JP5838829B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関制御装置に関し、特に、同期噛合式の変速機を搭載した車両に用いられる内燃機関制御装置に関する。
一般に、同期噛合式の変速機では、入力軸に設けられた入力ギヤと出力軸に設けられた出力ギヤとが常時噛み合うギヤ対を構成し、このギヤ対のうちいずれか一方のギヤが、該ギヤが設置された軸に対して相対回転可能となっている。また、このような同期噛合式の変速機には、相対回転可能なギヤと軸とを接続するためのシンクロメッシュ機構が設けられている。
シンクロメッシュ機構は、シフトアクチュエータによってシフト方向に移動可能なスリーブや、スピードギヤのコーン部に対向するシンクロナイザリングを備えている。シンクロメッシュ機構は、スリーブの移動に伴いシンクロナイザリングがスピードギヤのコーン部に押し当てられることで、シンクロナイザリングとコーン部との間に摩擦が発生し、双方の回転数が揃っていく、同期を行うことができる。同期完了後は、スリーブがスピードギヤに係合し、軸上で相対回転していたギヤが軸と一体回転するようになって変速が完了する。すなわち、シフト操作に応じた所望の変速比を形成する所定のギヤ対により動力を伝達可能となる。
このような同期噛合式の変速機において、車両走行中に、例えば5速段等の高速段から2段以上下位の3速段等にダウンシフトされる、いわゆるスキップシフトが実行されると、車輪側からエンジン側に逆駆動トルクが入力され、エンジン回転数が急激に上昇する、いわゆるエンジンの過回転が発生してしまう。
従来、このようなスキップシフトによるエンジンの過回転を抑制することを目的として、高速段で高速走行中に低速段へのスキップシフトが実行された際に、シフトレバーによるセレクティング動作を規制するようにした車両用手動変速機のエンジンオーバーラン防止システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のエンジンオーバーラン防止システムは、シフトレバーのセレクティング動作により回転するセレクタシャフト等の部材を車速に応じて拘束することによって上記セレクティング動作を規制するとともに、シフティング動作のみを行えるようにしている。これにより、現在の変速段から2段以上下位の変速段への変速操作が禁止され、上述したエンジンの過回転を抑制することができる。
特開平9−42441号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来のエンジンオーバーラン防止システムでは、ダウンシフト時におけるスキップシフトのみが規制されるが、アップシフトにおいて2段以上上位の高速段にスキップシフトされる場合についてなんら考慮されていない。このため、アップシフト時においてスキップシフトが行われると、変速機の入力軸側と出力軸側の回転差が大きいためシンクロメッシュ機構における摩擦接触部分において摩耗が進み、シンクロメッシュ機構の耐久性が低下するという問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、従来と比較してシンクロメッシュ機構の耐久性を向上させることができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関制御装置は、上記目的達成のため、(1)車輪を駆動するトルクを発生する内燃機関と、運転者のシフトレバー操作によって所定の変速段を成立させる手動変速機とを備え、前記手動変速機が、入力軸の回転をそれぞれの変速比で出力軸に伝達可能な複数のギヤ対と、前記複数のギヤ対のうちのいずれかのギヤ対と噛合し当該ギヤ対の変速比によって前記入力軸と前記出力軸とを接続させる複数の同期機構とを有する車両に用いられる内燃機関制御装置であって、現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段に前記シフトレバー操作されるスキップシフトがなされたことを条件として、前記内燃機関が発生するトルクを前記スキップシフトがなされる前の前記トルクよりも低下させるトルク低下制御を実行する構成を有する。
