本発明は、送風部の下流側に遮蔽部材を設け、送風部から積載トレイ若しくは既積載シートと排出される用紙下面との間に送風し、良好な積載性を得るようにしたことを特徴とする。以下、図面を参照し、本発明の実施形態について実施例を挙げて説明する。
図1は本実施形態における実施例1に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムを示すシステム構成図である。
図1において、画像形成装置PRは、画像処理回路、光書き込み装置、現像装置、転写装置、及び定着装置を少なくとも備え、トナー画像が定着された用紙を用紙後処理装置PDに送り出し、用紙後処理装置PDによって所望の後処理が行われる。
画像処理回路は、入力された画像データを印字可能な画像データに変換し、光書込み装置は、画像処理回路から出力される画像信号に基づいて感光体に光書き込みを行う。現像装置は、光書き込みにより感光体に形成された潜像をトナー現像し、転写装置は、現像装置によって顕像化されたトナー像を用紙に転写する。定着装置は、用紙に転写されたトナー像を加熱及び加圧して定着する。画像形成装置PRはここでは前述のように電子写真方式のものであるが、インクジェット方式、熱転写方式などの公知の画像形成装置が全て使用できる。なお、この実施形態では、前記画像処理回路、光書き込み装置、現像装置、転写装置、及び定着装置が画像形成手段を構成している。
用紙後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出された用紙は用紙後処理装置PDに導かれる。用紙後処理装置PDは、搬送路A、搬送路B、搬送路C、搬送路D及び搬送路Hを備え、前記用紙は、1枚の用紙に後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aへまず搬送される。
搬送路Bは搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路であり、搬送路Cはシフトトレイ202へ導く搬送路である。搬送路Dは整合及びスティプル綴じ等を行う処理トレイF(以下「端面綴じ処理トレイ」とも称する)に導く搬送路である。搬送路Aから搬送路B,C,Dへは、それぞれ分岐爪15及び分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
この用紙後処理装置では、用紙に対して、穴開け(パンチユニット100)、用紙揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じステープラS1)、用紙揃え+中綴じ(中綴じ上ジョガーフェンス250a、中綴じ下ジョガーフェンス250b、中綴じステープラS2)、用紙の仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81)などの各処理を行うことができる。そのため、搬送路Aと、これに続く搬送路B、搬送路C及び搬送路Dが選択される。また、搬送路Dは用紙収容部Eを含み、搬送路Dの下流側には端面綴じ処理トレイF、中綴じ中折り処理トレイG、排紙搬送路Hが設けられている。
搬送路B、搬送路C及び搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかす受け101、搬送ローラ2、第1及び第2の分岐爪15,分岐爪16が順次配置されている。第1及び第2の分岐爪15,16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており(初期状態)、図示しない第1及び第2のソレノイドをONすることにより、分岐爪15、16はそれぞれ駆動される。その際、第1及び第2のソレノイドのON/OFFを選択することにより、第1及び第2の分岐爪15,16の分岐方向の組み合わせを変えることができ、この組み合わせの変更に応じて搬送路B、搬送路C、搬送路Dへ用紙を振り分ける。
搬送路Bへ用紙を導く場合は図1の状態、すなわち、第1のソレノイドをOFF(第1の分岐爪15は下向きが初期状態)状態のままとする。これにより、用紙は搬送ローラ3から排紙ローラ4を経て上トレイ201に排出される。搬送路Cへ用紙を導く場合は、図1の状態から第1及び第2のソレノイドをON(第2の分岐爪16は上向きが初期状態)とすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となる。これにより、用紙は搬送ローラ5及び排紙ローラ対6(6a,6b)を経てシフトトレイ202側に搬送される。この場合には、用紙の仕分けが行われる。
用紙仕分けは、用紙後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部で行われる。シフトトレイ排紙部は、シフト排紙ローラ対6(6a,6b)、戻しコロ13、紙面検知センサ330、シフトトレイ202、シフトトレイ202を用紙搬送方向に直交する方向に往復動させる図示しないシフト機構、及びシフトトレイ202を昇降させるシフトトレイ昇降機構を備えている。
搬送路Dへ用紙を導く場合は、第1の分岐爪15を駆動する第1のソレノイドをON、第2の分岐爪を駆動する第2のソレノイドをOFFとすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は上方に回動した状態となり、用紙は搬送ローラ2から搬送ローラ7を経て搬送路D側に導かれる。搬送路Dに導かれた用紙は、端面綴じ処理トレイFへ導かれる。この端面綴じ処理トレイFで整合及びスティプル等を施された用紙は、ガイド部材44により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す中綴じ・中折り処理トレイG(以下、単に「中綴じ処理トレイ」とも称する)へ振り分けられる。シフトトレイ202に導かれる場合には、用紙束は排紙ローラ対6からシフトトレイ202に排紙される。また、中綴じ処理トレイG側に導かれた用紙束は、中綴じ処理トレイGで折り及び綴じを施され、排紙搬送路Hを通り排紙ローラ83から下トレイ203へ排紙される。
他方、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されている。搬送ローラ7によって搬送される用紙の後端が前記分岐爪17を通過すると、搬送ローラ9、10、スティプル排紙ローラ11のうち少なくとも搬送ローラ9を逆転させ、用紙をターンガイド8に沿って逆行させる。これにより、用紙後端から用紙を用紙収容部Eへ導いて滞留(プレスタック)させ、次用紙と重ね合せて搬送することが可能となる。この動作を繰り返すことによって2枚以上の用紙を重ね合せて搬送することもできる。なお、符号304は用紙をプレスタックさせる際の逆送タイミングを設定するためのプレスタックセンサである。
用紙揃えと端部綴じを行う場合、搬送路Dに導かれ、スティプル排紙ローラ11によって端面綴じ処理トレイFへ導かれた用紙は、端面綴じ処理トレイF上に順次積載される。この場合、用紙排紙毎に叩きコロ12で基準フェンス51に用紙後端を突き当てることにより縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われる。また、ジョガーフェンス53によって横方向(用紙搬送方向と直交する方向−用紙幅方向とも称す)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、用紙束の最終紙から次の用紙束先頭紙までの間で、図示しない制御装置からのスティプル信号により綴じ手段としての端面綴じステープラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、直ちに放出爪52aが突設された放出ベルト52(図2参照)によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受け取り位置にセットされているシフトトレイ202に排紙される。
