JP5821633B2 - 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法に関する。
本発明の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、3−ブロモ−3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンをアルコール性水酸化カリウムにより脱塩化水素する方法(非特許文献1)、3,3,3−トリフルオロプロピンに塩化水素を付加させる方法(非特許文献2)、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパンをアルコール性水酸化カリウムにより脱ヨウ化水素する方法(非特許文献3)または1,3,3,3−テトラクロロロプロペンをアンチモン触媒存在下フッ化水素でフッ素化する方法(特許文献1)等で得ることができる。
本発明者らは、気相中、固体触媒存在下、または液相中、無触媒の条件下、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素によりフッ素化して1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法を開示している(特許文献2、3、4)。
米国特許第2787646号明細書 特開平9−194404号公報 特開平10−67693号公報 特開2000−007592号公報
R.N.Haszeldine,J.Chem.Soc.,1951、p.2495. J.Chem.Soc.,1952,p.3490. J.Chem.Soc.,1953、p.1199.
非特許文献1や非特許文献3に記載の方法は、水酸化カリウムにより脱ハロゲン化水素する方法であり、変換率および選択率に優れた方法ではあるが、水酸化カリウムが化学量論量以上必要であること、また原料である3−ブロモ−3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンまたは3−クロロ−1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパンを予め調製しなければならず、工業的に適用するには困難な点が多い。また、非特許文献2に記載の方法は、塩化水素を付加させる方法であり、反応率および選択率に優れた方法ではあるが、原料である3,3,3−トリフルオロプロピンを入手し難い。また、特許文献1に記載の方法は、アンチモン触媒存在下、フッ化水素でフッ素化する方法であるが、原料入手の困難さと定量的な反応となりがたいという問題点がある。
一方、比較的入手が容易である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素によりフッ素化して1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る製造方法は、工業的規模での製造に適しているものと考えられる。
その中で、本発明の目的物である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造工程は、下記式で示す通り、第一工程の四塩化炭素と塩化ビニルから1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを得る製造工程と、第二工程の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ素化し、分離・精製する工程からなる。第一工程においては、触媒存在下で反応を行うことが通常の製造方法であるが、これらの製造工程において、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中の触媒成分等の不純物の存在が、触媒寿命の短縮、反応抑制や深刻な反応装置等の腐食を生じせしめる問題があった。
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本発明の課題は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素によりフッ素化し、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを工業的規模で効率良く、かつ反応装置等に負荷がかからずに製造する方法を課題とする。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み、工業的規模での製造に適した1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法を確立すべく、各種製造方法について鋭意検討を行った結果、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中の触媒成分(金属可溶化剤、金属可溶化剤の塩酸塩等)を一定濃度以下に制限することにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造における触媒寿命の短縮、反応抑制、装置スケーリングや腐食等の問題が改善することを見出した。また、原料である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造、すなわち、四塩化炭素と塩化ビニルとを触媒の存在下テロメリゼーション反応させる方法について鋭意検討を加え、特定の金属可溶化剤存在下において元素状の鉄を主成分とする触媒を用いると、良好な収率でかつ選択的に目的とする1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンが生成する知見も得た。
すなわち、本発明は、以下の[発明1]〜[発明10]に記載する発明を提供する。
[発明1]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンにフッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る製造方法において、反応系内に供給する1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンとして、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中の金属可溶化剤及び/又は金属可溶化剤の塩酸塩、及び鉄錯体の濃度を100ppm以下に抑えたものを用いることを特徴とする、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
