JP4495668B2 - 高耐食性鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐食性鋼材に関する技術分野に属するものであり、特には、橋梁、船舶、海洋構造物、他鋼構造物、建材、家電、自動車等に用いて好適な高耐食性鋼材に関する技術分野に属するものである。
腐食環境で使用される鋼は、めっき、塗装、溶射、電気防食などの対策のいずれかがなされることが一般的である。しかしながら、めっき、塗装、溶射などの表面皮膜には必ず何らかの微細欠陥があり、その部分の腐食が進行すると局部的に反応が大きく進行し、信頼性の面で必ずしも安全でない場合も多い。また、電気防食などは経済性の問題はいうに及ばず、装置の信頼性や設定条件を誤るとかえって腐食を進行させることもあり、完全なものではない。
近年、信頼性の向上や、製造・施工工程の簡素化、メンテナンスフリー化、経済的な要請、省資源等の観点から、鋼素地の耐食性向上を目的としたCr含有鋼やステンレス鋼の使用が増大している。しかしながら、素材コストの上昇や溶接性、機械的特性、経済性等を考慮した場合に耐食性を満足する素材が使用できず、これらは抜本的な対策とならない場合が多い。
鋼素地の耐食性向上を目的とした鋼材として鋼にCr,Cu,Ni,P等の化学成分を適量添加した耐候性鋼材があり、この耐候性鋼材としてJISに溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(SMA:JIS G 3114)と高耐候性圧延鋼材(SPA:JIS G 3125)の二種が規定されている。耐候性鋼は、鋼材表面に生成した緻密な安定錆層により永続的な腐食の進行を遮るといった鋼であり、内陸地方などマイルドな腐食環境等では使用実績がある。
従来の耐食性向上手段の中、表面処理については局部的腐食進行による信頼性の面で問題があり、電気防食などは装置や条件の問題、経済性の問題があり、Cr含有鋼やステンレス鋼は溶接性、機械的特性や素材コストの上昇や経済性を考慮した場合に耐食性を満足する素材が使用できず、抜本的な対策とならない場合が多い。
耐候性鋼においては、安定な錆層を生成するまでには約10年以上もの長期間を要し、実用上は初期の腐食及びそれに伴う赤錆の流出などが問題になっている。高温多湿な気候である日本では特にその傾向が強い。耐候性鋼を裸使用する際の錆安定化までの錆汁による周囲構造物の汚染などを防止する目的で、錆安定化処理が一般的に行われている。ただし、この方法も錆汁を防ぐのみで裸使用と同様、塩分が多く飛来する環境では緻密な錆層の生成が阻害され、期待した効果が得られないといった問題がある。
このような問題点を解決する手段も従来から提案されている。例えば、特公昭53-22530号公報、特公昭56-33991号公報、特公昭58-39915号公報、特公昭58-17833号公報、特開平02-133480 号公報、特公平06-21273号公報等では、耐候性鋼の表面に樹脂を塗装することにより、外部環境からの飛来塩分の侵入を防ぎ、安定錆の生成を促進する方法が提案されている。上記特開平02-133480 号公報には、鱗片状結晶構造のFe3O4 、燐酸、ブチラール樹脂及び残部が溶剤である安定錆の生成を促進する表面処理液が開示されている。上記特公平06-21273号には、P,Cu,Cr,Ni,Si及びMoの化合物の1種以上、Fe2O3 、Fe3O4 、燐酸、ビスフェノール系エポキシ樹脂及び残部が溶剤と塗料補助剤である塗装液を塗布する錆安定化表面処理方法が開示してある。
しかし、これらの方法はいずれも鋼材そのものを改善したものではなく、良い錆の生成を促進するには問題がある。即ち、樹脂塗装は、通常、微小な欠陥を有しており、その欠陥箇所においては塗膜の効果を期待できない。更には、塗膜欠陥部での腐食の進行は塗膜−素地界面での隙間腐食を引き起こすこととなり、安定錆層が生成する以前に塗膜自体の剥離、脱落を招くこともある。従って、塩分の飛来がさけられないような厳しい環境においての耐候性鋼の使用は制限を受けることとなり、大きな問題となっている。
