以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態に係る露光装置EA1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置を概略的に示す構成図である。
第1実施形態による露光装置EA1は、装置の光軸Axに沿って、光源1と、空間光変調ユニットSLM1を備える照明装置ILと、マスクMを支持するマスクステージMSと、投影光学系PLと、ウェハWを支持するウェハステージWSとを備える。露光装置EA1は、照明装置ILによってマスクMを照明し、投影光学系PLを用いてマスクMのパターンが形成された面Maである第1の面の像を、ウェハW上の投影面Waである第2の面に投影する。また、光源1から供給される光によってマスクMのパターンが形成された面Maである第1の面を照明する照明装置ILは、空間光変調ユニットSLM1によって例えば二極、四極等の変形照明を行う。
照明装置ILは、光軸Axに沿って、空間光変調ユニットSLM1と、ズーム光学系3と、フライアイレンズ4と、コンデンサ光学系5と、折り曲げミラー6とを備える。空間光変調ユニットSLM1は、その遠視野に所望の瞳輝度分布を形成する。
フライアイレンズ4は、複数のレンズ素子が二次元に密に配列されて構成されている。フライアイレンズ4を構成する複数のレンズ素子は、各レンズ素子の光軸が当該フライアイレンズ4を含む照明装置ILの光軸であり露光装置の光軸でもある光軸Axと平行となるように配列されている。フライアイレンズ4は、入射した光に対し波面分割を施し、その後側焦点面にレンズ素子と同数の光源像からなる二次光源を形成する。本例では、被照射面に配置されるマスクMをケーラー照明しているため、この二次光源が形成される面は、投影光学系PLの開口絞りと共役な面となり、照明装置ILの照明瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面又はウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。なお、瞳輝度分布とは、照明装置ILの照明瞳面又は当該照明瞳面と共役な面における輝度分布であるが、フライアイレンズ4による波面分割数が大きな場合には、フライアイレンズ4の入射面に形成される大局的な輝度分布と、二次光源全体の大局的な輝度分布(瞳輝度分布)とが高い相関を示すため、フライアイレンズ4の入射面及び当該入射面と共役な面における輝度分布についても瞳輝度分布と称することができる。
コンデンサ光学系5は、フライアイレンズ4を射出した光を集光し、所定のパターンが形成されたマスクMを照明する。折り曲げミラー6は、コンデンサ光学系5中に配置され、コンデンサ光学系を通過する光束の光路を折り曲げる。マスクステージMSには、マスクMが載置される。
投影光学系PLは、照明装置ILによってマスクMのパターン面(第1の面)Ma上に形成される照明領域からの光に基づいて、ウェハステージWS上に載置されたウェハWの投影面(第2の面)Wa上に第1の面の像を形成する。
次に、図2〜図4を参照して空間光変調ユニットSLM1の構成を説明する。図2は、図1に示された空間光変調ユニットSLM1の構成を説明するための図である。図3は、空間光変調ユニットSLM1が備える第1の空間光変調器SM11の部分斜視図である。図4は、空間光変調ユニットSLM1が備える第2の空間光変調器SM12の部分斜視図である。
図2に示されるように、空間光変調ユニットSLM1は、反射型の第1の空間光変調器SM11と、反射型の第2の空間光変調器SM12と、第1の凹面鏡IM11と、第2の凹面鏡IM12とを備える。第1の空間光変調器SM11は、その反射面に光源1から射出された光が入射するように配置されている。このとき、光源1からの光は平行光束とすることができる。
第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12は、第1の空間光変調器SM11と第2の空間光変調器SM12との間の光路中に配置されている。第1の凹面鏡IM11は、第1の空間光変調器SM1で反射された光を第2の凹面鏡IM12へと導くように配置されている。第2の凹面鏡IM12は、第1の凹面鏡IM11で反射された光を第2の空間光変調器SM12へと導くように配置されている。すなわち、第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12は、第1の空間光変調器SM1で反射された光を第2の空間光変調器SM12へと導く中間光学系を構成する。
第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12は何れも、非球面形状を呈する。第1の空間光変調器SM1と第2の空間光変調器SM12とは、第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12に関して共役な関係にある。なお、第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12を球面形状としてもよい。その場合であっても、第1の空間光変調器SM1と第2の空間光変調器SM12とは、第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12に関して概ね共役な関係となることができる。
第2の空間光変調器SM12は、中間光学系として機能する第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12で反射された光を、露光装置EA1の光軸Axに沿った方向に進行するように反射する。すなわち、第2の空間光変調器SM12は、第1の空間光変調器SM11で反射した光を反射して露光装置EA1の照明装置IL中、具体的にはズーム光学系3に射出する。したがって、空間光変調ユニットSLM1は、露光装置EA1内において直線配置が可能である。
第1の空間光変調器SM11は、光の入射位置に応じて、その光に空間的な変調を与える。第1の空間光変調器SM11は後述するように、二次元的に配列された多数の微小な要素ミラーS11を含む。そのため、例えば、第1の空間光変調器SM11に入射する光束のうち光線L1は第1の空間光変調器SM11の複数の要素ミラーS11のうち要素ミラーS11Aに、光線L2は第1の空間光変調器SM11の複数の要素ミラーS11のうち要素ミラーS11Aとは異なる要素ミラーS11Bにそれぞれ入射する。要素ミラーS11A、S11Bはそれぞれ、その位置に応じて設定された空間的な変調を光L1、L2に与えて、第2の空間光変調器SM12に入射するように光L1、L2を反射する。
