JP5831516B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本願の発明は、空間光変調器を用いて画像を形成する画像形成装置に関するものである。
光を二次元空間で変調させて所望の画像を得る空間光変調器(SLM)は、プロジェクター等の分野で実用化されており、応用が広がりつつある。代表的な空間光変調器は、デジタルミラーデバイス(DMD)である。DMDは、二次元状に多数の微細なミラーを配列し、各ミラーを独立して制御することで画像を形成する画素であり、いわば振幅変調を行う空間光変調器である。この他、液晶ディスプレイの技術を応用し、液晶画素により透過光又は反射光のパターンを制御して画像形成する技術も知られており、これに用いられる液晶デバイスも一種の空間光変調器である。これは、液晶空間光変調器と呼ばれている。
このような空間光変調の技術をフォトリソグラフィ用の露光装置に応用する試みも、多く為されるようになってきている。フォトリソグラフィは、写真技術を応用して微細パターンを形成する技術であり、集積回路やディスプレイデバイス、プリント基板など、微細パターンが必要な製造プロセスにおいて多用されている。フォトリソグラフィにおいては、対象物に塗布されたフォトレジストに対し、原画であるフォトマスクを通して光照射してフォトレジストを露光し、現像を行ってフォトレジストの微細パターンを形成する。このため、フォトマスクを搭載した露光装置が使用される。露光装置は、フォトマスクの像をフォトレジスト上に投影して結像させるもので、一種の画像形成装置である。このような露光装置に空間光変調の技術を応用した一例を示したのが、特許文献1である。
空間光変調器を使用した露光装置では、空間光変調器で画像を直接形成するので、マスク(ないしはレチクル)は不要である。このため、マスクの製造コストや管理コストが削減でき、フォトリソグラフィのコスト低減に貢献できる。また、フォトリソグラフィにおいて形成すべきパターンは、多くの場合、CADデータのようなデジタルデータであるが、空間光変調器を使用した露光装置では、作成したデジタルデータを空間光変調器の制御データとしてそのまま使用することで露光が行える。このため、元データを作成してから即座にパターン形成を行うことができ、短納期のプロセスや多品種少量生産のプロセスに適している。
特開2004−1244号公報
空間光変調器を使用した画像形成装置は、上記のようなメリットを有するものの、形成される画像の解像度や精度の点では、マスクを使用して投影露光を行うタイプの露光装置に現状では及ばないところもある。空間光変調器を使用した画像形成装置では、二次元状に配列した一つ一つの変調画素により画像形成を行うため、変調画素のサイズがパターンの線幅(デザインルール)に影響を与える。空間光変調器を構成する各画素を縮小投影すれば、理論的にはより微細なパターンの画像形成も行えるが、実際には、元データのデータ処理上の要因や空間光変調器の各画素の制御上の要因によって決まる、データ解像度ピッチと呼ばれる仕様があり、この仕様により微細化には限界がある。
空間光変調器を使用した画像形成装置における像の解像度や形状精度に影響を与える別の要因の一つが、クロストークである。クロストークとは、空間光変調器を構成する各画素において、ある画素による投影パターンに対し、その画素に隣接する画素からの光が混入してしまうことを意味する。クロストークの存在は、二次元状に配列された画素により画像形成する空間光変調器にとって避けられない問題であるものの、クロストークの要因をなるべく小さくすることが、鮮鋭な像を得る上で非常に重要である。
一方、画像形成装置において、画像の明るさも非常に重要な要素である。画像形成装置が、フォトリソグラフィ用の露光装置として構成される場合、画像の明るさは全体の露光時間を決める要因になり、生産性に大きな影響を与える。プロジェクターのような用途においても、画像の明るさが重要な要素であることは言うまでもない。
本願の発明は、上記の点を考慮して為されたものであり、空間光変調器を使用した画像形成装置において、クロストークを低減させ、より鮮鋭な明るい画像を得ることができるようにすることを解決課題とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、光源と、光源からの光を変調する空間光変調器と、空間光変調器で変調された光により対象物の表面に像を結像する結像光学系とを備えた画像形成装置であって、
