JP2012074694A - 偏光変換ユニット、照明光学系、露光装置、偏光変換方法、露光方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents

偏光変換ユニット、照明光学系、露光装置、偏光変換方法、露光方法、およびデバイス製造方法 Download PDF

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【課題】 段差の無い簡素な構成の光学部材からなり、照明光学系の光路中に配置されて継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現することのできる偏光変換ユニット。
【解決手段】 入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットは、一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材を備えている。この複屈折部材を通過する光線群のうちの任意の光線群は光軸を含む平面に沿って進み、平面に沿って進む任意の光線群が光軸となす角度および複屈折部材を通過する距離は互いに同じである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偏光変換ユニット、照明光学系、露光装置、偏光変換方法、露光方法、およびデバイス製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学系に関するものである。
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
任意方向の微細パターンを忠実に転写するのに適した照明条件を実現するために、フライアイレンズの後側焦点面またはその近傍の照明瞳に例えば輪帯状の二次光源を形成し、この二次光源を通過する光束がその周方向(サジタル方向)を偏光方向とする直線偏光状態(以下、略して「周方向偏光状態」という)になるように設定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載された照明光学系では、旋光性の光学部材を用いて、連続性の高い周方向偏光状態を実現している。
米国特許出願公開第2006/0291057号明細書
特許文献1に提案された旋光性の光学部材は、全体として平行平面板に近い形態を有し、その厚さが光軸を中心とする円の周方向に沿って連続的に変化している。その結果、この旋光性の光学部材には光軸を中心とする円の径方向に延びる少なくとも1つの段差(通常は一対の段差)が存在し、この段差に起因して瞳強度分布の周方向偏光状態に継ぎ目が発生し易い。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、段差の無い簡素な構成の光学部材からなり、照明光学系の光路中に配置されて継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現することのできる偏光変換ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現する偏光変換ユニットを用いて、所望の周方向偏光状態の光で被照射面を照明することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、所望の周方向偏光状態の光で所定のパターンを照明する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで微細パターンを感光性基板に正確に転写することのできる露光装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材を備え、
前記複屈折部材を通過する光線群のうちの任意の光線群は前記光軸を含む平面に沿って進み、前記平面に沿って進む前記任意の光線群が前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離は互いに同じであることを特徴とする偏光変換ユニットを提供する。
本発明の第2形態では、入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材と、
前記複屈折部材を通過する光線群のうち前記光軸を含む平面に沿って進む光線群を、前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離が互いに同じであるように変換する変換手段とを備えていることを特徴とする偏光変換ユニットを提供する。
本発明の第3形態では、入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材と、
前記複屈折部材へ向かう光を偏向させる光偏向面とを備え、
前記光偏向面は、前記光偏向面を通過する光線群に対して、前記光軸からの距離によらずに同量の偏向作用を与え、
前記偏向作用が与えられた光線群が前記複屈折部材を通過する距離は互いに同じであることを特徴とする偏光変換ユニットを提供する。
本発明の第4形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
前記光源と前記被照射面との間の光路中に配置された第1形態、第2形態または第3形態の偏光変換ユニットを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
本発明の第5形態では、所定のパターンを照明するための第4形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを介した光で感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第6形態では、入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換方法において、
一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材に入射光を導くことと、
前記複屈折部材を通過する光線群のうち前記光軸を含む平面に沿って進む光線群を、前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離が互いに同じであるように変換することと、
を含むことを特徴とする偏光変換方法を提供する。
本発明の第7形態では、光源からの光により被照射面に位置する所定のパターンを照明することと、
前記所定のパターンを介した光で感光性基板を露光することと、
を含み、
前記照明することでは、第6形態の偏光変換方法を用いて前記光源からの光を変換することを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の第8形態では、第7形態の露光方法を用いて、露光パターンを前記感光性基板に露光することと、
前記露光パターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記露光パターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の偏光変換ユニットは、段差の無い簡素な構成の光学部材からなり、照明光学系の光路中に配置されて継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現することができる。本発明の照明光学系では、継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現する偏光変換ユニットを用いて、所望の周方向偏光状態の光で被照射面を照明することができる。本発明の露光装置では、所望の周方向偏光状態の光で被照射面としてのパターン面を照明する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで微細パターンを感光性基板に正確に転写することができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 本実施形態の偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 偏光変換ユニット中の1/4波長板へ入射する平行光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 偏光変換ユニット中の1/4波長板を経た平行光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 偏光変換ユニット中の第1コーンレンズを経た発散光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 偏光変換ユニット中の複屈折部材を経た発散光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 偏光変換ユニット中の旋光部材を経た平行光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 第1変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 図2の複屈折部材を通過する実際の光束がある程度の開口数を有する様子を示す図である。 第2変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第3変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第4変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 図12の第4コーンレンズを経た光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 図12の調整用の旋光部材を経た光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 図12の偏光変換ユニットを経た光束の外形形状および偏光状態を示す図である。 一軸性結晶における光線の通過方向と屈折率との関係を示す図である。 図12における入射側の複屈折部材が光線に位相差を付与する様子を示す図である。 図12における別の複屈折部材が光線に位相差を付与する様子を示す図である。 図12における調整用の旋光部材の作用を説明する図である。 図12における調整用の複屈折部材の作用を説明する図である。 第5変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第6変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第7変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第8変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 第9変形例にかかる偏光変換ユニットの内部構成を概略的に示す図である。 偏光変換ユニット中のコーンレンズの変形例を概略的に示す図である。 偏光変換ユニット中の1/4波長板、複屈折部材、旋光部材の変形例を概略的に示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの露光面(転写面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの露光面内において図1の紙面に平行な方向にX軸を、ウェハWの露光面内において図1の紙面に垂直な方向にY軸をそれぞれ設定している。図1を参照すると、本実施形態の露光装置では、光源LSから露光光(照明光)が供給される。
