JP5834684B2 - 鋼矢板構造物、鋼矢板 - Google Patents

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Description

本発明は、河川や海洋などの厳しい腐食環境で使用される鋼矢板構造物及び該鋼矢板構造物を形成する鋼矢板に関する。
海洋などの厳しい腐食環境にさらされる港湾鋼構造物の部材としてウレタンエラストマーなどの重防食被覆を施した鋼矢板が用いられている。
重防食被覆鋼矢板は主にU形鋼矢板が用いられてきたが、近年幅広で工期短縮が可能なハット形鋼矢板についても重防食被覆が検討されている。
また、鋼矢板には断面がZ形状のものがあり、今後海外を中心に使用が増えることが考えられているが、その防食方法についてはほとんど検討されていない。
鋼矢板への重防食被覆は飛沫、干満部にさらされる表面に工場などで施されるが、継手近傍は重防食被覆が行われない。重防食被覆鋼矢板の腐食はこの継手近傍にある被覆端部から被覆剥離をともなって発生する。この被覆端部の剥離を抑制することで重防食被覆鋼矢板の腐食は大幅に抑制されるため、この被覆端部からの剥離抑制のための検討がいくつかなされてきた。
例えば、特許文献1ではボルトとナットにより継手部をカバーで覆い、その中に充填材を充填する方法が提案されている。
また、特許文献2では継手部にあらかじめフック金具を固定して、そこにカバーを取り付けその中に充填材を充填する方法が提案されている。
また、特許文献3では継手部にそってべースプレートを固定し、そのベースプレートとカバーをスポット溶接し、その中に充填材を充填する方法が提案されている。
また、特許文献4では継手部にあらかじめL型金具を固定しておき、そこにカバーをとりつけ、継手部とカバー間に充填材を充填する方法が提案されている。
特開2008−248578号公報 特開2008−248583号公報 特開2008−248647号公報 特開2008−248659号公報
特許文献1乃至4に開示されたものは、継手部にカバーを設置する点で共通しており、そのカバーの固定方法がそれぞれ異なっている。特許文献1はボルトとナットで固定するものであり、特許文献2はフック金具を用いて固定するものであり、特許文献3は予め固定したベースプレートにスポット溶接で固定するものであり、特許文献4は予め固定したL型金具を用いて固定するものである。
特許文献1乃至4の方法はいずれもカバー設置の工程が複雑であり、カバー設置に手間がかかるという問題がある。
また、特許文献1乃至4はいずれもハット形鋼矢板に関するものであり、ハット形鋼矢板以外のもの、例えばZ形鋼矢板については何らの検討もされていない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、継手部にカバー設置を必要とせず、防食性に優れた鋼矢板構造物及び該鋼矢板構造物を形成する鋼矢板を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る鋼矢板構造物は、一方の面に重防食被覆が施されると共に両端に継手部を有する鋼矢板を連結して形成されるものであって、前記継手部は前記重防食被覆がされた面側に突き出ないように設けられ、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結された状態で、連結された鋼矢板における重防食被覆間の隙間の距離が10mm〜20mmであることを特徴とするものである。
(2)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、各フランジの端部に、鋼矢板の面に対して逆向きに開口する継手部を備えてなるZ形鋼矢板であることを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、各フランジの端部に、鋼矢板の面に対して同じ向きに開口する継手部を備えてなるZ形鋼矢板であることを特徴とするものである。
(4)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、断面がハット形のハット形鋼矢板であることを特徴とするものである。
(5)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、鋼矢板の面に対して逆向きに開口する継手部を有し、断面がU形のU形鋼矢板であることを特徴とするものである。
(6)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、鋼矢板の面に対して同じ向きに開口する継手部を有し、断面がU形のU形鋼矢板であることを特徴とするものである。
(7)また、本発明に係る鋼矢板は、上記(1)に記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、断面が直線の直線形鋼矢板であることを特徴とするものである。
