られると共に、上述した式(X)の関係を満たしやすくなる。
使用されるバインダーの種類は、上述の通りである。
バインダーで被覆する方法は特に制限されず、バインダーを含む組成物を導電性細線上に塗布する方法などが挙げられる。
上記においてハロゲン化銀を使用した方法の第1の態様について詳述したが、ハロゲン化銀を使用して導電フィルムを製造する態様はこれに限定されない。
例えば、以下の第2の態様および第3の態様が挙げられる。
(第2の態様)
支持体上に、ハロゲン化銀と物理現像核とバインダーとを含有する感光性層を形成する工程、感光性層をパターン露光した後、現像処理することにより金属銀を含有する導電性細線を形成する工程、現像処理の後に加熱処理を実施し、透明樹脂層を導電性細線間に形成する工程を有する、導電シートの製造方法。
(第3の態様)
支持体上に、物理現像核とバインダーとを含有する非感光性層を形成する工程、非感光性層上にハロゲン化銀およびバインダーを含有する感光性層を形成する工程、感光性層をパターン露光した後、拡散転写現像処理により金属銀を含有する導電性細線を形成する工程、感光性層を除去する工程、加熱処理を実施し、透明樹脂層を導電性細線間に形成する工程を有する、導電シートの製造方法。
上述した第2の実施態様である導電フィルムも、上述した第1の実施態様と同様に、タッチパネル、電磁波シールド、面状発熱体など種々の用途に適用可能である。
本発明に係る導電シートは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。また、特開2011−113149号公報、特開2011−129501号公報、特開2011−129112号公報、特開2011−134311号公報、特開2011−175628号公報などに開示の技術と適宜組み合わせて使用することができる。
<第3の実施態様>
以下に、本発明の導電フィルムの第3の実施態様について図面を参照して説明する。図8(A)に本発明の導電フィルムの第3の実施態様の平面図を示し、図8(B)に図8(A)のC−D線に沿った断面矢視図を示す。
なお、図8(A)に示す導電フィルム500において、図5に示すタッチパネル用の導電フィルム200と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図8(A)に示す導電フィルム500は、図5に示す導電フィルム200と同じくタッチパネルに用いられるものである。導電フィルム500は、支持体12と、支持体12上に配置された導電性細線14と、第1電極端子38と、第1配線40と、第2電極端子42と、第2配線44とを有する。
支持体12は、第1の導電領域502と、第1の導電領域502から延伸された折曲げ領域504と、第1の導電領域502を、外部回路等と電気的に接続する直線状の第2の導電領域506と、外部回路等と電気的に接続するL字状の第2の導電領域508とを備えるものである。
第1の導電領域502と、折曲げ領域504と、第2の導電領域506、508とは一体的に形成されている。第1の導電領域502と折曲げ領域504とは、例えば、長方形状である。導電フィルム500では、第1の導電領域502は横長である。
折曲げ領域504は、タッチパネル等の機器に用いられた場合、額縁となる部位である。
第2の導電領域506、508は、上述のように、端部が外部の種々の回路と電気的に接合されるものである。本実施態様では、2つの第2の導電領域506、508を設ける構成としたが、第2の導電領域の数は、特に限定されるものではなく、1つまたは、3以上であってもよい。
また、2つの第2の導電領域506、508の配置位置、形状は特に限定されるものではない。第2の導電領域506と第2の導電領域508との形状は逆であってもよい。
第2の導電領域506、508は、第1の導電領域502よりも短いことが好ましい。さらには、第2の導電領域506、508は、配線形成のためのコストの観点から、短い方が好ましい。
また、折曲げ線19bから第2の導電領域506までの距離よりも第2の導電領域508の腕の長さが短いことが好ましい。これにより、スペースを効率的に利用することができる。なお、折曲げ領域504の延伸方向Dの長さLは、額縁と筺体の厚さの合計以上の長さを有することが好ましい。
本実施態様においても、例えば、投影型静電容量方式タッチパネルに使用される導電フィルムであり、1枚の基材の両面に電極が形成されている。
支持体12の表面12a側において、第1の導電領域502に、導電性細線14で構成された第2電極パターン32が設けられている。この第2電極パターン32は、第2方向(Y方向)に延在し、第1方向(X方向)において並列に配列された第2導電パターン36を含む。なお、第2導電パターン36は、図8(B)においては、1つの線として示しているが、後述のように、複数の導電性細線14で構成されるものである。
各第2導電パターン36の一端と電気的に接続される第2電極端子42が、第1の導電領域502に設けられている。さらに、各第2電極端子42と電気的に接続される導電性の第2配線44が、折曲げ領域504および第2の導電領域506に設けられている。導電性細線14、第2電極端子42および第2配線44は、同一の材料で連続的に形成されたものである。
一方、支持体12の裏面12b側において、第1の導電領域502に、導電性細線14で構成された第1電極パターン30が設けられている。この第1電極パターン30は、第1方向(X方向)に延在し、第1方向と直交する第2方向(Y方向)において並列に配列された第1導電パターン34を含む。なお、第1導電パターン34は、図8(B)においては、1つの線として示しているが、後述のように、複数の導電性細線14で構成されるものである。
各第1導電パターン34の一端と電気的に接続される第1電極端子38が、第1の導電領域502に設けられている。さらに、各第1電極端子38と電気的に接続される導電性の第1配線40が、折曲げ領域504および第2の導電領域508に設けられている。導電性細線14、第1電極端子38および第1配線40は、同一の材料で連続的に形成されたものである。
導電フィルム500をタッチパネルに用いた場合、第1の導電領域502において、第1導電パターン34と第2導電パターン36とが交差している領域が、タッチ位置を検出する感知領域(センサ部)である。
なお、導電性細線14としては、図5(A)に示す導電フィルム200と同様のものを用いることができる。
第2の導電領域508に形成された第1配線40と第2の導電領域506に形成された第2配線44とは、それぞれ、IC回路等で構成される外部回路に接続されている。
外部回路(IC回路)は、導電フィルム500の感知領域(センサ部)を指等でタッチした際の第1導電パターン34と第2導電パターン36との間の静電容量の値に変化を検知し、タッチした点の座標を特定する、すなわち、タッチした点の位置演算を行うものである。
次に、第1導電パターン34および第2導電パターン36について説明する。
第1導電パターン34および第2導電パターン36は、特開2012−14669号公報の図1に示されるパターンと同じパターンであるため、その詳細な説明は省略する。