放出ベルト52は図2及び図4に示すように用紙幅方向の整合中心に位置し、プーリ62間に張架され、放出ベルト駆動モータ157により駆動される。また、複数の放出ローラ56が前記放出ベルト52に関して対称に配置され、駆動軸に対して回転自在に設けられ、従動コロとして機能している。
放出爪52aは、放出ベルトHPセンサ311によりホームポジションが検知されるようになっている。この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、端面綴じ処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転させ、これから用紙束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52aの背面で端面綴じ処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。
なお、図1において、符号110は後端押さえレバーであり、基準フェンス51に収容された用紙束の後端を押さえることができるように基準フェンス51の下端部に位置し、端面綴じ処理トレイFに対してほぼ垂直な方向に往復動する。端面綴じ処理トレイFに排出された用紙は、用紙毎に叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われるが、端面綴じ処理トレイFに積載された用紙後端がカールしていたり、腰が弱かったりすると用紙自身の重量によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、基準フェンス51内の次の用紙が入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。そこで、用紙後端の膨らみを少なくして用紙が基準フェンス51に入りやすくするようにしたのが、後端押さえ機構であり、用紙を直接押さえるのが後端押さえレバー110である。
また、図1において、符号302,303,304,305,310はそれぞれ用紙検知センサであり、設けられた位置における用紙の通過の有無、若しくは用紙の積載の有無を検知する。
図2は端面綴じ処理トレイFをトレイの積載面側から見た概略構成図で、図1の右側面側から見た場合に相当する。同図において、上流側の画像形成装置PRより受け入れた用紙の幅方向の整合はジョガーフェンス53a及び53bによって実施され、縦方向は第1及び第2の基準フェンス51a,51b(図1では符号51で示す)に突き当てて整合される。図6は端面綴じ時の端面綴じ処理トレイFにスタックされた用紙と、基準フェンス51a,51bと、端面綴じステープラS1との関係を示す図である。同図から分かるように、第1及び第2の基準フェンス51a,51bは、それぞれ内側に用紙後端STが当接し、保持されるスタック面51a1,51a2,51b1,51b2を備え、用紙後端STを支持するようになっている。支持は図2から分かるように4点で可能であるが、端面綴じステープラS1は1個所斜め綴じの場合、スタックされた用紙束SBの端部に移動し、斜めの角度傾いた状態で綴じ処理を行う。図6(b)に綴じた後のスティプル針S1dと後端フェンス51bとの関係を示す。その際、用紙束SBは図6(a)に示すように後端フェンス51のスタック面51a1,51a2,51b1のいずれか2個所に接触してスタックされる。これは、後端フェンス51a,51bの取り付け精度を含む機械的誤差のためであり、2点で支持されることにより安定した状態で支持される。
整合動作完了後は、端面綴じステープラS1により綴じ処理が施される。そして、図4の放出ベルトの動作を示す斜視図から分かるように、放出ベルト52が放出ベルト駆動モータ157によって反時計方向に駆動される。綴じ処理後の用紙束は放出ベルト52に取り付けられた放出爪52aによってすくわれ、端面綴じ処理トレイFから放出される。なお、符号64a,64bは前側板及び後側板である。また、本動作は整合処理後に綴じ処理を実施しない未綴じ束においても同様の動作が可能である。
図3は端面綴じ処理トレイF及びその付属機構の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、スティプル排紙ローラ11により端面綴じ処理トレイFへ導かれた用紙は順次端面綴じ処理トレイF上に積載される。このとき、端面綴じ処理トレイFに排出される用紙の枚数が1枚の場合、用紙毎に叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53a,53bによって幅方向(用紙搬送方向と直交する用紙幅方向)の整合が行われる。叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL170によって振り子運動を与えられ、端面綴じ処理トレイFへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙後端STを基準フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12自身は反時計回りに回転する。ジョガーフェンス53は、図2及び図3に示すように前後1対(53a,53b)設けられ、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙幅方向に往復移動する。
図5はステープラ移動機構を示す側面図である。端面綴じステープラS1は図5に示すように、正逆転可能なステープラ移動モータ159によりタイミングベルト159aを介して駆動され、用紙後端部の所定位置を綴じるために用紙幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステープラS1のホームポジションを検出するステープラ移動HPセンサ312が設けられている。用紙幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じステープラS1の移動量により制御される。端面綴じステープラS1は、用紙後端部で1個所若しくは複数個所(一般には2個所)綴じることができるように構成され、少なくとも基準フェンス51a,51bによって支持される用紙後端STの全幅にわたって移動可能となっている。また、スティプル針の交換のために装置前側には最大限移動できるようになっており、ユーザのスティプル針交換操作の便を図っている。
図1に示すように端面綴じ処理トレイFの用紙搬送方向下流側には、用紙束偏向機構Iが設けられている。用紙束偏向機構Iは、端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ用紙束を大きく変更させて搬送する機構である。用紙束偏向機構Iは、端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へ用紙束SBを送る搬送路を一部含む。用紙束SBの搬送は、用紙束に搬送力を与える搬送機構35、用紙束をターンさせる放出ローラ56、用紙束をターンさせるためのガイドを行うガイド部材44によって行われる。これらの搬送に関する機構により、用紙束SBは中綴じ処理トレイGあるいはシフトトレイ202に搬送される。
各々の詳細な構成を説明すると、搬送機構35のローラ36には駆動軸37の駆動力がタイミングベルトによって伝達される構成となっており、ローラ36と駆動軸37はアームによって連結支持され、駆動軸37を回転支点として揺動可能となっている。搬送機構35のローラ36の揺動駆動はカム40によって行われ、カム40は回転軸を中心に回転し、図示しないモータによって駆動される。搬送機構35では、ローラ36の対向する位置には従動ローラ42が配置され、従動ローラ42とローラ36によって用紙束を挟み、弾性材によって加圧し、搬送力を与えている。
端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ用紙束をターンさせる搬送路は、放出ローラ56と放出ローラ56に対向する側のガイド部材44の内面との間に形成される。ガイド部材44は支点を中心に回動し、その駆動は束分岐駆動モータ161(図2参照)から伝達される。端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へ用紙束を搬送する場合には、ガイド部材44が支点を中心に図示時計方向に回動し、ガイド部材44の外面(放出ローラ56と対向しない側の面)とその外側のガイド板間の空間が搬送路として機能する。
