JPH09165647A - 耐候性に優れた溶接構造用鋼 - Google Patents
耐候性に優れた溶接構造用鋼Info
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- JPH09165647A JPH09165647A JP32582095A JP32582095A JPH09165647A JP H09165647 A JPH09165647 A JP H09165647A JP 32582095 A JP32582095 A JP 32582095A JP 32582095 A JP32582095 A JP 32582095A JP H09165647 A JPH09165647 A JP H09165647A
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Abstract
来刷る環境において高い耐候性を有し、かつ実用的な溶
接性を有する溶接構造用鋼を提供すること。 【解決手段】重量%で、C:0.15%以下、Si:
0.7%以下、Mn:0.1〜2%、P:0.03〜
0.15%、S:0.02%以下、Al:0.01〜
0.1%、Cr:0.1%以下、Ni:0.4〜4%、
Cu:0.1〜0.4%、Mo:0.1〜4%を含有
し、残部がFeおよびとM不可避的不純物からなる溶接
構造用鋼材。
Description
れる橋梁や鉄塔などの塩水が関与した腐食環境で用いら
れる溶接構造物に適した、耐候性に優れた低合金鋼から
なる溶接構造用鋼材に関する。
数十年にも及ぶため、厳重な塗装を施すなどの防食処置
をとる必要がある。塗装は非常に効果の高い防食手段で
あるが、大気暴露環境においては劣化が著しいため、定
期的な補修を必要とする。
の減少などにより、その補修が困難になるという問題が
生じている。この問題を回避するため、橋梁などの鋼構
造物に耐候性鋼が適用される例が増加している。
りん、クロムなどの有効元素が富化した防食性の高い安
定錆が表面を覆うことにより、著しく腐食の進展が遅く
なる性質を有するものである。その著しい耐候性の高さ
のため、耐候性鋼を仕様した橋梁は、しばしば無塗装の
まま数十年間の使用に耐えることが知られている。
内のように塩分が比較的に多い環境では、耐候性鋼の錆
は安定化しにくく、実用的な耐食性が得難いことが知ら
れている。
造するため、銅、りん、クロム、タングステンなどの有
効元素を多量に添加するなどの方法が、例えば特公昭5
1−28048号、特公昭57−10941号、特開平
3−158436号の各公報に開示されている。
所に暴露試験した結果が、建設省により公表された。こ
の試験結果から、建設省は、耐候性鋼を無塗装で使用す
ることが可能な地域として、飛来する塩分量が0.05
mdd未満の地域に限るという指針を提示している。す
なわち、飛来塩分量が0.05mdd以上の地域におい
ては、上記公報に開示された技術によっても、従来の耐
候性鋼は無塗装で使用することができない。
とにより建設されるが、銅、りん、クロムなどの元素を
多量に含有する鋼は、溶接性が著しく劣るので、溶接前
の予備処理などにより、溶接割れの発生を防止する必要
がある。
は、飛来塩分が0.05mddを超える地域に建設され
る溶接鋼構造物に使用する場合、実用性に乏しいもので
あった。
かんがみてなされたものであって、0.05mdd以上
10mdd未満の塩分が飛来刷る環境において高い耐候
性を有し、かつ実用的な溶接性を有する溶接構造用鋼を
提供することを目的とする。
を解決すべく鋼材の成分組成について鋭意検討した。そ
の結果、Moを適当な量のNi、Cuとともに添加する
ことにより、鋼材の耐候性を著しく向上し得ること、お
よびMoの量を限定し、かつCrを極力減ずることによ
り、溶接割れ感受性を実用的な範囲に維持することがで
きるとの知見を得、これにより高い耐候性と溶接性を両
立した鋼材を製造することができることを見出した。
たものであり、第1に、重量%で、C:0.15%以
下、Si:0.7%以下、Mn:0.1〜2%、P:
0.03〜0.15%、S:0.02%以下、Al:
0.01〜0.1%、Cr:0.1%以下、Ni:0.