第2の空間光変調器SM12は、光の入射位置に応じて、その光に空間的な変調を与える。第2の空間光変調器SM12は後述するように、二次元的に配列された多数の微小な要素ミラーS12を含む。そのため、例えば、第2の空間光変調器SM12に入射する光束のうち、第1の空間光変調器SM11の要素ミラーS11Aで反射された光線L1は第2の空間光変調器SM12の複数の要素ミラーS12のうち要素ミラーS12Aに入射する。そして、例えば、第2の空間光変調器SM12に入射する光束のうち、第1の空間光変調器SM11の要素ミラーS11Bで反射された光線L1は第2の空間光変調器SM12の複数の要素ミラーS12のうち要素ミラーS12Aとは異なる要素ミラーS12Bに入射する。要素ミラーS12A、S12Bはそれぞれ、その位置に応じて設定された空間的な変調を光L1、L2に与えるように光L1、L2を反射する。
また、第1の空間光変調器SM11の複数の要素ミラーS11の反射面はそれぞれ、後述のように所定の回転軸P11を中心にして回転する。一方、第2の空間光変調器SM12の複数の要素ミラーS12の反射面はそれぞれ、後述のように所定の回転軸P12を中心にして回転する。第1の空間光変調器SM11の反射面の回転軸P11及び第2の空間光変調器SM12の反射面の回転軸P12は、平行でない。
第1の空間光変調器SM1は、図3に示されるように、平面形状の反射面S11fを上面にして敷き詰められた多数の微小な反射素子である要素ミラーS11を含む可動マルチミラーである。各要素ミラーS11は可動であり、その反射面S11fの傾き、すなわち反射面S11fの傾斜角は制御系(図示は省略)により独立に駆動制御される。各要素ミラーS11は、その反射面S11fに平行な方向を回転軸P11として、対応する回転軸P11を中心に所望の回転角度だけ連続的に回転することができる。第1の空間光変調器SM1に含まれる複数の反射面S11fの回転軸P11は、互いに平行である。
第2の空間光変調器SM2は、図4に示されるように、平面形状の反射面S12fを上面にして敷き詰められた多数の微小な反射素子である要素ミラーS12を含む可動マルチミラーである。各要素ミラーS12は可動であり、その反射面S12fの傾き、すなわち反射面S12fの傾斜角は制御系(図示は省略)により独立に駆動制御される。各要素ミラーS12は、その反射面S12fに平行な方向を回転軸P12として、対応する回転軸P12を中心に所望の回転角度だけ連続的に回転することができる。第2の空間光変調器SM2に含まれる複数の反射面S12fの回転軸P12は、互いに平行である。
第1の空間光変調器SM11の複数の要素ミラーS11のうち、任意の要素ミラーである要素ミラーS11A、S11Bそれぞれの反射面を第1の反射面S11a、S11bとする。そして、第2の空間光変調器SM12の複数の要素ミラーS12のうち、第1の反射面S11aで反射した光が中間光学系IM11、IM12を介して入射する要素ミラーS12A、S12Bそれぞれの反射面を第2の反射面S12a、S12bとする。このとき、第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11aと第2の反射型空間光変調器SM12の第2の反射面S12aとが、第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11bと第2の反射型空間光変調器SM12の第2の反射面S12bとが、それぞれ中間光学系IM11、IM12に関して互いに共役な位置となるように配置される。
また、第1の反射面S11aの第1の回転軸P11と第2の反射面S12aの第2の回転軸P12とは平行ではない。第1の反射面S11bの第1の回転軸P11と第2の反射面S12bの第2の回転軸P12とは平行ではない。より具体的には、中間光学系IM11、IM12を介して第1の反射面S11a(S11b)の第1の回転軸P11を第2の反射面S12a(S12b)に投影したときに、投影された第1の回転軸P11と第2の回転軸P12とが互いに直交する関係にある。別の観点に立つと、第1の反射面S11a(S11b)の法線(または中心軸線)を第1の回転軸P11を中心として回転させることにより形成される面と、第2の反射面S12a(S12b)の法線(または中心軸線)を第2の回転軸P12を中心として回転させることにより形成される面とが互いに直交する関係にある。
ここでは第1及び第2の要素ミラーS11、S12の外形は正方形としているが,これに限定するものではない。ただし,光利用効率の観点から,隙間無く配列可能な形状が好ましい。また,隣接する要素ミラーS11、S12間の間隔は必要最小限とすることが好ましい。さらにまた,照明条件の細かな変更を可能にするために,要素ミラーS11、S12は可能な限り小さいことが好ましい。また、要素ミラーS11、S12の反射面S11f、S12fの形状は平面には限られず、凹面や凸面などの曲面であっても良い。
空間光変調ユニットSLM1は、第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12を備える。したがって、空間光変調ユニットSLM1の各入射位置に入射する光に対し、所望の方向で偏向を制御することが可能である。具体的には、例えば第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11aに入射した光に対しては、第1の反射面S11a及び第2の反射面S12aによって所望の方向に偏向を制御することができる。一方、例えば第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11bに入射した光に対しては、第1の反射面S11b及び第2の反射面S12bによって所望の方向に偏向を制御することができる。
さらに、第1の空間光変調器SM11の複数の反射面S11fの回転軸P11と第2の空間光変調器SM12の複数の反射面S12fの回転軸P12とは平行でない。したがって、第1の空間光変調器SM11の反射面S11fと、第2の空間光変調器SM12の反射面S12fとが異なる回転軸を中心とした回転を呈する。その結果、各空間光変調器SM11、SM12は一方向での回転制御しかできないにも関わらず、空間光変調ユニットSLM1としては二方向を軸とした回転制御が可能となる。これにより、空間光変調ユニットSLM1は、所定の照野面上において瞳輝度分布を二次元で制御することが可能となり、所望の瞳輝度分布の形状を形成するが可能となる。このため、空間光変調ユニットSLM1では、例えば円形,輪帯,2極,4極等の所望の瞳輝度分布を形成する変形照明を行うことが可能である。図5は、輪帯照明を行った場合における空間光変調ユニットSLM1の遠視野(空間光変調ユニットSLM1に対する光学的なフーリエ変換面)での照野の形状を示す図であり、図5(a)は輪帯、図5(b)は円形、図5(c)は水平方向2極、図5(d)は垂直方向2極、図5(e)は4極、図5(f)はクロスポール、図5(g)は3極、そして図5(h)は6極を示している。
