JP6910466B2 - タッチパネル用導電部材、タッチパネルおよび導電部材 - Google Patents
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Description
検出電極は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性酸化物により形成されることが多いが、透明導電性酸化物以外に金属でも形成される。金属は、透明導電性酸化物に比べてパターニングがしやすく、屈曲性に優れ、抵抗値がより低い等の利点がある。金属細線を用いて構成された導電部材を有するタッチパネルは、透明導電性酸化物を用いて構成された従来のタッチパネルと比べて、抵抗値および寄生容量の値を低減できるため、タッチ操作に対する検出感度を向上することができ、注目を集めている。
特許文献1では、検出電極の寄生容量については考慮されておらず、特に、検出感度を向上させるために表示装置側に配置される下方電極の電極幅を大きくした際に、下方電極における寄生容量が増加して、タッチ操作に対する検出感度が低下することがあった。よって、より高感度の検出のためには、さらなる改善が必要であった。
この発明は、タッチ操作に対する検出感度を向上させることができるタッチパネル用導電部材を提供することを目的とする。
また、この発明は、このようなタッチパネル用導電部材を備えたタッチパネルを提供することも目的とする。
また、1.2≦(W2×C2)/W1≦1.6がさらに満たされていることが好ましい。
さらに、四角形は、菱形であってもよい。
また、第1メッシュセルおよび第2メッシュセルは、いずれも菱形であり、互いに同一の形状を有することができる。
なお、以下において、数値範囲を示す表記「〜」は、両側に記載された数値を含むものとする。例えば、「sが数値t1〜数値t2である」とは、sの範囲は数値t1と数値t2を含む範囲であり、数学記号で示せばt1≦s≦t2である。
「直交」および「平行」等を含め角度は、特に記載がなければ、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
「透明」とは、光透過率が、波長400〜800nmの可視光波長域において、少なくとも40%以上のことであり、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上のことである。光透過率は、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック--全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
タッチパネル1は、表面1Aと裏面1Bを有し、裏面1B側に液晶表示装置等の図示しない表示装置が配置された状態において使用される。タッチパネル1の表面1Aは、タッチ操作を検出するタッチ面であり、タッチパネル1の操作者が、タッチパネル1を通して表示装置に表示された画像を観察する視認側となる。
タッチパネル1は、表面1A側に配置された透明な絶縁性のカバーパネル2を有し、表面1Aとは反対側のカバーパネル2の面上にタッチパネル用導電部材3が透明な接着層4により接合されている。カバーパネル2には、例えば、図示しない黒色の加飾層が設けられている。
ここで、第1検出電極SE1は、第1周辺配線12が第1電極パッド11を介して電気的に接続されていない端部にも第1電極パッド11と同一の電極パッドを備えていてもよい。この電極パッドは、第1検出電極SE1の導通検査用の端子としても使用できる。
図2に示されるように、複数の第2検出電極SE2および複数の第2ダミー電極DE2は、視認側から見たときに、入力領域S1において、複数の第1検出電極SE1および複数の第1ダミー電極DE1と交差し且つ重なるように配置されている。
ここで、第2検出電極SE2は、第2周辺配線22が第2電極パッド21を介して電気的に接続されていない端部にも第2電極パッド21と同一の電極パッドを備えていてもよい。この電極パッドは、第2検出電極SE2の導通検査用の端子としても使用できる。
図3に示すように、第1検出電極SE1に隣接して第1ダミー電極DE1が形成されている。なお、説明のため、図3においては、第1検出電極SE1を構成する金属細線は、比較的太い実線で描かれており、第1ダミー電極DE1を構成する金属細線は、比較的細い実線で描かれている。実際には、第1検出電極SE1を構成する金属細線と第1ダミー電極DE1を構成する金属細線の線幅は同じでもよい。
第1検出電極SE1の電極幅W1は、1つの第1検出電極SE1中の、1つの電極パッド11に接続されている複数の第1電極線EL1において、第1方向D1における最も外側の部分間の、第1方向D1における距離のことである。
ここで、複数の第1ダミー電極DE1と複数の第1検出電極SE1とが電気的に十分に絶縁されるために、複数の第1ダミー電極DE1と複数の第1検出電極SE1との間のギャップG1の長さは、5μm〜50μmであることが好ましく、ギャップG1が目視されにくいという観点から5μm〜20μmがさらに好ましい。また、絶縁性を向上させるために、第1ダミー電極DE1を構成する第1メッシュセルMC1の各辺に長さ5μm〜20μmの断線部を設けてもよい。
図4に示すように、第2検出電極SE2に隣接して、第2ダミー電極DE2が形成されている。第2ダミー電極DE2は、タッチパネル1を視認側から見たときに複数の第2検出電極SE2の間の隙間が目立って第2検出電極SE2のパターンが視認されることを防止するために配置されている。なお、説明のため、第2ダミー電極DE2を構成する金属細線は、図4において比較的細い点線で描かれているが、実際には連続した金属細線である。
