本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(タッチパネルの構造)
図1に基づき、第1の実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。本実施の形態におけるタッチパネルは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20を有している。尚、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20とは、ガラス基板や透明フィルム等の表面に形成されていてもよく、この場合においては、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20とが対向するように配置される。第1の抵抗膜10には、X軸方向の両端の一方にXH電極11、他方にXL電極12がY軸方向に沿って形成されている。また、第2の抵抗膜20には、Y軸方向の両端の一方にYH電極21、他方にYL電極22がX軸方向に沿って形成されている。
XH電極11は、第1の電極となるものであり、電源電位Vccに接続されたトランジスタからなるスイッチSW1と、Vccに抵抗Rx1を介し接続されたトランジスタからなるスイッチSW2とに接続されており、また、接地電位に接続されているトランジスタからなるスイッチSW7に抵抗Rを介し接続されており、更には、制御部30内に設けられたAD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADX1に接続されている。
XL電極12は、第2の電極となるものであり、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW3に接続されており、また、AD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADX2に接続されている。
YH電極21は、第3の電極となるものであり、電源電位Vccに接続されたトランジスタからなるスイッチSW4と、Vccに抵抗Ry1を介し接続されたトランジスタからなるスイッチSW5とに接続されており、また、制御部30内に設けられたAD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADY1に接続されている。
YL電極22は、第4の電極となるものであり、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW6に接続されており、また、AD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADY2に接続されている。
尚、抵抗Rx1は、第1の抵抗となるものであり、抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値と略等しい値の抵抗値を有しており、抵抗Ry1は、第2の抵抗となるものであり、抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値と略等しい値の抵抗値を有している。
スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6及びSW7は、制御部30に設けられたSW1制御端子、SW2制御端子、SW3制御端子、SW4制御端子、SW5制御端子、SW6制御端子及びSW7制御端子に接続されている。
尚、制御部30内には、各種の情報を記憶することのできるメモリ32が設けられており、また、制御部30は、表示装置40に接続されている。
(位置検出方法)
次に、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法について説明する。本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は、図1に示す構成のタッチパネルにおける位置検出方法であり、図2に基づき説明する。尚、本実施の形態を説明する際に、例として、電源電圧Vccについては5Vと表現し、接地電位については0Vと表現する場合がある。
最初に、ステップ102(S102)において、第1のX方向電位検出を行なう。具体的には、図1に示されるタッチパネルにおいて、スイッチSW2及びSW3をONとし、これ以外のスイッチをOFF状態にして、電位検出部ADX1において電位を測定する。この状態では、XH電極11には抵抗Rx1を介しVccの電圧が印加され、XL電極12は接地されるため、第1の抵抗膜10においてX軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADX1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を情報として記憶する。尚、電位検出部ADX1において検出される電位は、第1の抵抗膜10においてXH電極11とXL電極12との間に形成される抵抗成分と、抵抗Rx1とにより分圧された値となる。また、ステップ102を第1の測定工程と称する場合がある。
次に、ステップ104(S104)において、第1のY方向電位検出を行なう。具体的には、図1に示されるタッチパネルにおいて、スイッチSW5及びSW6をONとし、これ以外のスイッチをOFFにして、電位検出部ADY1において電位を測定する。この状態では、YH電極21には抵抗Ry1を介しVccの電圧が印加され、YL電極22は接地されるため、第2の抵抗膜20においてY軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADY1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を情報として記憶する。尚、電位検出部ADY1において検出される電位は、第2の抵抗膜20においてYH電極21とYL電極22との間に形成される抵抗成分と、抵抗Ry1とにより分圧された値となる。また、ステップ104を第2の測定工程と称する場合がある。
次に、ステップ106(S106)において、接触点が1点であるか否かの判断を行なう。具体的には、ステップ102において電位検出部ADX1で測定した電位及びステップ104において電位検出部ADY1で測定した電位が、ともにVcc/2であるか否かを判断することにより、接触点が1点であるか2点であるかの判断を行なう。
より具体的に説明すると、ステップ102において、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20との接触点がA点の1点のみである場合、図3に示されるように、XH電極11とXL電極12との間における第1の抵抗膜10の抵抗値は、第1の抵抗膜10における抵抗成分R1と抵抗成分R2とが直列に接続されたものとなり、この直列に接続されたものの抵抗値は抵抗Rx1の値と略等しい。よって、電位検出部ADX1において検出される電位は、Vcc/2となる。
また、ステップ104において、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20との接触点がA点の1点のみである場合、図4に示されるように、YH電極21とYL電極22との間における第2の抵抗膜20の抵抗値は、第1の抵抗膜10における抵抗成分R3と抵抗成分R4とが直列に接続されたものとなり、この直列に接続されたものの抵抗値は抵抗Ry1の値と略等しい。よって、電位検出部ADY1において検出される電位は、Vcc/2となる。
一方、ステップ102において、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20との接触点がA点とB点の2点である場合、図5に示されるように、A点とB点の間における抵抗成分は、第1の抵抗膜10における抵抗成分R12と第2の抵抗膜20における抵抗成分R22が並列に接続されたものとなる。よって、XL電極12とB点との間は第1の抵抗膜10における抵抗成分R11、A点とB点との間は抵抗成分R12と抵抗成分R22とが並列に接続された抵抗成分、A点とXH電極11との間は第1の抵抗膜10における抵抗成分R13の合成抵抗となる。従って、抵抗成分R12と抵抗成分R22とが並列に接続された抵抗成分を含むため、この合成抵抗の値は、抵抗Rx1よりも低くなる。よって、電位検出部ADX1において検出される電位は、Vcc/2よりも低い電位となる。
また、ステップ104において、第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20との接触点がA点とB点の2点である場合、図6に示されるように、A点とB点の間における抵抗成分は、第1の抵抗膜10における抵抗成分R12と第2の抵抗膜20における抵抗成分R22が並列に接続されたものとなる。よって、YL電極22とA点との間は第2の抵抗膜20における抵抗成分R21、A点とB点との間は抵抗成分R12と抵抗成分R22とが並列に接続された抵抗成分、B点とYH電極21との間は第2の抵抗膜20における抵抗成分R23の合成抵抗となる。従って、抵抗成分R12と抵抗成分R22とが並列に接続された抵抗成分を含むため、この合成抵抗の値は、抵抗Ry1よりも低くなる。よって、電位検出部ADY1において検出される電位は、Vcc/2よりも低い電位となる。
以上により、ステップ102において電位検出部ADX1で測定した電位及びステップ104において電位検出部ADY1で測定した電位が、ともにVcc/2であるか否かを判断することにより、接触点が1点であるかまたは、2点であるかの判断を行なうことができる。
このことを裏付けるものとして、タッチパネルについて有限要素法により解析した結果を示す。具体的には、図7に示すように正方形の形状のタッチパネルを想定したものであり、X方向及びY方向に100分割したもののうち、押下点がX方向に5、20、35、50、65、80、95番目の位置(以下、これらの位置を5の位置、20の位置、35の位置、50の位置、65の位置、80の位置、95の位置と称する場合がある。)及び、Y方向に5、20、35、50、65、80、95番目の位置(以下、これらの位置を5の位置、20の位置、35の位置、50の位置、65の位置、80の位置、95の位置と称する場合がある。)である場合について解析したものである。尚、間隔または距離等については、各々の位置における値の差を用いて表現する場合がある。
図8は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、Y座標がともに同じ5の位置であって、X軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図8(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図8(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
また、図9は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、Y座標がともに同じ50の位置であって、X軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図9(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図9(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
また、図10は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、Y座標がともに同じ95の位置であって、X軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図10(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図10(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図8から図10に示されるように、2点の接触位置のY座標がともに同じ位置である場合、電位検出部ADX1において検出される電位は、印加される電圧の5Vの半分以下の電位となり、また、2点間の距離が離れるに伴い、電位検出部ADX1において検出される電位は低下する。即ち、電圧が印加されている方向に対し平行方向において接触点である2点間の距離が離れると、電位検出部ADX1において検出される電位は低下するのである。このことは、Y軸方向に電圧を印加した場合も同様であり、この場合、電位検出部ADY1において検出される電位は低下する。
図11は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、X座標がともに同じ5の位置であって、Y軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図11(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図11(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図12は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、X座標がともに同じ50の位置であって、Y軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図12(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図12(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図13は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置が、X座標がともに同じ95の位置であって、Y軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図13(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図13(b)は、2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図11から図13に示されるように、2点の接触位置のX座標がともに同じ位置である場合、電位検出部ADX1において検出される電位は、印加された電圧の5Vの半分の電位となり、2点間の距離に依存することなく一定のままである。即ち、電圧が印加されている方向に対し垂直方向において接触点である2点間の距離が離れても、電位検出部ADX1において検出される電位は変化することなく一定のままである。このことは、Y軸方向に電圧を印加した場合も同様である。この場合、電位検出部ADY1において検出される電位は変化することなく一定のままである。
図14は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置を斜め方向、即ち、X軸方向及びY軸方向ではない方向であって、右上がりの方向(一方の接触点は他方の接触点よりもXL電極12及びYH電極21にともに近い位置となる方向、または、他方の接触点は一方の接触点よりもXH電極11及びYL電極22にともに近い位置となる方向)に沿って、2点間のX軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図14(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図14(b)は、X軸方向における2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図15は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に抵抗Rx1を介し5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置を斜め方向、即ち、X軸方向及びY軸方向ではない方向であって、左上がりの方向(一方の接触点は他方の接触点よりもXH電極11及びYH電極21にともに近い位置となる方向、または、他方の接触点は一方の接触点よりもXL電極12及びYL電極22にともに近い位置となる方向)に沿って、2点間のX軸方向における間隔を30、60、90と変化させたものである。図15(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図15(b)は、X軸方向における2点間の間隔、即ち、2点間の距離と、電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示す。
