JP3719011B2 - 苗移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周期的に昇降するくちばし状の作穴体で土壌の表土部に苗植付用の穴を開けながら苗を植付ける苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
下端が尖ったくちばし状の作穴体が周期的に昇降し、昇降行程の上部で作穴体内に苗が供給され、昇降行程の下死点もしくはその近傍で作穴体が土壌に突入するとともに、その土壌に突入したときに作穴体の下部が開いて土壌の表土部に苗植付用の穴を開け、その穴の中に苗が植付けられる構成の野菜用苗移植機(以下、野菜移植機とする)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の野菜移植機は、下死点もしくはその近傍で作穴体の下部が開いた後、上昇する途中で作穴体の下部が閉じるようになっていたので、植付ける苗の丈が長い場合、作穴体の下部が閉じるときに植えられた苗を挟み、苗が損傷したり、苗を持ち上げてしまうという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、第一の発明にかかる苗移植機は、機体を進行させる走行部1aと、周期的に昇降し、昇降の下死点もしくはその近傍で土壌に突入するとともに、その土壌に突入したときに下部が開いて土壌の表土部に苗植付用の穴を開けるくちばし状の作穴体60を備えた苗植付装置5と、該苗植付装置5の作穴体60の上方から苗を作穴体60内に落下させて供給する苗供給装置4とを備え、前記走行部1aによって機体を進行させながら前記苗供給装置4から供給された苗を前記作穴体60が苗植付用の穴を開けながらその穴の中に植付ける構成とした苗移植機において、前記作穴体を、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま昇降の上死点を過ぎた位置まで移動して閉じるように設けたことを特徴としている。
【0005】
また、第二の発明にかかる苗移植機は、機体を進行させる走行部1aと、周期的に昇降し、昇降の下死点もしくはその近傍で土壌に突入するとともに、その土壌に突入したときに下部が開いて土壌の表土部に苗植付用の穴を開けるくちばし状の作穴体60を備えた苗植付装置5と、該苗植付装置5の作穴体60の上方から苗を作穴体60内に落下させて供給する苗供給装置4とを備え、前記走行部1aによって機体を進行させながら前記苗供給装置4から供給された苗を前記作穴体60が苗植付用の穴を開けながらその穴の中に植付ける構成とした苗移植機において、前記作穴体を、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま上昇し、昇降の上死点に達したときに閉じるよう動作する状態と、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま昇降の上死点を過ぎた位置まで移動して閉じるように動作する状態とに変更可能に設けたことを特徴としている。
【0006】
このように、昇降の下死点もしくはその近傍で作穴体の下部が開いて苗を植付けた後、作穴体の下部が開いた状態のまま昇降の上死点を少し過ぎた位置まで移動して閉じるように構成することにより、作穴体が閉じて植付けた苗を挟み込むことを防ぐ。
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図9は本発明を施した苗移植機の一例としての野菜移植機を表している。この野菜移植機1は、走行車輪2,2,3,3を有する走行部1aによって畝Uを跨いだ状態で機体を進行させながら、苗供給装置4、苗植付装置5等からなる植付部1bで野菜のポット苗を畝Uの上面に植付ける構成となっている。作業者は、機体後方に設けた操縦ハンドル6で適宜機体を操向操作すると共に、植付作業時には機体側方を歩きながら苗供給装置4へ苗を補給する。以下、各部の構成について説明する。
【0010】
走行部1aは、走行部ミッションケース7の前側にエンジン9が配置されている。エンジン9の左側面部には該エンジンの動力で駆動する油圧ポンプ10が設けられている。また、エンジン9の上側には燃料タンク11等が設けられ、その上側をボンネット12が覆っている。走行部ミッションケース7の背面部に側面視長方形の左右に長い連結フレーム13が一体に設けられており、この連結フレームの背面右端部に走行部1aと操縦ハンドル6をつなぐメインフレーム14の前端部が固着連結されている。メインフレーム14は、植付部1bの平面視右側を通って後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま植付部1bの後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル6が固着して取り付けられている。
【0011】