[発明2]
金属可溶化剤が、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、2−アミノアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、及びヘキサメチルホスホリックトリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、発明1に記載の方法。
[発明3]
鉄錯体が、「N,N−ジメチルアセトアミドと塩化鉄(II)、及び塩化鉄(III)からなる錯体」(FeCl・2FeCl・6DMAC)である、発明1に記載の方法。
[発明4]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、該プロパン中の金属可溶化剤及び/又は金属可溶化剤の塩酸塩、及び鉄錯体を、吸着剤を用いて吸着除去した後に、前記反応系内に供給することを特徴とする、発明1乃至3の何れかに記載の方法。
[発明5]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、該プロパン中の金属可溶化剤及び/又は金属可溶化剤の塩酸塩、及び鉄錯体を、水で洗浄した後に、前記反応系内に供給することを特徴とする、発明1乃至3の何れかに記載の方法。
[発明6]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造が、鉄触媒の存在下、四塩化炭素と塩化ビニルとの反応により得られることを特徴とする、発明1乃至5の何れかに記載の方法。
[発明7]
四塩化炭素と塩化ビニルとの反応において用いる鉄触媒の濃度を、鉄換算で100ppm以下に抑えることにより行う、発明6に記載の方法。
[発明8]
触媒の非存在下、100〜500℃の温度範囲で、かつ0.05〜6.0MPaの圧力範囲で行うことを特徴とする、発明1乃至5の何れかに記載の方法。
[発明9]
フッ素化触媒存在下、気相で行うことを特徴とする、発明1乃至5の何れかに記載の方法。
[発明10]
フッ素化触媒がフッ素化処理したステンレス鋼触媒、アルミナ、ジルコニア、チタニア、活性炭、クロム担持アルミナ、及びクロム担持活性炭からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、発明9に記載の方法。
本発明の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造法は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中の不純物を制御することにより、装置等の腐食や触媒劣化を抑制することができ、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを高収率で得る工業的な製造法として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。また、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
まず、第一工程の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方法について説明する。当該プロパンの製造方法は、鉄触媒の存在下、四塩化炭素と塩化ビニルとの反応によってなる。
本工程で用いる鉄触媒は、鉄を含むものであり、金属鉄、純鉄、軟鉄、炭素等が含まれる鉄鋼または成分として鉄を含む合金、例えば各種のステンレス鋼、フェロシリコン等が使用でき、粉、粒、塊、線、棒、球、板またはそれらを任意の形状に加工した金属片、例えば、ラシヒリング、ヘリックスなどの蒸留充填物、スチールウール、金網、コイル、その他不定形の金属片など、いずれの形態でも使用可能である。しかしながら、鉄以外に触媒活性を有さない成分が多量に含まれる合金では、それらの成分が反応系中に溶出しまたは不溶成分として存在するため、反応後にそれらの処理が複雑となり、触媒としては好ましくない。
触媒の主体として用いられる鉄の量は、四塩化炭素1モルに対し、少なくとも0.001モルを必要とする。バッチ式反応または半バッチ式反応においては通常0.001〜1モルとし、0.005〜0.8モルが好ましく、0.01〜0.5モルの範囲がより好ましい。
鉄の量が1モルを越える場合、例えば後に述べる流通式においては、この過剰な鉄の添加量については特に不都合はないが、鉄の量が0.001モル未満では反応収率が低下するので好ましくない。
なお、鉄とともに助触媒作用を有する金属化合物、金属錯体などを併用することができる。そのような金属として好ましい金属には周期律表のVIII族またはIB族の金属元素が挙げられる。具体的には、例えば、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、ルテニウム、銅、銀等のハロゲン化物、酸化物、硝酸塩、酢酸塩またはアセチルアセトン錯体などが挙げられるが、ニッケル、鉄、コバルトおよび銅から選ばれる金属のハロゲン化物が特に優れている。その様なハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられるが、塩化物が反応性、物質の汎用性、取り扱いやすさ等から優れている。具体的には、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化第一銅、塩化第二銅を好ましいものとして挙げることができる。
助触媒の量は、四塩化炭素1モルに対し、通常0.001〜1モルであるが、0.05〜0.5モルが好ましく、0.01〜0.1モルの範囲がより好ましい。助触媒の量が0.001モル未満では反応速度が低下するので好ましくない。鉄に対する助触媒の使用量比は、鉄の量が先に述べたように限定されないので特に限定されないが、通常0.1以下とすることが好ましい。
本工程は、一定温度以上で、四塩化炭素等の有機ハロゲン化合物および金属可溶化剤と共存することにより可溶化される。本工程では、特定の金属可溶化剤を反応系に共存させる、すなわち、該金属可溶化剤存在下において鉄触媒を用いると、良好な収率で、かつ選択的に目的とする1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを製造できる。