図14及び図15に示されるように、2つの接触点がX軸方向及びY軸方向ではない方向である場合、電位検出部ADX1において検出される電位は、印加される電圧の5Vの半分以下の電位となり、2点間の距離が離れるに伴い、電位検出部ADX1において検出される電位は低下する。即ち、電圧が印加されている方向に対し平行方向でも垂直方向でもない方向において、2点間の距離が離れると、電位検出部ADX1において検出される電位は低下するのである。このことは、Y軸方向に電圧を印加した場合も同様であり、この場合、電位検出部ADY1において検出される電位は低下する。
具体的には、あらかじめタッチパネルの接触点が0である場合、または、1点である場合において、X軸方向に電界分布を発生させて電位検出部ADX1において初期電位となる電位を測定し、同様に、Y軸方向に電界分布を発生させて電位検出部ADY1において初期電位となる電位を測定し、メモリ32等に記憶させておく。即ち、タッチパネルの接触点が0である場合、または、1点である場合において、図1に示されるタッチパネルにおけるスイッチSW2及びSW3をONとし、これ以外のスイッチをOFF状態にして、電位検出部ADX1において電位を測定する。この状態では、XH電極11には抵抗Rx1を介しVccの電圧が印加され、XL電極12は接地されるため、第1の抵抗膜10においてX軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADX1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を初期電位として記憶する。同様に、スイッチSW5及びSW6をONとし、これ以外のスイッチをOFFにして、電位検出部ADY1において電位を測定する。この状態では、YH電極21には抵抗Ry1を介しVccの電圧が印加され、YL電極22は接地されるため、第2の抵抗膜20においてY軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADY1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を初期電位として記憶する。
この初期電位の値とステップ102及び104において測定された電位の値とを比較することにより、接触点が1点であるのか2点であるのか、2点である場合には、接触点の2点を結ぶ線分が、X軸方向に平行であるか、Y軸方向に平行(X軸方向に垂直)であるか、X軸方向にもY軸方向にも平行ではない方向であるのかの判断を行なうことができる。
具体的には、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位と略同じであり、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位と略同じである場合には、接触点は1点であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位よりも低く、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位と略同じである場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向と平行(Y軸方向に垂直)であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位と略同じであり、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位よりも低い場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、Y軸方向に平行(X軸方向に垂直)であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位よりも低く、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位よりも低い場合には、接触点は、X軸方向でもY軸方向でもない斜め方向において、2点で接触しているものと判断する。
より具体的に説明すると、電位検出部ADX1及びADY1において測定された初期電位がともに2.5Vである場合、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5Vであって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5Vである場合には、接触点は1点であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5V以下であって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5Vである場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向と平行であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5Vであって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5V以下である場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、Y軸方向と平行(X軸方向に垂直)であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5V以下であって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5V以下である場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向でもY軸方向でもない斜め方向であるものと判断する。
これにより、接触点が1点であるのか2点であるのか、2点である場合には、接触点の2点を結ぶ線分が、X軸方向に平行であるか、Y軸方向に平行(X軸方向に垂直)であるか、X軸方向にもY軸方向にも平行ではない方向であるのかの判断を行なうことができる。
また、初期電位を測定することなく同様の判断を行なう別の方法としては、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5Vであって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5Vである場合は、接触点が1点であると判断することができる。また、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5Vであって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5V以下である場合は、接触点は、Y軸方向に平行な方向において、2点で接触しているものと判断することができる。また、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5V以下であって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5Vである場合は、接触点は、X軸方向に平行な方向において、2点で接触しているものと判断することができる。更に、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5V以下であって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5V以下である場合は、接触点は、X軸方向でもY軸方向でもない斜め方向において、2点で接触しているものと判断することができる。
以上の内容に基づきステップ106では、本実施の形態におけるタッチパネルの接触点が1点であるか2点であるか判断することができる。尚、2.5Vであるか、2.5V以下であるかの判断については、2.5Vを基準として所定の範囲を定めるための閾値を設定し、測定された電位が所定の範囲内であれば、電位は2.5Vであるものと判断し、所定の範囲を超える場合には、電位は2.5V以下であるものと判断する。尚、これらの判断された情報については、必要に応じて制御部30におけるメモリ32等に記憶される。
ステップ106において、タッチパネルの接触点が1点であるものと判断した場合には、ステップ108に移行し、また、接触点が2点であるものと判断した場合には、ステップ110に移行する。
次に、ステップ108(S108)において、タッチパネルの接触点が1点である場合における接触点の位置座標が検出される。この位置座標の検出は接触点が1点であるため、通常の位置検出方法により接触点における座標位置の検出を行なうことができる。例えば、XH電極11に5Vの電位を印加し、XL電極12を接地した状態で、電位検出部ADY1等によりX軸方向における電位を検出し、この電位に基づいて接触点のX座標における位置を検出する。また、YH電極21に5Vの電位を印加し、YL電極22を接地した状態で、電位検出部ADX1等によりY軸方向における電位を検出し、この電位に基づいて接触点のY座標における位置を検出する。
次に、ステップ110(S110)において、第2のX方向電位検出を行なう。具体的には、図1に示されるタッチパネルにおいて、スイッチSW1及びSW3をONとし、これ以外のスイッチをOFF状態にして、電位検出部ADY1及びADY2において電位を測定する。この状態では、XH電極11にVccの電圧が印加され、XL電極12は接地されるため、第1の抵抗膜10においてX軸方向に電位分布が生じている。この状態で電位検出部ADY1及びADY2において電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を情報として記憶する。尚、ステップ110を第3の測定工程と称する場合がある。
次に、ステップ112(S112)において、第2のY方向電位検出を行なう。具体的には、図1に示されるタッチパネルにおいて、スイッチSW4及びSW6をONとし、これ以外のスイッチをOFF状態にして、電位検出部ADX1及びADX2において電位を測定する。この状態では、YH電極21にVccの電圧が印加され、YL電極22は接地されるため、第2の抵抗膜20においてY軸方向に電位分布が生じている。この状態で電位検出部ADX1及びADX2において電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を情報として記憶する。尚、ステップ112を第4の測定工程と称する場合がある。
次に、ステップ114(S114)において、タッチパネルにおいて接触している2点を結ぶ線分の傾きを検出する。具体的には、タッチパネルに接触している2点を結ぶ線分が、X軸方向またはY軸方向に平行であるか否か、また、平行でない場合には、右上がりの傾きか左上がりの傾きかを判断する。即ち、前述のとおり、あらかじめタッチパネルの接触点が0である場合、または、1点である場合において、X軸方向に電界分布を発生させて電位検出部ADX1において初期電位となる電位を測定し、同様に、Y軸方向に電界分布を発生させて電位検出部ADY1において初期電位となる電位を測定し、メモリ32等に記憶させておく。具体的には、タッチパネルの接触点が0である場合、または、1点である場合において、図1に示されるタッチパネルにおけるスイッチSW2及びSW3をONとし、これ以外のスイッチをOFF状態にして、電位検出部ADX1において電位を測定する。この状態では、XH電極11には抵抗Rx1を介しVccの電圧が印加され、XL電極12は接地されるため、第1の抵抗膜10においてX軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADX1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を初期電位として記憶する。同様に、スイッチSW5及びSW6をONとし、これ以外のスイッチをOFFにして、電位検出部ADY1において電位を測定する。この状態では、YH電極21には抵抗Ry1を介しVccの電圧が印加され、YL電極22は接地されるため、第2の抵抗膜20においてY軸方向に電位分布が生じている。この状態において電位検出部ADY1により電位を測定し、メモリ32等に検出した電位を初期電位として記憶する。
この初期電位の値とステップ102及び104において測定された電位の値とを比較することにより、接触点の2点を結ぶ線分が、X軸方向に平行であるか、Y軸方向に平行(X軸方向に垂直)であるかの判断を行なうことができる。
具体的には、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位よりも低く、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位と略同じである場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向と平行(Y軸方向に垂直)であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位と略同じであり、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位よりも低い場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、Y軸方向に平行(X軸方向に垂直)であるものと判断することができる。この場合、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が、電位検出部ADX1において測定された初期電位よりも低く、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が、電位検出部ADY1において測定された初期電位よりも低い場合には、接触点は、X軸方向でもY軸方向でもない斜め方向において、2点で接触しているものと判断することもできる。
より具体的に説明すると、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5V以下であって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5Vである場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向と平行であるものと判断し、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5Vであって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5V以下である場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、Y軸方向と平行(X軸方向に垂直)であるものと判断する。この場合、ステップ102において電位検出部ADX1により測定された電位が2.5V以下であって、ステップ104において電位検出部ADY1により測定された電位が2.5V以下である場合には、接触点である2点を結ぶ線分は、X軸方向でもY軸方向でもない斜め方向であるものと判断することもできる。
これにより、接触点である2点を結ぶ線分がX軸方向に平行であるかY軸方向に平行であるかを判断することができる。
また、初期電位を測定することなく同様の判断を行なう別の方法としては、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5Vであって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5V以下である場合、即ち、電位検出部ADX1において検出される電位よりも、電位検出部ADY1において検出される電位が低い場合は、接触点は、Y軸方向に平行な方向において、2点で接触しているものと判断することができる。また、電位検出部ADX1において検出される電位が2.5V以下であって、電位検出部ADY1において検出される電位が2.5Vである場合、即ち、電位検出部ADX1において検出される電位よりも、電位検出部ADY1において検出される電位が高い場合は、接触点は、X軸方向に平行な方向において、2点で接触しているものと判断することができる。
線分が平行でない場合については、具体的には、ステップ110において、図16に示されるようにタッチパネルにおける接触点の2点であるA点とB点とでは、B点がA点よりもXL電極12及びYH電極21にともに近い場合、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位については、図17に示すように電位検出部ADY2において得られる電位が、電位検出部ADY1において得られる電位よりも高くなる。
図17は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、一定間隔の右上がりの直線上にある場合において、接触位置を変化させたものである。図17(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図17(b)は、2点の中点におけるX座標の位置と、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
