JP2004196219A - アウターミラー - Google Patents
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Abstract
【課題】サイドウィンドウに付着した水滴を除去する構成を備えたアウターミラーであって、ミラーベースの強度を低下させることなく、デザイン的にも制約を受けず、大衆車両に適用することを可能とするアウターミラーを提供することを目的とする。
【解決手段】自動車の車体Aの側面からその側方に向かって張り出すミラーベース10と、後方視認用のミラー23bが装着され、車体Aとの間に間隙Sを形成してミラーベース10に吊設されたミラーハウジング20と、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去するためのスポイラー30とを含むことを特徴とするアウターミラー。
【選択図】 図5
【解決手段】自動車の車体Aの側面からその側方に向かって張り出すミラーベース10と、後方視認用のミラー23bが装着され、車体Aとの間に間隙Sを形成してミラーベース10に吊設されたミラーハウジング20と、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去するためのスポイラー30とを含むことを特徴とするアウターミラー。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上吊り式のアウターミラーに関し、詳細には、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを備えた上吊り式のアウターミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アウターミラーに付着した水滴を水膜状に拡散させ、雨天時の視界向上を図った親水ミラーを装着した車両が増加している。そして、このような車両のアウターミラーに映った像をより見やすくするため、一部の高級車においては、サイドウィンドウに付着した水滴を吹き飛ばす撥水処理を施している。
しかしながら、コスト面等の観点から、サイドウィンドウの撥水処理を大衆車に普及するまでには至っていないのが現状である。
【0003】
そこで、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するための構成を備えた種々のアウターミラーが提案されている。
例えば、ミラーベースに通風ダクトや凹部を設け、走行風によってサイドウィンドウの水滴を防止する構成が知られている(特許文献1参照。)。
また、ステータイプのアウターミラーにおいて、ステーを覆う形状のカバーをミラーハウジングに取り付け、走行風によりサイドウィンドウの水滴付着を防止する構成も知られている(特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−994号公報
([0012]−[0021],図1−図4)
【特許文献2】
特開平8−99581号公報
([0010]−[0016],図1−図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された構成においては、ミラーベースを貫通する通風ダクトや凹部を設けているため、ミラーベースの強度が低くなるとともに、デザイン的に制約を受けるという問題点があった。
また、特許文献2に開示された構成は、大型バスやトラック等の大型車両に適用されるミラーに関するものであり、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両に適用することは不可能であった。
【0006】
そこで、本発明は、サイドウィンドウに付着した水滴を除去する構成を備えたアウターミラーであって、ミラーベースの強度を低下させることなく、デザイン的にも制約を受けず、大衆車両に適用することを可能とするアウターミラーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のアウターミラーは、自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースと、後方視認用のミラーが装着され、前記車体との間に間隙を形成して前記ミラーベースに吊設されたミラーハウジングと、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーとを含むことを特徴とする。
【0008】
このようなアウターミラーによると、車体との間に間隙を形成してミラーハウジングがミラーベースに吊設されるので、サイドウィンドウに走行風を導くためのダクトや凹部をミラーベースやミラーハウジングに設ける必要がなくなる。また、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けたことにより、撥水処理を施すことなくサイドウィンドウの水滴を除去することができる。
従って、ミラーベースの強度の低下や、アウターミラーがデザイン的に制約を受けることがなくなる。
さらに、自動車の車体の側面から張り出したミラーベースに吊設してミラーハウジングを設けたことにより、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両にも適用することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、前記ミラーベース又は前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする。
【0010】
このようなアウターミラーによると、アウターミラー後方のサイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、前記ミラーベース及び前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする。
【0012】
このようなアウターミラーによると、ミラーベース及びミラーハウジングの両方にスポイラーを設けたことにより、より効率的にサイドウィンドウに付着した水滴を除去することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、車体に取り付けられたことを特徴とする。
【0014】
このようなアウターミラーにおいては、車体にスポイラーを取り付けたことにより、車体の側面に沿って流れる走行風を効率的にサイドウィンドウに導くことが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、後付け可能であることを特徴とする。
