JP5682799B2 - 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学系に関するものである。
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光束は、コンデンサーレンズにより集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
従来、ズーム光学系を用いることなく瞳強度分布を(ひいては照明条件を)連続的に変更することのできる照明光学装置が提案されている(特許文献1を参照)。特許文献1に開示された照明光学装置では、アレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小な要素ミラーにより構成された可動マルチミラーを用いて、入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換し、ひいては所望の瞳強度分布を実現している。
特開2002−353105号公報
特許文献1に記載された照明光学装置では、空間光変調器としての可動マルチミラーを単体で使用しているため、フライアイレンズの入射面に入射する光線の位置と角度とを同時に制御することができない。その結果、瞳強度分布を所望の形状に設定しようとすると一定の照度を得ることが困難であり、瞳強度分布における照度を一定に設定しようとすると所望の形状の瞳強度分布を得ることが困難である。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、所望の形状および所望の照度の瞳強度分布を形成することができ、ひいては多様性に富んだ照明条件を実現することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、多様性に富んだ照明条件を実現することのできる照明光学系を用いて、パターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、パターンからの光で基板を露光する露光装置に用いられ、光源からの照明光を瞳面に分布させ該瞳面を経由した照明光で前記パターンを照明する照明光学系において、
前記照明光の光路に二次元的に配置されるとともに、それぞれが個別に姿勢制御される複数の光学要素を有し、入射する光束を所定の角度分布を持つ光束に変調する第1空間光変調器と、
該第1空間光変調器を経由した照明光に角度分布を与える第2空間光変調器と、
前記第1空間光変調器と前記第2空間光変調器との間に配置されたリレー光学系とを含み、
前記第2空間光変調器を経由した照明光で前記パターンを照明することを特徴とする照明光学系を提供する。
本発明の第2形態では、光源からの照明光でパターンを照明して該パターンからの光で基板を露光する露光装置において、
第1形態の照明光学系を備えることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第3形態では、第2形態の露光装置を用いて、所定のパターンを感光性基板に露光することと;
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像した後、該所定のパターンに対応する形状のマスク層を該感光性基板の表面に形成する現像することと;
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工する加工することを含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の照明光学系では、一対の空間光変調器を順次介した光束が、例えばフーリエ変換レンズとして機能する集光光学系を介して、オプティカルインテグレータに入射する。その結果、一対の空間光変調器の協働作用により、オプティカルインテグレータの入射面に入射する光線の位置と角度とを同時に制御することが可能になり、ひいては瞳強度分布の形状と照度とを同時に調整(補正)することが可能になる。
こうして、本発明の照明光学系では、所望の形状および所望の照度の瞳強度分布を形成することができ、ひいては多様性に富んだ照明条件を実現することができる。また、本発明の露光装置では、多様性に富んだ照明条件を実現することのできる照明光学系を用いて、マスクのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 マイクロフライアイレンズの後側焦点面に形成される輪帯状の瞳強度分布を模式的に示す図である。 一対の空間光変調器の別の配置例を概略的に示す図である。 一対の空間光変調器のさらに別の配置例を概略的に示す図である。 第2の空間光変調ユニットを組み込んだ送光光学系の内部構成を概略的に示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
図1を参照すると、本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源LSを備えている。光源LSとして、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源LSから光軸AXに沿ってZ方向に射出された光束は、周知の構成を有する送光光学系1を介して、第1空間光変調器2および第2空間光変調器3に順次入射する。
送光光学系1は、入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ第1空間光変調器2へ導くとともに、第1空間光変調器2に入射する光束の位置変動および角度変動をアクティブに補正する機能を有する。第1空間光変調器2は、二次元的に配列された複数のミラー要素(一般には光学要素)2aと、制御部CRからの指令にしたがって複数のミラー要素2aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部2bとを有する。
第2空間光変調器3も第1空間光変調器2と同様に、二次元的に配列された複数のミラー要素(一般には光学要素)3aと、制御部CRからの指令にしたがって複数のミラー要素3aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部3bとを有する。第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aは、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと一対一対応の関係に配列されて個別に制御される。第1空間光変調器2および第2空間光変調器3とを有する空間光変調ユニットの作用については後述する。
