JP3634656B2 - 苗移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場表土部に苗植付用穴を開けながら苗を植付ける苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
周期的に昇降し、昇降行程の下死点もしくはその近傍で圃場表土部に突入するとともに、突入時に下端側が開放して圃場表土部に苗植付用穴を形成する苗植付具を備え、この苗植付具が昇降行程の上部にあるときに内部に苗が供給され、該苗植付具が圃場表土部に突入して下端側が開いたときに保持している苗を前記苗植付用穴の中に落とし込んで植付けるように構成された苗移植機がある。
【0003】
前記苗植付具は、例えば、前後に分割された前側部材と後側部材とからなり、両部材が互いに前後逆向きに回動することにより、下端側が前後に開閉するようになっている。このような下端側が前後に開閉する苗植付具の場合、側面視では下端が尖がり、正面視では下端が適当幅を有するくちばし状の外形をしている。また、苗植付具の内部は空間が形成されていて、下端側が閉じた状態のときには上方から供給される苗をこの内部空間に一時的に保持し、下端側が開くと保持していた苗が自重で苗植付用穴の中に落下するようになっている。従来、苗植付具の内部空間に保持されている苗が下端側が開いたときに円滑に落下しやすく、しかも苗植付具内での苗保持位置をなるべく低くして、苗植付用穴までの落下距離を短くするために、前側部材と後側部材の前後の内面は、上下方向に直線状か、或は若干外側に膨らんだ形状をしていた。
【0004】
また、この種の苗植付具を備えた苗移植機は、作業者が補助的に苗を補給する構成になっているものが多い。例えば、カップ状の苗供給体を円周上に複数個配置したターンテーブルが苗植付具の上方に設けられ、上記ターンテーブルの回転により円軌道に沿って移動する各苗供給体内に作業者が苗を一株づつ投入し、苗供給体が所定の苗供給位置へ移動したとき、該苗供給体の底部が開いて苗が下方に落下し、その苗が筒状の苗ガイドを通って苗植付具に供給されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のように苗植付具の前後の内面が直線状か、或は外側に若干膨らんだ形状であると、床土部分が小さい苗を植付ける場合、苗植付具から落下するときの苗の姿勢が乱れ、苗植付用穴での苗の植付姿勢が安定しないという問題があった。また、床土部分が小さい苗を植付ける場合には、苗植付具によって形成される苗植付用穴が苗に比べて大き過ぎることも、苗の植付姿勢が安定しない原因となる。さらに、苗供給体及び苗ガイドを通って苗植付具内に落下供給されるときの苗の姿勢が乱れていると、苗植付具から落下するときの苗の姿勢も乱れやすく、苗の植付姿勢を安定しなくなる。これらの対策を講じることにより、苗の植付姿勢を安定させることが本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は次のように構成した。すなわち、請求項1記載の発明は、下端側が前後に開閉するくちばし状の苗植付具60を備え、該苗植付具60が、周期的に圃場表土部に突入し、突入時に下端側が開放して圃場表土部に苗植付用穴Hを形成するとともに内側に保持した苗を該苗植付用穴Hの中に落し込んで植付けるように構成した苗移植機において、前記苗植付具60の前側部材60Aを、苗植付具60の後方に位置する前側部材回動軸61Aに回動自在に支持させた前側部材取付アーム62A,62Aに一体に取り付け、前記苗植付具60の後側部材60Bを、苗植付具60の前方に位置する後側部材回動軸61Bに回動自在に支持させた後側部材取付アーム62B,62Bに一体に取り付け、前記前側部材60Aと後側部材60Bが前記前側部材回動軸61Aと後側部材回動軸61Bを支点にして回動することにより苗植付具60の下端側が前後に開閉する構成とし、前記苗植付具60の内部には、該苗植付具60の下端側が閉じた状態で苗を収容保持することができる内部空間Sを形成し、前記前側部材60Aと後側部材60Bの本体部の下端に、両者が閉じた状態において互いに対向する面が接する作穴プレート60aA,60aBをそれぞれ本体部と一体に形成し、該作穴プレート60aA,60aBは、前側部材60A及び後側部材60Bの本体部の下端よりも左右幅が狭くかつ作穴プレート自体も下側へいくほど左右幅が狭く形成し、前記苗植付具60の下端側が閉じた状態では前記内部空間Sは下側へいくほど前後幅が狭い形状をし、前記苗植付具60の下端側が開くと前記内部空間Sから下方に通じる苗の通過部が形成され、該苗の通過部の前後内面上下中間部は、内側に突き出た凸状部Xが形成され、前記苗植付具60が下降して下死点もしくはその近傍で苗植付具60の前記作穴プレート60aA,60aB部分が畝の表土部に突き刺さるとともに苗植付具60の下端側が開いて苗植付用穴を形成するとほぼ同時に前記内部空間Sに収容保持されていた苗が苗植付用穴の中に落下するよう構成したことを特徴とする苗移植機とした。
