JP5836238B2 - 苗移植機 - Google Patents
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Description
本発明は、苗植付具が下降して上昇する移植動作中に鍬部材で拡大穴掘り動作させることにより、苗の植え付けをしながら、苗植付用穴の形成予定位置で底になる拡大穴を掘ることができるようにした苗移植機を提供することを目的とする。
第1に、畝Rを跨いで移動可能な移動機体Tと、この移動機体Tに設けられていて植付駆動軸30の回動により周期的に上下動して畝Rに突入して苗植付用穴W1を形成しながら苗Nを植え付ける苗植付具U1を有する苗植付装置Uと、この苗植付装置Uの上方に配置されていて上昇位置の苗植付具U1へ苗Nを供給する苗供給装置Kとを備え、前記苗植付装置Uの苗植付具U1の前方に苗植付用穴W1の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴W1より浅くかつ大きい拡大穴W2を形成する拡大穴掘り機構130を設けており、
前記拡大穴掘り機構130は、苗植付具U1の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴W1の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴W2を形成する鍬部材131を有していることを特徴とする。
第3に、前記作動部材134に、作動部材134によって支持杆132を下降させるタイミングを調整するタイミング調整手段136を設けていることを特徴とする。
第5に、前記支持杆132に、鍬部材131に大抵抗が加わったときに鍬部材131を後上方へ逃がす鍬逃がし手段150を設けていることを特徴とする。
第6に、前記植付駆動軸30は回転動力が伝達される短軸85aにアーム85bを介してリンク軸85cを支持しており、このリンク軸85cに揺動アーム135の基部を枢支し、この揺動アーム135の先端に作動部材134を枢支しており、
前記作動部材134は、揺動アーム135の基部と当接して上向き回動を規制する規制部134aと、植付駆動軸30が回動して規制部134aが揺動アーム135の基部と当接した状態で下向き回動しかつ支持杆132と当接して下降させる押し下げ部134bと、支持杆132と係合していて押し下げ部134bを支持杆132から離す方向の揺動力を受ける揺動案内部134cとを有することを特徴とする。
即ち、請求項1に係る発明は、苗植付具U1の前方に、苗植付具U1の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴W1の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴W2を形成する鍬部材131を有しているので、苗植付具U1による苗移植動作と連動して、苗植付用穴W1の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴W2を効率よく形成することができる。
また、鍬部材131と、鍬部材131を取り付けた支持杆132と、この支持杆132を上方へ付勢する付勢部材133と、植付駆動軸30の回動により下動して支持杆132を下降させる作動部材134とで、苗植付具U1の移植動作と連動して拡大穴W2を形成する機構を簡単に構成することができる。
さらに、作動部材134にタイミング調整手段136を設けているので、作動部材134によって支持杆132を下降させるタイミングを調整することができる。
図1〜3において、畝Rを跨いで長手方向に移動しながら、たばこ、野菜等のセル成形苗、ソイルブロック苗、ポット苗等と称される苗Nを所定間隔をおいて植え付けていく歩行型の苗移植機1を例示している。
この苗移植機1は大別して、走行可能な移動機体Tと、この移動機体Tの後部に設けられた苗植付装置Uと、この苗植付装置Uの後上方に設けられていて苗植付装置Uへ苗Nを供給する苗供給装置Kと、移動機体Tの前上部に左右にわたって配置された苗台Yとを備えている。
図1〜7において、ミッションケースMはエンジンEからの動力をベルト伝動手段52を介して入力され、その動力をクラッチ及び変速機構等を有する動力伝達機構53を介して変速し、走行出力軸54から走行動力を出力すると共に、移植出力軸55から作業動力を出力している。
軸57及び先端軸58は車軸ケース59内に挿通され貫通支持されている。