第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aおよび第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aにより順次反射された光は、固定絞り(フレア絞り)4、フーリエ変換レンズとしての集光光学系5、および光路折曲げミラー6を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)7に入射する。マイクロフライアイレンズ7は、たとえば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。
マイクロフライアイレンズでは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、レンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。マイクロフライアイレンズ7に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、光束が入射した各微小レンズの後側焦点面には光源がそれぞれ形成される。
すなわち、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面には、多数の光源からなる実質的な面光源(以下、「二次光源」という)が形成される。マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、コンデンサー光学系8を介した後、マスクブラインド9を重畳的に照明する。なお、マイクロフライアイレンズ7の後側または前側に開口絞りを配置して光束を制限することも可能である。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド9には、マイクロフライアイレンズ7を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド9の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系10の集光作用を受けるとともに、その前群10aと後群10bとの間の光路中に配置された光路折曲げミラー10aにより偏向されて、所定のパターンが形成されたマスク(レチクル)Mを重畳的に照明する。
すなわち、結像光学系10は、マスクブラインド9の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。マスクMを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
本実施形態では、空間光変調器2,3として、たとえば二次元的に配列された複数のミラー要素2a,3aの向きを連続的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いている。このような空間光変調器として、たとえば特表平10−503300号公報およびこれに対応する欧州特許公開第779530号公報、特開2004−78136号公報およびこれに対応する米国特許第6,900,915号公報、特表2006−524349号公報およびこれに対応する米国特許第7,095,546号公報、並びに特開2006−113437号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。なお、二次元的に配列された複数のミラー要素2a,3aの向きを離散的に複数の段階を持つように制御してもよい。
第1空間光変調器2では、制御部CRからの制御信号に応じて作動する駆動部2bの作用により、複数のミラー要素2aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素2aがそれぞれ所定の向きに設定される。第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、第2空間光変調器3に入射する。具体的には、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aの各々を経た光束は、一対一対応の関係で、第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aの各々に入射する。
第2空間光変調器3においても第1空間光変調器2と同様に、制御部CRからの制御信号に応じて作動する駆動部3bの作用により、複数のミラー要素3aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素3aがそれぞれ所定の向きに設定される。第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、複数のミラー要素2aと複数のミラー要素3aとの組合せ、各ミラー要素2a,3aの姿勢などに応じて、マイクロフライアイレンズ7の入射面に、例えば光軸AXを中心とした輪帯状の光強度分布からなる照野を形成する。
こうして、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面(ひいては照明瞳)には、図2に示すように、入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の瞳強度分布21が形成される。さらに、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面と光学的に共役な別の照明瞳位置、すなわち結像光学系10の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置にも、瞳強度分布21に対応する輪帯状の光強度分布が形成される。このように、集光光学系5とマイクロフライアイレンズ7とは、第1空間光変調器2および第2空間光変調器3を介した光束に基づいて照明瞳に所定の光強度分布を形成する分布形成光学系を構成している。
なお、上述の説明では、一対の空間光変調器2,3の作用によりマイクロフライアイレンズ7の入射面に輪帯状の照野を形成し、ひいては照明瞳に輪帯状の光強度分布21を形成し、この輪帯状の瞳強度分布21に基づいて輪帯照明を行っている。しかしながら、輪帯照明に限定されることなく、マイクロフライアイレンズ7の入射面に、例えば複数極状(2極状、4極状など)の光強度分布を形成し、ひいては照明瞳に複数極状の光強度分布を形成し、この複数極状の瞳強度分布に基づいて複数極照明(2極照明、4極照明など)を行うこともできる。