端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ用紙束SBを送る場合、端面綴じ処理トレイFで整合された用紙束SBの後端を放出爪52aで押し上げ、搬送機構35のローラ36と、これに対向する対向する従動ローラ42との間で用紙束を挟み、搬送力を与える。このとき搬送機構35のローラ36は、用紙束SB先端にぶつからないような位置で待機している。次に、用紙束SB先端が通過してから用紙表面に搬送機構35のローラ36を接触させ、搬送力を与える。このときガイド部材44と放出ローラ56とでターン搬送路のガイドを形成し、用紙束SBを下流の中綴じ処理トレイGへと搬送する。
中綴じ処理トレイGは、図1に示すように用紙束偏向機構Iの下流側にほぼ垂直に設けられており、中央部に中折り機構が、その上方に束搬送ガイド板上92が、また、下方に束搬送ガイド板下91が配置されている。
また、束搬送ガイド板上92の上部には束搬送ローラ上71が、下部には束搬送ローラ下72がそれぞれ設けられているとともに、両ローラ71,72間を跨ぐように束搬送ガイド板上92の側面に沿って両側に中綴じ上ジョガーフェンス250aが配置されている。同様に束搬送ガイド板下91の側面に沿って両側に中綴じ下ジョガーフェンス250bが設けられ、この中綴じ下ジョガーフェンス250bが設置されている個所に中綴じステープラS2が配置されている。中綴じ上ジョガーフェンス250a及び中綴じ下ジョガーフェンス250bは図示しない駆動機構により駆動され、用紙搬送方向に直交する方向(用紙の幅方向)の整合動作を行う。中綴じステープラS2は、クリンチャ部とドライバ部とが対となったもので、用紙の幅方向に所定の間隔をおいて2対設けられている。
また、束搬送ガイド板下91を横切るように可動基準フェンス73が配置され、タイミングベルトとその駆動機構とを備えた移動機構により用紙搬送方向(図において上下方向)に移動可能となっている。駆動機構は図1に示すように前記タイミングベルトが掛け渡された駆動プーリと従動プーリと、駆動プーリを駆動するステッピングモータとにより構成されている。同様に束搬送ガイド板上92の上端側には、後端叩き爪251と、その駆動機構が設けられている。後端叩き爪251はタイミングベルト252と図示しない駆動機構とによって前記用紙束偏向機構Iから離れる方向と用紙束SBの後端(用紙束導入時に後端に当たる側)を押す方向とに往復移動可能となっている。
中折り機構は、中綴じ処理トレイGのほぼ中央部に設けられ、折りプレート74と折りローラ81対と、折られた用紙束を搬送する搬送路Hとからなっている。なお、図1において、符号326は後端叩き爪251のホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ、符号323は中折りされた用紙を検出するための折り部通過センサ、符号321は用紙束が中折り位置に到達したことを検知する束検出センサ、符号322は可動基準フェンス73のホームポジションを検出する可動基準フェンスホームポジションセンサである。
また、この実施形態では、下トレイ203に中折りされた用紙束の積層高さを検出する検出レバー501が支点501aによって揺動自在に設けられている。紙面検知センサ505がこの検出レバー501の角度を検出し、検出された角度に基づいて、後述のCPU401が下トレイ203の昇降動作を制御し、オーバーフロー検出を行う。
図7は用紙排出装置としての排出部Jの概略構成を示す斜視図である。同図から分かるようにシフトトレイ202の上側には、シフトトレイ202上で用紙Pの幅方向の揃えを行う1対のジョガー205a,205bが設けられている。ジョガー205a,205bは、ジョガー駆動機構206によって用紙の幅方向に可動である。なお、ジョガー駆動機構206自体は公知の構造であり、駆動機構自体は本願発明と直接関係がないので、詳細は省略する。なお、図7等において符号202cはジョガー205a,205bの移動を許容するための逃げ部(凹部)である。また、シフトトレイ202の用紙排出口には、戻しコロ13が設けられ、戻した用紙Pの後端をエンドフェンス210に突き当てる。エンドフェンス210はシフトトレイ202が垂直方向に移動する際のガイドともなる。ジョガー205a,205bは前記用紙排出口よりも若干下流側に設けられている。
画像形成装置PRより排出された用紙は排出部Jからシフトトレイ202に排出され、シフトトレイ202上に積載される。用紙が乱雑に積載されることを防ぐため、用紙排出後、戻しコロ13が回転しながら用紙に接触してエンドフェンス210方向へ戻して用紙後端をエンドフェンス210に突き当て、用紙の搬送方向を整合する。また、図7の平面図である図8に示すようにジョガー205a,205bにより用紙の中心方向(長手方向の中心)に向かって幅方向の手前側と奥側から図8矢印Q1,Q2方向に動作することによって用紙の幅方向を整合する。
しかし、このような構成の排紙トレイでは、コート紙のように平滑度が高い用紙Pの場合には前述のように問題が生じる。例えば、図9のようにシフトトレイ202に先行の用紙(先行紙)P1が積載された状態で後行の用紙(後行紙)P2が排出されると、用紙間密着による貼り付きが発生する。貼り付きが発生すると、図10に示すように後行の用紙P2が先行の用紙P1に接触した状態でそのまま先行の用紙P1を押し出してしまうことがある。あるいは、先端が密着した状態でそれ以上搬送されず、図11のように腰砕けの状態(座屈した状態)になってしまうこともある。いずれの現象が生じても排出不良あるいは積載不良となる。
本実施形態では、このような排紙不良や積載不良を防止するため、送風装置を設けた。図12はこの送風装置を備えた排出部Jの構成を示す平面図、図13は図12における用紙排出時の状態を示す正面図である。第1及び第2の送風装置230a,230b(装置奥側が230a、装置手前側が230bである。両者の区別を行わない場合には、符号230を付して説明する。)は、図12及び図13に示すように排紙ローラ6の下方に位置しており、排出部Jより用紙を排出する場合に第1及び第2の送風装置230a,230bによって送風する。
送風は、図13に示すように積載用紙(先行紙P1)の上面と排出用紙(後行紙P2)の下面との間(1枚目の用紙の場合には、シフトトレイ202の用紙積載面と排出用紙P2の下面との間)に空気を送り込むことにより行われる。空気は図示矢印Q3方向に送り込まれ、積載用紙(先行紙P1)と排出用紙(後行紙P2)との間を通るため、両用紙P1,P2の接触を防ぐことができる。その結果、前記吸着によって発生する排紙不良(座屈)及び積載不良(押し出し)を防止することができる。
なお、本実施形態では、第1の送風装置230aが装置奥側に、第2の送風装置230bが装置手前側にそれぞれ設けられ、排出用紙P2の幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)の両端部の2個所から排出用紙P2の下面に送風されるようになっている。その際、第1及び第2の送風装置230a,230bからの送風方向を内側に向けておけば、小サイズの用紙にも対応することができる。
図13に示した例では、送風装置230の送風部230−1が装置外から見て常に開口している。このように送風部230−1が常に開口していると、送風部230−1から送風装置230内へ何らかの物体が挿入され、あるいはゴミ等の異物が侵入するおそれがある。何か物が挿入されると、送風装置230が破損するおそれもある。
また、送風時の風量が全ての用紙の種類(紙種、用紙サイズ、紙厚)に対して同一であると、用紙の種類によっては風量不足により排出不良及び積載不良防止の効果を得ることができない場合ある。また、風量過多によって用紙が吹き飛ばされる場合もある。さらに、排出用紙(後行紙)P2が排紙ローラ6のニップを抜けた後も送風を行っていると、排出用紙(後行紙)P2のシフトトレイ202への落下の際に、気流によって排出用紙(後行紙)P2が運ばれ、落下位置が不定となる。落下位置が不定となると、積載位置がばらつくので、積載不良となる。