また、本実施形態は、二次元で瞳輝度分布を制御可能な空間光変調ユニットSLM1の空間光変調器SM11、SM12として、一方向でしか回転制御できない反射面を有するものを用いている。このように、空間光変調ユニットSLM1では、一方向の回転軸を中心として回転する反射面を有する空間光変調器を用いて二次元での瞳輝度分布の制御を可能とする。これにより、二方向の回転軸を中心として回転する反射面を有する空間光変調器に比べコストを抑制することが可能となる。
第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11a、S11b及び第2の空間光変調器SM2の第2の反射面S12a、S12bは、中間光学系IM11、IM12に関して互いに共役な位置に配置されている。そのため、空間光変調ユニットSLM1では、瞳輝度分布の制御が容易となる。
第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12は、中間光学系IM11、IM12を介して第1の回転軸P11を第2の反射面S12a、S12bに投影したときに、投影された第1の回転軸P11と第2の回転軸P12とが互いに直交するように配置されている。そのため、空間光変調ユニットSLM1では、第1の回転軸P11と第2の回転軸P12とが互いに直交しない場合と比べて、瞳輝度分布の制御の効率を向上させることが可能となる。
第1の空間光変調器SM1の複数の反射面S11fは互いに平行な回転軸P11を有する。したがって、第1の空間光変調器SM1では、各反射面S11fの回転制御が容易である。
第2の空間光変調器SM2の複数の反射面S12fは互いに平行な回転軸P12を有する。したがって、第2の空間光変調器SM2では、各反射面S12fの回転制御が容易である。
また、空間光変調ユニットSLM1は、空間光変調器SM1、SM2の他に中間光学系IM11、IM12を備える。そのため、所望の光路を形成するように光学系中に配置することが可能である。
また、空間光変調ユニットSLM1は、中間光学系として第1及び第2の凹面鏡IM11、IM12のみを有する。したがって、部品点数を少なくすることができるため制御の容易さ及びコストの抑制等といった観点から好ましい。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る露光装置EA1を用いてデバイスを製造する方法について説明する。先ず、図6のステップS301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。すなわち、ステップS301及びステップS302は、感光性基板であるウェハWを準備する工程に相当する。
その後、ステップS303において、上述の実施形態の露光装置EA1を用いて、マスクM上のパターンの像が投影光学系PLを介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。
ステップS303では、まず、ウェハステージWS上にウェハWを配置する。光源1から光軸Axに沿って光が空間光変調ユニットSLM1に出力される。空間光変調ユニットSLM1を通過する際に光は、空間的に変調される。
空間光変調ユニットSLM1で空間的に変調された光は、ズーム光学系3を介して、波面分割型のオプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ4の入射面に、例えば光軸Axを中心とする輪体円形状(輪帯状)の照野を形成する。フライアイレンズ4に入射した光は、フライアイレンズ4で波面分割が施される。これにより、その後側焦点面にフライアイレンズ4のレンズ素子と同数の光源像からなる二次光源を形成する。
フライアイレンズ4から射出された光は、コンデンサ光学系5に入射する。コンデンサ光学系5及びフライアイレンズ4により、マスクMのパターン面Maは均一に照明される。こうして、照明装置ILによってマスクMのパターン面Ma上に形成される照明領域からの光に基づいて、ウェハWの表面である投影面Wa上にパターン面Maの像が形成される。こうして、第1の面に位置するパターン面Maの像は、第2の面に配置されるウェハW上に投影露光される。
その後、ステップS304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われる。これにより、パターン面Maに対応する形状のマスク層がウェハWの投影面Wa上に形成される。
ステップS305において、ステップS304において形成されたマスク層を介してウェハWの投影面Waを加工する。具体的には、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、上述の実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図7のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図7において、パターン形成工程S401では、上述の実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列される。または、R、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。なお、本実施形態は、半導体デバイス、液晶表示素子の製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。
図8に第1実施形態に係る露光装置EA1の第1の変形例である露光装置EA2の概略的な構成図を示す。第1の変形例に係る露光装置EA2は、回折光学ユニット2をさらに備える点で、第1実施形態に係る露光装置EA1とは異なる。
空間光変調ユニットSLM1及び回折光学ユニット2は何れも、照明装置ILの光路に対して挿脱可能である。空間光変調ユニットSLM1及び回折光学ユニット2は何れも、それらの遠視野に所望の瞳輝度分布を形成する。
ここで、図9及び図10を参照して、露光装置EA2における空間光変調ユニットSLM1と回折光学ユニット2との配置の関係を説明する。図9は、空間光変調ユニットSLM1が露光装置EA2の光軸Axに沿って挿入されている場合の配置を説明するための図である。図10は、空間光変調ユニットSLM1が露光装置EA2の光軸Axから離れ、回折光学ユニット2中の複数の回折光学素子2b中の1つが露光装置EA2の光軸Axに沿って挿入されている場合の配置を説明するための図である。