図9に示すように、第1導電パターン34は、導電性細線14で構成されており、複数の導電性の第1大格子520と、隣接する第1大格子520間を電気的に接続する第1接続部522とで構成されている。各第1大格子520は、それぞれ2以上の小格子524が組み合わされて構成されている。複数の第1大格子520がX方向(第1方向)に接続されている。第1導電パターン34の他方の端部側に存在する第1大格子520の端部は、図示はしないが、第1電極端子38に電気的に接続される。
第1導電パターン34では、電気抵抗を低減することができ、投影型静電容量方式のタッチパネルに適用した場合、応答速度を速めることができ、タッチパネルの大サイズ化を促進させることができる。
第1導電パターン34と第2導電パターン36は同じパターンである。第2導電パターン36は、複数の第1大格子520がY方向(第2方向)に接続されたものである。第2導電パターン36の端部は、図示はしないが、第2電極端子42に電気的に接続されている。
なお、導電フィルム500の第1の導電領域502において、第1導電パターン34と第2導電パターン36は、図10に示すように配置される。この配置形態は、特開2012−14669号公報の図7に示される形態と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
図8(A)に示すように、折曲げ領域504においては、端部504aに単位面積の矩形510を当てはめたとき、矩形510に含まれる折曲げ領域504bの面積が矩形510の単位面積よりも小さい。例えば、図8(A)に示すように、3つの端部504aは三角形状に切り取られており、斜面511が形成されている。すなわち、折曲げ領域504には角がない。これにより、省スペース化を図ることができる。
なお、矩形510に含まれる折曲げ領域504bの面積は、矩形510の単位面積に対して80%以下であることが好ましく、より好ましくは60%以下である。
なお、折曲げ領域504は、端部504aが、三角形状に切り取られることに限定されるものではなく、円弧状に切り取られていてもよい。また、折曲げ領域504は、少なくとも1つの角が切り取られればよい。
第1の導電領域502と折曲げ領域504との境界には、折曲げ線509a、509bが形成されている。この折曲げ線509a、509bを基準に、折曲げ領域504は折り曲げられる。
例えば、第2の導電領域506が接続された折曲げ領域504を折り曲げる場合、図11(A)に示すように折曲げ線509aが角になるように折り曲げられる。この場合、第1の導電領域502と、折曲げ領域504と、第2の導電領域506、508とが一体的に形成されており、しかも、導電性細線14が同一の材料で連続的に形成されているため、密着性が高く、折り曲げた際に接続部での剥がれなどの問題が生じず、信号伝達の信頼性が優れる。これにより、本実施態様の導電フィルム500は、断線および抵抗の上昇が起きにくく、所望の導電特性を示すものとなる。
なお、折り曲げた際には、第1の導電領域502と、第2の導電領域506との間に所定の間隔dがあくように、折曲げ領域504は延伸方向Dの長さLが設定される。
また、本実施態様においては、折曲げ領域504の端部504aを、上述の矩形510の面積よりも小さくしている。これにより、図11(B)に示すように、第2の導電領域506が接続された折曲げ領域504を折曲げ線509bが角になるように折り曲げ、第2の導電領域508が接続された折曲げ領域504を折曲げ線509aが角になるように折り曲げた際に、互いに干渉することなく、折り曲げることができる。このため、折り畳んだ際に省スペース化でき、スマートフォン等の携帯通信機器およびタブレットPC等を小型化できる導電フィルム、タッチパネルおよび表示装置を提供することができる。しかも、第1の導電領域502と、折曲げ領域504と、第2の導電領域506、508とが一体的に形成されており、折曲げ領域504を折り曲げることで、狭額縁化を図ることもできる。
また、導電フィルムの形状は、特に限定されるものではなく、図12に示す導電フィルム500aのように、第1の導電領域502が縦長であってもよい。なお、図12に示す導電フィルム500aは、図8(A)に示す導電フィルム500に比して、第1の導電領域502の形状が異なるだけで、それ以外の構成は、図8(A)、(B)に示す導電フィルム500と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
<第4の実施態様>
以下に、本発明の導電フィルムの第4の実施態様について図面を参照して説明する。図13(A)に、本発明の導電フィルムの第4の実施態様の平面図を示し、図13(B)に図13(A)のE−F線に沿った断面矢視図を示す。図14に、本発明の第4の実施態様の導電フィルムの第2の導電領域の部分断面図を示す。
なお、図13(A)、(B)に示す導電フィルム500bにおいて、図8(A)、(B)に示す導電フィルム500と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図13(A)、(B)に示す導電フィルム500bは、第1の導電領域502に、第1のマイグレーション防止層550が形成され、折曲げ領域504、第2の導電領域506、508に、第2のマイグレーション防止層552が形成されている点以外は、図8(A)、(B)に示す導電フィルム500と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
図13(B)に示すように、第1のマイグレーション防止層550は、支持体12の表面12a側に第2導電パターン36を覆うようにして形成されている。
また、支持体12の裏面12b側に、第1導電パターン34を覆うようにして第1のマイグレーション防止層550が形成されている。
また、図14に示すように、第2の導電領域506では、支持体12の表面12a側に第2配線44を覆うようにして、第2のマイグレーション防止層552が形成されている。
図示はしないが、第2の導電領域508では、支持体12の裏面12b側に第1配線40を覆うようにして、第2のマイグレーション防止層552が形成されている。
折曲げ領域504では、第1配線40については、支持体12の裏面12b側に第1配線40を覆うようにして、第2のマイグレーション防止層552が形成されている。
また、折曲げ領域504では、第2配線44については、支持体12の表面12a側に第2配線44を覆うようにして、第2のマイグレーション防止層552が形成されている。
折曲げ領域504、第2の導電領域506、508は、額縁領域に配置されるため、マイグレーションが生じやすい。このため、第1の導電領域502よりも折曲げ領域504、第2の導電領域506、508のマイグレーション対策を高める必要があり、例えば、第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552は、マイグレーション防止能が異なる。第1の導電領域502よりも第2の導電領域506、508の方がマイグレーション防止能を高くすることが好ましい。この場合、第2のマイグレーション防止層552は、第1のマイグレーション防止層550よりもマイグレーション防止剤の含有量が多い。ここで、マイグレーション防止剤とは、以下に示す金属イオン拡散抑制層形成用組成物の化合物のことである。