本発明に係る鋼矢板構造物は、一方の面に重防食被覆が施されると共に両端に継手部を有する鋼矢板を連結して形成されるものであって、前記継手部は前記重防食被覆がされた面側に突き出ないように設けられ、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結された状態で、連結された鋼矢板における重防食被覆間の隙間の距離が20mm以下になるように設定されているので、鋼矢板構造物が形成された状態において、重防食被覆が施されず、鋼材が露出する面積を極めて小さくでき、鋼材露出部の腐食に伴い生じる重防食被覆の剥離や、重防食被覆下の腐食を抑制し防食性に優れた鋼矢板構造物を得ることができる。
また鋼材が露出する箇所が極端に小さくなることによって、露出部をシール材や金属板などで被覆する必要がなく、施工性を向上させることもできる。
本発明の一実施の形態における鋼矢板構造物の説明図である。 図1に示した鋼矢板構造物の連結部の説明図である。 本発明の一実施の形態における鋼矢板構造物を形成する鋼矢板の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態の鋼矢板の他の態様の説明図である。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本実施の形態に係る鋼矢板構造物1は、図1、図2に示すように、一方の面に重防食被覆3が施された第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7を連結して形成される鋼矢板構造物である。
以下、各構成を詳細に説明する。
<重防食被覆>
本実施の形態において第1Z形鋼矢板5及び第2Z形鋼矢板7に施される重防食被覆3はその種類や形態を特に限定するものではないが、その一例を示すと、腐食環境にさらされる表面にウレタンエラストマーやポリエチレンなどの防食樹脂層をポリウレタンやエポキシなどの接着剤層の上に2〜5mm程度の厚さで被覆したものが挙げられる。
重防食被覆3は、例えば海側に配置される面における飛沫、干満帯に相当する部位に施工される。
また、隣接する第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7間に生ずる重防食被覆3間の隙間a(図2参照)は、20mm以下になるように設定されている。
隙間aの距離が20mm以下になるのは、図2に示されるように、第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7の継手部の形状が関連しているが、この点については、以下の第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7の説明において詳細に述べる。
<第1Z形鋼矢板>
第1Z形鋼矢板5(図3(a)参照)は、断面において、図中右斜め上方に向かうように傾斜するウェブ9と、該ウェブ9の図中上側端部に連続して右方向に延出するように形成された上フランジ11と、ウェブ9の下側端部に連続して左方向に延出するように形成された下フランジ13とを備えている。そして、上フランジ11の端部には凸状部15を備えた第1凸付継手部17が形成され、下フランジ13の端部には内面側(重防食被覆3が設けられていない面側)に向けて略直角に屈曲する屈曲部19を備えた第1屈曲継手部21が形成されている。
第1凸付継手部17は、図3(a)に示すように、図中下方に開口する凹溝23と、凹溝23の先端側に形成されて凹溝23側に屈曲する鉤爪25と、凹溝23の基部側に形成された図中下方向に突き出る凸状部15を備えている。鉤爪25の外側の端面27は上フランジ11に対して略直角になっている。
また、図3(a)に示すように、第1凸付継手部17における開口側と反対の面は、第1屈曲継手部21の屈曲部19に至るまで、ウェブとフランジの境の部分にあたる折れ曲がりを除き平坦になっており、この部分に重防食被覆3が施されている。ただし第1凸付継手部17の先端や第1屈曲継手部21側の屈曲部19の基端部(端面27から10mm以内、および端面28から10mm以内)には重防食被覆3はなされていない(図2参照)。
第1屈曲継手部21は、図3(a)に示すように、屈曲部19の外側(鋼矢板幅方向外側)に図中上方に開口する凹溝29と、凹溝29の先端側に形成されて凹溝29側に屈曲する鉤爪31を備えている。
<第2Z形鋼矢板>
第2Z形鋼矢板7(図3(b)参照)は、断面において、図中左斜め上方に向かうように傾斜するウェブ33と、該ウェブ33の図中上側端部に連続して左方向に延出するように形成された上フランジ35と、ウェブ33の下側端部に連続して右方向に延出するように形成された下フランジ37とを備えている。
上フランジ35の端部には内面側(重防食被覆3が設けられていない面側)に向けて略直角に屈曲する屈曲部39を備えた第2屈曲継手部41が形成されている。この第2屈曲継手部41は第1Z形鋼矢板5に形成された第1屈曲継手部21と同形状であり、屈曲部39の外側に図中上方に開口する凹溝43と、凹溝43の先端側に形成されて凹溝43側に屈曲する鉤爪45を備えている。