使用される金属可溶化剤としては、非プロトン性の極性有機化合物が好ましく、ニトリル類、アミド類、亜リン酸エステル類およびその他が挙げられる。ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、イソフタロニトリル、2−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル等が挙げられ、アミド類としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等が挙げられ、亜リン酸エステル類としては亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル等が挙げられ、その他の化合物としてはジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イメダゾリジノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、アセトニトリル、2−アミノアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドが金属化合物の溶解性に優れるので特に好ましい。これらの化合物は、単体または混合物として使用することができる。
また、反応性、選択性の向上のために、適宜反応系に不活性な溶媒を加えることも可能である。一般的に、この様な溶媒を加えると塩化ビニルの高次重合物の生成を低減させることに効果がある。その添加割合は限定されず適宜選択することができる。この様な溶媒としては、反応系において不活性でありラジカル捕捉剤として働かない物質であれば限定されない。
反応系中での金属可溶化剤/四塩化炭素のモル組成比は、10/1〜1/1000であり、1/10〜5/1000が好ましく、1/100付近が特に好ましい。この比が10/1よりも大きいことは特に不都合はないが反応器が大型化するので好ましくなく、1/1000より小さいと四塩化炭素または塩化ビニルの反応率が低下して好ましくない。
塩化ビニルの量は、四塩化炭素に対して等モル量またはそれ以下とすることが好ましいが必ずしも限定されない。塩化ビニル量を等モル量以上とすると塩化ビニルの高次重合物の生成量が増加し、また、未反応のまま反応器を通り抜ける塩化ビニルが増えることとなり好ましくない。高次重合物を低下させるには塩化ビニル量を等モル量以下にすることが好ましく、特に1/2付近が好ましい。等モル量以下の場合、四塩化炭素は一部が未反応のまま反応器に残留することになるが、これは反応液から蒸留などの公知の方法で回収しリサイクルすることができるので特に問題はない。
本発明の方法においては、塩化ビニルは不活性なガスで希釈して使用することができる。希釈する程度は任意でよいが、塩化ビニルに対する希釈ガスの割合が増えると塩化ビニルの高次重合物の生成量が減少するので好ましい。しかし、その場合、装置の効率の低下を伴うので通常塩化ビニル/希釈ガスの容量比は0.1〜10程度とするのが好ましい。希釈ガスとしては、反応系において不活性でありラジカル捕捉剤として働かない物質であれば限定されないが、例えば、チッ素、水素、アルゴン、ヘリウムなどを使用できる。
反応温度は鉄および助触媒の添加量、金属可溶化剤の添加量に依存し、塩化ビニルの転化率、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン選択率、鉄および助触媒の寿命に影響を与えるが、80〜150℃、より好ましくは100〜120℃の範囲が推奨される。80℃より低い場合には転化率が低く、150℃を越えると反応器の圧力が高くする必要がありそれぞれ好ましくない。反応器の圧力は、各温度における四塩化炭素と金属可溶化剤の分圧の和となるが、通常1〜50kg/cmであり、3〜15kg/cmが好ましい。
本発明の実施態様としては、バッチ式反応、半流通式、流通式反応のいずれでも良いが、例えば、四塩化炭素、金属可溶化剤からなる混合反応液に鉄と任意に金属化合物および/または金属錯体(触媒成分)を存在させ、その中に塩化ビニルをガス状または液体状で連続的あるいは断続的に導入し、反応させることが望ましい。バッチ式で反応初期に鉄、金属可溶化剤、反応試剤等を予め装入しておく方法、および塩化ビニルを液体で逐次添加方式で送入する方法はいずれも塩化ビニルの高次重合物の生成量が増える傾向となるので本発明の方法としては避けることが好ましい。鉄は比較的小さい形状の場合には反応液とともに攪拌により系内を浮遊または流動してもよいが、固定して他の反応試剤のみを流動させることも好ましい。何れの反応形式をとる場合においても、本反応は気体と液体の接触が重要な過程となるので反応系にそれらの接触を図るための公知の機器または装置を備えることは好ましい。そのような装置としては、例えば、攪拌機、スパージャーなどを挙げることができるが各種の公知装置を適用すればよい。
本発明の触媒成分としては、例えば還元鉄(Fe)とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を、130〜140℃、0.3MPaの条件にて、連続的に塩化ビニルおよび四塩化炭素原料とともに耐食性のグラスライニング製反応器に投入すると、N,N−ジメチルアセトアミドは、還元鉄と塩化物から生成した塩化鉄(II)および塩化鉄(III)と、流動性の液体性状を有する鉄錯体、すなわち、「N,N−ジメチルアセトアミドと塩化鉄(II)、及び塩化鉄(III)からなる錯体」(FeCl・2FeCl・6DMAC)(なお、本明細書では「鉄錯体」とも言う。)を形成し反応に寄与する。この触媒組成物は反応混合物として反応系から1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、四塩化炭素およびDMAC及びその塩酸塩等とともに連続的に抜き出されるが、冷却、静定すると流動性のある液体触媒層として粗生成物有機層から2層に分離される。鉄錯体やDMAC(塩酸塩)は粗生成物有機層に対し溶解性を有することから、微量溶解して存在している。
そこで本発明者らは、鉄錯体等の混入不純物の濃度を一定以下にすることで第一工程における装置腐食等、並びに、続く第二工程における触媒寿命の短縮、反応抑制や装置腐食等の問題を回避できることを見出した。すなわち、第一工程において、鉄錯体や金属可溶化剤及び/又は金属可溶化剤の塩酸塩の濃度は100ppm以下、より好ましくは10ppm以下に抑えることで、貯槽や蒸留塔等の装置に腐食等の影響を及ぼさずに、第二工程を効率よく実施することができる。
以下に、混入不純物の濃度を一定以下にする具体的態様を説明する。