4〜4%、Cu:0.1〜0.4%、Mo:0.1〜4
%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする溶接構造用鋼材を提供するものであ
る。
Si:0.7%以下、Mn:0.1〜2%、P:0.0
3〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.01
〜0.1%、Cr:0.1%以下、Ni:0.4〜4
%、Cu:0.1〜0.4%、Mo:0.1〜4%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、N
i、CuおよびMoが、Ni+Cu+3Mo≧1.2%
を満たし、かつ以下に示す炭素当量Ceqが0.5%以
下であることを特徴とする溶接構造用鋼材を提供するも
のである。 Ceq=C+(Si/24)+(Mn/6)+(Cr/5)+(Ni/40)+(Mo/4)+(V/14)
て説明する。まず、本発明で成分組成を上記範囲に限定
した理由、および本発明の成分の特徴について説明す
る。
加するが、0.15%を超えると溶接性および靭性が劣
化する。したがって、その上限を0.15%とする。 Si: Siは製鋼時の脱酸剤および強度向上元素とし
て添加するが、過剰に添加すると靭性が著しく低下す
る。したがって、その上限を0.7%以下とする。
に0.1%以上添加するが、2%を超えると溶接性が劣
化する。したがってMn量を0.1〜2%の範囲とす
る。 P: Pは本発明において重要な元素であり、鋼の強度
を向上させる作用が有るとともに、耐食性を向上させる
効果がある。しかし、0.03%未満の添加では耐食性
の向上に効果がなく、0.15%を超えると溶接性が劣
化する。したがって、P量を0.03〜0.15%の範
囲とする。
で、0.02%以下とする。 Al: Alは製鋼時の脱酸剤として0.01%以上添
加するが、過剰に添加すると腐食の起点となる介在物が
生じやすくなるので0.1%以下とする必要がある。し
たがって、Al量を0.01〜0.1%とする。
は孔あき腐食を助長する効果がある。また、溶接性を著
しく劣化させる。そのため、Cr量を0.1%以下とす
る。 Ni: Niはこの発明において重要な元素であり、M
oとの共存により塩分の多い環境における耐食性を向上
させる効果がある。しかし、0.4%未満の添加では効
果がなく、4.0%を超えると経済性の点で不利であ
る。したがって、Ni量を0.4〜4%とする。
素であり、Niと同様に、Moの共存により塩分の多い
環境における耐食性を向上させる。しかし、その量が
0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.4%を超
えると効果が飽和し、かつ経済性の点で不利である。し
たがって、Cu量を0.1〜0.4%とする。
な元素であり、Ni、Cuとの共存により塩分の多い環
境における耐食性を向上させる効果がある。しかし、
0.1%未満の添加では効果がなく、4%を超える添加
では経済性の点で不利である。したがって、Mo量を
0.1〜4%の範囲とする。
には添加しないことにある。Crは、塩分の少ない環境
においては、鋼の耐食性を向上させる効果を有するた
め、従来製造されて生きた耐候性鋼には、Crが積極的
に添加されてきた。しかし、本発明者らの検討結果によ
ると、Crは塩分の多い環境においてはむしろ孔あき腐
食を助長する作用があることが判明した。また、Crは
上述したように溶接性を著しく劣化させる元素である。
したがって、上述したように、Cr量は0.1%以下に
規定するが、上記趣旨からするとできるだけその含有量
を減ずることが好ましい。
な量のNiおよびCuとともに添加することにより、著
しく耐候性を改善したことにある。NiとCuおよびM
oの耐食性に与える効果の詳細は必ずしも明らかではな
いが、以下のように考えられる。すなわち、Moは錆の
凋密性を高め、水分や塩分といった腐食因子が鋼表面に
接触するのを妨げる効果があると考えられる。その一
方、Moは錆を脆くする性質があり、クラックなどの欠
陥が生じやすくなる。NiやCuは割れやすい錆の性質
を改善し、クラックなどの欠陥を生じにくくする性質が
ある。これらMoならびにNiおよびCuの2つの異な
る性質による相乗効果が発揮されるため、適当な量のM
oを適当な量のNi、Cuとともに添加することによ
り、耐食性が著しく改善するものと考えられる。耐食性
の観点からは、Moは0.1%以上のNi、Cuととも
に添加すると効果が現れ、その効果はNi+Cu+3M
o≧1.2%で好ましいものとなる。
炭素当量Ceqを考慮する必要があり、このCeqの量
が0.5%以下とすることが好ましい。以上のような本
発明鋼は、転炉または電気炉で溶製し、次いで連続鋳造
または造塊→分塊法によってスラブとした後、圧延によ
り鋼板または形鋼とする方法により製造するのに適して
いるが、他の方法によって製造することも可能である。
また、圧延後、放冷または加速冷却する方法や、制御圧
延により製造するこもできる。
1、2に示す成分組成の鋼塊を作製し、熱間圧延により
厚さ3mmの鋼板とし、室温まで放冷したものについ
て、図1に示す複合サイクル腐食試験を実施した。この
複合サイクル腐食試験は、0.5%塩水噴霧を1時間行
った後、50℃湿度85%で10時間保持し、50℃湿
度30%で5時間保持し、さらに25℃湿度60%で8
時間保持で1サイクルとして行った。その結果を、炭素
当量とともに表1、2に示し、図2には複合サイクル腐
食試験における炭素当量に対する供試材の最大穴空き深
さの値を示す。
比較鋼a〜qは、最大孔あき深さが0.45mm以上あ
り、耐食性が劣っていた。比較鋼rは最大孔空き深さが
比較的小さく、耐食性が優れるが、炭素当量が0.68
%と高いため、溶接性がおとっていた。これに対して、
本発明の範囲内である発明鋼A〜Vは、耐食性および溶
接性がともに良好であることが確認された。
0.05mdd以上10mdd未満の塩分が飛来刷る環
境において、高い耐候性を有し、かつ実用的な溶接性を
有する溶接構造用鋼を経済的に得ることができる。