これは、A点は、第1の抵抗膜10において5Vの電位が印加されているXH電極11に近いため、この影響を強く受け、A点に近い第2の抵抗膜20におけるYL電極22に接続されている電位検出部ADY2では比較的高い電位が検出されやすく、B点は、第1の抵抗膜10において接地されているXL電極12に近いため、この影響を強く受け、B点に近い第2の抵抗膜20におけるYH電極21に接続されている電位検出部ADY1では、比較的低い電位が検出されやすくなるためであるものと推認される。
一方、ステップ110において、図18に示されるようにタッチパネルにおける接触点の2点であるA点とB点とでは、A点がB点よりもXH電極11及びYH電極21にともに近い場合、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位は、図19に示すように電位検出部ADY2において得られる電位が、電位検出部ADY1において得られる電位よりも低くなる。
図19は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、一定間隔の左上がりの直線上にある場合において、接触位置を変化させたものである。図19(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の位置を示すものであり、図19(b)は、2点の中点におけるX座標の位置と、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
これは、A点は、第1の抵抗膜10において5Vの電位が印加されているXH電極11に近いため、この影響を強く受け、A点に近い第2の抵抗膜20におけるYH電極21に接続されている電位検出部ADY1では比較的高い電位が検出されやすく、B点は、第1の抵抗膜10において接地されているXL電極12に近いため、この影響を強く受け、B点に近い第2の抵抗膜20におけるYL電極22に接続されている電位検出部ADY2では、比較的低い電位が検出されやすくなるためであるものと推認される。
以上により、タッチパネルに接触されている2点を結ぶ線分の傾きが、右上がりであるのか、左上がりであるのか判断することができる。
また、ステップ110において検出された電位に基づき、接触している2点がX軸方向に平行である場合、Y軸方向に平行である場合であるかについても判断することができる。
具体的には、電圧の印加方向であるX軸方向に平行な位置で2点が接触している場合及び、電圧の印加方向に垂直なY軸方向に平行な位置で2点が接触している場合には、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位の値は、後述するように等しくなるため、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位の値が等しい場合には、タッチパネルにおける2点の接触位置は、X軸方向に平行であるものまたは、Y軸方向に平行であるものと判断することができる。
図20は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のY座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置におけるX軸方向の間隔が90となるように一定とした場合(2点の接触位置のX座標が5の位置と95の位置である場合)において、Y座標における座標位置を変化させたものである。図20(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図20(b)は、接触点におけるY座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
また、図21は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のY座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置におけるX軸方向の間隔が15となるように一定とした場合(2点の接触位置のX座標が20の位置と35の位置である場合)において、Y座標における座標位置を変化させたものである。図21(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図21(b)は、接触点におけるY座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
また、図22は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のY座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置におけるX軸方向の間隔が15となるように一定とした場合(2点の接触位置のX座標が65の位置と80の位置である場合)において、Y座標における座標位置を変化させたものである。図22(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図22(b)は、接触点におけるY座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
図20から図22に示されるように、2点の接触位置のY座標がともに同じ位置である場合、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位は、ともに同じ値であり、この値はA点とB点との中点に対応する電位となる。例えば、図20の場合は、中点のX座標の位置が50の位置であるため、印加される電圧の5Vの電位の半分の2.5Vの値が、電位検出部ADY1及びADY2において検出される。また、図21の場合は、中点のX座標の位置が27.5に相当する位置となり、図22の場合は、中点のX座標の位置が72.5に相当する位置となり、これらの位置に相当する電位が、電位検出部ADY1及びADY2において検出される。
また、図23は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のX座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置のY軸方向における間隔を90となるように一定とした場合(2点の接触位置のY座標が5の位置と95の位置である場合)において、X座標における座標位置を変化させたものである。図23(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図23(b)は、接触点におけるX座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
また、図24は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のX座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置のY軸方向における間隔を15となるように一定とした場合(2点の接触位置のY座標が65の位置と80の位置である場合)において、X座標における座標位置を変化させたものである。図24(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図24(b)は、接触点におけるX座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
また、図25は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合において、タッチパネルにおける2点の接触位置のX座標が同じ座標位置であって、2点の接触位置のY軸方向における間隔を15となるように一定とした場合(2点の接触位置のY座標が20の位置と35の位置である場合)において、X座標における座標位置を変化させたものである。図25(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図25(b)は、接触点におけるX座標の位置と電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位との関係を示す。
図23から図25に示されるように、2点の接触位置のY座標がともに同じ座標位置である場合、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位は、ともに同じ値であり、A点とB点とにおけるX座標に対応する電位が検出される。即ち、Y軸方向に平行な方向において2点が接触している場合、A点とB点との間隔に依存することなく、A点とB点とのX座標に対応する電位が、電位検出部ADY1及びADY2において検出される。
以上、X軸方向に電圧を印加した場合について説明したが、Y軸方向に電圧を印加した場合においても同様の方法により、タッチパネルに接触している2点を結ぶ線分がX軸方向及びY軸方向に平行であるか否かを判断することができる。
以上より、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位が同じ値であるか否かにより、タッチパネルにおける2点の接触点が、ステップ102において電位検出部ADX1において検出される電位及びステップ104において電位検出部ADY1において検出される電位に基づき、X軸方向またはY軸方向に平行であるか否かを判断することができ、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位の大小関係により、接触している2点を結ぶ線分の傾きが、いわゆる右上がりの傾きか、左上がりの傾きかを判断することができる。
即ち、電位検出部ADY1において検出された電位が、電位検出部ADY2において検出された電位よりも低い電位である場合、2点を結ぶ線分の傾きは右上がりであるものと判断される。また、電位検出部ADY1において検出された電位が、電位検出部ADY2において検出された電位よりも高い電位である場合、2点を結ぶ線分の傾きは左上がりであるものと判断される。また、電位検出部ADY1において検出された電位と電位検出部ADY2において検出された電位とが等しい場合には、2点を結ぶ線分はX軸方向またはY軸方向に平行であるものと判断される。
尚、タッチパネルにおける2点の接触点が、X軸方向またはY軸方向に平行であるか否かの判断については、ステップ110及び112において検出された電位、即ち、第3の測定工程及び第4の測定工程において得られる情報に基づき判断する場合について説明したが、ステップ102及び104において検出された電位、即ち、第1の測定工程及び第2の測定工程において得られる情報に基づき判断することも可能である。
また、タッチパネルにおける2点の接触点を結ぶ線分の傾きが、いわゆる右上がりであるか、左上がりであるかの判断を行なう場合に、X軸方向に電圧を印加した場合について説明したが、Y軸方向に電圧を印加した場合についても同様に行なうことができる。
具体的には、図26に示されるようにYH電極21にVcc(5V)の電圧を印加し、YL電極22を接地(0V)した場合において、タッチパネルにおける接触点の2点であるA点とB点とでは、A点がB点よりもXH電極11及びYL電極22に近い場合、電位検出部ADX1及びADX2において検出される電位は、図27に示すように電位検出部ADX2において得られる電位が、電位検出部ADX1において得られる電位よりも高くなる。
尚、図27は、Y軸方向に電圧を印加した場合、即ち、YH電極21に5Vの電圧を印加し、YL電極22を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、一定間隔の右上がりの直線上にある場合において、接触位置を変化させたものである。図27(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図27(b)は、2点の中点におけるX座標と電位検出部ADX1及びADX2において検出される電位との関係を示す。
これは、A点は、第2の抵抗膜20において接地されているYL電極22に近いため、この影響を強く受け、A点に近い第1の抵抗膜10におけるXH電極11に接続されている電位検出部ADX1では比較的低い電位が検出されやすく、B点は、第2の抵抗膜20において5Vの電位が印加されているYH電極21に近いため、この影響を強く受け、B点に近い第1の抵抗膜20におけるXL電極12に接続されている電位検出部ADX2では比較的高い電位が検出されやすくなるためであるものと推認される。
また、図28に示されるようにYH電極21にVcc(5V)の電圧を印加し、YL電極22を接地(0V)した場合において、タッチパネルにおける接触点の2点であるA点とB点とでは、A点がB点よりもXH電極11及びYH電極21に近い場合、電位検出部ADX1及びADX2において検出される電位は、図29に示すように電位検出部ADX2において得られる電位が、電位検出部ADX1において得られる電位よりも低くなる。
尚、図29は、Y軸方向に電圧を印加した場合、即ち、YH電極21に5Vの電圧を印加し、YL電極22を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、一定間隔の左上がりの直線上にある場合において、接触位置を変化させたものである。図29(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図29(b)は、2点の中点におけるX座標の位置と電位検出部ADX1及びADX2において検出される電位との関係を示す。
これは、A点は、第2の抵抗膜20において5Vの電位が印加されているYH電極21に近いため、この影響を強く受け、A点に近い第1の抵抗膜10におけるXH電極11に接続されている電位検出部ADX1では比較的高い電位が検出されやすく、B点は、第2の抵抗膜20において接地されているYL電極22に近いため、この影響を強く受け、B点に近い第1の抵抗膜10におけるXL電極12に接続されている電位検出部ADX2では比較的低い電位が検出されやすくなるためであるものと推認される。
このようにX軸方向に電圧を印加した場合においても、同様にタッチパネルにおける2点で接触している場合の2点の接触点を結ぶ線分が右上がりであるか左上がりであるか判断することができる。
次に、ステップ116(S116)に示すように、タッチパネルに接触している2点の中点を算出する。具体的には、ステップ110及びステップ112において測定した電位(第3の測定工程及び第4の測定工程において測定した電位)に基づき、各々の電位の中点を算出することにより、タッチパネルに接触している2点の座標の中点を算出する。
このことを、図30及び図31に基づき説明する。
図30は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、右上がりの直線上に存在している場合において、2点の接触点の中点が50の位置となるように間隔を変化させた場合を示すものである。図30(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図30(b)は、X座標における2点間の距離(またはY座標における2点間の距離)と、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位及びこれらの平均との関係を示す。
図31は、X軸方向に電圧を印加した場合、即ち、XH電極11に5Vの電圧を印加し、XL電極12を接地した場合であって、タッチパネルにおける2点の接触位置が、左上がりの直線上に存在している場合において、2点の接触点の中点が50の位置となるように間隔を変化させた場合を示すものである。図31(a)は、この状態におけるタッチパネルの2点の接触点の座標位置を示すものであり、図31(b)は、X座標における2点間の距離(またはY座標における2点間の距離)と、電位検出部ADY1及びADY2において検出される電位及びこれらの平均との関係を示す。
図30及び図31に示されるように、2点間の間隔が広がるに従い、電位検出部ADY1において検出される電位と電位検出部ADY2において検出される電位の差は広がる傾向にある。しかしながら、電位検出部ADY1において検出される電位と電位検出部ADY2において検出される電位との平均は一定の値を示しており、この値はタッチパネルの2点の接触点の中点の値を示す。
よって、電位検出部ADY1において検出される電位と電位検出部ADY2において検出される電位との平均値を算出することにより、タッチパネルの2点の接触点の中点のX座標に対応する電位を得ることができ、この電位に基づき中点のX座標を得ることができる。
図30及び図31は、タッチパネルに接触している2点の接触点の中点のX座標を算出する場合について説明したが、Y軸方向に電圧を印加した場合、即ち、YH電極21に5Vの電圧を印加し、YL電極22を接地した場合において、電位検出部ADX1及びADX2において電位を検出することにより、この電位に基づき、同様にタッチパネルに接触している2点の接触点の中点のY座標を得ることができる。