次に、第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552について説明する。
第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552は、例えば、金属イオン拡散抑制層形成用組成物で形成される。この場合、第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552は、金属イオン拡散抑制層で構成される。
金属イオン拡散抑制層形成用組成物で形成される場合、導電性細線14は、主に銀または銀合金で構成されることが好ましい。導電性細線14が銀合金で構成される場合、銀以外の含有される金属としては、例えば、錫、パラジウム、金、ニッケル、クロム等が挙げられる。なお、導電性細線14中に、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダー等の樹脂成分および感光性化合物等が含まれていてもよく、更に必要に応じてその他の成分が含まれていてもよい。
まず、金属イオン拡散抑制層形成用組成物について詳述する。
<金属イオン拡散抑制層形成用組成物>
金属イオン拡散抑制層形成用組成物(マイグレーション抑制層形成用組成物。以後、単に組成物とも称する。)は、銀または銀合金を含む金属配線(以後、単に金属配線とも称する)上に金属のイオンマイグレーションを抑制する金属イオン拡散抑制層(マイグレーション抑制層)を形成するための組成物である。以下に、組成物中に含まれる成分について詳述する。
(絶縁樹脂)
組成物には、絶縁樹脂が含有される。絶縁樹脂が金属配線を覆い、かつ、金属配線間に配置されることにより、金属配線間の絶縁性が担保される。
使用される絶縁樹脂としては、公知の絶縁性の樹脂を使用することができ、金属イオン拡散抑制層の層形成がより容易である点より、硬化性絶縁樹脂(例えば、熱硬化性絶縁樹脂および光硬化性絶縁樹脂)を使用することが好ましい。
熱硬化性絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、またこれらの変性樹脂等が挙げられる。
光硬化性絶縁樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、またはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
その他の絶縁樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリ乳酸、フッ素含有樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の熱可塑性樹脂も挙げられる。
なかでも、後述する化合物との相溶性がより優れる点で、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、必要に応じて、絶縁樹脂をガラス織布、ガラス不織布、アラミド不織布等の心材に含浸させて使用してもよい。具体的には、ガラス布エポキシ樹脂、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂、アラミド不織布−エポキシ樹脂、アラミド不織布−ポリイミド樹脂等を使用してもよい。
さらに、絶縁樹脂が硬化性樹脂の場合、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤等を併用してもよい。
なお、絶縁樹脂として、2種以上の絶縁樹脂を混合して使用してもよい。
組成物中における絶縁樹脂の含有量は特に制限されず、適宜最適な量が選択される。例えば、組成物が溶媒を含有する場合、取扱いがより容易であり、金属イオン拡散抑制層の膜厚を制御しやすい点から、絶縁樹脂の含有量は、組成物全量に対して、15〜80質量%が好ましく、20〜75質量%がより好ましい。
(化合物)
組成物には、トリアゾール構造、チアジアゾール構造およびベンズイミダゾール構造からなる群から選ばれる構造と、メルカプト基と、特定の官能基とを有する化合物(以後、SH基含有化合物とも称する)が含有される。このSH基含有化合物は主にSH基を介して金属配線と接触し、金属配線の腐食を抑制すると共に、金属イオン拡散抑制層中に分散して銀のイオンマイグレーションの発生を抑制する役割を果たす。
SH基含有化合物は、トリアゾール構造、チアジアゾール構造およびベンズイミダゾール構造からなる群から選ばれる構造を含む。なかでも、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、トリアゾール構造、チアジアゾール構造が好ましい。
なお、一般的に、メルカプト基は銀と共有結合を生成する反応性に富むことが知られている。上記トリアゾール構造、チアジアゾール構造およびベンズイミダゾール構造等を含まず、SH基を含む化合物Xは、このSH基含有化合物と同様に、SH基を介して銀イオンと塩を形成することができる。しかしながら、この化合物Xと銀イオンとから形成される塩が銀または銀合金を含む金属配線と直接接触する組成物中にあると、配線を溶かす等金属配線に多大な影響を与える虞がある。一方、上記所定の構造を有するSH基含有化合物の場合、そのような金属配線への影響が抑制されると共に、銀のイオンマイグレーションの抑制効果にも優れる。
なお、この構造をより具体的に例示すると、それぞれ以下の式(X)〜(Z)で表すことができる。
SH基含有化合物には、メルカプト基(HS−)が含まれる。メルカプト基は銀と共有結合を生成する反応性に富む。このメルカプト基は、上記トリアゾール構造等の構造に結合する。
SH基含有化合物中におけるメルカプト基の量は特に制限されないが、化合物の絶縁樹脂中での分散性がより良好である点より、化合物の全分子量中に対してメルカプト基の原子量総量が占める割合が50%以下であることが好ましく、特に40%以下が好ましい。
なお、メルカプト基は、一つだけなく、複数含まれていてもよい。
SH基含有化合物は、ヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基(以後、単に炭化水素基とも称する)を一つ以上有し、炭化水素基中の炭素原子の合計数(なお、複数の炭化水素基がある場合、各炭化水素基中の炭素原子の数を合計したものを意味する)が5以上である。この炭化水素基が化合物中に含まれることにより、絶縁樹脂との相溶性がより高くなると共に、銀のイオンマイグレーションを抑制する効果もより高まる。
炭化水素基は、炭素原子と水素原子を含む基である。この炭化水素基は、通常、上記トリアゾール構造等に結合する。炭化水素基としては、より具体的には、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。