鋼材そのものを改善したものとして、特開平10−330881号公報(特許文献1)や特開平11−71632号公報(特許文献2)に記載のものがある。前者の特開平10−330881号公報に記載のものは、Crフリー、Cu,Ni,Ti等の添加により、優れた耐候性が得られるというものである。しかし、機械的特性・溶接性・コストを勘案して合金添加量が制限され、それにより耐候性の向上が制限され、厳しい環境では耐候性が充分でないという問題点がある。後者の特開平11−71632号公報に記載のものは、Crフリー、Cu,Ni,Ti等の添加、さらに炭素当量特定により、耐候性を得つつ溶接性を確保する範囲を規定している。しかし、機械的特性・溶接性・コストを勘案して合金添加量を制限した結果、十分な耐食性が得られない。
特開平10−330881号公報 特開平11−71632号公報
鉄の耐食性向上のため、Cr,Cu,Niなどの耐食性向上元素の添加が常用されている。これらの元素は、一般的に、添加量が多いほど高い耐食性が得られるが、添加量が多くなるにつれて、機械的特性、溶接性の低下をきたすことが多く、更に、素材コストも高くなるため、元素添加量をなるべく低く抑えることが望ましい。
このように、耐食性の向上と鋼材特性やコストパフォーマンスの向上とは二律背反であり、両者を十分に満足するべく多くの検討が実施されているが、どこかのバランス点で妥協せざえるをえない。
本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、耐食性向上元素の過剰な添加による機械的特性および溶接性の低下をきたすことなく、優れた耐食性を有することができる高耐食性鋼材を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、高耐食性鋼材に係わり、特許請求の範囲の請求項1〜記載の高耐食性鋼材(第1〜発明に係る高耐食性鋼材)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の高耐食性鋼材は、C:0.02〜0.20質量%、Mn:0.1〜2.5質量%、Si:0.03〜1.0質量%、Al:0.03〜0.5質量%、Ti:0.01〜0.1質量%、P:0.1質量%以下、S:0.005質量%以下、Cr:0.5質量%以下、Zn:0.01〜3.0質量%、Cu:0.05〜3.0質量%、Ni:0.05〜6.0質量%を含有し、更に、Ca:0.0005〜0.0050質量%、Mg:0.0005〜0.010質量%、REM:0.0005〜0.010質量%のいずれか1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる高耐食性鋼材であって、鋼材最表面から深さ500μmまでの領域に、Cu量+Ni量が鋼材のCu量+Ni量の1.2倍以上であり、且つ、1.0質量%以上であるCu+Ni濃化層を有し、その濃化層の厚さが1μm以上であることを特徴とする高耐食性鋼材である〔第1発明〕。
請求項2記載の高耐食性鋼材は、更にNb:0.005〜0.10質量%、V:0.01〜0.20質量%、Zr:0.005〜0.10質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、B:0.0003〜0.0030質量%のいずれか1種または2種以上を含有する請求項1記載の高耐食性鋼材である〔第2発明〕。
請求項記載の高耐食性鋼材は、前記鋼材が鋼板であって、この鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域における平均フェライト粒径が5μm以下である請求項1または2記載の高耐食性鋼材である〔第発明〕。
なお、上記のREMは希土類金属元素のことである。以降のREMも同様である(希土類金属元素のことである)。
本発明に係る高耐食性鋼材によれば、耐食性向上元素の過剰な添加による機械的特性および溶接性の低下をきたすことなく、優れた耐食性を有することができる。
本発明に係る高耐食性鋼材においては、Zn添加によりFeが溶解しやすくなり、鋼材の表層部にCu、Niが濃化することにより、少ないCu、Ni添加量であってCu、Ni量の多いものに相当する耐食性が得られる。即ち、耐食性向上の効果があるCu、Niを鋼材全体としては機械的特性や溶接性の低下をきたさないような少量の濃度に抑え、耐食性に寄与する表面にCu、Niを濃化させて高濃度とすることにより、耐食性を向上させる。更に、Ca、Mg、REM(希土類金属元素)の1種以上の添加により、腐食先端部のpH低下を抑制する作用等によって耐食性を向上させる。