車軸ケース59はミッションケースMの側面に固定された取付部材61と、この取付部材61に支持された外筒ケース59Aと、この外筒ケース59Aに挿入された内筒ケース59Bとを有する。
この内筒ケース59Bの左右方向外端には後輪伝動ケース62の上部が連結され、この後輪伝動ケース62の上部には前記先端軸58が支持され、下部には後輪41を支持した車輪軸63が支持され、先端軸58と車輪軸63との間にチェーン伝動手段64が設けられている。
前記左右前輪40はそれぞれ前輪支持アーム67の下部に前軸67aを介して回動自在に支持され、前輪支持アーム67の上部には角筒部67bが設けられ、前角軸68の角軸部分に左右方向位置変更可能かつ一体揺動自在に取り付けられている。
連動杆71の後端は外筒ケース59Aの後連動アーム66と連結されており、外筒ケース59Aの回動が前角軸68に伝達されるようになっており、これらの回動により、外筒ケース59Aを中心とする後輪伝動ケース62の角度と前角軸68を中心とする前輪支持アーム67の角度とが同時に同一角度変更され、移動機体Tが水平姿勢で昇降できるようになっている。
ローリング軸77には昇降レバー77a、77bとローリングアーム77cとが固定されている。昇降レバー77a、77bはローリング軸77の左右両端に直径方向で互いに反対方向に突出し、外筒ケース59Aに設けた連動部材78と連動リンク79を介して連結されており、ローリングアーム77cの先端には軸サポート76に支持されたローリングシリンダ74が連結されている。
前記昇降機構42は、ローリングアーム77c及びローリングシリンダ74等のローリング手段を割愛して、昇降シリンダ75で移動機体Tに昇降動作を行わせる昇降手段のみで構成してもよい。
作業伝動ケース83の前部はミッションケースMの側面に位置し、移植出力軸55と直結された前軸84を支持しており、作業伝動ケース83の後部は原動軸85を支持し、前軸84と原動軸85との間にチェーン伝動手段が設けられ、前記原動軸85が苗植付装置Uと苗供給装置Kの共通の動力伝達軸となっている。
前記原動軸85の右短軸85aは供給駆動機構K2の供給連動手段13の伝動始端であり、この右短軸85aにはブレーキディスク86が固定され、このブレーキディスク86には外周に凹部が形成されていて、ブレーキアーム87のローラ87aがスプリング87bによって弾圧されていて、右短軸85aが一定位置で停止するように、ブレーキディスク86で制動するようになっている。
ターンテーブルSは、円盤の周囲部に苗供給具K1が周方向等間隔に多数配置されている。この苗供給具K1は、供給外カップ34a及びその中に挿入されていて実質的に苗Nを収納する供給内カップ(スリーブ)34bを有する供給カップ34と、供給外カップ34aの底口の下方にヒンジ35aを介して開閉自在に設けられていて苗Nを受持するシャッタ35とを有している。なお、シャッタ35のヒンジ35aは、供給外カップ34aとは別個にターンテーブルSの下面に支持してもよい。
ターンテーブルSの円盤は板金製であり、苗供給具K1近傍、苗供給具K1の配列の内周側に、スプロケット歯が係合可能な孔として形成された係合部11が、縦軸10を中心に環状に配列されている。
ターンテーブルSの下方には、シャッタ35を開閉するシャッタ閉鎖部材36が支持部
材19の周囲支持部19cに受持されている。このシャッタ閉鎖部材36は棒材を平面視一部切欠略円形に形成しており、苗供給具K1のシャッタ35の下面に近接して配置されている。
前記シャッタ閉鎖部材36は、円形を一部切欠いた部位が苗供給位置Pに対応しており、この苗供給位置P以外の苗供給位置P前方から苗供給位置P直前までは、シャッタ35を開放姿勢から閉鎖しており、苗供給位置Pではシャッタ閉鎖部材36が切り欠かれていることによりシャッタ35の閉鎖が解除される。
葉が大きく広がった苗Nは、供給カップ34に収納された状態で、その上部口に葉が引っ掛かって落下抵抗を生じることがあるが、収納状態の苗Nを微少下動させると、予め落下体勢にすることができ、供給カップ34との葉の抵抗が減少し、シャッタ35全開で、苗Nの落下タイミングがずれることなく、スムーズにかつ確実に落下できる。
図10〜14において、ターンテーブルSの下方の横軸14には、係合回転体12と間欠係合体15とが固定され、間欠揺動体16が揺動自在に支持されている。
間欠係合体15は円板の外周に等間隔に突部15aを突出し、この突部15aの周方向両端に掛止部15bを形成しており、一方向の掛止部15bと係合するラチェット爪形状の係合爪18が間欠揺動体16に設けられている。