そこで、本実施形態では、排出部Jの要部正面図である図14に示すように、用紙後処理装置PDの送風部230−1を遮蔽する遮蔽部材231を設けるようにした。遮蔽部材231は送風装置230の送風口230−2から送風される空気を送風部230−1からの出口で塞ぐ位置に設けられる。具体的には、遮蔽部材231はエンドフェンス210の装置内部側に取り付けられ、モータ232の駆動によりギヤ233、ギヤ234、タイミングベルト235を介して上昇下降の移動が可能である。このように遮蔽部材231を上昇下降移動可能な構成とし、タイミングベルト235の動作に合わせて上昇下降することにより、送風部230−1の開口量の可変制御が可能となる。この可変制御により送風量を調節することができる。
排出部Jから用紙を排出しない用紙排出部待機時には、遮蔽部材231を図14に示すように送風口230−2を閉鎖した上昇位置に位置させる。これにより、待機時に送風部230−1が閉じられ、送風部230−1からゴミや何らかの物体が入るのを防ぐことができる。ゴミや前記物体の侵入を防止できれば、送風装置230の破損も防ぐことができる。なお、遮蔽部材231は図14に示す形状に限定するものではなく、機能的に送風口230−2の下流側の送風部230−1を遮蔽できる形状であれば十分である。
図15は本実施形態に係る画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
同図において、画像形成装置PRの制御はCPU411、ROM412、RAM413、不揮発RAM414、シリアルインターフェース(以下、シリアルI/Fと称す)415、タイマ416などを内蔵した画像形成装置制御部410によって実行される。用紙後処理装置PDの制御は、CPU401、ROM402、RAM403、シリアルI/F404、タイマ405などを内蔵した用紙後処理装置制御部400によって実行される。画像形成装置制御部410と用紙後処理装置制御部400は、それぞれシリアルI/F415及び404を介して用紙積載制御に必要なコマンドを送受する。
画像形成装置PRの制御のためのプログラムコードはROM412に格納されている。CPU411はプログラムコードをROM412から読み出してRAM413に展開する。CPU411は、また、制御に必要なデータをRAM413に記憶し、当該RAM413をワークエリアとして使用しながら前記プログラムコードによって定義されたプログラムを実行し、各部を制御する。画像形成装置制御部410には、感光体などの作像部で使用されるモータ、給紙部、給紙搬送路、両面搬送路等における各種モータやクラッチなどの各種直流負荷450、各種交流負荷470、定着ローラの温度を検出する温度センサなどの各種センサ460が接続されている。また、画像読み取り装置300、及び操作表示部440が接続され、画像形成装置制御部410を介して各部が制御される。
用紙後処理装置PDの制御は、前述のように用紙後処理装置制御部400によって実行される。制御のためのプログラムコードはROM402に格納されている。CPU401はプログラムコードをROM402から読み出してRAM403に展開し、制御に必要なデータをRAM403に記憶する。そして、CPU401は、当該RAM403をワークエリアとして使用しながら前記プログラムコードによって定義される制御を実行し、各種直流負荷420の制御を行う。各種直流負荷420としては、例えば排紙ローラ6を駆動する排紙モータ、戻しコロ13を駆動する戻しモータ、遮蔽部材231を昇降駆動するモータ232、送風装置230の送風ファンを駆動する送風モータ、シフトトレイ202を昇降させる昇降モータ等々がある。
画像形成装置PRと用紙後処理装置PDは、前述のようにシリアルI/F415及び404を介して用紙の後処理制御に必要なコマンドを送受する。用紙後処理装置PDのCPU401は該コマンド及び後述のセンサSe1を含む各種センサ430から得られる用紙位置情報により、排紙ローラ6、戻しコロ13、遮蔽部材231の昇降制御、シフトトレイ202の高さ位置の制御(昇降制御)、送風モータの駆動制御を含む各種制御、及び後述の各フローチャートに示す制御手順を実行する。
図16は遮蔽部材231の遮蔽動作を示す説明図である。図16では排紙ローラ6の上流に用紙検知センサSe1が配置され、用紙の先端及び後端を検知することができるようになっている。
図17は遮蔽部材の昇降動作の動作手順を示すフローチャートである。同図に示すように、画像形成装置PRから用紙P2が排出されると送風装置230は送風を始める(ステップS101)。その際、積載部(シフトトレイ202の上面)202aへの送風は遮蔽部材231により遮蔽されている。排出される用紙P2の先端が用紙検知センサSe1によって検知されると(ステップS105)、その検知タイミングをトリガとして予め設定された時間の後(Δt1秒後)に遮蔽部材231が下降する(ステップS106)。次いで、送風部230−1を開口して積載部202aへの送風を行う。用紙P2がシフトトレイ202上に排出され(ステップS107)、さらに前記検知タイミングからΔt2秒(Δt1<Δt2)後に遮蔽部材231を上昇させて再び送風部230−1を閉じる(ステップS108)。
そして、送風装置230が送風を開始した(ステップS101)後、用紙後処理装置PDが画像形成装置PRから用紙情報(紙種、用紙サイズ、紙厚:I101)を受け取り、この用紙情報に基づいてCPU401が送風部230−1の遮蔽部材下降量Ymm(開口量)を決定する(ステップS102)。さらに、用紙検知センサSe1から排紙ローラ6のニップまでの搬送距離Xmm、線速Vmm/sの情報(I102)を受け取り、送風部230−1の開口開始時間Δt1、開口時間Δt2を決定する(ステップS103,S104)。なお、ステップS102における遮蔽部材下降量を決定する手順は図18に示す。
図18は遮蔽部材の下降量決定手順を示すフローチャートである。この処理手順では、用紙情報I201を参照し、まず、コート紙か否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定でコート紙であれば、紙サイズ情報I202を参照し、用紙サイズが縦Xmm・横Ymm以上であるか否かを判定する(ステップS202)。用紙サイズが縦Xmm・横Ymm以上であれば、紙厚情報I203を参照し、紙厚が予め設定された紙厚Tg/m2以上か否かを判定する(ステップS203)。
ステップS203の判定で紙厚が紙厚Tg/m2以上であれば、遮蔽部材231の下降量を予め設定された下降量L1とする(ステップS204)。ステップS203の判定で紙厚が紙厚Tg/m2未満であれば、遮蔽部材231の下降量を前記L1以下のL2とする(ステップS205)。ステップS202の判定で、用紙サイズが紙サイズ縦Xmm・横Ymm以上でなければ、遮蔽部材231の下降量を前記L2以下のL3とする(ステップS206)。ステップS201の判定で、非コート紙と判定された場合、遮蔽部材231の下降量を前記L23下のL4とする(ステップS207)。
この手順から分かるように、本実施形態では、コート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm以上、紙厚Tg/m2以上のとき遮蔽部材下降量L1とする。コート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm以上、紙厚Tg/m2未満のとき遮蔽部材下降量L2は遮蔽部材下降量L1以下とする。コート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm未満のとき遮蔽部材下降量L3は遮蔽部材下降量L2以下とする。そして、非コート紙のとき遮蔽部材下降量L4は遮蔽部材下降量L3以下とする。
