JP2014530214A - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、部分的に、1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)中に湿分が存在すると、HCO−1230xaの2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンへのフッ素化中において、触媒の失活及び加速した反応器内の腐食をもたらすという発見に関連する。湿分を実質的に除去することによって、触媒寿命を伸ばし、フッ素化反応の向上した運転効率が与えられることが示される。かかる工程は、同様に、幾つかのヒドロフルオロオレフィン、特に2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の製造における全体的な向上をもたらす。【選択図】なし

Description

[0001]本出願は、2011年9月30日出願の米国仮出願USSN−61/541,656の優先権を主張する。
[0002]本発明は、フッ素化有機化合物を製造する方法、より詳しくはフッ素化オレフィンを製造する方法、更により詳しくは2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造する方法に関する。
[0003]テトラフルオロプロペン(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)など)のようなヒドロフルオロオレフィン(HFO)は、現在、有効な冷媒、消火剤、熱伝達媒体、噴射剤、起泡剤、発泡剤、気体状誘電体、滅菌剤キャリア、重合媒体、粒状物除去流体、キャリア流体、バフ研磨剤、置換乾燥剤、及び動力サイクル作動流体であることが知られている。クロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)(これらはいずれも地球オゾン層を損傷する可能性がある)とは異なり、HFOは塩素を含まず、したがってオゾン層を脅威にさらさない。HFO−1234yfはまた、低い毒性を有する低地球温暖化化合物であることが示されており、したがって可動型空調における冷媒に関する益々厳しくなっている要求を満足することができる。したがって、HFO−1234yfを含む組成物は、中でも、上述の用途の多くにおいて用いるように開発されている材料である。
[0004]HFOを製造する幾つかの方法が公知である。例えば、米国特許4,900,874(Iharaら)においては、水素ガスをフッ素化アルコールと接触させることによってフッ素含有オレフィンを製造する方法が記載されている。これは比較的高い収率のプロセスであるように思われるが、高温の水素ガスを商業的スケールで取扱うことは危険である。また、現場での水素プラントの建築のような水素ガスを商業的に製造するコストは経済的に高コストである。
[0005]米国特許2,931,840(Marquis)においては、塩化メチル及びテトラフルオロエチレン又はクロロジフルオロメタンを熱分解することによってフッ素含有オレフィンを製造する方法が記載されている。このプロセスは比較的低い収率のプロセスであり、有機出発材料の非常に大きな割合が、プロセスにおいて用いる触媒を失活させる傾向がある相当量のカーボンブラックなどの望まれておらず及び/又は重要でない副生成物に転化する。
[0006]トリフルオロアセチルアセトン及び四フッ化イオウからHFO−1234yfを製造することが記載されている(Banksら, Journal of Fluorine Chemistry, vol.82, 2号, p.171〜174(1997)を参照)。また、米国特許5,162,594(Krespan)においては、テトラフルオロエチレンを液相中で他のフッ素化エチレンと反応させてポリフルオロオレフィン生成物を生成させるプロセスが開示されている。
[0007]HFO−1234yfの製造はまた、米国特許8,084,653、8,071,825、及び8,058,486(これらの内容を参照として包含する)にも記載されている。
米国特許4,900,874 米国特許2,931,840 米国特許5,162,594 米国特許8,084,653 米国特許8,071,825 米国特許8,058,486
Banksら, Journal of Fluorine Chemistry, vol.82, 2版, p.171〜174(1997)
[0008]しかしながら、HFO−1234yfのようなヒドロフルオロオレフィンを製造する経済的な手段に対する必要性が未だ存在する。本発明はとりわけこの必要性を満足する。
[0009]本発明は、部分的に、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)のような幾つかのHFOを製造するために用いる幾つかの気化した出発又は中間体供給流中に湿分が存在すると、酸化オリゴマー及び固体無機塩の両方の形成が促進される可能性があるという驚くべき発見に関連する。これにより、HFO製造のための初めのフッ素化工程において用いる触媒の失活がもたらされる。したがって、一形態においては、本発明は、触媒寿命を伸ばし、反応効率を向上させるように、供給流から湿分を除去するための1以上のプロセス工程を与える。