第2検出電極SE2の電極幅W2は、1つの第2検出電極SE2中の、1つの電極パッド21に接続されている複数の第2電極線EL2において、第2方向D2における最も外側の部分間の、第2方向D2における距離のことである。
ここで、複数の第2ダミー電極DE2と複数の第2検出電極SE2とが電気的に十分に絶縁されるために、複数の第2ダミー電極DE2と複数の第2検出電極SE2との間のギャップG3の長さは、5μm〜50μmであることが好ましく、ギャップG3が目視されにくいという観点から5μm〜20μmがさらに好ましい。また、絶縁性を向上させるために、第2ダミー電極DE2を構成する第2メッシュセルMC2の各辺に長さ5μm〜20μmの断線部を設けてもよい。
1.0≦(W2×C2)/W1≦2.0・・・(1)
1.2≦(W2×C2)/W1≦1.6・・・(2)
占有率C2を様々に変化させてタッチパネル1の検出感度を評価した結果については、後に詳述する。
図6に、本発明の実施の形態の変形例に係るタッチパネル用導電部材31の部分断面図を示す。図6に示す変形例では、透明絶縁基板32上に第1電極層6Aが形成され、第1電極層6Aを覆うように、透明絶縁層7Cが形成されている。さらに、透明絶縁層7C上に第2電極層6Bが形成され、第2電極層6Bを覆うように保護層7Bが形成されている。この場合には、第1電極層6Aを覆う透明絶縁層7Cが、第1電極層6Aと第2電極層6Bとの間に介在する「透明絶縁部材」となり、第1電極層6Aと第2電極層6Bとが透明絶縁部材を介して配置され絶縁されている。
また、本発明の実施の形態の変形例に係るタッチパネル用導電部材31をタッチパネルとして使用する場合、透明絶縁基板32をカバーパネルとして使用することができる。透明絶縁基板32をカバーパネルとして使用する場合は、透明絶縁基板32に加飾層を形成してもよい。
なお、第1検出電極SE1にも非接続線を設けることもできるが、この場合には、第1電極パッド11と電気的に接続している第1電極線EL1が、第1電極パッド11と接続しない非接続線に置き換わることになるため、第1検出電極SE1の抵抗値を下げるという観点から、第1検出電極SE1には非接続線を設けないことが好ましい。
<基板>
透明絶縁基板5、32、34A、34Bは、透明で電気絶縁性を有し、第1電極層6Aおよび第2電極層6Bを支持することができれば、特に限定されるものではないが、透明絶縁基板5を構成する材料として、例えば、ガラス、強化ガラス、無アルカリガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、シクロオレフィンポリマー(COP:cyclo-olefin polymer)、環状オレフィン・コポリマー(COC:cyclic olefin copolymer)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、アクリル樹脂、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリスチレン(PS:polystylene)、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC:polyvinylidene chloride)、トリアセチルセルロース(TAC:cellulose triacetate)等を使用することができる。透明絶縁基板5、32、34A、34Bの厚さは、例えば、20〜1000μmであり、特にガラスおよび強化ガラス等のリジットな透明絶縁基板の場合は、100μm〜800μmが好ましく、PETおよびCOP用のようなフレキシブルな透明絶縁基板の場合、30〜100μmが好ましい。透明絶縁基板5、32、34A、34Bの全光線透過率は、40%〜100%であることが好ましい。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック--全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
第1検出電極SE1および第1ダミー電極DE1を形成する金属細線、および、第2検出電極SE2および第2ダミー電極DE2を形成する金属細線は、線幅0.5μm〜10μmの金属細線である。これらの金属細線のさらに好ましい線幅は、1.0μm〜5.0μmである。金属細線の好ましい材料としては、銀、銅、アルミニウム、金、モリブデン、クロム等があり、それらの合金、酸化物またはそれらの積層体で使用できる。特に抵抗値の観点から銀または銅が好ましく、例えば、モリブデン/アルミニウム/モリブデン、モリブデン/銅/モリブデン、酸化銅/銅/酸化銅等の積層構成の金属細線が使用できる。
金属細線の膜厚は0.05μm〜10μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。金属細線の視認性を改善する目的で、金属細線上、もしくは金属細線と透明絶縁基板と金属細線との間に黒化層を設けてもよい。黒化層としては、酸化銅、酸化モリブデン等を使用できる。
金属細線を覆う透明な保護層7Aおよび7Bとして、ゼラチン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜、および、二酸化シリコン等の無機膜を使用することができ、膜厚は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。