通常、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(沸点179℃)を精製する場合、粗体を減圧蒸留すること等により単離されるが、鉄錯体、DMAC及び/又はその塩酸塩、あるいは沸点の近い金属可溶化剤等の不純物が存在すると、蒸留中に鉄錯体が部分分解してDMAC塩酸塩となり、昇華や同伴蒸留され、蒸留塔上部装置の閉塞、腐食の原因となるため好ましくない。さらに、精製1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中に金属可溶化剤(またはその塩)が混入した場合、後段の触媒寿命の短縮、反応抑制、装置スケーリングや腐食等の問題を発生させるため好ましくない。
装置腐食等は、酸捕捉剤であるグリシジルエーテル系の安定剤等を添加することでも抑制することができるが、効果は部分的であり、第一義的には触媒成分等の混入不純物の濃度を一定限度以下とし、さらに必要に応じ安定剤を添加することが好ましい。
混入不純物は、吸着法、水洗法、膜分離法、蒸留法等により分離除去することができる。吸着剤としては、活性アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、セルロース繊維等が挙げられる。不純物の除去は、吸着剤を充填した塔に連続的に有機物を導入し吸着除去するか、有機物の一定量を一定時間吸着剤にバッチ的に接触し除去する方法のいずれでもよく、吸着剤は、吸着成分をアセトン、メタノール、酢酸エチル等の有機溶媒または水蒸気等により脱離し、乾燥後、再使用することができる。なお、吸着剤除去後、蒸留法を併用することは、更なる吸着剤の低減が期待できることからも、好ましい態様の一つとして挙げられる。蒸留法については特に制限はなく、当業者が適宜調整できる。
水洗する場合、鉄錯体を含む有機物に対する水の量は、鉄錯体や金属可溶化剤等の不純物濃度に依存するが、例えば0.1質量%の鉄錯体濃度および0.05質量%の金属可溶化剤濃度の有機物を洗浄する場合では、1/1〜1/4の範囲であればよい。水量は1/1以上であってもよいが、エマルジョンの発生が増加することや洗浄槽が大きくなるために操作上および経済的に不利であり、また1/4以下では水洗の効果が乏しい。不純物濃度が高く、洗浄が不十分な場合には数回水洗を繰り返すことが好ましい。水温は液体として取り扱える範囲で操作上支障がなければ何度でもよく、常圧下20〜80℃が好ましい。水洗後有機層を二層分離しゼオライト等の乾燥剤に接触して乾燥する。
以上のように、各種精製方法を採用することにより、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中に含まれる鉄錯体、DMAC及びその塩酸塩、あるいは金属可溶化剤等の不純物を低減できる。
次に、第二工程について説明する。第二工程においては高温下で腐食性のフッ化水素を用いるため、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有するステンレス鋼等が好ましいが、腐食を促進する物質を抑制する必要がある。したがって、前述したように、触媒寿命の短縮、反応抑制や装置腐食等の問題を回避できる金属可溶化剤濃度は、100ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。
第二工程では1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素との反応を、フッ素化触媒存在下、気相で行うか、または無触媒、高温、高圧で行う。
本工程において、フッ素化触媒存在下、気相で行う場合、用いるフッ素化触媒は、金属化合物を担体に担持して使用することができる。また、アルミナ、チタニア、ステンレス鋼等をフッ素化したもの(例えば、フッ素化アルミナ)や活性炭もフッ素化触媒として使用できる。アルミナはその調製方法により各種の形態をとるが、本発明において使用する場合特に限定されず、通常γーアルミナといわれるものが入手しやすく適している。そのうちでも、比較的比表面積が大きく、高耐熱性を有する触媒担体用の活性アルミナが好ましいものとして例示できる。一方、ステンレス鋼としてはフェライト系のSUS430、オーステナイト系のSUS304、304L、316または316L等が挙げられるが、表面積を大きくできることから、ステンレスウール、ステンレス金網、細線、細管およびそれらから任意の形状に成形された蒸留塔用充填材が好ましいものとして挙げられる。
フッ素化触媒に用いる第二の形態は、金属を担体に担持した金属担持触媒である。金属は、周期律表の4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、13族、14族あるいは15族に属する金属から選ばれる。フッ素化触媒は、好ましくはクロム、チタン、アルミニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、ジルコニウムの中から選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物を担持した活性炭である。また、担体として、アルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化アルミニウム、ジルコニア又はフッ素化ジルコニアも使用できる。
これらの金属担持活性炭触媒を調製する方法は限定されないが、活性炭そのまま、または予めフッ化水素、塩化水素、塩素化フッ素化炭化水素などによりハロゲンで修飾された活性炭にクロム、チタン、マンガン、ニッケル、コバルトの中から選ばれる1種または2種以上の金属の可溶性化合物を溶解した溶液を含浸するか、スプレーすることで調製される。
触媒または担体として用いる活性炭は、木材、木炭、椰子殻炭、パーム核炭、素灰等を原料とする植物系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭等を原料とする石炭系、石油残滓、オイルカーボン等を原料とする石油系または炭化ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂系がある。これら市販の活性炭から選択し使用することができ、例えば、瀝青炭から製造された活性炭(東洋カルゴン製BPL粒状活性炭)、椰子殻炭(日本エンバイロケミカルズ(株)製、粒状白鷺GX、G2X、SX、CX、XRC、東洋カルゴン製PCB)等が挙げられるが、これらに限定されない。形状、大きさも通常粒状で用いられるが、球状、繊維状、粉体状、ハニカム状等反応器に適合すれば通常の知識範囲の中で使用することができる。本発明において使用する活性炭は比表面積の大きな活性炭が好ましい。活性炭の比表面積ならびに細孔容積は、市販品の規格の範囲で十分であるが、それぞれ400m2/gより大きく、0.1cm3/gより大きいことが望ましい。またそれぞれ800〜3000m2/g、0.2〜1.0cm3/gであればよい。さらに活性炭を担体に用いる場合、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液に常温付近で10時間程度またはそれ以上の時間浸漬するか、活性炭を触媒担体に使用する際に慣用的に行われる硝酸、塩酸、フッ酸等の酸による前処理を施し、予め担体表面の活性化ならびに灰分の除去を行うことが望ましい。