各炭化水素基中の炭素数は特に制限されず、後述する合計炭素数が5以上を示せば特に制限されないが、銀のイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、4以上が好ましく、6以上がより好ましく、8以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、銀のイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、炭素数30以下が好ましく、24以下がより好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数4以上が好ましく、炭素数6以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、銀のイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で40以下が好ましい。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、化合物の絶縁樹脂中における分散性がより優れる点で、直鎖状の脂肪族炭化水素部分の炭素原子数が18以下、または、第3級または第4級の炭素原子を含む分岐鎖状であることが好ましい。
芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上が好ましく、2置換以上の芳香族炭化水素基がより好ましい。
上記構造に結合する全ての炭化水素基中の炭素原子の合計数は、5以上を示す。炭素原子の合計数がこの範囲であれば、銀のイオンマイグレーションが抑制され、金属配線間の絶縁信頼性が向上する。なお、この効果がより優れる点で、合計数は6以上が好ましく、8以上がより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、合成がより容易であり、絶縁樹脂への分散性がより優れる点から、合計数は36以下が好ましく、24以下がより好ましい。
なお、化合物中において、炭化水素基の数が1つの場合は、この炭化水素基中の炭素原子の数が5以上であればよい。
また、化合物中において、複数の炭化水素基が含まれる場合は、各炭化水素基中に含まれる炭素原子の数の合計が5以上であればよい。より具体的には、2つの炭化水素基(炭化水素基Aa、炭化水素基Bb)が化合物中に含まれる場合、炭化水素基Aa中の炭素原子の数と炭化水素基Bb中の炭素原子の数の合計が5以上であればよい。
なお、上記の炭素原子の合計数は、以下の式(F)で表すこともできる。
つまり、この化合物は、式(F)で表される合計炭素数TCが5以上であればよい。
式(F)中、Ciは化合物中に含まれるi番目の炭化水素基中の炭素数を表し、iは1〜nの整数を表す。
炭化水素基には、ヘテロ原子が含まれていてもよい。含有されるヘテロ原子の種類は特に制限されないが、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子等が挙げられる。なかでも、銀のイオンマイグレーション抑制能が優れる点で、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、−C(=X3)X4−、−SOn−、−SO2N(Rc)−、ハロゲン原子、またはこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
1〜X4は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
上記Ra、Rb、Rcは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基から選択される。
nは1〜3の整数を表す。
なお、ヘテロ原子が炭化水素基中に含まれる場合、メルカプト基(−SH)等態様で含まれていてもよい。
SH基含有化合物の分子量は特に制限さないが、絶縁樹脂との相溶性がより優れる点から、50〜1000が好ましく、100〜600がより好ましい。
(好適態様)
SH基含有化合物の好適態様としては、以下の式(1)〜式(3)で表される化合物が挙げられる。この化合物であれば、イオンマイグレーション抑制能により優れる。特に、本発明の効果がより優れる点で、式(1)または式(2)で表される化合物が好ましい。
式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、R1およびR2の少なくとも一方はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、R1およびR2の各基中に含まれる炭素原子の数の合計は5以上である。
1およびR2の好適態様としては、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、−C(=X3)X4−、−SOn−、−SO2N(Rc)−、またはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはそれらの組み合わせ)が挙げられる。X1〜X4、Ra〜Rc、nの定義は上述の通りである。なかでも、SH基含有化合物のマイグレーション抑制能がより優れる点で、アリール基、または、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、または−C(=X3)X4−を含んでいてもよい炭化水素基が挙げられ、R1およびR2のうち少なくともどちらか一方が脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
なお、炭化水素基(脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基)の好適態様は、上述の通りであり、ヘテロ原子の種類も上述の通りである。
式(1)において、R1およびR2の各基中に含まれる炭素原子の数の合計は5以上である。言い換えると、R1中の炭素原子の数と、R2中の炭素原子の数との合計数(合計炭素数)が5以上であればよい。なお、合計数の好適態様は、上述の通りである。
式(2)中、R3は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、R3中に含まれる炭素原子の数は5以上である。
この炭化水素基の定義は上述の通りである。なお、式(2)中において、この炭化水素基の好適態様としては、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、−C(=X3)X4−、−SOn−、−SO2N(Rc)−、またはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはそれらの組み合わせ)が挙げられ、−X1−を有する炭化水素基(特に、脂肪族炭化水素基)がより好ましい。
式(3)中、R4〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、R4〜R7の少なくとも一つは炭化水素基を表し、R4〜R7の各基中に含まれる炭素原子の数の合計は5以上である。