【0016】
このようなアウターミラーによると、スポイラーを後付けできるので、既存の車両に適用することで、サイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
初めに、図1乃至図4を参照して、自動車の車体の側面から張り出すミラーベースと、このミラーベースに吊設され、後方視認用のミラーが装着されるミラーハウジングとからなるアウターミラーについて詳述する。
なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、「前後」,「左右」,「上下」は、アウターミラーを車体に取り付けた状態を基準とする。
【0018】
図1はアウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図、図2は図1におけるアウターミラーの拡大斜視図、図3は図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。図4はアウターミラーのミラーベースが車体の三角コーナー部に取り付けられる例を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、アウターミラーは、自動車の車体Aの側面からその側方に向かって張り出すミラーベース10と、ミラー23bが装着されたミラーハウジング20とを備え、ミラーハウジング20を車体Aとの間で間隙Sを形成してミラーベース10に吊設した上吊り式アウターミラーとして構成される。ミラーベース10は、車体AのフロントウィンドウWの脇に設けられたピラーPに固定され、ミラーハウジング20が後述する駆動ユニットによりミラーベース10に対して略垂直軸回りに回動することで、格納と使用位置への復帰とが行われる。また、ミラーハウジング20の車体側の側方は間隙Sによって広く空いた状態となっており、これが自動車走行時の走行風の流路となっている。なお、アウターミラーは、フロントウィンドウWの両脇のピラーP,Pに一対に取り付けられる。また、ここで言うピラーPには、上述したフロントウィンドウWの両脇に接しているピラーPの他に、サイドウィンドウSWのウィンドウ枠の前部を構成している窓ピラーも含まれる。
このように、本実施形態のアウターミラーは、車体AのフロントウィンドウWの両脇に設けられたピラーP,Pに取り付けられているので、サイドウィンドウSWの前端下部の三角コーナー部Cが塞がれなくなり、三角コーナー部Cを通じて運転席から車体側方を見ることができる。従って、車体側方の死角が減少されることとなり、車両側方の視認性を高めることができる。
【0019】
以下、各部について説明する。図3に示すように、ミラーベース10は、合成樹脂製のベース本体11とカバー12とからなり、その外形は略流線形に形成されている。また、ミラーベース10は、ベース本体11にカバー12が被せられた状態で、その内部には、GPS(Global Positioning System)等に使用されるアンテナ13やワイヤーハーネス24c等が組み込まれる広い空間が形成される。カバー12は、図示しないパッキン等を介してベース本体11に被せられ、2本のねじ12aによりベース本体11に固定されるようになっており、ミラーベース10は水や塵埃等が内部に侵入しにくい構造となっている。
このようなミラーベース10は、ベース本体11の端部11aに形成されたネジ部11bを車体AのピラーPに形成された取付孔P1に挿通するとともに、端部11aに形成された突部11cをピラーPに形成された位置決め用孔P2に挿入して、ピラーPの背面側からネジ部11bに固定用ナット11dを螺合させて締め付けることにより、ピラーPから車体側方に張り出した状態に取り付けられる。なお、ミラーベース10は上述した螺合による固定によらず、接着剤等を用いた接着手段によってもピラーPに固定可能である。
【0020】
ミラーハウジング20は、一体的に構成されたサブアッセンブリ25と、下ハウジング26とから構成されている。サブアッセンブリ25は、フレーム21と、このフレーム21に対して取り付けられる、上ハウジング22、ミラーアッセンブリ23、および駆動ユニット24により構成される。ミラーハウジング20は、このような一体的なサブアッセンブリ25に、図3において下方向から下ハウジング26が被せられ、これが上ハウジング22に固定されることによって組み立てられる。なお、フレーム21、上ハウジング22、下ハウジング26はいずれも、剛性の高い合成樹脂材で形成される。
【0021】
上ハウジング22の上面には、孔22aが開口形成されており、この孔22aに、ミラーハウジング20の回動支軸となるシャフト24aに連結されたフランジ部24bが臨ませてある。ミラーアッセンブリ23は、フレーム21に固定された鏡面調整用のアクチュエータ23aにミラー23b(図3においては背面側を図示。)が装着されており、アクチュエータ23aの駆動によりミラー23bが上下方向および左右方向に傾動自在に調整される。駆動ユニット24は、図示しない駆動モータ、変速機構等をその内部に備え、その駆動がシャフト24aに伝達されるようになっている。この駆動ユニット24および上記アクチュエータ23aからのワイヤーハーネス24cは、シャフト24aを通してフランジ部24bの中央部に引き出されている。下ハウジング26は、上述のようにサブアッセンブリ25に下方向から被せられ、3本のねじ22c,22c,22cにより上ハウジング22に固定される。下ハウジング26は、ミラー23bに対向する部分が開口形成されており、上ハウジング22に固定された状態で、この開口部26aにミラー23bの鏡面が傾動可能に臨むようになっている。
このような構成よりなるミラーハウジング20は、ミラーベース10のベース本体11に設けられた孔11eに、ワイヤーハーネス24cを通してフランジ部24bをミラーベース10の底面に当接させ、ねじ11g,11gをねじ孔11f,11fからねじ孔24d,24dに通して、これを締め付けることにより、ミラーベース10に取り付けられる。なお、ワイヤーハーネス24cは、ミラーベース10内から端部11aのねじ部11bを通じてピラーP内に引き出され、図示しない車体側のワイヤーハーネスと電気的に接続されるようになっており、これにより、ミラーハウジング20の格納や使用位置への復帰操作、ミラー23bの傾動操作が、運転席回りに配置された図示しないコントロールユニットにより行われるようになっている。すなわち、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラーハウジング20の格納あるいは使用位置への復帰操作をすると、駆動ユニット24内の図示しない駆動モータが回転し、変速機構等を介してその駆動がシャフト24aに伝達され、ミラーハウジング20がシャフト24aを中心として、駆動モータの回転方向に合わせて回動する。これにより、ミラーハウジング20が格納あるいは使用位置へ復帰する。また、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラー調整の操作をすると、アクチュエータ23a内に収納された図示しない調整モータが駆動されて、ミラー23bが上下方向、左右方向に傾動し、ミラー23bの位置調整が行われる。