金属担持量は0.1〜80wt%、好ましくは1〜40wt%が適当である。活性炭に担持させる金属の可溶性化合物としては、水、エタノール、アセトンなどの溶媒に溶解する該当金属の硝酸塩、塩化物、酸化物などが挙げられる。具体的には、硝酸クロム、三塩化クロム、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、三塩化チタン、硝酸マンガン、塩化マンガン、二酸化マンガン、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルトなどを用いることができる。
何れの方法で金属を担持した触媒も、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化(および塩素化)炭化水素などのフッ素化剤で処理し、反応中の触媒の組成変化を防止することが有効である。また、反応中に酸素、塩素、フッ素化または塩素化炭化水素などを反応器中に供給することは触媒寿命の延長、反応率、反応収率の向上に有効である。
本工程にかかる反応の接触時間は、通常0.1〜300秒であり、生産性の面から好ましくは1〜60秒である。
本工程の反応温度は通常、100〜500℃であるが、本工程における好ましい温度範囲については、液相反応では100〜200℃が好ましく、気相反応では150〜350℃が好ましい。反応温度が100℃未満では反応速度が小さい。
本工程における反応圧力としては、通常、0.05〜6.0MPaの範囲であるが、本工程における好ましい反応範囲については、液相反応では原料有機物、中間物質およびフッ化水素が反応系内で液化するのが好ましいことから0.5〜6.0MPaが好ましく、気相反応では0.05〜5.0MPaの範囲である。なお、気相反応においては、実際上は0.05〜1.0MPa程度で行うのが好ましい。
気相反応では、連続的に反応領域に原料を導入して生成物を取り出す連続反応が適しているが、液相反応においても、原料を一定時間反応器に閉じ込めるバッチ反応以外に、連続的に原料を導入し、生成する塩化水素、有機物と未反応のフッ化水素を反応器上部に備えた還流冷却器により蒸留分離(反応蒸留)することにより生成物を回収する連続法を採用することができる。
気相反応で用いる何れの方法で金属を担持した触媒も、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化(および塩素化)炭化水素などのフッ素化剤で処理し、反応中の触媒の組成変化を防止することが有効である。また、反応中に酸素、塩素、フッ素化または塩素化炭化水素などを反応器中に供給することは触媒寿命の延長、反応率、反応収率の向上に有効である。
本発明の方法において、反応領域へ供給する1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン/フッ化水素のモル比は反応温度により変わりうるが、気相反応では、1/3〜1/20、好ましくは1/3〜1/10である。フッ化水素が過剰であると、反応器サイズが過大となり経済的ではなく、フッ化水素が少ないと有機物の高分子化が進みやすく、反応率が低下して、目的生成物の収率が低下する。液相反応では、フッ化水素は過剰であることが好ましく少なくともフッ化水素量は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに対し10当量以上、好ましくは20当量以上、さらには40当量以上が好ましい。通常生成物に伴われる低フッ素化物、未反応物またはフッ化水素は生成物と分離されリサイクルされるのでフッ化水素の過大または過小は、大規模な製造では致命的ではない。
反応器は、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有する材質が好ましく、ステンレス鋼、ハステロイ、モネル等が特に好ましい。また、これらの金属でライニングされた材料で作ることもできる。
本発明の方法により処理されて反応器より流出する1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む生成物は、公知の方法で精製されて製品となる。精製方法は限定されないが、例えば、生成物は最初に水または/およびアルカリ性溶液で洗浄されて塩化水素、フッ化水素などの酸性物質が除去され、乾燥の後、蒸留に付されて有機不純物が除かれる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。実施例においてガスクロマトグラフ分析における%は質量%である。
また、実施例及び参考例、比較例において「鉄錯体」とは、「FeCl・2FeCl・6DMAC」のことを言う。
[調製例1]
活性アルミナ(住友化学製NKH3−24:粒径2〜4mm、比表面積340m /g)300gを計り取り水で表面に付着した粉を洗浄除去した。フッ化水素(無水フッ酸)115gを水1035gに溶解し10%フッ化水素水溶液を調製した。洗浄した活性アルミナに調製した10%フッ化水素水溶液を徐々に入れ撹拌後3時間静置し、水洗後、ろ過し、次いで電気炉において200℃で2時間乾燥を行った。乾燥した活性アルミナを内径1インチ長さ30cmのステンレス製反応管に150cc入れ窒素を流しながら電気炉を200℃まで昇温し、更にフッ化水素を窒素に同伴させながらフッ化水素処理を行った。処理を行うにつれ温度が上昇するが400℃ を越えないように窒素とフッ化水素の流量を調整した。発熱が収まった時点で更に電気炉の設定を400℃ のままで2時間維持し触媒調製を終了した。
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造
