JP7273178B2 - タッチセンサー部材前駆体およびタッチセンサー部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性からなる複数のタッチセンサーパターン部を有するタッチセンサー部材前駆体およびタッチセンサー部材の製造方法に関する。
現在、タブレット型コンピューターおよびスマートフォン等の携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、画面に接触することにより電子機器への入力操作を行うタッチパネルがある。タッチパネルは、タッチを検出する検出電極に相当する複数のタッチセンサーパターン部と、複数のタッチセンサーパターン部に電気的に接続される複数のリード線とが透明な基板上に配置されたタッチセンサー部材を有する。
このようなタッチセンサー部材の製造工程において、隣り合うタッチセンサーパターン部間および隣り合うリード線間で数kVもの電位差が発生し、放電が生じることにより、タッチセンサーパターン部およびリード線が破損することがあった。特に、フィルム状の基板を有するタッチセンサー部材は、いわゆるロールトゥロール方式で製造されることが多く、タッチセンサー部材が巻き取られる工程において、互いに異なるタッチセンサーパターン部同士、および、互いに異なるリード線同士がタッチセンサー部材の厚み方向に接近することにより放電が生じ、タッチセンサーパターン部とリード線が破損することがあった。
そこで、放電によるタッチセンサーパターン部とリード線の破損を防止するために、例えば、特許文献1に開示されるようなタッチセンサー部材の前駆体が開発されている。特許文献1におけるタッチセンサー部材の前駆体は、複数のリード線を短絡させる短絡パターンを有しており、これにより、タッチセンサー部材の製造工程において、複数のリード線間および複数のタッチセンサーパターン部間の電位差の発生が抑制される。
特開2012-155514号公報
ところで、特許文献1では、タッチセンサー部材の製造工程において、複数のタッチセンサーパターン部を電気的に隔離させるために、複数のリード線から短絡パターンが切断される。この際に、複数のリード線の破片が発生して飛散し、例えば、隣接するリード線間を短絡させてしまい、いわゆる短絡故障が発生してしまうことがあった。このように、特許文献1では、互いに異なるタッチセンサーパターン部間および互いに異なるリード線間における放電の抑制と、短絡故障の抑制を両立することが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、放電現象の抑制と短絡故障の抑制を両立することができるタッチセンサー部材前駆体と、タッチセンサー部材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係るタッチセンサー部材前駆体は、基板と、基板の少なくとも一方の面に配置された複数のタッチセンサーパターン部と、複数のタッチセンサーパターン部から引き出された複数のリード線と、複数のリード線に接続された複数の接続端子と、複数の接続端子に接続された複数の接続配線と、複数の接続配線に接続された電位差解消パターン部とを有し、複数のタッチセンサーパターン部と、複数のリード線と、複数の接続端子と、複数の接続配線と、電位差解消パターン部は、基板の同一面上に配置された導電部材からなり、複数の接続配線は、接続配線幅Wdを有する被切断部を含み、複数の接続端子のうち隣り合う接続端子同士は、互いに最も近接する箇所において最近接端子間距離Scだけ離間しており、Wd<Scの関係を満たすことを特徴とする。
複数の接続端子の最近接端子間距離Scは、150μm以上250μm以下であることが好ましい。
この際に、複数の接続配線の被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<250μmの関係を満たすことが好ましく、3μm≦Wd<150μmの関係を満たすことがより好ましい。
複数のリード線のうち隣り合うリード線同士は、互いに最も近接する箇所において最近接リード線間距離Sbだけ離間しており、Wd<Sb<Scの関係を満たすことが好ましい。
複数のリード線の最近接リード線間距離Sbは、10μm以上60μm以下であることが好ましい。
この際に、複数の接続配線の被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<60μmの関係を満たすことが好ましく、3μm≦Wd<10μmの関係を満たすことがより好ましい。
電位差解消パターン部は、複数の接続配線同士を電気的に短絡させることができる。
ここで、基板の少なくとも一方の面に、複数のパターン形成領域があり、それぞれのパターン形成領域に、複数のタッチセンサーパターン部と、複数のリード線と、複数の接続端子と、複数の接続配線とが配置されることができる。
この際に、電位差解消パターン部は、複数のパターン形成領域のうち互いに異なる複数のパターン形成領域に配置された複数の接続配線同士を電気的に短絡させることができる。
もしくは、電位差解消パターン部は、複数の接続配線に接続され且つ互いに電気的に隔離されるように配置された複数の犠牲パターン部であって、互いに最も近接する箇所における最近接犠牲パターン部間距離Sgが、最近接リード線間距離Sbに対して0<Sg<Sbの関係を満たす複数の犠牲パターン部からなることもできる。
また、複数のタッチセンサーパターン部と、複数のリード線と、複数の接続端子と、複数の接続配線と、電位差解消パターン部は、基板の両面に配置されることもできる。
また、導電部材は、金属材料を含むことが好ましく、金属材料として銀を含むことがより好ましい。
本発明に係るタッチセンサー部材の製造方法は、上記のタッチセンサー部材前駆体の複数の接続配線の被切断部を切断することを特徴とする。
本発明に係るタッチセンサー部材前駆体によれば、複数の接続配線が、接続配線幅Wdを有する被切断部を含み、複数の接続端子のうち隣り合う接続端子同士が、互いに最も近接する箇所において最近接端子間距離Scだけ離間しており、Wd<Scの関係を満たすため、放電現象の抑制と短絡故障の抑制を両立することができる。
本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体が巻き取られた巻取ロールの一例を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体のタッチセンサーパターン部部の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体のタッチセンサーパターン部と、リード線と、接続端子と、接続配線と、電位差解消パターン部とを模式的に示す図である。 本発明の実施形態の第1の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第2の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第3の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第4の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第5の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第6の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第7の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体を示す模式図である。 本発明の実施形態の第8の変形例におけるタッチセンサーパターン部を示す模式図である。 本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体における導電部材の一例を拡大して示す模式図である。 本発明の実施例のタッチセンサー部材前駆体の一例を示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のタッチセンサー部材前駆体およびタッチセンサー部材の製造方法を詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「~」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α~数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「平行」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、「同一」とは、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
なお、可視光に対して透明とは、特に断りがなければ、光透過率が、波長380~780nmの可視光波長域において、40%以上のことであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のことである。また、以下の説明において、透明とは、特に断りがなければ、可視光に対して透明であることを示す。
光透過率は、JIS(日本工業規格) K 7375:2008に規定される「プラスチック-全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
なお、電気的に導通とは、電流が流れる状態のことをいう。例えば、2つの導電部材が互いに電気的に接続されていれば、これらの2つの導電部材は、電気的に導通している。
電気的に非導通とは、電流が流れない状態のことをいう。例えば、2つの導電部材がどことも接触していない状態であれば、これらの2つの導電部材は、電気的に絶縁な状態であり、電気的に非導通である。
(タッチセンサー部材前駆体)
図1は本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体12が巻き取られた巻取ロール10の一例を示す模式的斜視図であり、図2は本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体12を示す模式的断面図である。
タッチセンサー部材前駆体12は、いわゆるタッチセンサーとして使用される図示しないタッチセンサー部材の前駆体であり、可撓性を有する基板14を備え、基板14の少なくとも一方の面に、複数のパターン形成領域16を有している。ここで、可撓性とは、折り曲げることができることを意味し、具体的には、曲率半径1mmで折り曲げても割れを生じないことを指す。
図1に示す巻取ロール10は、タッチセンサー部材の製造工程において、タッチセンサー部材前駆体12が円筒状に巻き取られたものである。タッチセンサー部材前駆体12は、搬送方向Dに搬送されながら巻取ロール10に巻き取られる。タッチセンサー部材前駆体12は、図1および図2に示すように、例えば、基板14の表側面14aに複数のパターン形成領域16を有している。タッチセンサー部材前駆体12の基板14には、搬送方向Dにおいて、複数のパターン形成領域16が間隙部17を隔てて設けられており、搬送方向Dと直交する方向においても、複数のパターン形成領域16が設けられている。複数のパターン形成領域16は全て合同である。間隙部17はタッチセンサー部材前駆体12の搬送方向Dにおけるパターン形成領域16とパターン形成領域16の間の領域である。また、基板14は、搬送方向Dと直交する方向における幅Wsを有しており、この幅Wsが巻取ロール10の幅となる。
図1に示すように、基板14に複数のパターン形成領域16を設けることにより、複数のタッチセンサー部材前駆体12を一括して得ることができ、生産効率が良くなる。
なお、間隙部17は、パターン形成領域16が形成されていなければ、構成としては、特に限定されるものではない。間隙部17には、例えば、アライメントマーク、または基板14の搬送を補助する厚み調整用のパターン等の各種パターンが形成されていてもよい。また、間隙部17は、何も形成されていない基板14そのものでもよい。
また、図示しないが、基板14の両面に、すなわち、基板14の表側面14aと裏側面14bの双方に複数のパターン形成領域16が形成されることもできる。
[タッチセンサー部材前駆体の構成]
図3は本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体12の一例を示す模式図である。
タッチセンサー部材前駆体12は、基板14と、基板14の少なくとも一方の面に配置された複数のタッチセンサーパターン部21と、複数のタッチセンサーパターン部21から引き出された複数のリード線22と、複数のリード線22に接続された複数の接続端子23と、複数の接続端子23に接続された複数の接続配線24と、複数の接続配線24に接続された電位差解消パターン部19を有する。複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19は、基板14の同一面上に配置された導電部材からなり、パターン形成領域16に含まれている。