【0022】
なお、ミラーベース10は、車体AのピラーPに取り付けるものに限らず、例えば図4に示すように、ベース本体11’が、取付板15と一体に成形されたものであってもよい。この場合、取付板15を三角コーナー部C等に設けた固定座S11に対して固定することで、アウターミラーが車体Aに取り付けられる。
【0023】
次に、上述したアウターミラーに、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けた例を説明する。なお、以下に示す例では、アウターミラーが車体AのピラーPに取り付けられるものとして説明する。
図5は、ミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けたアウターミラーを示す斜視図である。
【0024】
同図に示すように、スポイラー30は、ミラーハウジング20の内側部20aと一体式に形成されている。スポイラー30は、ミラーハウジング20と同様に、剛性の高い合成樹脂材で形成される。
車両が走行すると、走行にともなう走行風がミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通って、矢印に示すように、車体Aの側面に沿って後方に流れる。
【0025】
スポイラー30をミラーハウジング20と一体式に形成する代わりに、図6に示すように、ミラーハウジング20に後付けするスポイラー30A又は30Bとすることも可能である。
スポイラー30Aは、図6(a)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aに両面テープ又は接着剤31によって固定され、スポイラー30Bは、図6(b)に示すように、固定用ネジ32,32によって、ミラーハウジング20の内側部20aに固定される。
このように、スポイラー30A,30Bを後付け可能とすることで、車両に取り付けられた既存の上吊り式アウターミラーに適用することができる。
【0026】
また、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができるスポイラーであれば、ミラーハウジング20に取り付けられたものに限らず、ミラーベース10Aに一体式又は後付け可能に設けるスポイラー30C(図7参照)や、車体Aに設けるスポイラー30D(図8(c)参照)とすることもできる。
【0027】
図7は、ミラーベースにスポイラーを設けた例を示す背面図である。
同図に示すように、ミラーベース10Aは、ピラーPとの接触面積を大きく取り、車体Aとの取り付け強度を向上させるため、垂直断面が略L字形の外形を呈している。そして、ミラーベース10Aの基端部と一体式又は後付け可能に、スポイラー30Cが設けられている。スポイラー30Cは、ミラーハウジング20とミラーベース10Aとの間に形成された間隙S1内に、緩やかな曲線を描くようにミラーベース10Aから若干突出して設けられる。
スポイラー30Cを後付け式とする場合、上述したスポイラー30Aや30Bと同様に、両面テープ、接着剤、固定用ネジ等によって、スポイラー30Cをミラーベース10Aの基端部に固定する。
また、上述したミラーベース10Aに設けるスポイラー30Cに限らず、例えば、ミラーベース10から突出する羽根(図示せず)によって、走行風をサイドウィンドウSWに導くものであっても良い。
【0028】
図8(c)に示すように、車体Aに設けるスポイラー30Dは、ミラーハウジング20の内側部20aと対向する位置にあたる車体Aの側面に、緩やかな曲線を描く水平断面を有する部材が両面テープや接着剤等で固定されることで構成される。
【0029】
以上に述べたスポイラー30,30A,30B,30C,30Dは、適宜組み合わせて用いることもできる。例えば、ミラーハウジング20に設けたスポイラー30と、車体Aに設けたスポイラー30Dの組み合わせ、又はミラーハウジング20に設けたスポイラー30と、ミラーベース10又は10Aに設けたスポイラー30Cの組み合わせ等が可能である。
【0030】
次に、図8を参照して、上述したスポイラー30,30C,30Dを備えたアウターミラーの周囲を、車両の走行にともなう走行風が流れる状態を説明する。
図8は、車両の走行にともなう走行風の流れを説明する説明図であり、(a)はスポイラーを設けない上吊り式アウターミラーに流れる走行風を説明する概略上面図、(b)はミラーハウジング20の内側部20aにスポイラー30を設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図、(c)はミラーハウジング20の内側部20aとミラーベース10Aの基端部(又は車体A)にそれぞれスポイラー30,30C(又は30D)を設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図である。
【0031】
図8(a)に示すように、上吊り式アウターミラーにスポイラーを設けていない場合、車両の走行にともなって発生する走行風は、ミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通った後、ミラー23bの鏡面を巻き込むように流れる空気の流れ、車体Aから反れた方向に流れる空気の流れを含むため、効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することはできない。
これに対して、図8(b)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aにスポイラー30を設けた場合、ミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通る走行風を、サイドウィンドウSW側に導くことができるので、効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができる。