なお、閾値となる紙サイズ縦Xmm、横Ymm、紙厚Tg/m2、及び、下降量L1,L2,L3,L4はそれぞれ実験的に求められ、テーブル化して例えばROM402に記憶させておき、CPU401は使用する際にRAM403に取り込んで適宜参照する。なお、遮蔽部材下降量Ymmは画像形成装置PRの操作表示部440からユーザあるいはサービスマンがマニュアル操作により調整することもできる。
風量の調節ができない場合、例えばコート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm以上、紙厚Tg/m2以上の条件に合わせた風量で、コート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm未満の条件に合わせた風量を送風しても風量過多のため用紙を吹き飛ばしてしまう可能性があり、コート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm未満の条件に合わせた風量でコート紙、紙サイズ縦Xmm・横Ymm以上、紙厚Tg/m2以上の条件に送風しても風量不足のため貼り付き防止の効果が得られない場合がある。しかし、本実施形態のように紙種情報I201、用紙サイズ情報I202、紙厚情報I203などの用紙情報I101に基づいて遮蔽部材231の下降量を制御して風量を調節すると、風量不足、風量過多を防止することができる。これにより風量不足に起因する排出不良及び積載不良、並びに風量過多に起因する用紙吹き飛ばしが発生することはない。
また、用紙検知センサSe1から得られた用紙検知情報に基づいて用紙先端検知のΔt1秒後に送風部230−1を開口し、用紙先端検知からΔt2秒後に送風部230−1を閉じることにより、用紙排出タイミングに合わせて送風部230−1を開閉することができる。さらに、排出用紙P2がシフトトレイ202へ落下する際、送風部230−1は綴じられ、シフトトレイ202側に送風されないので、気流による積載不良を防止することができる。
実施例2は、排紙部両端のファンダクト内部にシャッタを搭載し、ダクト排気口から出る風量を調節することができるようにした例である。
なお、画像形成装置及び用紙後処理装置は、図1ないし図6を参照して説明した画像形成装置PR及び用紙後処理装置PDと同一である。
図19はシフトトレイの排紙部を示す要部正面図で、図19(a)は排紙時の待機状態を示す図であり、同図(b)は同図(a)の丸で示した部分の要部をさらに拡大して示す図である。用紙Pは前述のように排紙ローラ対6(6a,6b)を経てシフトトレイ202側に搬送され、シフトトレイ202で用紙の仕分けが行われる。用紙の仕分けは、前述のように特にシフト排紙ローラ対6、戻しコロ13、シフトトレイ202、シフト機構、及びシフトトレイ昇降機構によって行われる。
図20は搬送方向の揃え動作を示す動作説明図である。揃え動作は、用紙排出後、戻しコロ13が用紙Pをエンドフェンス210方向へ戻す方向(矢印R0方向)に回転しながら用紙Pに接触し、積極的に用紙Pをエンドフェンス210方向に戻す動作を行うことにより行われる。戻しコロ13は、図示しない戻しコロ駆動モータによって駆動され、駆動力はタイミングベルトによって伝達される。
しかし、このような構成の排紙トレイでは、コート紙のように平滑度が高い用紙Pの場合には前述のように問題が生じる。例えば、図9のようにシフトトレイ202に先行紙P1が積載された状態で後行紙P2が排出されると、用紙間密着による貼り付きが発生する。貼り付きが発生すると、図10に示すように後行紙P2が先行紙P1に接触した状態でそのまま先行紙P1を押し出してしまうことがある。あるいは、先端が密着した状態でそれ以上搬送されず、図11のように腰砕けの状態(座屈した状態)になってしまうこともある。いずれの現象が生じても排出不良あるいは積載不良となる。
そこで、本実施形態では、図7、図19及び図20に示した排紙部構成を図21及び図22に示す排紙部構成とした。
図21は、本実施例における排紙部をシフトトレイ側から見た図、図22は図21に示した排紙部を斜め上から見た斜視図である。
図21及び図22において、本実施形態では、戻しコロ13がシフトトレイ202の搬送方向の中心に関して対称に一対設けられている。また、戻しコロ13の外側に押圧部材14がそれぞれ前記中心に関して対称に設けられている。これにより戻しコロ13と押圧部材14がシフトトレイ202の搬送方向の中心に関して対称に1対設けられていることになる。
押圧部材14は、コート紙を通紙する場合のみ押圧動作を行う。コート紙か否かは、後述するが、用紙後処理装置PDのCPU401が画像形成装置PR側から送信される紙種情報に基づいて判断し、動作の制御を行う。
図23及び図24は押圧部材の動作の概要を示す動作説明図である。図23は先行紙P1がシフトトレイ202上に排紙されているときの状態を示す。この状態から先行紙P1がシフトトレイ202上に排紙されると、戻しコロ13が下降してシフトトレイ202上の先行紙P1をエンドフェンス210側に戻す。これにより、用紙の搬送方向が揃えられる。次いで、ジョガー205a,205bによって幅方向の用紙揃えを行う。
搬送方向、幅方向の揃え動作完了後、図24に示すように、後行紙P2が先行紙P1に接触する前に押圧部材14が先行紙P1の後端を押圧する。後行紙P2が排出され、後行紙P2の後端が排紙ローラ6を抜けたところで、押圧部材14は先行紙P1から退避する。
図25及び図26は戻しコロと押圧部材の駆動機構を示す図である。図25は戻しコロ動作時の状態を、図26は押圧部材動作時の状態をそれぞれ示す。
駆動機構18は、第1の軸19a,第2の軸19b、第1の軸19aを回転駆動する戻しコロ駆動モータ20、駆動ギヤ20a、従動ギヤ20b、第1ないし第3のギヤ21,22,23、及びカム24を備えている。
戻しコロ駆動モータ20は自身の回転軸の先端に駆動ギヤ20aを備えている。駆動ギヤaは第1の軸19aの一方の軸端に取り付けられた従動ギヤ20bと噛み合い、第1の軸19aを正逆両方向に回転させることができる。
第1の軸19aには、第2の軸19bの一方の軸端に設けられた第2のギヤ22と噛み合う第1のギヤ21が設けられ、戻しコロ駆動モータ20の駆動力を第2の軸19bに伝達できるようになっている。また、第1のギヤ21と第2のギヤ22には、互いに逆方向に回転するときにロックするワンウェイクラッチ21a,22aが備えられている。
第3のギヤ23は用紙Pの搬送中心を対称軸として1対設けられ、第2の軸19bに固定されている。これにより第2の軸19bが回転すると連れ回りする。また、第3のギヤ23は第1の軸19aに設けられた一対のカム24のギヤ部分と噛み合い、当該カム24を駆動する。カム24は第1の軸19aに固定されていないため、第3のギヤ23が回転したときのみ回転する。1対の押圧部材14は支軸14d(図27及び図28参照)に回転可能に支持され、それぞれ第1の軸19aに回転可能に装着された前記一対のカム24によって作動し、押圧位置と退避位置を移動(揺動)する。
このように構成した駆動機構18では、戻しコロ駆動モータ20を駆動源として使用する。戻しコロ13は図25及び図26において第1の軸19aの円周部に突出した突起13aに固定され、第1の軸19aと同期して回転する。
図25は戻しコロ駆動モータ20が正回転(矢印R1方向)をしている状態を示している。戻しコロ駆動モータ20が正回転する場合には、第1及び第2のギヤ21,22が回転し、戻しコロ13(第1の軸19a)は用紙を戻す方向(矢印R2方向)に回転する。しかし、ワンウェイクラッチ21a,22aにより、第1の軸19aは回転するが第2の軸19bは停止し、第3のギヤ23とカム24は回転しない。これにより、押さえ部材14は図23に示す退避(離間)状態に保持される。