また必要に応じて、保護層上に透明コート層を形成してもよい。透明コート層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜が使用され、膜厚は1μm以上100μm以下が好ましい。
<透明絶縁層>
第1電極層6Aと第2電極層6Bとの間に形成される透明絶縁層7Cとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜、および、二酸化シリコン、窒化シリコン等の無機膜を使用することができ、膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
<周辺配線絶縁膜>
図2に示す第1周辺配線12、第2周辺配線22上に、周辺配線間のショートおよび周辺配線の腐食を防止する目的で、周辺配線絶縁膜を形成してもよい。周辺配線絶縁膜としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機膜が使用され、膜厚は1μm以上30μm以下が好ましい。周辺配線絶縁膜は、第1周辺配線12、第2周辺配線22のどちらか一方のみに形成してもよい。
<下塗層>
透明絶縁基板5、32、34A、34Bと第1電極層6A、または、透明絶縁基板5、32、34A、34Bと第2電極層6Bとの間に、密着性を強化する為に下塗層を設けてもよい。下塗層としては、ゼラチン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエルテル樹脂等の有機膜、および、二酸化シリコン等の無機膜を使用することができ、膜厚は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。
<平坦化層>
透明絶縁基板5、32、34A、34Bと第1電極層6A、または、透明絶縁基板5、32、34A、34Bと第2電極層6Bとの間に、透明絶縁基板5、32、34A、34Bの表面を平坦化するために平坦化層を設けてもよい。平坦化層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエルテル樹脂等の有機膜が使用することができ、膜厚は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。特に透明絶縁基板5、32、34A、34Bに加飾層を設ける場合は、平坦化層を設けることが好ましい。
露光パターンの異なる各種のフォトマスクを用意し、透明絶縁基板の両面上に金属細線から構成された複数の第1検出電極、複数の第1ダミー電極、複数の第2検出電極および複数の第2ダミー電極をそれぞれ形成して導電部材を作製した。なお、導電部材の基板として、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、金属細線を銀線から形成した。また、複数の第1検出電極、複数の第1ダミー電極、複数の第2検出電極および複数の第2ダミー電極において、メッシュの線幅すなわち複数の金属細線の線幅を4.0μmとし、メッシュ形状として、鋭角60度の菱形メッシュ形状を採用した。
さらに、作製された導電部材を3M社製 8146−4(製品番号)からなる厚さ75μmの光学透明粘着シートを用いて、厚さ1.1mmの強化ガラスからなるカバーパネルに接合することによりタッチパネルを作製した。また、作製したタッチパネルを駆動させるために、タッチパネルにAtmel社製の集積回路を接続した。
作製したタッチパネルをLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置ディスプレイ)上に配置し、LCDの全面に白色を表示しながらタッチパネルの検出感度の評価を実施した。タッチパネルの表面のうち、予め設定した1万箇所の位置に順番にプローブロボットを使って、先端径が2.0mmのスタイラスペンを接触させながら、各タッチ位置を検出した。そして、1万箇所の検出結果と、それに対応する設定値とを比較した。具体的には、検出位置と予め設定した位置との距離が小さい方から数えて9973番目の値を用いて、以下の評価基準にて感度を評価した。
「A」:上述の9973番目の値が1.0mm未満
「B」:上述の9973番目の値が1.0mm以上2.0mm未満
「C」:上述の9973番目の値が2.0mm以上3.0mm未満
「D」:上述の9973番目の値が3.0mm以上
なお、評価「D」は誤検知が多く、実用上問題があるレベル、評価「C」は、誤検出が少なく、実用上問題がないレベル、評価「B」は、誤検出がほとんどなく、優れたレベル、評価「A」は、誤検出がなく、とても優れたレベルである。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
温度38℃、pH(potential of hydrogen)4.5に保たれた下記1液に、下記2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記の4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
水 750ml
ゼラチン 9g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 8ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 10ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