走行部ミッションケース7の左右側面から突出する回動筒部15,15に走行伝動ケース16,16が一体に取り付けられ、その走行伝動ケースの先端部外側に駆動車輪である後輪2,2が軸支されている。また、エンジン9の下側に前後方向のピボット軸17aを中心に揺動自在に設けた前輪支持フレーム17の左右両端部に前輪支持ロッド18,18が高さ調節可能に取り付けられ、該ロッドの下端部に転動車輪である前輪3,3が軸支されている。
【0012】
走行部1aには機体に対し後輪2,2を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、走行部ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニット20から後方に向けて昇降シリンダ21が設けられ、該シリンダのピストンロッドの先端部に天秤杆22が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。ピストンロッドは、前後両端が油圧バルブユニット20とメイフレーム14に取り付けた取付部材23とに支持されたガイド軸24に沿って摺動するようになっている。天秤杆22の左右両端部と、回動筒部15,15に固着したスイングアーム25,25とが、連結ロッド26,26を介して連結されている。左側の連結ロッド26は、ローリングシリンダ27が組み込まれており、該シリンダを伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0013】
昇降シリンダ21及びローリングシリンダ27は、前記油圧ポンプ10から供給される作動油を油圧バルブユニット20内の制御バルブ(図示せず)で制御して作動させられる。昇降シリンダ21を伸縮作動させると、左右の後輪2,2が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ27を伸縮作動させると、左右の後輪2,2が逆方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0014】
植付部1bは、前記連結フレーム13の上面に走行部ミッションケース7から伝動される植付部ミッションケース30の下部が固着され、該植付部ミッションケースの上部に第一植付伝動ケース31の基部が固着され、更に該第一植付伝動ケースの先端部に第二植付伝動ケース32の基部が固着されている。そして、第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32に後述する苗植付装置5の作動機構が連結されている。苗植付装置5の後記苗植付具60は、走行部1aよりも後側に位置している。また、植付部ミッションケース30に基部を固着した上部フレーム34に、苗植付具60の上方に位置するように苗供給装置4と後記苗載台55,56が取り付けられている。
【0015】
苗供給装置4は、複数の苗供給カップ40,…を円周上に等間隔で配置したターンテーブル41を備えている。このターンテーブル41は機体の左右中心よりも若干右寄りの位置に配置されている。ターンテーブル41は、前記上部フレーム34に固定された支持板42に、中心軸43を支点にして回転自在に設けられている。中心軸43にはラチェットホイール45が取り付けられ、そのラチェットホイールの歯に噛み合う方向に付勢したラチェット爪46が中心軸43に回転自在に嵌合するラチェットアーム47に取り付けられている。ラチェットアーム47と、後記前リンク支持アーム67Bと一体に作動する苗供給駆動アーム49とが苗供給駆動ロッド50を介して連結されており、苗供給駆動アーム49が揺動することにより、ターンテーブル41が苗植付装置5の作動と同期して苗供給カップ40,…の取付間隔分づつ間欠的に回転する。
【0016】
苗供給カップ40,…は上下に連通しており、その底部に開閉自在なシャッタ52,…が取り付けられている。苗供給カップ40,…の直下部には、平面視で前側やや左寄りの位置が切れたC字形のシャッタ閉じ棒53が設けられている。このため、C字の切れた部分に相当する苗供給位置Pにある苗供給カップ40のシャッタ52は自重もしくは苗の重量で開くが、それ以外の位置にある苗供給カップ40,…のシャッタ52,…はシャッタ閉じ棒53に規制されて閉じた状態になる。
【0017】
図の苗供給カップは平面視で床土部が四角い苗用の仕様で、苗供給カップ40の内面部は、上面側が円形、底面側が苗供給位置Pにおいて四辺が前後左右を向く四角形に形成されている。このため、無作為に苗供給カップ40に投入された苗が、後記作穴体60に合った適正な向きに修正されて当該作穴体に供給される。
【0018】
シャッタ52の上面にはシャッタ回動軸52aと直交する方向に複数本の凸条52b,…が形成されている。このため、苗の床土部の底面がシャッタ52と直接に接触せず、苗がシャッタ52に付着しない。苗供給位置Pでシャッタ52が開いたときに苗は凸条52b,…の方向に沿って落下する。
【0019】