【0007】
この構成とすると、苗植付具60の下端側が開いて苗が苗植付用穴Hに落下供給されるとき、苗の通過部の内面上下中間部に形成されている内側に突き出た凸状部Xによって苗が適正姿勢となるように矯正されるので、苗植付用穴の中に植付けられたとき苗が適正姿勢になる。また、作穴プレート60aA,60aBによって、苗植付具全体の大きさと比較して幅の小さい苗植付用穴が形成されるので、床土部分が小さい苗を植付ける場合に、苗植付用穴の中で苗の姿勢が乱れることが少なく、苗の植付姿勢が安定する。
【0008】
(削除)
【0009】
(削除)
【0010】
(削除)
【0011】
(削除)
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は野菜の苗或はたばこの苗用の苗移植機を表している。この苗移植機1は、走行車輪2,2,3,3を有する走行部1aによって畝Uを跨いだ状態で機体を進行させながら、苗供給装置4、苗植付装置5等からなる植付部1bで野菜のポット苗を畝Uの上面に植付ける構成となっている。作業者は、機体後方に設けた操縦ハンドル6で適宜機体を操向操作するとともに、植付作業時には機体側方を歩きながら苗供給装置4へ苗を補給する。以下、各部の構成について説明する。
【0013】
走行部1aは、走行部ミッションケース7の前側にエンジン9が配置されている。エンジン9の左側面部には該エンジンの動力で駆動する油圧ポンプ10が設けられている。また、エンジン9の上側には燃料タンク11等が設けられ、その上側をボンネット12が覆っている。走行部ミッションケース7の背面部に側面視長方形の左右に長い連結フレーム13が一体に設けられており、この連結フレームの背面右端部に走行部1aと操縦ハンドル6をつなぐメインフレーム14の前端部が固着連結されている。メインフレーム14は、植付部1bの平面視右側を通って後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま植付部1bの後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル6が固着して取り付けられている。
【0014】
走行部ミッションケース7の左右側面から突出する回動筒部15,15に走行伝動ケース16,16が一体に取り付けられ、その走行伝動ケースの先端部外側に駆動車輪である後輪2,2が軸支されている。また、エンジン9の下側に前後方向のピボット軸17aを中心に揺動自在に設けた前輪支持フレーム17の左右両端部に前輪支持ロッド18,18が高さ調節可能に取り付けられ、該ロッドの下端部に転動車輪である前輪3,3が軸支されている。
【0015】
走行部1aには機体に対し後輪2,2を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、走行部ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニット20から後方に向けて昇降シリンダ21が設けられ、該シリンダのピストンロッドの先端部に天秤杆22が上下方向の軸回りに回動自在に取り付けられている。ピストンロッドは、前後両端が油圧バルブユニット20とメイフレーム14に取り付けた取付部材23とに支持されたガイド軸24に沿って摺動するようになっている。天秤杆22の左右両端部と、回動筒部15,15に固着したスイングアーム25,25とが、連結ロッド26,26を介して連結されている。左側の連結ロッド26は、ローリングシリンダ27が組み込まれており、該シリンダを伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0016】