上述の乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液のpHを5.6に調整した。
上述の塗布液に、含有するゼラチンに対して、(P−1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤を含有するポリマーラテックス(分散剤/ポリマーの質量比が2.0/100=0.02)とをポリマー/ゼラチン(質量比)=0.5/1になるように添加した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、上述の(P−1)で表されるポリマーは、特許第3305459号および特許第3754745号を参照して合成した。
透明絶縁基板の両面に、上述のポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。透明絶縁基板には、38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(富士フイルム社製)を用いた。
次に、下塗り層上に、上述のポリマーラテックスとゼラチン、および光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料の混合物からなるアンチハレーション層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は2/1であり、ポリマーの含有量は0.65g/m2であった。
上述のアンチハレーション層の上に、上述の感光性層形成用組成物を塗布し、さらに上記ポリマーラテックスとゼラチンとエポクロスK−2020E(商品名:日本触媒株式会社製、オキサゾリン系架橋反応性ポリマーラテックス(架橋性基:オキサゾリン基))、スノーテックスC(登録商標、商品名:日産化学工業株式会社製、コロイダルシリカ)とを固形分質量比(ポリマー/ゼラチン/エポクロスK−2020E/スノーテックスC(登録商標))1/1/0.3/2で混合した組成物をゼラチン量が0.08g/m2となるように塗布し、両面に感光性層が形成された支持体を得た。両面に感光性層が形成された支持体をフィルムAとする。形成された感光性層は、銀量6.2g/m2、ゼラチン量1.0g/m2であった。
例えば図3に示したようなパターンを有する第1検出電極形成用の第1のフォトマスクおよび図4に示したようなパターンを有する第2検出電極形成用の第2のフォトマスクをそれぞれ用意しておき、上述のフィルムAの両面に、それぞれ、第1のフォトマスクおよび第2のフォトマスクを配置し、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて両面同時露光を行った。
露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R、富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った。さらに、純水でリンスし、乾燥することにより、両面にAg(銀)からなる金属細線とゼラチン層とが形成された支持体を得た。ゼラチン層は金属細線間に形成されていた。得られたフィルムをフィルムBとする。
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
フィルムBに対して、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼAL−15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)への浸漬を120秒間行った。フィルムBを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。ゼラチン分解処理後のフィルムをフィルムCとする。
上述のフィルムCに対して、金属製ローラからなるカレンダ装置を用いて、30kNの圧力でカレンダ処理を行った。このとき、線粗さRa=0.2μm、Sm=1.9μm(株式会社キーエンス製形状解析レーザ顕微鏡VK−X110にて測定(JIS−B−0601−1994))の粗面形状を有するポリエチレンテレフタレートフィルム2枚を、これらの粗面が上述のフィルムCの表面および裏面と向き合うように共に搬送して、上述のフィルムCの表面および裏面に粗面形状を転写形成した。
上述のカレンダ処理後、温度150℃の過熱蒸気槽を120秒間かけて通過させて、加熱処理を行った。加熱処理後のフィルムをフィルムDとする。このフィルムDが導電部材である。
(実施例1)
実施例1は、図1〜図5に示す本発明の実施の形態のタッチパネルと同様の構成を有するタッチパネルであり、第1検出電極SE1の第1電極幅W1を2.0mm、第2検出電極SE2の第2電極幅W2を4.0mm、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.75とした。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、3.0であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、1.5であった。
実施例2は、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.50としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、2.0であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、1.0であった。