さらに、図8(c)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aに設けたスポイラー30に加えて、ミラーベース10Aの基端部にスポイラー30Cを設けた場合(又はミラーハウジング20の内側部20aと対向する位置にあたる車体Aの側面にスポイラー30Dを設けた場合)、両スポイラー30及び30C(又は30D)の間に形成された狭い間隙S1(又はS)を流れる走行風を強制的にサイドウィンドウSW側に配向させることができるので、より効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができる。
【0032】
以上に述べたアウターミラーによると、ミラーベース10,10Aを貫通する通風ダクトや凹部を設けていないので、ミラーベース10,10Aの強度低下やデザイン的に制約を受けるという問題を解消することができる。また、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両に適用することも可能である。
【0033】
さらに、以上に述べたアウターミラーによると、ミラーハウジング20と車体Aの間に形成された間隙Sにスポイラー30,30A,30B,30C又は30Dを設けたことにより、高価な撥水処理をサイドウィンドウSWに施すことなく、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができるので、アウターミラーに映った像が見やすくなり、安全性を向上させることができる。
また、スポイラー30,30A,30B,30C又は30Dによって、ミラーハウジング20と車体Aとの間の間隙Sを流れる空気が整流されるので、アウターミラーのビビリが抑制され、風切音が良くなる。
【0034】
また、ミラーハウジング20の内側部20aに、車体前部の死角を写すサブミラーを設けた場合にも、サブミラーに付着した水滴が除去されやすくなるので、アウターミラーの快適な視界を確保することが可能となり、安全性を向上させることができる。
さらに、サイドウィンドウSW及びサブミラーに水滴が残留しにくくなるので、水滴が乾いた後の水跡(汚れ)が残りにくく、雨天後も快適な視界が確保され、安全性を向上させることができる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について述べたが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、様々に変形又は変更することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、車体との間に間隙を形成してミラーハウジングがミラーベースに吊設されるので、サイドウィンドウに走行風を導くためのダクトや凹部をミラーベースに設ける必要がなくなる。また、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けたことにより、撥水処理を施すことなくサイドウィンドウの水滴を除去することができる。
従って、ミラーベースの強度の低下や、アウターミラーがデザイン的に制約を受けることがなくなる。
さらに、自動車の車体の側面から張り出したミラーベースに吊設してミラーハウジングを設けたことにより、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両にも適用することが可能となる。
【0037】
請求項2に係る発明によれば、アウターミラー後方のサイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することができる。
【0038】
請求項3に係る発明によれば、ミラーベース及びミラーハウジングの両方にスポイラーを設けたことにより、より効率的にサイドウィンドウに付着した水滴を除去することができる。
【0039】
請求項4に係る発明によれば、車体にスポイラーを取り付けたことにより、車体の側面に沿って流れる走行風を効率的にサイドウィンドウに導くことが可能となる。
【0040】
請求項5に係る発明によれば、スポイラーを後付けできるので、既存の車両に適用することで、サイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図である。
【図2】図1におけるアウターミラーの拡大斜視図である。
【図3】図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。
【図4】アウターミラーのミラーベースが車体の三角コーナー部に取り付けられる例を示す斜視図である。
【図5】ミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けたアウターミラーを示す斜視図である。
【図6】ミラーハウジングの内側部に固定されたスポイラーを示す水平方向の略式断面図であり、(a)は両面テープ又は接着剤によってスポイラーを固定した例、(b)は固定用ネジによってスポイラーを固定した例を示す。
【図7】ミラーベースにスポイラーを設けた例を示す背面図である。
【図8】車両の走行にともなう走行風の流れを説明する説明図であり、(a)はスポイラーを設けない上吊り式アウターミラーに流れる走行風を説明する概略上面図、(b)はミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図、(c)はミラーハウジングの内側部とミラーベースの基端部(又は車体)にそれぞれスポイラーを設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図である。
【符号の説明】
A 車体
10 ミラーベース
10A ミラーベース
20 ミラーハウジング
23b ミラー
SW サイドウィンドウ
S 間隙
S1 間隙
30 スポイラー
30A スポイラー
30B スポイラー
30C スポイラー
30D スポイラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、上吊り式のアウターミラーに関し、詳細には、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを備えた上吊り式のアウターミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アウターミラーに付着した水滴を水膜状に拡散させ、雨天時の視界向上を図った親水ミラーを装着した車両が増加している。そして、このような車両のアウターミラーに映った像をより見やすくするため、一部の高級車においては、サイドウィンドウに付着した水滴を吹き飛ばす撥水処理を施している。