前記係合爪18は一端部に当接部18aを有し、この当接部18aが間欠揺動体16の止め部16aに当接することにより、図13、14において時計方向の回動が規制されており、供給連動部材17の引き移動で係合爪18が間欠揺動体16の掛止部15bと係合して間欠揺動体16を一定角度回動し、供給連動部材17の押し移動で係合爪18は反時計方向に後退回動して、間欠揺動体16を回動しないようになっている。
逆転ラチェット爪20Bは、前記係合爪18が係合する間欠係合体15の一方向の掛止部15bと係合して、間欠係合体15の逆転(ターンテーブルSの逆転)を規制する。
5bと係合して、間欠係合体15の正転(ターンテーブルSの正転)を規制する。
この正転ラチェット爪20Aは間欠揺動体16の扇形状の爪解除部21と当接可能になっており、係合爪18が掛止部15bと係合して間欠係合体15を回動するとき、爪解除部21が正転ラチェット爪20Aと当接してこれを掛止部15bと係合する位置から後退させ、正転ラチェット爪20Aによる間欠係合体15の正転規制を解除し、これにより間欠係合体15の正転が可能になって、係合爪18及び間欠揺動体16による間欠係合体15、横軸14及び係合回転体12の回動を行うことができる。
供給連動部材17が苗植付具U1を駆動する原動軸85と連結されていて、この原動軸85から動力が伝達されることにより、苗植付具U1と同期しており、原動軸85の1回転毎に供給連動部材17を1往復させて、間欠係合体15を掛止部15bの1間隔だけ回動し、ターンテーブルSを苗植付具U1の1間隔だけ間欠的に回動させる。
一対の嘴部材98は上部で枢支して下部を開閉自在とし、周期的(間欠的)な上下動により畝Rに突入して苗植付用穴W1を形成しながら、内部に保持した苗Nを下方に放出できるように構成されている。
苗植付具U1が上下移動範囲の下死点付近まで下降したときに、一方の嘴部材98が放出手段95のロッド95b及び支持腕95aによって外方へ揺動し、一方の嘴部材98の揺動が連動ピン95cによって他方の嘴部材98を反対方向に揺動を生じ、これにより一方の嘴部材98は開放されるようになる。
図1、2、15において、前記苗植付具U1の後方には左右一対の鎮圧輪101が配置
されている。この左右鎮圧輪101は植付フレーム82の後部側に支持機構102を介して高さ調整自在に支持されており、畝R上面の苗Nの植付け位置の左右両側を転動し、苗供給具K1で形成された苗植付用穴W1に投入された苗Nの左右両側の土を押圧して覆土する。
左側の支軸107には筒材111が嵌装されており、この筒材111に第1センサアーム108が設けられ、この第1センサアーム108の上端は第2センサアーム109を介して昇降バルブ110と連動連結されており、この昇降バルブ110はミッションケースMの上部に配置されていて昇降シリンダ75を制御するものである。
調整レバー45を前後操作することにより、ボーデンケーブル114を介して支持枠105と第1センサアーム108との挟角が変化し、支持枠105が上下揺動して接地体43の高さが変更され、接地体43に対する移動機体T及び苗植付具U1の相対高さが調整される。昇降バルブ110を中立状態にしているときの接地体43の高さで苗植付具U1の上下動の下死点が決まり、畝Rの上面からの突っ込み深さが決定されるので、苗植付具U1の植付深さが設定される。
なお、図2、8、15において、畝Rの高さを2段に表示しているが、植付深さ調整機構44は植付深さを比較的深く設定した状態を示し、鎮圧輪101は移動機体Tを上昇さ
せたときに、相対的に下がっている状態を示している。
移動機体Tの前上部には苗台Yが配置されている。この苗台Yは左右の前後支持体72に立設した台枠123に上下2段の予備苗台Y1を取り付け、左右上段の予備苗台Y1の後端同士を供給苗台Y2で連結している。
なお、作業者は1人で苗移植機1を操縦し、左伴走空間Gで伴走しながら、苗供給具K1へ苗Nを供給し、かつ調整レバー45を操作できる。作業補助者がいるときは、右伴走空間Gでも苗供給作業を行う。また、左伴走空間Gを歩く作業者は、苗Nの植付け後の実姿を視認しながら、調整レバー45を調整することもできる。
移動機体Tの前後下部には、長時間の停止やメンテナンスのために持ち上げ保持する前スタンド127と後スタンド128とが進退自在に設けられている。
この拡大穴掘り機構130は、拡大穴W2を掘る鍬部材131と、この鍬部材131を後部に取り付けていて前部が移動機体Tに枢支された支持杆132と、この支持杆132を上方へ付勢する付勢部材133と、植付駆動軸30の回動により下動して支持杆132を下降させる作動部材134とを有する。