攪拌機を備えた1000mlの硝子製オートクレーブに、四塩化炭素3.2モル、クロロホルム0.8モル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)0.06モル(1.25モル%対四塩化炭素)、鉄粉0.02モル(0.625モル%対四塩化炭素)を仕込み、反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、密封して250rpmで攪拌を行いながら140℃に加熱し30分間保持した。このときの圧力は0.25MPaG(ゲージ圧、以下本明細書にて同じ。)になった。30分後塩化ビニルを圧入して圧力をほぼ0.33MPaGとし、反応の進行にともない圧力を保つように塩化ビニルを添加し2モル加えた。反応時間は160分間であった。
反応終了後反応器を放冷し、内容物を取りだして金属塩を除去した後、これをガスクロマトグラフで分析した。
仕込みの四塩化炭素に対する目的物である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンへの収率は、55.1モル%であった。また残った四塩化炭素は1.35モル(仕込み量に対し42.2%)であった。一方、そのときの塩化ビニル反応率および1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン選択率はそれぞれ97.6%および92.7%であった。
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造
DMACの代わりにヘキサメチルホスホリックトリアミド0.06モルを用いたほかは、実施例1と同様に反応、回収、分析を行った。反応に要した時間は180分間であった。その結果、仕込みの四塩化炭素に対する目的物である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンへの収率は、54.4モル%であった。また残った四塩化炭素は1.22モル(仕込み量に対し38.1%)であった。一方、そのときの塩化ビニル反応率および1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン選択率はそれぞれ96.8%および93.1%であった。
[参考例1]
100mlSUS304製容器[Ni(8〜10.5%)、Cr(18〜20%)]に、SUS317L製テストピース[Ni (11〜15%)、Cr (18〜20%)、Mo (3〜4%)、極低炭素鋼]と1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン10gおよび所定量の鉄錯体を封入し、脱気後150℃、24時間加熱した。腐食速度およびスケーリング速度(テストピース単位表面積あたりに付着する固形物量の増加速度)はテストピースの試験前後の重量を測定して算出した。結果を表1に示す。
Figure 0005821633
鉄換算の鉄錯体濃度94ppmでは、SUS317Lに対し、腐食およびスケーリングが少ないことがわかる。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
攪拌機を備えた300mlのSUS316製オートクレーブにSUS317L製テストピースを入れ、反応器を冷却脱気後、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン50g(0.23モル)、無水フッ化水素100g(5モル)および所定量のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を仕込み、250rpmで攪拌を行いながら160℃に加熱した。反応圧力が4.2MPaGになった後、5時間保持した。
反応終了後反応器を氷冷し、テストピースおよび有機物を取りだしてガスクロマトグラフで分析した。有機物の分析結果では、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの転化率は99.9%以上、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(トランス体/シス体生成比:約10/1)の選択率は90〜95%であった。
腐食速度およびスケーリング速度(テストピース単位表面積あたりに付着する固形物量の増加速度)はテストピースの試験前後の重量を測定して算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005821633
本反応はフッ化水素過剰の高温高圧反応であり、腐食及びスケーリングが極力少ないことが望ましく、DMAC100ppm以下であることが好ましい。
[参考例2]
100mlスクリューキャップ付きガラス瓶に、所定量のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)および吸着剤を仕込み、30分間室温に放置した。有機物をガスクロマトグラフで分析し、それらの結果を表3に示す。
Figure 0005821633
500mlフッ素樹脂(PFA)製分液ロートにイオン交換水200g、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン200g、鉄錯体0.2gおよびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)0.1gを仕込み、5分間、室温にて激しく振とう撹拌し、二層分離するまで静定した。ガスクロマトグラフにより有機層を分析した結果、DMACは検知されなかった。また有機物中の鉄分は検知されなかった。
この結果、鉄錯体並びにDMACは水洗により除去可能であることが判明した。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径1インチ・長さ30cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を150cc充填した。約320cc/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を約0.40g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。そのまま反応管の温度を最高触媒処理温度350℃まで昇温し1時間保った。次に反応管の温度を250℃に下げ、フッ化水素を0.4g/分の供給速度とし、実施例3の実験番号1に示した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを予め気化させて1.0g/分の速度で反応器へ供給開始した。