この炭化水素基の定義は上述の通りである。なお、式(3)中における、この炭化水素基の好適態様としては、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、−C(=X3)X4−、−SOn−、−SO2N(Rc)−、またはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはそれらの組み合わせ)が挙げられ、以下の式(4)で表される基がより好ましい。この基であれば、SH基含有化合物の絶縁樹脂中における分散性がより優れ、イオンマイグレーション抑制効果がより向上する。
*−L1−R8 式(4)
式(4)中、L1は、単結合、−O−、−NR11−、−CO−、−C(R9)(R10)−またはこれらを組み合わせた基を表す。R9〜R11は、それぞれ独立に、水素原子または脂肪族炭化水素基を表す。
8は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基を表す。脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の好適態様は、上述の通りである。
なお、式(4)中、*は結合位置を表す。
式(3)において、R4〜R7の少なくとも一つは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。なかでも、マイグレーション抑制効果がより優れる点で、R4〜R7のうち1〜2個がこの炭化水素基であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
また、R4〜R7の各基中に含まれる炭素原子の数の合計は5以上である。言い換えると、R4中の炭素原子の数と、R5中の炭素原子の数と、R6中の炭素原子の数と、R7中の炭素原子の数との合計数(合計炭素数)が5以上であればよい。なお、合計数の好適態様は、上述の通りである。
組成物中における上記絶縁樹脂と上記化合物との質量関係は特に制限されないが、マイグレーション抑制能がより優れる点で、化合物の質量Aと絶縁樹脂の質量Bとの質量比(A/B)は、0.20以下が好ましく、0.10以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、少量の組成物で所定も効果が得られる点で、0.0001以上が好ましく、0.0005以上が好ましい。
(任意成分)
組成物には、必要に応じて、溶媒が含有される。組成物中に溶媒が含まれることによって、組成物の取扱い性が向上し、絶縁基板上に所望の膜厚の金属イオン拡散抑制層を形成しやすくなる。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、水または有機溶媒が挙げられる。
なお、使用される有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、sec-ブタノール、カルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、アミド系溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルプロピレンウレア)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、カーボネート系溶媒(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒を、2種以上混合して使用してもよい。
組成物中に溶媒が含まれる場合、その含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、20〜80質量%が好ましく、25〜75質量%がより好ましい。
金属イオン拡散抑制層のイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、組成物には銀イオンが実質的に含まれていないことが好ましい。過剰量の銀イオンが含まれていると、金属イオン拡散抑制層中に銀イオンが多量に含まれることになり、銀のイオンマイグレーションを抑制する効果が薄れることがある。
なお、銀イオンが実質的に含まれないとは、組成物中における銀イオンの含有量が、1μmol/l以下であることを指し、0.1μmol/l以下であることがより好ましい。最も好ましくは0mol/lである。
第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552、例えば、金属イオン拡散抑制層中には、銀イオンまたは金属銀が実質的に含まれていないことが好ましい。金属イオン拡散抑制層に過剰の銀イオンまたは金属銀が含まれていると、金属イオンマイグレーション抑制効果が低下する場合がある。
第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552(金属イオン拡散抑制層)の厚みは特に制限されないが、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、5〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。
第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552の製造方法は特に制限されず、例えば、上述した金属イオン拡散抑制層形成用組成物が溶媒を含む液状体である場合、この組成物を支持体11の表面11aに塗布して、溶媒を除去する方法が用いられる。また、上述した金属イオン拡散抑制層用フィルムを直接支持体11の表面11aに積層する方法も挙げられる。また、上述した金属イオン拡散抑制層形成用組成物が溶媒を含む液状体の場合、この組成物を基板上に塗布して溶媒を除去してフィルム状にした後、このフィルムを基板から剥離して、支持体11の表面11aに積層する方法を用いることもできる。
なお、第1のマイグレーション防止層550および第2のマイグレーション防止層552(金属イオン拡散抑制層)の厚みの調整が容易である点より、上記塗布による方法が好ましい。
なお、金属イオン拡散抑制層形成用組成物を支持体11の表面11aに塗布する方法は特に制限されず、ディスペンス法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、バーコード法、スピンコーター法、インクジェット法、ディップ浸漬法等、公知の方法を採用することができる。金属イオン拡散抑制層の付着量の制御がよりしやすい点で、ディスペンス法、スクリーン印刷法、スピンコーター法、インクジェット法が好ましい。
また、絶縁樹脂が硬化性樹脂の場合は、組成物を塗布した後、必要に応じて、加熱処理または露光処理を施してもよい。
加熱処理を実施する場合は、その加熱温度は使用される熱硬化性樹脂に応じて適宜最適な温度が選択されるが、通常、100〜300℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。また、加熱時間は、生産性の点から、0.2〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましい。