本実施形態の照明光学系(1〜10)は、一対の空間光変調器2,3を有する空間光変調ユニットと、この空間光変調ユニット(2,3)を介した光束に基づいて照明瞳に光強度分布21を形成する分布形成光学系(5,7)とを備えている。空間光変調ユニット(2,3)では、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aの各々を経た光束が一対一対応の関係で第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aの各々に入射するように複数のミラー要素2aの向きがそれぞれ変化し、さらに第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aの向きもそれぞれ変化する。
このように、本実施形態の照明光学系(1〜10)では、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aとの組合せ、各ミラー要素2a,3aの姿勢などを適宜設定することにより、マイクロフライアイレンズ7の入射面に入射する光線の位置と角度とを同時に制御することができる。すなわち、一対の空間光変調器2と3との協働作用により、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面の照明瞳に形成される瞳強度分布21の形状と照度とを同時に調整(補正)することができる。
なお、露光装置では、マスクMのパターンをウェハWに高精度に且つ忠実に転写するために、パターン特性に応じた適切な照明条件のもとで露光を行うことが重要である。本実施形態では、複数のミラー要素2a,3aの姿勢がそれぞれ個別に変化する一対の空間光変調器2,3の作用により、瞳強度分布を自在に且つ迅速に変化させることができ、ひいては瞳強度分布の形状および大きさについて多様性に富んだ照明条件を実現することができる。
以上のように、本実施形態において光源LSからの光に基づいて被照射面としてのマスクMを照明する照明光学系(1〜10)では、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面の照明瞳に所望の形状および所望の照度の瞳強度分布21を形成することができ、ひいては多様性に富んだ照明条件を実現することができる。また、本実施形態の露光装置(LS〜PL)では、多様性に富んだ照明条件を実現することのできる照明光学系(1〜10)を用いて、マスクMのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
なお、特許文献1に記載された照明光学装置では、空間光変調器としての可動マルチミラーを単体で使用しているため、複数のミラー要素が配列される面と光軸とが45度程度の角度をなしている。この場合、光軸付近のミラー要素を光軸に沿って所望位置に配置すると、光軸から離れたミラー要素が所望位置から光軸方向に位置ずれしてしまう。その結果、ミラー要素の光軸方向の位置ずれに起因して、フライアイレンズの入射面上の一点に達する光束の角度分布が回転非対称になり、ひいてはウェハW上での照度分布を一定にすることが困難である。
本実施形態では、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aが配列される面と第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aが配列される面とが対向するように、例えばこれらの2つの面がほぼ平行になるように、一対の空間光変調器2と3とが配置されている。したがって、光軸AXから離れたミラー要素2a,3aの光軸方向の位置ずれの影響が、第1空間光変調器2と第2空間光変調器3とで相殺され、ウェハW上での照度分布を一定にすることが容易である。
なお、上述の実施形態では、第1空間光変調器2と第2空間光変調器3との間の光路中には光学部材が配置されていないが、これに限定されることなく、この光路中にリレー光学系などを配置することもできる。ただし、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aとの間の一対一対応の関係を設定し易くするには、上記光路中に光学部材を全く配置しないか、あるいはパワーを有する光学部材を配置しないことが望ましい。また、複数のミラー要素2aと3aとの間の一対一対応の関係を設定し易くするには、第1空間光変調器2に対してほぼ平行光束を入射させること、すなわち第1空間光変調器2に対してほぼ平行光束を供給する光源と組み合わせて使用することが望ましい。
また、上述の実施形態では、波面分割型のオプティカルインテグレータであるマイクロフライアイレンズ7の入射面に所定の光強度分布を形成し、ひいては所定の瞳強度分布を実現している。しかしながら、これに限定されることなく、内面反射型のオプティカルインテグレータの入射面に所定の光強度分布の虚像を形成することにより所定の瞳強度分布を実現することも可能である。
また、上述の実施形態では、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aを経た光束が一対一対応の関係で第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aの各々に入射する構成としたが、第1空間光変調器2のミラー要素2aのうちの1つを経た光束が第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aに入射する構成としてもよい。言い換えると、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aとが一対多の関係であってもよい。この場合、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aを経た光束が発散光束となる。
逆に、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aとが多対一の関係であってもよい。さらに、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aと第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aとが多対多(たとえば第1空間光変調器2の2つのミラー要素2aと第2空間光変調器3の3つのミラー要素3aとが対応している場合など)の関係であってもよい。
また、上述の実施形態では、第1空間光変調器2の複数のミラー要素2aが配列される面と第2空間光変調器3の複数のミラー要素3aが配列される面とがほぼ平行になるように、一対の空間光変調器2と3とを配置している。しかしながら、これに限定されることなく、一対の空間光変調器2と3との配置については様々な形態が可能である。