反応開始1時間後には反応は安定したので、その後2時間にわたって反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで捕集したところ、65.2gの有機物が捕集された。捕集された有機物をガスクロマトグラフで分析した。1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン転化率は99.9%以上、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(トランス体/シス体生成比:10/1)の選択率は92.4%であった。
[比較例1]
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
続いて、実施例5と同様の条件で、フッ化水素を約0.4g/分の供給速度とし、実施例3の実験番号4に示したDMAC塩酸塩1140ppm混入した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを予め気化させて1.0g/分の速度で反応器へ供給開始した。反応開始1時間経過後、2時間にわたって反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで80.2g捕集した。捕集した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した。1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン転化率は79.3%、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(トランス体/シス体生成比:10/1)の選択率は91.3%であった。
この実験から、DMAC塩酸塩が混入した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを原料として用いると急速に触媒活性が低下することがわかる。
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造
攪拌機を備えた1000mlの硝子製オートクレーブに、四塩化炭素3.2モル、クロロホルム0.8モル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)0.06モル(1.25モル%対四塩化炭素)、鉄粉0.02モル(0.625モル%対四塩化炭素)を仕込み、反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、密封して250rpmで攪拌を行いながら140℃に加熱し30分間保持した。このときの圧力は0.25MPaGになった。30分後塩化ビニルを圧入して圧力をほぼ0.33MPaGとし、反応の進行にともない圧力を保つように塩化ビニルを添加し2モル加えた。反応時間は160分間であった。
反応終了後反応器を放冷し、これをガスクロマトグラフで分析した。
仕込みの四塩化炭素に対する目的物である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンへの収率は、55.1モル%であった。また残った四塩化炭素は1.35モル(仕込み量に対し42.2%)であった。一方、そのときの塩化ビニル反応率および1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン選択率はそれぞれ97.6%および92.7%であった。
なお、当該目的物には、DMAC塩酸塩が500ppm、鉄錯体が1100ppm含まれていた。
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中に含まれているDMAC塩酸塩の吸着剤を用いた分離除去
続けて、100mlスクリューキャップ付きガラス瓶に、DMAC塩酸塩を500ppm、鉄錯体を1100ppm含む1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、吸着剤(活性アルミナ(住友化学社製))を仕込み、30分間室温に放置した。その後、乾燥後、蒸留・精製を行い、得られた有機物をガスクロマトグラフで分析したところ、鉄錯体を99ppm、DMAC塩酸塩濃度が90ppm以下であることを確認した。
DMAC塩酸塩、鉄錯体等を吸着除去した後に、減圧蒸留等により未反応四塩化炭素等を分離除去し、得られた1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、続く1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造における原料として用いた。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
次に、電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径1インチ・長さ30cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を150cc充填した。約320cc/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を約0.40g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。そのまま反応管の温度を最高触媒処理温度350℃まで昇温し1時間保った。次に反応管の温度を250℃に下げ、フッ化水素を0.4g/分の供給速度とし、鉄錯体を99ppm、DMAC塩酸塩を90ppm含む1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを予め気化させて1.0g/分の速度で反応器へ供給開始した。
反応開始1時間後には反応は安定したので、その後2時間にわたって反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで捕集したところ、65.2gの有機物が捕集された。捕集された有機物をガスクロマトグラフで分析した。1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン転化率は99.9%以上、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(トランス体/シス体生成比:10/1)の選択率は92.4%であった。