第2屈曲継手部41は、第1Z形鋼矢板5の第1凸付継手部17と連結可能になっている。
下フランジ37の端部には図中下方に凸状部47を有する第2凸付継手部49が形成されている。第2凸付継手部49は、第1Z形鋼矢板5の第1凸付継手部17と同形状であり、図3(b)に示すように、図中下方に開口する凹溝51と、凹溝51の先端側に形成されて凹溝51側に屈曲する鉤爪53と、凹溝51の基部側に形成された図中下方向に突き出る凸状部47を備えている。鉤爪53の外側の端面55は上フランジ35に対して略直角になっている。また、図3(b)に示すように、第2凸付継手部49における開口側と反対の面は、第2屈曲継手部41の屈曲部39に至るまで、ウェブとフランジの境の部分にあたる折れ曲がりを除き平坦になっており、この部分に重防食被覆3が施されている。なお、第2凸付継手部49の先端や第2屈曲継手部41側の屈曲部39の基端部には重防食被覆3がなされていない点は第1Z形鋼矢板5と同様である。

第2凸付継手部49は、第1Z形鋼矢板5の第1屈曲継手部21と連結可能になっている。
上記の説明から分かるように、第1Z形鋼矢板5、第2Z形鋼矢板7共に、傾斜するウェブと、ウェブの両端に互いに逆方向に延出するように設けられたフランジとを備え、各フランジの先端に互いに逆方向に開口を有する継手部を備えている点で共通している。
第1Z形鋼矢板5及び第2Z形鋼矢板7の製造方法は特に限定されるものではないが、その一例を挙げれば鋼スラブや鋼ブルームを熱間加工することにより製造される。なお、継手部形状の加工は冷間加工によってなされてもよい。
また、第1Z形鋼矢板5及び第2Z形鋼矢板7は、その鋼種について特に限定するものではないが、普通鋼もしくはC、Si、Mn、P、Sなどを制御したものや、Cu、Cr、Ni、Mo、W、Sn、Nb、Sb,V、Al等の元素を添加した合金鋼などを用いることが出来る。
次に、上記のような第1Z形鋼矢板5及び第2Z形鋼矢板7を連結して構成される鋼矢板構造物1の施工方法を説明する。
本発明の鋼矢板構造物1は従来の方法を特に変更することなく施工することが可能である。第1Z形鋼矢板5及び第2Z形鋼矢板7は、一枚ずつバイブロハンマーによって隣接する継手部(第1Z形鋼矢板5の第1凸付継手部17と第2Z形鋼矢板7の第2屈曲継手部41、第2Z形鋼矢板7の第2凸付継手部49と第1Z形鋼矢板5の第1屈曲継手部21)を連結しながら地中に打設する。
上記のように構成された本実施の形態においては、隣接する第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7間に生ずる重防食被覆3間の隙間aが20mm以下になるように設定されていることにより、重防食被覆3の隙間にカバーを設けなくとも重防食被覆3が長期間に亘って剥がれないという効果を奏することができる。この理由を以下に説明する。
図2に示すように、隣接する第1Z形鋼矢板5と第2Z形鋼矢板7の連結部においては、各継手部の先端まで重防食被覆3がなされているので、鋼材が露出する部分は、20mm以内という小さい隙間aの部位のみであり、かつ第1Z形鋼矢板5の第1凸付継手部17と、第2Z形鋼矢板7の第2屈曲継手部41とが近接して配置されている。
このため、重防食被覆3間の隙間から海水等が浸入して第1凸付継手部17と第2屈曲継手部41における対向する部位が腐食して錆びが発生すると、この錆びによって錆びが発生した部位よりも内側への海水等の浸入が防止され、それ以上の継手部内部の腐食が防止される。つまり、継手近傍で腐食が進行する部位は重防食被覆3間の隙間aの部位のみとなる。さらに、ここで、重防食被覆3の端部における鋼材の腐食面積を小さくすること、具体的には重防食被覆3間の隙間aを20mm以下とすることにより、重防食被覆3の剥離を顕著に抑制できることを見出した。
この点をさらに詳細に説明する。水中における金属の腐食は、電気化学的反応に基づいて進行し、この反応は酸化反応(アノード反応)と、同時に還元反応(カソード反応)を伴う。カソード反応によってOH-イオンが発生し、このOH-イオンが重防食被覆を剥離させる。カソード反応の強さは腐食面積に比例するが、本実施の形態では腐食面積を小さくできるので、OH-イオンの発生を抑制して重防食被覆の剥離を防止できるのである。
また、本実施の形態においては、第1Z形鋼矢板5の第1凸付継手部17と、第2Z形鋼矢板7の第2屈曲継手部41とが重防食被覆3がされた面側に突き出ないように設けられているので、図2に示すように、第1凸付継手部17と第2屈曲継手部41を連結する際に、両継手部の鉤爪が重防食被覆3に干渉しにくく、施工時に重防食被覆3を傷つける危険性が少ないという効果もある。