[0010]一形態においては、本発明は、水を実質的に含まない1,1,2,3−テトラクロロプロペンの組成物を含む、フルオロオレフィンの製造において用いるための供給材料に関する。「実質的に含まない」という規定は本明細書において定義する任意のものであってよいが、一形態においては、含水量は、約200ppm未満の水;約100ppm未満の水;又は約50ppm未満の水;である。
[0011]他の形態においては、本発明は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンを含む組成物を与え;かかる組成物の湿分含量を減少させて、それが水を実質的に含まないようにすることによって、1,1,2,3−テトラクロロプロペン供給材料の湿分含量を減少させる方法に関する。湿分含量は、蒸留を用いるか、及び/又は1種類以上の乾燥剤を用いて減少させることができる。乾燥剤としては、シリカゲル、活性炭、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、モンモリロナイトクレイ、モレキュラーシーブ、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
[0012]他の形態においては、本発明は、式I:
CX=CCl−CHX (I);
(式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはフッ素ではない)
の少なくとも1種類の化合物を含み、水を実質的に含まない出発組成物を与え;かかる出発組成物をフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む最終組成物を生成させる;ことによって2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法に関する。幾つかの態様においては、式Iの少なくとも1種類の化合物は、少なくとも1つのXを塩素として有する。更なる態様においては、式Iの少なくとも1種類の化合物は、それぞれのX位置において塩素を有する。更なる態様においては、式Iの少なくとも1種類の化合物は1,1,2,3−テトラクロロプロペンを含む。
[0013]出発組成物をフッ素化剤と接触させる工程は、触媒の存在下で行うことができる。一形態においては、接触工程は、蒸気相中において、蒸気相触媒を存在させるか又は存在させないで行う。かかる反応のために用いる蒸気相触媒としては、酸化クロム、水酸化クロム、ハロゲン化クロム、オキシハロゲン化クロム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、オキシハロゲン化アルミニウム、酸化コバルト、水酸化コバルト、ハロゲン化コバルト、オキシハロゲン化コバルト、酸化マンガン、水酸化マンガン、ハロゲン化マンガン、オキシハロゲン化マンガン、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、ハロゲン化ニッケル、オキシハロゲン化ニッケル、酸化鉄、水酸化鉄、ハロゲン化鉄、オキシハロゲン化鉄、その無機塩、そのフッ素化誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの態様においては、触媒は、Crなど(しかしながらこれに限定されない)の酸化クロムを含む。
[0014]更なる形態においては、本発明は、
(a)式I:
CX=CCl−CHX (I)
(式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはフッ素ではない)
の化合物を含み、水を実質的に含まない出発組成物を与え;
(b)出発組成物を第1のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び第1の塩素含有副生成物を含む第1の中間体組成物を生成させ;
(c)第1の中間体組成物を第2のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む第2の中間体組成物を生成させ;そして
(d)2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの少なくとも一部を脱塩化水素化して、2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンを含む反応生成物を生成させる;
ことによって2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンを製造する方法に関する。
[0015]本発明の更なる態様及び有利性は、本明細書に与える開示事項に基づいて当業者に容易に明らかになるであろう。
[0016]本発明のこれら及び他の特徴、形態、及び有利性は、以下の記載、特許請求の範囲、及び添付の図面に関してより良好に理解されるようになるであろう。
[0017]図1は、実施例4における手順にしたがって製造される生成物のHCFO−1233xfの量を、HCO−1230xaのHCFO−1233xfへの反応中の運転時間の関数としてグラフで示す。
[0018]一態様によれば、本発明は、式I:
CX=CCl−CHX (式I)
(式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはフッ素ではない)