光源LSとして、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源LSから射出された光束は、図示を省略した整形光学系の作用により所定の矩形状の断面を有する光束に変換された後、偏光状態切換部1を介して、回折光学素子2に入射する。回折光学素子2を経た光は、リレー光学系3および偏光変換ユニット4を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)5に入射する。
偏光状態切換部1は、光源側から順に、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換する1/4波長板1aと、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて入射する直線偏光の偏光方向を変化させる1/2波長板1bと、照明光路に対して挿脱自在なデポラライザ(非偏光化素子)1cとを備えている。偏光状態切換部1は、デポラライザ1cを照明光路から退避させた状態で、光源LSからの光を所望の偏光方向を有する直線偏光の光に変換して回折光学素子2へ入射させる機能を有し、デポラライザ1cを照明光路中に設定した状態で、光源LSからの光を実質的に非偏光の光に変換して回折光学素子2へ入射させる機能を有する。
回折光学素子2は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。以下、説明を簡単にするために、回折光学素子2は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に円形状の光強度分布を形成する機能を有するものとする。回折光学素子2はリレー光学系3の前側焦点位置またはその近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ5の入射面はリレー光学系3の後側焦点位置またはその近傍に配置されている。
換言すると、リレー光学系3は、回折光学素子2とマイクロフライアイレンズ5の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置している。したがって、リレー光学系3とマイクロフライアイレンズ5との間の光路中に偏光変換ユニット4が介在しない場合、マイクロフライアイレンズ5の入射面には円形状の光強度分布が形成される。本実施形態では、後述するように、偏光変換ユニット4の作用により、マイクロフライアイレンズ5の入射面には、例えば光軸AXを中心とした輪帯状の光強度分布が形成される。偏光変換ユニット4の構成および作用については後述する。
マイクロフライアイレンズ5は、例えば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であって、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。
しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。なお、マイクロフライアイレンズ5として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号公報に開示されている。
マイクロフライアイレンズ5に入射した光束は二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の位置(照明瞳の位置)には、マイクロフライアイレンズ5の入射面に形成される光強度分布(照野)とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源(瞳強度分布)が形成される。マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面またはその近傍には、必要に応じて、輪帯状の二次光源に対応した輪帯状の開口部(光透過部)を有する照明開口絞りが配置されている。
照明開口絞りは、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ大きさおよび形状の異なる開口部を有する複数の開口絞りと切り換え可能に構成されていても良い。開口絞りの切り換え方式として、たとえば周知のターレット方式やスライド方式などを用いることができる。照明開口絞りは、投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定する。
マイクロフライアイレンズ5を経た光は、コンデンサー光学系6を介して、マスクブラインド7を重畳的に照明する。こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド7には、マイクロフライアイレンズ5の微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド7の矩形状の開口部(光透過部)を経た光は、前側レンズ群8aと後側レンズ群8bとからなる結像光学系8を介して、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系8は、マスクブラインド7の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクステージMS上に保持されたマスクMには、転写すべきパターンが形成されている。マスクMのパターンを透過した光は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
本実施形態では、上述したように、マイクロフライアイレンズ5により形成される二次光源を光源として、照明光学系(1〜8)の被照射面に配置されるマスクMをケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置(マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面またはその近傍の位置)は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学系(1〜8)の照明瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学系と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。また、照明瞳の位置は、投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置、照明光学系(1〜8)の射出瞳面と光学的にほぼ共役な位置とみなすことができる。
瞳強度分布とは、照明光学系(1〜8)の照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布(輝度分布)である。マイクロフライアイレンズ5による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ5の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ5の入射面および当該入射面と光学的に共役な面における光強度分布についても瞳強度分布と称することができる。また、マイクロフライアイレンズ5の入射面および当該入射面と光学的に共役な面も照明瞳面と称することができる。
偏光変換ユニット4は、上述したように、リレー光学系3とマイクロフライアイレンズ5との間の光路中、すなわちマイクロフライアイレンズ5よりも光源LS側に配置されている。偏光変換ユニット4は、図2に示すように、光の入射順に(光源LS側から順に)、1/4波長板41、第1コーンレンズ42、複屈折部材43、第2コーンレンズ44、および旋光部材45を備えている。
1/4波長板41は、入射する直線偏光の光を円偏光の光に変換する。第1コーンレンズ42は、光軸AXを中心とする円錐面状に形成された屈折面からなる凹状の入射面と、光軸AXと直交する平面状の射出面とを有する。第1コーンレンズ42は、入射する平行光束を発散光束に変換する。複屈折部材43は、例えばフッ化マグネシウム(MgF2)のような一軸性結晶材料により形成された平行平面板の形態を有し、その結晶光学軸が光軸AXと平行に配置されている。複屈折部材43は、入射面(ひいては射出面)が光軸AXと直交するように配置されている。
第2コーンレンズ44は、光軸AXと直交する平面状の入射面と、光軸AXを中心とする円錐面状に形成された屈折面からなる凸状の射出面とを有する。第2コーンレンズ44は、第1コーンレンズ42の入射面と相補的な面形状に形成された射出面を有し、入射する発散光束を平行光束に変換する。旋光部材45は、例えば水晶のような旋光性の光学材料により形成された平行平面板の形態を有し、入射面(ひいては射出面)が光軸AXと直交するように配置されている。旋光部材45は、入射する直線偏光の光の偏光方向を、光軸AXと平行な軸線廻りに、その厚さ(光軸AX方向の寸法)に応じた角度だけ回転させる。
以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子2の作用により、光軸AXを中心とした円形状の平行光束が光軸AXに沿って偏光変換ユニット4(ひいては1/4波長板41)に入射するものとする。また、偏光状態切換部1の作用により、X方向に偏光したX方向直線偏光の光が偏光変換ユニット4に入射するものとする。すなわち、図3に示すように、1/4波長板41には光軸AXを中心とした円形状の平行光束21が入射し、円形状の光束21はその断面の全体に亘ってX方向直線偏光状態にある。
X方向直線偏光状態で円形状の平行光束21は、1/4波長板41を介して、図4に示すように、その断面の全体に亘って円偏光状態で円形状の平行光束22に変換される。第1コーンレンズ42は、円偏光状態で円形状の平行光束22を、図5に示すように輪帯比(内径/外径)の小さい輪帯状で円偏光状態の発散光束23に変換して複屈折部材43へ導く。第1コーンレンズ42を経て形成される発散光束23は光軸AXに関して回転対称であり、発散光束23を形成する光線群は光軸AXに対して互いに同じ角度をなしている。
したがって、複屈折部材43を通過する光線群は光軸AXを含む平面に沿って進む光線群の集合であり、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が光軸AX(ひいては複屈折部材43の結晶光学軸)となす角度θおよび複屈折部材43を通過する距離Dは互いに同じである。すなわち、第1コーンレンズ42は、複屈折部材43を通過する光線群のうち光軸AXを含む平面に沿って進む光線群を、光軸AXとなす角度θおよび複屈折部材43を通過する距離Dが互いに同じあるように変換している。