なお、上記の実施の形態においては鋼矢板の例として、図3に示した第1Z形鋼矢板5、第2Z形鋼矢板7を示したが、本発明の鋼矢板はこれに限られるものではない。例えば、第1Z形鋼矢板5のウェブ9と上フランジ11及び下フランジ13の成す角度、第2Z形鋼矢板7のウェブ33と上フランジ35及び下フランジ37の成す角度については、図3に示したものに限定されず、例えば図4に示す第1Z形鋼矢板61及び第2Z形鋼矢板63のように、ウェブ9と上フランジ11、下フランジ13の成す角度、およびウェブ33と上フランジ35、下フランジ37の成す角度がより直角に近いものであってもよい。
また、第1Z形鋼矢板と第2Z形鋼矢板の他の態様として、図5に示す第1Z形鋼矢板65及び第2Z形鋼矢板67のように、第1Z形鋼矢板65の上フランジ11及び下フランジ13のそれぞれの端部に第1凸付継手部17を設け、第2Z形鋼矢板67の上フランジ35及び下フランジ37のそれぞれの端部に第2屈曲継手部41を設けるようにしてもよい。
図5に示すような継手部の態様を有するものにおいても、例えば図6に示す第1Z形鋼矢板69及び第2Z形鋼矢板71のように、第1Z形鋼矢板のウェブ9と上フランジ11及び下フランジ13の成す角度、第2Z形鋼矢板のウェブ33と上フランジ35及び下フランジ37の成す角度は、より直角に近いものであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、鋼矢板の例として、図3〜図6に示したZ形鋼矢板を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、図7に示すように、両側のフランジの一方に図中上方に開口する第1屈曲継手部21を有し、他方のフランジに図中下方に開口する第1凸付継手部17を有し、第1屈曲継手部21と第1凸付継手部17の開口の向きが逆向きで、かつ図中上方に開口する第1屈曲継手部21の開口側の面に重防食被覆3が施されたハット形鋼矢板73のようなものであってもよい。このハット形鋼矢板73の場合にも、重防食被覆3が施された面側に継手部が突き出ない点は、Z形鋼矢板等と同様である。
ハット形鋼矢板73の場合においても上述したZ形鋼矢板の場合と同様に、例えばウェブとフランジとの成す角度は特に限定されず、例えば図8に示すハット形鋼矢板75のように、屈曲部の角度が図7のものよりも直角に近いものであってもよい。
また、鋼矢板の他の例として、図9に示す第1U形鋼矢板77と第2U形鋼矢板79の組合せであってもよい。図9に示す例は、第1U形鋼矢板77の両端に第1凸付継手部17を設け、第2U形鋼矢板79の両端に第2屈曲継手部41を設けている。この場合も、図5に示したZ形鋼矢板の場合と同様に、重防食被覆3がされた面側に継手部が突き出ないようになっている。
なお、U形鋼矢板の場合には、図9に示す態様の他、連結される一対のU形鋼矢板のうちの一方のU形鋼矢板における一方端部には第1凸付継手部17が、他方の端部には第1屈曲継手部21が設けられ、他方のU形鋼矢板における一方の端部には第2凸付継手部49が設けられ他方の端部には第2屈曲継手部41が設けられるような態様であってもよい。
また、鋼矢板の他の例として、図10に示すように、一方の端部に第1屈曲継手部21を有し、他方の端部に第1凸付継手部17を有する直線形鋼矢板81であってもよい。この直線形鋼矢板81の場合にも、重防食被覆3が施された面側に継手部が突き出ない点は、Z形鋼矢板等と同様である。
以下に実施の形態1の実施例を示す。
本発明の効果を確認する実験を行ったので、以下これについて説明する。
本実施例のZ形鋼矢板は、鋼種SY295で、厚み250mm×幅700mm、長さ5000mmの連続鋳造ブルームを用いて、熱間圧延で製造したものである。
圧延時の素材ウェブ温度を、粗圧延機で1050〜1250℃、中間圧延機で900〜1050℃、仕上げ圧延機で700〜850℃として圧延を行った。前記3台の圧延機は従来の鋼矢板製造に用いる孔型を有するロールからなる圧延機である。その結果、何らのトラブルなく製品の鋼矢板が安定して製造できた。製品のサイズは、厚み16.0mm、有効幅630mm、有効高さ430mmである。
Z形鋼矢板表面における飛沫、干満帯に相当する部位4mに、重防食被覆として3mm厚さのウレタンエラストマー被覆を行った。
発明例1として隣接するZ形鋼矢板の継手部間の隙間a(図2参照)が10mmとなるもの、発明例2として隙間aが20mmとなるもの、比較例1として隙間aが40mmとなるものを準備した。
本実施例のU形鋼矢板は、鋼種SY295で、厚み250mm×幅700mm、長さ5000mmの連続鋳造ブルームを用いて、熱間圧延で製造したものである。
圧延時の素材ウェブ温度を、粗圧延機で1050〜1250℃、中間圧延機で900〜1050℃、仕上げ圧延機で700〜850℃として圧延を行った。前記3台の圧延機は従来の鋼矢板製造に用いる孔型を有するロールからなる圧延機である。その結果、何らのトラブルなく製品の鋼矢板が安定して製造できた。U形鋼矢板の製品サイズ(2Wサイズ)は厚み10.3mm、有効幅600mm、有効高さ130mmである。