昇降シリンダ21及びローリングシリンダ27は、前記油圧ポンプ10から供給される作動油を油圧バルブユニット20内の制御バルブ(図示せず)で制御して作動させられる。昇降シリンダ21を伸縮作動させると、左右の後輪2,2が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ27を伸縮作動させると、左右の後輪2,2が逆方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0017】
植付部1bは、前記連結フレーム13の上面に走行部ミッションケース7から伝動される植付部ミッションケース30の下部が固着され、該植付部ミッションケースの上部に第一植付伝動ケース31の基部が固着され、さらに該第一植付伝動ケースの先端部に第二植付伝動ケース32の基部が固着されている。そして、第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32に後述する苗植付装置5の作動機構が連結されている。また、植付部ミッションケース30に基部を固着した上部フレーム34に、苗植付具60の上方に位置するように苗供給装置4と後記苗載台55,56が取り付けられている。
【0018】
苗供給装置4は、複数の苗供給体40,…を円周上に等間隔で配置したターンテーブル41を備えている。ターンテーブル41は、前記上部フレーム34に固定された支持板42に、中心軸43を支点にして回転自在に設けられている。中心軸43にはラチェットホイール45が取り付けられ、そのラチェットホイールの歯に噛み合う方向に付勢したラチェット爪46が中心軸43に回転自在に嵌合するラチェットアーム47に取り付けられている。ラチェットアーム47と、後記前リンク支持アーム67Bと一体に作動する苗供給駆動アーム49とが苗供給駆動ロッド50を介して連結されており、苗供給駆動アーム49が揺動することにより、ターンテーブル41が苗植付装置5の作動と同期して苗供給体40,…の取付間隔分づつ間欠的に回転する。
【0019】
苗供給体40,…は、上端側ほど径が大きく中間部から下は径が一定の筒状をしており、ターンテーブル41に固定した円筒状の苗供給体支持部材51に上側から嵌め込んで取り付けられている。取付状態では、苗供給体40の上部外周面に形成されている溝部40aが、苗供給体支持部材51の上縁部に係合している。ターンテーブル41の底面には、苗供給体40の底部を開閉するためのシャッタ52,…が回動自在に取り付けられている。そして、シャッタ52,…の下側に、平面視で前側やや左寄りの位置が切れたC字形のシャッタ閉じ棒53が設けられている。シャッタ閉じ棒53の切れた部分に相当する苗供給位置Pにある苗供給体40のシャッタ52は自重もしくは苗の重量で開くが、それ以外の位置にある苗供給体40,…のシャッタ52,…はシャッタ閉じ棒53に規制されて閉じた状態となっている。
【0020】
ターンテーブル41の右側と前側には、育苗トレイを1個づつ載せられる苗載台55,56が設けられている。右側の苗載台55は、上部フレーム34から右側方に突設した取付棒55a,55aに取り付けられ、育苗トレイを若干右上りに斜めに支持するようになっている。また、前側の苗載台56は、上部フレーム34から前方に突設した取付棒56a,56aに取り付けられ、育苗トレイを水平に支持するように設けられている。さらに、ターンテーブル41の上面中央部には、緊急時用の苗を適数個入れておくことのできる桶状の苗ストック部57が設けられている。
【0021】
作業時には、機体の進行に合わせて作業者が左側の後輪2の後方を歩きながら、苗載台55,56に載置されている育苗トレイのポット苗を各苗供給体40,…に補給する。ターンテーブル41の回転により各苗供給体40,…が円軌道A上を移動し、苗の入った苗供給体40が苗供給位置Pまで移動すると、シャッタ52が開き苗が苗植付装置5に落下供給される。時間的に余裕がある時に苗載台55,56の苗を苗ストック部57に適数個入れておくようにすれば、緊急時に苗ストック部57の苗を苗供給体40へ投入することにより、素早い対応が可能となり、苗供給体40が空のまま苗供給位置Pまで移動して欠株が生じることを防止できる。
【0022】