にしたがう出発材料を用いて2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンを製造するための製造方法を包含する。幾つかの態様においては、式Iの1種類又は複数の化合物は少なくとも1つの塩素を含み、より好ましくはXの大部分は塩素であり、更により好ましくは全てのXは塩素である。幾つかの態様においては、式Iの化合物は1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)である。
[0019]本方法は、一般に少なくとも3つの反応工程を含む。第1工程においては、式Iの出発組成物(例えば1,1,2,3−テトラクロロプロペン)を、第1の蒸気相反応器(フッ素化反応器)内で無水HFと反応させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)及びHClの混合物を生成させる。幾つかの態様においては、反応は、蒸気相中において、フッ素化酸化クロムなど(しかしながらこれに限定されない)の蒸気相触媒の存在下で行う。触媒は、触媒の状態に応じて使用前に無水フッ化水素:HF(フッ化水素ガス)で活性化してもよい(又は活性化しなくてもよい)。
[0020]蒸気相触媒としてフッ素化酸化クロムを開示するが、本発明はこの態様に限定されない。当該技術において公知の任意のフッ素化触媒を、このプロセスにおいて用いることができる。好適な触媒としては、クロム、アルミニウム、コバルト、マンガン、ニッケル、及び鉄の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、その無機塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のために好適な触媒の組合せとしては、非排他的にCr、FeCl/炭素、Cr/Al、Cr/AlF、Cr/炭素、CoCl/Cr/Al、NiCl/Cr/Al、CoCl/AlF、NiCl/AlF、及これらの混合物が挙げられる。酸化クロム/酸化アルミニウム触媒は、米国特許5,155,082(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。結晶質酸化クロム又はアモルファス酸化クロムのようなクロム(III)酸化物が好ましく、アモルファス酸化クロムが最も好ましい。酸化クロム(Cr)は商業的に入手可能な材料であり、種々の粒径で購入することができる。少なくとも98%の純度を有するフッ素化触媒が好ましい。フッ素化触媒は、過剰であるが、少なくとも反応を推進するのに十分な量で存在させる。
[0021]反応の前に、式Iの化合物は(特にそれがHCO−1230xaである場合には)、まず精製して湿分又は水を実質的に含まない出発供給流を形成する。商業的に入手できる無水HFは通常は水を実質的に含まないが、HCO−1230xa中には高いレベルの湿分が見られる可能性がある。通常は、式Iの化合物及びHCO−1230xaは、水の量を減少させないで用いられる。本明細書において用いる「実質的に含まない」という用語は、十分な体積の供給材料内の湿分又は水の含量を減少させて、湿分又は水を除去しない場合の触媒寿命又はプロセス効率と比べて触媒寿命及びプロセス効率を向上させることを意味する。幾つかの態様においては、この用語は大体±10%ppmを指す。幾つかの態様においては、湿分又は水の含量は約200ppm未満であり、更なる態様においては約100ppm未満であり、更なる態様においては約50ppm未満である。
[0022]一態様においては、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物の湿分含量は約190ppm未満であり、一方、他の態様においては約180ppm未満であり、他の態様においては約170ppm未満である。本発明の他の態様においては、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物の湿分含量は、約160ppm未満;約150ppm未満;約140ppm未満;約130ppm未満;約120ppm未満;約110ppm未満;約100ppm未満;約90ppm未満;約80ppm未満;約70ppm未満;約60ppm未満;約50ppm未満;約40ppm未満;約30ppm未満;約20ppm未満;である。他の態様においては、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物の湿分含量は約10ppm〜約200ppmの範囲であり、一方、他の態様においては約10ppm〜約150ppmの範囲であり、一方、更に他の態様においては約11ppm〜約100ppm、一方、他の態様においては約12ppm〜約50ppmの範囲である。本発明は、
Figure 2014530214
及び更により低い式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物の湿分含量を意図する。