その結果、複屈折部材43を通過する光線群は、その入射位置に依存することなく、複屈折部材43の結晶光学軸となす角度θおよび通過距離Dに応じて、互いに同じ偏光変換作用を受ける。本実施形態では、複屈折部材43における角度θおよび距離Dは、円偏光状態で輪帯状の発散光束23が、図6に示すような直線偏光状態の発散光束24に変換されるように設定されている。
具体的に、複屈折部材43を経た発散光束24は、その断面の任意の位置において、光軸AXとその任意の位置とを結ぶ線分と45度をなす方向に偏光した直線偏光状態になる。図6では、光軸AXから径方向に延びる8本の線分を破線で示し、各破線状の線分に沿った3つの位置における光線の偏光方向を両方向矢印で示している。
第2コーンレンズ44は、複屈折部材43を経て入射する発散光束24を、光軸AXに沿って進む輪帯状の平行光束(不図示)に変換する。第2コーンレンズ44を経た輪帯状の平行光束は、図6に示すような直線偏光状態で旋光部材45に入射する。旋光部材45は、入射光の偏光方向を入射位置に依存することなく図6中時計廻りに45度だけ回転させるように、その厚さ(ひいては旋光度)が設定されている。その結果、図7に示すように、旋光部材45を経て偏光変換ユニット4から射出される輪帯状の平行光束25は、連続的な周方向偏光状態になる。
すなわち、偏光変換ユニット4から射出される輪帯状の平行光束25は、その断面の任意の位置において、光軸AXとその任意の位置とを結ぶ線分と直交する方向に偏光した直線偏光状態にある。別の表現をすれば、偏光変換ユニット4から射出される輪帯状の平行光束25は光軸AXに関して回転対称な直線偏光状態を有し、その偏光方向は光束25の断面の全体に亘ってサジタル方向である。
こうして、マイクロフライアイレンズ5の入射面には、連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布が形成される。その結果、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳にも、連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布(瞳強度分布)が形成される。さらに、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳の位置、すなわち結像光学系8の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASが配置されている位置)にも、連続的な周方向偏光状態で輪帯状の光強度分布が形成される。
一般に、周方向偏光状態の輪帯状や複数極状(2極状、4極状、8極状など)の瞳強度分布に基づく周方向偏光照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がs偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、s偏光とは、入射面に対して垂直な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に垂直な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。入射面とは、光が媒質の境界面(被照射面:ウェハWの表面)に達したときに、その点での境界面の法線と光の入射方向とを含む面として定義される。その結果、周方向偏光照明では、投影光学系の光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、ウェハ(感光性基板)上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。
以上のように、偏光変換ユニット4は、段差の無い簡素な構成の光学部材(41〜45)からなり、1/4波長板41と複屈折部材43と旋光部材45との協働作用により、入射光のX方向直線偏光状態を連続的な周方向偏光状態に変換する。すなわち、本実施形態の偏光変換ユニット4は、段差の無い簡素な構成の光学部材からなり、照明光学系(1〜8)の光路中に配置されて継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現することができる。
本実施形態の照明光学系(1〜8)では、継ぎ目の無い連続的な周方向偏光状態の瞳強度分布を実現する偏光変換ユニット4を用いて、所望の周方向偏光状態の光でマスクMのパターン面(被照射面)を照明することができる。本実施形態の露光装置(1〜WS)では、所望の周方向偏光状態の光でマスクMのパターン面を照明する照明光学系(1〜8)を用いて、転写すべきマスクMのパターンの特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで周方向偏光の作用効果を良好に発揮して、微細パターンをウェハWに正確に転写することができる。
図2に示す実施形態において、第1コーンレンズ42の入射面および射出面は、複屈折部材43へ向かう光を偏向させる光偏向面を構成している。第1コーンレンズ42に設けられた光偏向面は、通過する光線群に対して、光軸AXからの距離によらずにほぼ同量の偏向作用を与える。偏向作用が与えられた光線群が複屈折部材43を通過する距離は、互いにほぼ同じである。ほぼ同量の偏向作用が与えられて複屈折部材43内を進行する光線群の光軸AXとなす角度および通過距離は、円偏光の入射光が直線偏光の射出光に変換されるように設定されている。
なお、上述の実施形態では、図2に示す特定の構成を有する偏光変換ユニット4に基づいて本発明を説明している。しかしながら、これに限定されることなく、偏光変換ユニットの構成については、様々な形態が可能である。具体的に、偏光変換ユニットの配置位置、偏光変換ユニットの各構成部材の具体的な形状、複屈折部材の材質、旋光部材の材質などについては、様々な形態が可能である。
例えば、上述の実施形態では、第1コーンレンズ42が凹状の入射面と平面状の射出面とを有し、入射する平行光束を発散光束に変換している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば円錐凸面状の入射面と平面状の射出面とを有する第1コーンレンズを用いて入射する平行光束を収束光束に変換し、平面状の入射面と円錐凹面状の射出面とを有する第2コーンレンズを用いて入射する収束光束を平行光束に変換する構成も可能である。この場合、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳には、連続的な周方向偏光状態で円形状の瞳強度分布が形成される。
なお、このとき、第1コーンレンズとして平面状の入射面と円錐凸状の入射面とを備える構成であっても良く、第2コーンレンズとして円錐凹状の入射面と平面状の射出面とを備える構成であっても良い。また、第1コーンレンズとして、平面状の入射面と円錐凹状の射出面とを備える構成であっても良く、第2コーンレンズとして円錐凸状の入射面と平面状の射出面とを備える構成であっても良い。
また、上述の実施形態では、平行光束を発散光束に変換する第1コーンレンズ42、円偏光の入射光を直線偏光の射出光に変換する複屈折部材43、および発散光束を平行光束に変換する第2コーンレンズ44が、それぞれ個別の光学部材として配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図8に示すように、単体の複屈折部材46が図2の実施形態における第1コーンレンズ42の機能と複屈折部材43の機能と第2コーンレンズ44の機能とを担う構成も可能である。
図8の変形例にかかる偏光変換ユニット4Aでは、1/4波長板41と旋光部材45との間の光路中に複屈折部材46だけが配置されている。複屈折部材46は、例えばフッ化マグネシウムのような一軸性結晶材料により形成され、その結晶光学軸が光軸AXと平行に配置されている。複屈折部材46は、光軸AXを中心とする円錐面状に形成された屈折面からなる凸状の入射面と、この入射面と相補的な面形状に形成された射出面とを有する。すなわち、複屈折部材46の射出面は、光軸AXを中心とする円錐凹面状に形成された屈折面である。
図8の変形例では、複屈折部材46の入射面が、光軸AXに沿って入射する平行光束を発散光束に変換して複屈折部材46の内部へ導く。複屈折部材46の内部は、入射した円偏光状態で円形状の発散光束を直線偏光状態で輪帯状の発散光束に変換する。複屈折部材46の射出面は、輪帯状の発散光束を光軸AXに沿って進む輪帯状の平行光束に変換する。こうして、図8の変形例においても、図2の実施形態の場合と同様に、旋光部材45を経て偏光変換ユニット4Aから射出される輪帯状の平行光束は、連続的な周方向偏光状態になる。
図8の変形例において、複屈折部材46の入射面は、複屈折部材46の内部へ向かう光を偏向させる光偏向面を構成している。複屈折部材46の入射側に設けられた光偏向面は、通過する光線群に対して、光軸AXからの距離によらずにほぼ同量の偏向作用を与える。偏向作用が与えられた光線群が複屈折部材46を通過する距離は、互いにほぼ同じである。ほぼ同量の偏向作用が与えられて複屈折部材46内を進行する光線群の光軸AXとなす角度および通過距離は、円偏光の入射光が直線偏光の射出光に変換されるように設定されている。
なお、上述の変形例では、複屈折部材46が円錐凹面状の入射面と円錐凸面状の射出面とを有し、入射する平行光束を発散光束に変換した後に再び平行光束に変換している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば円錐凸面状の入射面と円錐凹面状の射出面とを有する複屈折部材を用いて、入射する平行光束を収束光束に変換した後に再び平行光束に変換する構成も可能である。
ところで、図2の実施形態では、複屈折部材43において光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が光軸AXとなす角度θが、互いに同じであるものとしている。しかしながら、実際には、図9に示すように、複屈折部材43を通過する実際の光束は、ある程度の開口数(NA)を有し、太い実線で示す光線よりも光軸AXとなす角度の絶対値が小さい光線(図9中破線で示す)、および太い実線で示す光線よりも光軸AXとなす角度の絶対値が大きい光線(図9中一点鎖線で示す)を含んでいる。
このように、複屈折部材43を通過する実際の光束には、複屈折部材43を通過する際の角度にばらつきがあり、角度の異なる光に対して異なる複屈折効果が作用してしまう。そこで、図10に示すように、発散光束が通過する複屈折部材43と収束光束(収斂光束)が通過する別の複屈折部材43aとを用いて、複屈折部材43,43aを通過する際の光線の角度のばらつきの影響を小さく抑えることもできる。