例えば、図3に示すように、第1空間光変調器2Aがx方向に入射した光を−z方向に反射(偏向)し、且つ第2空間光変調器3Aが−z方向に入射した光を−y方向に反射するように、一対の空間光変調器2Aと3Aとを三次元的に配置することもできる。また、図4に示すように、第1空間光変調器2Bと第2空間光変調器3Bとの間の光路中に平面反射鏡41を付設し、第1空間光変調器2Bを経て平面反射鏡41に入射した光を第2空間光変調器3Bへ導くように、一対の空間光変調器2Aと3Aとを「く」の字状に配置することもできる。
また、上述の実施形態において、光源LSからの光束を空間光変調ユニット(2,3)へ導く送光光学系1に、第2の空間光変調ユニットを組み込むことも可能である。図5に示す変形例にかかる送光光学系1Aは、光源LSから供給された光束を、適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換する整形光学系11を備えている。整形光学系11を経た光束は、ビームスプリッター12に入射する。
ビームスプリッター12で反射されて照明光路の外部へ導かれた光束は、ディテクター13に入射する。ディテクター13の出力信号は、制御部CR1に供給される。ビームスプリッター12を透過して照明光路に沿って導かれた光束は、第2の空間光変調ユニット中の第1空間光変調器14および第2空間光変調器15に順次入射する。第2の空間光変調ユニット(14,15)を経た光束は、送光光学系1Aから射出されて、第1の空間光変調ユニット(2,3)中の第1空間光変調器2へ導かれる。
第2の空間光変調ユニット(14,15)は、第1の空間光変調ユニット(2,3)と同様の構成を有する。すなわち、第1空間光変調器14は、二次元的に配列された複数のミラー要素14aと、制御部CR1からの指令にしたがって複数のミラー要素14aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部14bとを有する。第2空間光変調器15は、二次元的に配列された複数のミラー要素15aと、制御部CR1からの指令にしたがって複数のミラー要素15aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部15bとを有する。第2空間光変調器15の複数のミラー要素15aは、第1空間光変調器14の複数のミラー要素14aと一対一対応の関係に配列されて個別に制御される。
第1空間光変調器14では、制御部CR1からの制御信号に応じて作動する駆動部14bの作用により、複数のミラー要素14aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素14aがそれぞれ所定の向きに設定される。第1空間光変調器14の複数のミラー要素14aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、第2空間光変調器15に入射する。具体的には、第1空間光変調器14の複数のミラー要素14aの各々を経た光束は、一対一対応の関係で、第2空間光変調器15の複数のミラー要素15aの各々に入射する。
第2空間光変調器15においても第1空間光変調器14と同様に、制御部CR1からの制御信号に応じて作動する駆動部15bの作用により、複数のミラー要素15aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素15aがそれぞれ所定の向きに設定される。第2空間光変調器15の複数のミラー要素15aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、複数のミラー要素14aと複数のミラー要素15aとの組合せなどに応じた所定の光強度分布を有する光束に変換されて、送光光学系1Aから射出される。
図5の変形例にかかる送光光学系1Aでは、ビームスプリッター12およびディテクター13は、光源LSから第2の空間光変調ユニット(14,15)へ入射する光束の光強度分布を計測する分布計測部を構成している。また、制御部CR1は、分布計測部(12,13)の計測結果に基づいて第2の空間光変調ユニット(14,15)を制御する制御部を構成している。
こうして、送光光学系1Aでは、分布計測部(12,13)が第2の空間光変調ユニット(14,15)へ入射する光束の光強度分布を計測し、制御部CR1が分布計測部(12,13)の計測結果に基づいて第2の空間光変調ユニット(14,15)中の各ミラー要素14a,15aの姿勢を個別に制御することにより、上記入射光束を所望の光強度分布を有する光束に適宜変換して射出することができる。
一般に、ArFエキシマレーザ光源やKrFエキシマレーザ光源から供給される光束は、周辺よりも中央において光強度の高い形態の光強度分布を有する。その結果、照明光路中に配置された光学部材では、特に入射光束のエネルギ密度の高い中央領域において光学材料が劣化し易い。また、光学面への物質の付着、光学面の光化学反応による損傷等に起因して、光学面の「曇り」という現象が発生し易い。
送光光学系1Aでは、入射光束を所望の光強度分布、例えばほぼ均一な光強度分布を有する光束に変換して、第1の空間光変調ユニット(2,3)へ導くことができる。したがって、送光光学系1Aよりも後側に配置された光学部材、特に送光光学系1Aの直後に配置された第1の空間光変調ユニット(2,3)中の各ミラー要素2a,3aの損傷、光学特性の劣化などを良好に抑えることができる。
なお、送光光学系1A中の第2の空間光変調ユニット(14,15)では、第1空間光変調器14と第2空間光変調器15との間の光路中には光学部材が配置されていないが、これに限定されることなく、この光路中にリレー光学系などを配置することもできる。ただし、第1の空間光変調ユニット(2,3)の場合と同様に、第1空間光変調器14の複数のミラー要素14aと第2空間光変調器15の複数のミラー要素15aとの間の一対一対応の関係を設定し易くするには、上記光路中に光学部材を全く配置しないか、あるいはパワーを有する光学部材を配置しないことが望ましい。また、複数のミラー要素14aと15aとの間の一対一対応の関係を設定し易くするには、第1空間光変調器14に対してほぼ平行光束を入射させることが望ましい。
また、送光光学系1A中の第2の空間光変調ユニット(14,15)では、第1空間光変調器14の複数のミラー要素14aが配列される面と第2空間光変調器15の複数のミラー要素15aが配列される面とがほぼ平行になるように、一対の空間光変調器14と15とを配置している。しかしながら、第1の空間光変調ユニット(2,3)の場合と同様に、一対の空間光変調器14と15との配置については様々な形態が可能である。