また、図10に示すように、シャッタ52を開く側に付勢するスプリング54を一部分がシャッタ52の上面に沿うように設けることにより、前記凸条52b,…と同様に苗がシャッタ52に付着しないようにする効果がある。さらに、それがスプリングであるので、付着した土を振動で脱落させる効果もある。
【0020】
ターンテーブル41の右側と前側には、育苗トレイを1個づつ載せられる苗載台55,56が設けられている。右側の苗載台55は、上部フレーム34から右側方に突設した取付棒55a,55aに取り付けられ、育苗トレイを若干右上りに斜めに支持するようになっている。また、前側の苗載台56は、上部フレーム34から前方に突設した取付棒56a,56aに取り付けられ、育苗トレイを水平に支持するように設けられている。
【0021】
作業時には、機体の進行に合わせて作業者が左側の後輪2の後方を歩きながら、苗載台55,56に載置されている育苗トレイのポット苗を各苗供給カップ40,…に補給する。ターンテーブル41の回転により苗の入った苗供給カップ40が苗供給位置Pまで移動すると、シャッタ52が開き苗が苗植付装置5の作穴体60の中に落下する。
【0022】
苗植付装置5は、下部が前後に開閉するくちばし状の作穴体60を備えている。この作穴体60は、前側部材60aと後側部材60bとからなっており、作穴体60の後方に位置する前側部材回動軸61Aに回動自在に支持された前側部材取付アーム62A,62Aに前側部材60aが一体に取り付けられ、作穴体60の前方に位置する後側部材回動軸61Bに回動自在に支持された後側部材取付アーム62B,62Bに後側部材60bが一体に取り付けられている。よって、回動軸61A,61Bを支点にして両部材60a,60bが回動すると、作穴体60の下部が前後に開閉する。前側部材取付アーム62Aと後側部材取付アーム62Bに形成された長穴に遊嵌する連動ピン63によって、前側部材60aと後側部材60bは互いに連動して回動する。前側部材取付アーム62Aの脚部62aAと後側部材取付アーム62Bの脚部62aBとの間に、前側部材60a及び後側部材60bを閉じる側に付勢するスプリング64が張設されている。
【0023】
前側部材60aの下部には、左右外側に張り出した状態で後方に延設された土崩れ防止部65,65が一体に形成されている。作穴体の下部が開いたとき、前側部材60aに対し後側部材60bが図5(b)において二点鎖線で示す相対位置になり、前側部材60aと後側部材60bの側面間にできる隙間を土崩れ防止部65,65が塞ぐようになっている。
【0024】
次に、作穴体60の作動機構について説明する。第二植付伝動ケース32から上方に突出する支持部33aに後リンク支持アーム67Aが回動自在に取り付けられ、その支持アームに基部が枢着された後リンク68Aの後端に前側部材回動軸61Aが連結されている。後リンク68Aの中間部には、第二植付伝動ケース32の後端部に設けた後リンク駆動アーム69Aが連結されている。また、植付部ミッションケース30に前リンク支持アーム67Bが回動自在に取り付けられ、その支持アームに基部が枢着された前リンク68Bの後端に後側部材回動軸61Bが連結されている。前リンク68Bの中間部には、第一植付伝動ケース31の後端部に設けた前リンク駆動アーム69Bが連結されている。両駆動アーム69A,69Bが駆動回転すると、後リンク68A及び前リンク68Bが基部の位置を前後に変動させつつ上下に揺動し、作穴体60が下端軌跡Kを描いて一定姿勢のまま上下動する。
【0025】
後リンク68Aの基部には開閉アーム71が回動自在に取り付けられ、その開閉アーム71の先端部と前側部材取付アーム62Aとが開閉ロッド72で連結されている。また、後リンク68Aの中間部には後リンク駆動アーム69Aと一体に回転するように普通の苗用の開閉カム73Aと草丈の高い苗用の開閉カム73Bとが設けられ、そのいずれかと作用するベアリング製のカムフォロア74が開閉アーム71に設けられている。図7に示すように、このカムフォロア74は、開閉アーム71に固着の筒部71aに摺動自在に嵌合する取付軸75に取り付けられ、開閉カム73Aと作用する位置と、開閉カム73Bと作用する位置とにスライドさせられるようになっている。軸側にスプリング76で付勢されているボール77が取付軸75に形成された位置決め溝75a,75bのいずれかに係合することにより、上記両位置でカムフォロア74が位置固定される。
【0026】
図8は作穴体の位置と作穴体下部の開閉の関係を示す図である。(a)作穴体60が下死点に位置するときに開閉カム73A(または73B)とカムフロア74が係合し、それによって開閉ロッド72が引かれることにより、作穴体の前側部材60aと後側部材60bが互いに連動して前後に回動し、作穴体60の下部が開く。(b)作穴体60が上昇する行程では下部が開いた状態のまま保たれる。(c)そして、開閉カム73Aにカムフォロア74が作用している場合は、作穴体60が上死点に達した時点で、開閉カム73とカムフォロア74の係合が外れ、スプリング64の張力によって作穴体60の下部が閉じる。(d)また、開閉カム73Bにカムフォロア74が作用している場合は、作穴体60が上死点を少し過ぎた位置で作穴体60の下部が閉じる。