[比較例2]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造は、実施例6と同様の仕込み量、反応条件で行い、DMAC塩酸塩が1500ppm、鉄錯体が500ppm混入した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを得た。なお、ここでは当該プロパンに対し、吸着剤、水洗等を用いてのDMAC塩酸塩の分離除去操作を行わずに、減圧蒸留等により未反応四塩化炭素等を分離除去しそのまま1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造における出発原料として使用した。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
フッ化水素を約0.4g/分の供給速度とし、DMAC塩酸塩が1500ppm、鉄錯体が500ppm混入した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを予め気化させて1.0g/分の速度で反応器へ供給開始した。反応開始1時間経過後、2時間にわたって反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで80.2g捕集した。捕集した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した。1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン転化率は68.5%、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(トランス体/シス体生成比:10/1)の選択率は92.1%であった。
この実験から、DMAC塩酸塩が1500ppm、鉄錯体が500ppm混入した1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを原料として用いると急速に触媒活性が低下することがわかる。
本発明の対象である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、農薬、医薬、冷媒、作動流体、発泡剤、噴射剤および機能性材料並びにフッ素化炭化水素等の中間体として利用できる。

Claims (10)

  1. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンにフッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る製造方法において、反応系内に供給する1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンとして、鉄触媒の存在下、四塩化炭素と塩化ビニルとの反応により得られる1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンであって、該1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン中の金属可溶化剤金属可溶化剤の塩酸塩及び鉄錯体の濃度をそれぞれ100ppm以下に抑えたものを用い
    該金属可溶化剤が、ニトリル類、アミド類、亜リン酸エステル類またはその他の化合物であり、該その他の化合物が、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イメダゾリジノン又はγ−ブチロラクトンであることを特徴とする、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
  2. 金属可溶化剤が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、イソフタロニトリル、2−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル及び亜リン酸トリブチルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  3. 金属可溶化剤が、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、2−アミノアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、及びヘキサメチルホスホリックトリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  4. 鉄錯体が、「N,N−ジメチルアセトアミドと塩化鉄(II)、及び塩化鉄(III)からなる錯体」(FeCl・2FeCl・6DMAC)である、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
  5. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、該プロパン中の金属可溶化剤金属可溶化剤の塩酸塩及び鉄錯体をそれぞれ吸着剤吸着除去した後に、前記反応系内に供給することを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載の方法。
  6. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、該プロパン中の金属可溶化剤金属可溶化剤の塩酸塩及び鉄錯体をそれぞれ水で洗浄除去した後に、前記反応系内に供給することを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載の方法。
  7. 四塩化炭素と塩化ビニルとの反応において用いる鉄触媒の濃度を、鉄換算で100ppm以下に抑えることにより行う、請求項1乃至6に記載の方法。
  8. 触媒の非存在下、100〜500℃の温度範囲で、かつ0.05〜6.0MPaの圧力範囲で行うことを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載の方法。
  9. フッ素化触媒存在下、気相で行うことを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載の方法。
  10. フッ素化触媒がフッ素化処理したステンレス鋼触媒、アルミナ、ジルコニア、チタニア、活性炭、クロム担持アルミナ、及びクロム担持活性炭からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
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