U形鋼矢板表面における飛沫、干満帯に相当する部位4mに、重防食被覆として3mm厚さのウレタンエラストマー被覆を行った。
発明例3として隣接するU形鋼矢板の継手部間の隙間a(図2参照)が20mmとなるもの、比較例2として隙間aが40mmとなるものを準備した。
発明例1〜3、比較例1、2の鋼矢板を、重防食被覆3を施した面を海側にして継手部を連結させながら海浜部にそれぞれ打設した。
施工1年後に外観観察と重防食被覆端部を強制剥離して、腐食による重防食被覆端部からの剥離距離の測定を行った。剥離距離測定の結果を表1に示す。
Figure 0005834684
発明例1、2、3については重防食被覆の端部からの剥離距離が1mm以下であり、実質上問題のないレベルで十分な防食性能が保たれていた。
一方、比較例1、2については剥離距離が15mmであり、剥離した重防食被覆下の腐食も認められた。この段階では問題とならないが、今後剥離が進展し補修が必要となることはほぼ間違いなく、充分な防食性能が保たれているとは言えない結果となった。
以上のように、本発明であれば隣接する鋼矢板間の重防食被覆の隙間にカバーを設けなくても腐食防止の効果があることが実証された。
1 鋼矢板構造物
3 重防食被覆
5 第1Z形鋼矢板
7 第2Z形鋼矢板
9 ウェブ(第1Z形鋼矢板)
11 上フランジ(第1Z形鋼矢板)
13 下フランジ(第1Z形鋼矢板)
15 凸状部(第1Z形鋼矢板)
17 第1凸付き継手部
19 屈曲部(第1Z形鋼矢板)
21 第1屈曲継手部
23 凹溝(第1凸付き継手部)
25 鉤爪(第1凸付き継手部)
27 端面
28 端面
29 凹溝(第1屈曲継手部)
31 鉤爪(第1屈曲継手部)
33 ウェブ(第2Z形鋼矢板)
35 上フランジ(第2Z形鋼矢板)
37 下フランジ(第2Z形鋼矢板)
39 屈曲部(第2Z形鋼矢板)
41 第2屈曲継手部
43 凹溝(第2屈曲継手部)
45 鉤爪(第2屈曲継手部)
47 凸状部(第2凸付き継手部)
49 第2凸付き継手部
51 凹溝(第2凸付き継手部)
53 鉤爪(第2凸付き継手部)
55 端面
61 第1Z形鋼矢板(他の態様)
63 第2Z形鋼矢板(他の態様)
65 第1Z形鋼矢板(他の態様)
67 第2Z形鋼矢板(他の態様)
69 第1Z形鋼矢板(他の態様)
71 第2Z形鋼矢板(他の態様)
73 ハット形鋼矢板
75 ハット形鋼矢板(他の態様)
77 第1U形鋼矢板
79 第2U形鋼矢板
81 直線形鋼矢板

Claims (7)

  1. 一方の面に重防食被覆が施されると共に両端に継手部を有する鋼矢板を連結して形成される鋼矢板構造物であって、
    前記継手部は前記重防食被覆がされた面側に突き出ないように設けられ、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結された状態で、連結された鋼矢板における重防食被覆間の隙間の距離が10mm〜20mmであることを特徴とする鋼矢板構造物。
  2. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、各フランジの端部に、鋼矢板の面に対して逆向きに開口する継手部を備えてなるZ形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
  3. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、各フランジの端部に、鋼矢板の面に対して同じ向きに開口する継手部を備えてなるZ形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
  4. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、断面がハット形のハット形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
  5. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、鋼矢板の面に対して逆向きに開口する継手部を有し、断面がU形のU形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
  6. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、鋼矢板の面に対して同じ向きに開口する継手部を有し、断面がU形のU形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
  7. 請求項1記載の鋼矢板構造物を構成する鋼矢板であって、断面が直線の直線形鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板。
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