(実施例3)
実施例3は、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.60としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、2.4であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、1.2であった。
実施例4は、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.80としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、3.2であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、1.6であった。
(実施例5)
実施例5は、第2検出電極SE2の第2電極幅W2を5.0mmとし、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.80としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、4.0であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、2.0であった。
実施例6は、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.4としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、1.6であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、0.80であった。
(実施例7)
実施例7は、第2検出電極SE2の第2電極幅W2を5.0mmとし、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.90としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、4.5であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、有効数字2桁で2.3であった。
比較例1は、第2検出電極SE2において非接続線NLを有しておらず、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2が1.0であることを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、4.0であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、2.0であった。
(比較例2)
比較例2は、第1検出電極SE1の第1電極幅W1を4.0mmとし、第2検出電極SE2の第2電極幅W2を2.0mmとし、第2検出電極SE2における複数の第2電極線EL2の占有率C2を0.50としたことを除いて実施例1と同一である。このとき、第2電極幅W2と占有率C2との積の値は、1.0であり、第2電極幅W2と占有率C2との積を第1電極幅W1で除した実効電極幅比率WRの値は、0.25であった。
一方、比較例1および比較例2は、検出感度の評価が「D」であった。
そのため、実施例1、実施例3および実施例4においては、タッチ操作に対する検出感度が向上し、評価が「A」になり、非常に優れたタッチパネルを得ることができたと考えられる。
Claims (13)
- 第1電極層と第2電極層とが透明絶縁部材を介して配置され、前記第1電極層が前記第2電極層よりもタッチ面側に配置されているタッチパネル用導電部材であって、
前記第1電極層は、第1方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる複数の第1検出電極と、前記複数の第1検出電極にそれぞれ接続された複数の第1電極パッドとを有し、
前記第1検出電極は、前記第1電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第1電極線により構成され、前記第1方向に第1電極幅W1を有し、
前記第2電極層は、前記第2方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に沿って延びる複数の第2検出電極と、前記複数の第2検出電極にそれぞれ接続された複数の第2電極パッドとを有し、
前記第2検出電極は、前記第2電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第2電極線と、前記第2電極パッドおよび前記複数の第2電極線から絶縁されるように配置された金属細線からなる複数の非接続線とにより構成され、前記第2方向に第2電極幅W2を有し、
前記第2電極幅W2は、前記第1電極幅W1よりも大きく、
前記第2検出電極における前記複数の第2電極線と前記複数の非接続線との合計面積に対する前記複数の第2電極線の合計面積の比で表される前記複数の第2電極線の占有率をC2として、
1.0≦(W2×C2)/W1≦2.0
を満たすタッチパネル用導電部材。 - 1.2≦(W2×C2)/W1≦1.6
をさらに満たす請求項1に記載のタッチパネル用導電部材。 - 前記複数の第2検出電極のそれぞれにおいて、前記非接続線は、前記第2電極線により囲まれている請求項1または2に記載のタッチパネル用導電部材。