なお、図3に示すように、タッチセンサー部材前駆体12に基づいて製造されるタッチセンサー部材11は、タッチセンサー部材前駆体12のうち、基板14、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22および複数の接続端子23と、複数の接続配線24の一部を含むものである。また、以下では、説明のために、基板14がXY面に沿って延び、複数のタッチセンサーパターン部21がX方向に沿って配列されているとする。
複数のタッチセンサーパターン部21は、ユーザの指またはスタイラスペン等の物体の接触または接近、複数のタッチセンサーパターン部21の曲げ、複数のタッチセンサーパターン部21にかかる圧力等を電気信号として検出する接触検出を行うためのものである。複数のタッチセンサーパターン部21は、接触検出の他に、電磁波等の信号を検出する信号検出、外部から飛来する特定周波数の電磁波を遮断するノイズカット等の機能を有することもできる。
複数のタッチセンサーパターン部21は、例えば図3に示すように、それぞれ、X方向においてセンサーパターン幅L1を有し、Y方向においてセンサーパターン長さL2を有するほぼ長方形状の領域を有している。
また、複数のタッチセンサーパターン部21は、例えば図4に示すように、導電部材により構成され且つ線幅Waを有する複数の導電線32が交差してなるメッシュパターン30を有する。導電線32の線幅Waは、特に制限されないが、上限は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、下限は0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましい。線幅Waが上述の範囲内であれば、タッチセンサーパターン部21を低抵抗とすることができる。
図4に示す例において、メッシュパターン30は、導電線32で囲まれる開口領域であり且つ開口幅Paを有する菱形状の複数の開口部33を有している。開口幅Paは、互いに隣接する平行な導電線32間の距離として定義される。また、例えば、図示しない画像表示モジュールの図示しない表示面上に複数のタッチセンサーパターン部21を配置した場合に、複数のタッチセンサーパターン部21の存在が目立たず、画像表示モジュールの表示面を視認するユーザが違和感なく表示面上の表示を視認するために、複数の開口部33の開口幅Paの上限は、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、400μm以下がさらに好ましい。また、複数の開口部33の開口幅Paの下限は、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。
また、複数のタッチセンサーパターン部21において十分な可視光の透過率を確保する観点から、メッシュパターン30の開口率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。メッシュパターン30の開口率とは、メッシュパターン30が占める領域のうち導電線を除いた透過性部分のことであり、すなわち、タッチセンサーパターン部21の全体の面積に対する、複数の開口部33が占める合計の面積の割合に相当する。
なお、複数のタッチセンサーパターン部21は、メッシュ状のパターンを有していれば、菱形状のメッシュパターン30を有することに限定されず、例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等の(正)n角形、円、楕円、星形等を組み合わせた幾何学図形のメッシュパターンを有することができる。
図5に模式的に示すように、複数のリード線22は、複数のタッチセンサーパターン部21と複数の接続端子23とを接続するためのものである。また、複数のリード線22は、例えば10μm以上60μm以下程度のリード線幅Wbを有しており、複数のリード線22のうち隣り合うリード線22同士は、互いに最も近接する箇所において最近接リード線間距離Sbだけ離間している。図5に示す例において、2本のリード線22は、それぞれタッチセンサーパターン部21に接続された一端部からY方向に沿って延び、途中でX方向に延びるように屈曲し、さらに途中でY方向に沿って延びるように屈曲し、他端部が接続端子23に接続されており、X方向に沿って延びる箇所において2本のリード線22が互いに最も近接している。ここで、基板14の表側面14a上の複数のリード線22が配線されている領域の面積を削減して、タッチセンサー部材前駆体12から製造されるタッチセンサー部材11における省スペース化をする観点から、最近接リード線間距離Sbは、10μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
複数の接続端子23は、複数のリード線22により複数のタッチセンサーパターン部21と接続されており、図示しないが、例えば、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等が電気的に接続され、タッチセンサーパターン部21からの電気信号を外部に取り出す機能を有する。図5に示す例において、接続端子23は、X方向において接続端子幅Wcを有し、Y方向において接続端子長さLcを有する長方形の形状を有している。この場合に、複数の接続端子23は、例えば、FPC等が接続されやすいように、100μm以上250μm以下程度の接続端子幅Wcを有することが望ましい。
また、複数の接続端子23のうち隣り合う接続端子23同士は、互いに最も近接する箇所において最近接端子間距離Scだけ離れている。図5に示す例において、複数の接続端子23は、X方向において接続端子幅Wcを有し、Y方向において接続端子長さLcを有する長方形の形状を有しているため、最近接端子間距離Scは、隣り合う接続端子23間のX方向における距離に等しい。ここで、例えば、FPC等が接続されやすいように、最近接端子間距離Scは、(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係を満たすことが好ましい。
複数の接続配線24は、複数の接続端子23と電位差解消パターン部19とを電気的に接続する配線である。後に詳細に説明するが、複数の接続配線24は、タッチセンサー部材前駆体12からタッチセンサー部材11を製造する工程において切断される被切断部CPを有している。図5に示す例において、複数の接続配線24は、それぞれ、X方向において一定の接続配線幅Wdを有し、Y方向において接続配線長さLdを有しながらY方向に沿って延びており、複数の接続配線24のY方向におけるいずれの箇所をも被切断部CPとすることができる。また、複数の接続配線24の被切断部CPにおける接続配線幅Wdは、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係を満たす。
電位差解消パターン部19は、複数の接続配線24に接続されており、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、および、複数の接続配線24間の電位差を解消するためのパターンである。図5に示す例において、電位差解消パターン部19は、導電部材からなる長方形の形状を有するパターンであり、複数の接続配線24を短絡することにより、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、および、複数の接続配線24間における電位差の発生を抑制することができる。電位差解消パターン部19は、Y方向において電位差解消パターン部幅Weを有している。また、図示しないが、電位差解消パターン部19は、X方向において、電位差解消パターン長さLeを有している。
ところで、図1に示すように、タッチセンサー部材前駆体12が巻取ロール10に巻き取られる工程等のタッチセンサー部材11の製造工程において、静電気等が複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24に帯電することがある。このような帯電は、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、および、複数の接続配線24間において電位差が発生する要因である。一般的に、互いに近接した2つの導電部材間に電位差が発生すると、2つの導電部材間で放電が発生し、特に、導電部材が線幅の狭い導電線である場合には、放電により導電線が破損する現象が知られている。
本発明の実施形態に係るタッチセンサー部材前駆体12においては、複数の接続端子23に電位差解消パターン部19が接続されているため、複数の接続端子23が短絡され、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、および、複数の接続配線24間における電位差の発生が抑制される。これにより、複数のタッチセンサーパターン部21を構成する導電線32、複数のリード線22および複数の接続端子23が放電現象により破損してしまうことが抑制される。
(タッチセンサー部材)
タッチセンサー部材11は、図3に示すように、タッチセンサー部材前駆体12のうち、基板14、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22および複数の接続端子23と、複数の接続配線24の一部を含むものであり、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、および、複数の接続配線24間が互いに電気的に隔離されている。タッチセンサー部材11は、タッチセンサー部材前駆体12において、複数の接続配線24の被切断部CPを切断することにより製造される。例えば、図5に示すように、X方向に沿って延びる切断線CLに沿って複数の接続配線24の被切断部CPが切断されることにより、タッチセンサー部材前駆体12から電位差解消パターン部19が切り離されて、タッチセンサー部材11が製造される。
なお、複数の接続配線24の被切断部CPの切断には、例えば、いわゆる打ち抜き加工またはレーザ加工等を用いることができる。
ここで、複数の接続配線24の被切断部CPが切断されることにより、複数の接続配線24の破片が発生し、発生した破片が基板14上に飛散することがある。このようにして飛散した複数の接続配線24の破片は、例えば、隣接するリード線22間、隣接する接続端子23間を短絡させる、いわゆる短絡故障の要因となることが想定される。複数の接続配線24の被切断部CPは、例えば、X方向に沿って延びる切断線CLに従って切断されるが、この際に発生する複数の接続配線24の破片の長さは、被切断部CPの接続配線幅Wd以下程度になることが想定される。本発明の実施形態に係るタッチセンサー部材前駆体12においては、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされるため、複数の接続配線24の被切断部CPが切断された場合に、最近接端子間距離Sc以上の長さを有する破片が発生しにくくなり、複数の接続配線24の破片が隣り合う接続端子23間に飛散したとしても、隣り合う接続端子23同士の短絡が抑制される。
さらに、複数の接続配線24の破片による隣り合うリード線22同士の短絡を抑制するために、(接続配線幅Wd)<(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされていることが、より好ましい。
また、接続配線幅Wdの具体的な数値範囲としては、3μm≦(接続配線幅Wd)<250μmであることが好ましく、3μm≦(接続配線幅Wd)<150μmであることがより好ましく、3μm≦(接続配線幅Wd)<60μmであることがさらに好ましく、3μm≦(接続配線幅Wd)<10μmであることが最も好ましい。
以上から、本発明の実施形態に係るタッチセンサー部材前駆体12、および、タッチセンサー部材前駆体12を用いたタッチセンサー部材11の製造方法によれば、複数のリード線22間、複数の接続端子23間における放電現象の抑制と短絡故障の抑制を両立することができる。
(タッチセンサー部材前駆体の他の例)
<第1の変形例>
図5の例では、一定の接続配線幅Wdを有し、Y方向における全体が被切断部CPとなり得る複数の接続配線24が示されているが、接続配線24は、複数の異なる線幅を有していてもよい。
図6に、本発明の実施形態の第1の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Aを示す。タッチセンサー部材前駆体12Aにおいて、複数の接続配線24Aは、X方向において接続配線幅Wdを有し、Y方向において被切断部長さL3を有する被切断部CPと、X方向において線幅W1を有し、Y方向において本体部長さL4を有する本体部MPを含んでいる。図6において、被切断部CPの一端と本体部MPの一端が互いに接続されており、被切断部CPの他端は接続端子23に接続され、本体部MPの他端は電位差解消パターン部19に接続されている。
このように、複数の接続配線24Aにおいて、それぞれ、一部の線幅のみを特に狭くした場合でも、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係、または、(接続配線幅Wd)<(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされるため、複数のリード線22間、複数の接続端子23間における放電現象の抑制と短絡故障の抑制を両立することができる。