上記の鋼材表面でのCu、Niの濃化は、ZnをCu、Niと複合添加することにより達成できる。Znは電気化学的に卑で鉄(Fe)に広い組成範囲で固溶するので、腐食環境中へのFeの溶解を促進させる作用がある。これは一時的に鋼材の耐食性が低下することを意味するが、腐食初期にZnとFeが優先溶解することにより、鋼材表面にCu、Niが取り残される形で濃化し、鋼材表面でのCu、Niの濃度が高くなる。即ち、鋼材表面にCu、Niが濃化した層(以下、Cu、Ni濃化層または濃化層という)が形成される。このとき、Zn量、Cu量、Ni量については、上記耐食性の点からZn:0.01質量%以上、Cu:0.05質量%以上、Ni:0.05質量%以上とすることが必要である。また、上記耐食性以外の特性等の点からZn:3.0質量%以下、Cu:3.0質量%以下、Ni:6.0質量%以下とすることが必要である。
更に、Ca、Mg、REMのいずれか1種以上を含有すると、耐食性向上効果が飛躍的に高まる。即ち、Zn、Cu、Niを添加すると共にCa、Mg、REMのいずれか1種以上を添加することにより、耐食性が大幅に向上する。これは、Ca、Mg、REMは、腐食先端部のpH低下を抑制する作用や、孔食の起点となり耐候性を低下させるMnSの生成を抑制する働き、及び、腐食初期にZnとFeを安定的に腐食させる効果があるからである。このとき、Ca量、Mg量、REM量については、上記耐食性効果の点からCa:0.0005質量%以上、Mg:0.0005質量%以上、REM:0.0005質量%以上とすることが必要である。また、上記耐食性以外の特性等の点からCa:0.0050質量%以下、Mg:0.010質量%以下、REM:0.010質量%以下とすることが必要である。
このように、本発明に係る高耐食性鋼材は、鋼材表面にCu、Niが濃化し鋼材表面でのCu、Niの濃度が高くなるので、これにより耐食性が向上し、更に、Ca、Mg、REMのいずれか1種以上の添加により耐食性が向上し、優れた耐食性を有することができる。また、Cu、Niの添加量は少なく、鋼材全体としては濃度が低く、この量は機械的特性および溶接性の低下をきたすような過剰な添加量ではない。更に、Ca、Mg、REMのいずれか1種以上の添加量も機械的特性および溶接性の低下をきたすような量ではない。
従って、本発明に係る高耐食性鋼材は、耐食性向上元素(Cu、Ni等)の過剰な添加による機械的特性および溶接性の低下をきたすことなく、優れた耐食性を有することができる〔第1発明〕。即ち、耐食性向上元素(Cu、Ni等)の添加量は機械的特性および溶接性の低下をきたさない程度の少量であるが、優れた耐食性を有することができる。
本発明に係る高耐食性鋼材〔第1発明〕において、各成分の添加理由を説明する。
Cは鋼の強度に効く元素であり、390〜630N/mm2 級乃至それ以上の強度の確保に際し有効な元素であるが、C:0.2質量%超の場合には鋼の溶接性や裸耐候性を劣化させ、C:0.02質量%未満では上記強度確保が難しくなる。かかる点から、C:0.02〜0.20質量%とする。
Mnは鋼の強度に効く元素であり、Cに替わり390〜630N/mm2 級乃至それ以上の強度の確保に有効な元素であるが、Mn:2.5質量%超の場合には、MnSが鋼中に多量に生成して、裸耐候性などの耐食性の劣化を招くおそれがある。Mn:0.1質量%未満では、上記強度確保が難しくなる。かかる点から、Mn:0.1〜2.5質量%とする。
Siは溶鋼の脱酸や固溶強化のための元素であり、また、緻密な安定錆層の形成を促進し、裸耐候性などの耐食性を向上させる効果も有する。しかし、Si:0.03質量%未満では、これらの効果が不十分である。Si:1.0質量%超の場合には、溶接性が低下する。このような点から、Si:0.03〜1.0質量%とする。Siの下限値は0.1質量%とすることが望ましい。即ち、Si:0.1〜1.0質量%とすることが望ましい。
AlはTiと複合添加することにより安定錆層の形成を一層促進し、ひいては耐食性を更に向上させる効果を有する。また、Alは溶接性の向上効果も有する。更に、Alは、溶鋼の脱酸元素として、固溶酸素を捕捉するとともに、ブローホールの発生を防止して、鋼の靱性の向上のためにも有効な元素である。Al:0.03質量%未満では、これらの効果が十分には得られず、一方、Al:0.5質量%超では、上記の安定錆層形成の促進による耐食性向上の効果は飽和し、逆に、溶接性を劣化させたり、アルミナ系介在物の増加により鋼の靱性を劣化させる。このような点から、Al:0.03〜0.5質量%とする。Alの下限値は0.1質量%とすることが望ましい。即ち、Al:0.1〜0.5質量%とすることが望ましい。