以上により、タッチパネルに接触している2点の接触点の中点の座標を得ることができる。
次に、ステップ118(S118)において、タッチパネルに接触している2点間の距離を算出する。具体的には、ステップ102及びステップ104において測定した電位(第1の測定工程及び第2の測定工程において測定された電位)に基づき、タッチパネルに接触している2点間の距離を算出する。
このことを図32に基づき説明する。図32は、ステップ102における状態、即ち、図5に示される状態における2点間のX座標における距離とXH電極11に接続されている電位検出部ADX1において検出される電位との関係を示すものである。図に示されるように、2点間の距離が広がるに従い、電位検出部ADX1において検出される電位の値は低下する。また、電圧が印加されている方向と平行な方向、即ち、X軸方向に平行な方向に2点が存在している場合と、X軸方向に平行な方向に2点が存在していない場合、即ち、右上がりの方向または左上がりの方向に2点が存在している場合とでは、2点間の距離と電位検出部ADX1において検出される電位との関係は異なる。
よって、ステップ114において検出したタッチパネルに接触している2点の位置関係、即ち、X軸方向に平行な方向に2点が存在しているか否かに対応して、図32に示す2点間の距離と、ステップ102において電位検出部ADX1において検出された電位との関係を選択し、選択された関係に基づきX軸方向における2点間の距離を得ることができる。
具体的には、タッチパネルの2点の接触点がX軸方向に平行な方向の直線上に存在している場合には、図32における線32Aに示す曲線を用いて、ステップ102において電位検出部ADX1において検出された電位に基づき2点におけるX軸方向における距離が算出することができる。また、タッチパネルの2点の接触点がX軸方向に平行な方向となる直線上には存在していない場合、即ち、タッチパネルの2点の接触点が右上がりまたは左上がりの直線上に存在している場合には、図32における線32Bに示す曲線を用いて、ステップ102において電位検出部ADX1において検出された電位に基づき2点におけるX軸方向における距離等を算出することができる。
尚、図33は、2.5Vと電位検出部ADX1等において検出される電位との差と、X軸方向における2点間の距離との関係を示すものであり、同様に、この相関関係に基づき、2.5Vと電位検出部ADX1等において検出される電位との差より、X軸方向における距離を得ることができる。
Y軸方向における距離についても、上記と同様の方法により、ステップ104において電位検出部ADY1において検出された電位に基づき得ることができる。
尚、2.5Vからの電圧の差Vと各々の軸方向における距離L1〜L4(尚、距離L1〜L4は、X軸方向における距離Lx、Y軸方向における距離Lyと表現する場合がある。)との関係を数1に示す。この数1に示す式を用いて各々の軸方向における距離Lを算出してもよい。尚、下記のα1〜α8、β1〜β8、γ1〜γ8、δ5〜δ8は、図32または図33に基づきあらかじめ算出されていてもよく、また、実験等により定めてもよい。更には、これらの値は制御部30等に記憶させておいてもよい。
また、数2に示す3次式を用いて算出することも可能である。
次に、ステップ120(S120)において、タッチパネルに接触している2点の位置座標を算出する。
具体的には、タッチパネルに接触している2点の位置関係と、2点の中点の位置と、2点間の各々の軸方向における距離に基づきタッチパネルに接触している2点の位置座標を算出する。
具体的には、タッチパネルに接触している2点の中点の位置と、2点間の各々の軸方向の距離に基づき、タッチパネルに接触している2点の位置座標を算出する。具体的には、X軸方向の距離をLx、Y軸方向における距離をLyとして算出し、タッチパネルに接触している2点の中点の位置の位置を(Xc、Yc)として算出していた場合、2点の座標は数3または数4に示す式で表わされる。尚、数3は、2点が右上がりの傾きに存在している場合、数4は、2点が左上がりの傾きに存在している場合、数5は、X軸方向に平行である場合、数6は、Y軸方向に平行である場合を示す。
以上により、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は終了する。本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法では、タッチパネルにおける接触点が2点である場合にも、容易に正確に2点の接触点の座標位置を算出することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、タッチパネルにおける位置検出方法であり、第1の実施の形態とは一部異なるプロセスを有するものである。
本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法について、図34に基づき説明する。
最初に、ステップ202(S202)において、初期化を行なう。この初期化の具体的な内容については後述する。
次に、ステップ204(S204)において、タッチパネルにおいて指等による接触があるか否かが検出され、指等による接触がある場合には、ステップ206に移行し、指等による接触がない場合には、指等による接触があるまで、ステップ204を繰り返す。具体的には、第1の抵抗膜10に電圧が印加されている状態で、第2の抵抗膜20を介し電位が検出された場合、または、第2の抵抗膜20に電圧が印加されている状態で、第1の抵抗膜10を介し電位が検出された場合には、指等による接触があったものとして、ステップ206に移行する。
次に、ステップ206(S206)において、1点押下か2点押下かの識別をするプロセスを行なう。この工程の詳細については後述する。
次に、ステップ208(S208)において、2点押下であるか否かの判断がなされる。具体的には、ステップ206において1点押下か2点押下かの識別情報に基づき、1点押下であるか2点押下であるか判断される。1点押下である場合には、ステップ210に移行し、2点押下である場合には、ステップ212に移行する。
次に、ステップ210(S210)において、位置座標が算出される。具体的には、ステップ208において、1点押下であるものと判断されたため、通常の4線式のタッチパネルにおける位置検出方法により、1点押下されている座標位置が算出される。この後、この位置検出方法は終了する。
次に、ステップ212(S212)において、タッチパネルにおいて押下されている2点を結ぶ線分の方向(傾き)を識別する。このプロセスの詳細については後述する。
次に、ステップ214(S214)において、タッチパネルにおいて押下されている2点間の距離が算出される。
次に、ステップ216(S216)において、押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に平行であるか否かの判断がなされる。具体的には、ステップ212において得られた情報に基づき押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に平行であるか否かの判断がなされる。押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に平行であるもの(平行方向)と判断された場合には、ステップ218に移行し、押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に平行ではないものと判断された場合には、ステップ220に移行する。
次に、ステップ218(S218)において、押下されている平行方向における2点の座標位置が算出され、この後、この位置検出方法は終了する。このプロセスの詳細については後述する。
次に、ステップ220(S220)において、押下されている垂直方向における2点を結ぶ線分がX軸方向に垂直であるか否かの判断がなされる。具体的には、ステップ212において得られた情報に基づき押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に垂直であるか否かの判断がなされる。押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に垂直であるもの(垂直方向)と判断された場合には、ステップ222に移行し、押下されている2点を結ぶ線分がX軸方向に垂直ではないものと判断された場合には、ステップ224に移行する。
次に、ステップ222(S222)において、押下されている2点の座標位置が算出され、この後、この位置検出方法は終了する。このプロセスの詳細については後述する。
次に、ステップ224(S224)において、タッチパネルにおいて押下されている2点の中点における座標が検出される。このプロセスの詳細については後述する。
次に、ステップ226(S226)において、タッチパネルにおいて押下されている2点を結ぶ線分の傾き方向が検出される。このプロセスの詳細については後述する。
次に、ステップ228(S228)において、タッチパネルにおいて押下されている2点の位置座標が算出される。このプロセスの詳細については後述する。
以上により、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は終了する。
次に、ステップ202における初期化のサブルーチンについて図35に基づき説明する。
最初に、ステップ302(S302)において、抵抗Rx1と、XH電極11とXL電極12と間の第1の抵抗膜10とが直列に接続されている状態で電源電圧を印加する。即ち、図3に示されるように、抵抗Rx1を介してXH電極11に電源電圧Vccを印加し、XL電極12を接地する。尚、この状態では、タッチパネルは接触していないか、または、1点で接触している。
次に、ステップ304(S304)において、XH電極11に接続されている電位検出部ADX1により電位を検出する。
次に、ステップ306(S306)において、電位検出部ADX1により検出された電位をX軸の初期電位として制御部30におけるメモリ32等に記憶する。
次に、ステップ308(S308)において、抵抗Ry1と、YH電極21とYL電極22と間の第2の抵抗膜20とが直列に接続されている状態で電源電圧を印加する。即ち、図4に示されるように、抵抗Ry1を介してYH電極21に電源電圧Vccを印加し、YL電極22を接地する。尚、この状態では、タッチパネルは接触していないか、または、1点で接触している。
次に、ステップ310(S310)において、YH電極21に接続されている電位検出部ADY1により電位を検出する。
次に、ステップ312(S312)において、電位検出部ADY1により検出された電位をY軸の初期電位として制御部30におけるメモリ32等に記憶する。
尚、ステップ302から306までと、ステップ308から312までの順序は逆にしてもよい。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ206における1点押下か2点押下かの識別をするサブルーチンについて、図36に基づき説明する。
最初に、ステップ322(S322)において、抵抗Rx1と、XH電極11とXL電極12と間の第1の抵抗膜10とが直列に接続されている状態で電源電圧を印加する。即ち、図3または図5に示されるように、抵抗Rx1においてXH電極11が接続されていない側に電源電圧Vccを印加し、XL電極12を接地する。尚、この状態では、タッチパネルは1点または2点で接触しているものとする。
次に、ステップ324(S324)において、XH電極11に接続されている電位検出部ADX1により電位を検出する。
次に、ステップ326(S326)において、抵抗Ry1と、YH電極21とYL電極22と間の第2の抵抗膜20とが直列に接続されている状態で電源電圧を印加する。即ち、図4または図6に示されるように、抵抗Ry1においてYH電極21が接続されていない側に電源電圧Vccを印加し、YL電極22を接地する。尚、この状態では、タッチパネルは1点または2点で接触しているものとする。
次に、ステップ328(S328)において、YH電極21に接続されている電位検出部ADY1により電位を検出する。
次に、ステップ330(S330)において、初期化において求められているX軸の初期電位と、ステップ324において検出された電位の差であるX電位差を算出する。
次に、ステップ332(S332)において、初期化において求められているY軸の初期電位と、ステップ328において検出された電位の差であるY電位差を算出する。
次に、ステップ334(S334)において、ステップ332において算出されたY電位差が所定のYスレッショルド値未満であるか否かが判断される。Y電位差が所定のYスレッショルド値未満である場合には、ステップ336に移行し、Y電位差が所定のYスレッショルド値未満ではない場合には、ステップ338に移行する。尚、Yスレッショルド値は、タッチパネルにおける接触が1点であるか2点であるかを識別するためにあらかじめ設定されている値であり、誤差等を考慮した値である。
次に、ステップ336(S336)において、ステップ330において算出されたX電位差が所定のXスレッショルド値未満であるか否かが判断される。X電位差が所定のXスレッショルド値未満である場合には、ステップ340に移行し、X電位差が所定のXスレッショルド値未満ではない場合には、ステップ338に移行する。尚、Xスレッショルド値は、タッチパネルにおける接触が1点であるか2点であるかを識別するためにあらかじめ設定されている値であり、誤差等を考慮した値である。
次に、ステップ338(S338)において、タッチパネルにおける指等による接触は2点であるものと判断されるため、この情報が制御部30のメモリ32等に記憶される。
次に、ステップ340(S340)において、タッチパネルにおける指等による接触は1点であるものと判断されるため、この情報が制御部30のメモリ32等に記憶される。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ212におけるタッチパネルにおいて押下されている2点を結ぶ線分の方向(傾き)を識別するためのサブルーチンについて、図37に基づき説明する。
最初に、ステップ362(S362)において、ステップ330において算出されたX電位差が所定のXスレッショルド値未満であるか否かが判断される。X電位差が所定のXスレッショルド値未満である場合には、ステップ366に移行し、X電位差が所定のXスレッショルド値未満ではない場合には、ステップ364に移行する。
次に、ステップ364(S364)において、ステップ332において算出されたY電位差が所定のYスレッショルド値未満であるか否かが判断される。Y電位差が所定のYスレッショルド値未満である場合には、ステップ368に移行し、Y電位差が所定のYスレッショルド値未満ではない場合には、ステップ370に移行する。
次に、ステップ366(S366)において、タッチパネルにおける指等による2点の接触点は、X軸方向とは垂直のY軸方向に平行な直線上に存在しているものと判断され、2点は垂直方向であるものとして、制御部30におけるメモリ32等に情報が記憶される。
次に、ステップ368(S368)において、タッチパネルにおける指等による2点の接触点は、X軸方向に対し垂直方向(Y軸方向に対し平行方向)となる直線上に存在しているものと判断され、2点は平行方向であるものとして、制御部30におけるメモリ32等に情報が記憶される。
次に、ステップ370(S370)において、タッチパネルにおける指等による2点の接触点は、X軸方向に対し平行でも垂直でもない斜め方向の直線上に存在しているものと判断され、2点は斜め方向であるものとして、制御部30におけるメモリ32等に情報が記憶される。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ214における接触点である2点の距離を算出するサブルーチンについて、図38に基づき説明する。
最初に、ステップ382(S382)において、タッチパネルにおける2点の接触点におけるX座標における距離、即ち、2点の接触点におけるX座標の差を算出する。具体的には、図32、図33または数1、数2に示される式に基づき、ステップ330において算出されたX電位差に対応するX座標における距離Lxを算出する。
次に、ステップ384(S384)において、タッチパネルにおける2点の接触点におけるY座標における距離、即ち、2点の接触点におけるY座標の差を算出する。具体的には、図32、図33または数1、数2に示される式に基づき、ステップ332において算出されたY電位差に対応するY座標における距離Lyを算出する。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ218における平行方向の2点の接触点の位置座標を算出するサブルーチンについて、図39に基づき説明する。
最初に、ステップ402(S402)において、通常の4線式の位置検出方法により座標検出が行なわれる。これにより、X座標XaとY座標Yaが得られる。ここで、2つの押下点は、垂直方向、即ち、X軸方向に垂直な方向に存在しているため、X座標は同じ値となる。よって、X座標Xaは、2つの押下点のX座標X1、X2となる。また、Y座標Yaは、2つの押下点の中点における座標となる。