<第2の変形例>
また、図1、図5、図6の例では、長方形の形状を有する電位差解消パターン部19が示されているが、電位差解消パターン部19の形状は、特にこれに限定されない。
図7に、本発明の実施形態の第2の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Bを示す。図中の「・・・」は、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24が繰り返し配置されていることを示している。タッチセンサー部材前駆体12Bの電位差解消パターン部19Bは、長方形の枠線の形状を有している。電位差解消パターン部19Bがこのような形状を有している場合でも、電位差解消パターン部19Bにより、複数の接続配線24が短絡されるため、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、複数の接続配線24間における電位差の発生を抑制することができる。なお、電位差解消パターン部19Bは、長方形の枠線の形状を有しているが、任意の閉じた枠線の形状を有することもできる。
<第3の変形例>
また、図8に、本発明の実施形態の第3の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Cを示す。タッチセンサー部材前駆体12Cの電位差解消パターン部19Cは、X方向に延びる長方形状の基部34と、六角形の形状を有する複数の六角形状部35を含んでいる。複数の六角形状部35のうち隣り合う六角形状部35は、2本の導電線36により互いに接続されている。また、複数の六角形状部35のうち一部の六角形状部35は、基部34に連結している。電位差解消パターン部19Cがこのような形状を有している場合でも、電位差解消パターン部19Cにより複数の接続配線24が短絡されるため、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間、複数の接続配線24間における電位差の発生を抑制することができる。なお、複数の六角形状部35のうち隣り合う六角形状部35は、3本以上の導電線36により互いに接続されることもできる。また、電位差解消パターン部19Cが複数の六角形状部35を有していることにより、例えば、タッチセンサー部材前駆体12Cが図1に示す巻取ロール10のようにロール状に巻き取られる場合に、タッチセンサー部材前駆体12Cが滑りにくいため、擦り傷や、巻きズレの発生を抑止して、タッチセンサー部材前駆体12Cを巻き取ることができる。
<第4の変形例>
また、図9に、本発明の実施形態の第4の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Dを示す。タッチセンサー部材前駆体12Dは、複数の第1タッチセンサーパターン部37Aと、複数の第1タッチセンサーパターン部37のY方向の一端に接続された複数の第1リード線38Aと、複数の第1リード線38Aに接続され且つY方向に沿って配列された複数の第1接続端子39Aと、複数の第1接続端子39Aに接続された複数の第1接続配線40Aと、複数の第1接続配線40Aに接続された第1電位差解消パターン部41Aを有している。また、タッチセンサー部材前駆体12Dは、複数の第2タッチセンサーパターン部37Bと、複数の第2タッチセンサーパターン部37BのY方向の他端に接続された複数の第2リード線38Bと、複数の第2リード線38Bに接続され且つY方向に沿って配列された複数の第2接続端子39Bと、複数の第2接続端子39Bに接続された複数の第2接続配線40Bと、複数の第2接続配線40Bに接続された第2電位差解消パターン部41Bを有している。
複数の第1接続端子39Aおよび複数の第2接続端子39Bは、X方向において、複数の第1タッチセンサーパターン部37Aおよび複数の第2タッチセンサーパターン部37Bと、複数の第1接続配線40Aおよび複数の第2接続配線40Bとの間に配置されており、複数の第1接続端子39Aおよび複数の第2接続端子39BのX方向の一端に複数の第1リード線38Aおよび複数の第2リード線38Bが接続され、複数の第1接続端子39Aおよび複数の第2接続端子39BのX方向の他端に複数の第1接続配線40Aおよび複数の第2接続配線40Bが接続されている。また、複数の第1タッチセンサーパターン部37A、複数の第2タッチセンサーパターン部37B、複数の第1リード線38A、複数の第2リード線38B、複数の第1接続端子39A、複数の第2接続端子39B、複数の第1接続配線40A、複数の第2接続配線40Bは、Y方向において、第1電位差解消パターン部41Aと第2電位差解消パターン部41Bとの間に配置されている。
このように、第1電位差解消パターン部41Aにより、複数の第1接続配線40Aが短絡されているため、複数の第1タッチセンサーパターン部37A間、複数の第1リード線38A間、複数の第1接続端子39A間および複数の第1接続配線40A間における電位差の発生が抑制される。また、第2電位差解消パターン部41Bより、複数の第2接続配線40Bが短絡されているため、複数の第2タッチセンサーパターン部37B間、複数の第2リード線38B間、複数の第2接続端子39B間および複数の第2接続配線40B間における電位差の発生が抑制される。
さらに、複数の第1リード線38A、複数の第1接続端子39Aおよび複数の第1接続配線40Aと、複数の第2リード線38B、複数の第2接続端子39Bおよび複数の第2接続配線40Bにおいて、それぞれ、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係、または、(接続配線幅Wd)<(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされる。
また、複数の第1接続配線40Aと複数の第2接続配線40Bを切断するように、タッチセンサー部材前駆体12Dを切り出すことにより、タッチセンサー部材11Dが製造される。この際に、例えば、図9に示す切断線CLに従ってタッチセンサー部材前駆体12Dが切り出される。複数の第1接続配線40Aと複数の第2接続配線40Bが切断されると、複数の第1接続配線40Aと複数の第2接続配線40Bの破片が飛散することがあるが、複数の第1リード線38A、複数の第1接続端子39Aおよび複数の第1接続配線40Aと、複数の第2リード線38B、複数の第2接続端子39Bおよび複数の第2接続配線40Bにおいて、それぞれ、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係、または、(接続配線幅Wd)<(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされているため、複数の第1リード線38A間、複数の第2リード線38B間、隣り合う第1リード線38Aと第2リード線38Bとの間、複数の第1接続端子39A間、複数の第2接続端子39B間、隣り合う第1接続端子39Aと第2接続端子39Bとの間における短絡を抑制することができる。
そのため、図9に示す本発明の第4の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12によれば、複数の第1リード線38A間、複数の第2リード線38B間、複数の第1接続端子39A間および複数の第2接続端子39B間における放電現象の抑制と短絡故障の抑制を両立することができる。
<第5の変形例>
また、図3に示す例において、電位差解消パターン部19は、パターン形成領域16内に配置され、パターン形成領域16内に配置された複数の接続配線24に接続されているが、複数のパターン形成領域16における複数の接続配線24に接続されることもできる。
図10に、本発明の実施形態の第5の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Eを示す。タッチセンサー部材前駆体12Eの電位差解消パターン部19Eは、X方向に沿って延びる長辺とY方向に沿って延びる短辺を有する長方形の形状を有し、X方向に沿って並んだ2つのパターン形成領域16における複数の接続配線24に接続されている。そのため、電位差解消パターン部19Eは、2つのパターン形成領域16における複数の接続配線24を短絡する。これにより、2つのパターン形成領域16において、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間および複数の接続配線24間における電位差の発生を抑制することができる。
<第6の変形例>
また、図11に、本発明の実施形態の第6の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Fを示す。タッチセンサー部材前駆体12Fは、Y方向に沿って並んだ2つのパターン形成領域16A、16Bを有している。パターン形成領域16Aには、図9に示す実施形態の第4の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Dにおいて第1電位差解消パターン部41Aが取り除かれたものが配置され、パターン形成領域16Bには、タッチセンサー部材前駆体12Dにおいて第2電位差解消パターン部41Bが取り除かれたものが配置されている。また、パターン形成領域16Aとパターン形成領域16Bの間に、X方向に沿って延びる長辺とY方向に沿って延びる短辺を有する長方形状の第3電位差解消パターン部42が配置されている。この第3電位差解消パターン部42に、パターン形成領域16Aにおける複数の第1接続配線40Aと、パターン形成領域16Bにおける複数の第2接続配線40Bが接続されている。
そのため、パターン形成領域16Aにおける複数の第2接続配線40Bは、第2電位差解消パターン部41Bにより短絡され、パターン形成領域16Bにおける複数の第1接続配線40Aは、第1電位差解消パターン部41Aにより短絡され、パターン形成領域16Aにおける複数の第1接続配線40Aとパターン形成領域16Bにおける複数の第2接続配線40Bは、第3電位差解消パターン部42により短絡される。これにより、パターン形成領域16A、16Bにおける、複数の第1タッチセンサーパターン部37A間、複数の第2タッチセンサーパターン部37B間、複数の第1リード線38A間、複数の第2リード線38B間、複数の第1接続端子39A間、複数の第2接続端子39B間、複数の第1接続配線40A間、および、複数の第2接続配線40B間における電位差の発生を抑制することができる。
<第7の変形例>
図3および図5に示す例において、電位差解消パターン部19は、複数の接続配線24を短絡させているが、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間および複数の接続配線24間における放電現象の発生を抑制することができれば、複数の接続配線24を短絡させなくてもよい。
図12に、本発明の実施形態の第7の変形例に係るタッチセンサー部材前駆体12Gを示す。タッチセンサー部材前駆体12Gの電位差解消パターン部19Gは、複数の犠牲パターン部43を含んでいる。ここで、複数の犠牲パターン部43とは、互いに最も近接する箇所におけるパターン間の距離である最近接犠牲パターン部間距離Sgが、最近接リード線間距離Sbに対して0<Sg<Sbの関係を満たすパターンである。複数の犠牲パターン部43は、それぞれ、対応する接続配線24に接続されており、隣り合う犠牲パターン部43は、互いに電気的に隔離されている。
複数の犠牲パターン部43は、Y方向に沿って延びる幹部44と、幹部44のX方向の両側からX方向に沿って延びる複数の枝部45を有しており、犠牲パターン部幅Wfを有している。複数の幹部44は、X方向において線幅Wgを有し、複数の枝部45は、Y方向において、幹部44のX方向の線幅Wgと同一の線幅Wgを有している。また、隣り合う枝部45同士は、間隔Pgだけ離間している。
また、複数の犠牲パターン部43のうち隣り合う犠牲パターン部43の複数の枝部45は、X方向において互いに重なり合っている。このようにして隣り合う犠牲パターン部43の複数の枝部45が互いに重なり合う重なり合い領域Hは、X方向において重なり幅Whを有している。また、重なり合い領域Hにおいて、隣り合う犠牲パターン部43同士が互いに最も近接しており、Y方向に並んだ複数の枝部45のうち最もY方向に近接する枝部45同士は、最近接犠牲パターン部間距離Sgだけ離間している。ここで、例えば、カメラ等を用いて複数の犠牲パターン部43を含む画像を光学的に撮影し、撮影された画像に対してパーソナルコンピュータ等を用いて画像解析を施すことにより、重なり合い領域HのY方向における複数の枝部45間の距離を測定し、測定結果として得られた複数の枝部45間の距離のうち最も短い距離が最近接犠牲パターン部間距離Sgとして決定される。