めの図。
おける炭素当量と最大孔あき深さとの関係を示すグラ
フ。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.15%以下、Si:
0.7%以下、Mn:0.1〜2%、P:0.03〜
0.15%、S:0.02%以下、Al:0.01〜
0.1%、Cr:0.1%以下、Ni:0.4〜4%、
Cu:0.1〜0.4%、Mo:0.1〜4%を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特
徴とする溶接構造用鋼材。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.15%以下、Si:
0.7%以下、Mn:0.1〜2%、P:0.03〜
0.15%、S:0.02%以下、Al:0.01〜
0.1%、Cr:0.1%以下、Ni:0.4〜4%、
Cu:0.1〜0.4%、Mo:0.1〜4%を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Ni、
CuおよびMoが、Ni+Cu+3Mo≧1.2%を満
たし、かつ以下に示す炭素当量Ceqが0.5%以下で
あることを特徴とする溶接構造用鋼材。 Ceq=C+(Si/24)+(Mn/6)+(Cr/5)+(Ni/40)+(Mo/4)+(V/14)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32582095A JP3542209B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐候性に優れた溶接構造用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32582095A JP3542209B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐候性に優れた溶接構造用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165647A true JPH09165647A (ja) | 1997-06-24 |
JP3542209B2 JP3542209B2 (ja) | 2004-07-14 |
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ID=18180970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32582095A Expired - Fee Related JP3542209B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐候性に優れた溶接構造用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3542209B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6218027B1 (en) | 1999-02-25 | 2001-04-17 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd) | Steel material excellent in corrosion resistance and fabric using the same |
US6258181B1 (en) | 1998-08-05 | 2001-07-10 | Nippon Steel Corporation | Structural steel excellent in wear resistance and fatigue resistance property and method of producing the same |
WO2005100625A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | カーゴオイルタンク用鋼材 |
US7037388B2 (en) | 1998-09-30 | 2006-05-02 | Kobe Steel, Ltd. | Steel plate for paint use and manufacturing method thereof |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP32582095A patent/JP3542209B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6258181B1 (en) | 1998-08-05 | 2001-07-10 | Nippon Steel Corporation | Structural steel excellent in wear resistance and fatigue resistance property and method of producing the same |
US7037388B2 (en) | 1998-09-30 | 2006-05-02 | Kobe Steel, Ltd. | Steel plate for paint use and manufacturing method thereof |
US6218027B1 (en) | 1999-02-25 | 2001-04-17 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd) | Steel material excellent in corrosion resistance and fabric using the same |
WO2005100625A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | カーゴオイルタンク用鋼材 |
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