次に、ステップ404(S404)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標X1をステップ402において検出した座標Xaとする。
次に、ステップ406(S406)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標X2をステップ402において検出した座標Xaとする。
次に、ステップ408(S408)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、一方の押下点におけるY座標は、Y1=Ya+Ly/2により算出する。
次に、ステップ410(S410)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、他方の押下点におけるY座標は、Y2=Ya−Ly/2により算出される。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ222における垂直方向の2点の接触点の位置座標を算出するサブルーチンについて、図40に基づき説明する。
最初に、ステップ422(S422)において、通常の4線式の位置検出方法により座標検出が行なわれる。これにより、X座標XaとY座標Yaが得られる。ここで、2つの押下点は、平行方向、即ち、X軸方向に平行な方向に存在しているため、Y座標の位置は同じ値となる。よって、Y座標Yaは、2つの押下点のY座標Y1、Y2となる。また、X座標Xaは、2つの押下点の中点における座標となる。
次に、ステップ424(S424)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、一方の押下点におけるX座標は、X1=Xa−Lx/2により算出される。
次に、ステップ426(S426)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、他方の押下点におけるX座標は、X2=Xa+Lx/2により算出される。
次に、ステップ428(S428)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標Y1をステップ422において検出した座標Yaとする。
次に、ステップ430(S430)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のY座標Y2をステップ422において検出した座標Yaとする。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ224における接触点が2点の場合の中点座標を算出するサブルーチンについて、図41に基づき説明する。
最初に、ステップ442(S442)において、XH電極11とXL電極12と間の第1の抵抗膜10に電源電圧を印加する。即ち、図16または図18に示されるように、XH電極11に電源電圧Vccを印加し、XL電極12を接地する。
次に、ステップ444(S444)において、第2の抵抗膜20のYH電極21に接続されている電位検出部ADY1において電位を検出する。
次に、ステップ446(S446)において、第2の抵抗膜20のYL電極22に接続されている電位検出部ADY2において電位を検出する。
次に、ステップ448(S448)において、YH電極21とYL電極22と間の第2の抵抗膜20に電源電圧を印加する。即ち、図26または図28に示されるように、YH電極21に電源電圧Vccを印加し、YL電極22を接地する。
次に、ステップ450(S450)において、第1の抵抗膜10のXH電極11に接続されている電位検出部ADX1において電位を検出する。
次に、ステップ452(S452)において、第1の抵抗膜10のXL電極12に接続されている電位検出部ADX2において電位を検出する。
次に、ステップ454(S454)において、ステップ450において電位検出部ADX1で検出された電位と、ステップ452において電位検出部ADX2で検出された電位の平均値を算出し、この平均値の値に基づき、中点のX座標Xcを算出する。
次に、ステップ456(S456)において、ステップ444において電位検出部ADY1で検出された電位と、ステップ446において電位検出部ADY2で検出された電位の平均値を算出し、この平均値の値に基づき、中点のY座標Ycを算出する。
以上により、このサブルーチンは終了する。
次に、ステップ226における2点の接触点を結ぶ線分の傾きの方向を調べるサブルーチンについて、図42に基づき説明する。
最初に、ステップ462(S462)において、XH電極11とXL電極12と間の第1の抵抗膜10に電源電圧を印加する。即ち、図16または図18に示されるように、XH電極11に電源電圧Vccを印加し、XL電極12を接地する。
次に、ステップ464(S464)において、第2の抵抗膜20のYH電極21に接続されている電位検出部ADY1において電位を検出する。
次に、ステップ466(S466)において、第2の抵抗膜20のYL電極22に接続されている電位検出部ADY2において電位を検出する。
次に、ステップ468(S468)において、電位検出部ADY1において検出された電位と電位検出部ADY2において検出された電位との大小関係が判断される。具体的には、電位検出部ADY1において検出された電位が電位検出部ADY2において検出された電位よりも大きい場合、ステップ470に移行する。また、電位検出部ADY1において検出された電位が電位検出部ADY2において検出された電位よりも大きくはない場合、ステップ472に移行する。
次に、ステップ470(S470)において、2つの接触点を結ぶ線分は、右上がりの方向であるものと判断されるため、2つの接触点を結ぶ線分は、右上がりの方向である旨の情報が制御部30におけるメモリ部32に記憶される。
次に、ステップ472(S472)において、2つの接触点を結ぶ線分は、左上がりの方向であるものと判断されるため、2つの接触点を結ぶ線分は、左上がりの方向である旨の情報が制御部30におけるメモリ部32に記憶される。
以上により、このサブルーチンは終了する。尚、このサブルーチンのステップ462からステップ466は、図41に示すサブルーチンと重複するため、図41に示すサブルーチンにおいて、電位検出部ADY1において検出された電位及び電位検出部ADY2において検出された電位を制御部30におけるメモリ32等に記憶しておき、この情報に基づきステップ468以降のステップを行なってもよい。
次に、ステップ228における2点の接触点の位置座標を算出するサブルーチンについて、図43に基づき説明する。
最初に、ステップ482(S482)において、メモリ部32に記憶されている情報に基づき、2つの接触点を結ぶ線分は、右上がりの方向であるか否かが判断される。傾きが右上がりの方向であるものと判断された場合には、ステップ484に移行し、傾きが右上がりの方向ではないものと判断された場合には、ステップ492に移行する。
次に、ステップ484(S484)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ454において得られた2点の接触点における中点のX座標Xcと、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、一方の押下点におけるX座標は、X1=Xc−Lx/2により算出する。
次に、ステップ486(S486)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ454において得られた2点の接触点における中点のX座標Xcと、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、他方の押下点におけるX座標は、X2=Xc+Lx/2により算出する。
次に、ステップ488(S488)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ456において得られた2点の接触点における中点のY座標Ycと、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、一方の押下点におけるY座標は、Y1=Yc−Ly/2により算出する。
次に、ステップ490(S490)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ456において得られた2点の接触点における中点のY座標Ycと、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、他方の押下点におけるY座標は、Y2=Yc+Ly/2により算出する。
一方、ステップ492(S492)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ454において得られた2点の接触点における中点のX座標Xcと、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、一方の押下点におけるX座標は、X1=Xc−Lx/2により算出する。
次に、ステップ494(S494)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ454において得られた2点の接触点における中点のX座標Xcと、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、他方の押下点におけるX座標は、X2=Xc+Lx/2により算出する。
次に、ステップ496(S496)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ456において得られた2点の接触点における中点のY座標Ycと、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、一方の押下点におけるY座標は、Y1=Yc+Ly/2により算出する。
次に、ステップ498(S498)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ456において得られた2点の接触点における中点のY座標Ycと、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、他方の押下点におけるY座標は、Y2=Yc−Ly/2により算出する。
以上により、このサブルーチンは終了する。
尚、ステップ218及びステップ222における図39及び図40に示されるサブルーチンに代えて、図44及び図45に示すサブルーチンを行なってもよい。
具体的に、ステップ218における平行方向の2点の接触点の位置座標を算出する他のサブルーチンについて、図44に基づき説明する。
最初に、ステップ502(S502)において、図41に示すタッチパネルにおける接触点が2点の場合の中点検出のサブルーチンを行なう。これにより、X座標XcとY座標Ycが得られる。ここで、2つの押下点は、垂直方向、即ち、X軸方向に垂直な方向に存在しているため、X座標は同じ値となる。よって、X座標Xcは、2つの押下点のX座標X1、X2となる。また、Y座標Ycは、2つの押下点の中点における座標となる。
次に、ステップ504(S504)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標X1をステップ502において検出した座標Xcとする。
次に、ステップ506(S506)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標X2をステップ502において検出した座標Xcとする。
次に、ステップ508(S508)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、一方の押下点におけるY座標は、Y1=Yc+Ly/2により算出する。
次に、ステップ510(S510)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のY座標が算出される。具体的には、ステップ384において得られたY座標における距離Lyに基づき、他方の押下点におけるY座標は、Y2=Yc−Ly/2により算出される。
以上により、このサブルーチンは終了する。
具体的に、ステップ222における垂直方向の2点の接触点の位置座標を算出する他のサブルーチンについて、図45に基づき説明する。
最初に、ステップ522(S522)において、図41に示すタッチパネルにおける接触点が2点の場合の中点検出のサブルーチンを行なう。これにより、X座標XcとY座標Ycが得られる。ここで、2つの押下点は、平行方向、即ち、X軸方向に平行な方向に存在しているため、Y座標の位置は同じ値となる。よって、Y座標Ycは、2つの押下点のY座標Y1、Y2となる。また、X座標Xcは、2つの押下点の中点における座標となる。
次に、ステップ524(S524)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、一方の押下点におけるX座標は、X1=Xc−Lx/2により算出される。
次に、ステップ526(S526)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、他方の押下点のX座標が算出される。具体的には、ステップ382において得られたX座標における距離Lxに基づき、他方の押下点におけるX座標は、X2=Xc+Lx/2により算出される。
次に、ステップ528(S528)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち、一方の押下点のY座標Y1をステップ422において検出した座標Ycとする。
次に、ステップ530(S530)において、タッチパネルにおける2つの押下点のうち他方の押下点のY座標Y2をステップ422において検出した座標Ycとする。
以上により、このサブルーチンは終了する。
本実施の形態におけるタッチパネルにおける位置検出方法は、第1の実施の形態と同様に、タッチパネルに接触している接触点が2点の場合においても、正確に簡易な方法により位置検出を行なうことができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態はタッチパネルであり、特に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態における位置検出方法において、好ましく用いることのできる構造のタッチパネルである。
最初に、図1に示されるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10、第2の抵抗膜20と抵抗Rx1、Ry1との関係について説明する。尚、タッチパネルにおいては、1点押下した場合において検出される電位と、2点押下した場合において検出される電位との差が大きければ大きいほど、タッチパネルにおける接触点が1点押下であるか、2点押下であるかの判断を容易に行なうことができる。
(第1のタッチパネル)
第1のタッチパネルは、図1に示されるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20が、X軸方向の長さが91.0mm、Y軸方向の長さが75.0mmで形成されている。第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値は351.4Ωであり、第2の抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値は210.0Ωである。この第1のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、1点押下した場合と2点押下した場合における検出される電位について調べた結果について説明する。
表1は、第1のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした抵抗Rx1及びRy1の値の比率、及び、1点押下された場合と2点押下された場合において、検出される電位及びこれらの電位の差を示す。尚、Vccは5Vとする。
図46は、表1の結果に基づき、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした場合における抵抗Rx1及びRy1の比率と、1点押下された場合と2点押下された場合における電位の差の関係を示す。X軸方向では、抵抗Rx1の抵抗値が第1の抵抗膜10の抵抗値に対し75〜100%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.6Vとなる。また、Y軸方向では、抵抗Ry1の抵抗値が第2の抵抗膜10の抵抗値に対し約75%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.4Vとなる。