[0023]任意の通常の技術を用いて湿分を除去することができる。非限定的な技術としては、蒸留、及び/又は乾燥剤を用いる吸収などが挙げられる。蒸留は、大気圧、大気圧以上、又は真空下で操作することができ、2つの化合物を分離するための標準的な蒸留方法を用いて行うことができる。更に、蒸留によって水を分離除去することができる。式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物から湿分を除去する他の方法は乾燥剤を用いることによるものであり、乾燥剤を、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物と、その湿分含量を減少させてそれが水を実質的に含まないようにするのに十分な時間接触させる。種々の乾燥剤を種々の方法で用いることができるが、幾つかの態様においては、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、又はそれを含む組成物を、予め包装した乾燥剤内で連続的に乾燥する。非限定的な乾燥剤としては、シリカゲル、活性炭、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、モンモリロナイトクレイ、及び種々のモレキュラーシーブが挙げられる。供給材料が湿分を実質的に含まなくなったら、次にHF(フッ化水素)及び湿分を含まない出発供給材料を連続的に気化器に供給し、気化した反応物質を触媒床に供給する。
[0024]式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、及び/又はそれを含む組成物の湿分含量は、カール・フィッシャー滴定などのような通常の手段によって測定する。
[0025]式Iの化合物がHCO−1230xaである場合には、反応の工程1におけるHFとHCO−1230xaとのモル比は、1:1〜1:50、幾つかの態様においては約1:10〜約1:20である。HFとHCO−1230xaとの間の反応は、約150℃〜約400℃(幾つかの態様においては約180℃〜約300℃)の温度、及び約0psig〜約200psig(幾つかの態様においては約0psig〜約100psig)の圧力において行う。HCO−1230xaと触媒との接触時間は約1秒間〜約60秒間の範囲であってよいが、より長いか又はより短い時間を用いることができる。
[0026]フッ素化反応は、好ましくは、約50%以上、好ましくは約90%以上の転化率を達成するように行う。転化率は、消費された反応物質(HCO−1230xa)のモル数を、反応器に供給した反応物質(HCO−1230xa)のモル数で割って100をかけることによって算出される。達成されるHCFO−1233xfに関する選択率は、好ましくは約60%以上、より好ましくは約80%以上である。選択率は、形成された生成物(HCFO−1233xf)のモル数を、消費された反応物質のモル数で割ることによって算出される。
[0027]反応のこの第1工程は、蒸気相フッ素化反応のために好適な任意の反応器内で行うことができる。幾つかの態様においては、反応器は、ハステロイ、ニッケル、インコロイ、インコネル、モネル、及びフルオロポリマーライニング材料のようなフッ化水素及び触媒の腐食作用に抵抗性の材料から構成する。容器は固定触媒床又は流動床である。所望の場合には、運転中に窒素又はアルゴンのような不活性ガスを反応器内で用いることができる。
[0028]一般に、多段階反応器配置において存在する可能性がある任意の中間体流出流を含むフッ素化反応工程からの流出流は、処理して所望の分離度及び/又は他の処理度を達成することができる。例えば、反応器流出流がHCFO−1233xfを含む態様においては、流出流は一般に、HCl、並びにHF、2,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(HCFO−1232xf)、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xd)、トリクロロフルオロプロペン(HCFO−1231)異性体、2−クロロ−1,1,1,2−テトラクロロプロパン(HCFC−244bb)、及び未反応のHCO−1230xaの1以上も含む。中和及び蒸留のような当該技術において公知の任意の分離又は精製方法を用いて、反応生成物のこれらの成分の幾つかの部分又は実質的に全部を反応混合物から回収することができる。未反応のHCO−1230xa及びHFは、完全か又は部分的に再循環して、所望のHCFO−1233xfの全収率を向上させることができるであろうと考えられる。形成されるHCFO−1232xf及びHCFO−1231も再循環することができる。
[0029]場合によっては、次にフッ素化反応の結果物から塩化水素を回収する。塩化水素の回収は通常の蒸留によって行い、それを留出物から除去する。或いは、HClは、水又は苛性スクラバーを用いることによって回収又は除去することができる。水抽出器を用いる場合には、HClは水溶液として除去される。苛性スクラバーを用いる場合には、HClは水溶液中の塩化物塩として系から除去される。
[0030]2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンを形成するためのプロセスの第2工程においては、HCFO−1233xfを2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)に転化させる。一態様においては、この工程は、液相反応器(これはTFE又はPFAライニングしていてよい)内において液相中で行うことができる。かかるプロセスは、約70〜120℃の温度範囲及び約50〜120psigにおいて行うことができる。