塩化物環境での耐候性や、耐局部腐食性、耐穴あき性の改善には、特にTi添加が有効である。必要なTi量は0.01〜0.1質量%である。望ましいTi量は0.035〜0.05質量%である。
Crは大気中や海水中においては耐食性向上元素である。しかし、大気の塩化物環境では却って悪影響を及ぼす。このような環境ではCr量を低減することにより、特に耐孔あき性が向上する。このような耐孔あき性や、耐局部腐食性の改善、塩分環境下における耐食性向上には、特にCr低減が有効であり、Cr:0.5質量%以下にすることが必要である。Cr:0.2質量%以下にすることが望ましく、Crフリー化することは更に望ましい。
Zn、Cu、Ni、Ca、Mg、REMは特に重要な成分である。本発明に係る高耐食性鋼材〔第1発明〕において、Znは、鋼の耐食性を向上させるのに必須であり、ZnはFe母材を溶解しやすくし、耐食性向上元素を濃化させる。また、Znは、生成錆を緻密化、微細化させ保護性さび形成に非常に優位に働く機能を有する。更に、亜鉛の腐食生成物が鋼材表面を覆い、環境遮断膜の役割を果たすという効果がある。
Zn:0.01〜3.0質量%としているのは、Zn:0.01質量%未満の場合、耐食性向上元素の濃化が不充分となり、ひいては耐食性向上が不充分となり、Zn:3.0質量%超の場合、鋼材溶解が進み耐食性が劣化するからである。このような耐食性の点から、望ましいZn量は0.02〜0.1質量%である。
Cuは、耐食性向上効果や溶接性向上効果を有する元素である。Cuは電気化学的に鉄より貴な元素であり、鋼表面に生成する錆を緻密化して、安定錆層の形成を促進し、耐候性などの耐食性を向上させる効果もある。また、溶接性の向上にも寄与する。
Cu:0.05〜3.0質量%としているのは、Cu:0.05質量%未満の場合には耐食性向上が不充分となり、Cu:3.0質量%超の場合には耐食性向上効果が飽和し、また、鋼材の製造のための熱間圧延等の加工の際に、素材の脆化(以下、熱間加工脆性ともいう)を引き起こす可能性があるからである。なお、上記熱間加工脆性の発生をより確実に抑制するためには、Cu含有量を0.5%以下とすることが好ましい。即ち、Cu:0.05〜0.5%とすることが望ましい。
Niは、耐食性向上効果や溶接性向上効果を有する元素である。NiはCuの場合と同様に、鋼表面に生成する錆を緻密化して、安定錆層の形成を促進し、耐候性等の耐食性を向上させる効果を有する。また、溶接性の向上にも寄与する。更に、Niは、前記熱間加工脆性を抑制する効果もある。従って、NiをCuと併せて含有させることにより、耐食性向上効果、熱間加工脆性の抑制効果の相乗効果が期待できる。
Ni:0.05〜6.0質量%としているのは、Ni:0.05質量%未満の場合、耐食性の向上が不充分となり、一方、Ni:6.0質量%超の場合、完全オーステナイト組織における固液凝固温度範囲を広げて、低融点不純物元素のデンドライト粒界への偏析を助長するとともに、Sと反応して溶接金属の粒界に、低融点のNiS化合物を析出させ、凝固金属の粒界の延性を劣化させ、ひいては、耐溶接高温割れ性に悪影響を与えるからである。
Ca、Mg、REMは、前述のように、耐食性をより向上させる効果がある。即ち、腐食先端部のpH低下を抑制する作用や、孔食の起点となり耐候性を低下させるMnSの生成を抑制する働き、および、腐食初期にZnとFeを安定的に腐食させる効果がある。更に、Caには溶接性の向上効果もある。
Ca:0.0005〜0.0050質量%としているのは、Ca:0.0005質量%未満の場合、耐食性向上効果が不充分となり、Ca:0.0050質量%超の場合、耐食性向上効果は飽和し、経済的ではなく、また、鋼の清浄度を悪くし、更に、耐候性鋼材の製造時、特に製鋼中の炉壁を損傷する可能性もあるからである。
Mg:0.0005〜0.010質量%としているのは、Mg:0.0005質量%未満の場合、耐食性向上効果が不充分となり、Mg:0.010質量%超の場合、耐食性向上効果は飽和し、経済的ではなく、また、鋼の清浄度を悪くするからである。
REM:0.0005〜0.010質量%としているのは、REM:0.0005質量%未満の場合、耐食性向上効果が不充分となり、REM:0.010質量%超の場合、耐食性向上効果は飽和し、経済的ではなく、また、鋼の機械的性質も悪くなるからである。
本発明においてCu、Ni濃化層は鋼材表面に耐食性向上元素のCuおよびNiが濃化した層であり、CuおよびNi濃度が高いので、前述のように耐食性を向上させる。このCu、Ni濃化層は、このように耐食性を向上させるだけでなく、表面の割れ発生を抑制し、結果的に溶接部の靭性を向上させる利点があることもわかった。