さらに、露光処理を実施する場合は、露光に使用される光は使用される光硬化性樹脂に応じて適宜最適な波長の光が選択される。例えば、紫外線、可視光等が挙げられる。露光時間は、生産性の点から、0.2〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましい。
なお、導電性細線14をタッチパネル等の透明電極として適用する際には、導電性細線14は、銀または銀合金からなる金属ナノワイヤ(以後、単に金属ナノワイヤとも称する)を含有するものであることが好ましい。この金属ナノワイヤを使用することにより、低温で導電膜を成膜することができ、高透過率で低抵抗な透明電極を提供できる。
<金属ナノワイヤ>
金属ナノワイヤは、銀または銀合金から構成される。銀合金の種類は、上述の通りである。金属ナノワイヤとは、導電性を有し、且つ長軸方向長さが直径(短軸方向長さ)に比べて十分に長い形状を持つものをいう。中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
金属ナノワイヤの材料は、導電性に優れる点で、銀、または、銀と他の金属との合金が特に好ましい。銀との合金で使用する他の金属としては、白金、オスミウム、パラジウム、イリジウム、錫、ビスマス、ニッケル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属ナノワイヤの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、5〜50nmであり、5〜25nmがより好ましく、さらに5〜20nmが特に好ましい。
平均短軸長さが5nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがある。一方、平均短軸長が50nm超であると、金属ナノワイヤの散乱が大きくなり、導電膜のヘイズ値が大きくなることがある。特に、平均短軸長さを25nm以下にすることより、金属ナノワイヤの散乱は低減でき、導電膜のヘイズ値は大幅に改良(低減)される。ヘイズが小さい導電膜を用いたタッチパネルは、導電膜のパターン見え(骨見え)が解消でき、タッチパネルの視認性が向上する。
金属ナノワイヤの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤを観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均短軸長さを求める。なお、金属ナノワイヤの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとする。
金属ナノワイヤの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、5μm以上であることが好ましく、5μm〜40μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
平均長軸長さが、5μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
金属ナノワイヤの平均長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤを観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均長軸長さを求める。なお、金属ナノワイヤが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、および、曲率から算出される値を長軸長さとする。
金属ナノワイヤの製造方法は特に制限はなく、いかなる方法で作製してもよいが、ハロゲン化合物と分散剤を溶解した溶媒中で金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。また、金属ナノワイヤを形成した後は、常法により脱塩処理を行うことが、分散性、導電膜の経時安定性の観点から好ましい。
また、金属ナノワイヤの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報、特表2009−505358号公報等に記載の方法を用いることができる。
金属ナノワイヤのアスペクト比としては目的に応じて適宜選択することができるが、10以上であれば特に制限なく、50以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、5000以上がさらに好ましく、10,000から100,000が特に好ましい。アスペクト比とは、一般的には繊維状の物質の長辺と短辺との比(平均長軸長さ/平均短軸長さの比)を意味する。
アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法等が挙げられる。
金属ナノワイヤのアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、金属ナノワイヤの平均長軸長さと平均短軸長さとを各々別に測定することによって、金属ナノワイヤ全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、金属ナノワイヤがチューブ状の場合には、アスペクト比を算出するための直径としては、このチューブの外径を用いる。
<第5の実施態様>
以下に、本発明の導電フィルムを備えた表示装置の第5の実施態様について図面を参照して説明する。図15(A)は、本発明の導電フィルムを備えた表示装置の実施態様を表す模式的斜視図であり、図15(B)は、導電フィルムと表示装置を組み合わせた状態を示す平面図である。
図15(A)、(B)に示す表示装置600は、図8(A)、(B)に示す導電フィルム500を用いた表示装置である。
なお、図15(A)、(B)に示す表示装置600において、図8(A)、(B)に示す導電フィルム500と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
表示装置600は、保護層602、導電フィルム500および液晶表示パネル(表示部)604を有する。
液晶表示パネル604の表示画面606上に導電フィルム500が載置され、この導電フィルム500上に保護層602が設けられる。
保護層602は、導電フィルム500を保護するためのものである。この保護層602は、例えば、ガラス、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス、ポリエチレンテレフタレート樹脂等により構成される。(メタ)アクリル樹脂は、透明性と軽量性で優れており、好ましい。
導電フィルム500は、上述の説明したとおりである。なお、導電フィルムとしては、マイグレーション防止層が形成された図13(A)、(B)の導電フィルム500bを用いることもできる。
液晶表示パネル604は、公知の液晶表示パネルであり、背面608に図示はしないが駆動回路(IC回路)が設けられている。