図10の変形例にかかる偏光変換ユニット4Bでは、図2の偏光変換ユニット4における第2コーンレンズ44と旋光部材45との間の光路中に、光の入射側から順に、第3コーンレンズ44a、別の複屈折部材43a、および第4コーンレンズ42aが配置されている。第3コーンレンズ44a、別の複屈折部材43a、および第4コーンレンズ42aは、第2コーンレンズ44、複屈折部材43、および第1コーンレンズ42を、光軸AXと直交するXY平面に関して対称的に配置して得られる構成を有する。
すなわち、第3コーンレンズ44aは第2コーンレンズ44とXY平面に関して対称な構成を有し、別の複屈折部材43aは複屈折部材43と同様の構成を有し、第4コーンレンズ42aは第1コーンレンズ42とXY平面に関して対称な構成を有する。図10の変形例では、X方向直線偏光状態で円形状の平行光束21(図3を参照)が、1/4波長板41を介して、その断面の全体に亘って円偏光状態で円形状の平行光束22(図4を参照)に変換され、第1コーンレンズ42に入射する。
第1コーンレンズ42を経て形成された発散光束は、複屈折部材43および第2コーンレンズ44を経て輪帯状の平行光束になる。第2コーンレンズ44を経た輪帯状の平行光束は、第3コーンレンズ44aを介して輪帯状の収束光束に変換される。第3コーンレンズ44aを経て形成された収束光束は、別の複屈折部材43aおよび第4コーンレンズ42aを経て円形状の平行光束になり、旋光部材45に入射する。
図10の変形例では、発散光束が1番目の複屈折部材43を通過し、この発散光束を逆進させた性状の収束光束が2番目の複屈折部材43aを通過する。したがって、1番目の複屈折部材43を通過する際に光軸AXとなす角度の絶対値が比較的小さい光線は、2番目の複屈折部材43aを通過する際に光軸AXとなす角度の絶対値が比較的大きくなる。逆に、1番目の複屈折部材43を通過する際に光軸AXとなす角度の絶対値が比較的大きい光線は、2番目の複屈折部材43aを通過する際に光軸AXとなす角度の絶対値が比較的小さくなる。
具体的に、偏光変換ユニット4Bでは、複屈折部材43aを通過する光線群は光軸AXを含む平面に沿って進む光線群の集合であり、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が光軸AX(ひいては複屈折部材43aの結晶光学軸)となす角度および複屈折部材43aを通過する距離は互いに同じである。また、光軸AXを含む平面に沿って複屈折部材43を通過する任意の光線群が光軸AXとなす角度と、光軸AXを含む平面に沿って別の複屈折部材43aを通過する任意の光線群が光軸AXとなす角度とは、等しい絶対値を有する。
さらに、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が複屈折部材43を通過する距離と、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が別の複屈折部材43aを通過する距離とは、互いに等しい。そして、複屈折部材43,43aにおける上記角度および上記距離は、円偏光状態で輪帯状の発散光束23(図5を参照)が、一対の複屈折部材43,43aを介して、直線偏光状態の収束光束(図6の発散光束24の直線偏光状態に対応)に変換されるように設定されている。
したがって、旋光部材45を経た円形状の平行光束は、連続的な周方向偏光状態(図7の平行光束25の周方向偏光状態に対応)になる。こうして、図10の変形例にかかる偏光変換ユニット4Bでは、複屈折部材43,43aを通過する際の光線の角度にばらつきがあっても、一対の複屈折部材43と43aとの協働作用により、全ての光線がほぼ均一な複屈折効果を受けることができる。なお、図10の構成では、発散光束が複屈折部材43を通過し且つ収束光束が別の複屈折部材43aを通過しているが、収束光束が複屈折部材43を通過し且つ発散光束が別の複屈折部材43aを通過するように構成することもできる。
図10の変形例において、第2コーンレンズ44の入射面および射出面、並びに第3コーンレンズ44aの入射面および射出面は、複屈折部材43を介した光を偏向させる別の光偏向面を構成している。第2コーンレンズ44および第3コーンレンズ44aに設けられた別の光偏向面は、通過する光線群に対して、光軸AXからの距離によらずにほぼ同量の偏向作用を与える。別の光偏向面によって偏向作用が与えられた光線群が別の複屈折部材43aを通過する距離は、互いにほぼ同じである。
同様に、図11に示すように、図8の変形例において発散光束が通過する複屈折部材46と、収束光束が通過する別の複屈折部材46aとを用いて、複屈折部材46,46aを通過する際の光線の角度のばらつきの影響を小さく抑えることもできる。図11の変形例にかかる偏光変換ユニット4Cでは、図8の偏光変換ユニット4Aにおける複屈折部材46と旋光部材45との間の光路中に、別の複屈折部材46aが配置されている。別の複屈折部材46aは、複屈折部材46を光軸AXと直交するXY平面に関して対称的に配置して得られる構成を有する。
偏光変換ユニット4Cでは、複屈折部材46aを通過する光線群は光軸AXを含む平面に沿って進む光線群の集合であり、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が光軸AX(ひいては複屈折部材46aの結晶光学軸)となす角度および複屈折部材46aを通過する距離は互いに同じである。また、光軸AXを含む平面に沿って複屈折部材46を通過する任意の光線群が光軸AXとなす角度と、光軸AXを含む平面に沿って別の複屈折部材46aを通過する任意の光線群が光軸AXとなす角度とは、等しい絶対値を有する。
さらに、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が複屈折部材46を通過する距離と、光軸AXを含む平面に沿って進む任意の光線群が別の複屈折部材46aを通過する距離とは、互いに等しい。そして、複屈折部材46,46aにおける上記角度および上記距離は、円偏光状態で円形状の発散光束が、一対の複屈折部材46,46aを介して、直線偏光状態で円形状の平行光束(図6の発散光束24の直線偏光状態に対応)に変換されるように設定されている。
こうして、図11の変形例にかかる偏光変換ユニット4Cでは、複屈折部材46,46aを通過する際の光線の角度にばらつきがあっても、一対の複屈折部材46と46aとの協働作用により、全ての光線がほぼ均一な複屈折効果を受けることができる。なお、図11の構成では、発散光束が複屈折部材46を通過し且つ収束光束が別の複屈折部材46aを通過しているが、収束光束が複屈折部材46を通過し且つ発散光束が別の複屈折部材46aを通過するように構成することもできる。
図11の変形例において、別の複屈折部材46aの入射面は、複屈折部材46を介した光を偏向させる別の光偏向面を構成している。別の複屈折部材46の入射側に設けられた別の光偏向面は、通過する光線群に対して、光軸AXからの距離によらずにほぼ同量の偏向作用を与える。別の光偏向面によって偏向作用が与えられた光線群が別の複屈折部材46aを通過する距離は、互いにほぼ同じである。
次に、偏光変換ユニットへの入射光束の開き角(ひいては入射光束の開口数)がある程度大きくなっても(例えば開き角が±5度程度になっても)、偏光変換ユニットへ平行光束が入射する場合とほぼ同じ所望の偏光状態(すなわち連続的な周方向偏光状態)の射出光束を得ることのできる構成について説明する。ここで、入射光束の開き角とは、光軸と平行に偏光変換ユニットへ入射する光線と、光軸に対して傾いて偏光変換ユニットへ入射する光線との間の角度の最大値である。
図12の変形例にかかる偏光変換ユニット4Dは、図10の変形例にかかる偏光変換ユニット4Bに調整部材47を付設した構成を有する。調整部材47は、第4コーンレンズ42aと旋光部材45との間の光路中に配置された調整用の旋光部材471と、旋光部材471と旋光部材45との間の光路中に配置された調整用の複屈折部材472とを備えている。旋光部材471は、旋光部材45と同様に、例えば水晶のような旋光性の光学材料により形成された平行平面板の形態を有し、入射面(ひいては射出面)が光軸AXと直交するように配置されている。
ただし、旋光部材471は、旋光部材45とは異なり、入射する直線偏光の光の偏光方向を光軸AXと平行な軸線廻りに90度だけ回転させるように、その厚さ(ひいては旋光度)が設定されている。換言すると、旋光部材471は、入射光の偏光方向を入射位置に依存することなく90度だけ回転させて射出する。複屈折部材472は、複屈折部材43,43aと同様に、例えばフッ化マグネシウムのような一軸性結晶材料により形成された平行平面板の形態を有し、その結晶光学軸が光軸AXと平行に配置され、入射面(ひいては射出面)が光軸AXと直交するように配置されている。
偏光変換ユニット4Dでは、偏光変換ユニット4Bの場合と同様に、第4コーンレンズ42aを経たほぼ平行光束(以下、単に「光束」という)26は、その断面が円形状であって、図13に示すような直線偏光状態(図6の直線偏光状態に対応)を有する。調整用の旋光部材471は、第4コーンレンズ42aからの入射光の偏光方向を入射位置に依存することなく90度だけ回転させる。その結果、旋光部材471を経た円形状の光束27は、図14に示すような直線偏光状態に変換される。
調整用の複屈折部材472は、旋光部材471との協働作用により、複屈折部材43の任意の1点に入射した各光線が偏光変換ユニット4Dから射出されるときの偏光状態を、複屈折部材43,43aを通過する際の角度に依存することなく互いにほぼ一致させる。換言すれば、旋光部材471と複屈折部材472とからなる調整部材47は、複屈折部材43の任意の1点に入射した各光線に対して3つの複屈折部材43と43aと472とにより付与される位相差を、通過角度に依存することなく互いにほぼ一致させる。
こうして、調整部材47および旋光部材45を経て変換ユニット4Dから射出される円形状の光束28は、図15に示すように連続的な周方向偏光状態(図7の周方向偏光状態に対応)になる。図12の変形例では、調整部材47の作用により、偏光変換ユニット4Dへの入射光束の開き角がある程度大きくなっても、複屈折部材43の任意の1点に入射して偏光変換ユニット4Dから射出されるときの各光線の偏光状態が互いにほぼ一致するように調整されるため、偏光変換ユニット4Dへ平行光束が入射する場合とほぼ同じ所望の周方向偏光状態の射出光束が得られる。
以下、調整部材47を構成する旋光部材471と複屈折部材472との協働作用、ひいては図12の変形例における作用原理を説明する。複屈折部材43,43a,472を形成するフッ化マグネシウムのような一軸性結晶材料では、光線の通過方向と屈折率との関係が図16のように表記される。図16において、結晶光学軸の方向と平行なz方向に光が通過する際には、偏光方向による屈折率の差は発生しない。しかしながら、結晶光学軸の方向と非平行な方向、例えばx方向やy方向に光が通過する際には、電場の振動方向(すなわち偏光方向)による屈折率の差が発生する。
