JP5834214B2 - 洋風便器装置 - Google Patents

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本発明は、照明灯を設けた洋風便器装置に関する。
従来、洋風便器装置において、男子小用の立ち位置および便鉢内の放尿的(まと)をスポット光で照らし出すものが提案されている。
例えば次の特許文献1、2では、男子小用の立ち位置用の照明灯を張出部に、放尿的用の照明灯を便座の枢軸部に配設したものが開示されている。これらによれば、男子小用の際はもちろん他の場合でも、便器前方床面や便器内が照らし出されるため、夜間にトイレに立った場合に、トイレ内の照明装置を点灯しなくても用便をすますことが可能である。
特開2002−119442号公報 特開平8−284232号公報
しかしながら、上記立ち位置用および放尿的用の照明灯はいずれも床面や渇水面の一部に向けスポット光を照射する構成であるため、そのような照明だけでは、例えばトイレットペーパーや水洗用レバーハンドルの位置など便器周辺までをも視認させることができない。
また、放尿的用の照明灯を取り付ける便座の枢軸部は男子小用により尿が飛散しやすく汚れやすい箇所であり、また、張出部に立ち位置用の照明灯を設けたものは張出部が洋風便器装置に必須なものではないため、十分に満足できるものとは言いがたい。
一方、従来のトイレ空間は、夜間にトイレを利用する場合に天井などに設けた照明装置を点灯させると、できる限り速やかに用便をすませなければ明るすぎる照明で覚醒されることが多く、再び眠りにつけないこともあり、そのため人に優しい環境とは言いがたい。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、トイレの照明装置を点灯しなくても便器本体の周壁部分や、その床面を明るくでき、夜間の使用に対しても人を覚醒させず、人に優しい洋風便器装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の洋風便器装置は、周壁部を有した便器本体に回動可能な便座を載設した洋風便器装置であって、その便器装置の周壁部には、人体検知手段、照度検出手段光照射する照明灯が設けられており、照明灯は、人体検知手段が人を検知したときに上記照度検出手段が測定した照度と所定値との比較により昼夜を判別して、昼間のときは昼間用の点灯態様で点灯する一方、夜間のときは昼間用の点灯態様よりも照度を抑えた点灯態様で点灯する構成にしている。
請求項2では、照明灯は、スイッチによりオン、オフできる構成にしている。
本発明の洋風便器装置によれば、人体検知手段が人を検知したときに照明灯を点灯させて、便器本体とその周辺を明るくすることができる。また、照明灯は上述した動作構成となっているため、夜間であっても照明により覚醒されるおそれはない。
(a)は本発明の一実施形態に係る洋風便器装置の全体斜視図、(b)は便器本体の内方を裏側より見た斜視図である。 同洋風便器装置の分解斜視図である。 照明灯を埋め込んだ周壁部の部分縦断面図である。 照明灯の点灯、消灯基本動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る洋風便器装置を示したもので、便器本体の内方を裏側より見た斜視図を示している。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の洋風便器装置の全体斜視図、(b)は便器本体の内方を裏側より見た斜視図である。図2は本発明の洋風便器装置の分解斜視図である。
この洋風便器装置1は、便器本体10と、便器本体10に回動可能に載設した便座16、便蓋17と、便座・便蓋用の載設支持台18とを備え、受動型の焦電センサーを備えた人体検知手段23を有し、周囲の床面などを照らす照明灯20A、および男子小用の際の立ち位置をスポット光で照らすスポット灯21が便器本体1に埋設された構成となっている。なお、便器本体10の後方に洗浄タンクを備えるが、図示は省略する。
便器本体10は、樹脂材料よりなり、排水口11aを有した便鉢11、この便鉢11を囲み隠し、便鉢11の上端周縁部12より下方に形成されたスカート部を構成する周壁部13、便鉢11より後方空間を囲む後方周壁15(図1(b)には図示を省略)を備えて構成される。なお、便鉢は、経年劣化を考慮すれば陶器で構成することが望まれるが、後述するように、周壁部13と同じ透光性の樹脂材料により製してもよい。
周壁部13には、床面などに光を照射する複数の照明灯20A(図中には1つのみ図示)、男子小用の立ち位置にスポット光を照射するスポット灯21、21、便器周辺の人の在、不在を検知する人体検知センサー23、便器周辺の照度を測定する照度検出センサー24が埋設されている。なお、照明灯20Aは後方周壁15に埋設させてもよい。また、これらを制御する制御装置22は、周壁部13または後方周壁15で囲まれた空間の適所に設置される。なお、照明灯21の詳細構成および照明基本動作については、図3、図4にて後述する。