なお、この苗移植機には、例えば図8及び図9に示すような育苗トレイ200で育成された苗が使用される。すなわち、上面側に目出し穴201が形成された四角錐台形状のポット202を縦横に多数連結した紙製のポットシート203の各ポット202に床土を詰めて播種し、これを目出し穴201が上になるように育苗トレイ200の中に収容し、さらに該育苗トレイのポット202とポット202の隙間部分に土を充填して、苗を育成する。育苗トレイ200の底部には、水抜き孔204が多数開けられている。移植時には、各ポットごとにポットシート203を分離する。このようにして育成された苗は、床土部分が四角錐台形状をしている。
【0023】
苗植付装置5は、下端側が前後に開閉するくちばし状の苗植付具60を備えている。この苗植付具60は、前側部材60Aと後側部材60Bとからなっており、苗植付具60の後方に位置する前側部材回動軸61Aに回動自在に支持された前側部材取付アーム62A,62Aに前側部材60Aが一体に取り付けられ、苗植付具60の前方に位置する後側部材回動軸61Bに回動自在に支持された後側部材取付アーム62B,62Bに後側部材60Bが一体に取り付けられている。よって、回動軸61A,61Bを支点にして両部材60A,60Bが回動することにより、苗植付具60の下端側が前後に開閉する。前側部材取付アーム62Aと後側部材取付アーム62Bに形成された長穴に遊嵌する連動ピン63によって、前側部材60Aと後側部材60Bは互いに連動して回動する。前側部材取付アーム62Aの脚部62aAと後側部材取付アーム62Bの脚部62aBとの間に、前側部材60A及び後側部材60Bを閉じる側に付勢するスプリング64が張設されている。
【0024】
苗植付具60の内部には、該苗植付具の下端側が閉じた状態において苗を収容保持することのできる空間Sが形成されている(図7a参照)。この内部空間Sを構成する前側部材60A及び後側部材60Bの本体部の下端には、両者が閉じた状態において互いに接する作穴プレート60aA,60aBがそれぞれ本体部と一体に形成されている。この作穴プレート60aA,60aBは、前側部材60A及び後側部材60Bの本体部の下端よりも左右幅が狭く、かつ作穴プレート自体も下側へいくほど左右幅が狭くなっている。苗植付具60の下端側が閉じた状態では、前記内部空間Sは下側へいくほど前後幅が狭い形状をしている。苗植付具60の下端側が開くと、内部空間Sから下方に通じる苗の通過部が形成される(図7b参照)。その苗の通過部の前後内面上下中間部は、内側に突き出た凸状部Xになっている。
【0025】
次に、苗植付具60の作動機構について説明する。第二植付伝動ケース32から上方に突出する支持部32aに後リンク支持アーム67Aが回動自在に取り付けられ、その支持アームに基部が枢着された後リンク68Aの後端に前側部材回動軸61Aが連結されている。後リンク68Aの中間部には、第二植付伝動ケース32の後端部に設けた後リンク駆動アーム69Aが連結されている。また、植付部ミッションケース30に前リンク支持アーム67Bが回動自在に取り付けられ、その支持アームに基部が枢着された前リンク68Bの後端に後側部材回動軸61Bが連結されている。前リンク68Bの中間部には、第一植付伝動ケース31の後端部に設けた前リンク駆動アーム69Bが連結されている。両駆動アーム69A,69Bが駆動回転すると、後リンク68A及び前リンク68Bが基部の位置を前後に変動させつつ上下に揺動し、苗植付具60が下端軌跡Kを描いて一定姿勢のまま上下動する。
【0026】
後リンク68Aの基部には開閉アーム71が回動自在に取り付けられ、その開閉アーム71の先端部と前側部材取付アーム62Aとが開閉ロッド72で連結されている。また、後リンク68Aの中間部には後リンク駆動アーム69Aと一体に回転する開閉カム73が取り付けられている。この開閉カムのカムフォロアとしてのローラ74が開閉アーム71に設けられている。苗植付具60が下死点付近にある位置から上昇する行程で、開閉カム73がローラ74に係合するようになっている。開閉カム73がローラ74に係合すると、開閉ロッド72が引かれ、前側部材60Aと後側部材60Bが互いに連動して回動し、苗植付具60の下端側が開く。開閉カム73がローラ74に係合しない時は、スプリング64の張力によって苗植付具60の下端側が閉じている。
【0027】