前記支持杆132は、前後方向の中途部は接地体43との干渉を回避しかつ植付駆動軸30に近づくように上側に屈曲されており、この中途上部に当て板132aと、棒材132bと、ガイドピン132cとが固着されている。支持杆132の左右前端には筒軸132dが設けられ、この筒軸132dが支持枠105の支軸107に軸受を介して回動自在に支持されている。
ド133bに連結され、調整ロッド133bの上下位置調整で支持杆132を引き上げる付勢力が調整される。
図17、18、21、24において、前記植付駆動軸30は回転動力が伝達される短軸85aに回動アーム29(アーム85b)を介してリンク軸85cを支持しており、このリンク軸85cに揺動アーム135の基部を枢支し、この揺動アーム135の先端に作動部材134を枢支している。短軸85aの回転により、アーム85bを介してリンク軸85cは円軌跡Jを描いて公転する。
作動部材134の規制部134aは、作動部材134が軸137廻りに回動するとき、調整ネジ139の先端が揺動アーム135の基部と当接して上向き回動を規制することができ、調整ネジ139を進退調節することにより、揺動アーム135の基部と当接するタイミングが変更され、揺動アーム135に対する押し下げ部134bの角度が変わり、作動部材134によって支持杆132を下降させるタイミングが変わる。
揺動案内部134cの長孔142はガイドピン132cに嵌合しており、支持杆132は付勢部材133によって常に上方向に付勢されているので、ガイドピン132cが長孔142の上端にあるとき、作動部材134には上向きの付勢力が加わり、規制部134aを揺動アーム135の基部と当接する方向に付勢しており、ガイドピン132cが長孔142を下方へ移動するのを許容している。
規制部134aが支持杆132からの付勢力によって上向き回動(図24で時計方向の回動)が規制されて揺動アーム135の基部と当接していると、作動部材134は揺動アーム135と一体となって回動アーム29に押し下げられながら短軸85aの廻りを回動することになり、リンク軸85cの下向き回動(図24で反時計方向の回動)に伴って作動部材134が下動し、この回動により押し下げ部134bのコロ141が支持杆132の当て板132aと当接し、支持杆132を下降させる。
図17、21は苗植付具U1及び鍬部材131が略上死点にある状態を示し、図19は苗植付装置Uの苗植付動作開始時を示し、図20は苗植付装置Uの苗植付動作中を示し、図22(A)〜(C)は拡大穴掘り機構130の穴掘り動作前半を示し、図23(D)〜
(F)は拡大穴掘り機構130の穴掘り動作後半を示している。
図19、図22(A)及び図24において、回動アーム29は中心線Qが略水平姿勢(クランク角1°)にあり、苗植付具U1の先端は軌跡Lの上下方向略中央に位置し、鍬部材131は畝Rに食い込みを開始して拡大穴W2を形成し始める。
図22(B)において、短軸85aが回転して回動アーム29は中心線Qが前下向き姿勢(クランク角30°)になると、鍬部材131は次第に畝Rに食い込んでいき、同時に、この頃から嘴部材98の先端は鍬部材131が形成する拡大穴W2の上面から畝Rに食い込んでいき、図22(C)のクランク角60°になると、さらに鍬部材131の畝Rへの食い込みが深くなり、嘴部材98による苗植付用穴W1の形成も急速に行われる。
短軸85aの略直下にリンク軸85cが移動したときが、嘴部材98が最も大きく開放されるときであり、回動アーム29と揺動アーム135とが直線状になったときが、鍬部材131が最も下降されるときであり、苗植付用穴W1の形成予定位置で椀形状の拡大穴W2の最も低い底を形成する。
この図23(D)のクランク角93°の状態では、嘴部材98が最も大きく開放されるが、支持杆132は付勢部材133によって引き上げられ、この支持杆132の引き上げによって作動部材134が上移動している。
前記拡大穴W2は苗植付用穴W1より大きくかつ浅い椀形状であり、苗植付用穴W1とオーバラップしていて、側面視において苗植付用穴W1のところで最も深くなっており、また、正面視においては鍬部材131の下縁131aの円弧形状により苗植付用穴W1のところで最も深くなっており、拡大穴W2内に入った灌水は、最も深い苗植付用穴W1に集まり、苗Nに効果的に供給される。
苗移植機1を畝Rに沿って移動しながら、移動機体Tの進行に合わせて作業者が左側の後輪2の後方の伴走空間Gを歩き、苗台Yに載置されている育苗トレイのポット苗Nを各苗供給具K1に補給する。1人作業のときは苗Nを各苗供給具K1に連続して投入し、2人作業のときは各人が1つおきの苗供給具K1に投入する。