しかしながら、コスト面等の観点から、サイドウィンドウの撥水処理を大衆車に普及するまでには至っていないのが現状である。
【0003】
そこで、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するための構成を備えた種々のアウターミラーが提案されている。
例えば、ミラーベースに通風ダクトや凹部を設け、走行風によってサイドウィンドウの水滴を防止する構成が知られている(特許文献1参照。)。
また、ステータイプのアウターミラーにおいて、ステーを覆う形状のカバーをミラーハウジングに取り付け、走行風によりサイドウィンドウの水滴付着を防止する構成も知られている(特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−994号公報
([0012]−[0021],図1−図4)
【特許文献2】
特開平8−99581号公報
([0010]−[0016],図1−図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された構成においては、ミラーベースを貫通する通風ダクトや凹部を設けているため、ミラーベースの強度が低くなるとともに、デザイン的に制約を受けるという問題点があった。
また、特許文献2に開示された構成は、大型バスやトラック等の大型車両に適用されるミラーに関するものであり、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両に適用することは不可能であった。
【0006】
そこで、本発明は、サイドウィンドウに付着した水滴を除去する構成を備えたアウターミラーであって、ミラーベースの強度を低下させることなく、デザイン的にも制約を受けず、大衆車両に適用することを可能とするアウターミラーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のアウターミラーは、自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースと、後方視認用のミラーが装着され、前記車体との間に間隙を形成して前記ミラーベースに吊設されたミラーハウジングと、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーとを含むことを特徴とする。
【0008】
このようなアウターミラーによると、車体との間に間隙を形成してミラーハウジングがミラーベースに吊設されるので、サイドウィンドウに走行風を導くためのダクトや凹部をミラーベースやミラーハウジングに設ける必要がなくなる。また、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けたことにより、撥水処理を施すことなくサイドウィンドウの水滴を除去することができる。
従って、ミラーベースの強度の低下や、アウターミラーがデザイン的に制約を受けることがなくなる。
さらに、自動車の車体の側面から張り出したミラーベースに吊設してミラーハウジングを設けたことにより、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両にも適用することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、前記ミラーベース又は前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする。
【0010】
このようなアウターミラーによると、アウターミラー後方のサイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、前記ミラーベース及び前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする。
【0012】
このようなアウターミラーによると、ミラーベース及びミラーハウジングの両方にスポイラーを設けたことにより、より効率的にサイドウィンドウに付着した水滴を除去することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、車体に取り付けられたことを特徴とする。
【0014】
このようなアウターミラーにおいては、車体にスポイラーを取り付けたことにより、車体の側面に沿って流れる走行風を効率的にサイドウィンドウに導くことが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアウターミラーにおいて、前記スポイラーが、後付け可能であることを特徴とする。
【0016】
このようなアウターミラーによると、スポイラーを後付けできるので、既存の車両に適用することで、サイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
初めに、図1乃至図4を参照して、自動車の車体の側面から張り出すミラーベースと、このミラーベースに吊設され、後方視認用のミラーが装着されるミラーハウジングとからなるアウターミラーについて詳述する。
なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、「前後」,「左右」,「上下」は、アウターミラーを車体に取り付けた状態を基準とする。
【0018】
図1はアウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図、図2は図1におけるアウターミラーの拡大斜視図、図3は図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。図4はアウターミラーのミラーベースが車体の三角コーナー部に取り付けられる例を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、アウターミラーは、自動車の車体Aの側面からその側方に向かって張り出すミラーベース10と、ミラー23bが装着されたミラーハウジング20とを備え、ミラーハウジング20を車体Aとの間で間隙Sを形成してミラーベース10に吊設した上吊り式アウターミラーとして構成される。ミラーベース10は、車体AのフロントウィンドウWの脇に設けられたピラーPに固定され、ミラーハウジング20が後述する駆動ユニットによりミラーベース10に対して略垂直軸回りに回動することで、格納と使用位置への復帰とが行われる。また、ミラーハウジング20の車体側の側方は間隙Sによって広く空いた状態となっており、これが自動車走行時の走行風の流路となっている。なお、アウターミラーは、フロントウィンドウWの両脇のピラーP,Pに一対に取り付けられる。また、ここで言うピラーPには、上述したフロントウィンドウWの両脇に接しているピラーPの他に、サイドウィンドウSWのウィンドウ枠の前部を構成している窓ピラーも含まれる。