1点押下した場合と2点押下した場合における電位の差が、0.2V以上であれば、タッチパネルにおける接触点が、1点押下であるか2点押下であるかの判別を容易に行なうことができる。よって、第1のタッチパネルにおいては、タッチパネルにおける抵抗膜の抵抗値に対して、抵抗Rx1及びRy1の値が25%以上、400%以下であることが好ましい。更に、より確実に1点押下であるか2点押下であるかの判別を行なうためには、電位の差が0.3V以上であることが好ましく、この場合には、抵抗Rx1及びRy1の値が50%以上、200%以下であることがより好ましい。
(第2のタッチパネル)
次に、第2のタッチパネルは、図1に示されるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20が、X軸方向の長さが164.0mm、Y軸方向の長さが101.0mmで形成されている。第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値は866.0Ωであり、第2の抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値は247.5Ωである。この第2のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、1点押下した場合と2点押下した場合における検出される電位について調べた結果について説明する。
表2は、第1のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした抵抗Rx1及びRy1の値の比率、及び、1点押下された場合と2点押下された場合において、検出される電位及びこれらの電位の差を示す。尚、Vccは5Vとする。
図47は、表2の結果に基づき、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした場合における抵抗Rx1及びRy1の比率と、1点押下された場合と2点押下された場合における電位の差の関係を示す。X軸方向では、抵抗Rx1の抵抗値が第1の抵抗膜10の抵抗値に対し約75%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.7Vとなる。また、Y軸方向では、抵抗Ry1の抵抗値が第2の抵抗膜10の抵抗値に対し約75%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.34Vとなる。
1点押下した場合と2点押下した場合における電位の差が、0.2V以上であれば、タッチパネルにおける接触点が、1点押下であるか2点押下であるかの判別を容易に行なうことができる。よって、第1のタッチパネルにおいては、タッチパネルにおける抵抗膜の抵抗値に対して、抵抗Rx1及びRy1の値が25%以上、400%以下であることが好ましい。更に、より確実に1点押下であるか2点押下であるかの判別を行なうためには、電位の差が0.3V以上であることが好ましく、この場合には、抵抗Rx1及びRy1の値が50%以上、100%以下であることがより好ましい。
(第3のタッチパネル)
次に、第3のタッチパネルは、図1に示されるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20が、X軸方向の長さが183.0mm、Y軸方向の長さが143.0mmで形成されている。第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値は580.0Ωであり、第2の抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値は360.0Ωである。この第2のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、1点押下した場合と2点押下した場合における検出される電位について調べた結果について説明する。
表3及び表4は、第1のタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及びRy1の値と、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした抵抗Rx1及びRy1の値の比率、及び、1点押下された場合と2点押下された場合において、検出される電位及びこれらの電位の差を示す。尚、Vccは5Vとする。
図48は、表3及び表4の結果に基づき、各々の抵抗膜における電極間の抵抗値を基準とした場合における抵抗Rx1及びRy1の比率と、1点押下された場合と2点押下された場合における電位の差の関係を示す。X軸方向では、抵抗Rx1の抵抗値が第1の抵抗膜10の抵抗値に対し約75%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.32Vとなる。また、Y軸方向では、抵抗Ry1の抵抗値が第2の抵抗膜10の抵抗値に対し約75%の場合において、1点押下した場合と2点押下した場合において検出される電位の差が最も大きくなり、その差は約0.24Vとなる。
1点押下した場合と2点押下した場合における電位の差が、0.2V以上であれば、タッチパネルにおける接触点が、1点押下であるか2点押下であるかの判別を容易に行なうことができる。よって、第1のタッチパネルにおいては、タッチパネルにおける抵抗膜の抵抗値に対して、抵抗Rx1及びRy1の値が50%以上、200%以下であることが好ましい。
以上より、本実施の形態におけるタッチパネルにおいては、抵抗Rx1及びRy1の抵抗値は、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20における抵抗値に対して、25%以上、400%以下の値に設定されており、更には、50%以上、200%以下であることが好ましい。また、より一層好ましくは、50%以上、100%以下であり、更に好ましくは、約75%である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態はタッチパネルであり、図49に基づき説明する。
本実施の形態におけるタッチパネルは、第1の抵抗膜10に直列に接続される抵抗Rx1、Rx2、Rx3を複数有しており、第1のスイッチ110を切り換えることにより、抵抗Rx1、Rx2、Rx3のうちいずれかを選択して、第1の抵抗膜10に直列に接続することのできるものである。また、同様に、第2の抵抗膜20に直列に接続される抵抗Ry1、Ry2、Ry3を複数有しており、第2のスイッチ120を切り換えることにより、抵抗Ry1、Ry2、Ry3のうちいずれかを選択して、第2の抵抗膜20に直列に接続することのできるものである。尚、本実施の形態では、抵抗Rx1、Rx2、Rx3を第1の抵抗群130と称し、抵抗Ry1、Ry2、Ry3を第2の抵抗群140と称する。また、第1の抵抗群130及び第2の抵抗群140の各々に含まれる抵抗の数は、選択することができるよう複数であればよい。尚、第1のスイッチ110は、制御部30における第1のスイッチ制御端子に接続されており、第2のスイッチ120は、制御部30における第2のスイッチ制御端子に接続されている。
本実施の形態におけるタッチパネルでは、第1のスイッチ110を切り換えることにより、第1の抵抗膜10に最も適した抵抗を抵抗Rx1、Rx2、Rx3より選択することができる。具体的には、第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値の75%の値に最も近い値となるものを抵抗Rx1、Rx2、Rx3より選択する。図50は、抵抗Rx1、Rx2、Rx3、第1のスイッチ110、第1の抵抗膜10、電位検出部ADX1を示したものである。図50に示されるように、第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値をRSxとした場合、第1のスイッチ110を切り換えることにより、抵抗Rx1、Rx2、Rx3のいずれかと接続し、電位検出部ADX1において検出される電位の値が、(RSx/(RSx+0.75RSx))×Vccより得られる値である約0.57Vccに最も近い抵抗を選択し、第1のスイッチ110を切り換えることにより、その抵抗を第1の抵抗膜10と接続する。
同様に、第2のスイッチ120を切り換えることにより、第2の抵抗膜20に最も適した抵抗を抵抗Ry1、Ry2、Ry3より選択する。具体的には、第2の抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値の75%の値に最も近い値となるものを抵抗Ry1、Ry2、Ry3より選択する。
本実施の形態では、第1のスイッチ110により抵抗Rx1、Rx2、Rx3から最適な抵抗値の抵抗を選択することができ、第2のスイッチ120により抵抗Ry1、Ry2、Ry3から最適な抵抗値の抵抗を選択することができるため、タッチパネルにおける第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20において製造誤差等によるバラツキが生じた場合においても、最適な抵抗を選択することができる。また、形状の異なる様々なタッチパネルについても、最適な抵抗を選択することができる。
(抵抗の選択方法)
次に、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20に接続される抵抗の選択方法について、図51に基づき説明する。尚、以下の制御の一部または全部は制御部30における制御に基づき行なわれる。
最初に、ステップ602(S602)において、第1のスイッチ110を切り換えて、例えば、抵抗Rx1と第1の抵抗膜10とを直列に接続する。
次に、ステップ604(S604)において、電源電位Vccが印加されている状態で、電位検出部ADX1において電位を測定する。
次に、ステップ606(S606)において、第1の抵抗膜10に接続されるX軸方向の抵抗Rx1、Rx2、Rx3のすべての抵抗について、切り替えられた状態で電位検出部ADX1における電位の測定が行なわれたか否かが判断される。すべての抵抗について、切り替えられた状態で電位検出部ADX1における電位の測定が行なわれている場合には、ステップ608に移行する。一方、すべての抵抗については、切り替えられた状態で電位検出部ADX1における電位の測定が行なわれていない場合には、ステップ602に移行する。この際、ステップ602では、第1のスイッチ110を切り換えることにより、第1の抵抗膜10と次の抵抗Rx2または抵抗Rx3との接続が行なわれる。
次に、ステップ608(S608)において、X軸方向の抵抗Rx1、Rx2、Rx3のうち、電位検出部ADX1において検出された電位が0.57Vccに最も近い抵抗が選択されて、第1のスイッチ110により第1の抵抗膜10と直列に接続される。
次に、ステップ610(S610)において、第2のスイッチ120を切り換えて、例えば、抵抗Ry1と第2の抵抗膜20とを直列に接続する。
次に、ステップ612(S612)において、電源電位Vccが印加されている状態で、電位検出部ADY1において電位を測定する。
次に、ステップ614(S614)において、第2の抵抗膜20に接続されるY軸方向の抵抗Ry1、Ry2、Ry3のすべての抵抗について、切り替えられた状態で電位検出部ADY1における電位の測定が行なわれたか否かが判断される。すべての抵抗について、切り替えられた状態で電位検出部ADY1における電位の測定が行なわれている場合には、ステップ616に移行する。一方、すべての抵抗については、切り替えられた状態で電位検出部ADY1における電位の測定が行なわれていない場合には、ステップ610に移行する。この際、ステップ610では、第2のスイッチ120を切り換えることにより、第2の抵抗膜20と次の抵抗Ry2または抵抗Ry3との接続が行なわれる。
次に、ステップ616(S616)において、Y軸方向の抵抗Ry1、Ry2、Ry3のうち、電位検出部ADY1において検出された電位が0.57Vccに最も近い抵抗が選択されて、第2のスイッチ120により第2の抵抗膜20と直列に接続される。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態はタッチパネルであり、図52に基づき説明する。
本実施の形態におけるタッチパネルは、第1の抵抗膜10に直列に接続される抵抗Rcx1及び、第2の抵抗膜20に直列に接続される抵抗Rcy1が可変抵抗により形成されているものである。
抵抗Rcx1及び抵抗Rcy1の抵抗値は、第1の抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値の75%の値に最も近い値となるように、抵抗Rcx1の値を調節し、同様に、第2の抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値の75%の値に最も近い値となるように、抵抗Rcy1の値を調節する。
具体的には、電位検出部ADX1において検出される電位の値が、約0.57Vccに最も近くなるように、抵抗Rcx1の値を調節し、同様に、電位検出部ADY1において検出される電位の値が、約0.57Vccに最も近くなるように、抵抗Rcy1の値を調節する。
本実施の形態では、タッチパネルにおける第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20において製造誤差等によるバラツキが生じた場合においても、最適な抵抗値に調節することができる。また、形状の異なる様々なタッチパネルについても、最適な抵抗値に調節することができる。
また、図53に示されるものは、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rcx1及び抵抗Rcy1における抵抗値を制御部230においてRcx1設定端子及びRcy1設定端子を介して設定することができるものである。
(抵抗値の設定方法)
次に、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、第1の抵抗膜10及び第2の抵抗膜20に接続される抵抗Rcx1及び抵抗Rcy1の抵抗値の設定方法について、図54に基づき説明する。尚、以下の制御の一部または全部は制御部30における制御に基づき行なわれる。
最初に、ステップ702(S702)において、電源電位Vccが印加されている状態で、電位検出部ADX1において電位を測定する。
次に、ステップ704(S704)において、電位検出部ADX1において測定された電位が、0.57Vccに近い値であるか否かが判断される。例えば、電位検出部ADX1において測定された電位が、0.2Vcc以上、0.8Vcc以下であるか否かが判断される(抵抗Rcx1の抵抗値が、第1の抵抗膜10における抵抗値に対して、25%以上、400%以下となるように設定する場合)。電位検出部ADX1において測定された電位が0.2Vcc以上、0.8Vcc以下である場合には、ステップ712に移行する。また、電位検出部ADX1において測定された電位が0.2Vcc以上、0.8Vcc以下ではない場合には、ステップ706に移行する。
尚、ステップ704において、抵抗Rcx1の抵抗値が、第1の抵抗膜10における抵抗値に対して、50%以上、200%以下となるように設定する場合には、電位検出部ADX1において測定された電位が、0.33Vcc以上、0.67Vcc以下であるか否かにより判断することができる。また、50%以上、100%以下となるように設定する場合には、電位検出部ADX1において測定された電位が、0.5Vcc以上、0.67Vcc以下であるか否かにより判断することができる。
次に、ステップ706(S706)において、電位検出部ADX1において測定された電位が、所定の電位の範囲(例えば、0.2Vcc〜0.8Vcc)よりも高いかまたは低いか否かが判断される。所定の電位の範囲(例えば、0.8Vcc)よりも高い場合には、ステップ708に移行し、所定の電位の範囲(例えば、0.2Vcc)よりも低い場合には、ステップ710に移行する。
次に、ステップ708(S708)において、抵抗Rcx1における抵抗値が高くなるように調節する。この後、ステップ702に移行する。
次に、ステップ710(S710)において、抵抗Rcx1における抵抗値が低くなるように調節する。この後、ステップ702に移行する。
次に、ステップ712(S712)において、電源電位Vccが印加されている状態で、電位検出部ADY1において電位を測定する。
次に、ステップ714(S714)において、電位検出部ADY1において測定された電位が、0.57Vccに近い値であるか否かが判断される。例えば、電位検出部ADY1において測定された電位が、0.2Vcc以上、0.8Vcc以下であるか否かが判断される(抵抗Rcy1の抵抗値が、第2の抵抗膜20における抵抗値に対して、25%以上、400%以下となるように設定する場合)。電位検出部ADY1において測定された電位が0.2Vcc以上、0.8Vcc以下である場合には終了する。また、電位検出部ADY1において測定された電位が0.2Vcc以上、0.8Vcc以下ではない場合には、ステップ716に移行する。