[0031]任意の液相フッ素化触媒を本発明において用いることができる。非包括的なリストとしては、ルイス酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属酸化物、第IVb族金属ハロゲン化物、第Vb族金属ハロゲン化物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。液相フッ素化触媒の非排他的な例は、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化タンタル、ハロゲン化チタン、ハロゲン化ニオブ、及びハロゲン化モリブデン、ハロゲン化鉄、フッ素化ハロゲン化クロム、フッ素化酸化クロム、又はこれらの組み合わせである。液相フッ素化触媒の非排他的な具体例は、SbCl、SbCl、SbF、SnCl、TaCl、TiCl、NbCl、MoCl、FeCl、SbClのフッ素化種、SbClのフッ素化種、SnClのフッ素化種、TaClのフッ素化種、TiClのフッ素化種、NbClのフッ素化種、MoClのフッ素化種、FeClのフッ素化種、又はこれらの組み合わせである。五塩化アンチモンが最も好ましい。
[0032]これらの触媒は、失活してきら、当該技術において公知の任意の手段によって容易に再生することができる。触媒を再生する1つの好適な方法は、触媒を通して塩素流を流すことを含む。例えば、液相フッ素化触媒1ポンドあたり約0.002〜約0.2ポンド/時の塩素を液相反応に加えることができる。これは、例えば約65℃〜約100℃の温度において約1〜約2時間又は連続的に行うことができる。
[0033]反応のこの第2工程は、必ずしも液相反応に限定されず、米国公開特許出願20070197842(その内容を参照として本明細書中に包含する)において開示されているもののような蒸気相反応又は液相と蒸気相の組み合わせを用いて行うこともできる。この目的のために、HCFO−1233xfを含む供給流を約50℃〜約400℃の温度に予め加熱して、触媒及びフッ素化剤と接触させる。触媒にはかかる反応のために用いられる標準的な蒸気相試薬を含ませることができ、フッ素化剤としては、フッ化水素など(しかしながらこれに限定されない)の当該技術において一般的に知られているものを挙げることができる。
[0034]HFO−1234yf製造の第3工程においては、HCFC−244bbを第2の蒸気相反応器(脱塩化水素化反応器)に供給し、脱塩化水素化して所望の生成物の2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エン(HFO−1234yf)を生成させる。この反応器には、HCFC−244bbを接触脱塩化水素化してHFO−1234yfを生成させることができる触媒を含ませる。
[0035]触媒は、金属ハロゲン化物、ハロゲン化金属酸化物、中性(又は0の酸化状態)の金属又は金属合金、或いはバルク若しくは担持形態の活性炭であってよい。金属ハロゲン化物又は金属酸化物触媒としては、一価、二価、及び三価金属のハロゲン化物、酸化物、並びにこれらの混合物/組み合わせ、より好ましくは一価及び二価金属のハロゲン化物、及びこれらの混合物/組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。構成成分の金属としては、Cr3+、Fe3+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Zn2+、Pd2+、Li、Na、K、及びCsが挙げられるが、これらに限定されない。構成成分のハロゲンとしては、F、Cl、Br、及びIが挙げられるが、これらに限定されない。有用な一価又は二価金属のハロゲン化物の例としては、LiF、NaF、KF、CsF、MgF、CaF、LiCl、NaCl、KCl、及びCsClが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化処理としては、従来技術において公知の任意のもの、特にハロゲン化源としてHF、F、HCl、Cl、HBr、Br、HI、及びIを用いるものを挙げることができる。
[0036]中性、即ち0価の金属、金属合金、及びこれらの混合物を用いる場合には、有用な金属としては、Pd、Pt、Rh、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Cr、Mn、及び合金又は混合物としての上記の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。触媒は担持又は非担持であってよい。金属合金の有用な例としては、SS316、モネル400、インコネル825、インコネル600、及びインコネル625が挙げられるが、これらに限定されない。
[0037]好ましいが非限定的な触媒としては、活性炭、ステンレススチール(例えばSS316)、オーステナイトニッケルベースの合金(例えばインコネル625)、ニッケル、フッ素化10%CsCl/MgO、及び10%CsCl/MgFが挙げられる。反応温度は好ましくは約300〜550℃であり、反応圧力は約0〜150psigの間であってよい。反応器流出流は苛性スクラバー又は蒸留カラムに供給し、HClの副生成物を除去して酸を含まない有機生成物を生成させることができ、これは場合によっては当該技術において公知の精製技術の1つ又は任意の組み合わせを用いて更なる精製にかけることができる。
