JP5821972B2 - 物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置 - Google Patents

物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置 Download PDF

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Description

この発明は、物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置に関する。
従来、物理量センサ装置として、例えば、物理量センサ素子から出力されたアナログ信号をA/Dコンバータ(ADC:Analog−to−Digital Converter)によってデジタル信号に変換し、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算回路を用いた演算処理を行うことにより、物理量センサ素子の出力特性を補正する物理量センサ装置が公知である。
このような物理量センサ装置として、制御対象から入力されるアナログ入力信号をデジタル信号に変換して出力するアナログ入力部と、装置回りの周囲温度を検出する温度検出器と、温度が異なる条件下で、前記デジタル信号のデジタル値とアナログ入力信号の期待値との間に生じる誤差との実測定に基づいて作成され、周囲温度と補正値とが一対一に対応付けられた補正データが格納された温度補正テーブルと、温度検出器で検出した温度に対応する補正値を温度補正テーブルから読み込み、アナログ入力回路から読み込んだデジタル値を前記補正値で補正し、最終的なデジタルデータとする温度補正手段を設けた装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、別の装置として、被測定圧力に応じて変化する半導体圧力変換器からのアナログ信号が第1のA/Dコンバータにより順次デジタルの未補償圧力データに変換されるとともに、感温素子から出力される被測定温度に応じて変化するアナログ信号が第2のA/Dコンバータによって順次デジタルの未補償温度データに変換され、これらのデータが演算装置に供給されると、記憶装置に記憶された動作圧力範囲および温度範囲内の少なくとも2以上の基準温度における補償用温度データと各基準温度において2以上の基準圧力における補償用圧力データを記憶装置から演算装置が読み出し、この読み出されたデータから補間法により補償済圧力データを求める装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、別の装置として、被検出圧力に応じた電圧レベルの検出信号を発生する圧力センサ回路と、この圧力センサ回路の温度に応じた電圧レベルの温度信号を発生する温度検出回路と、前記被検出圧力及び圧力センサ回路の温度と無関係に一定の電圧レベルとなる基準信号を発生する基準電圧発生回路と、前記検出信号、温度信号及び基準信号をデジタルデータに変換するためのA/D変換回路と、前記検出信号、温度信号及び基準信号を選択的に通過させて前記A/D変換回路に変換対象信号として与えるアナログマルチプレクサと、前記圧力センサ回路に対する印加圧力をP、前記検出信号、温度信号及び基準信号を前記A/D変換回路により変換した各デジタルデータをそれぞれ圧力情報D、温度情報T及び基準情報A、また、圧力センサ回路の感度の温度係数をc、圧力センサ回路の室温感度をd、圧力検出値のオフセットの温度係数をe、圧力検出値の室温オフセット値をf、温度検出値の温度係数をa、温度検出値の室温オフセット値をbとした場合に、P={(T/A−b)×(−e/a)+D/A−f}/{(T/A−b)×c/a+d}の演算処理を実行して印加圧力Pを算出する信号処理手段とを備え、前記アナログマルチプレクサは、前記基準信号及び温度信号を前記検出信号に先立って通過させるように構成され、前記信号処理手段は、前記基準信号及び温度信号に対応した基準情報A及び温度情報Tに基づく演算処理を行った後に、その演算処理結果並びに前記検出信号に対応した圧力情報Dに基づく演算処理を行うことによって、印加圧力Pを算出する装置が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
特開2009−260626号公報 特開平6−265424号公報 特開平10−339673号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示す技術では、物理量センサ素子の任意の検出点において発生する電気信号の出力値を補正するための補正量を、ある特定の検出範囲内で発生する電気信号の出力値を補正するための補正量として特定の検出範囲ごとにデータテーブル化し記憶部に記憶している。このため、物理量センサ素子のある特定の検出範囲で発生した電気信号の出力値はすべて一定の補正量で補正され、補正精度が低下するという問題がある。
一定の補正量で補正される各特定の検出範囲を狭くすることで補正精度を向上させることができるが、補正量データのデータ量が増えてしまうため、データ容量の大きい高価な記憶部を用いる必要があるという問題が新たに生じる。また、上述した特許文献1に示す技術では、予め補正量データをデータテーブル化し記憶部に記憶させるために、物理量センサ素子の検出可能範囲内の多数の検出点で電気信号を測定する必要がある。このため、測定コストが増大するという問題がある。
また、上述した特許文献2に示す技術では、予め補正量データをデータテーブル化し記憶部に記憶させ、データテーブルに補正量データが格納されていない検出点で発生した電気信号の出力値を補正するための補正量を補間法によって算出する。このため、補正量データのデータ量は増大しないが、電気信号の出力値を補正する演算処理の他に、補間法によって補正量を算出する演算処理を行う必要がある。したがって、演算回路の規模が大きくなるという問題や、演算処理時間が増大して高速化を図ることが難しいという問題がある。
一方、上述した特許文献3に示す技術では、物理量センサ素子の出力特性が反映された算出式に基づいて構成された演算回路を用いて演算処理を行い、物理量センサ素子の出力特性を補正する。補正量を算出するための演算処理を行わないため、演算回路の規模を小さくすることができる。また、記憶部には上記算出式の係数および定数のみを記憶すればよいため、データ容量の小さい安価な記憶部を用いることができる。
しかしながら、一般的に、物理量センサ素子の出力は、圧力および温度に対して2次曲線的に変化する曲がり成分を有する。上述した特許文献3に示す技術では、圧力および温度に比例して直線的に変化する1次成分しか補正することができないため、補正精度のさらなる高精度化を図ることは難しい。また、物理量センサ装置を構成するA/Dコンバータ等の他の構成部の出力も2次成分を有するため、物理量センサ装置の構成条件によっては圧力や温度に対して3〜4次曲線的に変化する3〜4次成分を補正する必要がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、補正精度の高い物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置を提供することを目的とする。また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、コストを低減することができる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置を提供することを目的とする。また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、処理速度の高速化を図ることができる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じて電気信号を出力する物理量センサと、検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサと、を備えた物理量センサ装置の出力値補正方法であって、次の特徴を有する。少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得工程を行う。少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得工程を行う。そして、前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出工程を行う。