尚、ステップ714において、抵抗Rcy1の抵抗値が、第2の抵抗膜20における抵抗値に対して、50%以上、200%以下となるように設定する場合には、電位検出部ADY1において測定された電位が、0.33Vcc以上、0.67Vcc以下であるか否かにより判断することができる。また、50%以上、100%以下となるように設定する場合には、電位検出部ADY1において測定された電位が、0.5Vcc以上、0.67Vcc以下であるか否かにより判断することができる。
次に、ステップ716(S716)において、電位検出部ADY1において測定された電位が、所定の電位の範囲(例えば、0.2Vcc〜0.8Vcc)よりも高いかまたは低いか否かが判断される。所定の電位の範囲(例えば、0.8Vcc)よりも高い場合には、ステップ718に移行し、所定の電位の範囲(例えば、0.2Vcc)よりも低い場合には、ステップ720に移行する。
次に、ステップ718(S718)において、抵抗Rcy1における抵抗値を高くなるように調節する。この後、ステップ712に移行する。
次に、ステップ720(S720)において、抵抗Rcy1における抵抗値を低くなるように調節する。この後、ステップ712に移行する。
以上により、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rcx1及びRcy1における抵抗値を所定の値に設定することができる。
尚、第3の実施の形態から第5の実施の形態においては、抵抗Rx1、Ry2、Ry3又は抵抗Rcx1は、一方をXH電極11に接続し、他方を電源電圧に接続したものであって、抵抗Ry1、Ry2、Ry3又は抵抗Rcy1は、一方をYH電極21に接続し、他方を電源電圧に接続したものについて説明したが、これらに代えて、抵抗Rx1、Ry2、Ry3又は抵抗Rcx1は、一方をXL電極12に接続し、他方を接地したものであってもよく、また、抵抗Ry1、Ry2、Ry3又は抵抗Rcy1は、一方をYL電極22に接続し、他方を接地したものであってもよい。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるタッチパネルは、第1の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態におけるタッチパネルにおいて、接続される抵抗Rx1、抵抗Ry1等が接地側に接続されている構造のものである。
最初に、図55に示される構造のタッチパネルは、図1に対応するものであり、第1の実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rx1及び抵抗Ry1が接地側に接続されている構造のものである。具体的には、ITO等の透明導電膜からなる第1の抵抗膜10と第2の抵抗膜20を有している。第1の抵抗膜10には、X軸方向の両端の一方にXH電極11、他方にXL電極12がY軸方向に沿って形成されている。また、第2の抵抗膜20には、Y軸方向の両端の一方にYH電極21、他方にYL電極22がX軸方向に沿って形成されている。
XH電極11は、第1の電極となるものであり、電源電位Vccに接続されたトランジスタからなるスイッチSW1と接続されており、また、接地電位に接続されているトランジスタからなるスイッチSW7に抵抗Rを介し接続されており、更には、制御部30内に設けられたAD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADX1に接続されている。
XL電極12は、第2の電極となるものであり、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW3と接続されており、また、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW2と抵抗Rx1を介し接続されており、更には、AD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADX2に接続されている。
YH電極21は、第3の電極となるものであり、電源電位Vccに接続されたトランジスタからなるスイッチSW4と接続されており、また、制御部30内に設けられたAD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADY1に接続されている。
YL電極22は、第4の電極となるものであり、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW6と接続されており、また、接地電位に接続されたトランジスタからなるスイッチSW5と抵抗Ry1を介し接続されており、更には、AD変換器31において電位を検出するための電位検出部ADY2に接続されている。
尚、抵抗Rx1は、第1の抵抗となるものであり、抵抗膜10におけるXH電極11とXL電極12との間の抵抗値と略等しい値の抵抗値を有しており、抵抗Ry1は、第2の抵抗となるものであり、抵抗膜20におけるYH電極21とYL電極22との間の抵抗値と略等しい値の抵抗値を有している。
スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6及びSW7は、制御部30に設けられたSW1制御端子、SW2制御端子、SW3制御端子、SW4制御端子、SW5制御端子、SW6制御端子及びSW7制御端子に接続されている。
尚、第1の実施の形態におけるタッチパネルは、図8から図10、図14、図15、図32において、2点間距離が広がるにつれて電位が降下するものであるが、本実施の形態における図55に示される構造のタッチパネルは、2点間距離が広がるにつれて、電位が上昇するものである。
次に、図56に示される構造のタッチパネルは、図49に対応するものであり、第4の実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rx1、Rx2、Rx3、Ry1、Ry2、Ry3が接地側に接続されている構造のものである。具体的には、第1の抵抗膜10のXL電極12側に直列に接続される抵抗Rx1、Rx2、Rx3を複数有しており、第1のスイッチ110を切り換えることにより、抵抗Rx1、Rx2、Rx3のうちいずれかを選択して、第1の抵抗膜10に直列に接続することのできるものである。また、同様に、第2の抵抗膜20のYL電極22側に直列に接続される抵抗Ry1、Ry2、Ry3を複数有しており、第2のスイッチ120を切り換えることにより、抵抗Ry1、Ry2、Ry3のうちいずれかを選択して、第2の抵抗膜20に直列に接続することのできるものである。尚、第1のスイッチ110及び第2のスイッチ120は、接地電位と接続されている。
次に、図57に示される構造のタッチパネルは、図52に対応するものであり、第5の実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rcx1、Rcy1が接地側に接続されている構造のものである。具体的には、可変抵抗により形成されている抵抗Rcx1は、第1の抵抗膜10のXL電極12側に直列に接続されており、同様に、可変抵抗により形成されている抵抗Rcy1は、第2の抵抗膜20のYL電極22側に直列に接続されている。尚、抵抗Rcx1はトランジスタからなるスイッチSW2を介し接地電位と接続されており、抵抗Rcy1はトランジスタからなるスイッチSW5を介し接地電位と接続されている。
次に、図58に示される構造のタッチパネルは、図53に対応するものであり、第5の実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗Rcx1、Rcy1が接地側に接続されている構造のものである。具体的には、抵抗Rcx1は、第1の抵抗膜10のXL電極12側に直列に接続されており、同様に、抵抗Rcy1は、第2の抵抗膜20のYL電極22側に直列に接続されている。尚、抵抗Rcx1はトランジスタからなるスイッチSW2を介し接地電位と接続されており、抵抗Rcy1はトランジスタからなるスイッチSW5を介し接地電位と接続されている。また、抵抗Rcx1及び抵抗Rcy1における抵抗値を制御部230においてRcx1設定端子及びRcy1設定端子を介して設定することができるものである。
〔第7の実施の形態〕
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態におけるタッチパネル等の初期化方法である。具体的には、タッチパネルにおいて接触点が2点である場合の位置検出をより正確に行なうための初期化方法である。
本実施の形態における初期化方法では、図59に示されるように、第1の実施の形態におけるタッチパネル1をパーソナルコンピュータ(PC)60に接続された表示装置40上の所定の位置に配置して行なう。尚、表示装置40はパーソナルコンピュータ60を介することなくタッチパネル1の制御部30に直接接続されたものであってもよい。
本実施の形態では、図60に示されるように、タッチパネル1が設置されている表示装置40の表示画面には、点A1、点A2、点A3、点A4が、押下のタイミングに合わせて表示され、表示されている点を押下することにより、タッチパネル1の初期化を行なうことができる。点A1及び点A4は、表示装置40の表示画面の対角に位置しており、表示装置40の表示画面よりもX軸方向においてXedg、Y軸方向においてYedg内側の位置である。点A2及び点A3は、点A1及び点A4の間をX軸方向に3等分、Y軸方向に3等分した座標に位置している。このため、点A1、点A2、点A3、点A4は、同一直線上に位置している。尚、点A1、点A2、点A3、点A4は、表示装置40の表示画面における4点であれば、上記3等分した位置以外の位置であってもよい。
(初期化方法)
次に、本実施の形態における初期化方法について、図61及び図62に基づき説明する。尚、図61及び図62において、左側のフローチャートは、パーソナルコンピュータ60において行なわれるフローであり、右側のフローチャートは、タッチパネル1の制御部30において行なわれるフローである。本実施の形態における説明においては、2つのフローチャートを関連させつつ説明する。
最初に、パーソナルコンピュータ60及びタッチパネル1の電源をオンにする。
次に、ステップ802(S802)において、パーソナルコンピュータ60よりタッチパネル1に、補正開始コマンドが送信される。この補正開始コマンドは、本実施の形態におけるタッチパネルの初期化の開始を意味するコマンドである。これにより、タッチパネル1の制御部30では、ステップ902(S902)に示されるように、パーソナルコンピュータ60から送信された補正開始コマンドを受信し、ステップ904に移行するとともに、パーソナルコンピュータ60にACK(Acknowledgement)信号を送信する。この後、ステップ904(S904)において、制御部30では、タッチパネル1は初期化を開始するため通常のタッチパネル入力動作とは異なる補正モードに設定される。
次に、ステップ804(S804)において、パーソナルコンピュータ60は制御部30から送信されたACK信号を受信し、ステップ806(S806)からステップ816(S816)に示される1点入力を行なうための表示を行なうループに移行する。尚、ステップ906(S906)からステップ914(S914)は、ステップ806(S806)からステップ816(S816)に対応する制御部30におけるループである。
ステップ806からステップ816におけるループでは、最初に、ステップ808(S808)において、点A1を表示装置40の表示画面に表示する。
次に、ステップ810(S810)において、点A1を押下することにより、1点入力がなされ、1点入力がオン状態となる。この情報はパーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。この情報に基づき、制御部30では、ステップ908(S908)において、点A1のX軸方向及びY軸方向における電位が測定される。
次に、ステップ812(S812)において、点A1の押下が解除、即ち、点A1が押下されていない状態となり、入力がOFF状態であることが検出される。この情報は、パーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。この情報に基づき、制御部30では、ステップ910(S910)に示されるように、点A1の1点入力が完了し、座標位置が算出される。
次に、ステップ814(S814)において、点A1の座標の保存命令がパーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。制御部30では、ステップ912(S912)に示されるように、点A1の座標位置が保存される。
ステップ806からステップ816のループにおいては、同様の動作について、点A1を含め、点A2、点A3、点A4の計4点について行なう。具体的には、ステップ808において、点A1、点A2、点A3、点A4を順次表示し、所定の位置を押下することにより、点A1、点A2、点A3、点A4の座標位置を検出し保存する。即ち、これらの点について、ステップ806からステップ816、ステップ906からステップ914を順次行なう。
次に、ステップ916(S916)において、各入力点間のX軸方向の距離及びY軸方向の距離を算出し保存する。具体的には、ステップ806からステップ816のループ及びステップ906からステップ914において得られた点A1、点A2、点A3、点A4の座標位置、即ち、点A1(XA1、YA1)、点A2(XA2、YA2)、点A3(XA3、YA3)、点A4(XA4、YA4)に基づき、点A1から点A2までの距離(LXA2A1、LYA2A1)、点A1から点A2までの距離(LXA2A1、LYA2A1)、点A1から点A4までの距離(LXA4A1、LYA4A1)を数7に示す式に基づき算出する。
次に、ステップ822(S822)からステップ832(S832)に示される2点入力を行なうための表示を行なうループに移行する。尚、ステップ922(S922)からステップ930(S930)は、これに対応する制御部30におけるループである。
ステップ822からステップ832におけるループでは、最初に、ステップ824(S824)において、点A1と点A2との2点を表示装置40の表示画面に表示する。
次に、ステップ826(S826)において、点A1及び点A2の2点を同時に押下することにより、2点入力がなされ、2点入力がオン状態となる。この情報はパーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。この情報に基づき、制御部30では、ステップ924(S924)において、平均値算出のサブルーチンが動作する。尚、ステップ924における平均値算出のサブルーチンについては後述する。
次に、ステップ828(S828)において、点A1及び点A2の2点押下が解除、即ち、点A1及び点A2が押下されていない状態となり、2点入力がOFF状態であることが検出される。この情報は、パーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。この情報に基づき、制御部30では、ステップ926(S926)に示されるように、点A1及び点A2の2点入力が完了し、この状態における電圧降下値が測定される。
次に、ステップ830(S830)において、電圧降下値の保存命令がパーソナルコンピュータ60より制御部30に送信される。制御部30では、ステップ928(S928)に示されるように、点A1及び点A2の2点押下した場合における電圧降下値が保存される。
ステップ822からステップ832のループにおいては、同様の動作を点A1及び点A2の2点を含め、点A1及び点A3の2点、点A1及び点A4の2点について行なうものであり計3回行なう。具体的には、ステップ824において、点A1及び点A2、点A1及び点A3、点A1及び点A4を順次表示し、所定の2点の位置を押下することにより、点A1及び点A2、点A1及び点A3、点A1及び点A4を押下した場合における電圧降下値を検出し保存する。即ち、これらの点について、ステップ822からステップ832、ステップ922からステップ930を順次行なう。
次に、ステップ932(S932)において、近似式が算出される。具体的には、数7に示されるX軸方向及びY軸方向における点A1から点A2までの距離、点A1から点A3までの距離、点A1から点A4までの距離と、ステップ822からステップ832のループ及びステップ922からステップ830のループにおいて検出されたX軸方向及びY軸方向における点A1及び点A2、点A1及び点A3、点A1及び点A4を押下した場合における電圧降下値に基づき、数1に示される斜めX方向近似式におけるα2、β2、γ2を求めることができ、また、斜めY方向近似式におけるα4、β4、γ4求めることができる。よって、数1に示される式に基づき近似式を算出することができる。具体的には、点A1及び点A2、点A1及び点A3、点A1及び点A4の3つの異なる接触点の組み合わせにおいて、各々X軸方向及びY軸方向における位置座標と電圧降下値を得ることができるため、X軸方向及びY軸方向における各々3つの未知数であるα2、β2、γ2及びα4、β4、γ4を算出することができる。また、押下される点は斜め方向ではなく、X軸方向及びY軸方向に沿って配列された押下される点を押下することにより、同様に、数1に示される平行方向近似式におけるα1、β1、γ1を求めることができ、また、垂直方向近似式におけるα3、β3、γ3求めることができる。