ここで、最近接リード線間距離Sbは、複数の接続端子23の最近接端子間距離Scよりも短いため、重なり合い領域Hにおいて最近接犠牲パターン部間距離Sgだけ互いに離間した、Y方向に隣り合う枝部45間は、最近接端子間距離Scだけ離間した隣り合う接続端子23間および最近接リード線間距離Sbだけ離間した隣り合うリード線22間よりも、放電現象が発生しやすい。最近接犠牲パターン部間距離Sgは、0<(最近接犠牲パターン部間距離Sg)<(最近接リード線間距離Sb)の関係が満たされるように設定されているため、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間および複数の接続配線24間において電位差が発生した場合でも、複数の犠牲パターン部43間で放電現象を発生させることにより、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間および複数の接続配線24間における電位差を解消して、複数のタッチセンサーパターン部21間、複数のリード線22間、複数の接続端子23間および複数の接続配線24間における放電現象の発生を抑制することができる。
<第8の変形例>
図4に示す例において、タッチセンサーパターン部21は、複数の導電線32が交差してなる菱形のメッシュパターン30を有しているが、例えば、複数の導電線32の一部に断線部を形成することもできる。
図13に本発明の実施形態の第8の変形例におけるタッチセンサーパターン部21Hを示す。タッチセンサーパターン部21Hは、複数の導電線32が交差してなる菱形のメッシュパターン30Hを有しているが、複数の導電線32の一部に、例えば15μm等の長さを有する断線部46が形成されている。このように、断線部46が形成されることにより、菱形の形状を有する開口部33よりも面積の広い開口部33Hが形成される。ここで、開口部33の開口幅Paが狭くなるほど、タッチセンサーパターン部21Hにおける寄生容量が大きくなり、タッチ感度が低下するが、面積の比較的広い開口部33Hが形成されることにより、タッチセンサーパターン部21Hにおける寄生容量が緩和されて、タッチ感度を向上させることが可能である。
以下、タッチセンサー部材前駆体12の各部材について詳細に説明する。
<基板>
基板14は、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を支持するものであり、可撓性を有することができる。
また、基板14の種類は、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を支持できれば、特に限定されるものではないが、用途によっては、基板14は、透明であることが好ましく、この場合に、プラスチックシートにより構成されることが特に好ましい。
基板14を構成する材料の具体例としては、PET(Polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、(メタ)アクリル樹脂(128℃)、PEN(Polyethylene naphthalate:ポリエチレンナフタレート)(269℃)、PE(Polyethylene:ポリエチレン)(135℃)、PP(Polypropylene:ポリプロピレン)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)、PVDF(PolyVinylidene DiFluoride:ポリフッ化ビニリデン)(177℃)、PAR(Polyarylate:ポリアリレート)(250℃)、PES(polyethersulfone:ポリエーテルサルホン)(225℃)、高分子アクリル樹脂、フルオレン誘導体(140℃)、結晶性COP(Cyclo Olefin Polymer:シクロオレフィンポリマー)(165℃)、または、TAC(Triacetylcellulose:トリアセチルセルロース)(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、(メタ)アクリル樹脂、PET、ポリシクロオレフィン、または、ポリカーボネートがより好ましい。( )内の数値は融点、または、ガラス転移温度である。
基板14の全光線透過率は、85%~100%であることが好ましい。
基板14の厚みは特に制限されないが、タッチパネルへの応用の点からは、通常、25μm以上500μm以下の範囲で任意に選択することができる。なお、基板の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
基板14の好適形態の1つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも1つの処理が施された処理済支持体が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理済支持体表面にはOH基等の親水性基が導入され、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19の密着性がより向上する。
また、基板14の他の好適形態としては、その表面上に高分子を含む下塗り層を有する構成でもよい。この下塗り層上に複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19が形成されることにより、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19の密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に制限されないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を基板上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。下塗り層形成用組成物には、必要に応じて、溶剤が含まれていてもよい。溶剤の種類は特に制限されず、公知の溶剤が例示される。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、高分子の微粒子を含むラテックスを使用してもよい。
下塗り層の厚みは特に制限されないが、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19の密着性がより優れる点で、0.02μm以上0.30μm以下が好ましく、0.03μm以上0.20μm以下がより好ましい。
<導電部材>
複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を構成する導電部材の厚みは、特に制限されないが、0.01μm以上200.00μm以下が好ましく、30.00μm以下であることがより好ましく、20.00μm以下であることがさらに好ましく、0.01μm以上9.00μm以下であることが特に好ましく、0.05μm以上5.00μm以下であることが最も好ましい。上述の範囲であれば、低抵抗、かつ耐久性に優れる。
導電部材を構成する材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)およびタングステン(W)等の金属または合金等が挙げられる。なかでも、導電性が優れる理由から、銀(Ag)が含まれることが好ましい。
また、導電部材は、金属以外に、例えば、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon nanotube)、カーボンナノバッド(CNB:Carbon nanobud)等の導電性繊維で構成されたものでもよく、これらの組み合わせた構成でもよい。
また、導電部材は、バインダー、および、バインダー中に分散した金属部を含有するものでもよい。バインダー中に分散した金属部を含有する導電部材は、導電部材と基板14との密着性に優れるため、複数の接続配線24がこのような導電部材により構成されている場合には、複数の接続配線24が切断された際に破片を発生しにくくすることができる。また、複数の接続配線24の破片が発生した場合でも、発生した破片の一部がバインダーに覆われているため、隣り合うリード線22同士および隣り合う接続端子23同士で短絡故障が発生する確率を低下させることができる。そのため、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を構成する導電部材として、バインダー中に分散した金属部を含有する導電部材が使用されることが好ましい。
バインダーとしては、導電部材と基板14との密着性がより優れる理由から、樹脂が好ましく、より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
より詳細には、上述のバインダーは第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子を含有する。なお、本明細書において、ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)法によって測定したガラス転移温度を意味する。ガラス転移温度は、JIS K7121(2012)に規定される「プラスチックの転移温度測定方法」を用いて測定されるものである。
第1高分子および第2高分子としては、例えば、疎水性ポリマー(疎水性樹脂)等が挙げられ、より具体的には、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
また、ポリマーには、後述する架橋剤と反応する反応性基が含まれることが好ましい。
ポリマーとしては、以下の式A、B、C、および、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位を有することが好ましい。
中でも、第1高分子としては、よりガラス転移温度を低く制御しやすい観点から、式A、B、C、および、Dからなる群より選択される1種の単位からなる重合体が好ましく、
B、C、および、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位からなる重合体がより好ましく、式Dで表される単位からなる重合体が更に好ましい。
Figure 0007273178000001
は、メチル基またはハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原子を表す。pは0~2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
は、メチル基またはエチル基を表し、メチル基が好ましい。
は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子が好ましい。Lは、2価の連結基を表し、下記一般式(2)で表される基が好ましい。
一般式(2):-(CO-X)r-X
式中Xは、酸素原子または-NR30-を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基等)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1~10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)である。Xとして特に好ましいのは、酸素原子またはNH-である。
は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、または、アルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には-O-、-S-、-OCO-、-CO-、-COO-、-NH-、-SO-、-N(R31)-、-N(R31)SO-等が途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1~6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、および、イソプロピル基等がある。Xの好ましい例として、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニレン基、-CHCHOCOCHCH-、および、-CHCHOCO(C)-等が挙げられる。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
は、炭素数1~80のアルキル基、アルケニル基、または、アルキニル基を表し、第1高分子としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、第2高分子としては、炭素数5~50のアルキル基が好ましく、炭素数5~30のアルキル基がより好ましく、炭素数5~20のアルキル基が更に好ましい。
は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または、-CHCOORを表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、または、-CHCOORが好ましく、水素原子、メチル基、または、-CHCOORが更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
は、水素原子または炭素数1~80のアルキル基を表し、Rと同じでも異なってもよく、Rの炭素数は1~70が好ましく、1~60がより好ましい。