このように、本実施形態のアウターミラーは、車体AのフロントウィンドウWの両脇に設けられたピラーP,Pに取り付けられているので、サイドウィンドウSWの前端下部の三角コーナー部Cが塞がれなくなり、三角コーナー部Cを通じて運転席から車体側方を見ることができる。従って、車体側方の死角が減少されることとなり、車両側方の視認性を高めることができる。
【0019】
以下、各部について説明する。図3に示すように、ミラーベース10は、合成樹脂製のベース本体11とカバー12とからなり、その外形は略流線形に形成されている。また、ミラーベース10は、ベース本体11にカバー12が被せられた状態で、その内部には、GPS(Global Positioning System)等に使用されるアンテナ13やワイヤーハーネス24c等が組み込まれる広い空間が形成される。カバー12は、図示しないパッキン等を介してベース本体11に被せられ、2本のねじ12aによりベース本体11に固定されるようになっており、ミラーベース10は水や塵埃等が内部に侵入しにくい構造となっている。
このようなミラーベース10は、ベース本体11の端部11aに形成されたネジ部11bを車体AのピラーPに形成された取付孔P1に挿通するとともに、端部11aに形成された突部11cをピラーPに形成された位置決め用孔P2に挿入して、ピラーPの背面側からネジ部11bに固定用ナット11dを螺合させて締め付けることにより、ピラーPから車体側方に張り出した状態に取り付けられる。なお、ミラーベース10は上述した螺合による固定によらず、接着剤等を用いた接着手段によってもピラーPに固定可能である。
【0020】
ミラーハウジング20は、一体的に構成されたサブアッセンブリ25と、下ハウジング26とから構成されている。サブアッセンブリ25は、フレーム21と、このフレーム21に対して取り付けられる、上ハウジング22、ミラーアッセンブリ23、および駆動ユニット24により構成される。ミラーハウジング20は、このような一体的なサブアッセンブリ25に、図3において下方向から下ハウジング26が被せられ、これが上ハウジング22に固定されることによって組み立てられる。なお、フレーム21、上ハウジング22、下ハウジング26はいずれも、剛性の高い合成樹脂材で形成される。
【0021】
上ハウジング22の上面には、孔22aが開口形成されており、この孔22aに、ミラーハウジング20の回動支軸となるシャフト24aに連結されたフランジ部24bが臨ませてある。ミラーアッセンブリ23は、フレーム21に固定された鏡面調整用のアクチュエータ23aにミラー23b(図3においては背面側を図示。)が装着されており、アクチュエータ23aの駆動によりミラー23bが上下方向および左右方向に傾動自在に調整される。駆動ユニット24は、図示しない駆動モータ、変速機構等をその内部に備え、その駆動がシャフト24aに伝達されるようになっている。この駆動ユニット24および上記アクチュエータ23aからのワイヤーハーネス24cは、シャフト24aを通してフランジ部24bの中央部に引き出されている。下ハウジング26は、上述のようにサブアッセンブリ25に下方向から被せられ、3本のねじ22c,22c,22cにより上ハウジング22に固定される。下ハウジング26は、ミラー23bに対向する部分が開口形成されており、上ハウジング22に固定された状態で、この開口部26aにミラー23bの鏡面が傾動可能に臨むようになっている。
このような構成よりなるミラーハウジング20は、ミラーベース10のベース本体11に設けられた孔11eに、ワイヤーハーネス24cを通してフランジ部24bをミラーベース10の底面に当接させ、ねじ11g,11gをねじ孔11f,11fからねじ孔24d,24dに通して、これを締め付けることにより、ミラーベース10に取り付けられる。なお、ワイヤーハーネス24cは、ミラーベース10内から端部11aのねじ部11bを通じてピラーP内に引き出され、図示しない車体側のワイヤーハーネスと電気的に接続されるようになっており、これにより、ミラーハウジング20の格納や使用位置への復帰操作、ミラー23bの傾動操作が、運転席回りに配置された図示しないコントロールユニットにより行われるようになっている。すなわち、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラーハウジング20の格納あるいは使用位置への復帰操作をすると、駆動ユニット24内の図示しない駆動モータが回転し、変速機構等を介してその駆動がシャフト24aに伝達され、ミラーハウジング20がシャフト24aを中心として、駆動モータの回転方向に合わせて回動する。これにより、ミラーハウジング20が格納あるいは使用位置へ復帰する。また、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラー調整の操作をすると、アクチュエータ23a内に収納された図示しない調整モータが駆動されて、ミラー23bが上下方向、左右方向に傾動し、ミラー23bの位置調整が行われる。
【0022】
なお、ミラーベース10は、車体AのピラーPに取り付けるものに限らず、例えば図4に示すように、ベース本体11’が、取付板15と一体に成形されたものであってもよい。この場合、取付板15を三角コーナー部C等に設けた固定座S11に対して固定することで、アウターミラーが車体Aに取り付けられる。
【0023】
次に、上述したアウターミラーに、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けた例を説明する。なお、以下に示す例では、アウターミラーが車体AのピラーPに取り付けられるものとして説明する。
図5は、ミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けたアウターミラーを示す斜視図である。
【0024】
同図に示すように、スポイラー30は、ミラーハウジング20の内側部20aと一体式に形成されている。スポイラー30は、ミラーハウジング20と同様に、剛性の高い合成樹脂材で形成される。