空間光変調器は、互いに隙間をあけて二次元状に配列された多数の画素を有するものであり、
結像光学系は、
空間光変調器と対象物の表面との間の光路上に配置されたたマイクロレンズアレイと、
空間光変調器とマイクロレンズアレイとの間の光路上に配置された第一の結像レンズと、
マイクロレンズアレイと対象物の表面との間の光路上に配置された第二の結像レンズとを含んでおり、
マイクロレンズアレイは、空間光変調器の各画素に1対1で対応して二次元状に配列さされた多数のレンズ素子より成るものであり、
結像光学系は、空間光変調器の各画素の像を全体として拡大して対象物の表面に投影し結像するものであって、
第一の結像レンズは、空間光変調器の各画素の像をマイクロレンズアレイの各レンズ素子に拡大して投影し結像するものであり、
第二の結像レンズは、マイクロレンズアレイの各レンズ素子から出射する光の像を対象物の表面において所望の大きさとなるよう縮小して結像するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記第一の結像レンズの倍率は3倍以上であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願発明によれば、空間光変調器の各画素の像を結像する光学系において、マイクロレンズアレイの後段に配置された第二の結像レンズを縮小して結像するものとしているので、前段に配置された第一の結像レンズの倍率を従来より大きくすることが可能であり、クロストークが低減される。このため、許容されるクロストークの範囲内で画像形成面での照度を最大限大きくでき、明るい画像が形成できる。
実施形態の画像形成装置の斜視概略図である。 図1に示す装置が備える像形成ユニットの概略図である。 マイクロレンズアレイの概略図であり、(1)が光軸に沿った面での断面概略図、(2)が光軸に垂直な面で見た平面概略図である。 各像形成ユニットによる像形成エリアについて示した斜視概略図である。 クロストークについての説明図であり、空間光変調器の画素による像形成について模式的に示した図である。 クロストークのシミュレーションについて示した図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。以下の説明では、一例として、フォトリソグラフィ用の露光を行うための画像形成装置について説明する。
図1は、実施形態の画像形成装置の斜視概略図である。図1に示す画像形成装置は、像形成ユニット1と、像形成ユニット1による像形成位置に対象物Wを搬送する搬送系2とを備えている。
各像形成ユニット1は、後述するように空間光変調器を内蔵しており、所定のパターンで光を照射するものである。この実施形態では、複数の像形成ユニット1が搭載されており、複数の像形成ユニット1が形成した像のパターンで対象物Wが露光されるようになっている。
この実施形態では、対象物(以下、ワークと呼ぶ)Wとしては板状のものが想定されている。搬送系2は、各像形成ユニット1による光の照射位置にワークWを搬送し、且つ光の照射領域を通過させるものとなっている。この通過の過程で、形成された像のパターンで露光がされるようになっている。
搬送系2は、ワークWを支持したステージ21と、ステージ21を移動させる移動機構22とから主に構成されている。ステージ21は、真空吸着等の方法でワークWが動かないように支持するものである。ワークWとの接触面積を少なくするため、表面に多数の突起を設けた構造のものが使用されることもある。
搬送系2によるワークWの搬送方向は水平方向であり、説明の都合上、これをx方向とし、x方向に垂直な水平方向をy方向、鉛直方向をz方向とする。この実施形態では、ワークWは方形であり、一辺の方向がx方向に向き、これと垂直なもう一方の辺がy方向を向いた姿勢で精度良く搬送されるようになっている。以下、x方向をワークWの長さ方向、y方向をワークWの幅方向ということがある。
移動機構22としては、搬送方向や搬送速度の点で精度よくワークWを搬送するものが採用される。例えば、図1に示すように、駆動源223で回転駆動されるボールねじ221とリニアガイド222を組み合わせた機構が採用される。この他、エアにより浮上させたステージ上にワークWを載せ、電磁石の励磁方向の制御により搬送する構成が採用されることもある。