[0038]本発明者らは、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、又はそれを含む組成物中に湿分が存在すると問題を引き起こすことを見出した。本明細書において規定するように、かかる湿分はHCO−1230xaの酸化オリゴマーの形成を促進し、それによって触媒の活性部位をブロックすることによって触媒の失活を引き起こす。更に、HFが反応における原材料であるので、湿分はプロセスラインの腐食、及び最終的には固体無機塩の形成を促進して、これが触媒表面上に付着して同様に触媒の失活を引き起こす可能性がある。例えば、それに縛られることは望まないが、式Iの化合物がHCO−1230xaである場合には、第1のフッ素化工程における有機副生成物は、ペンタノン及び/又はメチルヘキサヒドロペンタレン−1,6−ジオンである。更に、湿分の存在によって、フッ素化工程において用いる装置の腐食、及び/又は気化器のようなフッ素化において用いる種々の装置の閉塞が引き起こされる可能性がある。HCO−1230xaのような式Iの化合物、又はそれを含む組成物中のより高い湿分含量は、これらの悪影響を悪化させる。HCO−1230xaのような式Iの化合物、又はそれを含む組成物の湿分含量が減少するにつれて、本明細書に記載する蒸気相フッ素化反応(第1のフッ素化反応)の効率が向上し、触媒寿命が長くなり、一方で、フッ素化反応の効率を妨げ、触媒寿命を減少させる副生成物の形成が減少する。湿分又は水を実質的に含まない供給流を与えることによって、触媒寿命が伸び、その存在の悪影響が阻止されないとしても最小になる。例えば、下記の実施例において記載するように100ppm以下の水の濃度においても、本明細書に記載する蒸気相フッ素化プロセスにおいて用いる触媒の触媒寿命は、湿分含量を減少させていないHCO−1230xaのような式Iの化合物、又はそれを含む組成物を扱う場合のプロセスにおける触媒寿命と比べて向上する。更に、湿分含量が100ppm以下である場合には、式Iの化合物、例えばHCO−1230xa、又はそれを含む組成物を、湿分含量を減少させないで用いた場合と比べて、起こるとしても、気化器を閉塞させるか又はパイプのような装置を腐食させるのにより多くの時間がかかる。
[0039]反対に示されていない限りにおいて、「湿分」及び「水」という用語は類義語として扱われ、互換的に用いられる。
[0040]以下は本発明の例であり、限定として解釈すべきではない。
[0041]実施例1:
[0042]実施例1で用いたHCO−1230xa供給材料は、99.2GC(ガスクロマトグラム)面積%の純度を有し、100ppmの湿分を含んでいた。
[0043]N、HF、及び有機物質の供給システム、供給材料気化器、過熱器、内径2インチのモネル反応器、酸スクラバー、乾燥器、及び生成物回収システムから構成される連続蒸気相フッ素化反応システムを用いて反応を研究した。反応器に1.8Lのフッ素化Cr触媒を装填した。次に、反応器を一定温度の砂浴内に設置した後、触媒上にNパージを流しながら反応器を約180℃の温度に加熱した。HF供給材料を、Nとの共供給流として(気化器及び過熱器を介して)反応器に15分間導入し、この時点でN流を停止した。HFの流速を1.9ポンド/時に調節し、次に(気化器及び過熱器を介する)反応器への1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)の供給を開始した。HCO−1230xa供給材料は5ppmのジイソプロピルアミンを含んでいた。HF:HCO−1230xaの約17:1のモル比のために、HCO−1230xaの供給速度を1.7ポンド/時において一定に維持し、HFの供給を3.2ポンド/時において一定に維持した。反応が開始したら、触媒床の温度は約200℃に上昇した。触媒の失活が起こるにつれて、所望の生成物回収速度を維持するために反応温度を徐々に上昇させた。反応圧力は100psigで一定に維持した。反応は約180時間運転することができた。運転約180時間後に幾つかの問題が起こった。気化器が激しく閉塞し、反応が強制的に停止された。固体物質を回収し、リン酸及び硫酸の混合物中で分解して次にDI水で希釈した後に、ICP及びICによって分析した。表1に示すように、固体物質の大部分(>70重量%)は無機塩から構成されている。塩中の金属の大部分はモネルチューブ/パイプ由来のものであり、金属フッ化物の量は金属塩化物の量よりも非常に多い。これらの結果は、モネルチューブ/パイプの腐食(これは湿分の存在によって促進されている)が起こったことを示す。しかしながら、反応は、HCO−1230xa供給材料が400ppmより多い湿分を含んでいた場合よりも長く運転することができる。
Figure 2014530214
[0044]実施例2:
[0045]実施例2において用いたHCO−1230xa供給材料は、99.2GC(ガスクロマトグラム)面積%の純度を有し、100ppmの湿分を含んでいた。
[0046]反応を研究するために、N、HF、及び有機物質の供給システム、蒸気気化器、外径3/4インチのU字型過熱器(砂浴中に浸漬)、及び酸スクラバーから構成されるシステムを用いた。U字型の過熱器をN流中において約180℃の温度に加熱した。HF及びHCO−1230xaを、それぞれ2.0ポンド/時及び1.0ポンド/時の供給速度において、蒸気気化器、次にU字型の過熱器に導入した。HCO−1230xa供給材料は5ppmのジイソプロピルアミンを含んでいた。次に、U字型の過熱器内の圧力を70psigに上昇させた。8時間後、U字型の過熱器からのプロセス流全体をDIP(ドライアイストラップ)に送り、15分間回収した。次に、50mLのCHCl及び530mLのDI−HOをDIT中に吸引した。DITの内容物を、解凍した後に、相分離のために分液漏斗中に移した。分離された有機相のフラクションを、非揮発性残留物(NVR)の測定にかけた。347ppmのNVRが得られた。次に、NVR試料を、塩化メチレン中に溶解した後に、H−NMR及びGC−MS分析にかけた。H−NMR分析は、長鎖脂肪族炭化水素(これはおそらくは有機酸(C=O, 1709〜1730cm-1)としての末端である)の存在を示唆し、GC−MS分析はペンタノン及びメチルヘキサヒドロペンタレン−1,6−ジオン(いずれも酸素原子を含む)の存在を示す。しかしながら、ペンタノン及びメチルヘキサヒドロペンタレン−1,6−ジオンの量は、HCO−1230xa供給材料が600ppmの湿分含量を有していた場合に形成された量よりも少ない。