第1高分子および2の他の好適形態としては、水分の浸入をより防止できる点より、以下の一般式(1)で表されるポリマー(共重合体)が挙げられる。
一般式(1): -(A)x-(B)y-(C)z-(D)w-
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、すでに説明した上述の繰り返し単位を表す。
一般式(1)中、x、y、z、およびwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xとしては、3モル%~60モル%、好ましくは3モル%~50モル%、より好ましくは3モル%~40モル%である。
yとしては、30モル%~96モル%、好ましくは35モル%~95モル%、より好ましくは40モル%~90モル%である。
zとしては0.5モル%~25モル%、好ましくは0.5モル%~20モル%、より好ましくは1モル%~20モル%である。
wとしては、0.5モル%~40モル%、好ましくは0.5モル%~30モル%である。
一般式(1)において、xは3モル%~40モル%、yは40モル%~90モル%、zは0.5モル%~20モル%、wは0.5モル%~10モル%の場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(2)および一般式(3)で表されるポリマーが好ましい。
Figure 0007273178000002
一般式(2)中、x、y、zおよびwは、上述の定義の通りである。
Figure 0007273178000003
上述の式中、a1、b1、c1、d1、およびe1は各モノマー単位のモル比率を表し、a1は3~60(モル%)、b1は30~95(モル%)、c1は0.5~25(モル%)、d1は0.5~40(モル%)、e1は1~10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上述のxの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上述のyの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上述のzの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上述のwの好ましい範囲と同じである。
e1は1モル%~10モル%であり、好ましくは2モル%~9モル%であり、より好ましくは2モル%~8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーの重量平均分子量は、1000~100万が好ましく、2000~75万がより好ましく、3000~50万が更に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、特許第3305459号および特許第3754745号公報等を参照して合成することができる。
なお、第1高分子および第2高分子のガラス転移温度としては特に限定されるものではないが、第1高分子のガラス転移温度としては、0℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、40℃を超えることが更に好ましい。上限としては特に限定されるものではないが、一般に120℃以下が好ましい。
また、第2高分子のガラス転移温度としては特に限定されるものではないが、40℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、25℃未満が更に好ましく、0℃以下が特に好ましく、0℃未満が最も好ましい。下限としては特に限定されるものではないが、一般に-50℃以上が好ましい。
第1高分子のガラス転移温度と、第2高分子のガラス転移温度の差(絶対値)としては特に限定されるものではないが、一般に20℃以上100℃以下が好ましい。
導電部材においてバインダー中に分散される金属部は、導電特性を担保する部分であり、金属部は金属により構成される。金属部を構成する金属としては、導電特性がより優れる点で、金(金属金)、銀(金属銀)、銅(金属銅)、ニッケル(金属ニッケル)、およびパラジウム(金属パラジウム)からなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましい。
なお、図14は、本発明の実施形態のタッチセンサー部材前駆体12の複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を構成する導電部材60の断面の一例を拡大して示す模式図である。図14に示す例において、導電部材60は、第1高分子、および第2高分子を含有するバインダー62と、バインダー62中に分散した複数の金属部64とを含んでおり、金属部64は粒子状の形状を有している。このように、金属部64が粒子状になって導電部材に分散した形態が示されているが、金属部64の形態としては、粒子状に限定されるものではなく、金属部64が層状となって導電部材のバインダー62中に分散した形態であってもよい。
導電部材には、上述以外の材料が含有されていてもよい。上述以外の材料としては、例えば、非金属の微粒子が挙げられる。非金属の微粒子としては、例えば、樹脂粒子、および、金属酸化物粒子等が挙げられ、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、および、酸化チタン粒子等が挙げられる。
非金属の微粒子の平均粒子径としては特に限定されるものではないが、球相当径で1nm以上1000nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましく、20nm以上200nm以下が更に好ましい。上述の範囲内であれば、検出部はより優れた透明性を有しやすく、かつ、より優れた導電性を有しやすい。
非金属の微粒子の球相当径は、透過型電子顕微鏡を用いて、任意の50個分の球相当径を算出し、それらを算術平均したものである。
また、導電部材は、金属部の安定化を目的として、金属安定化剤を金属部表面または内部、あるいはバインダー内に有することが好ましい。金属安定化剤としては以下のような素材を単独または併用して用いることができる。
特表2009-505358号公報、段落0075~0086記載の腐食防止剤類。
特開2009-188360号公報、段落0077~0092記載の金属イオントラップ剤類。
特開2012-146548号公報、段落0044~0047記載のメルカプト基を有する含窒素複素環化合物類。
特開2013-224397号公報、段落0018~0049記載の銀イオン拡散抑制層形成用組成物類。
特開2014-075115号公報、段落0030~0066銀イオン拡散抑制層形成用の化合物類。
特開2018-024784号公報、段落0050~0057記載の防錆剤類。
特開2019-016488号公報、段落0050~0057記載のメルカプトベンゾチアゾール類。
金属安定化剤としては以下の化合物またはその塩が好ましい。
2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、5-メルカプ-1-フェニル-1Hテトラゾール、1-(4-カルボキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-(m-スルホフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾールナトリウム、2-メルカプトベンゾオキサゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、5-アミノ-2-メルカプトベンゾイミダゾール、6-アミノ-2-メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、2-メルカプトチアゾリン、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、(2-ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3-(2-ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-5-メチルチオ-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾール、2-5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-チオ酢酸-5メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-アミノピリミジン、5,6-ジメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトピリミジン。
中でも、金属安定化剤として、メルカプトチアゾール骨格もしくはメルカプトチアジアゾール骨格を有する化合物、またはこれらの塩から選ばれる化合物は、硫化耐性向上に特に有効であり、最も好ましい。最も好ましい化合物の具体例としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、5-メチル-2-メルカプトベンゾチアゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-5-メチルチオ-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾール、2-5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールおよびこれらの誘導体または塩が挙げられる。
金属安定化剤の導入は、非折り曲げ部および折り曲げ部において金属材料の耐久性向上に有用であり、特に、導電部材が銀を含む場合に、マイグレーションおよび硫化の抑制に対して有効であり好ましい。金属安定化剤の導入方法としては、導電部材の形成途中または形成後に、金属安定化剤類を含む溶液に、タッチセンサー部材前駆体12またはタッチセンサー部材11を塗布または浸漬により接触させる方法、またはこれら金属安定化剤類を薫蒸等により気相反応により、タッチセンサー部材前駆体12またはタッチセンサー部材11に堆積させる方法等を好ましく用いることができる。
金属安定化剤の使用量に制限はないが、タッチセンサー部材前駆体12の基板14上に配置される導電部材に対して、1mg/m以上10g/m以下の範囲で含有させることが好ましく、10mg/m以上1g/m以下の範囲で含有させることがさらに好ましい。
また、必要に応じて、タッチセンサー部材前駆体12に対して、追加で以下の層を設けることができる。
<絶縁層>
複数のタッチセンサーパターン部21および複数のリード線22を保護する目的で、複数のタッチセンサーパターン部21および複数のリード線22上に透明で且つ電気絶縁性を有する絶縁層を設けることもできる。絶縁層の構成は、特に限定されるものではないが、絶縁層としては、例えば、光学的に透明な粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)およびUV(Ultra Violet)硬化樹脂等の光学的に透明な樹脂(OCR:Optical Clear Resin)を用いることができる。また、絶縁層は部分的に中空でもよい。
絶縁層は、タッチセンサーパターン部21およびリード線22の一部が露出するように、すなわち、タッチセンサーパターン部21およびリード線22の一部を覆わないように配置されることもできる。
また、絶縁層は、上述のように光学的に透明な粘着剤および光学的に透明な樹脂を用いることができるが、これに限定されるものではなく、光を透過させる性質を有する透明絶縁層を用いることができる。
なお、1回の塗布工程によって絶縁層を形成できる点から、タッチセンサーパターン部21およびリード線22上に、同一の材料からなる絶縁層が配置されることが好ましい。
絶縁層としては、架橋構造が導入され、かつ絶縁層の押し込み硬度が所定の範囲に調整されたものを用いることができる。
複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19を構成する導電部材において、保存環境条件を含めた導電部材の折り曲げ形態に伴う応力により、ひび割れ等の破損を生じる可能性が推測される。このため、導電部材の表面に、その応力を緩和すること、および、導電部材の強度を補強する機能を有した絶縁層を敷設することにより、応力に起因する導電部材の破損を防止できる。具体的には、強度を補強する機能を絶縁層に付与するために、絶縁層に架橋構造が導入され、絶縁層の優位な剛性が維持される。また、折り曲げに伴い絶縁層にクラックが生じて導電部材が破断されることに繋がらないように、絶縁層の押し込み硬度が所定の範囲内に調整されている。
絶縁層の押し込み硬度は、200MPa以下であり、150MPa以下が好ましく、130MPa以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10MPa以上が好ましい。押し込み硬度が200MPa以下の場合、所望の効果を得やすい。
絶縁層の押し込み硬度は、例えば、微小硬度試験機(ピコデンター)により測定することができる。