その後、前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出工程を行う。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記第1の算出工程では、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記第2の算出工程では、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、2次以上の多項式に近似するときに最小二乗法を用いることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記物理量センサの現時点の出力値と、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を用いて補正された補正後の前記第1の特性値とに基づいて、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算工程をさらに含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記第1の特性式および前記第2の特性式を構成する演算手段に、前記物理量センサの現時点の出力値、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を入力することにより、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算工程をさらに含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記演算工程では、電源電圧に比例した前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記第2の特性値を記憶手段に記憶する記憶工程をさらに含み、前記演算工程では、前記記憶手段から読み出した前記第2の特性値を用いることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法は、上述した発明において、前記物理量センサは、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサまたは流量センサであることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる物理量センサ装置は、温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じた電気信号を出力する物理量センサを備える。検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサと、少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得手段を備える。少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得手段を備える。前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出手段を備える。前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出手段を備える。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1の算出手段は、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第2の算出手段は、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、2次以上の多項式に近似するときに最小二乗法を用いることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記物理量センサの現時点の出力値と、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を用いて補正された補正後の前記第1の特性値とに基づいて、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算手段と、をさらに備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1の特性式および前記第2の特性式を構成する演算手段をさらに備え、前記演算手段は、前記物理量センサの現時点の出力値、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値が入力されることにより、前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記演算手段は、電源電圧に比例した前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第2の特性値を記憶する記憶手段をさらに備え、前記演算手段は、前記記憶手段から読み出した前記第2の特性値を用いることを特徴とする。
また、この発明にかかる物理量センサ装置は、上述した発明において、前記物理量センサは、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサまたは流量センサであることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる物理量センサの出力値補正方法は、温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じて電気信号を出力する物理量センサおよび検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサからの出力信号を取得し前記物理量センサの出力値を補正する物理量センサの出力値補正方法であって、次の特徴を有する。少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得工程を行う。少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得工程を行う。そして、前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出工程を行う。その後、前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出工程を行う。そして、前記第1の算出工程では、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とする。前記第2の算出工程では、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる物理量センサの出力値補正装置は、温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じた電気信号を出力する物理量センサおよび検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサの出力信号を受け前記物理量センサの出力値を補正する物理量センサの出力値補正装置であって、次の特徴を有する。少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得手段を備える。少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得手段を備える。前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出手段を備える。前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出手段を備える。そして、前記第1の算出手段は、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とする。前記第2の算出手段は、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とする。
上述した発明によれば、物理量センサおよび温度センサの初期の出力特性に曲がりが存在していたとしても、こられの曲がりが補正された物理量センサの出力値を演算することができる。また、上述した発明によれば、最低限9つの補正用パラメータを記憶手段に記憶させればよいため、データ容量の小さい安価な記憶手段を用いることができる。また、第1,2の特性式の次数を増加させた場合でも、記憶手段に記憶される補正用パラメータの個数が大幅に増加することはない。したがって、データ容量の小さい安価な記憶手段を用いた場合においても、3次や4次の第1,2の特性式を算出して補正用パラメータを増やし、周辺機器に起因する曲がりを容易に補正することができる。