すなわち、結晶光学軸の方向と非平行な方向に光が通過する際には、振動方向が結晶光学軸の方向に垂直な常光線の屈折率noと振動方向が結晶光学軸の方向に平行な異常光線の屈折率neとは互いに異なるものになる。常光線の屈折率noは進行する方位に依存することなく不変であるが、異常光線の屈折率neは進行する方位に依存して変化する。したがって、図16において、各方位に対応して分布する屈折率noの集合は球体の表面を描き、各方位に対応して分布する屈折率neの集合は楕円体の表面を描く。
複屈折部材43では、図17(a)に示すように、その結晶光学軸の方向(光軸AXの方向)に対して傾いた方向に光線が通過する。図17(a)において、実線の矢印で示す光線51は光軸AXと平行に偏光変換ユニット4Dに入射した光線であり、点線の矢印で示す光線52および破線の矢印で示す光線53は光軸AXに対して傾いて偏光変換ユニット4Dに入射した光線である。このとき、複屈折部材43は、通過する各光線51〜53に対して、メリジオナル方向の振動成分とサジタル方向の振動成分との間に位相差を付与する。
複屈折部材43が光線51〜53に付与する位相差は、図17(b)に示すように、複屈折部材43への光線51〜53の入射角に依存して変化する。図17(b)では、光線51,52,53に付与される位相差を、参照符号51a,52a,53aで示している。図17(b)を参照すると、複屈折部材43への光線の入射角の絶対値が大きくなるにつれて、付与される位相差が大きくなることがわかる。複屈折部材43への光線の入射角と当該光線に付与される位相差との関係を示す曲線50aは、正弦波で表される。ただし、入射角の絶対値がある程度小さい範囲では、曲線50aが2次曲線で良好に近似される。
別の複屈折部材43aにおいても、図18(a)に示すように、その結晶光学軸の方向に対して傾いた方向に光線51〜53が通過する。ここで、複屈折部材43への入射角が最も大きい光線52の複屈折部材43aへの入射角が最も小さく、複屈折部材43への入射角が最も小さい光線53の複屈折部材43aへの入射角が最も大きい。したがって、図18(b)に示すように、複屈折部材43aが光線52に付与する位相差52bが最も大きく、複屈折部材43aが光線53に付与する位相差53bが最も小さい。
ここで、複屈折部材43が光線51〜53に付与する位相差51a〜53aと、複屈折部材43aが光線51〜53に付与する位相差51b〜53bとは、互いに同じ符号になる。光線51の複屈折部材43への入射角と光線51の複屈折部材43aへの入射角とは、その絶対値が等しい。光線52および53の複屈折部材43への入射角と光線53および52の複屈折部材43aへの入射角とは、その絶対値がほぼ等しい。こうして、図10の変形例に際して説明したように、複屈折部材43aの作用により、複屈折部材43が光線51〜53に付与する位相差51a〜53aのばらつきの1次成分が打ち消される。
その結果、調整部材47中の旋光部材471には、複屈折部材43が付与する位相差51a〜53aのばらつきの1次成分が補正されているが2次成分が補正されていない光線51〜53が入射する。具体的に、旋光部材471に入射する光線51,52,53は、図19(a)に示すように、複屈折部材43および43aにより付与された位相差51c(51a+51b),52c(52a+52b),53c(53a+53b)を有する。
図19(a)を参照すると、1次成分の補正により位相差52cと53cとはほぼ等しいが、2次成分が補正されていない分だけ位相差51cとは異なることがわかる。旋光部材471を経た光線51〜53は、図19(b)に示すように、位相差51c,52c,53cの符号を反転させて得られる位相差51d,52d,53dを有する。これは、入射する直線偏光の光の偏光方向を光軸AXと平行な軸線廻りに90度だけ回転させる旋光部材471の作用により、メリジオナル方向とサジタル方向とが逆転するからである。以下に述べるように、旋光部材471による位相差の符号の反転は、複屈折部材472による2次成分の補正のために必要である。
調整部材47中の複屈折部材472では、図20(a)に示すように、その結晶光学軸の方向と平行に光線51が通過し、結晶光学軸の方向に対して傾いた方向に光線52および53が通過する。光線52の複屈折部材472への入射角と光線53の複屈折部材472への入射角とは、その絶対値がほぼ等しい。したがって、複屈折部材472を斜めに通過する光線52,53には、図20(b)に示すような位相差52e,53eが付与される。具体的に、複屈折部材472の結晶光学軸の方向と平行な方向に通過する光線51には位相差が付与されることなく、結晶光学軸の方向に対して傾いた方向に通過する光線52,53には互いにほぼ同じ位相差52e,53eが付与される。
複屈折部材472を通過する光線に付与される位相差は、複屈折部材472への入射角度の大きさおよび複屈折部材472の厚さ(光軸AX方向の寸法)に依存する。こうして、厚さが適宜選択された複屈折部材472の作用により、複屈折部材43が付与する位相差51a〜53aのばらつきの2次成分だけを補正することができ、ひいては複屈折部材472を経た光線51〜53の位相差をほぼ一致させることができる。
以上のように、図12の変形例では、調整部材47が、光軸AXに対して傾いて偏光変換ユニット4Dに入射して複屈折部材43の任意の1点に入射した光線52,53が偏光変換ユニット4Dから射出されるときの第1の偏光状態を、光軸AXと平行に偏光変換ユニット4Dに入射して複屈折部材43の上記任意の1点に入射した光線51が偏光変換ユニット4Dから射出されるときの第2の偏光状態に近づけ、ひいては複屈折部材43の任意の1点に入射して偏光変換ユニット4Dから射出されるときの各光線の偏光状態が互いにほぼ一致するように調整している。
換言すれば、調整部材47は、複屈折部材43と43aと472とにより光線52,53に付与される第1の位相差を、複屈折部材43と43aと472とにより光線51に付与される第2の位相差に近づけ、ひいては複屈折部材43の任意の1点に入射して偏光変換ユニット4Dから射出されるときの各光線の位相差が互いにほぼ一致するように調整している。ここで、第1の偏光状態(位相差)を第2の偏光状態(位相差)に近づけるとは、近づけられた後の偏光状態(位相差)が、第1の偏光状態(位相差)を基準として第2の偏光状態(位相差)の側に変化されていることを指す。
その結果、図12の変形例では、調整部材47の作用により、偏光変換ユニット4Dへの入射光束の開き角がある程度大きくなっても、複屈折部材43の任意の1点に入射して偏光変換ユニット4Dから射出されるときの各光線の偏光状態が、複屈折部材43を通過する際の角度に依存することなく互いにほぼ一致するように調整される。こうして、図12の変形例にかかる偏光変換ユニット4Dでは、開き角がある程度大きい非平行光束が入射しても、平行光束が入射する場合とほぼ同じ所望の周方向偏光状態の射出光束が得られる。
なお、図12の変形例では、第4コーンレンズ42aと旋光部材45との間の平行光束の光路中に調整部材47を配置している。しかしながら、これに限定されることなく、図21に示すように、1/4波長板41と第1コーンレンズ42との間の平行光束の光路中に調整部材47Aを配置する構成も可能である。図21の変形例にかかる偏光変換ユニット4Eでは、調整用の旋光部材471を調整用の複屈折部材472の射出側に配置することにより調整部材47Aを構成している。図21の変形例においても、図12の変形例と同様の効果が得られる。
また、図22に示すように、第2コーンレンズ44と第3コーンレンズ44aとの間の平行光束の光路中に調整部材47Bを配置する構成も可能である。図22の変形例にかかる偏光変換ユニット4Fでは、調整用の旋光部材471と同じ構成を有する所要の厚さの一対の調整用旋光部材471aと471bとの間に調整用の複屈折部材472を配置することにより調整部材47Bを構成している。図22の変形例においても、図12の変形例と同様の効果が得られる。
なお、上述の図12、図21および図22の変形例では、図10の変形例にかかる偏光変換ユニット4Bに調整部材47、47Aおよび47Bをそれぞれ付設している。しかしながら、これに限定されることなく、図11の変形例にかかる偏光変換ユニット4Cに調整部材を付設する構成も可能である。具体的に、図23に示す変形例にかかる偏光変換ユニット4Gでは、複屈折部材46aと旋光部材45との間の平行光束の光路中に調整部材47を配置している。
図24に示す変形例にかかる偏光変換ユニット4Hでは、1/4波長板41と複屈折部材46との間の平行光束の光路中に調整部材47Aを配置している。図25に示す変形例にかかる偏光変換ユニット4Jでは、複屈折部材46と46aとの間の平行光束の光路中に調整部材47Bを配置している。図23〜図25の各変形例においても、図12の変形例と同様の効果が得られる。
上述の実施形態では、コーンレンズ42,44の入射面または射出面が1つの円錐面により規定される屈折面を有する。しかしながら、これに限定されることなく、コーンレンズ42,44に代えて、図26(c),(d)に示すような薄肉化(フレネルレンズ化)されたレンズ、すなわち入射面または射出面が複数の円錐面により規定される屈折面を有するレンズ421,441を用いることもできる。
図26(a),(b)は、図2に示したコーンレンズ42,44をそれぞれ示している。図26(c),(d)に示したフレネル化コーンレンズ421,441は、コーンレンズ42,44を光軸AXと直交する仮想的な面420で仮想的に分割して得られる複数の円錐面を、光軸AXと直交する1つの平面に沿って配置した形状を有している。ここで、コーンレンズ421,441は、光軸AX上に配置される円錐屈折面421a,441aと、光軸AX方向から見て輪帯状である複数の部分円錐屈折面421b〜421f,441b〜441fとを備えている。これら複数の部分円錐屈折面421b〜421f,441b〜441fは、光軸AX方向から見て光軸AXを中心として同心円状となるように位置決めされている。
また、上述の実施形態では、第1コーンレンズ42を用いて、入射する平行光束を発散光束に変換している。しかしながら、これに限定されることなく、入射する平行光束を発散光束(または収束光束)に変換する光束変換部材として、回折光学素子を用いることもできる。この場合の回折光学素子としては、たとえば光軸AXを中心とする同心円状の凹凸パターン(位相パターン)を持っていても良い。
また、上述の実施形態では、1/4波長板41を用いて複屈折部材43,46へ円偏光を入射させている。しかしながら、偏光変換ユニット4に円偏光を入射させることが可能であれば、1/4波長板41を省く構成も可能である。たとえば偏光状態切換部1の1/2波長板1bを照明光路から挿脱可能な構成とし、偏光変換ユニット4に円偏光を供給する際に1/2波長板1bを照明光路外へ位置させてもよい。また、偏光状態切換部1の1/2波長板1bの射出側(偏光状態切換部1と偏光変換ユニット4との間の照明光路中)に、照明光路に対して挿脱可能な1/4波長板を設けてもよい。この場合、偏光変換ユニット4に円偏光を供給する際に、偏光状態切換部1の1/2波長板1bの射出側(偏光状態切換部1と偏光変換ユニット4との間の照明光路中)に、その1/4波長板を位置決めすればよい。