[0047]実施例3:
[0048]本実施例は、HCO−1230xa供給材料からの湿分を除去に関する3Aモレキュラーシーブの有効性を示す。実施例1において用いたHCO−1230xa供給材料は、99.2GC(ガスクロマトグラム)面積%の純度を有し、100ppmの湿分を含んでいた。HCO−1230xa供給材料は5ppmのジイソプロピルアミンを含んでいた。HCO−1230xa供給材料を、2Lの3Aモレキュラーシーブを充填した内径2インチのカラムに1.0ポンド/時の速度で通過させ、乾燥カラムの後にサンプリング口から試料を採取した。湿分レベルは、Mitsubishi Moisture Meter(モデルCA-100)を用いて12ppmであると求められ、これは3AモレキュラーシーブがHCO−1230xaのための有効な乾燥剤であることを示す。
[0049]実施例4:
[0050]本実施例は、50ppmの湿分を含むHCO−1230xa供給材料を用いる、1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)への連続蒸気相フッ素化反応中におけるフッ素化Cr触媒の性能を示す。
[0051]N、HF、及び有機物質の供給システム、供給材料気化器、過熱器、内径2インチのモネル反応器、酸スクラバー、乾燥器、及び生成物回収システムから構成される連続蒸気相フッ素化反応システムを用いて反応を研究した。反応器に1.8Lのフッ素化Cr触媒を装填した。次に、反応器を一定温度の砂浴内に設置した後、触媒上にNパージを流しながら反応器を約180℃の温度に加熱した。HF供給材料を、Nとの共供給流として(気化器及び過熱器を介して)反応器に15分間導入し、この時点でN流を停止した。HF:HCO−1230xaの約17:1のモル比のために、HFの流速を1.9ポンド/時に調節し、次に(気化器及び過熱器を介する)反応器への1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)の1.0ポンド/時の供給速度での供給を開始した。HCO−1230xa供給材料は5ppmのジイソプロピルアミンを含んでいた。反応が開始したら、触媒床の温度は反応の発熱性のために約200℃に上昇した。触媒の失活が起こるにつれて、所望の生成物回収速度を維持するために反応温度(ホットスポット温度)を徐々に上昇させた。反応温度が約300℃に達した時点で反応を停止した。合計で、反応は閉塞の問題なしに約1380時間運転され、約690ポンドの99+%のHCFO−1233xfが回収された。運転時間の関数としての生成物回収シリンダー内に回収された生成物の量(PCC重量増加)を図1に示す。
[0052]比較例:
[0053]本実施例は机上実施例である。本実施例においては、供給系は400ppmより多い湿分を含むHCO−1230xaを含む。N、HF、及び有機物質の供給システム、供給材料気化器、過熱器、内径2インチのモネル反応器、酸スクラバー、乾燥器、及び生成物回収システムから構成される連続蒸気相フッ素化反応システムを用いて反応を研究する。反応器に1.8Lのフッ素化Cr触媒を装填する。次に、反応器を一定温度の砂浴内に設置した後、触媒上にNパージを流しながら反応器を約180℃の温度に加熱する。HF供給材料を、Nとの共供給流として(気化器及び過熱器を介して)反応器に15分間導入した後、N流を停止する。HFの流速を1.9ポンド/時に調節し、次に(気化器及び過熱器を介する)反応器への1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)の供給を開始する。HF:HCO−1230xaの約17:1のモル比のために、HCO−1230xaの供給速度を1.7ポンド/時において一定に維持し、HFの供給を3.2ポンド/時において一定に維持する。反応が開始したら、触媒床の温度は約200℃に上昇する。触媒の失活が起こるにつれて、所望の生成物回収速度を維持するために反応温度を徐々に上昇させる。180時間よりも非常に短い時間で、気化器が激しく閉塞するようになって反応は強制的に停止された。更に、HCO−1230xaのより多い湿分含量のために、実施例1におけるよりも非常に早くモネルチューブ/パイプの腐食が起こる。更に、実施例2において生成したものよりも非常に多い長鎖脂肪族炭化水素が回収される。
[0054]上記の好ましい態様及び例は、本発明の範囲及び精神を示すために与えた。これらの態様及び例によって、他の態様及び例が当業者に明らかになるであろう。他の態様及び例は、本発明の意図の範囲内である。したがって、本発明は補正された特許請求の範囲によってのみ限定すべきである。

Claims (27)

  1. 水を実質的に含まない1,1,2,3−テトラクロロプロペンを含む組成物を含む、フルオロオレフィンの製造において用いるための供給材料。
  2. 組成物が約200ppm未満の水を含む、請求項1に記載の供給材料。