また、上述した発明によれば、物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式と、第1の特性式の係数および定数項を補正する第2の特性式とからなる1つの伝達関数式により、物理量センサの補正後の出力値を演算することができる。このため、この伝達関数式の次数にかかわらず、論理積回路や論理和回路などの基本回路のみで上記伝達関数式を構成した演算回路を用いて、物理量センサの補正後の出力値を演算することができる。
また、上述した発明によれば、物理量センサの出力特性を補正する補正用パラメータを算出するために、最低限9つの測定点(3つの所定温度ごとに3つの物理量を測定)において物理量センサの初期出力値を取得すればよい。このため、物理量センサ装置の初期設定を行うための工程数を少なくすることができる。また、例えば4つの所定温度ごとに4つの物理量を測定するなど測定点の個数を増やすことで、第1,2の特性式を算出するための近似精度が向上する。
本発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置によれば、補正精度を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置によれば、コストを低減することができるという効果を奏する。また、本発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置によれば、処理速度の高速化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、本発明を適用して半導体チップ上に形成した半導体物理量センサ装置の全体構成の一例を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の補正前の出力特性の一例を示す特性図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の目標出力特性の一例を示す特性図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の温度依存性を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の温度に対する特性を詳細に示す説明図である。 図7は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の出力値補正処理の手順を示すフローチャートである(その1)。 図8は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の出力値補正処理の手順を示すフローチャートである(その2)。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す物理量センサ装置100は、物理量センサ101の出力値を所望の出力値に補正して外部へ出力する。所望の出力値とは、例えば、物理量センサ装置100の設計仕様に基づいて予め設定された出力特性に基づく、実使用時や出荷前試験時における物理量センサ装置100の出力値である。物理量センサ装置100は、物理量センサ101、温度センサ102、Vcc分圧部103、演算部104、記憶部105、入出力部106によって構成される。物理量センサ装置100は、設定装置110によって算出された物理量センサ装置100の初期設定情報を取得する。
初期設定情報とは、設定装置110によって算出される情報である。初期設定情報には、設定装置110によって算出された第1,2の特性値のうちの第2の特性値のみが含まれていればよい。第1の特性値は、検知した物理量に対して非線形的に変化する物理量センサ101の出力特性を補正するための情報であり、物理量センサ101の補正後の出力特性を示す第1の特定式の係数および定数項である。第2の特性値は、温度センサ102によって検出された温度に対して非線形的に変化する第1の特性値を補正するための情報であり、第1の特性値の温度依存性を示す第2の特性式の係数および定数項である。
また、物理量センサ装置100は、動作モード1〜3を有する。動作モード1は、物理量センサ装置100の初期設定情報が記憶部105に記憶される初期設定前の動作モードである。動作モード2は、記憶部105に初期設定情報が書き込まれる動作モードである。動作モード3は、記憶部105に初期設定情報が書き込まれた後(初期設定後)の動作モードであり、例えば、物理量センサ装置100の実使用時や出荷前試験時の動作モードである。物理量センサ装置100の動作モード1〜3は、図示を省略する制御部によってプログラム制御されてもよいし、機械的にオン・オフ可能なスイッチによって機械的にまたは人為的に制御されてもよい。
物理量センサ101は、検知した被測定媒体の物理量に応じた出力信号を発生するセンサ素子である。物理量センサ101が検知する物理量は、温度に依存する温度以外の物理量である。物理量センサ101は、例えば、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロ(角度や角速度)センサ、流量センサなどである。温度センサ102は、検知した被測定媒体の温度に応じた出力信号を発生するセンサ素子である。Vcc分圧部103は、Vcc端子を介して供給される電源電圧を分圧する。物理量センサ101および温度センサ102には、周知のセンサ素子を用いてよい。物理量センサ101、温度センサ102およびVcc分圧部103の各出力信号は、演算部104に入力される。
演算部104は、物理量センサ装置100の動作モード1では演算処理を行わずに、物理量センサ101の出力値(以下、初期出力値とする)、温度センサ102の初期出力値およびVcc分圧部103の初期出力値をそのまま出力するように制御される。物理量センサ101、温度センサ102およびVcc分圧部103の各初期出力値は、物理量センサ装置100の初期の出力特性を得るための情報である。一方、演算部104は、物理量センサ装置100の動作モード3において、物理量センサ101の所望の出力値(以下、物理量センサ101の補正後の出力値とする)を演算するように制御される。具体的には、演算部104は、物理量センサ装置100の動作モード3において、物理量センサ101の出力値、温度センサ102の出力値、および初期設定情報に基づいて、物理量センサ101の補正後の出力値を演算する。演算部104は、例えば、記憶部105に書き込まれた初期設定情報を読み出して用いる。
演算部104は、物理量センサ101の出力値を変数とする2次以上の多項式である第1の特性式と、温度センサ102の出力値を変数とする2次以上の多項式である第2の特性式とを構成する。そして、演算部104は、温度センサ102の出力値および第2の特性値が入力されることにより、第2の特性式に基づいて補正後の第1の特性値を算出する。さらに、演算部104は、補正後の第1の特性値および物理量センサ101の出力値が入力されることにより、係数および定数項(第1の特性値)が補正された状態の第1の特性式に基づいて物理量センサ101の補正後の出力値を演算する。
このように、演算部104には、第1の特性式と第2の特性式とにより、物理量センサ101の補正後の出力値を演算する1つの伝達関数式と等価な演算回路や演算プログラムを処理するための回路が構成されている。そして、演算部104は、物理量センサ101の出力信号および温度センサ102の出力信号の入力を受けたときに、第2の特性値を取得することにより、物理量センサ101の補正後の出力値を演算することができる。さらに、演算部104は、Vcc分圧部103の出力値に基づいて、電源電圧に比例した物理量センサ101の補正後の出力値を演算してもよい。
演算部104は、Vcc分圧部103の出力値に基づいて物理量センサ101の補正後の出力値を演算する場合、物理量センサ101の補正後の出力値を、Vcc分圧部103の出力値Vccの、基準となるVcc分圧部103の出力値(以下、基準出力値とする)Vcc0からの増幅率(=Vcc/Vcc0)で増減する。より具体的には、演算部104は、増幅率が+10%であった場合、物理量センサ101の補正後の出力値も+10%増幅させる。