次に、図1に示す装置が備える像形成ユニット1について説明する。図2は、図1に示す装置が備える像形成ユニット1の概略図である。図2に示すように、像形成ユニット1は、光源3と、光源3からの光を空間的に変調する空間光変調器4と、空間光変調器4により変調された光により像を形成する結像光学系5等を備えている。
光源3は、像形成に目的に応じて最適な波長の光を出力するものが使用される。この実施形態ではフォトリソグラフィ用であるので、405nmや365nmのような可視短波長域から紫外域にかけての光を出力するものが使用される。また、空間光変調器4の性能を活かすには、コヒーレントな光を出力するものであることが好ましく、このためレーザー光源が好適に使用される。例えば、窒化ガリウム(GaN)系の半導体レーザーが使用される。
空間光変調器4としては、この実施形態ではDMDが使用されている。DMDでは、各画素は微小なミラー(以下、画素ミラーと呼ぶ)である。例えば、13.68μm角程度の正方形のミラーを二次元状に配列したものが使用される。二次元状とは、正方形の画素ミラーを同一平面上に直角格子状に配置したということである。配列数は、例えば1024×768個であり、空間光変調器4の全体の大きさは、14mm×10.5mm程度である。尚、各画素ミラーは接触しておらず、互いに離間して配置されている。即ち、各画素ミラーの間には一定の隙間が存在している。
空間光変調器4は、各画素ミラーを制御する不図示の制御部を備えている。制御部には、装置全体を制御する不図示の主制御部からの制御信号に基づいて各画素ミラーを制御し、所望のパターンで光が反射するようにする。尚、各画素ミラーは、各画素ミラーが配列された平面を基準面とし、この基準面に沿った第一の姿勢と、この基準面に対して例えば11〜13°程度に傾いた第二の姿勢とを取り得るようになっている。空間光変調器4は、各画素ミラーを駆動する駆動機構を含んでおり、不図示の制御部は、各画素ミラーについて、第一の姿勢を取るのか第二の姿勢を取るのかを独立して制御できるようになっている。このような空間光変調器4は、テキサス・インスツルメンツ社(日本法人は、株式会社日本テキサス・インスツルメンツ)から入手できる。
図2に示すように、像形成ユニット1は、このような空間光変調器4に光源3からの光を入射させる入射光学系6を備えている。この実施形態では、入射光学系6は光ファイバ61を含んでいる。この実施形態では、より高い照度で像形成を行うため、一つの像形成ユニット1は複数の光源3を備えており、各光源3について光ファイバ61が設けられている。光ファイバ61としては、例えば石英系のマルチモードファイバが使用される。
DMDである空間光変調器4を使用して精度の良い像形成を行うためには、平行光を入射させて各画素ミラーに反射させるのが望ましく、また各画素ミラーに対して斜めに光を入射させることが望ましい。このため、入射光学系6は、図2に示すように、各光ファイバ61から出射して広がる光を平行光にするコリメータレンズ62と、空間光変調器4に光を斜めに入射させるための反射ミラー63とを備えている。「斜めに」とは、空間光変調器4の基準面に対して斜めにということである。基準面に対する入射角θでいうと、例えば22〜26°程度の角度とされる。
この実施形態では、より形状精度の高い像形成を行うため、空間光変調器4からの光をマイクロレンズアレイ(以下、MLAと略す)7によってワークWの表面に結ばせるようになっており、図2に示すように、結像光学系4はMLA7を含んでいる。
図3は、MLAの概略図であり、(1)が光軸に沿った面での断面概略図、(2)が光軸に垂直な面で見た平面概略図である。図3に示すように、MLA7は、微小なレンズ(以下、レンズ素子と呼ぶ)71を二次元状に多数配列した光学部品である。各レンズ素子71は、空間光変調器4の各画素ミラーに1対1で対応している。即ち、各レンズ素子71が一つの画素ミラーの像をワークWの表面に結像するものである。
この実施形態では、可視短波長域から紫外域の光で画像形成を行うものであるため、MLA7は石英製となっている。石英製の基板に対してウェットエッチングを含む微細加工を行ることで、MLA7は製作される。
図3に(1)に示すように、MLA7の入射側には、アパーチャ72が設けられている。アパーチャ72は、円形の開口が多数形成された板状の部材である。アパーチャ72は、各開口以外は遮光性であり、アパーチャ72の各開口は、MLA7の各レンズ素子71と同程度又は各レンズ素子71より少し小さい。したがって、各レンズ素子71の入射面の有効面積(以下、有効入射面積)は、アパーチャ72の各開口により制限される。尚、アパーチャ72の各開口は、各レンズ素子71と同軸である。アパーチャ72に代えて、MLA7の入射面に遮光膜を形成した構造が採用されることもある。