この構成により、本発明に係る内燃機関制御装置は、現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段にシフトレバー操作されるスキップシフトがなされたことを条件として、内燃機関のトルクをスキップシフトがなされる前のトルクよりも低下させるトルク低下制御を実行する。このため、スキップシフト時に同期機構によって同期が図られる入力軸側の回転と出力軸側の回転との差を小さくすることができる。これにより、スキップシフトがなされた場合であっても、入力軸側の回転と出力軸側の回転との差に起因して同期機構にかかる負荷を軽減することができるとともに、同期機構における摩耗を抑制することができる。したがって、本発明に係る内燃機関制御装置は、従来と比較して同期機構の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る内燃機関制御装置は、上記(1)に記載の内燃機関制御装置において、(2)前記車両は、前記手動変速機の変速段の変更を指示する変速指示手段を備え、前記変速指示手段は、前記スキップシフトがなされたことを条件として運転者に変速段のダウンシフトを指示する構成を有する。
この構成により、本発明に係る内燃機関制御装置は、スキップシフトがなされたことを条件として変速指示手段が運転者に変速段のダウンシフトを指示するので、スキップシフトが禁止されていることを運転者に容易に認識させることができる。これにより、スキップシフトがなされることを抑制することができる。
また、本発明に係る内燃機関制御装置は、上記(1)または(2)に記載の内燃機関制御装置において、(3)前記トルク低下制御の実行後に変速段のダウンシフトが実行されたこと、あるいは前記スキップシフトがなされた後、所定時間経過したことを条件として、前記トルク低下制御の実行を解除する構成を有する。
この構成により、本発明に係る内燃機関制御装置は、スキップシフトがなされた後に必要に応じてトルク低下制御の実行を解除するので、トルク低下制御が必要以上に継続されることを防止することができる。
また、本発明に係る内燃機関制御装置は、上記(1)ないし(3)に記載の内燃機関制御装置において、(4)前記同期機構は、コーン摩擦面が1つのシングルコーン型の同期機構である構成を有する。
本発明に係る内燃機関制御装置は、上述したトルク低下制御によりスキップシフトによる同期機構の摩耗を抑制することができる。このため、上記構成の通り、同期機構として、ダブルコーン型やトリプルコーン型の同期機構に比べて同期容量の小さなシングルコーン型の同期機構を用いることができる。したがって、本発明に係る内燃機関制御装置は、同期機構の構成を簡略化することができ、コスト低減を図ることができる。
本発明によれば、従来と比較してシンクロメッシュ機構の耐久性を向上させることができる内燃機関制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るシンクロメッシュ機構の部分断面図であって、(a)は、同期前を示す図であり、(b)は、同期完了を示す図である。 本発明の実施の形態に係るECUで実行されるトルク低下制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るギヤシフトインジケータを示す図であって、(a)は、ダウンシフト指示表示の一例を示す図であり、(b)は、ダウンシフト指示表示の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るシンクロメッシュ機構の耐久基準を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態では、本発明に係る内燃機関制御装置をFF(フロントエンジン・フロンドドライブ)駆動方式の車両1に用いた例について説明する。なお、内燃機関制御装置は、FF駆動方式の他、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)駆動方式の車両や4輪駆動車等、種々の車両に適用可能である。
図1に示すように、車両1は、駆動力源としてのエンジン2と、クラッチ3と、変速機4と、ディファレンシャルギヤ5と、ECU100と、ギヤシフトインジケータ(以下、単にGSIという)200とを含んで構成されている。本実施の形態におけるECU100は、本発明に係る内燃機関制御装置を構成する。
エンジン2は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により左右の前輪(車輪)7R、7Lを駆動するトルクを発生する内燃機関として構成されている。エンジン2は、図示しないエアクリーナにより清浄された空気をスロットルアクチュエータ20によって開閉駆動されるスロットルバルブ21および吸気通路22を介して吸入する。その後、エンジン2は、燃料噴射弁23からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を図示しない吸気バルブを介して燃料室に吸入する。次いで、エンジン2は、吸入した混合気を点火装置25による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストンの往復運動をクランクシャフト2aの回転運動に変換する。