また、上述の実施形態では、複屈折部材43,46がフッ化マグネシウムにより形成されている。しかしながら、これに限定されることなく、他の適当な一軸性結晶材料により複屈折部材を形成することもできる。このとき、旋光性を有する一軸性結晶材料、たとえば結晶水晶を複屈折部材43,46として用いる際には、右水晶と左水晶とを光軸方向に積層した形態で用いることができる。
また、上述の実施形態では、旋光部材45が水晶により形成されている。しかしながら、これに限定されることなく、旋光性を有する他の適当な光学材料を用いて旋光部材を形成することもできる。
また、上述の実施形態では、旋光部材45が複屈折部材43,46の直後に配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、旋光部材45は、複屈折部材43,46の射出側の照明光路であって複屈折部材43,46の射出側近傍の位置と光学的に共役な位置に配置することができる。
なお、上述の実施形態では、たとえば図27(a)に示すように、1/4波長板41、複屈折部材43,43a、46a,472、旋光部材45,471,471a,471bが、それらの光入射面の領域が入射光21,23,26,27の光路を包含するように、1つの光学部材の形態としている。言い換えると、1つの1/4波長板、1つの複屈折部材、或いは1つの旋光部材の入射面のみに入射光を導いている。しかしながら、1/4波長板、複屈折部材、または旋光部材は、図27(b)に示すように、光軸AXを横切る面(たとえばXY平面)に沿って配置される複数の光学部材410a〜410dとしてもよい。なお、図27(b)に示した例では、複数の光学部材410a〜410dを、光軸AXを横切る面内においてY方向に2列、X方向に2行の2×2の配置としたが、これは1×3であっても、3×3であってもよい。この図27(b)に示した変形例においては、複数の光学部材のそれぞれの入射面を共通の平面に位置決めしてもよい。この場合、複数の光学部材の組品における段差(図中Z方向の差)を無視し得るので、瞳強度分布の周方向偏光状態の継ぎ目を実質的に無くすことができる。ここで、複数の光学部材のそれぞれの射出面も共通の平面に位置決めしてもよい。
なお、上述の説明では、照明瞳に輪帯状の瞳強度分布が形成される変形照明、すなわち輪帯照明を例にとって、本発明の作用効果を説明している。しかしながら、輪帯照明に限定されることなく、例えば複数極状の瞳強度分布が形成される複数極照明などに対しても、同様に本発明を適用して同様の作用効果を得ることができることは明らかである。
具体的には、回折光学素子2に代えて、複数極照明(2極照明、4極照明、8極照明など)用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、複数極照明を行うことができる。複数極照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに複数極状(2極状、4極状、8極状など)の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、複数極照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ5の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした複数の所定形状(円弧状、円形状など)の照野からなる複数極状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ複数極状の二次光源が形成される。
また、回折光学素子2に代えて、輪帯照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、輪帯比の比較的大きい輪帯照明を行うことができる。輪帯照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに輪帯状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、輪帯照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ5の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした輪帯比の比較的大きい輪帯状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ輪帯比の比較的大きい輪帯状の二次光源が形成される。また、回折光学素子2に代えて、適当な特性を有する回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な形態の変形照明を行うことができる。回折光学素子2の切り換え方式として、たとえば周知のターレット方式やスライド方式などを用いることができる。
また、上述の実施形態では、偏光変換ユニット4をオプティカルインテグレータとみなすことのできるマイクロフライアイレンズ5の入射側の照明瞳面に配置している。しかしながら、たとえば米国特許出願公開第2006/0170901号公報の図16に示すように輪帯比を変更する光学系(円錐アキシコン系8)の近傍の照明瞳面や、当該公報の図18に示すようにオプティカルインテグレータ11よりも被照射面側の照明瞳面であるマスクブラインド結像光学系15の瞳面近傍に、偏光変換ユニット4を配置しても良い。
また、偏光変換ユニット4は照明光路に対して挿脱可能であっても良く、別の特性を有する偏光変換ユニットと交換可能であっても良い。ここで、別の特性を有する偏光変換ユニットとして、たとえば米国特許出願公開第2006/0170901号公報に開示される偏光変換ユニットや、米国特許公開第2006/0203214号に開示される偏光変換ユニットを用いてもよい。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図28は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図28に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板としてパターンの転写を行う。
図29は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図29に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルター形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルター形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルターを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルターとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルターとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンフレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態において、回折光学素子2に代えて、レンズアレイを用いても良い。また、回折光学素子2に代えて、或いは回折光学素子2に加えて、たとえばアレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小な要素ミラーにより構成されて入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換する空間光変調素子を用いても良い。このような空間光変調素子を用いた照明光学系は、例えば米国特許公開第2009/0073411号、第2009/0091730号、第2009/0097094号、第2009/0097007号、第2009/0109417号、および第2009/0128886号に開示されている。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(またはウェハ)を照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(またはウェハ)以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
1 偏光状態切換部
2 回折光学素子
3 リレー光学系
4,4A 偏光変換ユニット
41 1/4波長板
42,44 コーンレンズ
43,46 複屈折部材
45 旋光部材
5 マイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)
6 コンデンサー光学系
7 マスクブラインド
8 結像光学系
LS 光源
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ

Claims (67)

  1. 入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
    一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材を備え、
    前記複屈折部材を通過する光線群のうちの任意の光線群は前記光軸を含む平面に沿って進み、前記平面に沿って進む前記任意の光線群が前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離は互いに同じであることを特徴とする偏光変換ユニット。
  2. 前記複屈折部材は前記光軸を横切る面内に配置される1つの光学部材であり、
    1つの前記複屈折部材の入射面は前記入射光の光路を包含していることを特徴とする請求項1に記載の偏光変換ユニット。
  3. 前記複屈折部材の前記角度および前記距離は、円偏光の入射光が直線偏光の射出光に変換されるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光変換ユニット。
  4. 前記偏光変換ユニットから射出される光束は、その断面の任意の位置において前記光軸と前記任意の位置とを結ぶ線分と直交する方向に偏光した直線偏光状態にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  5. 前記複屈折部材は、平行平面板の形態を有し、
    前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材へ導く第1変換部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  6. 前記第1変換部材は、入射する直線偏光の光を円偏光の光に変換する第1偏光状態変換部材と、入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換する第1光束変換部材とを有することを特徴とする請求項5に記載の偏光変換ユニット。