また、前記苗供給位置Pの下方に、苗植付具60と共に昇降する苗ガイド76が設けられている。この苗ガイド76は、苗供給体40と同様に、上端側ほど径が大きく中間部から下は径が一定の筒状をしており、前側部材回動軸61Aと後側部材回動軸61Bに固定した円筒状の苗ガイド支持部材77に上側から嵌め込んで取り付けられている。径が一定の部分の長さが苗ガイド76の方が苗供給体40よりも長いことを除けば、両者44,76は同形、同寸に形成されている。このため、一部加工するだけで両者44,76は同じ製品を共用することができる。また、苗供給体支持部材51と苗ガイド支持部材77も同形、同寸であるので、両者51,77を共用することができる。
【0028】
苗植付具60が上死点にある時に、苗供給位置Pにある苗供給体40より苗Nが落下供給される。供給された苗Nは、苗ガイド76を通って苗植付具の内部空間Sに導かれる。苗供給体40と苗ガイド76はいずれも下部の径が小さくなっているので、苗供給体40に投入された時に苗の姿勢が傾いていても、両者を通過する間に苗がまっすぐ上を向く適正な姿勢で修正される。
【0029】
苗を保持した苗植付具60が下降し、下死点もしくはその近傍で苗植付具60の作穴プレート60aA,60aB部分が畝の表土部に突き刺さるとともに、苗植付具60の下端側が開き苗植付用穴Hを形成する。それとほぼ同時に、内部空間Sに収容保持されていた苗Nが苗植付用穴Hの中に落下する。内部空間Sから苗植付用穴Hまでの苗の通過部は前後内面の上下中間部が内側に突き出た凸状部Xになっているので、苗が傾いた状態ではその凸状部Xを通過することができず、苗がまっすぐ上を向く適正な姿勢に修正されてから苗植付用穴の中に落ち込む。また、作穴プレート60aA,60aBによって形成される苗植付用穴Hは、苗の床土部の大きさに合った適度の左右幅となっている。これらのことから、苗植付用穴の中での苗の植付姿勢が安定する。苗開放後、苗植付具60は上昇し、上死点付近まで上昇すると苗植付具60の下端側が閉じる。
【0030】
苗植付位置の後方には、左右一対の鎮圧輪80,80が設けられている。この鎮圧輪80,80は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに取り付けられ、後記ロッド92に遊嵌させたスプリング81によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗移植穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共に、その跡を軽く鎮圧するようになっている。
【0031】
鎮圧輪80,80が取り付けられた鎮圧輪フレーム82は、植付深さ調節ガイド枠83に上下に回動自在に支持されている。植付深さ調節ガイド枠83には複数の係合部84a,…を有するガイド溝84が形成されており、このガイド溝に鎮圧輪フレーム82と一体の植付深さ調節レバー85が摺動自在に嵌合している。植付深さ調節レバー85をガイド溝84の係合部84a,…に係合させると、鎮圧輪フレーム82が回動しないように固定される。よって、植付深さ調節レバー85の操作により、鎮圧輪80,80の取付高さを複数段階に設定できる。これにより、苗の植付深さが段階的に調節される。
【0032】
また、上記植付深さ調節ガイド枠83は、メインフレーム14の前後中間部に固着した支持枠86に上下に揺動自在に支持された揺動フレーム87の後端部に取り付けられている。畝面の凹凸に応じて鎮圧輪80,80が機体に対し上下動すると、その鎮圧輪の上下動による鎮圧輪フレーム81の揺動が、連動機構88を介して油圧バルブユニット20内の昇降用油圧バルブに伝えられ、揺動フレーム87の角度が元に戻る方向に昇降シリンダ21を作動させる。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御する。
【0033】
さらに、メインフレーム14の後部には鎮圧輪固定レバー90が回動自在に設けられ、該レバーと一体のアーム91の長穴91aに下端部を揺動フレーム87に連結したロッド92の上端部がピン止めされている。鎮圧輪固定レバー90をガイド溝93の係止部93aに係止すると、鎮圧輪80,80が機体に対し一定高さに固定され、上記昇降制御が機能しなくなる。機体を非作業位置へ上昇させた状態で苗植付装置5を作動させる場合や、運搬時に鎮圧輪80,80が動くのを防止するために、上記方法で鎮圧輪80,80を固定する。
【0034】
なお、油圧バルブユニット20内のローリング用油圧バルブは左右傾斜検出用の振り子95の動きに連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ27が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。