ターンテーブルSの間欠回転により多数の苗供給具K1が円軌道上を間欠的に移動する。苗植付具U1はシャッタ閉鎖部材36の中途閉鎖部36bによってシャッタ35が閉鎖されていて、その上に苗Nが供給され、苗植付具U1が苗供給位置Pに至る前に、シャッタ閉鎖部材36の微少下動部36aによってシャッタ35が微少下動し、これによって収納されている苗Nが微少下動し、苗植付具U1が苗供給位置Pに達したときにシャッタ35が全面開放して苗Nが落下され、苗供給位置Pの直下の上死点に来ていた苗植付具U1へ供給する。
苗植付具U1の嘴部材98による苗植付用穴W1に先行して、鍬部材131が畝Rに突き刺さりながら次第に深くなり、苗植付用穴W1を形成する予定の位置で最大深さとなる椀形状の拡大穴W2を形成し、嘴部材98が苗植付用穴W1から離脱する頃に、鍬部材131も上移動して待機位置へ至る。
拡大穴掘り機構130は、移動機体Tと支持杆132との間に鍬部材131の上昇上限を設定する上限設定手段145を有し、支持杆132自体に鍬部材131を上方へ逃がす鍬逃がし手段150を設けている。
前記上限設定手段145は、支軸107に軸受を介して枢支された支持杆132の前端の筒軸132dにブラケット146が前方突出状に固定され、このブラケット146の先端に調整ネジ147がネジ軸心方向位置調整自在に設けられ、この調整ネジ147の頭部がミッションケースMに設けられた取付体73に当接可能になっている。
鍬部材131の上昇が制限されて、下縁131aが畝Rの上面に近い位置になった状態で移動機体Tが前進すると、鍬部材131が畝Rの上面の土山を削り取ることになり、鍬部材131が拡大穴W2を形成するために畝Rから押し動かしてきた土山の上部を自身で排除し、表土が拡大穴W2の前側で大きく堆積することを阻止する。
るが、拡大穴W2の前側の土山を削ることにより、マルチフィルムを適正に被覆することができるようになる。
作動部材134による鍬部材131の押し下げ開始は、下縁131aが畝Rの上面に近い位置から行われる。
前記鍬逃がし手段150は、支持杆132を前支持杆132Fと後支持杆132Rとで形成し、前支持杆132Fの後端に金具151を固定し、この金具151に回動軸152を介して後支持杆132Rの上端を枢支し、前支持杆132Fと後支持杆132Rとの間に後支持杆132Rを前方へ付勢する引っ張りスプリング153を設けている。
前支持杆132Fと後支持杆132Rとは、作動部材134によって押し下げられるときに一体となって鍬部材131を押し下げ、通常の拡大穴W2形成抵抗時には引っ張りスプリング153によって後支持杆132Rを金具151の前部に当接しているが、畝R中の石等によって鍬部材131に大抵抗が加わわると、引っ張りスプリング153に抗して後支持杆132Rが後方揺動し、逃げ軌跡Vで示すように、回動軸152を中心にして鍬部材131が後上方へ弾力的に逃げることになる。
なお、鍬逃がし手段150は、前支持杆132Fの後端にバネ板製の後支持杆を固定し、このバネ板製後支持杆の下部に鍬部材131を取り付けて構成してもよい。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜25に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
8 メインフレーム
30 植付駆動軸
85a 短軸
85b アーム
130 拡大穴掘り機構
131 鍬部材
132 支持杆
132a 当て板
133 付勢部材
134 作動部材
134a 規制部
134b 押し下げ部
134c 揺動案内部
135 揺動アーム
136 タイミング調整手段
J 円軌跡
K 苗供給装置
K1 苗供給具
N 苗
R 畝
T 移動機体
U 苗植付装置
U1 苗植付具
W1 苗植付用穴
W2 拡大穴
Claims (6)