戻しコロ13の戻し動作が完了すると、押圧動作が開始され、図26に示すように戻しコロ駆動モータ20が逆転する(矢印R3方向)。押圧部材14動作時は、モータ20の逆回転により第1及び第2のギヤ21,22が回転する。ワンウェイクラッチ21a,22aにより、第1の軸19aは停止し第2の軸19bが回転し、第3のギヤ23とカム24が回転する。すなわち、第3のギヤ23が矢印R3方向に回転し、カム24が矢印R4方向に回転し、このカム24によって押さえ部材14が動作する(矢印R5方向)。この動作が押圧部材14の押さえ動作である。押さえ部材の押さえ、退避の動作はカム形状に沿って戻しコロ駆動モータ20の逆回転のみで行われる。カム24は第1の軸19aに固定された被駆動ギヤ24aに同期して回転するように設けられた偏心カムであり、退避位置に対応する回転位置は平面形状となっている(図27及び図28参照)。被駆動ギヤ24aには第3のギヤ23が噛み合い、この第2の軸19bの回転によって回転する第3のギヤ23によって一方向に回転駆動される。
図27は押圧部材先端の構成を示す図である。同図は図25の搬送中央から奥側の押圧部材を見た図である。押圧部材14は、先端の押圧部14aを平面形状にしてシフトトレイ202上に積載された用紙を押圧する。本実施形態では、押圧部14aは用紙Pを押圧する際、シフトトレイ202の積載面とほぼ平行になるように構成されている。なお、押圧部14aは平面でなく、曲面等でも良い。
図28は押圧部材先端の他の構成例を示す図である。この構成例では、押圧部14aにクッション材14bが貼り付けられている。これにより、弾性的に用紙Pを押圧できるようになり、用紙P若しくは用紙束PBの厚さ変化にクッション材14bだけで対応することができる。
図29及び図30は押圧部材の動作説明図である。図29は退避時の状態を、図30は押圧動作時の状態をそれぞれ示す。両図は図25あるいは図26の搬送中央から奥側の押圧部材を見た図である。両図に示すように、押圧部材14には、それぞれ弾性部材としてのバネ25によって常に退避方向に弾性力が付与され、カム24の回転により押し出された場合のみ用紙Pを押圧する方向へ動作する。また、押圧部材14はフィラー形状14cを備え、透過型センサ26によってホームポジションを検知している。本実施形態では、ホームポジションは図29に示す退避状態の位置である。
このように駆動機構を構成したことにより、用紙間密着によって貼り付いた先行の用紙P1を戻しコロ13で戻した状態で押さえるので、良好な揃え精度が得られる。また、戻しコロ13と押圧部材14が同一駆動源で駆動されるので、小型化とコストダウンを図ることができる。その際、戻し動作と押さえ動作の切り換えは、戻しコロ駆動モータ20の正逆回転方向を切り換えるだけで可能となる。
図31は本実施例における送風装置を備えた排紙部の構成を示す要部正面図である。平面形状は実施例1における図8及び図12に示した平面図と同一である。なお、図31では図1と対比すると分かるように用紙後処理装置PDの図1における正面視中央部分が省略されている。
実施例1の図12において、用紙の幅方向(用紙搬送方向D1と直交する方向)に4個設けられている排紙ローラ対6のさらに外側(両端部)に、送風装置230が1対設けられている。送風装置230は、図31に示すように、送風ファン236、送風ダクト(送風ガイド)237、及びルーバ239を備えている。送風ファン236は同軸上の図示しないモータによって駆動され、送風ダクト237の送風口238からモータの回転速度に応じた風速の風Wを送風する。
送風口238は送風ダクト237の最下流側に開口し、図31に示すように排紙ローラ対6の上側のローラ6a若しくは排紙口6cよりも下方であって、シフトトレイ202よりも上の位置に開口している。これにより、シフトトレイ202の用紙積載面202bと排紙ローラ対6から排紙される用紙Pとの間(排紙される用紙Pの下面)に風Wを送り込むことが可能である(図32参照)。また、画像形成装置PR側から送信される用紙情報に基づき、通紙される場合のみ送風を行う。その際、マニュアルで風速(風量)の調整を可能としている。なお、本実施例では、送風装置230は1対(2個)設けられているが、それ以上、設けても良い。
送風ダクト237は搬送路Cの下側に位置し、送風ファン236によって上方に向けて送風された空気流を送風ダクト237の形状に沿って斜め上方向に偏向させ、送風口238から前述のようにして送風する。
図32、図33及び図34はルーバを備えた送風装置の動作及び送風の状態を示す動作説明図、図35は送風装置の風の方向を示す説明図である。
図32は1枚目の用紙(先行紙)P1が同図矢印D1方向に搬送され、シフトトレイ202上に排紙された後、2枚目の用紙(後行紙)P2の排紙が開始された直後の状態を示す。この状態になる前、すなわち、用紙P2がシフトレイ202上に排出される際には、送風装置230の送風ファン236が駆動され、後行の用紙P2の裏面(下面)側に風Wが送り込まれる。この送風動作によって図34に示すようにシフトトレイ202上の先行紙P1と後行紙P2間に空気層ALが形成される。この図34に示す状態を経て用紙P2は排紙ローラ6対のニップから放出され、空気層ALを排除しながらシフトトレイ202上の用紙P1上に落下する。そして、戻しコロ13の下側に移動すると、用紙P2は戻しコロ13によって搬送方向と逆方向に搬送され、用紙後端PTがエンドフェンス210に突き当たって用紙Pの搬送方向が揃えられる。
先行紙P1がなく、シフトトレイ202に直接用紙P1を排出するときも同様に、用紙P1の裏面側に送風を行い用紙P1とシフトトレイ202間に空気層ALを作り、用紙間密着を防止する。このとき、送風装置230の送風ダクト237のガイド面237aとシフトトレイ202の用紙積載面202bは水平方向に対して同じ角度になっており、シフトトレイ202の用紙積載面202bと平行に送風される。すなわち、用紙積載面202bと平行な風Wとして送風される。
一方、用紙幅方向では、図35に示すように2つの送風装置230(230a,230b)からの風Wがシフトトレイ202の用紙積載面202b上のX位置で合流若しくは交差するように送風される。各送風装置230a,230bのルーバ239a,239bは、前記合流又は交差するようにその角度が設定されている。合流位置あるいは交差位置であるX位置は、シフトトレイ202の下流側の用紙幅方向の中央の位置である。用紙搬送方向については任意であるが、用紙先端部若しくはその近傍の位置で交差させるようにすることが望ましい。図35では、後行紙P2を鎖線で示し、交差位置Xが用紙先端PHから若干手前側の用紙先端部に設定された状態を示している。
そのため、ルーバ239が固定である場合、最も使用頻度の高い用紙がシフトトレイ202上に排紙されたとき、その用紙サイズの用紙先端部に対応する位置に前記交差位置Xを設定することが合理的である。
このように用紙Pの両端部側からシフトトレイ202に排出される用紙Pの幅方向中央部及び用紙先端部に向けて送風装置230a,230bから風Wを送り込むと、排紙された用紙Pの幅方向、及び、送り方向の紙面全域に空気層ALが生成される。この空気層ALが生成されることにより果、用紙間密着力を効果的に防止し、あるいは低減することができる。その結果、後行紙P2の座屈あるいは先行紙P1に対する貼り付きを防止することが可能となり、良好な揃え精度を得ることができる。
図36は送風装置、押圧部材及び戻しコロを備えた排紙部ユニットをシフトトレイの排紙方向下流側から見た正面図である。同図において、排紙部ユニットJUの両側に第1及び第2の送風装置230a,230bがそれぞれ設けられている。第1及び第2の送風装置230a,230bはそれぞれファン236a,236bを備えている。ファン236a,236bは例えばシロッコファンから構成され、図示しないファンモータによって駆動される。
図37は送風装置の送風口部分の内部構造を示す斜視図である。図37において、第1の送風装置230aの送風口238の内部にはルーバ239が設けられている。このルーバ239は図31ないし図34に図示したルーバ239に対応する。このルーバ239の送風方向上流側のダクト237内には、ダクト237内の送風経路240を遮蔽する遮蔽部材241が設けられている。