記憶部105は、物理量センサ装置100の初期設定情報として少なくとも第2の特性値を記憶する。物理量センサ装置100の初期設定情報は、物理量センサ装置100の動作モード2において記憶部105に記憶される。入出力部106は、物理量センサ101の補正後の出力値や、温度センサ102の出力値、Vcc分圧部103の出力値を外部へ出力する。また、入出力部106は、物理量センサ101、温度センサ102およびVcc分圧部103の各初期出力値をそれぞれ設定装置110へ出力する。入出力部106は、設定装置110からの物理量センサ装置100の初期設定情報の入力を受ける。
設定装置110は、第1の取得部111、第2の取得部112、第1の算出部113、第2の算出部114、入出力部115によって構成される。第1の取得部111は、入出力部115を介して物理量センサ装置100の入出力部106から、少なくとも3つ以上の所定温度ごとに物理量センサ101によって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する。このため、第1の取得部111は、少なくとも計9つ以上の物理量センサ101の初期出力値を取得する。第1の取得部111は、Vcc分圧部103の出力値を取得してよい。
第2の取得部112は、物理量センサ101の複数の初期出力値に対応して予め設定された物理量センサ101の目標出力値をそれぞれ取得する。このため、第2の取得部112は、少なくとも計9つ以上の物理量センサ101の目標出力値を取得する。所定温度および物理量センサ101の目標出力値は、設定装置110の図示省略する記憶部に予め記憶されていてもよいし、図示省略する入力手段によって入力を受け付けてもよい。
第1の算出部113は、物理量センサ101の初期出力値および目標出力値に基づいて、物理量センサ101の補正後の出力値を算出するための第1の特性値を算出する。具体的には、第1の算出部113は、所定温度ごとに物理量センサ101の初期出力値と物理量センサ101の目標出力値とを例えば最小二乗法により2次以上の多項式に近似して第1の特性式を算出する。そして、第1の算出部113は、所定温度ごとに算出された第1の特性式の係数および定数項を第1の特性値とする。
より具体的には、第1の算出部113は、第1の取得部111によってm個の所定温度ごとに物理量センサ101のn個の所定物理量における初期出力値が取得された場合(物理量センサの出力値の測定点がn個、および温度センサの出力値の測定点がm個)、m個の所定温度ごとにX次(2≦X≦n−1)の多項式を算出し、これらX次の多項式に基づいて下記(1)式を算出する。下記(1)式は、演算部104で構成される第1の特性式である。
下記(1)式において、Vdは物理量センサ装置の動作モード3のときの物理量センサ101の出力値であり、ΔTは物理量センサ装置の動作モード3のときの温度センサ102の検出温度(温度センサ102の出力値)である(下記(2)式および(3)式においても同様)。検出温度ΔTは、基準温度T0=25℃を基準とした温度センサ102の出力値である。そして、第1の算出部113は、m個の所定温度ごとに算出されたX次の多項式の係数および定数項kij、i=1,2,・・・n、j=X,X−1,・・・,1,0を第1の特性値とする。
Vouti(ΔT,Vd)=KiX(ΔT)×VdX+Kix-1(ΔT)×VdX-1+・・・+Ki1(ΔT)×Vd+Ki0(ΔT) (i=1,2,・・・,n)・・・(1)
第1の算出部113は、さらに、Vcc分圧部103の出力値に基づいて、第1の特性式を算出してもよい。この場合、第1の算出部113は、下記(2)式に示す第1の特性式を算出する。下記(2)式において、Vccは、物理量センサ装置100の動作モード2のときのVcc分圧部103の出力値である。この場合、第1の特性値はkij×Vcc/Vcc0、i=1,2・・・,n、j=X,X−1,・・・,1,0となる。
Vouti(ΔT,Vd)={Kix(ΔT)×VdX+Kix-1(ΔT)×VdX-1+・・・+Ki1(ΔT)×Vd+Ki0(ΔT)}×Vcc/Vcc0 (i=1,2,・・・,n)・・・(2)
第2の算出部114は、所定温度および第1の特性値に基づいて、第1の特性値の近似式Ki(ΔT)、i=1,2,・・・,nを算出するための第2の特性値を算出する。具体的には、第2の算出部114は、第1の特性値kijごとに所定温度と第1の特性値kijとを例えば最小二乗法により2次以上の多項式に近似して第2の特性式を算出する。第2の特性式は、下記(3)式であらわされる。そして、第2の算出部114は、第2の特性式の係数および定数項kTij、i=1,2,・・・,n、j=Y(2≦Y≦m−1),Y−1,・・・,0を第2の特性値とする。第2の算出部114によって算出された第2の特性値は、入出力部115を介して物理量センサ装置100の入出力部116へ出力される。第1,2特性式および第1,2の特性値の算出方法については後述する。
i(ΔT)=kTiY×ΔTX+kTiY-1×ΔTX-1+…+kTi1×ΔT+kTi0 (i=1,2,・・・,n) ・・・(3)
次に、図1に示す物理量センサ装置100の全体構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本発明を適用して半導体チップ上に形成した半導体物理量センサ装置の全体構成の一例を示すブロック図である。物理量センサ装置200は、物理量センサ201、温度センサ202、Vcc分圧部203、演算回路204、データ記憶部205、I/O(Input/Output)インターフェース206、第1〜3サンプルホールド211〜213、第1,2セレクタ214,219、A/Dコンバータ215、第1〜3ラッチ216〜218、基準電圧源221、センサ駆動回路222、発振器223によって構成される。
物理量センサ201、温度センサ202、Vcc分圧部203は、上述した物理量センサ101、温度センサ102、Vcc分圧部103に相当する。物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の出力信号は、例えばアナログ信号である。物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の後段には、それぞれ第1〜3サンプルホールド211〜213が配置されている。第1〜3サンプルホールド211〜213の後段には、第1セレクタ214を介してA/Dコンバータ215が配置されている。
第1サンプルホールド211は、物理量センサ201から連続的に入力されるアナログ信号を一定の時間間隔ごとに取り出し(標本化:サンプリング)一定時間保持する(ホールド)。第2サンプルホールド212は、温度センサ202から連続的に入力されるアナログ信号を一定の時間間隔ごとに取り出し一定時間保持する。第3サンプルホールド213は、Vcc分圧部203から連続的に入力されるアナログ信号を一定の時間間隔で取り出し一定時間保持する。
第1セレクタ214は、第1〜3サンプルホールド211〜213から入力されるアナログ信号のうちの1つを選択してA/Dコンバータ215に出力する。A/Dコンバータ215は、第1セレクタ214によって選択されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、演算回路204に出力する。すなわち、物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203によって生成されたアナログ信号はデジタル化され、後段の演算回路204に出力される。
演算回路204およびデータ記憶部205は、それぞれ、上述した演算部104および記憶部105に相当する。演算回路204は、制御端子から入力される制御信号により、物理量センサ201の補正後の出力値を演算する処理を行うか否かの制御がなされる。具体的には、演算回路204は、例えば制御端子からの制御信号が「1:ON」である場合に、予めデータ記憶部205に記憶された初期設定情報を読み出し、この初期設定情報に基づいて物理量センサ201の出力信号を所定の増幅率で増幅して出力する(動作モード3)。
一方、演算回路204は、例えば制御端子からの制御信号が「0:OFF」である場合に、演算処理を行わずに、A/Dコンバータ215から入力されたデジタル信号をそのまま出力する(動作モード1)。このため、A/Dコンバータ215を介してデジタル化された物理量センサ201、温度センサ202、およびVcc分圧部203の各出力信号(以下、デジタル信号とする)は、初期出力値のまま、それぞれ後段の第1〜3ラッチ216〜218に入力される。