また、エンジン2は、吸気バルブの開閉タイミングVTを連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構(以下、単にVVTという)26を備える。VVT26は、図示しないベーン式のVVTコントローラと、オイルコントロールバルブとを備え、吸気バルブの開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト(図示せず)の角度を連続的に変更する。
ここで、上述のスロットルアクチュエータ20、燃料噴射弁23、点火装置25およびVVT26は、それぞれECU100に接続されており、ECU100によって駆動制御されるようになっている。
クラッチ3は、例えば乾式単板式の摩擦クラッチであり、油圧または電力の作用によりクランクシャフト2aと後述する入力軸11との接続または切断を切り換えることで、エンジン2のトルクを入力軸11に伝達または遮断するようになっている。
変速機4は、同期噛合式の変速機として構成されており、エンジン2からトルクが入力される入力軸11と、ディファレンシャルギヤ5にトルクを出力する出力軸12と、ハウジング13とを有している。入力軸11および出力軸12は、ディファレンシャルギヤ5とともにハウジング13内に収容されている。変速機4は、運転者のシフトレバー操作によって後述する1速(1st)〜6速(6th)の変速段および後進変速段を成立させるようになっている。本実施の形態における変速機4は、本発明に係る手動変速機を構成する。
入力軸11と出力軸12とは、平行に設けられている。入力軸11と出力軸12との間には、ギヤ比が互いに異なる前進用の1速ギヤ対31、2速ギヤ対32、3速ギヤ対33、4速ギヤ対34、5速ギヤ対35および6速ギヤ対36(以下、特に区別しない場合は単に変速ギヤ対という)と、後進ギヤ対37とが配設されている。
各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方は入力軸11に設けられており、他方は出力軸12に設けられている。また、各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方は、設けられているシャフトに対して空転可能であり、他方は、設けられているシャフトと一体的に回転する。
各変速ギヤ対を構成する2つのギヤは、互いに常に噛み合っており、入力軸11に設けられたギヤと出力軸12に設けられたギヤとのギヤ比に応じて変速機4の変速比が決定されるようになっている。また、変速ギヤ対31〜36のギヤ比は、それぞれ変速段としての1速(1st)〜6速(6th)に対応している。これら複数の変速ギヤ対31〜36は、入力軸11の回転をそれぞれの変速比で出力軸12に伝達可能に構成されている。本実施の形態における変速ギヤ対31〜36は、本発明に係るギヤ対を構成する。
変速ギヤ対31〜36には、ギヤピース41〜46がそれぞれ設けられている。入力軸11あるいは出力軸12とギヤピース41〜46との間には、入力軸11あるいは出力軸12の回転数とギヤピース41〜46の回転数とを同期させて、互いに連結するためのシンクロメッシュ機構51〜53が設けられている。シンクロメッシュ機構51〜53は、ギヤピース41〜46を介して変速ギヤ対31〜36のうちいずれかの変速ギヤ対と噛合し、当該変速ギヤ対の変速比によって入力軸11と出力軸12とを接続させるようになっている。本実施の形態におけるシンクロメッシュ機構51〜53は、本発明に係る同期機構を構成する。
具体的には、いずれかのギヤピース41〜46が、シンクロメッシュ機構51〜53のいずれかによりシャフトに連結されることにより、ギヤピース41〜46が設けられた変速ギヤ対31〜36に対応した1速(1st)から6速(6th)のいずれかの変速段が形成されるようになっている。本実施の形態においては、例えば、ギヤピース41がシンクロメッシュ機構51によりシャフトに連結されると、1速(1st)の変速段が形成されるようになっている。
一方、いずれのギヤピース41〜46もシャフトに連結されていない場合には、変速機4はニュートラル状態となる。
後進ギヤ対37は、図示しないカウンタシャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛合わされるようになっている。後進ギヤ対37が後進用アイドル歯車と噛合わされることにより、後進変速段が形成されるようになっている。