遮蔽部材241は送風口238の送風経路を水平方向に横切るように配置された遮蔽部材駆動軸242に組み付けられている。遮蔽部材駆動軸242の排紙部ユニットJUの外側に向かって突出した部分には引張りバネ取付部材243が固定され、図示しない引張りバネによって送風経路240を常時遮蔽する方向に、遮蔽部材241に対して弾性力を付与している。引張りバネ取付部材243の取り付け側とは逆側の遮蔽部材駆動軸242には、遮蔽部材241を揺動駆動するためのカムフォロワ244が固定されている。カムフォロワ244を駆動するカム245はカム駆動軸246の両端部に設けられている。
図38は図36に示した排紙部ユニットをシフトトレイの排紙方向上流側から見た斜視図、図39は図38の第2の送風装置を用紙排紙方向上流右方向側から見た要部斜視図、図40は同左方向から見た要部斜視図、図41は排紙部ユニットを用紙排紙方向下流側から見た斜視図、図42は図41の第1の送風装置を右方向から見た要部斜視図、図43は図41の第2の送付装置側を右方向から見た要部斜視図である。
これらの図において、カム駆動軸246は排紙部ユニットJUの上部に軸受246aを介して第1及び第2の送風装置230a,230bの間に設けられ、カムフォロワ244を駆動可能な位置にカム245が設置されている。カム駆動軸246は、図36及び図38から分かるように、第2の軸19bとの間に張設されたタイミングベルト247によって第2の軸19bと同期して揺動駆動される。これにより、押圧部材14が押圧動作するときに、カム245がカムフォロワ244を押す。これにより遮蔽部材駆動軸242が図37において図示時計回り方向に回動し、これと同期して遮蔽部材241が同じく図示時計回り方向に回動し、送風経路240を開放する(図44(a)参照)。
前記第2の軸19bの駆動は、第1の軸19aを介して戻しコロ駆動モータ20により行われるので、戻しコロ駆動モータ20は、戻しコロ13、押圧部材14及び遮蔽部材241を駆動する。すなわち、遮蔽部材241の駆動は戻しコロ13、押圧部材14と同一駆動源となっている。これにより戻しコロ13動作時は、遮蔽部材241は動作せず(閉鎖状態)、押圧部材14動作時は戻しコロ13は回転しないが、送風装置230a,230bの遮蔽部材241は押圧部材14の動作タイミングと連動して送風経路240の開放動作を行う。
押圧部材14は、排出紙が排出中にシフトトレイ202上に積載された用紙Pの後端を押圧することによって積載紙の押し出しを防止している。そこで、押圧部材14と同じタイミングで遮蔽部材241を動作させ、排出紙が排紙ローラ6によって排出されている間は送風装置230から送風する。そして、排出紙の後端が排紙ローラ6を抜けたところで遮蔽部材241を初期位置に戻し、送風経路240を遮蔽する。
遮蔽部材241は、前述のように押圧部材14を駆動する第2の軸19bを起点に、タイミングベルト247によってカム駆動軸246を駆動し、カム駆動軸246の両端部に取り付けられたカム245によりカムフォロワ244を駆動することによって開閉される。したがって、戻しコロ13の駆動源を含む駆動機構を使用し、簡単な機構で押さえ部材14及び遮蔽部材241を同期して駆動することができる。
図44は図37に示した送風装置における送風及び遮蔽状態を示す動作説明図である。同図(a)送風状態を、同図(b)は遮蔽状態をそれぞれ示す。
遮蔽部材241は、図44(a)に示すようにダクト237の断面形状と相似の断面形状に形成されているので、遮蔽部材241が開放された送風時は、遮蔽部材241が整流板として機能する。そのため、ファン236からの送風がダクト237の断面形状に沿った流線のまま送風口238からスムーズな流れとして送り出される。
一方、遮蔽部材241が閉鎖されるときは、送風の流れと直交する方向に回転して図44(b)に示すように遮蔽部材241の背面側で送風経路240を遮蔽する。その際、完全に送風を遮断するわけでなく、排出される後行紙が浮き上がらない程度に抑えた風量とする。したがって、ファン236を駆動するファンモータに過電流が流れることがなく、遮蔽部材241による風量制御に伴って排紙部ユニットJUに不具合が生じることもない。
このように用紙Pの両端部の送風装置230側からシフトトレイ202に排出される用紙Pの幅方向中央部及び用紙先端部に向けて風Wを送り込むと、排紙された用紙Pの幅方向、及び、送り方向の紙面全域に空気層ALが生成される。この空気層ALの生成により、用紙間密着力を効果的に防止し、あるいは低減することができる。その結果、後行紙P2の座屈あるいは先行紙P1に対する貼り付きを防止することが可能となり、良好な揃え精度を得ることができる。
また、前記遮蔽部材241によって、用紙排出後に送風装置230から送風する風量を抑制することが可能なので、後行紙の排出後の用紙後端の浮き上がりも防止することができる。この浮き上がりの防止は、揃え精度の向上に繋がる。
本実施例においても、図15に示した画像形成システムと同様の制御構成で前記送風制御が実行される。
このように、本実施例においては送風装置230から用紙裏面(下面)側に送風する送風モードが設定されている。送風モードは、ユーザが操作パネル105上でコート紙を選択した場合にONになる設定となっている。しかし、強制OFFを選択することによってコート紙であっても送風を行わないようにすることができる。また、普通紙の場合、デフォルトでは、送風は行わないが、強制ONにすることによって送風を行うことができる。
図45は、この送風モードにおける送風動作の処理手順を示すフローチャート、図46は送風モード選択処理時の操作表示部(操作パネル)の選択画面を示す図である。このフローチャートに示した処理は、用紙後処理装置PDのCPU401によって実行される。
送風モードの選択処理では、図46の操作表示部440の送風モードの選択画面440aから「あり」440bを選択すると、送風モードの処理が開始される。送風モードの処理が開始されると、操作表示部440上の操作画面が図示しない用紙の種類の選択画面に切り替わる。この選択画面には、図示しないが、紙種が選択ボタンとして表示される。そこで、紙種の選択が行われ(ステップS301)、コート紙が選択された場合には(ステップS302:YES)、送風強制OFFの選択画面に切り替わる。
すなわち、コート紙が選択された場合には、送風ファン230はONになる設定となっているので、その前に送風ファン230の強制OFFが選択されたか否かが判断される(ステップS303)。強制OFFが選択された場合には(ステップS303:YES)、送風ファン230をOFFして(ステップS304)、このルーチンから抜ける。
強制OFFが選択されていなければ(ステップS303:NO)、送風ファン230をONし(ステップS305)、空気流(風W)を生じさせてこのルーチンから抜ける。
コート紙以外では、デフォルトでは送風OFFとなっているので、さらに、送風強制ONが選択されたか否かを判断する(ステップS306)。送風強制ONが選択されていれば(ステップS306:YES)、送風ファン230をONし(ステップS305)、選択されていなければ(ステップS306:NO)、送風ファン230をOFFし(ステップS3107)、このルーチンから抜ける。
また、送風モード画面で「なし」440cを選択すると、送風モードに入らずに通常の排紙処理が実行される。
このように、本実施形態では、送風モードでは、ユーザが操作表示部440上で紙種情報を選択した場合にONになる設定であるが、強制OFFを選択することにより、送風を行わないことができる。また、普通紙の場合デフォルトでは、送風は行わないが、強制ONにすることにより送風を行うことができる。
その他、特に説明しない各部は実施例1と同様に構成され、同様に機能する。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
1)本実施形態では、排出部Jあるいは排出部ユニットJU(用紙排出装置)が、用紙Pを排出する排紙ローラ6(排出手段)と、排紙ローラ6によって排出される用紙Pの下面側に送風する送風装置230(送風手段)と、送風装置230の送風口230−2,238からの用紙Pの下面側への送風を遮蔽する遮蔽部材231,241(遮蔽手段)と、遮蔽部材231,241の動作を制御するCPU401(制御手段)と、を備えたことを特徴としている。
これにより、
・遮蔽部材231,241の動作制御により送風タイミングを設定して送風することが可能となる。