図9及び図10に示されているように、回折光学ユニット2は、切り欠き2cが形成されたターレット部材2aと、当該ターレット部材2a上に形成された複数の回折光学素子2bとを有する。回折光学素子2bは、ターレット部材2aに露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。
図9に示されるように、空間光変調ユニットSLM1は、回折光学ユニット2を固定した状態で回折光学ユニット2の切り欠き2cによって形成される空間内に挿入させるように配置することで、露光装置EA2の光軸Ax上に配置することができる。また、図10に示されるように、空間光変調ユニットSLM1は、回折光学ユニット2を固定した状態で回折光学ユニット2の切り欠き2c内から移動させることで、露光装置EA2の光軸Axから外すことができる。あるいは、空間光変調ユニットSLM1を固定した状態で、回折光学ユニット2を移動してもよい。このように、空間光変調ユニットSLM1は、露光装置EA2の光軸Ax、すなわち照明装置ILの光軸Axに沿って配置可能である。
空間光変調ユニットSLM1は、回折光学ユニット2よりもサイズが大きく且つ質量も大きいため、同じターレット部材2aに載置せず、回折光学ユニット2の切り欠き2c内に配置する。空間光変調ユニットSLM1には駆動信号を伝達するためのケーブルが接続されているため、切り欠き2c内に配置することでケーブルを引きずったままターレットに載せる必要がない点で好ましい。
図10に示されるように、空間光変調ユニットSLM1を光軸Axから離れるように移動させた場合には、回折光学ユニット2は、その回転軸が光軸Axに対して平行となり且つ光軸Axから偏心した状態に配置される。そして、ターレット部材2aに設けられた複数の回折光学素子2bの何れか1つが光軸Ax上に配置されるように回転される。図9及び図10に示したように、ターレット部材2aには、その円周方向に沿って回折光学素子2bが円周方向に配列されている。回折光学素子2bは、入射した光束を回折して光軸Axに対して偏心した複数の光束に変換するものであり、各々の回折特性(例えば、回折角)が異なるように設定される。
空間光変調ユニットSLM1は、回折光学ユニット2の回折光学素子2bが設置された設置面と光学的に等価な位置に配置することできる。
第1の変形例に係る露光装置EA2を用いてデバイスを製造する方法では、以下の点において第1実施形態に係る露光装置EA1を用いてデバイスを製造する方法と異なる。すなわち、図6に示したステップS303において、光源1から光軸Axに沿って光が空間光変調ユニットSLM1ではなく、回折光学ユニット2に出力される場合がある。回折光学ユニット2を通過する際に光は、空間的に変調される。露光装置EA2では、空間光変調ユニットSLM1及び回折光学ユニット2を所望の変形照明の形状に応じて光軸Axから挿脱可能である。
第1の変形例に係る露光装置EA2の空間光変調ユニットSLM1では、中間光学系IM11、IM12を介することにより、第1の空間光変調器SM1に入射する光と第2の空間光変調器SM2を射出する光とでその光路が一致するように光を変調している。そのため、空間光変調ユニットSLM1を挿入する場合も、又は回折光学ユニット2を挿入する場合も光路が変更されないので、空間光変調ユニットSLM1を自由に露光装置EA2の光軸Axから挿脱することが可能である。
空間光変調ユニットSLM1の入射側と射出側とで光路を一致させることができるため、空間光変調ユニットSLM1を用いる照明装置ILの構成を回折光学ユニット2を用いる照明光学系と共用化することができる。これにより、コストを抑制することが可能になる。
図11に第1実施形態に係る露光装置EA1の第2の変形例であるマスクレス露光装置EA3の概略的な構成図を示す。第2の変形例に係る露光装置EA3は、マスクの代わりに空間光変調ユニットSLM2を備える点で、第1実施形態に係る露光装置EA1とは異なる。
空間光変調ユニットSLM2は、空間光変調ユニットSLM1同様、反射型である第1及び第2の空間光変調器SM21、SM22、並びに中間光学系IM21、IM22を備える。露光装置EA2の照明装置ILは、空間光変調ユニットSLM2の第1の空間光変調器SM21を照明する。投影光学系PLは、照明装置ILによって第2の空間光変調器SM22の反射面(第1の面)上に形成される照明領域からの光に基づいて、ウェハW上の投影面Wa(第2の面)上に第1の面の像を形成する。
(第2実施形態)
図12を参照して、第2実施形態に係る露光装置EA4の構成について説明する。図12は、第2実施形態に係る露光装置を概略的に示す構成図である。
第2実施形態による露光装置EA4は、装置の光軸Axに沿って、光源1と、空間光変調ユニットSLM1を備える照明装置ILと、マスクMを支持するマスクステージMSと、投影光学系PLと、ウェハWを支持するウェハステージWSとを備える。
照明装置ILは、光軸Axに沿って、偏光状態制御部12と、照明装置ILの光路に対して挿脱可能なデポラライザ13と、空間光変調ユニットSLM1と、リレー光学系15と、アフォーカル光学系17と、偏光変換素子18と、円錐アキシコン系19と、ズーム光学系21と、折り曲げミラー22と、マイクロフライアイレンズ23と、コンデンサ光学系24と、照明視野絞り(マスクブラインド)25と、結像光学系26と、折り曲げミラー27とを備える。
光源1から射出されたほぼ平行な光束は、光軸Axを中心として回転可能な1/4波長板及び1/2波長板を備える偏光状態制御部12を通過した後、所定の偏光状態の光束に変換され、空間光変調ユニットSLM1を介して、リレー光学系15を経てアフォーカル光学系17に入射する。なお、マスクMを非偏光状態の光で照明する場合には、偏光状態制御部12を介した光源1からの光束は、照明装置ILの光路に挿入されたデポラライザ13を経た後に空間光変調ユニットSLM1に入射する。このような偏光状態制御部12及びデポラライザ13に関しては、米国特許公開第2006/0170901A1号公報を参照することができる。
アフォーカル光学系17は、その前側焦点位置と図中破線で示す所定面16の位置とがほぼ一致し且つその後側焦点位置と図中破線で示す所定面20の位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。一方、空間光変調ユニットSLM1は、図中破線で示す所定面16の位置と共役な位置に配置される。