なお、絶縁層が上述の押し込み硬度を示すために、絶縁層を構成する樹脂の主鎖構造が柔らかい構造であること、または、架橋点間の距離が長い構造であることが好ましい。
絶縁層は、50℃~90℃における弾性率が1×10Pa以上であることが好ましく、1×10以上1×1010MPa以下であることがより好ましい。例えば、基板14が熱膨張すると、基板14上に形成された、基板14よりも膨張率の低い導電部材も同様に延び、これにより導電部材の破断が生じることがある。それに対して、絶縁層の50℃~90℃における弾性率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電部材が折り曲げられたとしても、絶縁層が硬く延びにくいため、導電部材のひび割れおよび破断が生じにくい。
また、絶縁層の温度85℃および相対湿度85%での弾性率は、1×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であることがより好ましく、1.5×10Pa以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、1×1010MPa以下の場合が多い。弾性率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電部材が折り曲げられたとしても、導電部材のひび割れおよび破断がより生じにくい。
なお、絶縁層の上述の弾性率は、所定の測定環境、例えば、温度85℃および相対湿度85%にて、微小硬度試験機(ピコデンター)により測定することができる。
絶縁層の線膨張率は特に制限されないが、1ppm/℃以上500ppm/℃以下が好ましく、5ppm/℃以上200ppm/℃以下がより好ましく、5ppm/℃以上150ppm/℃以下がさらに好ましい。絶縁層の線膨張率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電部材が折り曲げられたとしても、導電部材のひび割れおよび破断がより生じにくい。
なお、絶縁層の線膨張率は、絶縁層からなる測定試料に熱を加えた際のカール値(カールの曲率半径)を測定し、以下の2つの式より算出することができる。
式1:(絶縁層の線膨張率-基板14の線膨張率)×温度差=測定試料の歪み
式2:測定試料の歪み={基板14の弾性率×(基板14の厚み)}/{3×(1-基板14のポアソン比)×絶縁層の弾性率×カールの曲率半径}
また、導電部材の破断をより抑制できる点で、絶縁層の線膨張率は、基板14の線膨張率との差分が小さいことが好ましく、上限は、差分が300ppm/℃以下であることが好ましく、150ppm/℃以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、0ppm/℃が挙げられる。
絶縁層の厚みは特に制限されないが、厚みが大きいと折り曲げた際に絶縁層にクラックが生じやすくなる。クラックを抑制しつつ、導電部材との密着性がより優れ、膜強度がより優れる観点から、1μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。
なお、絶縁層を含むタッチセンサー部材前駆体12の全光線透過率は、可視光領域(波長400nm~700nm)に対し、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、上述の全光線透過率は、分光測色計CM-3600A(コニカミノルタ株式会社製)によって測定される。
また、絶縁層自体の全光線透過率は、タッチセンサー部材前駆体12が上述の全光線透過率を示すように調整されることが好ましく、少なくとも85%以上であることが好ましい。
絶縁層は、タッチセンサーパターン部21およびリード線22との密着性に優れることが好ましく、具体的には、3M社製「610」よるテープ密着力評価試験で剥離がないことがより好ましい。
また、絶縁層は、タッチセンサーパターン部21およびリード線22だけでなく、基板14とも接することがあるため、基板14との密着性に優れていることが好ましい。
上述のように絶縁層と基板14、タッチセンサーパターン部21およびリード線22との密着性が高い場合、導電部材のひび割れおよび破断をより抑制することができる。
タッチセンサー部材前駆体12の表面反射を抑制する観点から、絶縁層の屈折率と、基板14の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましい。
また、タッチセンサーパターン部21およびリード線22を構成する導電部材にバインダー成分が含まれている場合には、絶縁層の屈折率と、上述のバインダー成分の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましく、絶縁層を形成する樹脂成分と、上述のバインダー成分とが同じ材料であることがより好ましい。
なお、絶縁層を形成する樹脂成分と、上述のバインダー成分とが同じ材料であるとは、バインダー成分および絶縁層を形成する樹脂成分のいずれもが(メタ)アクリル系樹脂である場合が一例として挙げられる。
さらに、上述のとおりタッチセンサー部材前駆体12を用いてタッチパネルを構成する場合、タッチセンサー部材前駆体12の絶縁層に、さらに光学的に透明な粘着シートまたは粘着層を貼り合せることがある。絶縁層と、光学的に透明な粘着シートまたは粘着層との界面での光散乱を抑制するため、絶縁層の屈折率と、光学的に透明な粘着シートの屈折率または粘着層の屈折率との屈折率差は小さいほど好ましい。
絶縁層は、架橋構造を含む。架橋構造が含まれることにより、高温高湿環境下にて導電部材が折り曲げられたとしても、導電部材の破断が生じにくい。
絶縁層を構成する材料は、上述した特性を示す層を得ることができれば特に制限されない。なかでも、絶縁層の特性の制御が容易である点から、重合性基を有する重合性化合物を含む絶縁層形成用組成物を用いて形成される層であることが好ましい。
絶縁層形成用組成物を用いて絶縁層を形成する方法は特に制限されない。例えば、基板14、タッチセンサーパターン部21およびリード線22上に絶縁層形成用組成物を塗布して、必要に応じて塗膜に硬化処理を施し、絶縁層を形成する方法(塗布法)、または、仮基板上に絶縁層を形成して、タッチセンサーパターン部21およびリード線22の表面に転写する方法(転写法)等が挙げられる。なかでも、厚みの制御がしやすい観点からは、塗布法が好ましい。
また、絶縁層内に、金属安定化剤を含有させることもできる。特に、予め金属安定化剤を絶縁層に含有させることにより、金属安定化剤を溶解するために必要な溶媒と導電部材とを接触させる必要がなくなり、溶媒による導電部材またはバインダーのダメージを回避でき好ましい。このため、絶縁層は金属安定化剤を含むことが好ましい。
また、導電部材で構成される複数のタッチセンサーパターン部21において、経時による抵抗変化が発生する可能性がある。しかしながら、絶縁層が金属安定化剤を含むことにより、導電部材の抵抗変化を抑制することができる。このため、タッチセンサー部材11におけるタッチ感度の経時変化を抑制することができる。
(タッチセンサー部材の使用例)
本発明の実施形態に係るタッチセンサー部材前駆体12を用いて製造されるタッチセンサー部材11は、ユーザの指またはスタイラスペン等の物体の接触または接近を検出する接触検出、電磁波等の信号を検出する信号検出、外部から飛来する特定周波数の電磁波を遮断するノイズカット等の機能を有することができる。このような機能を有するタッチセンサー部材11は、例えば、図示しないが、画像表示モジュールの表示面上に配置され、その上からさらに透明な絶縁性のカバーパネルにより覆われた状態で使用される。例えば、ユーザの指またはスタイラスペン等がタッチセンサー部材11の複数のタッチセンサーパターン部21上のカバーパネルに接触または接近すると、ユーザの指またはスタイラスペン等が接触または接近したタッチセンサーパターン部21上の位置が電気信号として検出される。
なお、画像表示モジュールとしては、例えば、液晶表示デバイス、有機EL(Organic electro luminescence)装置、陰極線管(CRT:Cathode-ray tube)表示装置、真空蛍光ディスプレイ(VFD: Vacuum fluorescent display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma display panel)、表面電界ディスプレイ(SED:Surface-conduction electron-emitter display)、電界放出ディスプレイ(FED:Field emission display)および電子ペーパー等が挙げられる。画像表示モジュールは、その用途に応じたものが適宜利用されるが、画像表示モジュールとタッチセンサー部材11により構成されるタッチパネルを薄くするために、液晶表示デバイス、および有機ELディスプレイ等が用いられることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができ、本発明の範囲は、以下の実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
本実施例では、実施例1~10、比較例1~5のタッチセンサー部材前駆体をロール形態により作成し、それぞれのタッチセンサー部材前駆体に対して、リード線22間における放電の発生数、タッチセンサーパターン部21の導電線32における放電の発生数、タッチセンサー部材前駆体における短絡故障の発生率を求めた。なお、複数のタッチセンサーパターン部21の配列方向であるX方向をタッチセンサー部材前駆体が巻取ロール10により巻き取られる際のタッチセンサー部材前駆体の搬送方向Dと等しくなるように、また、Y方向を基板14の幅方向に等しくなるように設定した。
本実施例では、タッチセンサー部材前駆体の基板14として、幅Wsが500mm、長さが4000m、厚みが41μmのポリエチレンテレフタレート製のフィルム(富士フイルム株式会社製)を用いた。
図15に示すように、基板14の表側面14a上において、基板14のY方向に2つ、X方向に2つの計4つのパターン形成領域16を、X方向において800mm毎に一定の間隔を開けて配置し、これらの4つのパターン形成領域16において導電性パターンを作製するための露光用マスクを用意した。ここで、導電性パターンとは、複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19からなるパターンである。
基板14上に、導電性パターンを形成するための露光用マスクを配置して、いわゆるフォトリソグラフィを行うことによりタッチセンサー部材前駆体を作製した。次に、このタッチセンサー部材前駆体を外径175mmの巻芯に巻き取り、ロール形態のタッチセンサー部材前駆体を得た。以上の工程は、全て、ロールトゥロール方式の製造装置を用いて実施した。なお、ロール形態のタッチセンサー部材前駆体の製造に際して、長さ4000mのポリエチレンテレフタレート製のフィルムのうち、2200mのフィルムに対して製造装置による処理を行った。
次に、タッチセンサー部材前駆体の作製方法について詳細に説明する。
(タッチセンサー部材前駆体の作製方法)
<ハロゲン化銀乳剤の調製>
温度38℃、pH(potential of hydrogen)4.5に保たれた下記の1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記の4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
高分子量ゼラチン(分子量;30万) 9g
低分子量ゼラチン(分子量;1万5000) 4.5g
塩化ナトリウム 3g
1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 8ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 10ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従い、フロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、3リットルの蒸留水を加え、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩工程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、高分子量ゼラチン3.9g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7-テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、ヨウ化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.15μm、変動係数10%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
<感光性層形成用組成物の調製>