シンクロメッシュ機構51〜53は、フォークシャフトを介して、ECU100により制御される図示しないアクチュエータにより作動させられる。なお、変速機4は、シンクロメッシュ機構51〜53をそれぞれ制御するための3つのフォークシャフトを有しているが、図1においては、シンクロメッシュ機構53を作動するフォークシャフト54のみを示している。また、本実施の形態では、フォークシャフトをアクチュエータで作動させるようにしているが、これに限らず、例えばリンク機構を介してシフトレバー8の操作に連動して作動させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、シンクロメッシュ機構51〜53は、キー式であってコーン摩擦面が1つのシングルコーン型のシンクロメッシュ機構により構成されている。なお、シンクロメッシュ機構51〜53は、シングルコーン型に限らず、ダブルコーン型やトリプルコーン型等、種々のシンクロメッシュ機構により構成されていてもよい。
また、出力軸12には、ファイナルギヤ55が一体回転可能に設けられている。このファイナルギヤ55は、リングギヤ56と噛み合うようになっている。出力軸12に所定の変速比で出力された回転は、ファイナルギヤ55およびリングギヤ56からなるギヤ対の終減速比によって減速された後、ディファレンシャルギヤ5に伝達されるようになっている。
ディファレンシャルギヤ5は、傘歯車式のものであり、一対のサイドギヤ5R、5Lを含んで構成されている。一対のサイドギヤ5R、5Lには、それぞれドライブシャフト6R、6Lがスプライン嵌合などによって連結されている。一対のサイドギヤ5R、5Lから出力されるトルクは、ドライブシャフト6R、6Lを介して左右の前輪(車輪)7R、7Lに伝達される。
ECU100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。
ECU100には、前述した燃料噴射弁23、点火装置25およびVVT26に加えて、シフトポジションセンサ101および車速センサ102が接続されている。シフトポジションセンサ101は、シフトレバー8の操作位置を検出し、検出結果に応じた信号をECU100に出力するようになっている。車速センサ102は、車両1の車速Vを検出し、検出結果に応じた信号をECU100に出力するようになっている。
ECU100は、変速機4の現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段にシフトレバー8が操作(以下、この操作をシフトレバー操作という)される、いわゆるスキップシフトがなされたことを条件として、エンジン2が発生するトルクをスキップシフトがなされる前のトルクよりも低下させるトルク低下制御を実行するようになっている。スキップシフトがなされたか否かは、現在の変速段を記憶しておき、この記憶された現在の変速段と、シフトレバー操作後のシフトポジションセンサ101の検出結果に応じた変速段とを比較することにより判定することができる。
トルク低下制御としては、エンジン2のトルクを低下させるトルク制御やエンジン2の回転数を低下させる回転数制御等が挙げられる。具体的には、ECU100は、上述のトルク制御において、スロットルアクチュエータ20を制御することによりスロットルバルブ21のスロットル開度を小さくしたり、VVT26を制御して点火時期を遅角させたり、あるいは燃料噴射弁23を制御して燃料噴射量を減少させる。これにより、エンジン2のトルクを低下させることが可能である。また、ECU100は、上述の回転数制御において、例えばスロットルバルブ21のスロットル開度を調整し、エンジン2内に取り込まれる吸入空気量の流量を少なくすることでエンジン回転数を低下させることができる。
また、ECU100は、上述のスキップシフトがなされたことを条件として、運転者に変速段のダウンシフトを指示するダウンシフト指示表示をGSI200に表示させるようになっている。本実施の形態におけるECU100およびGSI200は、本発明に係る変速指示手段を構成する。
さらに、ECU100は、上述したトルク低下制御の実行後に変速段のダウンシフトが実行されたこと、あるいはスキップシフトがなされた後(スキップシフト完了後)、所定時間経過したことを条件として、トルク低下制御の実行を解除するようになっている。ダウンシフトが実行されたか否かは、シフトポジションセンサ101の検出結果に基づき判定することができる。
GSI200は、運転席近傍に配置されたメータ表示ユニット上に設けられている。GSI200は、ECU100に接続されており、ECU100からの信号に応じて変速機4の変速段の変更を指示する指示表示を表示するようになっている。
次に、図2(a)、(b)を参照して、シンクロメッシュ機構51〜53の詳細について、シンクロメッシュ機構52を例に説明する。
図2に示すように、シンクロメッシュ機構52は、スリーブ70と、シンクロナイザキー71と、キースプリング72と、シンクロナイザリング73と、を有している。また、シンクロメッシュ機構52は、3速ギヤ対33のうち、入力軸11(図1参照)に対して空転可能な入力側ギヤ74に、テーパ状のコーン部75を有している。