- 前記第1電極層は、前記複数の第1検出電極間において前記複数の第1検出電極と電気的に絶縁されるように配置され且つ金属細線により構成された複数の第1ダミー電極をさらに有し、
前記第2電極層は、前記複数の第2検出電極間において前記複数の第2検出電極と電気的に絶縁されるように配置され且つ複数の金属細線により構成された複数の第2ダミー電極をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材。 - 前記第1電極層と前記第2電極層とが互いに重なることにより、前記複数の第1検出電極を構成する前記金属細線、前記複数の第1ダミー電極を構成する前記金属細線、前記複数の第2検出電極を構成する前記金属細線、前記複数の非接続線を構成する前記金属細線および前記複数の第2ダミー電極を構成する前記金属細線とが互いに組み合わされて複数の第3メッシュセルにより構成される第3メッシュパターンが形成される請求項4に記載のタッチパネル用導電部材。
- 前記第1電極層は、前記複数の第1検出電極を構成する前記金属細線および前記複数の第1ダミー電極を構成する前記金属細線からなる複数の第1メッシュセルにより構成される第1メッシュパターンを有し、
前記第2電極層は、前記複数の第2検出電極を構成する前記金属細線、前記複数の非接続線を構成する前記金属細線および前記複数の第2ダミー電極を構成する前記金属細線からなる複数の第2メッシュセルにより構成される第2メッシュパターンを有する請求項5に記載のタッチパネル用導電部材。 - 前記第1メッシュパターンは、第1メッシュピッチを有し、
前記第2メッシュパターンは、第2メッシュピッチを有し、
前記第3メッシュパターンは、前記第1メッシュピッチおよび前記第2メッシュピッチよりも小さい第3メッシュピッチを有する請求項6に記載のタッチパネル用導電部材。 - 前記第3メッシュセルは、四角形の形状を有する請求項5〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材。
- 前記四角形は、菱形である請求項8に記載のタッチパネル用導電部材。
- 前記第1メッシュセルおよび前記第2メッシュセルは、いずれも菱形であり、互いに同一の形状を有する請求項6または7に記載のタッチパネル用導電部材。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電部材を備えたタッチパネル。
- 第1電極層と第2電極層とが透明絶縁部材を介して配置され、前記第1電極層が前記第2電極層よりもタッチ面側に配置されているタッチパネルであって、
前記第1電極層は、第1方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる複数の第1検出電極と、前記複数の第1検出電極にそれぞれ接続された複数の第1電極パッドとを有し、
前記第1検出電極は、前記第1電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第1電極線により構成され、前記第1方向に第1電極幅W1を有し、
前記第2電極層は、前記第2方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に沿って延びる複数の第2検出電極と、前記複数の第2検出電極にそれぞれ接続された複数の第2電極パッドとを有し、
前記第2検出電極は、前記第2電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第2電極線と、前記第2電極パッドおよび前記複数の第2電極線から絶縁されるように配置された金属細線からなる複数の非接続線とにより構成され、前記第2方向に第2電極幅W2を有し、
前記第2電極幅W2は、前記第1電極幅W1よりも大きく、
前記第2検出電極における前記複数の第2電極線と前記複数の非接続線との合計面積に対する前記複数の第2電極線の合計面積の比で表される前記複数の第2電極線の占有率をC2として、
1.0≦(W2×C2)/W1≦2.0
を満たすタッチパネル。 - 第1電極層と第2電極層とが透明絶縁部材を介して配置された導電部材であって、
前記第1電極層は、第1方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる複数の第1検出電極と、前記複数の第1検出電極にそれぞれ接続された複数の第1電極パッドとを有し、
前記第1検出電極は、前記第1電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第1電極線により構成され、前記第1方向に第1電極幅W1を有し、
前記第2電極層は、前記第2方向に間隔を隔てて並列配置され且つ前記第1方向に沿って延びる複数の第2検出電極と、前記複数の第2検出電極にそれぞれ接続された複数の第2電極パッドとを有し、
前記第2検出電極は、前記第2電極パッドに電気的に接続された金属細線からなる複数の第2電極線と、前記第2電極パッドおよび前記複数の第2電極線から絶縁されるように配置された金属細線からなる複数の非接続線とにより構成され、前記第2方向に第2電極幅W2を有し、
前記第2電極幅W2は、前記第1電極幅W1よりも大きく、
前記第2検出電極における前記複数の第2電極線と前記複数の非接続線との合計面積に対する前記複数の第2電極線の合計面積の比で表される前記複数の第2電極線の占有率をC2として、
1.0≦(W2×C2)/W1≦2.0
を満たす導電部材。
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