- 畝(R)を跨いで移動可能な移動機体(T)と、この移動機体(T)に設けられていて植付駆動軸(30)の回動により周期的に上下動して畝(R)に突入して苗植付用穴(W1)を形成しながら苗(N)を植え付ける苗植付具(U1)を有する苗植付装置(U)と、この苗植付装置(U)の上方に配置されていて上昇位置の苗植付具(U1)へ苗(N)を供給する苗供給装置(K)とを備え、前記苗植付装置(U)の苗植付具(U1)の前方に苗植付用穴(W1)の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴(W1)より浅くかつ大きい拡大穴(W2)を形成する拡大穴掘り機構(130)を設けており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、苗植付具(U1)の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴(W1)の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴(W2)を形成する鍬部材(131)を有しており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、移動機体(T)に枢支されていて前記鍬部材(131)を取り付けた支持杆(132)と、この支持杆(132)を上方へ付勢する付勢部材(133)と、植付駆動軸(30)の回動により下動して支持杆(132)を下降させる作動部材(134)とを有しており、
前記作動部材(134)に、作動部材(134)によって支持杆(132)を下降させるタイミングを調整するタイミング調整手段(136)を設けていることを特徴とする苗移植機。 - 畝(R)を跨いで移動可能な移動機体(T)と、この移動機体(T)に設けられていて植付駆動軸(30)の回動により周期的に上下動して畝(R)に突入して苗植付用穴(W1)を形成しながら苗(N)を植え付ける苗植付具(U1)を有する苗植付装置(U)と、この苗植付装置(U)の上方に配置されていて上昇位置の苗植付具(U1)へ苗(N)を供給する苗供給装置(K)とを備え、前記苗植付装置(U)の苗植付具(U1)の前方に苗植付用穴(W1)の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴(W1)より浅くかつ大きい拡大穴(W2)を形成する拡大穴掘り機構(130)を設けており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、苗植付具(U1)の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴(W1)の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴(W2)を形成する鍬部材(131)を有しており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、移動機体(T)に枢支されていて前記鍬部材(131)を取り付けた支持杆(132)と、この支持杆(132)を上方へ付勢する付勢部材(133)と、植付駆動軸(30)の回動により下動して支持杆(132)を下降させる作動部材(134)とを有しており、
前記移動機体(T)と支持杆(132)との間に、付勢部材(133)による支持杆(132)の上昇上限を設定する上限設定手段(145)を設けていることを特徴とする苗移植機。 - 畝(R)を跨いで移動可能な移動機体(T)と、この移動機体(T)に設けられていて植付駆動軸(30)の回動により周期的に上下動して畝(R)に突入して苗植付用穴(W1)を形成しながら苗(N)を植え付ける苗植付具(U1)を有する苗植付装置(U)と、この苗植付装置(U)の上方に配置されていて上昇位置の苗植付具(U1)へ苗(N)を供給する苗供給装置(K)とを備え、前記苗植付装置(U)の苗植付具(U1)の前方に苗植付用穴(W1)の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴(W1)より浅くかつ大きい拡大穴(W2)を形成する拡大穴掘り機構(130)を設けており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、苗植付具(U1)の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴(W1)の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴(W2)を形成する鍬部材(131)を有しており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、移動機体(T)に枢支されていて前記鍬部材(131)を取り付けた支持杆(132)と、この支持杆(132)を上方へ付勢する付勢部材(133)と、植付駆動軸(30)の回動により下動して支持杆(132)を下降させる作動部材(134)とを有しており、