【0035】
操縦ハンドル6は両端が後方に延びる平面視略コ字形をしており、その両端部にグリップ6a,6aが取り付けられている。旋回時や路上走行時には、作業者がグリップ6a,6aを握って操縦する。グリップ6a,6aの下側にはサイドクラッチレバー100,100が設けられている。また、操縦ハンドル6の基部には操作パネル101が設けられ、該操作パネルに、苗供給装置4及び苗植付装置5へ伝動する植付クラッチの入・切操作と機体の昇降操作をする植付昇降レバー102、メインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー103等が設けられている。図中の符号104は苗の植付間隔を調節する株間調節レバーである。
【0036】
【発明の効果】
上記説明の如く、本発明にかかる苗移植機は、苗植付具に苗が落下供給される時に苗の姿勢を適正に修正するとともに、苗植付部の内部空間から苗植付用穴に苗が落とし込まれる時に苗の姿勢を適正に修正するので、苗を適正姿勢で植付けることができ、苗植付具全体の大きさと比較して幅の小さい苗植付用穴が形成されるので、床土部分が小さい苗を植付ける場合に、苗植付用穴の中で苗の姿勢が乱れることが少なく、苗の植付姿勢が安定するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】野菜移植機の側面図である。
【図2】野菜移植機の平面図である。
【図3】苗供給装置の底面図である。
【図4】苗植付装置の側面図である。
【図5】苗植付装置の平面図である。
【図6】苗供給体、苗ガイド、及び苗植付具の正面図である。
【図7】(a)下端側が閉じた状態の苗植付具の側面図、及び下端側が開いた状態の苗植付具の側面図である。
【図8】育苗箱の斜視図である。
【図9】育苗箱の側面断面図である。
【符号の説明】
H苗植付用穴
N苗
S内部空間
X凸状部
1苗移植機
4苗供給装置
5苗植付装置
40苗供給体
60苗植付具
60A前側部材
60B後側部材
60aA,60aB作穴プレート
76苗ガイド
Claims (1)
- 下端側が前後に開閉するくちばし状の苗植付具60を備え、該苗植付具60が、周期的に圃場表土部に突入し、突入時に下端側が開放して圃場表土部に苗植付用穴Hを形成するとともに内側に保持した苗を該苗植付用穴Hの中に落し込んで植付けるように構成した苗移植機において、
前記苗植付具60の前側部材60Aを、苗植付具60の後方に位置する前側部材回動軸61Aに回動自在に支持させた前側部材取付アーム62A,62Aに一体に取り付け、前記苗植付具60の後側部材60Bを、苗植付具60の前方に位置する後側部材回動軸61Bに回動自在に支持させた後側部材取付アーム62B,62Bに一体に取り付け、前記前側部材60Aと後側部材60Bが前記前側部材回動軸61Aと後側部材回動軸61Bを支点にして回動することにより苗植付具60の下端側が前後に開閉する構成とし、
前記苗植付具60の内部には、該苗植付具60の下端側が閉じた状態で苗を収容保持することができる内部空間Sを形成し、
前記前側部材60Aと後側部材60Bの本体部の下端に、両者が閉じた状態において互いに対向する面が接する作穴プレート60aA,60aBをそれぞれ本体部と一体に形成し、
該作穴プレート60aA,60aBは、前側部材60A及び後側部材60Bの本体部の下端よりも左右幅が狭くかつ作穴プレート自体も下側へいくほど左右幅が狭く形成し、
前記苗植付具60の下端側が閉じた状態では前記内部空間Sは下側へいくほど前後幅が狭い形状をし、前記苗植付具60の下端側が開くと前記内部空間Sから下方に通じる苗の通過部が形成され、該苗の通過部の前後内面上下中間部は、内側に突き出た凸状部Xが形成され、
前記苗植付具60が下降して下死点もしくはその近傍で苗植付具60の前記作穴プレート60aA,60aB部分が畝の表土部に突き刺さるとともに苗植付具60の下端側が開いて苗植付用穴を形成するとほぼ同時に前記内部空間Sに収容保持されていた苗が苗植付用穴の中に落下するよう構成したことを特徴とする苗移植機。
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-
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