JP5837034B2 - 車両ドアミラー対 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前提部分に基づく、運転席側ドアミラー及び助手席側ドアミラーを備える車両ドアミラー対に関する。さらに本発明は、この種の車両ドアミラー対を備える車両にも関する。

特許文献１から運転席側ドアミラー及び助手席側ドアミラーを備える業界標準の車両ドアミラー対が知られている。この場合、これらの車両ドアミラーのそれぞれは、ミラーベースと、このミラーベースに旋回可能に取り付けられているミラーハウジングとを有し、このハウジン内には調整可能なミラーガラスが配置されている。ミラーベースとミラーハウジングとの間にはそれぞれ調整装置が設けられており、この調整装置は、２つの異なる旋回位置にミラーハウジングを調整することができるため、この車両ドアミラーは、右ハンドル車でも左ハンドル車でも使用することができる。運転席側及び助手席側車両ドアミラーの左右対称な形態により、気流が左右対称になり、それによってより扱いやすい気流状態が得られるが、同時に軽視できない視野の制限が生じる。

独国実用新案第８５３３０５７Ｕ１号明細書

本発明は、業界標準の車両ドアミラー対について、視野の改善と気流状態の向上とを特徴とする、改善された実施形態又は少なくとも代替の実施形態を提供するという問題と取り組んでいる。

この問題は、本発明に基づき、独立請求項の対象によって解決される。

本発明は、運転席側及び助手席側車両ドアミラーを、正面から見て左右対称に、上から見て左右非対称に形成するという基本的な考え方に基づいている。左右対称な正面の外観により、両方の車両ドアミラーで同一の気流が生じ、それによって気流状態を簡単に制御することができ、これに対し、上から見た両方の車両ドアミラーの形態は左右非対称であることから、視野を改善することができる。この場合、これらの車両ドアミラーのそれぞれは、ミラーベースと、このミラーベースに旋回可能に取り付けられているミラーハウジングとを有し、このハウジング内には調整可能なミラーガラスが配置されている。両方の車両ドアミラーのミラーハウジングは、この場合、本発明に基づき左右対称に形成されているため、上述したように同一の気流状態が生じることから、気流の状態を簡単に制御することができ、両方のミラーハウジングの裏面には、ミラーガラスをはめ込んだカバーがそれぞれ配置され、このカバーは、両方の車両ドアミラーにおいて異なっており、特に左右非対称に形成されている。従って、両方の車両ドアミラーにおける気流の衝突面は左右対称であり、同一であることから、特に、これまで左右非対称に形成された車両ドアミラーにおいて生じていた、不快な風切り音ならびに汚れの付着を軽減することができる。これに対し、左右非対称に形成されたカバーにより、運転者の助手席側車両ドアミラーの視野は改善し、それによって走行安全性も全体的に向上する。従って、本発明に基づく車両ドアミラー対は、気流に関して従来技術から知られている、完全に左右対称な車両ドアミラーの利点と、視野に関して従来技術から知られている、左右非対称な車両ドアミラーの利点とが組み合わされている。さらに、この車両ドアミラーは、カバーの簡単な交換によって左ハンドル車又は右ハンドル車に容易に適合できるという大きな利点がある。

本発明に基づく解決方法の有利な発展形態では、運転席側のカバーが一定の厚さを有しているのに対し、助手席側カバーは円錐形に形成されている。この円錐形のカバーは、車両から離れるに従って厚さが増加しているため、助手席側車両ドアミラーの運転者の視野範囲が広くなる。さらに、本発明に基づいて左右非対称に形成されているカバーは視覚的に目立たないため、気流への対応と視界とが明らかに改善されている車両の外観上の印象を左右対称なものにすることができる。

本発明のその他の重要な特徴及び利点は、図、及びそれらの図に基づく関連する説明に示されている。

前述した特徴及び以下に説明する特徴は、本発明の範囲内において、それぞれに示された特徴の組合せだけではなく、その他の組合せ又は単独でも適用可能であることは自明である。

本発明の有利な実施例がそれらの図の中に示されており、以下の説明においてその実施例を詳細に述べる。この場合、同一又は同様の構成部品又は機能の同じ構成部品には同一の記号が付されている。