  7. 前記第1偏光状態変換部材は、1/4波長板を有することを特徴とする請求項6に記載の偏光変換ユニット。
  8. 前記第1光束変換部材は、入射面および射出面のうちの少なくとも一方が前記光軸を中心とする円錐面状に形成された屈折面を有することを特徴とする請求項6または7に記載の偏光変換ユニット。
  9. 前記複屈折部材を経て入射する第1の直線偏光の発散光束または収束光束を、前記光軸に沿って進む第2の直線偏光の平行光束に変換する第2変換部材を備えていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  10. 前記第2変換部材は、入射する発散光束または収束光束を平行光束に変換する第2光束変換部材と、入射する前記第1の直線偏光の光を前記第2の直線偏光の光に変換する第2偏光状態変換部材とを有することを特徴とする請求項9に記載の偏光変換ユニット。
  11. 前記第2光束変換部材は、入射面および射出面のうちの少なくとも一方が前記光軸を中心とする円錐面状に形成された屈折面を有することを特徴とする請求項10に記載の偏光変換ユニット。
  12. 前記第2光束変換部材からの光束を、収束光束または発散光束に変換する第3光束変換部材と、該第3光束変換部材からの前記収束光束または前記発散光束の光路中に配置される別の複屈折部材と、該別の複屈折部材を経て入射する前記収束光束または前記発散光束を平行光束に変換する第4光束変換部材とを備え、
    前記別の複屈折部材を通過する光線群のうちの任意の光線群は前記光軸を含む平面に沿って進み、前記平面に沿って進む前記任意の光線群が前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離は互いに同じであり、
    前記第2偏光状態変換部材は、前記第4光束変換部材を経た光束の光路に配置されることを特徴とする請求項10または11に記載の偏光変換ユニット。
  13. 前記光軸を含む平面に沿って前記複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記光軸となす角度と、前記光軸を含む平面に沿って前記別の複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記光軸となす角度とは、等しい絶対値を持ち、
    前記光軸を含む平面に沿って前記複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記複屈折部材を通過する距離と、前記光軸を含む平面に沿って前記別の複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記複屈折部材を通過する距離とは等しいことを特徴とする請求項12に記載の偏光変換ユニット。
  14. 前記第2偏光状態変換部材は、旋光性の光学材料により形成されて平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  15. 前記光軸に対して傾いて前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の任意の1点に入射した第1の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第1の偏光状態を、前記光軸と平行に前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の前記任意の1点に入射した第2の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第2の偏光状態に近づけるための調整部材を備えていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  16. 前記調整部材は、前記複屈折部材と前記別の複屈折部材と前記調整部材とにより前記第1の光に付与される第1の位相差を、前記複屈折部材と前記別の複屈折部材と前記調整部材とにより前記第2の光に付与される第2の位相差に近づけることを特徴とする請求項15に記載の偏光変換ユニット。
  17. 前記調整部材は、入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の偏光状態変換部材と、一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された調整用の複屈折部材とを備えていることを特徴とする請求項15または16に記載の偏光変換ユニット。
  18. 前記調整用の複屈折部材は、前記光軸と直交する入射面を有する平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項17に記載の偏光変換ユニット。
  19. 前記調整用の偏光状態変換部材は、旋光性の光学材料により形成されて平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項17または18に記載の偏光変換ユニット。
  20. 前記調整部材は、前記第4光束変換部材と前記第2偏光状態変換部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  21. 前記調整用の偏光状態変換部材は、前記調整用の複屈折部材の入射側に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の偏光変換ユニット。
  22. 前記調整部材は、前記第1偏光状態変換部材と前記第1光束変換部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  23. 前記調整用の偏光状態変換部材は、前記調整用の複屈折部材の射出側に配置されていることを特徴とする請求項22に記載の偏光変換ユニット。
  24. 前記調整部材は、前記第2光束変換部材と前記第3光束変換部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  25. 前記調整部材は、入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の前側偏光状態変換部材と、該調整用の前側偏光状態変換部材の射出側に配置されて入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の後側偏光状態変換部材と、前記調整用の前側偏光状態変換部材と前記調整用の後側偏光状態変換部材との間の光路中に配置された前記調整用の複屈折部材とを有することを特徴とする請求項24に記載の偏光変換ユニット。
  26. 前記複屈折部材は、前記光軸を中心とする円錐面状に形成された屈折面を有する入射面と、該入射面と相補的な面形状に形成された射出面とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  27. 入射する直線偏光の光を円偏光の光に変換して前記複屈折部材へ導く第3偏光状態変換部材を備えていることを特徴とする請求項26に記載の偏光変換ユニット。
  28. 前記第3偏光状態変換部材は、1/4波長板を有することを特徴とする請求項27に記載の偏光変換ユニット。
  29. 前記複屈折部材を経て入射する第3の直線偏光の光を第4の直線偏光の光に変換する第4偏光状態変換部材を備えていることを特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  30. 前記複屈折部材を経た光束の光路に配置されて、前記光軸を中心とする円錐面状に形成された屈折面を有する入射面と、該入射面と相補的な面形状に形成された射出面とを有する別の複屈折部材を有し、
    前記第4偏光状態変換部材は、前記別の複屈折部材を経た光束の光路に配置されることを特徴とする請求項27乃至29のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  31. 前記光軸を含む平面に沿って前記複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記光軸となす角度と、前記光軸を含む平面に沿って前記別の複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記光軸となす角度とは、等しい絶対値を持ち、
    前記光軸を含む平面に沿って前記複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記複屈折部材を通過する距離と、前記光軸を含む平面に沿って前記別の複屈折部材を通過する前記任意の光線群が前記複屈折部材を通過する距離とは等しいことを特徴とする請求項30に記載の偏光変換ユニット。
  32. 前記第4偏光状態変換部材は、旋光性の光学材料により形成されて平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項29乃至31のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  33. 前記光軸に対して傾いて前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の任意の1点に入射した第1の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第1の偏光状態を、前記光軸と平行に前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の前記任意の1点に入射した第2の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第2の偏光状態に近づけるための調整部材を備えていることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  34. 前記調整部材は、前記複屈折部材と前記別の複屈折部材と前記調整部材とにより前記第1の光に付与される第1の位相差を、前記複屈折部材と前記別の複屈折部材と前記調整部材とにより前記第2の光に付与される第2の位相差に近づけることを特徴とする請求項33に記載の偏光変換ユニット。
  35. 前記調整部材は、入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の偏光状態変換部材と、一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された調整用の複屈折部材とを備えていることを特徴とする請求項33または34に記載の偏光変換ユニット。
  36. 前記調整用の複屈折部材は、前記光軸と直交する入射面を有する平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項35に記載の偏光変換ユニット。
  37. 前記調整用の偏光状態変換部材は、旋光性の光学材料により形成されて平行平面板の形態を有することを特徴とする請求項35または36に記載の偏光変換ユニット。