このCu、Ni濃化層が、鋼材最表面から深さ500μmまでの領域に、Cu量+Ni量:鋼材のCu量+Ni量の1.2倍以上、且つ、1.0質量%以上であると共に、厚さ:1μm以上である場合、即ち、鋼材最表面から深さ500μmまでの領域に、Cu量+Ni量が鋼材のCu量+Ni量の1.2倍以上であり、且つ、1.0質量%以上であるCu+Ni濃化層(Cu、Ni濃化層)を有し、その濃化層の厚さが1μm以上である場合は、より確実に、耐食性を向上させることができる。
以上の点に鑑みて、本発明の第1発明に係る鋼材は、C:0.02〜0.20質量%、Mn:0.1〜2.5質量%、Si:0.03〜1.0質量%、Al:0.03〜0.5質量%、Ti:0.01〜0.1質量%、P:0.1質量%以下、S:0.005質量%以下、Cr:0.5質量%以下、Zn:0.01〜3.0質量%、Cu:0.05〜3.0質量%、Ni:0.05〜6.0質量%を含有し、更に、Ca:0.0005〜0.0050質量%、Mg:0.0005〜0.010質量%、REM:0.0005〜0.010質量%のいずれか1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる高耐食性鋼材であって、鋼材最表面から深さ500μmまでの領域に、Cu量+Ni量が鋼材のCu量+Ni量の1.2倍以上であり、且つ、1.0質量%以上であるCu+Ni濃化層を有し、その濃化層の厚さが1μm以上であることを特徴とするものとした。
以上の本発明に係る鋼材(第1発明)において、更にNb:0.005〜0.10質量%、V:0.01〜0.20質量%、Zr:0.005〜0.10質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、B:0.0003〜0.0030質量%のいずれか1種または2種以上を含有するようにすると、更に耐食性が向上する〔第2発明〕。Nb、V、Zr、Mo、Bは保護性さび生成促進の効果がある。なお、Nb、Vには焼き入性を上昇させ、強度を増加する効果もある。また、Bは焼き入性を上昇させる効果もある。
なお、上記鋼材のCu量+Ni量としては、厳密には母材の中心厚さにおけるCu量+Ni量を用いることが望ましいが、Cu、Ni濃化層およびその付近を除いた個所でのCu量+Ni量を用いてもよく、また、表面に腐食や溶解が全く生じていない鋼材を用いて通常の分析法で分析した場合はその分析値に基づいて求めたCu量+Ni量を用いてもよい。
Cu、Ni濃化層のCu量+Ni量と厚みの測定は、例えば、EPMA(X線マイクロアナリシス)により行うことができ、この場合、具体的には試験片断面をEPMAにより表面から深さ500μmまでの領域について元素分析を行うと共に、板厚中心部の元素分析を行い、これによりCu、Ni濃化層のCu量+Ni量と厚みを求めることができる。このとき、分析個所数は例えば10点とし、その平均値を用いる。
耐候性に対しては通常範囲の10μm程度の細粒化ではほとんど効果がないが、平均粒径が5μm以下の超細粒組織とすることにより、耐食性が向上する。特に、亜鉛による溶解作用が効力を発揮するだけでなく、耐食性向上に寄与する安定さびの形成も均一化されて、耐候性が飛躍的に向上する。望ましくは、3μm以下、サブμmであれば更に良い。本発明の成分・組織から形成される安定さびは、塩化物環境下でとくに性能を発揮し、塩化物環境下で生成し、耐食性を劣化させるベータさびの生成を抑制する機能があるので、裸での使用で優れた耐食性を発揮する。また、塗装使用にても塗膜下腐食を大幅に抑制する。
耐食性向上には粒径だけでなく、組織も影響する。望ましくは、フェライトが50%以上を占め、フェライト以外の第二相で耐食性に悪影響を及ぼすパーライト、ベイナイト、マルテンサイト相は面積率で25%以下にするのが望ましい。
鋼板において、このような平均粒径が5μm以下であって、組織に占めるフェライトの面積率が50%以上、フェライト以外の第二相の面積率が25%以下の微細組織を有すべき領域は、鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域である。耐食性の観点からは板厚中心部まで細粒化してもかまわないが、少なくとも表層部の細粒化が必要である。なお、鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10〜30%の領域とは、鋼板の表側最表面から板厚方向に板厚の10%入った位置から30%入った位置までの領域(板厚の10%位置と30%位置との間の領域)、及び、鋼板の裏側最表面から板厚方向に板厚の10%入った位置から30%入った位置までの領域(板厚の10%位置と30%位置との間の領域)のことである。