スリーブ70は、図示しないシンクロナイザハブの外周側に相対回転不能、かつ軸心方向に相対移動可能にスプライン嵌合されている。また、スリーブ70は、外周溝にフォークシャフト(図示せず)が係合されるようになっており、フォークシャフトが図1において右方向に移動すると、スリーブ70がギヤピース43の方向にシフトするようになっている。
また、スリーブ70の内周面には、ギヤピース43の外周噛合歯78と噛み合うためのスプライン76が形成されている。
シンクロナイザキー71は、キースプリング72によってスリーブ70に係合するよう付勢されている。したがって、スリーブ70とシンクロナイザキー71とは、図示しないシンクロナイザハブとともに、入力軸11(図1参照)と一体的に回転するようになっている。
シンクロナイザリング73は、入力側ギヤ74とシンクロナイザキー71との間に設けられている。シンクロナイザリング73には、シンクロナイザキー71が係合される溝が形成されており、シンクロナイザリング73とシンクロナイザキー71とがともに回転するようになっている。
スリーブ70が図2(a)において図中、矢印で示すように右方向へシフトさせられると、シンクロナイザキー71がスリーブ70とともにシフトさせられる。このシンクロナイザキー71のシフトにより、シンクロナイザリング73がコーン部75に押圧され、コーン部75のコーン摩擦面75aに摩擦接触する。
シンクロナイザリング73とコーン部75とが摩擦接触させられると、シンクロナイザリング73とコーン部75との間の摩擦により、シンクロナイザリング73と入力側ギヤ74とがある程度スリップした状態で、入力軸11(図1参照)と入力側ギヤ74との間で動力の伝達が行われるようになる。その結果、入力軸11の回転数と入力側ギヤ74の回転数とが次第に等しくなり、同期するようになる。
入力側ギヤ74は、3速ギヤ対33を構成するギヤのうち、出力軸12(図1参照)に一体的に設けられたギヤと常に噛み合っている。したがって、入力軸11(図1参照)の回転と入力側ギヤ74の回転とが同期した場合には、入力軸11の回転と出力軸12の回転も同期する。
スリーブ70がさらに右方向へシフトさせられると、図2(b)に示すように、スリーブ70のスプライン76が、シンクロナイザリング73のスプライン77およびギヤピース43の外周噛合歯78と噛合するようになっている。スプライン76が、外周噛合歯78と噛合すると、入力軸11と出力軸12とが連結されて、入力軸11から出力軸12に3速ギヤ対33を介して動力が伝達されるようになる。
ここで、シンクロメッシュ機構52における同期は、換言すれば、それぞれ異なる回転数で回転している入力軸側と出力軸側の角速度差を吸収しているといえる。したがって、この同期が行われることで、特にシンクロナイザリング73とコーン部75との間で摩擦により摩耗が生じる。以下においては、このような摩耗をシンクロ摩耗といい、摩耗の程度を表す摩耗量をシンクロ摩耗量という。
このシンクロ摩耗量は、次に示すシンクロメッシュ機構52の仕事量Eと相関がある。仕事量Eは、変速機4の入力軸側の慣性モーメントをI、入力軸側と出力軸側の角速度差をωとしたとき、次式(1)で示される。
Figure 0005838829
したがって、上記式(1)によれば、変速機4の現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段にシフトレバー操作されるスキップシフトがなされると、入力軸側と出力軸側の角速度差ωが大きくなるため、仕事量Eが増加することとなる。仕事量Eが増加すると、これに伴ってシンクロ摩耗量も大きくなる。このようにシンクロ摩耗量は、角速度差ωが大きくなるほど大きくなるため、スキップシフト時の角速度差ωを小さくすることができれば、シンクロ摩耗量を小さくすることができる。
スキップシフトは、アップシフトであるから変速機4における変速比を大きい変速比から小さい変速比に変更することになる。このため、エンジン2のトルクをなんら制御しないとすれば、スキップシフトされた場合、入力軸側の回転と出力軸側の回転とはスキップシフト前の大きな変速比による関係のままとなる。したがって、当然、入力軸側と出力軸側との角速度差ωも大きくなってしまう。
そこで、本実施の形態では、スキップシフト時の角速度差ωを小さくするために、ECU100によって上述したトルク低下制御を実行して入力軸側の回転を低下させることにより、入力軸側の回転を出力軸側の回転に近づけるようにした。これにより、スキップシフト時の角速度差ωを小さくすることが可能となる。角速度差ωが小さくなることにより、スキップシフト時の変速ショック等の運転者に与える違和感も緩和することができる。また、角速度差ωが大きいと、シンクロ摩耗量が大きくなるのに加えて、場合によってはスリーブ70やシンクロナイザリング73等の構成部材に過度の負荷がかかることとなるが、本実施の形態によれば、このような過度の負荷も抑制することができる。