なお、上述の説明では、二次元的に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有する空間光変調器として、二次元的に配列された複数の反射面の向き(角度:傾き)を個別に制御可能な空間光変調器を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば二次元的に配列された複数の反射面の高さ(位置)を個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。このような空間光変調器としては、たとえば特開平6−281869号公報及びこれに対応する米国特許第5,312,513号公報、並びに特表2004−520618号公報およびこれに対応する米国特許第6,885,493号公報の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば特表2006−513442号公報およびこれに対応する米国特許第6,891,655号公報や、特表2005−524112号公報およびこれに対応する米国特許公開第2005/0095749号公報の開示に従って変形しても良い。
また、上述の説明では、複数のミラー要素を有する反射型の空間光変調器を用いているが、これに限定されることなく、たとえば米国特許第5,229,872号公報に開示される透過型の空間光変調器を用いても良い。
また、上述の実施形態において、空間光変調器を用いて瞳強度分布を形成する際に、瞳強度分布計測装置で瞳強度分布を計測しつつ、この計測結果に応じて空間光変調器を制御してもよい。このような技術は、たとえば特開2006−54328号公報や特開2003−22967号公報およびこれに対応する米国特許公開第2003/0038225号公報に開示されている。
なお、上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。このような可変パターン形成装置を用いれば、パターン面が縦置きでも同期精度に及ぼす影響を最低限にできる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含むDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。DMDを用いた露光装置は、例えば特開2004−304135号公報、国際特許公開第2006/080285号パンフレットに開示されている。また、DMDのような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。なお、パターン面が横置きの場合であっても可変パターン形成装置を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図6は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図6に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板つまりプレートPとしてパターンの転写を行う。
図7は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図7に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。
ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。
ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するFレーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスクを照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
1 送光光学系
2,3 空間光変調器
2a,3a 空間光変調器の複数のミラー要素
5 集光光学系(フーリエ変換レンズ)
7 マイクロフライアイレンズ
8 コンデンサー光学系
9 マスクブラインド
10 結像光学系
LS 光源
CR 制御部
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ

Claims (7)

  1. パターンからの光で基板を露光する露光装置に用いられ、光源からの照明光を瞳面に分布させ該瞳面を経由した照明光で前記パターンを照明する照明光学系において、
    前記照明光の光路に配置され、個別に姿勢制御される複数の光学要素を有する第1空間光変調器と、
    該第1空間光変調器を経由した照明光の光路に配置され、個別に姿勢制御される複数の光学要素を有する第2空間光変調器と、
    前記第2空間光変調器を経由した照明光の光路を横切る所定面に沿って配置された複数の光学面を有し、前記瞳面に瞳強度分布を形成する分布形成光学系と、
    前記所定面に入射する光の位置と、前記所定面に入射する光の入射角度とを独立に設定するように、前記第1および第2空間光変調器を制御する制御部とを備えることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記瞳面からの前記照明光を前記パターンへ導く集光光学系を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記第1空間光変調器へ入射する光束の光強度分布を計測する分布計測部を備え、
    前記制御部は、前記分布計測部による計測結果を用いて、前記第1および前記第2空間光変調器を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の照明光学系。
  4. 前記瞳面は、前記パターンの像を前記基板上に形成する投影光学系の瞳面と光学的に共役であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明光学系。
  5. 光源からの照明光でパターンを照明して該パターンからの光で基板を露光する露光装置において、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明光学系を備えることを特徴とする露光装置
  6. 所定の電子データに基づいて、前記パターンとしての所定パターンを形成する可変パターン形成装置を含むことを特徴とする請求項5に記載の露光装置
  7. 請求項5または6に記載の露光装置を用いて、所定のパターンを感光性基板に露光することと;
    前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像した後、該所定のパターンに対応する形状のマスク層を該感光性基板の表面に形成する現像することと;
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工する加工することとを含むことを特徴とするデバイス製造方法
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