第1〜3ラッチ216〜218は、それぞれ、物理量センサ201のデジタル信号、温度センサ202のデジタル信号、およびVcc分圧部203のデジタル信号を一定時間保持する。第2セレクタ219は、第1〜3ラッチ216〜218から入力されるデジタル信号のうちの1つを選択してI/Oインターフェース206に出力する。また、第2セレクタ219は、外部からI/Oインターフェース206にデジタル信号が入力されたときに、I/Oインターフェース206とデータ記憶部205とを接続するように切り替わる。そして、第2セレクタ219は、I/Oインターフェース206に入力されたデジタル信号をデータ記憶部205に出力する。
I/Oインターフェース206は、上述した入出力部106に相当する。I/Oインターフェース206は、例えば、第2セレクタ219からデジタル信号が入力されたとき(動作モード1,3時)に出力モードとなり、第2セレクタ219から入力されたデジタル信号をI/O端子から外部へ出力する。一方、I/Oインターフェース206は、例えば、外部からI/O端子を介してデジタル信号が入力されたとき(動作モード2)に入力モードとなり、外部から入力されたデジタル信号を第2セレクタ219に出力する。
I/Oインターフェース206に外部から入力されたデジタル信号は、上述した設定装置110によって算出された物理量センサ装置200の初期設定情報である。I/Oインターフェース206に外部から入力されたデジタル信号は、第2セレクタ219を介してデータ記憶部205に入力される。第2セレクタ219からデータ記憶部205に入力されたデジタル信号は、データ記憶部205に書き込み電圧端子から所定の電圧が印加されることにより、データ記憶部205に半永久的に記憶される。
基準電圧源221は、Vcc端子から供給される電源電圧のノイズを平準化し、センサ駆動回路222の駆動に適した基準電圧を生成して、センサ駆動回路222に供給する。また、基準電圧源221は、発振器223や物理量センサ装置200内の各回路に電圧VDDを供給する。センサ駆動回路222は、物理量センサ201や温度センサ202を駆動するための所定の大きさの電圧を生成し、物理量センサ201や温度センサ202に供給する。発振器223は、A/Dコンバータ215や演算回路204を駆動するためのクロック信号を生成し、A/Dコンバータ215や演算回路204に供給する。
次に、物理量センサ装置200の動作モード1〜3について詳細に説明する。まず、物理量センサ装置200の動作モード1について説明する。動作モード1は、物理量センサ装置200の初期設定を調整する段階において、物理量センサ201の初期の出力特性を得るための動作モードである。動作モード1においては、まず、物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の各アナログ信号は、それぞれ第1〜3サンプルホールド211〜213に入力され、一定時間ごとに電圧値の保持および更新が繰り返される。
第1〜3サンプルホールド211〜213によって保持された各電圧値は、第1セレクタ214によって、例えば予め設定された選択順序により順次A/Dコンバータ215に入力され、アナログ値からデジタル値に変換される。A/Dコンバータ215によってデジタル値に変換された物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の各電圧値は、演算回路204に入力される。
動作モード1において、演算回路204は、制御端子から「0:OFF」の制御信号が入力され、演算処理を行わないように制御されている。このため、A/Dコンバータ215から演算回路204に入力された電圧値は、演算回路204にて演算処理が行われない状態でそのまま第1〜3ラッチ216〜218に出力され保持される。第1〜3ラッチ216〜218によって保持された各電圧値は、第2セレクタ219によって、例えば予め設定された選択順序で順次I/Oインターフェース206に出力され、I/O端子から外部へ出力される。これにより、物理量センサ装置200の動作モード1が終了する。
このように、動作モード1のときの物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の各出力値は、演算回路204にて演算処理されずに初期出力値としてそのまま外部へ出力され、上述した第1の取得部111によって取得される。物理量センサ201の初期出力値が外部へ出力されたときの所定温度は、例えば、温度センサ202の初期出力値にて確認される。これにより、上記(1)式(または上記(2)式)および上記(3)式を算出するための物理量センサ装置200の初期の出力特性を得ることができる。
次に、物理量センサ装置200の動作モード2について説明する。動作モード2は、外部から物理量センサ装置200のデータ記憶部205に初期設定情報を書き込むための動作モードである。動作モード2においては、まず、外部よりI/O端子を介してI/Oインターフェース206に、物理量センサ装置200の初期設定情報が入力される。初期設定情報は、上述した第2の算出部114によって算出された情報である。I/Oインターフェース206に初期設定情報が入力されることにより、I/Oインターフェース206は出力モードから入力モードに切り替わる。
さらに、I/Oインターフェース206に初期設定情報が入力されることにより、第2セレクタ219は、I/Oインターフェース206とデータ記憶部205とを接続する経路に切り替わる。そして、I/Oインターフェース206に入力された初期設定情報は、第2セレクタ219を介してデータ記憶部205に格納される。この状態で、データ記憶部205に書き込み電圧端子から所定の電圧が印加されることにより、データ記憶部205に格納された初期設定情報がデータ記憶部205内の不揮発性メモリに転写される。これにより、データ記憶部205に初期設定情報が半永久的に保持され、物理量センサ装置200の動作モード2が終了する。
次に、物理量センサ装置200の動作モード3について説明する。動作モード3は、物理量センサ装置200の実使用時や出荷前試験時などの動作モードであり、物理量センサ201の補正後の出力値を外部に出力する動作モードである。動作モード3においては、まず、動作モード1と同様に、物理量センサ201、温度センサ202およびVcc分圧部203の各出力信号が、それぞれ第1〜3サンプルホールド211〜213、第1セレクタ214およびA/Dコンバータ215を介して演算回路204に入力される。
次に、データ記憶部205に記憶された初期設定情報も演算回路204に入力される。上述したようにデータ記憶部205に記憶された初期設定情報とは、第2の算出部114によって算出された第2の特性値である。これにより、上記(1)式(または上記(2)式)および上記(3)式に、物理量センサ201の出力値Vd、温度センサ202の検出温度ΔT、Vcc分圧部203の出力値Vcc、および第2の特性値kTij、i=1,2,・・・,n、j=Y,Y−1,・・・,0が入力され、物理量センサ201の補正後の出力値が演算される。
その後、演算回路204によって演算された物理量センサ201の補正後の出力値は、第1ラッチ216に出力され、第2セレクタ219を経由してI/Oインターフェース206に入力される。これにより、物理量センサ201の補正後の出力値はI/O端子から外部へ出力され、物理量センサ装置200の動作モード3が終了する。上述した物理量センサ装置200の各動作モード1〜3は、図示を省略する制御部によってプログラム制御されてもよいし、機械的にオン・オフ可能なスイッチによって機械的にまたは人為的に制御されてもよい。
次に、第1,2特性式および第1,2の特性値の算出方法、および物理量センサの補正後の出力値の演算方法について、図3〜5を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の補正前の出力特性の一例を示す特性図である。また、図4は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の目標出力特性の一例を示す特性図である。図5は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の温度依存性を示す特性図である。物理量センサとして圧力センサを用いた物理量センサ装置の動作モード1において、3つの所定温度T1〜T3ごとに3つの圧力P1〜P3を圧力センサに検知させた場合を例に説明する。所定温度T1〜T3を例えばそれぞれ−40℃、25℃および100℃とした。