駆動回路(IC回路)は、導電フィルム500を含むタッチパネルを指等でタッチした際の第1導電パターン34と第2導電パターン36との間の静電容量の値に変化を検知し、タッチした点の座標を特定する、すなわち、タッチした点の位置演算を行うものである。
表示装置600においては、導電フィルム500の折曲げ領域504が折り曲げられて、図15(B)に示すように、第2の導電領域506が液晶表示パネル604の裏面側に曲げられて背面608の駆動回路(図示せず)と接続される。
また、図15(B)に示すように、第2の導電領域508も、液晶表示パネル604の裏面側に曲げられて背面608の駆動回路(図示せず)と接続される。この場合、折曲げ領域504の延伸方向の長さは液晶表示パネル604の厚みよりも長い。
表示装置600においては、指先を保護層602上に接触させた際、駆動回路により指先に対向する第1導電パターン34と第2導電パターン36との間の静電容量の値に変化が検知され、タッチした点の座標が特定される。このようにして、指先の位置が検出される。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の導電フィルムおよびタッチパネルについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液および5液を8分間にわたって加え、更に、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。更に、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 12g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。更に3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を更に1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン3.9g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(感光性層形成用組成物の調製)
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
さらに、以下のシリコーンオイル(粒度分布の中心値:0.18μm、信越化学工業株式会社製)を後述する導電性細線中の含有量になるように加えて、感光性層形成用組成物を調製した。
(感光性層形成工程)
100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにコロナ放電処理を施した後、厚み0.1μmのゼラチン下塗り層、さらに下塗り層の上に光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含むアンチハレーション層を設けて支持体とした。この支持体上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、さらに厚み0.15μmのゼラチン層を設けて感光性層を形成した。得られた感光性層は、銀量6.0g/m2、セラチン量1.0g/m2、乳剤層の銀/ゼラチン体積比率が1.6/1であった。
(露光現像工程)
折り曲げ試験用評価板として、図4に示すような導電性細線のパターンの現像銀像を与えうるフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて、上記感光性層に対して露光を行った。図4中、導電性細線14の幅Wは5μmであり、正方形状の格子16の一辺の長さPaは300μmであり、折り曲げ試験用評価板(縦600mm×横800mm)の主面の全面に渡って上記導電性細線のパターンを形成した。露光後、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし、乾燥してパターン電極を得た。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(加熱工程)
上記で得られたフィルムに対して、60℃/1minで加熱処理を施し、導電フィルムを得た。
なお、得られた導電性細線中におけるシリコーンオイルの含有量は、3.2mg/m2であった。また、導電性細線中におけるバインダーとシリコーンオイルとの質量比(バインダー/シリコーンオイル)は313/1であった。
さらに、得られた導電フィルムの導電性細線の垂直方向断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、b/aは0.860であった。
(折り曲げ試験測定)
上記で得られた導電フィルムを使用して、上記図3において説明した折り曲げ試験を実施した。結果を表1に示す。
(ヤング率測定)
上記感光性層形成工程で得られた感光性層に対して全面露光を行い、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にヤング率評価用のサンプル膜を製造した。該サンプル膜をフィルムから剥ぎ取り、サンプル膜(縦20mm×横120mm×厚み0.1mm)を用意した。得られたサンプル膜を用いて、上述した方法により導電性細線のヤング率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
シリコーンオイルの含有量を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電フィルムを作製した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
シリコーンオイルの含有量を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電フィルムを作製した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
シリコーンオイルの含有量を変更し、感光性層形成用組成物上のゼラチン層の厚みを0.05μmにした以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電フィルムを作製した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(比較例1)
感光性層形成用組成物上のゼラチン層を設けなかった以外は、実施例4と同様の手順に従って、導電フィルムを作製した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(比較例2)
シリコーンオイルを使用しなかった以外は、実施例4と同様の手順に従って、導電フィルムを作製した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(比較例3)
特許文献1の実施例欄に記載の実施例3に基づいて、導電フィルムを作製した。
以下に、詳細な手順を示す。
実施例1に記載の1液のゼラチン量を8gとし、水洗終了後のゼラチンを添加しない以外は、同じ条件で調製した乳剤を乳剤Bとした。