前記支持杆(132)に、鍬部材(131)に大抵抗が加わったときに鍬部材(131)を後上方へ逃がす鍬逃がし手段(150)を設けていることを特徴とする苗移植機。 - 畝(R)を跨いで移動可能な移動機体(T)と、この移動機体(T)に設けられていて植付駆動軸(30)の回動により周期的に上下動して畝(R)に突入して苗植付用穴(W1)を形成しながら苗(N)を植え付ける苗植付具(U1)を有する苗植付装置(U)と、この苗植付装置(U)の上方に配置されていて上昇位置の苗植付具(U1)へ苗(N)を供給する苗供給装置(K)とを備え、前記苗植付装置(U)の苗植付具(U1)の前方に苗植付用穴(W1)の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴(W1)より浅くかつ大きい拡大穴(W2)を形成する拡大穴掘り機構(130)を設けており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、苗植付具(U1)の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴(W1)の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴(W2)を形成する鍬部材(131)を有しており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、移動機体(T)に枢支されていて前記鍬部材(131)を取り付けた支持杆(132)と、この支持杆(132)を上方へ付勢する付勢部材(133)と、植付駆動軸(30)の回動により下動して支持杆(132)を下降させる作動部材(134)とを有しており、
前記植付駆動軸(30)は回転動力が伝達される短軸(85a)にアーム(85b)を介してリンク軸(85c)を支持しており、このリンク軸(85c)に揺動アーム(135)の基部を枢支し、この揺動アーム(135)の先端に作動部材(134)を枢支しており、
前記作動部材(134)は、揺動アーム(135)の基部と当接して上向き回動を規制する規制部(134a)と、植付駆動軸(30)が回動して規制部(134a)が揺動アーム(135)の基部と当接した状態で下向き回動しかつ支持杆(132)と当接して下降させる押し下げ部(134b)と、支持杆(132)と係合していて押し下げ部(134b)を支持杆(132)から離す方向の揺動力を受ける揺動案内部(134c)とを有することを特徴とする苗移植機。 - 前記苗植付装置(U)は、移動機体(T)に枢支された一対の第1リンク(26)と、この第1リンク(26)に設けられた植付揺動体(27)に枢支されていて先端に苗植付具(U1)を支持した一対の第2リンク(28)と、この一対の第2リンク(28)の一方と連結された回転アーム(29)と、この回転アーム(29)を回転駆動する植付駆動軸(30)とを有しており、前記拡大穴掘り機構(130)は第1リンク(26)、植付揺動体(27)及び第2リンク(28)の下方に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の苗移植機。
- 畝(R)を跨いで移動可能な移動機体(T)と、この移動機体(T)に設けられていて植付駆動軸(30)の回動により周期的に上下動して畝(R)に突入して苗植付用穴(W1)を形成しながら苗(N)を植え付ける苗植付具(U1)を有する苗植付装置(U)と、この苗植付装置(U)の上方に配置されていて上昇位置の苗植付具(U1)へ苗(N)を供給する苗供給装置(K)とを備え、前記苗植付装置(U)の苗植付具(U1)の前方に苗植付用穴(W1)の形成予定位置の手前から前方まで苗植付用穴(W1)より浅くかつ大きい拡大穴(W2)を形成する拡大穴掘り機構(130)を設けており、
前記拡大穴掘り機構(130)は、苗植付具(U1)の上下動と連動して上下動することにより苗植付用穴(W1)の形成予定位置で底になる椀形状の拡大穴(W2)を形成する鍬部材(131)を有しており、
前記苗植付装置(U)は、移動機体(T)に枢支された一対の第1リンク(26)と、この第1リンク(26)に設けられた植付揺動体(27)に枢支されていて先端に苗植付具(U1)を支持した一対の第2リンク(28)と、この一対の第2リンク(28)の一方と連結された回転アーム(29)と、この回転アーム(29)を回転駆動する植付駆動軸(30)とを有しており、前記拡大穴掘り機構(130)は第1リンク(26)、植付揺動体(27)及び第2リンク(28)の下方に位置していることを特徴とする苗移植機。
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