・送風タイミングを設定して送風可能なので、用紙を排紙する際に良好な積載性を得ることができる。
・遮蔽部材231によって送風口230−2、あるいは遮蔽部材241によって送風口238を開閉することが可能なので、送風口230−2,238への異物の侵入を防ぐことができる。
・異物の侵入を防ぐことが可能となることから、異物侵入が原因となる故障の発生を未然に防ぐことができる。
等の効果を奏する。
2)排紙ローラ6によって排出される用紙Pを積載するシフトトレイ202(積載手段)をさらに備え、送風装置230がシフトトレイ202の用紙排出方向と直交する方向の両端部付近に設けられているので、用紙の排紙側後端の両端部から送風することが可能となり、先行紙P1と後行紙P2の間、シフトトレイ202の積載面202bとの間に良好な空気層ALを形成することができる。これにより、用紙Pの貼り付き及び座屈を確実に防止し、良好な揃え精度を得ることができる。
3)両端部付近に設けられた送風装置230a,230bの送風方向が、シフトトレイ202上で交差するように設定されているので、風(空気流)Wが用紙Pの下面で交差し、交差する個所を中心として十分な厚さの空気層ALを形成することができる。これにより、より効果的に前記2)の効果を奏することができる。
4)送風方向が交差する位置Xが前記シフトトレイ202の幅方向の中央部に設定されているので、風(空気流)Wが用紙Pの幅方向の中央の下面で交差し、用紙Pの幅方向の中央部を中心として十分な厚さの空気層ALを形成することができる。これにより、より効果的に前記2)の効果を奏することができる。
5)交差する位置Xが前記シフトトレイ202上に排出される用紙Pの先端部に設定されているので、排紙される用紙Pの長手方向全域に空気層ALを確実に形成することができる。これにより、より確実に前記2)の効果を奏することができる。
6)シフトトレイ202上の用紙幅方向の中央部に向けて送風方向を定めるルーバ239aが送風装置230に設けられているので、簡単な構成で風Wの方向を設定することができる。
7)送風装置230は、送風ダクト237を有し、送風ダクト237のガイド面237a(送風ガイド)が、前記シフトトレイ202の積載面202bと平行に配置されているので、送風装置230から用紙積載面202bと平行な風Wとして送風される。これにより良好な空気層ALが形成され、より効果的に前記2)の効果を奏することができる。
8)シフトトレイ202に積載された用紙Pを用紙排出方向と逆方向に搬送する戻しコロ13(搬送手段)と、搬送された用紙Pを押圧する押圧部材14(押圧手段)と、戻しコロ駆動モータ20(同一駆動源)によって戻しコロ13と押圧部材14とを駆動する駆動手段と、を備えたので、単一の駆動源で後行紙P2が排出される際に先行紙P1を押圧部材14により押さえ、後行紙を戻しコロ13によって戻すことができる。その結果、静電気による用紙間密着による押し出しを防止することが可能となり、良好な揃え精度を得ることができる。また、同一駆動源で前記戻しコロ13と前記押圧部材14とを駆動するので、装置の大型化を招くことがなく、小型の装置として提供することができる。
9)CPU401(制御手段)が用紙の排出タイミングに合わせて遮蔽部材231,241を動作させるので、排紙動作時のみ送風することが可能となる。これにより、積載性の向上を図ることができる。
10)用紙排出待機時には前記遮蔽手段を遮蔽状態とするので、待機時に送風口230−2,238への異物侵入を防ぐことができる。
11)排紙ローラ6によって用紙Pが排出されているときには遮蔽部材231,241を所定量送風する状態とし、用紙Pが排紙ローラ6を抜けた後、送風を停止し、若しくは送風量を抑制する。すなわち、排紙動作時のみ適正な送風量で送風して空気層ALを形成させ、排紙動作が終了した後、空気層ALの形成をやめ、あるいは排紙される用紙Pの後端部に向けての送風を行わないようにする。これにより、良好な積載性を確保することができる。
12)遮蔽部材231が上下方向に移動するという簡単な構成で前記1)の効果を奏することができる。
13)遮蔽部材241が送風口238の内側に回転可能に配置されているので、外部に遮蔽部材の存在を気づかせることなく前記1)の効果を奏することができる。
14)遮蔽部材241が送風口238の内側に回転可能に配置され、戻しコロ駆動モータ20(同一駆動源)によって戻しコロ(搬送手段)及び押さえ部材14に加え、遮蔽部材241も駆動するので、押さえ動作により、静電気による用紙間密着による押し出しを防止しつつ遮蔽部材241と同期して送風装置230から送風することが可能となる。その結果、良好な揃え精度を得ることができる。さらに、同一駆動源で戻しコロ13、押圧部材14及び遮蔽部材241を駆動するので、装置の大型化を招くことがなく、小型の装置として提供することができる。
15)戻しコロ駆動モータ20の回転方向に応じて戻しコロ13、押圧部材14及び遮蔽部材241の動作を切り換える第1及び第2のギヤ21,22並びにワンウェイクラッチ21a,22a(切り換え手段)を備えたので、簡単な構成で前記動作の切り換えが可能となる。
16)駆動機構18(駆動手段)が、第1の軸19aに取り付けられたカム24によって駆動される押圧部材14と、カム24を駆動する第2の軸19bに取り付けられた第2のギヤ22と、第1の軸19aの回転を第2の軸19bに伝達する第1のギヤ21と、を含み、搬送手段が、前記第1の軸19aに取り付けられ、当該第1の軸19aと同期して回転する戻しコロ13からなり、遮蔽手段が、前記第2の軸19bからタイミングベルト247(動力伝達手段)を介して当該第2の軸19bと同期して回動するカム駆動軸246(第1の駆動軸)と、当該カム駆動軸246に連動して揺動する遮蔽部材駆動軸242(第2の駆動軸)に取り付けられた遮蔽部材241と、を含み、ワンウェイクラッチ21a,22a(切り換え手段)が、前記第1のギヤ21と前記第2のギヤ22が互いに逆方向に回転するときにロックするようにしたので、簡単な構成で戻しコロ13による整合動作と、押圧部材14による押圧動作及び遮蔽部材241による送風制御動作を切り換えることができる。
17)用紙後処理装置PDのCPU401が画像形成装置PRより送信されてくる紙種情報、用紙サイズ情報及び用紙厚情報の1つを含む用紙情報に基づいて送風の遮蔽量を決定し、遮蔽部材231,241を動作させるので、排紙される用紙に対応した送風量を設定することが可能となり、より効果的に前記2)の効果を奏することができる。
18)遮蔽部材231,241による送風の遮蔽量を操作者が操作表示部440から設定する設定手段を備えたので、操作者の意志に沿った送風量の設定が可能となる(図45,図46)。
なお、特許請求の範囲における用紙は本実施形態では符号P1,P2(P1:積載用紙、先行紙、P2:排出用紙、後行紙)に、積載手段はシフトトレイ202に、排出手段は排紙ローラ6に、送風手段は送風装置230,230a,230bに、送風口は符号230−2,238に、遮蔽手段は遮蔽部材231,241に、制御手段はCPU401に、操作部は操作表示部440に、用紙排出装置は排出部J又は排紙部ユニットJUに、積載面は符号202bに、空気層は符号ALに、交差する位置は符号Xに、ルーバ239,239a,239bに、送風ダクト237に、送風ガイドはガイド面237aに、搬送手段は戻しコロ13に、押圧手段は押圧部材14に、駆動源は戻しコロ駆動モータ20に、第1のギヤは符号21に、第2のギヤは符号22に、切り換え手段はワンウェイクラッチ21a,22aに、カムは符号24に、第1の軸は19a,第2の軸は19bに、動力伝達手段はタイミングベルト247に、第1の駆動軸はカム駆動軸246に、第2の駆動軸は遮蔽部材駆動軸242に、操作表示部は符号440に、画像形成システムは排出部Jあるいは排出部ユニットJUを備えた用紙後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムに、それぞれ対応する。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。