実施形態の装置は、上記のようなMLA7を備えるものの、MLA7のみでは倍率の調整や解像度の高い像形成等が難しいため、図2に示すように、MLA7の前段(入射側)と後段(出射側)にそれぞれ結像レンズ群51,52を設けている。以下、前段に配置されたものを第一の結像レンズ群51とし、後段に配置されたものを第二の結像レンズ群52とする。これら結像レンズ群51,52は、収差補正等の目的で複数のレンズとなっているが、結像という機能については各々の一つの結像レンズで達成でき、各々一つの結像レンズとすることもできる。
上述した構成を有する像形成ユニット1において、光源3からの光は、光ファイバ61で導かれた後、入射光学系6により空間光変調器4に入射する。この際、空間光変調器4の各画素ミラーは、不図示の制御部により制御され、形成すべき画像のパターンに応じて選択的に傾斜した姿勢とされる。即ち、形成すべきパターンに応じ、光をワークWに到達させるべき位置に位置している画素ミラーは基準面に対して所定角度傾いた第二の姿勢(オン)とされ、それ以外の画素ミラーは、基準面に沿った第一の姿勢(オフ)とされる。第一の姿勢の画素ミラーに反射した光はワークWの表面には到達せず、第二の姿勢の画素ミラーに反射した光のみが到達する。このため、所望の画像がワークWの表面に形成される。この際、各画素ミラーの像が第一の結像レンズ群51によりMLA7の各レンズ素子71に結像し、この像は第二の結像レンズ群52によりワークWの表面にさらに結像される。
上述した像形成ユニット1は、図1に示すように複数設けられており、x方向とy方向とに配列されている。この実施形態では、y方向に6個、x方向に2個となっている。これら像形成ユニット1全体により所望の一つの画像が形成されるよう、各像形成ユニット1は、ワークWの搬送位置に対して位置精度良く取り付けられている。
各像形成ユニット1による像形成エリアについて、図4を使用して説明する。図4は、各像形成ユニット1による像形成エリアについて示した斜視概略図である。
図4において、各像形成ユニット1による像形成エリアIが、ワークWの表面上に四角い枠で示されている。この枠で示された像形成エリアI内に一つの像形成ユニット1により像が形成される。図4において、ワークWはx方向に移動しながら、形成された像のパターンで光照射を受ける。この際、図4に示すように、x方向において像形成ユニット1は2列設けられており、移動方向前側の像形成ユニット1の群に対して後ろ側の像形成ユニット1の群は、y方向にずれた位置に配置されている。より正確には、後ろ側の群の各像形成ユニット1は、前側の群の各像形成ユニット1のy方向のちょうど真ん中の位置に配置されている。
各像形成エリアIの大きさはみな同じであるが、各像形成エリアIの離間間隔(y方向の間隔)は、各像形成エリアの幅(y方向の長さ)よりも小さい。このため、ワークWがx方向に沿って搬送される際、場所によっては二つの像形成エリアIを通過することになり、像のパターンによっては、2回光照射がされる場所もあり得る。このように像形成エリアIが重なるようにしているのは、図2に示す複数の像形成ユニット1全体で一つのパターンの画像が形成されるようにするためであり、画像の途切れがないようにするためである。尚、この実施形態では、像形成ユニット1はx方向では2個(2列)であるが、3列以上配置しても良く、像形成エリアIが小さくなってしまう場合には3列以上の場合があり得る。
上述した画像形成装置の全体の動作について、以下に説明する。
不図示の主制御部は記憶部を備えており、記憶部には、形成すべき画像のデジタルデータ(元データ)が記憶される。主制御部は、搬送系2に制御信号を送り、ワークWが載置されたステージ21を所定速度で移動させるとともに、空間光変調器4の制御部に制御信号を送り、所定のタイミング及びシーケンスで各画素ミラーがオンオフされるようにする。この結果、ワークWが全ての像形成エリアIを通過した際、ワークWには、各像形成ユニット1で形成された一つの画像(元データによる画像)の形成エリアを通過したことになる。この実施形態では、ワークWには予めフォトレジストが塗布されており、フォトレジストは元データによる画像で露光がされたことになる。