まず、図3に示すように、第1の取得部111によって、圧力センサの計9つの初期出力値V0を取得する。次に、圧力Pj、j=1,2,3を横軸とし、圧力センサの初期出力値V0を縦軸として、所定温度T1〜T3ごとに圧力Pjと初期出力値V0とを2次多項式に近似する。これにより、検知した圧力Pjに対して2次曲線的に変化する圧力センサの初期の出力特性301〜303が得られる。図3に示す圧力センサの初期の出力特性301〜303を示すグラフは2次曲線である(図4,5のグラフも同様に2次曲線である)。図3に示す圧力P1〜P3および圧力センサの初期出力値V0の値は一例である。
次に、第2の取得部112によって、圧力センサの9つの各初期出力値V0にそれぞれ対応する圧力センサの9つの目標出力値V1を取得する。次に、図4に示すように、圧力センサの初期出力値V0を横軸とし、圧力センサの目標出力値V1を縦軸として、所定温度T1〜T3ごとに初期出力値V0と目標出力値V1とを最小二乗法により2次多項式に近似する。これにより、圧力センサの補正後の出力特性401〜403が所定温度T1〜T3ごとに得られる。そして、所定温度T1〜T3ごとの圧力センサの目標出力値の近似式V1(T1)〜V1(T3)は、下記(4)式〜下記(6)式であらわされる。
1(T1)=−0.88×V0 2+11.66×V0−0.10 ・・・(4)
1(T2)=−1.19×V0 2+13.34×V0−0.11 ・・・(5)
1(T3)=−1.40×V0 2+15.17×V0−0.09 ・・・(6)
上記(4)式〜上記(6)式により、V1(Ti)、i=1,2,3の2次の項の係数ki2、1次の項の係数ki1および定数項ki0を、第1の特性値として抽出する。物理量センサ装置の動作モード3において、上記(4)式〜上記(6)式の初期出力値V0および目標出力値V1は、それぞれ圧力センサの出力値Vdおよび圧力センサの補正後の出力値Voutに相当する。このため、上記(4)式〜上記(6)式は、下記(7)式のようにあらわすことができる。下記(7)式は、n,m=3のときの上記(1)式に相当し、圧力センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式である。
Vout(ΔT,Vd)=K2(ΔT)×Vd2+K1(ΔT)×Vd+K0(ΔT) ・・・(7)
次に、上記(4)〜上記(6)式において、所定温度T1〜T3と基準温度T0(例えばT0=25℃)との各差分ΔTと、各2次の項の各係数k12=−0.88、k22=−1.19およびk32=−1.40とを最小二乗法により2次多項式に近似する。同様に、各差分ΔTと、各1次の項の各係数k11=11.66、k21=13.34およびk31=15.17とを最小二乗法により2次多項式に近似する。各差分ΔTと、定数項k10=−0.10、k20=−0.11およびk30=−0.09とを最小二乗法により2次多項式に近似する。
これにより、図5に示すように、上記(7)式の係数および定数項の近似式K2(ΔT)、K1(ΔT)およびK0(ΔT)は、温度依存特性を示す2次曲線501〜503を示し、下記(8)式〜下記(10)式であらわされる。物理量センサ装置の動作モード3において、所定温度T1〜T3と基準温度T0(例えばT0=25℃)との各差分ΔTは、基準温度T0=25℃の温度センサの検出温度(温度センサの出力値)に相当する。このため、第1の特性値の近似式Ki(ΔT)、i=0,1,2は、下記(8)式〜下記(10)式であらわされる。
2(ΔT)=−1.5×10-5×ΔT2−3.9×10-3×ΔT−1.2 ・・・(8)
1(ΔT)=−7.8×10-6×ΔT2−2.6×10-2×ΔT−1.3×10 ・・・(9)
0(ΔT)=2.4×10-6×ΔT2−1.1×10-4×ΔT−1.1×10-1 ・・・(10)
上記(8)式〜上記(10)式は、温度ΔTに依存する下記(11)式として抽出することができる。下記(11)式は、n=3のときの上記(3)式に相当し、第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式である。そして、上記(8)式におけるK2(ΔT)の2次の項の係数kT22=−1.5×10-5、1次の項の係数kT21=−3.9×10-3および定数項kT20=−1.2と、上記(9)式におけるK1(ΔT)の2次の項の係数kT12=−7.8×10-6、1次の項の係数kT11=−2.6×10-2および定数項kT10=−1.3×10と、上記(10)式におけるK0(ΔT)の2次の項の係数kT02=2.4×10-6、1次の項の係数kT01=−1.1×10-4および定数項kT00=−1.1×10-1と、を第2の特性値として抽出する。
i(ΔT)=kTi2×ΔT2+kTi1×ΔT+kTi0 (i=0,1,2) ・・・(11)
このように得られた9つの第2の特性値(以下、補正用パラメータとする)kTij、i=0,1,2、j=2,1,0は、物理量センサ装置の動作モード2において、物理量センサの出力特性を補正する補正用パラメータとして物理量センサ装置のデータ記憶部205に記憶される。その後、物理量センサ装置の動作モード3において、温度センサの検出温度ΔTと9つの補正用パラメータkTijとが演算回路204に入力されることにより、上記(8)式〜上記(10)式を用いた演算処理がおこなわれ、Ki(ΔT)、i=0,1,2が算出される。Ki(ΔT)、i=0,1,2は上記(7)式の係数および定数項であるため、圧力センサの出力値Vdが演算回路204に入力されることにより、上記(7)式を用いて、圧力センサの補正後の出力値Voutを算出することができる。
次に、上述した9つの補正用パラメータ(第2の特性値)kTijについて説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の温度に対する特性を詳細に示す説明図である。図6には、上記(8)〜上記(10)式で示した補正用パラメータの数値の一例と、各パラメータの持つ意味(温度に対する特性)を示す。上述した9つの補正用パラメータkTijには、物理量センサ装置の温度に対する異なる特性がそれぞれあらわれる。このため、9つの補正用パラメータkTijにより、物理量センサ装置の温度に対する特性を詳細に確認することができる。
具体的には、図6に示すように、K2(ΔT)の2次の項の係数kT22は、感度曲がり(感度非直線性)の温度に対する曲がり成分である。K2(ΔT)の1次の項の係数kT21は、感度曲がり(感度非直線性)の温度に対する傾きである。K2(ΔT)の定数項kT20は、基準温度時における感度曲がり(感度非直線性)である。K1(ΔT)の2次の項の係数kT12は、感度増幅度の温度に対する曲がり成分である。K1(ΔT)の1次の項の係数kT11は、感度増幅度の温度に対する傾きである。K1(ΔT)の定数項kT10は、基準温度時における感度増幅度である。
0(ΔT)の2次の項の係数kT02は、オフセットの温度に対する曲がり成分である。K0(ΔT)の1次の項の係数kT01は、オフセットの温度に対する傾きである。K0(ΔT)の定数項kT00は、基準温度時におけるオフセット補正量である。これら9つの補正用パラメータkTijは、作製された物理量センサ装置ごとに得られる。このため、過去に作製された物理量センサ装置の補正用パラメータkTijの履歴をさかのぼって例えば所定の数値範囲にない補正用パラメータkTijを確認することにより、補正用パラメータkTijの示す温度特性に問題が生じているか否かを確認することができる。
また、3次や4次の多項式で近似して第1,2の特性式を算出する場合、補正用パラメータkTijの個数は、3次の多項式に近似する場合で12〜16個となり、4次の多項式に近似する場合で15〜25個となる。例えば、第1の特性式を3次の多項式に近似し、第2の特性式を2次の多項式で近似する場合は、少なくとも3つの所定温度でそれぞれ物理量センサの出力を少なくとも4つ取得する必要がある。これらの補正用パラメータkTijには、例えば、周辺機器に起因する特性などが規則的にあらわれる。このため、周辺機器によっては、第1,2の特性式の次数を増やすほど、周辺機器に起因する特性などを確認することができ物理量センサの出力値を高精度で補正することができる。
また、4つの所定温度でそれぞれ物理量センサの出力を4つ取得したとしても、3次の多項式に近似するとは限らず、2次の多項式に近似する場合もある。よって、測定個数がm,n個の場合得られる近似式の次数X、Yは、2≦Y≦m−1、2≦X≦n−1となる。