上記の乳剤に1,3,3a,7-テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上記の塗布液に、含有するゼラチンに対して、(P-1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤を含有するポリマーラテックス(分散剤/ポリマーの質量比が2.00/100=0.02、固形分濃度:22質量%)を、ポリマー/ゼラチン(質量比)=0.2/1になるように添加した。ここで、ハロゲン化銀含有塗布液において、ハロゲン化銀の質量に対するポリマーの質量の比R1(ポリマー/ハロゲン化銀)は0.024であった。
Figure 0007273178000004
さらに、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス株式会社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述する感光性層中における架橋剤の量が0.09g/m2となるように調整した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、上記の(P-1)で表されるポリマーは、特許第3305459号および特許第3754745号を参照して合成した。
<感光性層形成工程>
基板14の表側面14aに、後述する下塗り層形成用組成物を、乾燥後の膜厚が60nmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させて、下塗り層付き基板を作製した。なお、下塗り層の膜厚はアンリツ株式会社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
(下塗り層形成用組成物(硬化性組成物))
下記の成分を混合し、下塗り層形成用組成物を調製した。
・アクリル系ポリマー 66.4質量部
(AS-563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:27.5質量%)
・カルボジイミド系架橋剤 16.6質量部
(カルボジライトV-02-L2、日清紡(株)製、固形分:10質量%)
・コロイダルシリカ 4.4質量部
(スノーテックスXL、日産化学(株)製、固形分:10質量%水希釈)
・滑り剤:カルナバワックス 27.7質量部
(セロゾール524、中京油脂(株)製、固形分:3質量%水希釈)
・界面活性剤:アニオン性界面活性剤 23.3質量部
(ラピゾールA-90、日油(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・界面活性剤:ノニオン性界面活性剤 14.6質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・蒸留水 847.0質量部
次に、下塗り層付き基板の下塗り層上に、下塗り層側から順に、後述の第1の組成調整塗布液と、上記ハロゲン化銀含有塗布液と、後述の第2の組成調整塗布液とを、塗液流量比(第1の組成調整塗布液/ハロゲン化銀含有塗布液/第2の組成調整塗布液)25/25/1で同時重層塗布し、基板14上にハロゲン化銀含有感光性層を形成した。これにより得られたフィルムを、フィルムAとした。
なお、第1の組成調整塗布液は、上記ポリマーラテックスとゼラチンとが混合質量比(ポリマーの質量/ゼラチンの質量)3/1で混合され、さらに、光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含有する混合物からなる組成物である。また、第1の組成調整塗布液は、この第1の組成調整塗布液より形成される層中のポリマー量(塗設量)が0.65g/m2となるように濃度調整された。なお、第1の組成調整塗布液より形成される層には、染料が含まれるためアンチハレーションの機能を有する。
また、第2の組成調整塗布液は、上記ポリマーラテックスとゼラチンと、さらに、コロイダルシリカ(スノーテックスST-C)を固形分混合質量比(ポリマー/ゼラチン/シリカ)0.5/1/1.5で混合した組成物である。また、第2の組成調整塗布液は、この第2の組成調整塗布液より形成される層中のゼラチン量が0.10g/m2(ポリマーラテックス量は0.05g/m2)となるように濃度調整がなされた。
また、ハロゲン化銀含有塗布液より形成される層中においては、銀量7.4g/m2、ポリマー量0.26g/m2、ゼラチン量1.02g/m2であった。
<露光現像工程>
導電性パターンを形成するための露光用マスクとして、図3および図5に示す本発明の実施形態における複数のタッチセンサーパターン部21、複数のリード線22、複数の接続端子23、複数の接続配線24および電位差解消パターン部19と同一形状のパターンを有する露光用マスクを用意した。上記のフィルムAの片面、すなわち、ハロゲン化銀含有感光性層が形成されている面に、露光用マスクを配置し、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を、予め定められたパターン間隔で繰り返し行った。
露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X-R、富士フイルム株式会社製)を用いて現像処理を行った。さらに、純水でリンスし、乾燥することで、片面に銀細線からなる導電性パターンと、ゼラチン層とが形成された基板14を得た。ゼラチン層は銀細線間に形成されていた。得られたフィルムをフィルムBとする。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N-メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
<ゼラチン分解処理>
フィルムBに対して、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス株式会社製ビオプラーゼAL-15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)への浸漬を120秒間行った。フィルムBを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。ゼラチン分解処理後のフィルムをフィルムCとする。
<低抵抗化処理>
上記のフィルムCに対して、金属製ローラからなるカレンダ装置を用いて、30kNの圧力でカレンダ処理を行った。このとき、線粗さRa=0.2μm、Sm=1.9μm(株式会社キーエンス製形状解析レーザ顕微鏡VK-X110にて測定(JIS-B-0601-1994))の粗面形状を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを、これらの粗面が上記のフィルムCの表側面と向き合うように共に搬送して、上記のフィルムCの表側面に粗面形状を転写形成した。
上記のカレンダ処理後、温度150℃の過熱蒸気槽を120秒間かけて通過させて、加熱処理を行った。加熱処理後のフィルムをフィルムDとする。このフィルムDは、図15に示すタッチセンサー部材前駆体であり、製造装置の巻芯に巻き取られることによりロール形態のタッチセンサー部材前駆体となる。
次に、実施例1~10、比較例1~5について説明する。
(実施例1)
実施例1のタッチセンサー部材前駆体は、図3および図5に示すタッチセンサー部材前駆体12と同一の形状を有している。
複数のタッチセンサーパターン部21について、X方向におけるセンサーパターン幅L1を4mm、Y方向におけるセンサーパターン長さL2を170mmとした。また、タッチセンサーパターン部21は、図4に示すような菱形のメッシュパターン30を有し、メッシュパターン30を形成する導電線32の線幅Waを3μm、菱形の辺長すなわち開口幅Paを170mm、菱形の鋭角を60度とした。
また、複数のリード線22について、リード線幅Wbを60μmとし、最近接リード線間距離Sbを60μmとした。また、複数の接続端子23について、接続端子幅Wcを250μm、接続端子長さLcを25mmとし、最近接端子間距離Scを250μmとした。また、複数の接続配線24について、接続配線幅Wdを240μmとし、接続配線長さLdを30mmとした。また、電位差解消パターン部19について、電位差解消パターン部幅Weを15mmとし、電位差解消パターン長さLeを300mmとした。
(実施例2)
実施例2のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続端子23の接続端子幅Wcを150μmとし、最近接端子間距離Scを150μmとし、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを140μmとしたものである。
(実施例3)
実施例3のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを70μmとしたものである。
(実施例4)
実施例4のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを50μmとしたものである。
(実施例5)
実施例5のタッチセンサー部材前駆体は、実施例4のタッチセンサー部材前駆体において、複数のリード線22のリード線幅Wbを10μm、最近接リード線間距離Sbを10μm、複数の接続端子23の接続端子幅Wcを150μm、最近接端子間距離Scを150μmとしたものである。
(実施例6)
実施例6のタッチセンサー部材前駆体は、実施例5のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の代わりに図6に示す複数の接続配線24Aを有している。複数の接続配線24Aについて、被切断部CPの接続配線幅Wdを8μm、被切断部長さL3を10mmとし、本体部MPの線幅W1を50μm、本体部長さL4を20mmとした。
(実施例7)
実施例7のタッチセンサー部材前駆体は、実施例6のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24Aの被切断部CPの接続配線幅Wdを3μmとしたものである。
(実施例8)
実施例8のタッチセンサー部材前駆体は、実施例4のタッチセンサー部材前駆体において、電位差解消パターン部19の代わりに図12に示す電位差解消パターン部19Gを有している。電位差解消パターン部19Gの複数の犠牲パターン部43について、犠牲パターン部幅Wfを450μmとし、幹部44のX方向の両側から延びる複数の枝部45の数を、それぞれ7本とした。また、複数の犠牲パターン部43における複数の幹部44と複数の枝部45の線幅Wgを、それぞれ7.5μm、隣り合う犠牲パターン部43の重なり合い領域Hの重なり幅Whを150μmとした。また、最近接犠牲パターン部間距離Sgは、7.5μmであった。また、最近接端子間距離Scを150μmとした。
(実施例9)
実施例9のタッチセンサー部材前駆体は、実施例4のタッチセンサー部材前駆体において、電位差解消パターン部19の代わりに、図10に示すような、X方向に隣り合う50個のパターン形成領域16における複数の接続配線24を短絡する電位差解消パターン部19Eを有している。この電位差解消パターン部19Eの電位差解消パターン長さLeを20mとした。
(実施例10)
実施例10のタッチセンサー部材前駆体は、実施例6のタッチセンサー部材前駆体において、電位差解消パターン部19の代わりに、図10に示すような、X方向に隣り合う50個のパターン形成領域16における複数の接続配線24を短絡する電位差解消パターン部19Eを有している。この電位差解消パターン部19Eの電位差解消パターン長さLeを20mとした。
(比較例1)
比較例1のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを250μmとしたものである。
(比較例2)
比較例2のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを300μmとしたものである。
(比較例3)
比較例3のタッチセンサー部材前駆体は、実施例2のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24の接続配線幅Wdを240μmとしたものである。
(比較例4)
比較例4のタッチセンサー部材前駆体は、実施例1のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24と電位差解消パターン部19を有さないものである。
(比較例5)
比較例5のタッチセンサー部材前駆体は、実施例5および実施例6のタッチセンサー部材前駆体において、複数の接続配線24と電位差解消パターン部19を有さないものである。
(電極部スパーク数の評価)
黒色樹脂板を用意し、実施例1~10、比較例1~5のタッチセンサー部材前駆体を、導電性パターンが形成されていない裏側面が黒色樹脂板上に接触するように、黒色樹脂板上に配置する。さらに、複数のタッチセンサーパターン部21にLED(Light emitting diode:発光ダイオード)の光を当てて、周囲の部分よりも暗く見える箇所を記録し、記録した箇所の近傍をマイクロスコープ(Keyence VHX 5000、倍率200~1000、反射光・透過光同時ON)で観察した。この際に、タッチセンサーパターン部21の導電線32の破片が確認された箇所を放電による破損箇所と認定する。このような検査を、100個のパターン形成領域16において実施し、認定された破損箇所の数の1つのパターン形成領域16あたりの平均値を「電極部スパーク数」と定義する。