このような構成及び動作である実施形態の画像形成装置において、クロストークの影響を低減させて形状精度の高い画像の形成ができるようにしている。以下、この点について説明する。
図5は、クロストークについての説明図であり、空間光変調器4の画素による像形成について模式的に示した図である。図5において、オン状態である一つの画素ミラー41AによるワークWへの光照射状況が、照度分布とともに示されている。
前述したように、クロストークとは、ある画素ミラーによる画像に、その画素ミラーに隣接する別の画素ミラーよる画像が紛れ込んでしまうことを意味する。例えば、図5において、画素ミラー41A,41Cはオン状態にあり、画素ミラー41Bはオフ状態にあるとする。これは、元データによって表現される画像において、画素ミラー41Aが担当する領域(図5にRaで示す)が「明」のドット、画素ミラー41Bが担当する(図5にRbで示す)が「暗」のドットということでる。以下、各画素ミラー41が担当する像形成面の領域を像ドット領域と呼ぶ。この場合、画素ミラー41Aに反射した光は、画像形成面(ワークWの表面)に向って進み像ドット領域Raに照射されるものの、画素ミラー41Bに反射した光は、これとは全く異なる方向に向かい、像ドット領域Rbには照射されない。
この場合、画素ミラー41Aに反射した光の一部(図5にLで示す)が画素ミラー41Bが担当するドット領域Rbに紛れ込んでしまうことがある。これがクロストークである。クロストークは、端的には画素ミラー41Aによる像のボケであり、輪郭が鮮鋭でないことにより生じるものとである。図5から解るように、クロストークは、本来「暗」でなければいけない像ドット領域が部分的に「明」になってしまうことであり、形成される画像の形状精度の低下をもたらす。図5において、画像形成面における照度分布をPで示し、クロストークの照度分布をCtで示す。
尚、図5に示すクロストークCtを抑制するため、MLA7の各レンズ素子71の有効入射面積Sは、アパーチャ72により各画素ミラーの像のよりも小さくされる。アパーチャ72の開口を大きくすれば、各画素ミラー41からの反射光を理論的にはすべて取り込んで画像を形成することになる。この場合、光の利用効率としては最大になる(照度が明るくなる)。しかし、像の僅かなボケでも隣のレンズ素子に光が入射してクロストークCtが発生することになり、形成する画像の輪郭の鮮鋭さが失われる。このため、アパーチャ72により各レンズ素子71の有効入射面積Sを各画素ミラーの像よりも小さくし、光学設計上は各画素ミラーからの光をすべては取り込まないようにする。
各画素ミラーからの光をすべて取り込まないということは、その点で光の利用効率を悪化させていることになるが、クロストークCtを低減させ、像を鮮鋭にすることを優先させる考えからである。尚、各画素ミラーは方形であるが、各像ドット領域Ra,Rbは円形となる。
クロストークCtは、各画素ミラーの像をワークWの表面に結像する際の像のボケに起因しているから、クロストークCtの低減は像をいかに鮮鋭にするかである。このためには、結像光学系5の解像度を高くすることがまず考えられる。周知のように、結像光学系5の解像度は像側NAに依存しており、像側NAを大きくすれば解像度は高くなり、クロストークCtは低減する。
しかしながら、像側NAを大きくすると、周知のように焦点深度が浅くなる。このため、像形成面(MLA7の各レンズ素子71の表面)の光軸方向への僅かなシフトにより像がボケることになる。このため、MLA7に非常に高い組み立て精度(機構の組み立て精度や取り付け精度)が要求されたり、光学系に非常に高い配置精度が要求されたりする問題が生じる。浅くなった焦点深度において僅かでも像形成面のシフトが生じると、解像度を高くしても像がボケてしまい、クロストークが低減できないことになる。
一方、前述したように、空間光変調器4においては、各画素(この実施形態では各画素ミラー)は互いに離間して配置されており、境界部分は隙間となっている。そして、第一の結像レンズ群51は、その倍率にしたがって、この隙間の部分も含め、空間光変調器4の出射側の面全体の像をMLA7の方向に投影している。図5において、各画素ミラーの隙間を符号40で示し、各画素ミラーの隙間の像を40’で示す。図5から解るように、各画素ミラーの隙間の像40’は、アパーチ72の遮光部分に投影される。