車両が走行すると、走行にともなう走行風がミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通って、矢印に示すように、車体Aの側面に沿って後方に流れる。
【0025】
スポイラー30をミラーハウジング20と一体式に形成する代わりに、図6に示すように、ミラーハウジング20に後付けするスポイラー30A又は30Bとすることも可能である。
スポイラー30Aは、図6(a)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aに両面テープ又は接着剤31によって固定され、スポイラー30Bは、図6(b)に示すように、固定用ネジ32,32によって、ミラーハウジング20の内側部20aに固定される。
このように、スポイラー30A,30Bを後付け可能とすることで、車両に取り付けられた既存の上吊り式アウターミラーに適用することができる。
【0026】
また、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができるスポイラーであれば、ミラーハウジング20に取り付けられたものに限らず、ミラーベース10Aに一体式又は後付け可能に設けるスポイラー30C(図7参照)や、車体Aに設けるスポイラー30D(図8(c)参照)とすることもできる。
【0027】
図7は、ミラーベースにスポイラーを設けた例を示す背面図である。
同図に示すように、ミラーベース10Aは、ピラーPとの接触面積を大きく取り、車体Aとの取り付け強度を向上させるため、垂直断面が略L字形の外形を呈している。そして、ミラーベース10Aの基端部と一体式又は後付け可能に、スポイラー30Cが設けられている。スポイラー30Cは、ミラーハウジング20とミラーベース10Aとの間に形成された間隙S1内に、緩やかな曲線を描くようにミラーベース10Aから若干突出して設けられる。
スポイラー30Cを後付け式とする場合、上述したスポイラー30Aや30Bと同様に、両面テープ、接着剤、固定用ネジ等によって、スポイラー30Cをミラーベース10Aの基端部に固定する。
また、上述したミラーベース10Aに設けるスポイラー30Cに限らず、例えば、ミラーベース10から突出する羽根(図示せず)によって、走行風をサイドウィンドウSWに導くものであっても良い。
【0028】
図8(c)に示すように、車体Aに設けるスポイラー30Dは、ミラーハウジング20の内側部20aと対向する位置にあたる車体Aの側面に、緩やかな曲線を描く水平断面を有する部材が両面テープや接着剤等で固定されることで構成される。
【0029】
以上に述べたスポイラー30,30A,30B,30C,30Dは、適宜組み合わせて用いることもできる。例えば、ミラーハウジング20に設けたスポイラー30と、車体Aに設けたスポイラー30Dの組み合わせ、又はミラーハウジング20に設けたスポイラー30と、ミラーベース10又は10Aに設けたスポイラー30Cの組み合わせ等が可能である。
【0030】
次に、図8を参照して、上述したスポイラー30,30C,30Dを備えたアウターミラーの周囲を、車両の走行にともなう走行風が流れる状態を説明する。
図8は、車両の走行にともなう走行風の流れを説明する説明図であり、(a)はスポイラーを設けない上吊り式アウターミラーに流れる走行風を説明する概略上面図、(b)はミラーハウジング20の内側部20aにスポイラー30を設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図、(c)はミラーハウジング20の内側部20aとミラーベース10Aの基端部(又は車体A)にそれぞれスポイラー30,30C(又は30D)を設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図である。
【0031】
図8(a)に示すように、上吊り式アウターミラーにスポイラーを設けていない場合、車両の走行にともなって発生する走行風は、ミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通った後、ミラー23bの鏡面を巻き込むように流れる空気の流れ、車体Aから反れた方向に流れる空気の流れを含むため、効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することはできない。
これに対して、図8(b)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aにスポイラー30を設けた場合、ミラーハウジング20と車体Aとの間に形成された間隙Sを通る走行風を、サイドウィンドウSW側に導くことができるので、効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができる。
さらに、図8(c)に示すように、ミラーハウジング20の内側部20aに設けたスポイラー30に加えて、ミラーベース10Aの基端部にスポイラー30Cを設けた場合(又はミラーハウジング20の内側部20aと対向する位置にあたる車体Aの側面にスポイラー30Dを設けた場合)、両スポイラー30及び30C(又は30D)の間に形成された狭い間隙S1(又はS)を流れる走行風を強制的にサイドウィンドウSW側に配向させることができるので、より効率的にサイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができる。
【0032】
以上に述べたアウターミラーによると、ミラーベース10,10Aを貫通する通風ダクトや凹部を設けていないので、ミラーベース10,10Aの強度低下やデザイン的に制約を受けるという問題を解消することができる。また、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両に適用することも可能である。
【0033】
さらに、以上に述べたアウターミラーによると、ミラーハウジング20と車体Aの間に形成された間隙Sにスポイラー30,30A,30B,30C又は30Dを設けたことにより、高価な撥水処理をサイドウィンドウSWに施すことなく、サイドウィンドウSWに付着した水滴を除去することができるので、アウターミラーに映った像が見やすくなり、安全性を向上させることができる。
また、スポイラー30,30A,30B,30C又は30Dによって、ミラーハウジング20と車体Aとの間の間隙Sを流れる空気が整流されるので、アウターミラーのビビリが抑制され、風切音が良くなる。
【0034】