次に、図3を参照して、ECU100により実行されるトルク低下制御について説明する。図3に示すトルク低下制御の処理フローは、車両1の走行中に所定の時間間隔で実行される。
図3に示すように、まず、ECU100は、車両1の車速Vが0(V=0)か否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ECU100は、車両1が停止中であるか否かを判定する。ECU100は、車速Vが0(V=0)であると判定した場合には、車両1が停止中であると判定して再度ステップS1を実行する。車速Vは、車速センサ102から取得する。
一方、ECU100は、車速Vが0(V=0)でないと判定した場合には、車両1が走行中であると判定して現在の変速段NをRAM等に記録する(ステップS2)。現在の変速段Nは、シフトポジションセンサ101の検出結果に基づき判断される。
次いで、ECU100は、シフトレバー操作による変速段の変更先が変速段N+2段以上であるか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、ECU100は、シフトレバー操作によってスキップシフトがなされたか否かを判定する。ECU100は、変速段の変更先が変速段N+2段以上でないと判定した場合には、ステップS1に戻り、再度ステップS1以降の処理を繰り返す。
一方、変速段の変更先が変速段N+2段以上であると判定した場合には、スキップシフトに該当するため、エンジン2のトルク低下制御を実行するとともに、GSI200にダウンシフト指示表示を表示させる(ステップS4)。トルク低下制御としては、上述した通り、例えばトルク制御や回転数制御を実行することができる。また、ダウンシフト指示表示としては、例えば図4(a)や図4(b)に示すような表示態様を用いることができる。図4(a)に示す例では、スキップシフトが禁止である旨を強調するべく、スキップシフト禁止の表示を点滅させるようにしてもよい。図4(b)に示す例では、スキップシフトの対象とされる変速段へのアップシフトの禁止が容易に認識できるとともに、推奨される1段上位の変速段へのアップシフトを容易に認識することが可能である。また、図4(a)、(b)に示したダウンシフト指示表示は、一例であってこれに限定されるものではなく、運転者にスキップシフトの禁止やダウンシフト指示を認識させることが可能な種々の表示態様を用いることができる。
次いで、ECU100は、シフトポジションセンサ101の検出結果に基づき、運転者によりダウンシフトが実行されたか否かを判定する(ステップS5)。ECU100は、ダウンシフトが実行されたと判定した場合には、ステップS4で実行されたトルク低下制御の実行を解除するとともに、ステップS4で表示されたダウンシフト表示を消灯させて(ステップS6)、本処理を終了する。
他方、ECU100は、ダウンシフトが実行されていないと判定した場合には、スキップシフト完了から所定時間(例えば、2秒程度)経過したことを条件にステップS6に移行する(ステップS7)。
以上のように、本実施の形態に係るECU100は、現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段にシフトレバー操作されるスキップシフトがなされたことを条件として、エンジン2のトルクをスキップシフトがなされる前のトルクよりも低下させるトルク低下制御を実行する。このため、スキップシフト時にシンクロメッシュ機構51〜53によって同期が図られる入力軸側の回転と出力軸側の回転との差を小さくすることができる。これにより、スキップシフトがなされた場合であっても、入力軸側の回転と出力軸側の回転との差に起因してシンクロメッシュ機構51〜53にかかる負荷を軽減することができるとともに、シンクロメッシュ機構51〜53におけるシンクロ摩耗を抑制することができる。したがって、本実施の形態に係るECU100は、従来と比較してシンクロメッシュ機構51〜53の耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るECU100は、スキップシフトがなされたことを条件としてGSI200を介して運転者に変速段のダウンシフトを指示するので、スキップシフトが禁止されていることを運転者に容易に認識させることができる。これにより、スキップシフトがなされることを抑制することができる。
また、本実施の形態に係るECU100は、トルク低下制御の実行後にダウンシフトが実行されたこと、あるいはスキップシフト完了後、所定時間経過したことを条件にトルク低下制御の実行を解除するので、トルク低下制御が必要以上に継続されることを防止することができる。