発明者は、上記解像度と焦点深度の二律背反的な問題の検討において、この各画素ミラーの隙間の部分の結像に着目し、光学シミュレーション等の実験や研究を鋭意行った。この結果、第一の結像レンズ群51の拡大倍率を大きくすることが有効であり、第一の結像レンズ群51の倍率の増大に応じて第二の結像レンズ群52を縮小結像とすると良いことが判ってきた。
特許文献1に示すような従来の画像形成装置では、第一の結像レンズ群を拡大であるものの、第二の結像レンズ群は等倍となっている。この点は、拡大率が大きくなると一般的に解像度が低くなるため、第二の結像レンズ群を等倍とし、第一の結像レンズ群の拡大率をなるべく小さくする考えである。一方、実施形態の画像形成装置は、このような従来の装置の考えに反し、第一の結像レンズ群51をより大きな拡大率とすべく、第二の結像レンズ群52を縮小としている。
具体的に説明すると、図5に示すように、第一の結像レンズ群51は拡大投影であり、各画素ミラーの隙間の部分40も拡大して投影される。この各画素ミラーの隙間の像40’の部分は、上記説明から解るように、クロストークを防止する緩衝域として働いているから、この部分を拡大することでクロストークを低減させることができる。勿論、各画素ミラー自体の像もMLA7の入射面上では拡大されているし、拡大率を大きくすると一般的には解像度が低下する。しかしながら、発明者の行ったシミュレーションの結果によると、実施形態のような空間光変調器4の結像系では、第一の結像レンズ群51の拡大率を大きくすることによってクロストークが低減できることが判明した。図6は、このクロストークのシミュレーションについて示した図である。
図6の(1)には、シミュレーションにおける各条件が表で示されており、(2)にはシミュレーション結果が示されている。図6に結果を示すシミュレーションでは、各画素ミラーのサイズは13.68μm角、各画素ミラーの離間間隔は0.7μmとし、クロストークが1.1%で一定となるようにMLA7の各レンズ素子71の有効入射面積を変化させた。第一の結像レンズ群51としては焦点距離20mmの理想レンズを想定し、倍率は、図6(1)に示すように、3倍、4.5倍、6倍とし、倍率に応じて物体側NAを変化させている。また、最終的な倍率(画像形成面での倍率)は、3倍で一定とし、このため、第二の結像レンズ群52の倍率は、1倍、2/3倍、1/2倍とした。
また、図6に結果を示すシミュレーションでは、クロストークが同一となる条件で各結像光学系5の倍率を変化させ、その結果、像の明るさ(照度)がどのようになるかをシミュレーションした。クロストークは、前述した説明から解るように、隣接した画素ミラーから紛れ込む光の量であり、ある画素ミラーが担当するドット領域への光の入射量に対する隣接画素ミラーからの当該ドット領域への光の入射量の比である。クロストークは、形成される画像の必要な形状精度との関係で装置の特性値として定められるが、このシミュレーションでは、クロストークは1.1%で一定とした。尚、シミュレーションに使用したソフトウェアは、米国シノプシス社(Cynopsys Corporation)製のCODE V(同社の登録商標)であり、波長は365nm及び405nmとした。
また、図6において、照度比とあるのは、第一の結像レンズ群51の倍率が3である場合を基準にした放射照度の比率である。また、透過率とあるのは、各レンズ素子71における画素ミラー41からの光の取り込み割合であり、画素ミラー41の像の面積に対する各レンズ素子71の有効入射面の面積の比である。
図6に示すように、第一の結像レンズ群51の拡大率が3倍の場合、透過率は64.9%であり、この程度まで取り込む光を制限することで、クロストークを1.1%に抑え込むことができることが判る。第一の結像レンズ群51の拡大率を4.5倍とすると、同じクロストークの値でもアパーチャ72の開口を大きくして、透過率を71.8%まで高くすることができる。この場合、画像形成面での照度は拡大率3倍の場合に比べて1.11倍となり、10%程度明るい画像が得られることが判った。さらに、拡大率を6倍にすると、透過率は84.1%まで高くすることができ、照度比は1.30となり、30%明るい画像が得られることが判った。