したがって、光束変換素子としての空間光変調ユニットSLM1に入射したほぼ平行光束は、リレー光学系としてのアフォーカル光学系17の瞳面に一例として輪帯状の光強度分布を形成した後、ほぼ平行光束となってアフォーカル光学系17から射出される。なお、アフォーカル光学系17の前側レンズ群17aと後側レンズ群17bとの間の光路中においてその瞳位置またはその近傍には、偏光変換素子18及び円錐アキシコン系19が配置されている。
円錐アキシコン系19は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材19aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材19bとから構成されている。そして、第1プリズム部材19aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材19bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材19aおよび第2プリズム部材19bのうち少なくとも一方の部材が光軸Axに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材19aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材19bの凸円錐状の屈折面との間隔が可変に構成されている。円錐アキシコン系19の作用により、輪帯状の二次光源の幅が変化することなく、その輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)がともに変化する。
ここで、第1プリズム部材19aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材19bの凸円錐状屈折面とを互いに当接させると、円錐アキシコン系19は平行平面板として機能し、形成される輪帯状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材19aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材19bの凸円錐状屈折面とを離間させると、円錐アキシコン系19は、いわゆるビームエキスパンダーとして機能する。したがって、円錐アキシコン系19の間隔の変化に伴って、所定面20への入射光束の角度は変化する。
また、偏光変換素子18は、入射する直線偏光状態の光を、ほぼ周方向に偏光方向を有する周方向偏光状態の光又はほぼ径方向に偏光方向を有する径方向偏光状態の光に変換する機能を有する。このような偏光変換素子18に関しては、上記米国特許公開第2006/0170901A1号公報を参照することができる。
アフォーカル光学系17を介した光束は、σ値可変用のズーム光学系21及び折り曲げミラー22を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)13に入射する。マイクロフライアイレンズ23は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライアイレンズは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
ここで、マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
所定面20の位置はズーム光学系21の前側焦点位置の近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ23の入射面はズーム光学系21の後側焦点位置の近傍に配置されている。ズーム光学系21の作用により、輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。ズーム光学系21は、所定面20とマイクロフライアイレンズ23の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカル光学系7の瞳面とマイクロフライアイレンズ23の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。
したがって、マイクロフライアイレンズ23の入射面上には、アフォーカル光学系17の瞳面と同様に、たとえば光軸Axを中心とした輪帯状の照野が形成される。この輪帯状の照野の全体形状は、ズーム光学系21の焦点距離に依存して相似的に変化する。マイクロフライアイレンズ23を構成する各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。
マイクロフライアイレンズ23に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍(ひいては照明瞳面)には、入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸Axを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源が形成される。マイクロフライアイレンズ23の後側焦点面またはその近傍に形成された二次光源からの光束は、コンデンサ光学系24を介した後、マスクブラインド25を重畳的に照明する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド25には、マイクロフライアイレンズ23を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド25の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系26の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系26は、マスクブラインド25の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクステージMS上に保持されたマスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸Axと直交する平面内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
なお、アフォーカル光学系(リレー光学系)7と円錐アキシコン系19とズーム光学系(変倍光学系)11とは、空間光変調ユニットSLM1とマイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)13との間の光路中に配置されて照明瞳面に形成される二次光源(実質的な面光源)の大きさおよび形状を変化させるための整形光学系を構成している。