本発明に基づく車両ドアミラー対の正面図である。 本発明に基づく車両ドアミラー対を上から見た図である。

図１及び２に従って、本発明に基づく車両ドアミラー対１は、それぞれ運転席側車両ドアミラー２ならびに助手席側車両ドアミラー３を有している。この場合、言及した車両ドアミラー２、３のそれぞれは、ミラーベース４、４’と、このミラーベースに配置されているミラーハウジング５、５’とを備え、このハウジン内には調整可能なミラーガラス（図示されていない）が配置されている。本発明に基づき、両方の車両ドアミラー２、３の両方のミラーハウジング５、５’は、特に図１から明らかなように、左右対称に形成されているため、同一の気流状態が生じることから、気流の状態を簡単に制御することができる。両方のミラーハウジング５、５’の裏面には、ミラーガラスをはめ込んだカバー６、６’がそれぞれ配置されているが、運転席側車両ドアミラー２のカバー６は、助手席側車両ドアミラー３のカバー６’に対し左右非対称に形成されている（図２を参照）。両方のカバー６、６’の左右非対称な形態により、本発明に基づく車両ドアミラー対１を装備した車両の運転者は、助手席側ドアミラー３の視野が改善されることから車両の周辺をより良く把握することができるため、走行安全性が向上する。

図２を見ると、運転席側のカバー６が実質的に一定の厚さを有しているのに対し、助手席側カバー６’は円錐形に形成されていることが分かる。このことから異なる角度ＸとＹとが生じ、角度Ｙは角度Ｘよりも大きい。このことから、左右対称なカバーを使用した場合の、角度Ｙと角度Ｘとが等しいバリエーションと比べ、車両の運転者にとって助手席側ドアミラー３の視野が改善される。

さらに、本発明に基づく車両ドアミラー対１は、該当するカバー６、６’をそれぞれの車両ドアミラー２、３に配置することにより、左ハンドル車又は右ハンドル車に簡単に適合させることができる。従って、右ハンドル車の場合は、図２において運転席側として表示されている車両ドアミラー２のミラーハウジング５には左右逆バージョンのカバー６’を取り付けなければならない。従って、本発明に基づく車両ドアミラー対１を用いて、ミラーハウジング５、５’が左右対称であることにより左右同一の気流が発生し、それによって風洞の調整作業を明らかに軽減することができる。左右対称に形成されたミラーハウジング５、５’は、左右非対称に形成されたミラーハウジングの場合に発生するおそれのあるノイズのレベルも軽減する。同時に、左右非対称に形成されたカバー６、６’により、視野の遮蔽又は自己遮蔽（特にハウジング部品）がより少なくなり、この場合、両方のカバー６、６’は異なる傾斜断面を有している。

１ 車両ドアミラー対
２ 運転席側車両ドアミラー
３ 助手席側車両ドアミラー
４、４’ ミラーベース
５、５’ ミラーハウジング
６、６’ カバー
Ｘ、Ｙ 角度

Claims (2)

1. ミラーベース（４、４’）と、該ミラーベースに旋回可能に取り付けられているミラーハウジング（５、５’）とを有し、該ハウジング内には調整可能なミラーガラスが配置されている、運転席側車両ドアミラー（２）と助手席側車両ドアミラー（３）とを備える車両ドアミラー対（１）であって、
   同一の気流状態が生じるように、両方の前記車両ドアミラー（２、３）の前記ミラーハウジング（５、５’）は左右対称に形成され、
   両方の前記ミラーハウジング（５、５’）の裏面には前記ミラーガラスをはめ込んだカバー（６、６’）がそれぞれ配置され、前記運転席側車両ドアミラー（２）の前記カバー（６）の形状は、前記助手席側車両ドアミラー（３）の前記カバー（６’）の形状に対し左右非対称に形成され、
   運転席側の前記カバー（６）の形状が、前記ミラーハウジング（５）の裏面に対して一定の厚さを有しているのに対し、助手席側の前記カバー（６’）の形状は、車両から離れるに従って厚さが増加している、
   ことを特徴とする、車両ドアミラー対。
2. 請求項１に記載の車両ドアミラー対（１）を備える車両。

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