また、便座・便蓋用の載設支持台18は、本体台部18aと、便座16、便蓋17が枢着される枢軸部18bと、便器本体10に対して装着する装着凸部18cとを備えている。
便鉢11の上端周縁部12は、便座16を倒したときに便座16の載置台となる一方、載設支持台18の装着凸部18cを受け入れるための装着カバー部14を連設している。この装着カバー部14は、上端周縁部12の後部より立ち上げ形成させた湾曲壁部14aを有し、装着凸部18cを覆うように袋状に形成されている。この装着カバー部14が上端周縁部14と一体形成され、かつ湾曲壁部14aを有することにより、便器本体10の内方(床面など)や後方への尿、水分の浸入を防止している。
便器本体10を構成する便鉢11、上端周縁部12、周壁部13、後方周壁15などを樹脂材料で製造すれば、一体成形される陶器製の便器本体と比較し安価で加工成形しやすく、また軽量であり、搬送作業や設置作業の効率化を図るものとなる。
また、樹脂材料で形成した部分は個々のパーツに分割できるため、清掃が容易であり、パーツごとに取り替えも可能となり、衛生的なものとなる。特に上端周縁部12の取り替えが可能となるため、使用者の好みによって色を変えたり、夏用、冬用カバーを取り替えて使用することもできる。
便座16と便蓋17は、載設支持台18に設けた枢軸部18bに対して、起倒回動可能に枢着される。便座16、便蓋17、載設支持台18を一体としたのち、装着凸部18bを便器本体10に装着し、本体台部18aを後方周壁15の上端に被せるように載せ置くことによって、便座16と便蓋17とが便器本体10に設置される。なお図1(a)は、便座16、便蓋17ともに起立状態を示している。
ついで、照明灯20Aの埋設構造について、図2を参照しながら説明する。図3は、周壁部13に設けた照明灯20Aの埋設箇所の部分縦断面図である。
周壁部13の適所には、照明灯20Aを埋設する埋設凹所13aが形成されている。埋設凹所13aには照明灯20Aを構成するLEDが埋設される。なお、照明灯20A用の配線は図示を省略している。また、埋設凹所13aを覆うように傘部13bが形成されている。この傘部13bは、光を反射させるために白色の内面を有するか、必要に応じて光反射板25を取り付けたものが望ましい。
照明灯20Aを点灯させると、光は直接、床面などに照射されるとともに、光反射板25に反射した光が、周壁部13の下部壁面、床面、トイレ室壁面(不図示)などの下方空間を照らし出す。
このように、照明灯20Aから照射される光は周壁部13の立設箇所を含む下方空間を照らし出すため、利用者はその光で便器本体10の外観を視認でき、夜間などトイレ内が暗い状況のときにトイレ内の照明装置を点灯しなくても用便をすますことができる。また、床面などで反射される間接光により、トイレットペーパーや水洗用レバーハンドルの位置も視認することができる。
さらに、本例のようにトイレ内の下方空間に対して光照射がされるため、利用者は照明灯20Aからの直接光を受けることはなく、床面や壁面に反射した間接光を受けるため、まぶしさをほとんど感じることがない。そのため、夜間トイレに立った場合にトイレの照明装置の光で覚醒されることもない。
また、張出部や便座の枢軸部などの限られた場所に照明灯を取り付けるものではなく、照明灯20Aを便器本体10に取り付ける構成にしているため、周壁部13と後方周壁15の全周にわたり照明灯20Aを設ければ、便器周辺をもれなく照らし出すことも可能である。
さらに、便鉢11を透光性樹脂材料で形成したものでは、便鉢11内もその外面より光が透過し、男子小用の際に便鉢11の内面および渇水面が透視できる。また、透光性樹脂材料に光拡散剤を含めれば、便器本体10を通過する光は拡散され、周辺全体に淡い光を発散させることができる。
このように、周壁部13に埋設した複数の照明灯20Aにより、便器内外が淡い光で映し出されるため、便器本体10はほのかな光で点灯し、そのためトイレ空間に意匠性を持たせ、トイレ室内を装飾的に演出することができるので、遊び心のある利用者の趣向を充たすことができる。
図4は、照明灯20Aの点灯、消灯基本動作を示すフローチャートである。
本例に示した照明灯20Aは、制御装置22(図1(a)参照)によって点灯、消灯制御がなされる構成となっている。
制御装置22は、人体検知センサー23が人を検知すると、照度検出センサー24が測定した照度が所定値以下であるかどうかを判定し、所定値以下であれば夜間用の点灯態様で照明灯20Aを点灯させ、照度が所定値を超えていれば昼間用の点灯態様で照明灯20Aを点灯させる(ステップ101〜104)。たとえば夜間用の点灯態様としては、覚醒させないように、照度を低く抑え、光色を暖色系にするなどすればよい。