上記乳剤Bに増感色素(sd−1)5.7×10-4モル/モルAgを加えて分光増感を施した。さらに、KBr3.4×10-4モル/モルAg、化合物(Cpd−3)8.0×10-4モル/モルAgを加え、よく混合した。
次いで、1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩を90mg/m2、ゼラチンに対して15wt%の粒径10μmのコロイダルシリカ、水性ラテックス(aqL−6)を50mg/m2、ポリエチルアクリレートラテックスを100mg/m2、メチルアクリレートと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩と2−アセトキシエチルメタクリレートのラテックス共重合体(重量比88:5:7)を100mg/m2、コアシェル型ラテックスコア:スチレン/ブタジエン共重合体重量比37/63)、シェル:スチレン/2−アセトキシエチルアクリレート(重量比84/16、コア/シェル比=50/50)を100mg/m2、ゼラチンに対し4wt%の化合物(Cpd−7)を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上記で得られた感光性層形成用組成物を使用して、感光性層形成用組成物上のゼラチン層を設けなかった以外は実施例1と同様の手順に従って、導電フィルムを形成した。
現像処理したサンプルをカレンダー処理した。カレンダーロールは金属ロール(鉄芯+ハードクロムメッキ、ロール直径250mm)からなり、線圧力1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると700kgf/cm2)から7840N/cm(800kgf/cm、面圧に換算すると1850kgf/cm2)をかけてローラー間にサンプルを通した。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(比較例4)
特許文献2の実施例欄に基づいて、導電フィルムを作製した。
実施例1に記載の1液のゼラチン量を20gとし、水洗終了後のゼラチンの添加量を3.9gから30gにする以外は、同じ条件で調製した乳剤を乳剤Cとした。乳剤Cにシリコーンを20mg/m2になるように加え、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。このようにして調製した乳剤層塗布液を実施例1で使用した支持体上に塗布して、感光性層を形成した。得られた感光性層は、銀量6.0g/m2、セラチン量1.0g/m2であった。現像処理したサンプルを、引き続き下記組成の活性化液および無電解銅メッキ液に浸漬することにより、メッシュパターン銀像の上に無電解銅メッキを施し、導電フィルムを得た。ここで活性化処理は35℃で5分間おこなった。また無電解銅メッキは35℃にて、表面抵抗率が0.3Ω/口以下になるまで処理を行った。各種測定結果を表1にまとめて示す。
(活性化液組成):1Lあたり
PdCl2 0.2g
HCl(2規定水溶液) 25.6ml
水を加えて上記を溶解し1Lとする。
(無電解銅メッキ液組成)
硫酸銅 0.06モル/L
ホルマリン 0.22モル/L
トリエタノールアミン 0.12モル/L
ポリエチレングリコール 100ppm
黄血塩 50ppm
α,α’−ビピリジン20ppmを含有する水溶液
pH−12.5
上記表1に示すように、本発明の導電フィルムは折り曲げられた後においても、抵抗の上昇などは見られず、優れた可撓性を有することが確認された。
特に、ヤング率が5.0GPa以下であり、b/aが0.950以下である実施例2および3においては、より優れた効果が確認された。
一方、表1に示すように、ヤング率またはb/aが所定の範囲内にない比較例1〜4においては、所望の可撓性は得られなかった。
特に、特許文献1の態様に該当する比較例3および特許文献2の態様に該当する比較例4においては、折り曲げ後に抵抗値の急激な増加が確認され、その効果が劣っていた。
10,100,200 導電フィルム
12 支持体
14 導電性細線
16 格子
18 傾斜面
20 凹溝
22 台
24 折り曲げ試験用評価板
26 先端部
28 押し部材
30 第1電極パターン
32 第2電極パターン
34 第1導電パターン
36 第2導電パターン
38 第1電極端子
40 第1配線
42 第2電極端子
44 第2配線
46 導電フィルム
48 フレキシブル回路
50 透明支持体
52 透明電極層
54 リード配線
56 アクティブエリア
58 非アクティブエリア
60 電極パターン部
62 端子配線部
64 電極
66 リード配線
68 延設部
70 折り曲げ予定線
72 透明樹脂層
300,400 タッチパネル部材
500、500a、500b 導電フィルム
502 第1の導電領域
504 折曲げ領域
506、508 第2の導電領域
550 第1のマイグレーション防止層
552 第2のマイグレーション防止層
600 表示装置
602 保護層
604 液晶表示パネル
606 表示画面
608 背面

Claims (5)

  1. 支持体と、
    前記支持体上に配置された、バインダーおよび金属を含有する導電性細線と、を有する導電フィルムであって、
    前記導電性細線のヤング率が5.5GPa以下であり、
    前記導電性細線の表面に対する垂直方向断面において、前記導電性細線の前記支持体表面からの高さaと、前記支持体表面から垂直方向に最も離れた位置にある前記導電性細線中の前記金属までの高さbとが以下の式(X)の関係を満たす導電フィルム。
    式(X) b/a≦0.975
  2. 前記導電性細線は、下記折り曲げ試験を行う前の前記導電性細線の抵抗値をR1、下記折り曲げ試験を行った後の前記導電性細線の抵抗値をR2としたとき、以下の式(Y)の関係を満たす請求項1に記載の導電フィルム。
    式(Y) R2/R1<1.10
    (折り曲げ試験は、一対の傾斜面を有し、開口側から底面側に向かって幅が狭くなる凹溝が設けられた台上に、前記凹溝をまたぐように前記導電フィルムを配置し、曲率半径3.5mmの半球状の先端部を有する押し部材の前記先端部で前記導電フィルムを前記凹溝内に押圧して、前記導電フィルムを前記傾斜面に接触させる。なお、前記一対の傾斜面のなす角度は30度であり、前記凹溝の深さは10mmであり、前記凹溝の底面の幅が7mmである。)
  3. 前記導電性細線中にシリコーンオイルおよび/またはパラフィンオイルが含有され、その合計含有量が10mg/m2以下である、請求項1または2に記載の導電フィルム。
  4. 前記導電性細線中における前記バインダーの質量と前記シリコーンオイルおよび前記パラフィンオイルの合計質量との質量比(前記バインダーの質量/前記シリコーンオイルおよび前記パラフィンオイルの合計質量)が95以上である、請求項に記載の導電フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電フィルムを有するタッチパネル。
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