【0027】
作穴体60が図8(d)の位置にある時に、苗供給装置4により作穴体内に苗が落下供給される。このとき、作穴体60の下部は閉じている。苗を保持した作穴体60が下降し、畝の表土部に突入する。そして、下死点で作穴体60の下部が開き、苗移植用穴を形成するとともに、その穴の中に保持していた苗を解放して植付ける。土崩れ防止部65,65が設けられているので、前側部材60aと後側部材60bとの側面間の隙間から苗移植用穴の中に土が崩れ落ちてくることがなく、苗の植付深さを一定に保てる。苗植付後、作穴体60は下部が開いたまま上昇するので、上昇途中で植付けた苗を挟み込むことはない。
【0028】
普通の苗を植付ける場合は、開閉カム73Aにカムフォロア74を作用させるようにするので、上死点で作穴体60の下部が閉じる。このため、苗供給装置4により作穴体60内に苗が供給する前に作穴体60の下部が閉じているので、供給された苗が作穴体を通り抜けて落ちることがない。これに対し、草丈の高い苗を植付ける場合は、開閉カム73Bにカムフォロア74を作用させるようにするので、上死点では作穴体60の下部が閉じず、苗供給装置4により作穴体60内に苗が供給されるのとほぼ同時に作穴体60の下部が閉じる。このように、作穴体60の下部が閉じるタイミングを遅らせることにより、草丈の高いの苗を作穴体60が挟み込むことを防止する。
【0029】
苗植付位置の後方には、左右一対の鎮圧輪80,80が設けられている。この鎮圧輪80,80は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに取り付けられ、後記ロッド92に遊嵌させたスプリング81によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗移植穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共に、その跡を軽く鎮圧するようになっている。
【0030】
鎮圧輪80,80が取り付けられた鎮圧輪フレーム82は、植付深さ調節ガイド枠83に上下に回動自在に支持されている。植付深さ調節ガイド枠83には複数の係合部84a,…を有するガイド溝84が形成されており、このガイド溝に鎮圧輪フレーム82と一体の植付深さ調節レバー85が摺動自在に嵌合している。植付深さ調節レバー85をガイド溝84の係合部84a,…に係合させると、鎮圧輪フレーム82が回動しないように固定される。よって、植付深さ調節レバー85の操作により、鎮圧輪80,80の取付高さを複数段階に設定できる。これにより、苗の植付深さが段階的に調節される。
【0031】
また、上記植付深さ調節ガイド枠83は、メインフレーム14の前後中間部に固着した支持枠86に上下に揺動自在に支持された揺動フレーム87の後端部に取り付けられている。畝面の凹凸に応じて鎮圧輪80,80が機体に対し上下動すると、その鎮圧輪の上下動による鎮圧輪フレーム81の揺動が、連動機構88を介して油圧バルブユニット20内の昇降用油圧バルブに伝えられ、揺動フレーム87の角度が元に戻る方向に昇降シリンダ21を作動させる。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御する。
【0032】
更に、メインフレーム14の後部には鎮圧輪固定レバー90が回動自在に設けられ、該レバーと一体のアーム91の長穴91aに下端部を揺動フレーム87に連結したロッド92の上端部がピン止めされている。鎮圧輪固定レバー90をガイド溝93の係止部93aに係止すると、鎮圧輪80,80が機体に対し一定高さに固定され、上記昇降制御が機能しなくなる。機体を非作業位置へ上昇させた状態で苗植付装置5を作動させる場合や、運搬時に鎮圧輪80,80が動くのを防止するために、上記方法で鎮圧輪80,80を固定する。
【0033】
なお、油圧バルブユニット20内のローリング用油圧バルブは左右傾斜検出用の振り子95の動きに連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ27が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。
【0034】
操縦ハンドル6は両端が後方に延びる平面視略コ字形をしており、その両端部にグリップ6a,6aが取り付けられている。グリップ6a,6aの下側にはサイドクラッチレバー100,100が設けられている。また、操縦ハンドル6の基部には操作パネル101が設けられ、該操作パネルに、苗供給装置4及び苗植付装置5へ伝動する植付クラッチの入・切操作と機体の昇降操作をする植付昇降レバー102、メインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー103等が設けられている。図中の符号104は苗の植付間隔を調節する株間調節レバーである。