次に、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の出力値補正処理の手順について説明する。図7,8は、本発明の実施の形態にかかる物理量センサ装置の出力値補正処理の手順を示すフローチャートである。図7,8には、物理量センサ装置の初期設定条件が算出され、物理量センサ装置の記憶部に書き込まれるまでの処理を示す。まず、図7に示すように、圧力センサの出力値の測定回数n(≧3)および温度センサの出力値の測定回数m(≧3)を取得する(ステップS701)。
次に、変数iに1を代入した後(ステップS702)、温度センサによって検出された温度Tiと、この温度TiのときのVcc分圧部の出力値Vcciを測定する(ステップS703,S704)。次に、変数jに1を代入した後(ステップS705)、温度ΔTiおよび圧力Pjのときの圧力センサの初期出力値V0_ijを測定する(ステップS706)。そして、変数jをインクリメントして(ステップS707)、変数jが測定回数nと等しくなるまで(ステップS708:No)、ステップS706,S707の処理を繰り返し行う。
変数jが測定回数nよりも大きくなった場合(ステップS708:Yes)、変数iをインクリメントし(ステップS709)、変数iが測定回数mと等しくなるまで(ステップS710:No)、ステップS703〜S709の処理を繰り返し行う。これにより、m個の温度ごとにn個の圧力を測定して計m×n個以上の初期出力値V0_ij、i=1,2,…,m、j=1,2,…,nが測定され、物理量センサ装置の外部へ出力される。ここまでの処理は、物理量センサ装置の動作モード1である。物理量センサ装置の外部へ出力された複数の初期出力値V0_ijは、設定装置の第1の取得部によって取得される。
変数iが測定回数mよりも大きくなった場合(ステップS710:Yes)、設定装置の第2の取得部によって初期出力値V0_ijに対応する圧力センサの目標出力値V1_ij、i=1,2,…,m、j=1,2,…,nを読み出す(ステップS711)。次に、初期出力値V0_ijおよび目標出力値V1_ijに基づいて、上記(4)式〜上記(6)式に示すように温度Tiごとに目標出力値の近似式V1(Ti)を算出する(ステップS712)。次に、目標出力値の近似式V1(Ti)の係数および定数項kij、i=1,2,…,m、j=X,X−1,…,1,0を第1の特性値として取得する(ステップS713)。
次に、変数iに1を代入し(ステップS714)、上記(8)式〜上記(10)式に示す第1の特性値の近似式Ki(ΔT)を算出する(ステップS715)。次に、第1の特性値の近似式Ki(ΔT)の各パラメータkTij、i=0,1,…,m、j=Y,Y−1,…,1,0(2≦Y≦n−1)を、第2の特性値として取得する(ステップS716)。そして、変数iをインクリメントして(ステップS717)、変数iが測定回数mと等しくなるまで(ステップS718:No)、ステップS715〜S717の処理を繰り返し行う。変数iが測定回数mよりも大きくなった場合(ステップS718:Yes)、近似式Ki(ΔT)の係数および定数項(第2の特性値)kTijを、補正用パラメータとして物理量センサ装置の記憶部に書き出す(ステップS719)。ステップS719の処理は、物理量センサ装置の動作モード2である。その後、本フローチャートによる処理を終了し、以降、物理量センサ装置は動作モード3で動作する。
なお、本実施の形態で説明した物理量センサ装置の出力値補正処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上、説明したように、実施の形態によれば、物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式と、第1の特性式の係数および定数項の温度依存特性を示す第2の特性式とを用いて、物理量センサの補正後の出力値を演算する。このため、物理量センサおよび温度センサの初期の出力特性に曲がりが存在していたとしても、これらの曲がりが補正され物理量センサの出力値を補正することができる。このため、物理量センサ装置の補正精度を向上することができる。
また、実施の形態によれば、最低限9つの補正用パラメータを記憶部に記憶させればよいため、データ容量の小さい安価な記憶部を用いることができる。このため、物理量センサ装置の規模を縮小することができ、かつ物理量センサ装置を安価に作製することができる。また、3次の第1,2の特性式を算出する場合には12〜16個の補正用パラメータを、4次の第1,2の特性式を算出する場合には15〜25個の補正用パラメータを記憶部に記憶させればよい。このため、第1,2の特性式の次数を増加させた場合でも、記憶部に記憶されるパラメータの個数が大幅に増加することはない。したがって、データ容量の小さい安価な記憶部を用いた場合においても、3次や4次の第1,2の特性式を算出して補正用パラメータを増やし、周辺機器に起因する曲がりを容易に補正することができる。
また、実施の形態によれば、第1の特性式と当該第1の特性式を構成する第2の特性式とからなる1つの伝達関数式に物理量センサの出力値、温度センサの出力および第2の特性値を入力するだけで、物理量センサの補正後の出力値を演算することができる。このため、伝達関数式の次数にかかわらず、論理積回路や論理和回路などの基本回路のみで上記伝達関数式を構成した演算回路を用いて、物理量センサの補正後の出力値を演算することができる。これにより、物理量センサ装置の規模を小さくすることができ、かつ物理量センサ装置を安価に作製することができる。さらに、処理速度の高速化を図ることができる。
また、実施の形態によれば、物理量センサの出力特性を補正する補正用パラメータを算出するために、最低限9つの測定点(3つの所定温度ごとに3つの物理量を測定)において物理量センサの初期出力値を取得すればよい。このため、物理量センサ装置の初期設定を行うための工程数を少なくすることができる。したがって、物理量センサ装置を安価に作製することができる。また、例えば、4つの所定温度ごとに4つの物理量を測定するなど測定点の個数を増やすことで、第1,2の特性式を算出するため近似精度が向上する。これにより、物理量センサ装置の補正精度を向上することができる。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、補正用パラメータを算出するための設定装置を物理量センサ装置内に設けてもよい。この場合、例えば物理量センサ装置の動作モード3において周辺機器が変更されたときなどに、設定装置によって再度、補正用パラメータを算出する構成としてもよい。また、図1に示した物理量センサ装置のうち物理量センサとその他の装置(物理量センサの出力値補正装置)とを同一の半導体チップ上に設けてもよいし、異なる半導体チップ上に設けてもよい。物理量センサと物理量センサの出力値補正装置を異なる半導体チップ上に設けた場合、温度センサを物理量センサと同一の半導体チップ上に設けてもよいし、サーミスタなどで構成し、物理量センサの出力値補正装置および物理量センサと同一の半導体チップ上に設けなくてもよい。また、物理量センサを半導体チップ上に形成しなくてもよい。
以上のように、本発明にかかる物理量センサ装置の出力値補正方法、物理量センサの出力値補正方法、物理量センサ装置および物理量センサの出力値補正装置は、温度に依存する他の物理量を検知し、検知した物理量に応じて電気信号を出力する物理量センサに有用である。
100 物理量センサ装置
101 物理量センサ
102 温度センサ
103 Vcc分圧部
104 演算部
105 記憶部
106 入出力部
111 第1の取得部
112 第2の取得部
113 第1の算出部
114 第2の算出部

Claims (16)

  1. 温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じて電気信号を出力する物理量センサと、検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサと、を備えた物理量センサ装置の出力値補正方法であって、
    少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得工程と、
    少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得工程と、
    前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出工程と、
    前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出工程と、
    を含み、