かかる点に鑑みて、本発明の第発明に係る鋼材は、本発明に係る鋼材(第1発明または第発明のいずれか)において、鋼材が鋼板であって、この鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域(以下、特定領域ともいう)における平均フェライト粒径が5μm以下であるものとした。この鋼材(鋼板)は、上記特定領域における平均フェライト粒径が5μm超のものよりも、耐食性が優れている。なお、上記特定領域における平均フェライト粒径とは、上記特定領域に存するフェライトの平均粒径のことである。この平均粒径が5μm以下であるフェライトの面積率が50%以上であると、さらに高水準で耐食性に優れたものとなる。
このような鋼板の製造手段については、特には限定されず、種々の手段を用いることができるが、好ましい手段として、フェライト単相域〜フェライト/オーステナイト二相域で熱間加工を行ってフェライトに加工歪を導入し、フェライトの再結晶を利用する方法が挙げられる。
本発明に係る鋼材の適用の形態については、特には限定されず、例えば、熱間圧延した鋼板、冷間圧延した鋼板、または、熱延あるいは冷延を行った後に焼鈍を施した鋼板に、化成処理、溶融めっき、電気めっき、蒸着などのめっきや、各種塗装、塗装下地処理、有機被膜処理などを行って用いることも可能である。
塗装の場合、各種用途に応じてリン酸塩処理などの化成処理を施したり、電着塗装を施してもよい。塗料は公知の樹脂が使用可能であり、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂などを公知の硬化剤とともに使用可能である。特に、耐食性の観点からすればエポキシ、フッ素、シリコンアクリル樹脂の使用が推奨される。その他、塗料に添加される公知の添加剤、例えば着色用顔料、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、難燃剤などを添加してもよい。
また、塗料形態も特に限定されず、溶剤系塗料、粉体塗料、水系塗料、水分散型塗料、電着塗料など、用途に応じて適宜選択することができる。
上記塗料を用い、所望の被覆層を鋼材に形成させるには、ディッピング法、ロールコータ法、スプレー法、カーテンフローコーター法などの公知の方法を用いればよい。被覆層の厚みは用途に応じて公知の適切な値を用いればよい。
Cu、Ni濃化層を早期に形成させるために、腐食促進処理(濃化促進処理)を施してもよい。かかる処理としては、pH7未満の酸性の腐食溶液を塗布する方法が望ましい。例えば、特開平11−241172号公報に記載されているような表面に、Ti、Nb、Ta、Zr、V 、Hfの硫酸塩を含む水溶液、および、これらに加えてCr、Ni、Cu、P の硫酸塩を含む水溶液を鋼材表面に塗布する処理が望ましい。要求されるレベルに応じて、酸溶液の濃度、処理時間を変化させ、所望の濃化層を形成させればよい。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔例A〕
表1に示す化学成分の鋼板を供試材とした。この供試材より試験片を作製し、これを用いて耐食性評価試験および耐孔あき性評価試験を行い、耐食性および耐孔あき性を評価した。なお、 No.4の鋼材は熱間割れを生じたため、これらの試験はできなかった。
耐食性評価試験としては、兵庫県内の暴露試験場において試験片を暴露する試験を行った。この試験は、より詳細には、試験片表面をサンドブラスト処理後、南向きで一年間暴露(加えて、週一回の塩水を強制散布)するという試験である。この耐食性評価試験後、試験片表面の錆を除去し、板厚減少量から耐食性を評価した。
耐孔あき性評価試験は、下記試験により行った。即ち、試験片にリン酸塩処理を施した後、カチオン電着塗装(20ミクロン狙い)を行い、鋼材素地に達するクロスカットを施し、CCT試験〔塩水散布→乾燥→湿潤のサイクルを繰り返す(1日1サイクル)〕を30日(30サイクル)行った。この耐孔あき性評価試験後、評価面を等間隔に16区画に分割して、各区画ごとに最大孔あき深さを測定し、その平均値を算出し、耐孔あき性を評価した。