【0035】
次に、駐車ブレーキ装置について説明する。右側後輪2の車軸2aを走行伝動ケース16の内側に突出させ、その突出部に外周部に任意数の凹部110a,…が形成されたブレーキホイール110が一体回転するように取り付けられている。また、走行伝動ケース16に固着したブラケット111には、先端部に前記凹部110aに係合可能な凸部112aが形成されたロックアーム112が回動自在に取り付けられている。このロックアーム112は、メインクラッチアーム113と連動するようにケーブル114でつながっている。なお、メインクラッチアーム113は、ケーブル115を介して前記メインクラッチレバー103で操作される。
【0036】
メインクラッチを切にすると、ロックアーム112がブレーキホイール110側に回動して、ロックアームの凸部112aがブレーキホイールの凹部110aに係合する。これにより、車軸2aの回転が拘束されて駐車ブレーキがかかる。メインクラッチを入にすると、戻しスプリング116の張力にロックアーム112が元の位置に戻り、駐車ブレーキが解除される。
【0037】
図11は異なる構成の野菜移植機で、この野菜移植機1′は、苗供給装置のターンテーブル41′を長円形にし、片方の中心を支点にして全体を回動できるように構成している。このようにすれば、機体の左側方から苗補給を行う場合や、機体の後方から苗補給を行う場合に、作業をやりやすい任意に位置にターンテーブルを移動させられる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる苗移植機は、作穴体の下部が開いて苗を植付けた後、作穴体の下部が開いた状態のまま昇降の上死点を過ぎた位置まで移動して閉じるので、草丈の高い苗を植付ける場合に、植付けた苗を作穴体が挟んで苗を損傷させたり、持ち上げたりすることがなくなった。また、請求項2に係る発明では、普通の苗を植付ける場合に、上死点で作穴体の下部を閉じるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】野菜移植機の側面図である。
【図2】野菜移植機の平面図である。
【図3】苗供給装置の底面図である。
【図4】シャッタの(a)側面図、(b)底面図、及び(c)正面図である。
【図5】苗植付装置の(a)側面図、及び(b)S−S断面図である。
【図6】苗植付装置の平面図である。
【図7】開閉アームとカムフォロアの平面図である。
【図8】作穴体の位置を作穴体下部の開閉の関係を示す図である。
【図9】駐車ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図10】異なるシャッタの(a)側面図、及び(b)底面図である。
【図11】異なる苗移植機の平面図である。
【符号の説明】
1 野菜移植機(苗移植機)
2 後輪
3 前輪
4 苗供給装置
5 苗植付装置
6 操縦ハンドル
60 作穴体
73A 普通の苗用の開閉カム
73B 草丈の高い苗用の開閉カム
74 カムフォロア
Claims (2)
- 機体を進行させる走行部1aと、周期的に昇降し、昇降の下死点もしくはその近傍で土壌に突入するとともに、その土壌に突入したときに下部が開いて土壌の表土部に苗植付用の穴を開けるくちばし状の作穴体60を備えた苗植付装置5と、該苗植付装置5の作穴体60の上方から苗を作穴体60内に落下させて供給する苗供給装置4とを備え、前記走行部1aによって機体を進行させながら前記苗供給装置4から供給された苗を前記作穴体60が苗植付用の穴を開けながらその穴の中に植付ける構成とした苗移植機において、前記作穴体を、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま昇降の上死点を過ぎた位置まで移動して閉じるように設けたことを特徴とする苗移植機。
- 機体を進行させる走行部1aと、周期的に昇降し、昇降の下死点もしくはその近傍で土壌に突入するとともに、その土壌に突入したときに下部が開いて土壌の表土部に苗植付用の穴を開けるくちばし状の作穴体60を備えた苗植付装置5と、該苗植付装置5の作穴体60の上方から苗を作穴体60内に落下させて供給する苗供給装置4とを備え、前記走行部1aによって機体を進行させながら前記苗供給装置4から供給された苗を前記作穴体60が苗植付用の穴を開けながらその穴の中に植付ける構成とした苗移植機において、前記作穴体を、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま上昇し、昇降の上死点に達したときに閉じるよう動作する状態と、昇降の下死点もしくはその近傍で下部が開いた後、下部が開いた状態のまま昇降の上死点を過ぎた位置まで移動して閉じるように動作する状態とに変更可能に設けたことを特徴とする苗移植機。
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