また、ミラーハウジング20の内側部20aに、車体前部の死角を写すサブミラーを設けた場合にも、サブミラーに付着した水滴が除去されやすくなるので、アウターミラーの快適な視界を確保することが可能となり、安全性を向上させることができる。
さらに、サイドウィンドウSW及びサブミラーに水滴が残留しにくくなるので、水滴が乾いた後の水跡(汚れ)が残りにくく、雨天後も快適な視界が確保され、安全性を向上させることができる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について述べたが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、様々に変形又は変更することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、車体との間に間隙を形成してミラーハウジングがミラーベースに吊設されるので、サイドウィンドウに走行風を導くためのダクトや凹部をミラーベースに設ける必要がなくなる。また、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーを設けたことにより、撥水処理を施すことなくサイドウィンドウの水滴を除去することができる。
従って、ミラーベースの強度の低下や、アウターミラーがデザイン的に制約を受けることがなくなる。
さらに、自動車の車体の側面から張り出したミラーベースに吊設してミラーハウジングを設けたことにより、ステーを設けていない乗用車等の大衆車両にも適用することが可能となる。
【0037】
請求項2に係る発明によれば、アウターミラー後方のサイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することができる。
【0038】
請求項3に係る発明によれば、ミラーベース及びミラーハウジングの両方にスポイラーを設けたことにより、より効率的にサイドウィンドウに付着した水滴を除去することができる。
【0039】
請求項4に係る発明によれば、車体にスポイラーを取り付けたことにより、車体の側面に沿って流れる走行風を効率的にサイドウィンドウに導くことが可能となる。
【0040】
請求項5に係る発明によれば、スポイラーを後付けできるので、既存の車両に適用することで、サイドウィンドウに付着した水滴を効率的に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図である。
【図2】図1におけるアウターミラーの拡大斜視図である。
【図3】図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。
【図4】アウターミラーのミラーベースが車体の三角コーナー部に取り付けられる例を示す斜視図である。
【図5】ミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けたアウターミラーを示す斜視図である。
【図6】ミラーハウジングの内側部に固定されたスポイラーを示す水平方向の略式断面図であり、(a)は両面テープ又は接着剤によってスポイラーを固定した例、(b)は固定用ネジによってスポイラーを固定した例を示す。
【図7】ミラーベースにスポイラーを設けた例を示す背面図である。
【図8】車両の走行にともなう走行風の流れを説明する説明図であり、(a)はスポイラーを設けない上吊り式アウターミラーに流れる走行風を説明する概略上面図、(b)はミラーハウジングの内側部にスポイラーを設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図、(c)はミラーハウジングの内側部とミラーベースの基端部(又は車体)にそれぞれスポイラーを設けた場合の走行風の流れを説明する概略上面図である。
【符号の説明】
A 車体
10 ミラーベース
10A ミラーベース
20 ミラーハウジング
23b ミラー
SW サイドウィンドウ
S 間隙
S1 間隙
30 スポイラー
30A スポイラー
30B スポイラー
30C スポイラー
30D スポイラー
Claims (5)
- 自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースと、後方視認用のミラーが装着され、前記車体との間に間隙を形成して前記ミラーベースに吊設されたミラーハウジングと、サイドウィンドウに付着した水滴を除去するためのスポイラーとを含むことを特徴とするアウターミラー。
- 前記スポイラーが、前記ミラーベース又は前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
- 前記スポイラーが、前記ミラーベース及び前記ミラーハウジングに設けられたことを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
- 前記スポイラーが、車体に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
- 前記スポイラーが、後付け可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアウターミラー。
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JP2008001116A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Suzuki Motor Corp | アウトサイドミラー取付け部の水滴除去構造 |
JP2013049329A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Toyota Motor Corp | 車両用ドアミラー装置 |
JP2015189405A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | マツダ株式会社 | 車両の風導入構造 |
US10589681B2 (en) | 2016-12-26 | 2020-03-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Outer mirror for vehicle |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369843A patent/JP2004196219A/ja active Pending
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