    前記第1の算出工程では、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とし、
    前記第2の算出工程では、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする物理量センサ装置の出力値補正方法。
  2. 2次以上の多項式に近似するときに最小二乗法を用いることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  3. 前記物理量センサの現時点の出力値と、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を用いて補正された補正後の前記第1の特性値とに基づいて、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  4. 前記第1の特性式および前記第2の特性式を構成する演算手段に、前記物理量センサの現時点の出力値、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を入力することにより、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  5. 前記演算工程では、電源電圧に比例した前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする請求項3または4に記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  6. 前記第2の特性値を記憶手段に記憶する記憶工程をさらに含み、
    前記演算工程では、前記記憶手段から読み出した前記第2の特性値を用いることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  7. 前記物理量センサは、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサまたは流量センサであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の物理量センサ装置の出力値補正方法。
  8. 温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じた電気信号を出力する物理量センサと、
    検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサと、
    少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得手段と、
    少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得手段と、
    前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出手段と、
    前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出手段と、
    を備え、
    前記第1の算出手段は、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とし、
    前記第2の算出手段は、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする物理量センサ装置。
  9. 2次以上の多項式に近似するときに最小二乗法を用いることを特徴とする請求項8に記載の物理量センサ装置。
  10. 前記物理量センサの現時点の出力値と、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値を用いて補正された補正後の前記第1の特性値とに基づいて、前記物理量センサの補正後の出力値を演算する演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載の物理量センサ装置。
  11. 前記第1の特性式および前記第2の特性式を構成する演算手段をさらに備え、
    前記演算手段は、前記物理量センサの現時点の出力値、前記温度センサの前記現時点の出力値および前記第2の特性値が入力されることにより、前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする請求項8または9に記載の物理量センサ装置。
  12. 前記演算手段は、電源電圧に比例した前記物理量センサの補正後の出力値を演算することを特徴とする請求項10または11に記載の物理量センサ装置。
  13. 前記第2の特性値を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記演算手段は、前記記憶手段から読み出した前記第2の特性値を用いることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の物理量センサ装置。
  14. 前記物理量センサは、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサまたは流量センサであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一つに記載の物理量センサ装置。
  15. 温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じて電気信号を出力する物理量センサおよび検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサからの出力信号を取得し前記物理量センサの出力値を補正する物理量センサの出力値補正方法であって、
    少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得工程と、
    少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得工程と、
    前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出工程と、
    前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出工程と、
    を含み、
    前記第1の算出工程では、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とし、
    前記第2の算出工程では、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする物理量センサの出力値補正方法。
  16. 温度に依存する他の物理量を検知し、検知した前記物理量に応じた電気信号を出力する物理量センサおよび検知した温度に応じた電気信号を出力する温度センサの出力信号を受け前記物理量センサの出力値を補正する物理量センサの出力値補正装置であって、
    少なくとも3つ以上の所定温度のそれぞれにおいて、前記物理量センサによって出力された少なくとも3つ以上の初期出力値をそれぞれ取得する第1の取得手段と、
    少なくとも3つ以上の前記初期出力値に対応して予め設定された前記物理量センサの目標出力値をそれぞれ取得する第2の取得手段と、
    前記初期出力値および前記目標出力値に基づいて、検知した前記物理量に対して非線形的に変化する前記物理量センサの出力特性を補正するための第1の特性値を算出する第1の算出手段と、
    前記所定温度および前記第1の特性値に基づいて、前記温度センサによって検出された温度に対して非線形的に変化する前記第1の特性値を補正するための第2の特性値を算出する第2の算出手段と、
    を備え、
    前記第1の算出手段は、前記所定温度ごとに前記初期出力値と前記目標出力値とを2次以上の多項式に近似して前記物理量センサの補正後の出力特性を示す第1の特性式を算出し、前記第1の特性式の係数および定数項を前記第1の特性値とし、
    前記第2の算出手段は、前記第1の特性式の係数および定数項ごとに前記所定温度と前記第1の特性値とを2次以上の多項式に近似して前記第1の特性値の温度依存特性を示す第2の特性式を算出し、前記第2の特性式の係数および定数項を前記第2の特性値とすることを特徴とする物理量センサの出力値補正装置。
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