  38. 前記調整部材は、前記別の複屈折部材と前記第4偏光状態変換部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項35乃至37のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  39. 前記調整用の偏光状態変換部材は、前記調整用の複屈折部材の入射側に配置されていることを特徴とする請求項38に記載の偏光変換ユニット。
  40. 前記調整部材は、前記第3偏光状態変換部材と前記複屈折部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項35乃至37のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  41. 前記調整用の偏光状態変換部材は、前記調整用の複屈折部材の射出側に配置されていることを特徴とする請求項40に記載の偏光変換ユニット。
  42. 前記調整部材は、前記複屈折部材と前記別の複屈折部材との間の平行光束の光路中に配置されていることを特徴とする請求項35乃至37のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  43. 前記調整部材は、入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の前側偏光状態変換部材と、該調整用の前側偏光状態変換部材の射出側に配置されて入射する直線偏光の偏光方向を前記光軸と平行な軸線廻りに90度回転させて射出する調整用の後側偏光状態変換部材と、前記調整用の前側偏光状態変換部材と前記調整用の後側偏光状態変換部材との間の光路中に配置された前記調整用の複屈折部材とを有することを特徴とする請求項42に記載の偏光変換ユニット。
  44. 入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
    一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材と、
    前記複屈折部材を通過する光線群のうち前記光軸を含む平面に沿って進む光線群を、前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離が互いに同じであるように変換する変換手段とを備えていることを特徴とする偏光変換ユニット。
  45. 前記複屈折部材は前記光軸を横切る面内に配置される1つの光学部材であり、
    1つの前記複屈折部材の入射面は前記入射光の光路を包含していることを特徴とする請求項44に記載の偏光変換ユニット。
  46. 前記変換手段は、前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材へ導く第1変換部材を備え、
    前記複屈折部材は平行平面板状の形態を有していることを特徴とする請求項45に記載の偏光変換ユニット。
  47. 前記変換手段は、前記複屈折部材の入射面に設けられて前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材の内部へ導くことを特徴とする請求項44に記載の偏光変換ユニット。
  48. 入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換ユニットにおいて、
    一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材と、
    前記複屈折部材へ向かう光を偏向させる光偏向面とを備え、
    前記光偏向面は、前記光偏向面を通過する光線群に対して、前記光軸からの距離によらずに同量の偏向作用を与え、
    前記偏向作用が与えられた光線群が前記複屈折部材を通過する距離は互いに同じであることを特徴とする偏光変換ユニット。
  49. 前記複屈折部材は前記光軸を横切る面内に配置される1つの光学部材であり、
    1つの前記複屈折部材の入射面は前記入射光の光路を包含していることを特徴とする請求項48に記載の偏光変換ユニット。
  50. 前記光偏向面によって前記同量の偏向作用が与えられて前記複屈折部材内を進行する光線群の前記光軸となす角度および前記距離は、円偏光の入射光が直線偏光の射出光に変換されるように設定されていることを特徴とする請求項48に記載の偏光変換ユニット。
  51. 前記偏光変換ユニットから射出される光束は、その断面の任意の位置において前記光軸と前記任意の位置とを結ぶ線分と直交する方向に偏光した直線偏光状態にあることを特徴とする請求項48乃至50のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  52. 前記複屈折部材は、平行平面板の形態を有し、
    前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材へ導く第1変換部材を備え、
    前記光偏向面は前記第1変換部材に設けられていることを特徴とする請求項48乃至51のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  53. 前記第1変換部材は、入射する直線偏光の光を円偏光の光に変換する第1偏光状態変換部材と、入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換する第1光束変換部材とを有し、
    前記光偏向面は前記第1光束変換部材に設けられていることを特徴とする請求項52に記載の偏光変換ユニット。
  54. 前記複屈折部材を介した光を偏向させる別の光偏向面と、
    一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された別の複屈折部材とをさらに備え、
    前記別の光偏向面は、前記光偏向面を通過する光線群に対して、前記光軸からの距離によらずに同量の偏向作用を与え、
    前記別の光偏向面によって偏向作用が与えられた光線群が前記別の複屈折部材を通過する距離は互いに同じであることを特徴とする請求項48乃至53のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  55. 前記複屈折部材を経た発散光束または収束光束を、平行光束に変換する第2光束変換部材と、
    前記第2光束変換部材からの光束を、収束光束または発散光束に変換する第3光束変換部材と、
    前記別の複屈折部材を経て入射する前記第3光束変換部材からの収束光束または前記発散光束を平行光束に変換する第4光束変換部材とを備え、
    前記別の光偏向面は前記第2および第3光束変換部材に設けられていることを特徴とする請求項54に記載の偏光変換ユニット。
  56. 前記光軸に対して傾いて前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の任意の1点に入射した第1の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第1の偏光状態を、前記光軸と平行に前記偏光変換ユニットに入射して前記複屈折部材の前記任意の1点に入射した第2の光が前記偏光変換ユニットから射出されるときの第2の偏光状態に近づけるための調整部材を備えていることを特徴とする請求項54または55に記載の偏光変換ユニット。
  57. 前記複屈折部材は、前記光軸を中心とする円錐面状に形成された屈折面を有する入射面と、該入射面と相補的な面形状に形成された射出面とを有し、
    前記入射面は前記光偏向面を有することを特徴とする請求項48乃至51のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
  58. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    前記光源と前記被照射面との間の光路中に配置された請求項1乃至57のいずれか1項に記載の偏光変換ユニットを備えていることを特徴とする照明光学系。
  59. 波面分割型のオプティカルインテグレータを備え、
    前記偏光変換ユニットは、前記オプティカルインテグレータよりも前記光源側に配置されていることを特徴とする請求項58に記載の照明光学系。
  60. 所定のパターンを照明するための請求項58または59に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを介した光で感光性基板に露光することを特徴とする露光装置。
  61. 前記所定のパターンの像を前記感光性基板上に形成する投影光学系を備えていることを特徴とする請求項60に記載の露光装置。
  62. 入射光を所定の偏光状態の光に変換して射出する偏光変換方法において、
    一軸性結晶材料により形成され且つ結晶光学軸が光軸と平行に配置された複屈折部材に入射光を導くことと、
    前記複屈折部材を通過する光線群のうち前記光軸を含む平面に沿って進む光線群を、前記光軸となす角度および前記複屈折部材を通過する距離が互いに同じであるように変換することと、
    を含むことを特徴とする偏光変換方法。
  63. 前記複屈折部材は前記光軸を横切る面内に配置される1つの光学部材であり、
    前記複屈折部材に前記入射光を導くことでは、1つの前記複屈折部材の入射面に前記入射光を導くことを特徴とする請求項62に記載の偏光変換方法。
  64. 前記変換することでは、前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材へ導き、
    前記複屈折部材は平行平面板状の形態を有していることを特徴とする請求項62に記載の偏光変換方法。
  65. 前記変換することでは、前記複屈折部材の入射面の位置で、前記光軸に沿って入射する平行光束を発散光束または収束光束に変換して前記複屈折部材の内部へ導くことを特徴とする請求項62に記載の偏光変換方法。
  66. 光源からの光により被照射面に位置する所定のパターンを照明することと、
    前記所定のパターンを介した光で感光性基板を露光することと、
    を含み、
    前記照明することでは、請求項62乃至65のいずれか1項に記載の偏光変換方法を用いて前記光源からの光を変換することを特徴とする露光方法。
  67. 請求項66に記載の露光方法を用いて、露光パターンを前記感光性基板に露光することと、
    前記露光パターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記露光パターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014077405A1 (ja) * 2012-11-19 2014-05-22 株式会社ニコン 照明光学系及び照明方法、並びに露光方法及び装置

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