空間光変調ユニットSLM1は、第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12を備える。したがって、空間光変調ユニットSLM1の各入射位置に入射する光に対し、所望の方向で偏向を制御することが可能である。
さらに、露光装置EA4は、空間光変調ユニットSLM1を備える。したがって、露光措置EA4では、所望の瞳輝度分布の形状を形成するが可能であり、例えば円形,輪帯,2極,4極等の所望の瞳輝度分布を形成する変形照明を行うことが可能である。また、空間光変調ユニットSLM1では、一方向の回転軸を中心として回転する反射面を有する空間光変調器を用いて二次元での瞳輝度分布の制御を可能とするため、コストを抑制することが可能となる。また、第1の空間光変調器SM11の第1の反射面S11a、S11b及び第2の空間光変調器SM2の第2の反射面S12a、S12bは、中間光学系IM11、IM12に関して互いに共役な位置に配置されているため、空間光変調ユニットSLM1では瞳輝度分布の制御が容易となる。また、第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12は、中間光学系IM11、IM12を介して第1の回転軸P11を第2の反射面S12a、S12bに投影したときに、投影された第1の回転軸P11と第2の回転軸P12とが互いに直交するように配置されているため、瞳輝度分布の制御の効率を向上させることが可能となる。また、第1の空間光変調器SM1の複数の反射面S11f及び第2の空間光変調器SM2の複数の反射面S12fはそれぞれ互いに平行な回転軸P11、P12を有するため、第1及び第2の空間光変調器SM1、SM2では各反射面S11f、S12fの回転制御が容易である。また、空間光変調ユニットSLM1は空間光変調器SM1、SM2の他に中間光学系IM11、IM12を備えるため、所望の光路を形成するように光学系中に配置することが可能である。
図13に第2実施形態に係る露光装置EA4の第1の変形例である露光装置EA5の概略的な構成図を示す。第2実施形態に係る露光装置の第1の変形例に係る露光装置EA5は、回折光学ユニット2をさらに備える点で、第2実施形態に係る露光装置EA4とは異なる。
空間光変調ユニットSLM1及び回折光学ユニット2は何れも、照明装置ILの光路に対して挿脱可能である。空間光変調ユニットSLM1及び回折光学ユニット2は何れも、それらの遠視野に所望の瞳輝度分布を形成する。光源1から射出されたほぼ平行な光束は、光軸Axを中心として回転可能な1/4波長板及び1/2波長板を備える偏光状態制御部12を通過した後、所定の偏光状態の光束に変換され、空間光変調ユニットSLM1又は回折光学ユニット2を介して、リレー光学系15を経てアフォーカル光学系17に入射する。
空間光変調ユニットSLM1は、図13では回折光学ユニット2と切り替え可能なように配置されているが、例えば図13の破線で示される面16に配置してもよい。面16の位置は、回折光学ユニット2の位置とは光学的に共役な位置に相当する。
第2実施形態の第1の変形例に係る露光装置EA5の空間光変調ユニットSLM1は、空間光変調ユニットSLM1の第2の空間光変調器SM12で反射してリレー光学系15に射出する光が、第1の空間光変調器SM11への入射光と、その光路が一致するように光を変調している。すなわち、空間光変調ユニットSLM1に入射する光の光路と、空間光変調ユニットSLM1から射出する光の光路とが一致している。そのため、空間光変調ユニットSLM1を挿入する場合も、又は回折光学ユニット2を挿入する場合も光路が変更されないので、空間光変調ユニットSLM1を自由に露光装置EA5の光軸Axから挿脱することが可能である。
また、空間光変調ユニットSLM1に入射する光の光路と、空間光変調ユニットSLM1から射出する光の光路とが一致していることから、照明装置ILの構成を大きく変更することなく、空間光変調ユニットSLM1を所定の面16の位置に挿脱できる。
空間光変調ユニットSLM1の入射側と射出側とで光路を一致させることができるため、空間光変調ユニットSLM1を用いる照明装置ILの構成を回折光学ユニット2を用いる照明光学系と共用化することができる。これにより、コストを抑制することが可能になる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、空間光変調ユニットSLM1、SLM2として、図14に示した空間光変調ユニットSLM3、図15に示した空間光変調ユニットSLM4、図16に示した空間光変調ユニットSLM5、図17に示した空間光変調ユニットSLM6、又は図18に示した空間光変調ユニットSLM7を用いてもよい。
図14に示した空間光変調ユニットSLM3は、反射型の第1の空間光変調器SM31と、反射型の第2の空間光変調器SM32と、第1の平面鏡IM31と、第2の平面鏡IM34と、第1のレンズIM32と、第2のレンズIM33とを備える。
第1及び第2の平面鏡IM31、IM34並びに第1及び第2のレンズIM32、IM33は、第1の空間光変調器SM31と第2の空間光変調器SM32との間の光路中に配置されている。第1の平面鏡IM31は、第1の空間光変調器SM31で反射された光を第1のレンズIM32へと導くように配置されている。また、第1の平面鏡IM31は、光軸Axに対してその反射面が45度傾くように配置されている。
第1のレンズIM32は、第1の平面鏡IM31で反射された光を第2のレンズIM33へと導くように配置されている。第2のレンズIM33は、第1のレンズIM32を透過した光を第2の平面鏡IM34へと導くように配置されている。
第2の平面鏡IM34は、第2のレンズIM33を透過した光を第2の空間光変調器SM32へと導くように配置されている。また、第2の平面鏡IM34は、光軸Axに対してその反射面が45度傾くように配置されている。すなわち、第1及び第2の平面鏡IM31、IM34並びに第1及び第2のレンズIM32、IM33は、第1の空間光変調器SM31で反射された光を第2の空間光変調器SM32へと導く中間光学系を構成する。
第1及び第2の空間光変調器SM31、SM32間における倍率が等倍となるように中間光学系IM31、IM32、IM33、IM34を構成することによって、第1の空間光変調器SM1と第2の空間光変調器SM12とは、中間光学系IM31、IM32、IM33、IM34に関して共役な関係を形成することが可能である。