  3. 組成物が約100ppm未満の水を含む、請求項1に記載の供給材料。
  4. 組成物が約50ppm未満の水を含む、請求項1に記載の供給材料。
  5. 式I:
    CX=CCl−CHX (I);
    (式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはフッ素ではない)
    の少なくとも1種類の化合物を含み、水を実質的に含まない出発組成物を与え;そして
    かかる出発組成物をフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む最終組成物を生成させる;
    ことを含む2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
  6. 式Iの少なくとも1種類の化合物が、少なくとも1つのXが塩素である化合物である、請求項5に記載の方法。
  7. 式Iの少なくとも1種類の化合物が、全てのXが塩素である化合物である、請求項5に記載の方法。
  8. 式Iの少なくとも1種類の化合物が1,1,2,3−テトラクロロプロペンを含む、請求項5に記載の方法。
  9. 出発組成物とフッ素化剤との接触を蒸気相中で行う、請求項5に記載の方法。
  10. 接触を触媒の存在下で行う、請求項5に記載の方法。
  11. 触媒が蒸気相触媒である、請求項10に記載の方法。
  12. 蒸気相触媒が、酸化クロム、水酸化クロム、ハロゲン化クロム、オキシハロゲン化クロム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、オキシハロゲン化アルミニウム、酸化コバルト、水酸化コバルト、ハロゲン化コバルト、オキシハロゲン化コバルト、酸化マンガン、水酸化マンガン、ハロゲン化マンガン、オキシハロゲン化マンガン、酸化ニッケル、水素化ニッケル、ハロゲン化ニッケル、オキシハロゲン化ニッケル、酸化鉄、水酸化鉄、ハロゲン化鉄、オキシハロゲン化鉄、その無機塩、そのフッ素化誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 触媒が酸化クロムである、請求項11に記載の方法。
  14. 触媒がCrである、請求項13に記載の方法。
  15. CX=CCl−CHXを含む出発組成物が、組成物から水を留去することによって水を実質的に含まないようにされている、請求項5に記載の方法。
  16. CX=CCl−CHXを含む出発組成物が、CX=CCl−CHXを含む出発組成物を、出発組成物に関係する水の濃度を水を実質的に含まない濃度に減少させるのに十分な時間、1種類以上の乾燥剤と接触させることによって水を実質的に含まないようにされている、請求項5に記載の方法。
  17. 1種類又は複数の乾燥剤が、シリカゲル、活性炭、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、モンモリロナイトクレイ、モレキュラーシーブ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 出発組成物が約200ppm未満の水を含む、請求項5に記載の方法。
  19. 出発組成物が約100ppm未満の水を含む、請求項5に記載の方法。
  20. 組成物が約50ppm未満の水を含む、請求項5に記載の方法。
  21. 式I:
    CX=CCl−CHX (I);
    (式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはフッ素ではない)
    の化合物を含み、水を実質的に含まない出発組成物を与え;
    かかる出発組成物を第1のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む第1の中間体組成物を生成させ;
    第1の中間体組成物を第2のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む第2の中間体組成物を生成させ;そして
    2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの少なくとも一部を脱塩化水素化して、2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンを含む反応生成物を生成させる;
    ことを含む2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エンの製造方法。
  22. 出発組成物が約200ppm未満の水を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 出発組成物が約100ppm未満の水を含む、請求項21に記載の方法。
  24. 組成物が約50ppm未満の水を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 式Iの少なくとも1種類の化合物が、少なくとも1つのXが塩素である化合物である、請求項21に記載の方法。
  26. 式Iの少なくとも1種類の化合物が、全てのXが塩素である化合物である、請求項21に記載の方法。
  27. 式Iの少なくとも1種類の化合物が1,1,2,3−テトラクロロプロペンである、請求項21に記載の方法。
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