(リード線間スパーク数の評価)
実施例1~10、比較例1~5のタッチセンサー部材前駆体を、図15に示すような切断線CLに沿ってシート状に切り出すことにより、タッチセンサー部材を製造し、製造されたタッチセンサー部材の複数のリード線22をマイクロスコープ(Keyence VHX 5000、倍率200~1000、反射光・透過光同時ON)で観察した。この際に、リード線22に破損部があり、且つ、破損部の近傍の基板14上に放射状の影があるものを放電による破損箇所と認定する。このような観察方法により、1枚のタッチセンサー部材に対し、70本のリード線22の全体を観察する。5枚のタッチセンサー部材に対して同様の観察を行い、認定された破損箇所の数の1枚のタッチセンサー部材あたりの平均値を、「リード線間スパーク数」と定義する。
(短絡故障率の評価)
実施例1~10、比較例1~5のタッチセンサー部材前駆体から製造されたタッチセンサー部材において、複数の接続端子23のうち隣り合う接続端子23に、いわゆるテスター(circuit tester:回路計)等の導通検査端子を当てて、順次、隣り合う接続端子23間の絶縁抵抗を測定する。測定された絶縁抵抗が20Mオーム未満となる接続端子23間をマイクロスコープ(Keyence VHX 5000、倍率200~1000、反射光・透過光同時ON)で観察し、隣り合う接続端子23の双方に接触する接続配線24の破片が1つでも観察された場合に、検査対象のタッチセンサー部材に短絡故障を生じていると認定する。このような検査を100個のタッチセンサー部材において実施し、(短絡故障が生じているタッチセンサー部材の数)/100(%)により、短絡故障率を算出する。
以上のような、電極部スパーク数の評価、リード線間スパーク数の評価および短絡故障率の評価の結果を表1に示す。ここで、表1中の電位差解消パターンの項目における「短絡パターン」とは、図3、図5および図6に示す電位差解消パターン部19と同一の形状を有し、複数の接続配線24または24aを互いに短絡させるものである。「非短絡パターン」とは、図12に示す電位差解消パターン部19Gと同一の形状を有し、複数の接続配線24を互いに短絡させないものである。「エリア短絡パターン」とは、図10に示す電位差解消パターン部19Eと同一の形状を有し、複数のパターン形成領域16における複数の接続配線24を互いに短絡させるものである。
Figure 0007273178000005
表1に示すように、接続配線幅Wdが最近接端子間距離Scよりも狭い実施例1~10において、リード線間スパーク数は5以下、電極部スパーク数は0.16以下、短絡故障率は3%以下であった。特に、電位差解消パターンが短絡パターンであって、接続配線幅Wdが最近接リード線間距離Sbよりも狭い実施例4、6および7においては、リード線間スパーク数が0、電極部スパーク数が0.11以下、短絡故障率が0%であった。さらに、電位差解消パターンがエリア短絡パターンである実施例9および10においては、リード線間スパーク数と電極部スパーク数がいずれも0、短絡故障率が0%であった。
このように、実施例1~10は、複数のリード線22間および複数のタッチセンサーパターン部21における放電現象の抑制と、短絡故障の抑制を両立できることがわかる。
また、比較例1~3では、接続配線幅Wdが最近接端子間距離Sc以上であり、リード線間スパーク数はいずれも0であるが、短絡故障率が6%以上となった。これにより、接続配線幅Wdが最近接端子間距離Sc以上の場合には、複数の接続配線24が切断された際に発生する接続配線24の破片が、隣り合うリード線22同士および隣り合う接続端子23同士に接触しやすくなるため、短絡故障率が高くなると考えられる。
また、比較例4および5では、複数の接続配線24が存在しないため、短絡故障率は0%であるが、電位差解消パターン部19が存在しないため、複数のリード線22間に電位差が生じやすくなり、リード線間スパーク数は16および98となった。
以上により、タッチセンサー部材前駆体に複数の接続配線24または24aと、電位差解消パターン部19、19E、19G等を設け、(接続配線幅Wd)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされることにより、複数のリード線22間および複数のタッチセンサーパターン部21における放電現象の抑制と、短絡故障の抑制が両立され、(接続配線幅Wd)<(最近接リード線間距離Sb)<(最近接端子間距離Sc)の関係が満たされることにより、複数のリード線22間および複数のタッチセンサーパターン部21における放電現象と短絡故障がさらに抑制されることがわかる。
なお、実施例1~10は、基板14の片面にのみ、複数のタッチセンサーパターン部21と、複数のリード線22と、複数の接続端子23と、複数の接続配線24または24aと、電位差解消パターン19、19E、19Gが配置されているが、基板14の両面にそれぞれ、複数のタッチセンサーパターン部21と、複数のリード線22と、複数の接続端子23と、複数の接続配線24または24aと、電位差解消パターン19、19E、19Gを配置したものについても、電極部スパーク数の評価、リード線間スパーク数の評価および短絡故障率の評価を行った。基板14の両面に複数のタッチセンサーパターン部21と、複数のリード線22と、複数の接続端子23と、複数の接続配線24または24aと、電位差解消パターン19、19E、19Gを配置した場合でも、実施例1~10と同様の優れた効果が得られた。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のタッチセンサー部材前駆体およびタッチセンサー部材の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 巻取ロール、11,11D タッチセンサー部材、12,12A,12B,12C,12D,12E、12F,12G タッチセンサー部材前駆体、14 基板、14a 表側面、14b 裏側面、16 パターン形成領域、17 間隙部、19,19B,19C,19E,19G 電位差解消パターン部、21,21H タッチセンサーパターン部、22 リード線、23 接続端子、24,24A 接続配線、30,30H メッシュパターン、32,36 導電線、33,33H 開口部、34 基部、35 六角形状部、37A 第1タッチセンサーパターン部、37B 第2タッチセンサーパターン部、38A 第1リード線、38B 第2リード線、39A 第1接続端子、39B 第2接続端子、40A 第1接続配線、40B 第2接続配線、41A 第1電位差解消パターン部、41B 第2電位差解消パターン部、42 第3電位差解消パターン部、43 犠牲パターン部、44 幹部、45 枝部、46 断線部、60 導電部材、62 バインダー、64 金属部、CL 切断線、CP 被切断部、D 搬送方向、H 重なり合い領域、L1 センサーパターン幅、L2 センサーパターン長さ、L3 被切断部長さ、L4 本体部長さ、Lc 接続端子長さ、Ld 接続配線長さ、MP 本体部、Pa 開口幅、Pg 間隔、Sb 最近接リード線間距離、Sc 最近接端子間距離、Sg 最近接犠牲パターン部間距離、W1,Wa,Wg 線幅、Wb リード線幅、Wc 接続端子幅、Wd 接続配線幅、We 電位差解消パターン部幅、Wf 犠牲パターン部幅、Wh 重なり幅。

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板の少なくとも一方の面に配置された複数のタッチセンサーパターン部と、
    前記複数のタッチセンサーパターン部から引き出された複数のリード線と、
    前記複数のリード線に接続された複数の接続端子と、
    前記複数の接続端子に接続された複数の接続配線と、
    前記複数の接続配線に接続された電位差解消パターン部とを有し、
    前記複数のタッチセンサーパターン部と、前記複数のリード線と、前記複数の接続端子と、前記複数の接続配線と、前記電位差解消パターン部は、前記基板の同一面上に配置された導電部材からなり、
    前記複数の接続配線は、接続配線幅Wdを有する被切断部と、前記接続配線幅Wdよりも広い線幅W1を有し且つ前記被切断部と前記電位差解消パターンを電気的に接続する本体部を含み、
    前記複数の接続端子のうち隣り合う前記接続端子同士は、互いに最も近接する箇所において最近接端子間距離Scだけ離間しており、
    Wd<Scの関係を満たすタッチセンサー部材前駆体。
  2. 前記複数の接続端子の前記最近接端子間距離Scは、150μm以上250μm以下である請求項1に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  3. 前記複数の接続配線の前記被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<250μmの関係を満たす請求項2に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  4. 前記複数の接続配線の前記被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<150μmの関係を満たす請求項3に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  5. 前記複数のリード線のうち隣り合う前記リード線同士は、互いに最も近接する箇所において最近接リード線間距離Sbだけ離間しており、
    Wd<Sb<Scの関係を満たす請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  6. 前記複数のリード線の前記最近接リード線間距離Sbは、10μm以上60μm以下である請求項5に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  7. 前記複数の接続配線の前記被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<60μmの関係を満たす請求項6に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  8. 前記複数の接続配線の前記被切断部の接続配線幅Wdは、3μm≦Wd<10μmの関係を満たす請求項7に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  9. 前記電位差解消パターン部は、前記複数の接続配線同士を電気的に短絡させる請求項1~8のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  10. 前記基板の少なくとも一方の面に、複数のパターン形成領域があり、
    それぞれの前記パターン形成領域に、前記複数のタッチセンサーパターン部と、前記複数のリード線と、前記複数の接続端子と、前記複数の接続配線とが配置されている請求項9に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  11. 前記電位差解消パターン部は、前記複数のパターン形成領域のうち互いに異なる複数の前記パターン形成領域に配置された前記複数の接続配線同士を電気的に短絡させる請求項10に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  12. 前記電位差解消パターン部は、前記複数の接続配線に接続され且つ互いに電気的に隔離されるように配置された複数の犠牲パターン部であって、互いに最も近接する箇所における最近接犠牲パターン部間距離Sgが、前記最近接リード線間距離Sbに対して0<Sg<Sbの関係を満たす前記複数の犠牲パターン部からなる請求項5~8のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  13. 前記複数のタッチセンサーパターン部と、前記複数のリード線と、前記複数の接続端子と、前記複数の接続配線と、前記電位差解消パターン部は、前記基板の両面に配置されている請求項1~12のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  14. 前記導電部材は、金属材料を含む請求項1~13のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  15. 前記導電部材は、前記金属材料として銀を含む請求項14に記載のタッチセンサー部材前駆体。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載のタッチセンサー部材前駆体の前記複数の接続配線の前記被切断部を切断するタッチセンサー部材の製造方法。
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