第2の空間光変調器SM32は、中間光学系として機能する第1及び第2の平面鏡IM31、IM34並びに第1及び第2のレンズIM32、IM33を経由した光を、露光装置の光軸Axに沿った方向に進行するように反射することができる。したがって、空間光変調ユニットSLM3も、露光装置内において直線配置が可能である。図14に示す空間光変調ユニットでは、第1及び第2の空間光変調器SM31、SM32は、中間光学系(第1及び第2の平面鏡IM31、IM34並びに第1及び第2のレンズIM32、IM33)に関して、シャインプルーフの関係を満足するように配置することが可能である。このときには、第1及び第2の空間光変調器SM31、SM32の各要素ミラーが配列されている平面同士を互いに共役な関係とすることができる。
第1及び第2の空間光変調器SM31、SM32は、例えば図3及び図4に示された第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12と同様に構成されている。
図15に示した空間光変調ユニットSLM4は、反射型の第1の空間光変調器SM41と、反射型の第2の空間光変調器SM42と、第1の平面鏡IM41と、第2の平面鏡IM44と、第1のレンズIM42と、第2のレンズIM43とを備える。第1及び第2の平面鏡IM41、IM44の反射面の光軸Axに対する傾斜角が45度に限定されていない点で図14に示した空間光変調ユニットSLM3とは異なる。図15の空間光変調ユニットSLM4では、第1及び第2の空間光変調器SM41、SM42に対する入射光を垂直入射に近い状態で用いることができる。
図16に示した空間光変調ユニットSLM5は、反射型の第1の空間光変調器SM51と、反射型の第2の空間光変調器SM52と、第1の平面鏡IM51とを備える。
第1の平面鏡IM51は、第1の空間光変調器SM51と第2の空間光変調器SM52との間の光路中に配置されている。第1の平面鏡IM51は、第1の空間光変調器SM51で反射された光を第2の空間光変調器SM52へと導くように配置されている。すなわち、第1の平面鏡IM51は、第1の空間光変調器SM51で反射された光を第2の空間光変調器SM52へと導く中間光学系を構成する。
第2の空間光変調器SM52は、中間光学系として機能する第1の平面鏡IM51で反射した光を、露光装置の光軸Axに沿った方向に進行するように反射することができる。したがって、空間光変調ユニットSLM5も、露光装置内において直線配置が可能である。
第1及び第2の空間光変調器SM51、SM52は、例えば図3及び図4に示された第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12と同様に構成されている。
図17は、空間光変調ユニットSLM6を備えた露光装置EA6を概略的に示す構成図である。図17に示された露光装置EA6は、第1実施形態に係る露光装置EA1の空間光変調ユニットSLM1を空間光変調ユニットSLM6に置き換えることによって得られる。
図17に示した空間光変調ユニットSLM6は、反射型の第1の空間光変調器SM61と、反射型の第2の空間光変調器SM62と、第1のレンズIM61と、第2のレンズIM62とを備える。
第1及び第2のレンズIM61、IM62は、第1の空間光変調器SM61と第2の空間光変調器SM62との間の光路中に配置されている。第1及び第2の空間光変調器SM61、SM62の各要素ミラーの回転角度がゼロの反射面と、第1及び第2のレンズIM61、IM62とは平行になるように配置されている。言い換えると、第1空間光変調器SM61の各要素ミラーが配列されている面と第2空間光変調器SM62の各要素ミラーが配列されている面とが互いに平行になるように配置されている。第1の空間光変調器SM61に入射する光束と、第2の空間光変調器SM62から射出される光束とは平行であるが、光束の中心軸は一致しない。したがって、空間光変調ユニットSLM6は入射側と射出側とで共軸ではない。
第1のレンズIM61は、第1の空間光変調器SM61で反射された光を第2のレンズIM62へと導くように配置されている。第2のレンズIM62は、第1のレンズIM61を透過した光を第2の空間光変調器SM62へと導くように配置されている。すなわち、第1及び第2のレンズIM61、IM62は、第1の空間光変調器SM61で反射された光を第2の空間光変調器SM62へと導く中間光学系を構成する。
第1及び第2の空間光変調器SM61、SM62は、例えば図3及び図4に示された第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12と同様に構成されている。
図18は、空間光変調ユニットSLM7を備えた露光装置EA7を概略的に示す構成図である。図18に示された露光装置EA7は、第1実施形態に係る露光装置EA1の空間光変調ユニットSLM1を空間光変調ユニットSLM7に置き換えることによって得られる。
図18に示した空間光変調ユニットSLM7は、反射型の第1の空間光変調器SM71と、反射型の第2の空間光変調器SM72と、第1のレンズIM71と、第2のレンズIM72とを備える。
第1及び第2のレンズIM71、IM72は、第1の空間光変調器SM71と第2の空間光変調器SM72との間の光路中に配置されている。第1及び第2の空間光変調器SM71、SM72の各要素ミラーの回転角度がゼロの反射面と、第1及び第2のレンズIM71、IM72とは平行になるように配置されている。第1の空間光変調器SM71に入射する光束と、第2の空間光変調器SM72から射出される光束とは平行であるが、光束の光軸は一致しない。したがって、空間光変調ユニットSLM7は入射側と射出側とで共軸ではない。
第1のレンズIM71は、第1の空間光変調器SM71で反射された光を第2のレンズIM72へと導くように配置されている。第2のレンズIM72は、第1のレンズIM71を透過した光を第2の空間光変調器SM72へと導くように配置されている。すなわち、第1及び第2のレンズIM71、IM72は、第1の空間光変調器SM71で反射された光を第2の空間光変調器SM72へと導く中間光学系を構成する。
第1及び第2の空間光変調器SM71、SM72は、例えば図3及び図4に示された第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12と同様に構成されている。
また、例えば第1の空間光変調器SM11の各要素ミラーの反射面の回転軸P11と、第2の空間光変調器SM12の各要素ミラーの反射面の回転軸P12とが平行であってもよい。これにより、例えば第1の空間光変調器SM11における反射面の傾斜可能角度が足りない場合に、第2の空間光変調器SM12を用いることによって、反射面の傾斜可能角度を倍増することが可能となる。ただし、この場合、中間光学系によって第1及び第2の空間光変調器SM11、SM12が互いに共役であることが好ましい。