制御装置22は、以上のような原理で照明灯20Aを点灯させた後、人体検知センサー23がオンからオフを検知すると、点灯中の照明灯20Aを消灯させる(ステップ105、106)。
上記のような昼夜の切り換えは、照度検出センサー24によるものに限らず、内蔵されたクロック(不図示)を用いて、照明灯20Aを設定した時刻になれば点灯させたり、消灯させたりしてもよい。また、昼間は照明灯20Aを点灯させない構成としてもよい。
また、本例では照明灯20Aを人体検知により点灯させているが、人を検知していないときは常時点灯させておき、人を検知したときに照度を上げたり点滅させたりする構成としてもよい。すなわち、これらの照明灯20Aは、トイレを使用しないときには常備灯として利用できる。そのため、トイレのドアに漏光用の小窓などを設ければ、夜間にトイレに行くまでの途中の照明を点けなくても、小窓から漏れる光によりトイレ室やドアノブの位置を視認することができる。
上記のような昼夜を判別するための照度の所定値、時刻や、昼夜の点灯、点滅態様などを変更可能とした設定手段(不図示)を設ければ、家族構成、在宅状況などに応じて設定変更が可能となり、さらに使い勝手がよい。
また、本実施例で示したスポット灯21は、便座16を起立させたときに床面の立ち位置に光照射するようにしたものであるが、照明灯20Aと同種のLEDを用いて、その光源の前方に、透明の足形部を設け他の部分を半透明にした透光フィルム(不図示)を貼付したものとしてもよい。たとえば、女性のみからなる家族の場合、そのような透光フィルムを貼付しなければ、間接照明用の照明灯20Aとして利用することができる。いずれに使用するかに応じて、上記設定手段によって照明制御の態様を変更できるようにしてもよい。
さらに、照明灯20Aを、洋風便器装置1に設けたスイッチ(不図示)によりオン、オフできる構成としてもよいし、照明灯20Aを、すでにトイレに設置している照明装置(不図示)と連動的に制御できる構成にしてもよい。
以下に、本発明の洋風便器装置の別例を説明する。図5は、その洋風便器装置の便器本体10の内方を裏側より見た便器本体10の斜視図である。なお、便座、便蓋、載設支持台および後方周壁については図示を省略している。
この洋風便器装置は、少なくとも周壁部13を透光性の樹脂材料で成形し、照明灯20Bを便器本体10の内部空間に配設したものである。図例では、便鉢11下方の周壁部13で囲まれた空間に電球などの照明灯20Bを配設したものを示している。また本例においても、男子小用の立ち位置照明用のスポット灯を付加することを可能としている。
このような構成によれば、便器本体10が内照式の照明装置となり得、周壁部13を透過する光により、トイレ内の便器周辺空間がほのかに照らされ、夜間にトイレ内の主照明装置を点灯させなくても用をすますことができる。また、内照式では便器本体10が大きな照明灯となるため、トイレを、インテリア照明装置を備えたおしゃれな空間に変えることができる。また、便鉢11にも透光性を持せて、照明灯を点灯したときに、便器本体がスケルトンのように見せてよい。
なお、周壁部13の素材を透光性とする代わりに、周壁部13に漏光用の小開口を設けるようにしてもよい。
本例で示した洋風便器装置の照明灯20B以外の構成については、実施例1と同様であるため、その説明を省略する。また、照明灯20Bの点灯、消灯動作については、図示および説明を省略するが、実施例1と同様、人体検知手段による点灯、消灯制御、照度検出手段による昼間、夜間の切り換え制御がなされることを可能としていることは言うまでもない。
1 洋風便器装置
10 便器本体
11 便鉢
12 上端周縁部
13 周壁部
13a 埋設凹所
13b 傘部
14 装着カバー部
15 後方周壁
16 便座
17 便蓋
18 載設支持台
20A、20B 照明灯
21 立ち位置用スポット灯
22 制御装置
23 人体検知手段
24 照度検出手段

Claims (2)

  1. 周壁部を有した便器本体に回動可能な便座を載設した洋風便器装置であって、
    上記便器装置の上記周壁部には、人体検知手段、照度検出手段および照明灯が設けられており、
    上記照明灯は、上記人体検知手段が人を検知したときに上記照度検出手段が測定した照度と所定値との比較により昼夜を判別して、昼間のときは昼間用の点灯態様で点灯する一方、夜間のときは上記昼間用の点灯態様よりも照度を抑えた点灯態様で点灯する構成にしている洋風便器装置。
  2. 請求項1において、
    上記照明灯は、スイッチによりオン、オフできる構成にしている洋風便器装置。
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