また、 No.1、2、9、10の鋼材を用いて溶接を行い、溶接部の靱性を評価した。このとき、溶接は入熱量35KJ/cm のサブマージアーク溶接法により行った。溶接部の靱性は溶接継手ボンド部の−40℃における吸収エネルギー:vE-40(N/mm2 )で評価した。
耐食性評価試験および耐孔あき性評価試験試験結果については下記のようにして評価した。即ち、 No.1(比較鋼1)の腐食量Bを基準にし、腐食量が腐食量Bの70%未満のものを◎◎(極めて優れる水準)、腐食量Bの70%以上75%未満のものを◎(優れる水準)、腐食量Bの75%以上80%未満のものを○(良好)、腐食量Bの80%以上85%未満のものを△(不良)、腐食量Bの85%以上90%未満のものを×(不良)、腐食量Bの90%以上のものを××(極めて不良)とした。なお、上記腐食量は、耐食性評価試験の場合は板厚減少量であり、耐孔あき性評価試験の場合は各区画の最大孔あき深さの平均値である。
暴露試験後の試験片の断面をEPMA(X線マイクロアナリシス)により表層部および板厚中心部の元素分析を10点行い、各々平均値を求めた。この結果からCu量+Ni量を求め、この値からCu量+Ni量:1.0質量%以上のCu、Ni濃化層の厚さを求めた。また、Cu、Ni濃化層のCu量+Ni量/板厚中心部のCu量+Ni量(Cu+Ni濃度比)を求めた。
この結果を表2に示す。 No.1、2、3、4、5、6、7は、いずれも比較例に係る鋼材である。 No.1に係る鋼材は、Cuフリー、Niフリー、Znフリーであると共に、Ca、Mg、REMフリー(いずれも無添加)であり、これらの点において本発明の要件を満たしていない。 No.2に係る鋼材は、Niフリーであると共にCa、Mg、REMフリーであり、且つ、Zn量およびCu量が本発明の場合より少なく、これらの点において本発明の要件を満たしていない。 No.3に係る鋼材は、Cuフリーであると共にCa、Mg、REMフリーであり、且つ、Zn量およびNi量が本発明の場合より少なく、これらの点において本発明の要件を満たしていない。 No.4に係る鋼材は、Znフリーであると共にCa、Mg、REMフリーであり、且つ、Cu量が本発明の場合より多く、これらの点において本発明の要件を満たしていない。 No.5に係る鋼材は、Ca、Mg、REMフリーであると共に、Zn量が本発明の場合より多い点において本発明の要件を満たしていない。 No.6に係る鋼材は、Zn量が本発明の場合より少ない点において本発明の要件を満たしていない。 No.7に係る鋼材は、Ca、Mg、REMフリーである点において本発明の要件を満たしていない。
No.8、9、10、11、12、13、14は、いずれも本発明の実施例に係る鋼材である。この中、 No.11、12、13、14は、B、Mo、Zr、Nbも含有し、それらの量は第2発明で規定する量を満たしており、従って、第2発明の要件を満たすものである。
表2からわかるように、本発明の実施例に係る鋼材( No.8、9、10、11、12、13、14)は、比較例に係る鋼材( No.1、2、3、4、5、6、7)に比べて、耐食性および耐孔あき性が優れている。
なお、上記 No.1〜14の鋼材(鋼板)の特定領域(鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域)における平均フェライト粒径は、鋼板の表面側(鋼板の表側最表面から板厚の10%位置と30%位置との間の領域)で22〜23μmであり、鋼板の裏面側(鋼板の裏側最表面から板厚の10%位置と30%位置との間の領域)で22〜23μmであった。この領域におけるフェライトの面積率は70〜90%であった。この粒径の測定は、鋼板の上記領域について倍率200〜5000倍の走査型電子顕微鏡で5〜10視野観察することにより行った。
〔例B〕
表3に示す化学成分の鋼を供試材として、フェライト単相域〜フェライト/オーステナイト二相域で熱間加工を行ってフェライトに加工歪を導入し、フェライトの再結晶を利用することにより、細粒化した鋼板を得た。この鋼板について、鋼板の特定領域(鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域)における平均フェライト粒径を測定した。この粒径の測定は、鋼板の上記領域について倍率200〜5000倍の走査型電子顕微鏡で5〜10視野観察することにより行った。