図19に示した空間光変調ユニットSLM8は、反射型の第1の空間光変調器SM81と、反射型の第2の空間光変調器SM82と、第1の凹面鏡IM81と、第2の凹面鏡IM82とを備える。
第1及び第2の凹面鏡IM81、IM82は、中間光学系として機能し、第1の空間光変調器SM81と第2の空間光変調器SM82との間の光路中に配置されている。この図19に示した中間光学系は中間像を形成せずに第1の空間光変調器SM81の各要素ミラーの1次像を第2の空間光変調器SM82の各要素ミラー上に形成する。第1及び第2の空間光変調器SM81、SM82は、中間光学系(第1及び第2の凹面鏡IM81、IM82)に関して、シャインプルーフの関係を満足するように配置することが可能である。
図20に示した空間光変調ユニットSLM9は、反射型の第1の空間光変調器SM91と、反射型の第2の空間光変調器SM92と、第1の楕円鏡IM91とを備える。
第1の楕円鏡IM91は、第1の空間光変調器SM91と第2の空間光変調器SM92との間の光路中に配置されている。第1の楕円鏡IM51は、その第1焦点位置F1が第1の空間光変調器SM91と一致し、その第2焦点位置F2が第2の空間光変調器SM92と一致し、第1の空間光変調器SM91で反射された光を第2の空間光変調器SM92へと導くように配置されている。すなわち、第1の楕円鏡IM91は、第1の空間光変調器SM91で反射された光を第2の空間光変調器SM92へと導く中間光学系を構成する。
第2の空間光変調器SM92は、中間光学系として機能する第1の楕円鏡IM91で反射した光を、露光装置の光軸Axに沿った方向に進行するように反射することができる。したがって、空間光変調ユニットSLM9も、露光装置内において直線配置が可能である。
なお、図20では、楕円鏡IM91を用いたが、楕円面に非球面項が付加された非球面としても良い。
さて、上記実施形態及び変形例においては、中間光学系の倍率を等倍としたが、中間光学系の倍率は非等倍、即ち縮小倍率又は拡大倍率であっても良い。また、中間光学系としては、例えば両側テレセントリック光学系を用いることができる。
なお、上記実施形態及び変形例において、中間光学系を構成するレンズIM32、IM33、IM42、IM43、IM61、IM62、IM71、IM72は、単レンズのみならず、複数枚のレンズから構成されるレンズ群であっても良く、複数のレンズ群から構成されるものであっても良い。
また、上記実施形態及び変形例においては、二次元的に配列されて個別に制御される複数の反射要素を有する空間光変調器として、たとえば二次元的に配列されて反射面の傾きを個別に制御可能な空間光変調器が用いられている。このような空間光変調器としては、たとえば特表平10−503300号公報およびこれに対応する欧州特許公開第779530号公報、特開2004−78136号公報およびこれに対応する米国特許第6,900,915号公報、特表2006−524349号公報およびこれに対応する米国特許第7,095,546号公報、並びに特開2006−113437号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、空間光変調器の個別の反射面を介したそれぞれの光が所定の角度で分布形成光学系に入射し、複数の光学要素への制御信号に応じた所定の光強度分布を照明瞳面において形成することができる。
また、空間光変調器としては、たとえば二次元的に配列されて反射面の高さを個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。このような空間光変調器としては、たとえば特開平6−281869号公報及びこれに対応する米国特許第5,312,513号公報、並びに特表2004−520618号公報およびこれに対応する米国特許第6,885,493号公報の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。
なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば特表2006−513442号公報およびこれに対応する米国特許第6,891,655号公報や特表2005−524112号公報およびこれに対応する米国特許公開第2005/0095749号公報の開示に従って変形しても良い。
また、空間光変調ユニットSLM1〜SLM7によって形成される瞳輝度分布を計測するための瞳輝度分布計測装置を、照明装置IL内又は露光装置EA1〜EA7内に設けても良い。照明装置IL内に瞳輝度分布計測装置を組み込んだものとしては、例えば特開2006−54328号公報を参照することができ、露光装置EA1〜EA7内に瞳輝度分布計測装置を組み込んだものとしては、例えば米国特許公開第2006/0170901A1号公報を参照することができる。このような瞳輝度分布計測装置による計測結果に基づいて、空間光変調ユニットSLM1〜SLM7が形成する瞳輝度分布を所望の瞳輝度分布に調整するために、空間光変調ユニットSLM1〜SLM7への駆動信号を補正することも可能である。
なお、上述の実施形態において、光源1として、例えば波長193nmのパルスレーザ光を供給するArFエキシマレーザ光源や、波長248nmのパルスレーザ光を供給するKrFエキシマレーザ光源を用いていることができる。また、これに限定されることなく、たとえばF2レーザ光源や超高圧水銀ランプのような他の適当な光源を用いることもできる。また、上述の実施形態では、走査型の露光装置に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、投影光学系に対してレチクル(マスク)およびウェハ(感光性基板)を静止させた状態で投影露光を行う一括露光型の露光装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンプレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EA1〜EA7…露光装置、1…光源、IL…照明装置、SLM1〜SLM7…空間光変調ユニット、SM11〜SM71…第1の空間光変調器、SM12〜SM72…第2の空間光変調器、2…回折光学ユニット、4…フライアイレンズ、5、24…コンデンサ光学系、6、22、27…折り曲げミラー、12…偏光状態切替部、13…偏光ビームスプリッタ、15…リレー光学系、17…アフォーカル光学系、18…偏光変換素子、19…円錐アキシコン系、21…ズーム光学系、23…マイクロフライアイレンズ、25…マスクブラインド、26…結像光学系、M…マスク、W…ウェハ。