さらに、本実施の形態に係るECU100は、上述したトルク低下制御によりスキップシフトによるシンクロメッシュ機構51〜53のシンクロ摩耗を抑制することができる。このため、シンクロメッシュ機構51〜53として、ダブルコーン型やトリプルコーン型のマルチシンクロメッシュ機構に比べて同期容量の小さなシングルコーン型のシンクロメッシュ機構を用いることができる。
シングルコーン型のシンクロメッシュ機構は、図5に示すように、マルチシンクロメッシュ機構と比較してその耐久基準が低い。具体的には、シングルコーン型のシンクロメッシュ機構を用いた場合、例えば4速(4th)から6速(6th)、3速(3rd)から6速(6th)あるいは2速(2nd)から6速(6th)にスキップシフトがなされると、そのときのシンクロ摩耗量がシングルコーン型のシンクロメッシュ機構の耐久基準を超えてしまい、耐久性低下の要因となり得る。これに対し、マルチシンクロメッシュ機構は、その耐久基準がシングルコーン型のシンクロメッシュ機構よりも拡大されているため、上述のようなスキップシフトがなされてもシンクロ摩耗量を耐久基準内に抑えることが可能な場合もある(図5の例)。しかしながら、マルチシンクロメッシュ機構は、構成が複雑でコスト面での負担も大きい。
そこで、本実施の形態のように、スキップシフト時にトルク低下制御を実行し角速度差ωを小さくすることにより、シングルコーン型のシンクロメッシュ機構であってもシンクロ摩耗量を耐久基準内に抑えることが可能となる。また、シングルコーン型のシンクロメッシュ機構は、マルチシンクロメッシュ機構よりも構成が簡素で安価である。
したがって、本実施の形態に係るECU100は、シングルコーン型のシンクロメッシュ機構を用いることが可能となる。したがって、シンクロメッシュ機構51〜53の構成を簡略化することができ、コスト低減を図ることができる。
なお、例えば入力軸側の慣性モーメントIが大きければ、マルチシンクロメッシュ機構であっても、シンクロ摩耗量が耐久基準を超えることはある。したがって、本実施の形態に係るECU100は、マルチシンクロメッシュ機構を備える変速機を搭載した車両への適用も有効である。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関制御装置は、従来と比較してシンクロメッシュ機構の耐久性を向上させることができ、同期噛合式の変速機を搭載した車両に用いられる内燃機関制御装置に有用である。
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
4 変速機(手動変速機)
8 シフトレバー
11 入力軸
12 出力軸
31、32、33、34、35、36 変速ギヤ対(ギヤ対)
51〜53 シンクロメッシュ機構(同期機構)
75a コーン摩擦面
100 ECU(内燃機関制御装置、変速指示手段)
101 シフトポジションセンサ
200 GSI(変速指示手段)

Claims (3)

  1. 車輪を駆動するトルクを発生する内燃機関と、運転者のシフトレバー操作によって所定の変速段を成立させる手動変速機とを備え、前記手動変速機が、入力軸の回転をそれぞれの変速比で出力軸に伝達可能な複数のギヤ対と、前記複数のギヤ対のうちのいずれかのギヤ対と噛合し当該ギヤ対の変速比によって前記入力軸と前記出力軸とを接続させる複数の同期機構とを有する車両に用いられる内燃機関制御装置であって、
    現在の変速段に対して少なくとも2段以上高い変速段に前記シフトレバー操作されるスキップシフトがなされたことを条件として、前記内燃機関が発生するトルクを前記スキップシフトがなされる前の前記トルクよりも低下させるトルク低下制御を実行し、
    前記車両は、前記手動変速機の変速段の変更を指示する変速指示手段を備え、
    前記変速指示手段は、前記スキップシフトがなされたことを条件として運転者に変速段のダウンシフトを指示することを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記トルク低下制御の実行後に変速段のダウンシフトが実行されたこと、あるいは前記スキップシフトがなされた後、所定時間経過したことを条件として、前記トルク低下制御の実行を解除することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記同期機構は、コーン摩擦面が1つのシングルコーン型の同期機構であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関制御装置。
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