このように第一の結像レンズ群51の倍率を大きくすることで、同一クロストークの条件では画像形成面での照度が高くなり、明るい画像が得られる。このことは、拡大率の増大による解像度低下よりも、各画素ミラーの隙間の像40’が広がって投影される影響の方が大きいということである。つまり、各画素ミラーの隙間の像40’の幅が広がるため、その広がった幅を超えて像がボケないとクロストークが発生しないということである。この実施形態では、各画素ミラーの隙間の像40’の部分を占めるようにしてアパーチャ72の遮光部分が存在しており、光がこの遮光部分を越えて隣りの開口に達しないとクロストークは発生しない。実施形態の構成は、このような知見に基づいている。
特許文献1に示すような従来の画像形成装置は、第一の結像レンズ群51の拡大率を小さく抑えるため、第二の結像レンズ群52の倍率を等倍としており、第一の結像レンズ群51の倍率は2倍となっている。しかしながら、2倍程度の拡大率では上記クロストーク低減の効果は十分には得られない。このため、実施形態の装置は、第一の結像レンズ群51の拡大率をより大きくしてクロストークを低減すべく、第二の結像レンズ群52を縮小としている。
このように、実施形態の画像形成装置によれば、空間光変調器4の各画素の像を結像する結像光学系5において、MLA7の後段に配置された第二の結像レンズ群52を縮小とすることで第一の結像レンズ群51の倍率を従来より大きくしているので、クロストークが低減される。このため、許容されるクロストークの範囲内で画像形成面での照度を最大限高くし、明るい画像が形成できる。照度が高いということは、フォトリソグラフィのようにある一定の積算照射量が必要な場合、処理時間が短くなること、即ち生産性が高くなることを意味する。
上記実施形態の装置は、複数の像形成ユニット1を備えており、複数の像形成ユニット1全体で一つの画像を形成したが、一つの像形成ユニット1のみを備えた装置もあり得る。例えば、小さな部品をフォトリソグラフィによって製作する技術がMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一種として知られており、このような小さな対象物を露光する場合には、一つの像形成ユニット1で足りる場合もある。
上記説明では、空間光変調器4としてDMDを採り上げたが、液晶空間光変調器を使用した画像形成装置についても同様に実施できる。液晶空間光変調器には、反射型と透過型とがあるが、どちらにも適用が可能である。
また、上記説明では、画像形成装置はフォトリソグラフィ用の露光を行う装置であったが、本願発明の画像形成装置は他の用途の露光を行う装置であっても良く、プロジェクターのように露光以外の目的で画像形成を行う装置であっても良い。
1 像形成ユニット
2 搬送系
21 ステージ
22 移動機構
3 光源
4 空間光変調器
41a 画素ミラー
41b 画素ミラー
5 結像光学系
51 第一の結像レンズ群
52 第二の結像レンズ群
6 入射光学系
61 光ファイバ
62 コリメータレンズ群
63 反射ミラー
7 マイクロレンズアレイ
71 レンズ素子
72 アパーチャ

Claims (2)

  1. 光源と、光源からの光を変調する空間光変調器と、空間光変調器で変調された光により対象物の表面に像を結像する結像光学系とを備えた画像形成装置であって、
    空間光変調器は、互いに隙間をあけて二次元状に配列された多数の画素を有するものであり、
    結像光学系は、
    空間光変調器と対象物の表面との間の光路上に配置されたマイクロレンズアレイと、
    空間光変調器とマイクロレンズアレイとの間の光路上に配置された第一の結像レンズと、
    マイクロレンズアレイと対象物の表面との間の光路上に配置された第二の結像レンズとを含んでおり、
    マイクロレンズアレイは、空間光変調器の各画素に1対1で対応して二次元状に配列さされた多数のレンズ素子より成るものであり、
    結像光学系は、空間光変調器の各画素の像を全体として拡大して対象物の表面に投影し結像するものであって、
    第一の結像レンズは、空間光変調器の各画素の像をマイクロレンズアレイの各レンズ素子に拡大して投影し結像するものであり、
    第二の結像レンズは、マイクロレンズアレイの各レンズ素子から出射する光の像を対象物の表面において所望の大きさとなるよう縮小して投影し結像するものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第一の結像レンズの倍率は3倍以上であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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