また、上記鋼板について、耐食性評価試験および耐孔あき性評価試験を行った。この試験は、前記例Aの場合と同様の方法により行った。この結果については、下記のようにして評価した。即ち、前述の例Aの表1〜2の No.1(比較鋼1)の腐食量Bを基準にし、腐食量が腐食量Bの60%未満のものを◎◎◎〔極めて優れる水準(後述の◎◎よりも優れる水準)〕、腐食量が腐食量Bの70%未満のものを◎◎(極めて優れる水準)、腐食量Bの70%以上75%未満のものを◎(優れる水準)、腐食量Bの75%以上80%未満のものを○(良好)、腐食量Bの80%以上85%未満のものを△(不良)、腐食量Bの85%以上90%未満のものを×(不良)、腐食量Bの90%以上のものを××(極めて不良)とした。
この結果を表4に示す。 No.15-1、15-2、15-3、15-4は、いずれも本発明例に係る鋼板である。この中、 No.15-2、15-3、15-4は、鋼板の特定領域における平均フェライト粒径が5μm以下であり、第発明の要件を満たすものである。
表4からわかるように、 No.15-2、15-3、及び、15-4の鋼板(第発明の要件を満たしている)は、No.15-1 の鋼板(第発明の要件を満たしていない)に比較して、上記領域での平均フェライト粒径が小さく、耐食性に優れている。 No.15-2、15-3、及び、15-4の鋼板において、上記特定領域での平均フェライト粒径が小さい場合ほど、耐食性が向上している。
表4において、No.15-4Zの鋼板は、No.15-4 の鋼板の表側表面および裏側表面から研削をして細粒化している部分を取り除いたものである。このNo.15-4Zの鋼板の特定領域での平均フェライト粒径はNo.15-4 の鋼板の場合よりも極めて大きく、耐食性がNo.15-4 の鋼板の場合よりも劣っている。
これらの結果より、鋼板の表層の細粒化部分の耐食性向上効果が大きいことがよくわかる。耐食性向上の観点からは板厚中心部まで細粒化することが望ましいが、実環境上の腐食代と製造上の経済性を考慮して必要分(鋼板の特定領域)を細粒化すればよい。
なお、No.15-1 、15-2、15-3、15-4、15-4Z の鋼板の特定領域におけるフェライトの面積率は80〜90%であった。
以上の例は代表的なものであって、以上の例での効果は上記試験環境に限定されるものではない。
Figure 0004495668
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本発明に係る高耐食性鋼材は、耐食性向上元素の過剰な添加による機械的特性および溶接性の低下をきたすことなく、優れた耐食性を有することができるので、橋梁や、船舶、海洋構造物、他鋼構造物、建材、家電、自動車等の構成材料として好適に用いることができ、それらの耐久性を向上することができて有用である。

Claims (3)

  1. C:0.02〜0.20質量%、Mn:0.1〜2.5質量%、Si:0.03〜1.0質量%、Al:0.03〜0.5質量%、Ti:0.01〜0.1質量%、P:0.1質量%以下、S:0.005質量%以下、Cr:0.5質量%以下、Zn:0.01〜3.0質量%、Cu:0.05〜3.0質量%、Ni:0.05〜6.0質量%を含有し、更に、Ca:0.0005〜0.0050質量%、Mg:0.0005〜0.010質量%、REM:0.0005〜0.010質量%のいずれか1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる高耐食性鋼材であって、鋼材最表面から深さ500μmまでの領域に、Cu量+Ni量が鋼材のCu量+Ni量の1.2倍以上であり、且つ、1.0質量%以上であるCu+Ni濃化層を有し、その濃化層の厚さが1μm以上であることを特徴とする高耐食性鋼材。
  2. 更にNb:0.005〜0.10質量%、V:0.01〜0.20質量%、Zr:0.005〜0.10質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、B:0.0003〜0.0030質量%のいずれか1種または2種以上を含有する請求項1記載の高耐食性鋼材。
  3. 前記鋼材が鋼板であって、この鋼板の表裏面のそれぞれの表面から板厚方向に板厚の10%〜30%の領域における平均フェライト粒径が5μm以下である請求項1または2記載の高耐食性鋼材。
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