次に、ステップ934(S934)において、近似式が保存される。保存された近似式は、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、接触点が2点の場合の位置検出に用いられる。
次に、図63に基づきステップ924における平均値算出のサブルーチンについて説明する。
最初に、ステップ942(S942)において、1点押下であるか2点押下であるかの判定が行なわれる。
次に、ステップ944(S944)において、所定の時間が経過しタイムアウトとなっているか否かが判断される。具体的には、ステップ942からステップ946はループになっており、この間において所定の時間が経過してしまうとタイムアウトと判断される。よって、タイムアウトであるものと判断された場合には、終了する。一方、タイムアウトではないものと判断された場合には、ステップ946に移行する。尚、所定の時間は予め定められている。
次に、ステップ946(S946)において、2点入力されているか否かが判断される。2点入力であるものと判断された場合には、ステップ948に移行する。一方、2点入力ではないものと判断された場合には、ステップ942に移行する。
次に、ステップ948(S948)において、測定回数が所定の回数n未満であるか否かが判断される。測定回数が所定の回数n未満である場合には、ステップ950に移行する。一方、測定回数が所定の回数n未満ではない場合(n回以上の場合)には、ステップ952に移行する。
次に、ステップ950(S950)において、合計値の新たに測定された測定値が加算される。尚、合計値は、本サブルーチンにおいて最初に初期化されているため0となっている。よって、ステップ950を繰り返すことにより、新たな測定値が合計値に順次加算される。
次に、ステップ952(S952)において、(合計値)の値をG1の値とし、(合計値+最新の測定値−最も古い測定値)の値をG2の値をとする。これにより、G1の値及びG2の値は、ともにn回測定した値の和となる。
次に、ステップ954(S954)において、G1の値をnで除してG1の平均値を算出し、G2の値をnで除してG2の平均値を算出する。ここで、G2の平均値は、G1の平均値の一つ後の移動平均となる。
次に、ステップ956(S956)において、G2の値を合計値として置き換える。
次に、ステップ958(S958)において、|G1の平均値−G2の平均値|が所定の閾値以下であるか否かが判断される。|G1の平均値−G2の平均値|が所定の閾値以下である場合には、図62に示されるメインルーチンに戻る。一方、|G1の平均値−G2の平均値|が所定の閾値以下ではない場合には、ステップ942に移行する。尚、閾値は、測定された電圧の値が安定しているか否か判断するために設けられるものであり、このような観点より閾値の値が定められる。
以上により、本サブルーチンは終了する。
尚、本実施の形態では、2点における接触は、点A1及び点A2、点A1及び点A3、点A1及び点A4の場合について説明したが、点A1及び点A4、点A2及び点A4、点A3及び点A4であってもよい。2点のうちのいずれか一方は、両端である点A1または点A4であると、正確な近似式を得ることができるため好ましい。
また、点A1及び点A2においては、誤差が生じやすいことから、図64に示されるように、更に、点A1と点A2との間を3等分して、点A5及び点A6とし、点A1、点A5、点A6、点A2について、図61から図63に示す初期化のプロセスを再度行い、点A1と点A2との間における近似式を別途算出してもよい。この場合、図61から図63のフローチャートにおいては、点A5が点A2に相当し、点A6が点A3に相当し、点A2が点A4に相当するものとして、処理がなされる。
尚、上記において、点A1、点A2、点A3、点A4、点A5、点A6のうちいずれか5点を用いることにより、数2に示される3次式におけるL2及びL4を算出することができる。また、X軸方向、Y軸方向に配列された5点を押下することにより数2に示されるL1及びL3を算出することもできる。
また、2点間距離の精度を高める方法として、2点入力の区間を細分化し、例えば、図33に示される2点入力による電圧降下の電位差と距離の関係をテーブルとして保存し、これらの入力点を通る曲線、例えば、スプライン曲線を求める。このスプライン曲線は、数1に示される2次式のように求めることもできる。これにより、2点入力操作中に測定した電位から2点間距離をより精度良く算出することが可能である。
更に、2点座標算出の近似式の算出を簡略化する方法として、以下の方法がある。具体的には、複数のサイズのタッチパネルのうち代表的なタッチパネルを選定し、選定された1つのタッチパネルにおける複数回の2点入力による電圧降下の電位差をROM(Read Only Memory)等にテーブルとして保存する。この後、選定されたタッチパネルとは別のタッチパネルを、制御部を含む回路基板に接続し、この組み合わせにおける最大距離の2点入力において測定される電圧降下の電位差との比を算出する。保存されている他の各2点入力の値は、それぞれの値と保存されている最大距離の2点入力による電圧降下の電位差との比と、選定されたタッチパネルとは別のタッチパネルを接続して測定される最大距離の2点入力の電圧降下の電位差の比を各々掛けることにより、接続されたタッチパネルに合わせた2点座標を得る。
また、本実施の形態では、ステップ932において数1に示される2次の近似式を算出する場合について説明したが、点A1と点A2、点A2と点A3、点A3と点A4とを直線的に結んだ1次の近似式を算出するものであってもよい。具体的には、測定した値等に基づき、数8に示されるような1次の近似式を算出するものであってもよい。この場合、ε1〜ε6、η1〜η6の値は、直線的に結ばれる2点における値に基づき算出することができる。
更には、点A2から点A4までの位置では、数1に示される2次の近似式を用い、点A1から点A2までの位置では、数8に示される1次の近似式を用いるものであってもよい。
〔第8の実施の形態〕
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、表示装置40を用いることなく行なう初期化の方法である。具体的には、図65に示されるように、表示装置40に代えて、点A1、点A2、点A3、点A4の位置に印刷用により形成された印71が設けられている表示治具70を用いる方法である。この表示治具70上にタッチパネル1を設置して、第7の実施の形態と同様の方法により初期化を行なうものである。尚、図65(a)は、この方法の全体の構造の斜視図であり、図65(b)は、表示治具70の上面図である。
また、図66に示されるように、タッチパネル1aの周囲において、点A1、点A2、点A3、点A4の位置を示す印73が設けられているものであってもよい。この印73は、導電ペースト等により形成してもよい。具体的には、印73は、X軸方向の対向する位置に設けられた印73を結ぶ直線とY軸方向の対向する位置に設けられた印73を結ぶ直線とが交差する位置が点A1、点A2、点A3、点A4の位置となるように形成されており、これにより接触点となる点が示される。尚、図66(a)は、この方法の全体の構造の斜視図であり、図66(b)は、タッチパネル1aの上面図である。
また、図67に示されるように、タッチパネル1bにおいて、点A1、点A2、点A3、点A4に対応する位置におけるドットスペーサ75を間引くことにより、押下エリア76を形成したものであってもよい。尚、押下エリア76は接触点となる点である。
〔第9の実施の形態〕
次に、第9の実施の形態について説明する。本実施の形態は、タッチパネルにおける接触点が2点である場合において、2点の接触点の位置座標をより正確に求めることのできる位置検出方法及びタッチパネルである。
上述した第1の実施の形態から第8の実施の形態においては、タッチパネルにおける接触点が2点の場合にも、接触点における座標位置を検出することができる。しかしながら、2点における接触位置の相対的な位置関係が異なると、2点の接触位置を正確に検出することができない場合がある。具体的には、図68に示すように、タッチパネルにおける接触点が点68Aと点68Bの2点の場合と、接触点が点68Aと点68Cの2点の場合とでは、接触点である点68Bと点68CとはX座標における位置(値)が同じでありながら、検出されるX座標の位置(値)は若干異なる。
このことを図69及び図70に基づきより詳細に説明する。2点の接触点が点68Aと点68Bの場合では、図69に示すように、第1の抵抗膜10における抵抗R11と第2の抵抗膜12における抵抗R12との合成抵抗の値が、点68Aと点68Bとの間における抵抗値となる。これに対し、2点の接触点が点68Aと点68Cの場合では、図70に示すように、第1の抵抗膜10における抵抗R21と第2の抵抗膜12における抵抗R22との合成抵抗の値が、点68Aと点68Cとの間における抵抗値となる。ここで、第1の抵抗膜10における抵抗R21の抵抗値は、第1の抵抗膜10における抵抗R11の抵抗値よりも大きく、第1の抵抗膜10における抵抗R22の抵抗値は、第1の抵抗膜10における抵抗R12の抵抗値よりも大きい。よって、抵抗R21と抵抗22との合成抵抗の抵抗値は、抵抗R11と抵抗12との合成抵抗の抵抗値よりも大きい。
従って、点68Bと点68Cとは、接触点のX座標における位置(値)が同じであるにもかかわらず、電位検出部ADX1においては、異なる電圧値が検出される。即ち、図69に示されるように、抵抗R11と抵抗R12との合成抵抗の値が小さい場合には、電位検出部ADX1において検出される電圧は、抵抗Rx1により抵抗分割されるため比較的低い値、例えば、2.0Vの電圧値が検出される。また、図70に示されるように、抵抗R21と抵抗R22との合成抵抗の値が高い場合には、電位検出部ADX1において検出される電圧は、抵抗Rx1により抵抗分割されるため比較的大きい値、例えば、2.2Vの電圧値が検出される。よって、点68Bと点68Cとでは、X座標における位置が同じでありながら、電位検出部ADX1においては、異なる電圧値が検出される。このように、電位検出部ADX1において検出される電圧値が異なると、X座標の位置も異なるものとして検出される。尚、タッチパネルに何も接触していない場合に、電位検出部ADX1において検出される電圧値を2.5Vとする。
以上より、2点の接触点が点68Aと点68Bの場合には、電位検出部ADX1により検出された電圧値2.0Vは、電圧降下の値が0.5Vとなる。また、2点の接触点が点68Aと点68Cの2点の場合には、電位検出部ADX1により検出された電圧値2.2Vは、電圧降下の値が0.3Vとなる。従って、2点の接触点が点68Aと点68Bの場合を基準とすると、2点の接触点が点68Aと点68Cの場合における電圧降下の値は小さい。
このことから、図68に示される押下点イメージにおける2点の接触点の以下の組み合わせ(5、5)−(95、5)、(5、5)−(95、20)、(5、5)−(95、35)、(5、5)−(95、50)、(5、5)−(95、65)、(5、5)−(95、80)、(5、5)−(95、95)について、接触点におけるY座標の位置と電圧降下の値との関係についてシミュレーションを行なった。このシミュレーションにより得られた結果を図71に示す。尚、Y座標の位置は、2点の接触点のうち移動している一方の接触点のY座標の位置を示すものとする。また、図71において電圧降下の値は、接触点となる2点が、(5、5)−(95、5)の組み合わせの場合の電圧降下の値で正規化されている。図71に示されるように、タッチパネルにおいて接触している2点間のY座標における距離が大きくなればなる程、電圧降下の値が小さくなる。このため、タッチパネルに接触している2点間のY方向における間隔(距離)が長くなると、2点間のX方向における距離が実際よりも短く検出される。
本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法では、接触している2点間のY方向における距離に基づき、接触している2点間のX方向における距離について補正し、補正されたX方向における距離に基づき2点のX座標の位置を算出するものである。
図72は、図71に示す関係に基づき得られた2点のうち1点におけるY座標と補正係数KRxとの関係を示す。尚、Lyは2点間のY方向における距離(間隔)を示すものとする。即ち、接触点となる2点が、(5、5)と(95、5)の場合では、Lyは、95−5=90となる。この補正係数KRxは、距離Lyの2次多項式に近似することができ、数9に、この近似された式を示す。
電位検出部ADX1により検出された電圧値に基づき得られる2点間のX座標における距離をLxaとすると、補正係数KRxを用いて、2点間のX座標における距離Lxbは、数10に示す式にあらわされる。
尚、数10においては、タッチパネルの縦横比が異なる場合には、X方向側又はY方向側に所定の縦横比に関する係数を乗ずる。また、2点間のY座標における距離についても、上記と同様の方法により算出することができる。
このように、本実施の形態においては、タッチパネルにおける接触点が2点の場合に、より一層正確に2点の接触点における位置座標を算出することができる。
また、本実施の形態におけるタッチパネルでは、数9に示す式が記憶部となるメモリ32に記憶されており、制御部30において数10に示す式に基づきX座標またはY座標における2点の距離を算出することができるものである。
次に、本実施の形態におけるタッチパネルにおける位置検出方法について、図73に基づき説明する。図73に示す位置検出方法では、メモリ32には、X軸方向における補正係数KRx及びY軸方向における補正係数KRyが予め記憶されているものとする。
最初に、ステップ1002(S1002)において、タッチパネルに2点接触させて、電位検出部において検出された電圧に基づき、2点の接触点におけるX座標及びY座標の各々の実測値を算出する。
次に、ステップ1004(S1004)において、2点におけるX方向における距離の補正を行なう。具体的には、ステップ1002において算出された2点の接触点のY座標に基づき2点間のY方向における距離の実測値を算出し、2点間のY方向における距離に基づき図72に示すような補正係数KRxを2点間のX方向における距離の実測に乗じて補正を行なう。即ち、数10に示す式のLxbを算出する。これにより、補正された2点間のX方向における距離を算出することができる。
次に、ステップ1006(S1006)において、2点におけるY方向における距離の補正を行なう。具体的には、ステップ1002において算出された2点の接触点のX座標に基づき2点間のX方向における距離の実測値を算出し、2点間のX方向における距離に基づき補正係数KRyを2点間のY方向における距離の実測に乗じて補正を行なう。即ち、Y方向における距離についても、ステップ1004と同様の補正を行なう。これにより、補正された2点間のY方向における距離を算出することができる。
次に、ステップ1008(S1008)において、補正された2点のX方向の距離、補正された2点のY方向における距離、2点の接触点のX座標及びY座標の各々の実測値等に基づき、2点の接触点の位置座標を算出する。
これにより、タッチパネルにおいて2点が接触した場合の正確な位置座標を算出することができる。尚、上記においてタッチパネルの縦横の長さが異なる場合には、縦横比に応じた係数を乗ずることにより距離を算出することができる。
尚、メモリ32等に予め補正係数KRx及びKRyが記憶されていない場合には、図74に示す方法により、補正係数KRx及びKRyを算出し、メモリ32等に記憶させてもよい。
具体的には、最初に、ステップ1012(S1012)において、タッチパネルに2点接触させた状態で、どちらか一方の接触点についてX座標の位置を動かすことなく、Y軸方向に移動させて、電位検出部ADX1において電圧値を検出する。これにより、図71に示すようなY座標と電圧降下との相関関係を得る。
次に、ステップ1014(S1014)において、ステップ1012において得られた相関関係に基づき補正係数KRxを算出する。
次に、ステップ1016(S1016)において、タッチパネルに2点接触させた状態で、どちらか一方の接触点についてY座標の位置を動かすことなく、X軸方向に移動させて、電位検出部ADY1において電圧値を検出する。これにより、X座標についても、図71と同様のX座標と電圧降下との相関関係を得る。
次に、ステップ1018(S1018)において、ステップ1016において得られた相関関係に基づき補正係数KRyを算出する。
次に、ステップ1020(S1020)において、メモリ32等に補正係数KRx及びKRyを記憶させる。
尚、上記以外の内容については、第1から第8の実施の形態と同様である。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。